JP2006179825A - 増幅型固体撮像素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 増幅型固体撮像素子における信号電荷量と画素出力との間の関係をさらに線形にする。
【解決手段】 各画素は、第2導電型の電荷蓄積領域(光電変換部)と、電荷蓄積領域から電荷が転送される第2導電型の電荷検出領域を含むと共に転送された電荷量に応じた画素信号を出力する増幅部と、第1導電型の素子間分離領域とを有する。本発明では、電荷検出領域と素子間分離領域とを離し、両者間に素子間分離領域よりも不純物濃度が低い領域を挟む。この場合、電荷検出領域とその周囲との間の逆バイアス電圧が、両者間の不純物濃度が低い領域を完全空乏化する程度に大きくなった後では、逆バイアス電圧の増大に対する空乏層の伸び方は緩やかになる。従って、空乏層の伸び方が緩やかな電圧範囲で電荷検出領域への電荷転送を行えば、その範囲では電荷検出領域の容量の電圧依存性が小さいので、上記課題を達成できる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、増幅型固体撮像素子に関し、特に、画素内に蓄積される信号電荷量と、画素出力との間の関係を線形にするための技術に関する。
従来より、各画素の受光部で蓄積された信号電荷を、各画素内に形成された増幅用素子の制御電極に導き、増幅された画素信号を主電極から出力する増幅型固体撮像素子が知られている。例えば特許文献1では、接合型電界効果トランジスタ(以下、JFETと略記)を増幅用素子として使用した増幅型固体撮像素子について開示している。
図21は、特許文献1の増幅型固体撮像素子の単位画素の平面模式図である。単位画素10は、フォトダイオード12と、Nチャネル型のJFET14と、リセットドレイン16(特許文献1では制御領域と称している)とを有する。また、リセットゲート配線22、転送ゲート配線24等の配線が複数の画素に跨って形成されている。図中の点で塗り潰した領域は高濃度N型の素子間分離領域28であり、JFET14のドレインとしても機能する。この素子間分離領域28は、ほぼ画素の外縁に沿って網の目状に形成され、定電圧線に接続されている。
図22は、図21のX3−X4間の断面模式図である。図に示すように、画素の各部を構成する不純物拡散領域は、高濃度N型のシリコン基板30上のN型エピタキシャル層32中に形成されている。リセットドレイン16は、P型であり、中継配線36及びリセットドレイン配線38を介して定電圧線に接続されている。JFET14のゲートは、互いに隣接する表面ゲート領域(図中左下がり斜線)とバックゲート領域(図中右下がり斜線)とからなり、リセット時にはリセットドレイン16に接続されて所定の電圧を受ける。
図21において、転送ゲート配線24の一部である転送ゲート下の領域は、N型のエピタキシャル層32の一部であり、転送ゲートの電圧に応じて導電型がP型に反転する。これにより、フォトダイオード12のP型電荷蓄積領域(図示せず)からJFET14のゲートに信号電荷が転送される。そして、JFET14のゲート内の信号電荷量に応じた電圧(画素出力)が、図22に示すJFET14のソースから垂直信号線40に出力される。
この画素出力は、画素内に蓄積される信号電荷量に完全に比例して増加することが望ましい。即ち、信号電荷量と画素出力との間の関係は、線形であることが望ましく、本明細書では、両者の関係がどれだけ線形に近いかの度合いを『リニアリティ』と記載する。
特開2000−77642号公報
ところで、固体撮像素子は解像度の向上が要望されており、そのためには単位画素を小さくして画素数を増大する必要がある。増幅型固体撮像素子は、現状の素子でも使用上良好なリニアリティを示すが、将来さらに微細化した場合に、リニアリティが若干低下することが懸念されていた。固体撮像素子は幾つかの種類に分類されるが、その中でも増幅型固体撮像素子は低消費電力等の点においてCCD型の固体撮像素子より優れている。従って、さらに微細化された増幅型固体撮像素子においてもリニアリティを良好に保つことは、重要である。
本発明の目的は、増幅型固体撮像素子において、リニアリティを向上する技術を提供することである。
以下、本発明の説明に先立って、本明細書での説