JP2006180576A

JP2006180576A - 永久磁石電動機及びこれを用いた密閉型圧縮機

Info

Publication number: JP2006180576A
Application number: JP2004368337A
Authority: JP
Inventors: Toshihiko Futami; 俊彦二見
Original assignee: Toshiba Carrier Corp
Current assignee: Toshiba Carrier Corp
Priority date: 2004-12-20
Filing date: 2004-12-20
Publication date: 2006-07-06

Abstract

【課題】回転子鉄心と樹脂ボンド永久磁石が強固に固着され、運転による樹脂ボンド永久磁石の脱落がない永久磁石電動機及びこれを用いた密閉型圧縮機を提供する。
【解決手段】本永久磁石電動機は永久磁石回転子が電磁鋼板の積層体からなる継鉄部鉄心とこの継鉄部鉄心の内周に射出成形により取り付けられる樹脂ボンド永久磁石を備え、継鉄部鉄心の樹脂ボンド永久磁石と接する内周面に凹部または凸部を設け、射出成形される樹脂ボンド永久磁石が凹部または凸部に食込むようにする。
【選択図】図３

Description

本発明は永久磁石電動機及びこれを用いた密閉型圧縮機に係り、特に固定子の外周側に配置される永久磁石回転子の永久磁石の組立構造を改良した永久磁石電動機及びこれを用いた密閉型圧縮機に関する。

従来、固定子の外周側に永久磁石が配置される電動機として、特許文献１に記載されたような電動機があり、また、継鉄部鉄心に射出成形にて一体に取り付けられる樹脂ボンド永久磁石を具備した永久磁石回転子として、図１１及び図１２に示す構造のものが提案されている。

この図１１及び図１２に示す永久磁石回転子３１では、カップ状のフレーム３１ｃに継鉄部鉄心３１ｃを取り付け、継鉄部鉄心３１ａの内周面に樹脂ボンド永久磁石３１ｂを射出成形にて形成し、一体となしている。

永久磁石回転子３１は、継鉄部鉄心３１ａが電磁鋼板を打ち抜き積層したもので、積層面はかえりや隙間によって微少な凹凸３１ａ_１があり、樹脂ボンド永久磁石３１ｂを射出成形することによって樹脂ボンド永久磁石３１ｂが凹凸３１ａ_１に食い込み、ある程度の固着強度を有する。しかし、樹脂ボンド永久磁石３ｂには電動機の運転に伴い様々な方向の力が作用し、微少な凹凸３１ａ_１への食い込みのみでは継鉄部鉄心３１ａから樹脂ボンド永久磁石３ｂが脱落するという問題があった。
特開２００２−２０４５５７号公報

本発明は上述した事情を考慮してなされたもので、回転子鉄心と樹脂ボンド永久磁石が強固に固着され、運転による樹脂ボンド永久磁石の脱落がない永久磁石電動機及びこれを用いた密閉型圧縮機を提供する。

上述した目的を達成するため、本発明に係る永久磁石電動機は、固定子と、この固定子の外周側に配置される永久磁石回転子からなり、この永久磁石回転子が電磁鋼板の積層体からなる継鉄部鉄心とこの継鉄部鉄心の内周に射出成形により取り付けられる樹脂ボンド永久磁石を備えた永久磁石電動機において、前記継鉄部鉄心の前記樹脂ボンド永久磁石と接する内周面に凹部または凸部を設け、射出成形される前記樹脂ボンド永久磁石が前記凹部または凸部に食込むようにしたことを特徴とする。

また、本発明に係る永久磁石電動機は、固定子と、この固定子の外周側に配置される永久磁石回転子からなり、この永久磁石回転子が電磁鋼板の積層体からなる継鉄部鉄心とこの継鉄部鉄心の内周に射出成形により取り付けられる樹脂ボンド永久磁石を備えた永久磁石電動機において、前記樹脂ボンド永久磁石を継鉄部鉄心の端面を覆うように形成したことを特徴とする。

また、本発明に係る永久磁石電動機は、固定子と、この固定子の外周側に配置される永久磁石回転子からなり、この永久磁石回転子が電磁鋼板の積層体からなる継鉄部鉄心とこの鉄部鉄心の内周に射出成形により取り付けられる樹脂ボンド永久磁石を備えた永久磁石電動機において、前記樹脂ボンド永久磁石をポリフェニレンサルファイドをバインダとした樹脂ボンド永久磁石とし、磁極毎に分離して継鉄部鉄心と一体に射出成形するとともに、樹脂ボンド永久磁石を包み込むように樹脂を射出成形したことを特徴とする。

また、本発明に係る密閉型圧縮機は請求項１ないし４のいずれか１項に記載の永久磁石電動機と圧縮機構部とを密閉ケース内に収容してなることを特徴とする。

本発明に係る永久磁石電動機によれば、回転子鉄心と樹脂ボンド永久磁石が強固に固着され、運転による樹脂ボンド永久磁石の脱落がない永久磁石電動機を提供することができる。

また、本発明に係る密閉型圧縮機によれば、運転による樹脂ボンド永久磁石やバリの脱落を防止することができて、異物による圧縮機構部の不具合が起こりにくくなり、信頼性ある圧縮機を提供することができる。

以下、本発明に係る永久磁石電動機及びこれを用いた密閉型圧縮機の一実施形態について添付図面を参照して説明する。

図１は本発明の一実施形態に係る密閉形圧縮機の縦断面図、図２は本発明の第１実施形態に係る永久磁石電動機の平面図である。

図１に示すように、密閉形圧縮機２１は密閉ケース２２に電動機部として本実施形態に係る永久磁石電動機１を用い、この永久磁石電動機１によりクランクシャフト２３を介して回転駆動されるロータリ式圧縮機部２４を収容してなっている。図２に示すように、本第１実施形態に係る永久磁石電動機１は、巻線（図示せず）用の磁極歯２ａが複数形成された固定子２と、この固定子２の外周側に配置される永久磁石回転子３からなっている。そして、電源端子２５、口出線２６を介して永久磁石電動機１に給電されると、永久磁石回転子３及びこの回転子３と固着されたクランクシャフト２３が回転し、密閉ケース２２に設けられた吸込管２７から吸い込んだ冷媒ガスを圧縮機部２４で圧縮し、吐出管２８を介して密閉ケース２２外に吐出するようになっている。

図２ないし図５に示すように、この永久磁石回転子３は電磁鋼板の積層体からなる継鉄部鉄心（回転子鉄心）３ａとこの継鉄部鉄心３ａの内周に射出成形により取り付けられる樹脂ボンド永久磁石３ｂを備え、回転子フレーム３ｃに収容、固定されている。

さらに、継鉄部鉄心３ａの樹脂ボンド永久磁石３ｂと接する内周面に凹部３ａ_１または凸部３ａ_２が設けられ、射出成形される樹脂ボンド永久磁石３ｂが凹部３ａ_１あるいは凸部３ａ_２に食込んでいる。

このように、継鉄部鉄心３ａの内周面に射出成形により樹脂ボンド永久磁石３ｂが設けられているので、射出成形された樹脂ボンド永久磁石３ｂの一部が凹部３ａ_１あるいは凸部に食い込み、樹脂ボンド永久磁石３ｂは継鉄部鉄心３ａに強固に固着され、回転中に脱落することがない。

第３図では凹部３ａ_１の形状を先細のテーパとしているが、逆に末広のテーパとすることにより固着強度を一層強くすることできる。

また、樹脂ボンド磁石３ｂを磁極の中央部が厚く、周辺に行くに従って薄くなるようにすることによって、コギンクトルクの低減と固定子巻線の誘起電圧波形の改善を図ることができる。

さらに、継鉄部鉄心の内周面に全周に凹部を設けるとこの部分の磁石の厚みが大きくなり、コギンクトルクの低減と誘起電圧波形の改善効果が低減される場合には、図４に示すように、継鉄部鉄心３ａの内周の凹部３ａ_１を磁極の中央部に設けるようにするのが好ましく、あるいは、図５に示すように、継鉄部鉄心３ａの内周の凸部３ａ_２を磁極の中央部に設けてようにするのが好ましい。

本第１実施形態の永久磁石電動機によれば、回転子鉄心と樹脂ボンド永久磁石が強固に固着され、運転による樹脂ボンド永久磁石の脱落を防止することができる。また、回転子鉄心に設ける凹部を磁極の中央部にすることにより、樹脂ボンド磁石を磁極の中央部が厚く、周辺に行くに従って薄くなるようにした場合に得られるコギングトルクの低減や固定子巻線の誘起電圧波形の改善効果を減じることがない。

次に本発明の第２実施形態に係る永久磁石電動機について説明する。

上記第１実施形態が継鉄部鉄心の内周に凹部あるいは凸部を設けて回転子鉄心と樹脂ボンド永久磁石の固着を強固にするのに対して、本発明の第２実施形態は樹脂ボンド永久磁石が継鉄部鉄心の端面を覆うように一体に成形し、強固に固着するものである。

例えば、図６及び図７に示すように、第２実施形態に係る永久磁石電動機は、永久磁石回転子３の樹脂ボンド永久磁石３ｂが継鉄部鉄心３ａの端面３ａ_３を覆うように一体に成形されている。

これにより、ボルトやリベットによる固着を行う必要がなく、継鉄部鉄心の固着に追加の部材を必要とせず、継鉄部鉄心の抜板脱落を防止することができる、これに加えて、継鉄部鉄心の磁気特性の劣化がない。また、永久磁石自体の脱落も防止できる。

また、本発明の第３実施形態に係る永久磁石電動機について説明する。

上記第２実施形態が樹脂ボンド永久磁石で継鉄部鉄心の端面を覆うのに対して、樹脂ボンド永久磁石全体を別個の樹脂層で包むものである。

例えば、図８に示すように、第３実施形態に係る永久磁石電動機は、ポリフェニレンサルファイド（ＰＢＴ）をバインダとした樹脂ボンド永久磁石３ｂを、磁極毎に分離して、継鉄部鉄心３ａと一体に射出成形するとともに、樹脂ボンド永久磁石３ｂ全体を包むようにプリブチレンテレフタレート（ＰＢＴ）あるいは液晶ポリマー（ＬＣＰ）が射出成形され、樹脂層３ｄが形成されている。

これにより、永久磁石の保持強度が向上して、継鉄部鉄心から樹脂ボンド永久磁石が脱落するのを防止できて電動機の信頼性が向上するとともに、比較的バリが発生することが少ないＰＢＴあるいはＬＣＰを被覆するので、永久磁石の射出により、継鉄部鉄心と樹脂ボンド間に樹脂ボンド永久磁石から発生する樹脂ボンド磁石のバリ取りを省略することができる。さらに、永久磁石の磁極の中心付近を除いて、永久磁石を包み込むように樹脂を射出成型することによりエアギャップが大きくなることがなく、電動機の特性低下を防止できる。

また、図９に示すように、樹脂ボンド永久磁石３ｂを磁極の中心を厚くし、端部に行くに従って薄くなるようにするとともに、永久磁石の磁極の中心付近を除いて、永久磁石を包み込むように樹脂を射出成形する。

これにより、永久磁石と固定子鉄心との空隙（エアギャップ）が増大することがなく、電動機の特性低下を防止できる。

さらに、図１０に示すように、樹脂ボンド永久磁石３ｂの長さを継鉄部鉄心３ａの積厚より短くし、樹脂ボンド永久磁石３ｂを包み込むように樹脂を射出成形し、被覆層３ｄを形成してもよい。

これにより、被覆層が端面に出っ張ることがなく、成形金型の構造が簡単になるとともに、回転子組立時の取り扱いが容易となる。

また、本発明に係る密閉型圧縮機について説明する。

図１に示すように、本発明に係る密閉型圧縮機１１は、上記のような構造を有する永久磁石電動機１が電動機部として用いられている。

従って、本発明に係る密閉型圧縮機は、回転子鉄心と樹脂ボンド永久磁石が強固に固着され、運転による樹脂ボンド永久磁石やバリの脱落を防止することができて、異物による圧縮機構部の不具合が起こりにくくなり、信頼性ある密閉型圧縮機を実現することができる。

本発明の一実施形態に係る密閉形圧縮機の縦断面図。本発明の一実施形態に係る永久磁石電動機の平面図。本発明の永久磁石電動機に用いられる第１実施形態に係る永久磁石回転子の平面図。本発明の永久磁石電動機に用いられる第１実施形態に係る永久磁石回転子の変形例の平面図。本発明の永久磁石電動機に用いられる第１実施形態に係る永久磁石回転子の他の変形例の平面図。本発明の永久磁石電動機に用いられる第２実施形態に係る永久磁石回転子の縦断面図。本発明の永久磁石電動機に用いられる第２実施形態に係る永久磁石回転子の斜視図。本発明の永久磁石電動機に用いられる第３実施形態に係る永久磁石回転子の縦断面図。本発明の永久磁石電動機に用いられる第３実施形態に係る永久磁石回転子の平面図。本発明の永久磁石電動機に用いられる第３実施形態に係る永久磁石回転子の変形例の平面図。従来の永久磁石の縦断面図。従来の永久磁石の一部を切欠して示す斜視図。

符号の説明

１…永久磁石電動機、２…固定子、３ａ…継鉄部鉄心（回転子鉄心）、３ａ_１…凹部、３ｂ…樹脂ボンド永久磁石。

Claims

固定子と、この固定子の外周側に配置される永久磁石回転子からなり、
この永久磁石回転子が電磁鋼板の積層体からなる継鉄部鉄心とこの継鉄部鉄心の内周に射出成形により取り付けられる樹脂ボンド永久磁石を備えた永久磁石電動機において、
前記継鉄部鉄心の前記樹脂ボンド永久磁石と接する内周面に凹部または凸部を設け、射出成形される前記樹脂ボンド永久磁石が前記凹部または凸部に食込むようにしたことを特徴とする永久磁石電動機。
固定子と、この固定子の外周側に配置される永久磁石回転子からなり、
この永久磁石回転子が電磁鋼板の積層体からなる継鉄部鉄心とこの継鉄部鉄心の内周に射出成形により取り付けられる樹脂ボンド永久磁石を備えた永久磁石電動機において、
前記樹脂ボンド永久磁石を継鉄部鉄心の端面を覆うように形成したことを特徴とする永久磁石電動機。
固定子と、この固定子の外周側に配置される永久磁石回転子からなり、
この永久磁石回転子が電磁鋼板の積層体からなる継鉄部鉄心とこの鉄部鉄心の内周に射出成形により取り付けられる樹脂ボンド永久磁石を備えた永久磁石電動機において、
前記樹脂ボンド永久磁石をポリフェニレンサルファイドをバインダとした樹脂ボンド永久磁石とし、磁極毎に分離して継鉄部鉄心と一体に射出成形するとともに、樹脂ボンド永久磁石を包み込むように樹脂を射出成形したことを特徴とする永久磁石電動機。
前記樹脂ボンド永久磁石を包み込む樹脂は、プリブチレンテレフタレートまたは液晶ポリマーであることを特徴とする請求項３記載の永久磁石電動機。
請求項１ないし４のいずれか１項に記載の永久磁石電動機と圧縮機構部とを密閉ケース内に収容してなる密閉型圧縮機。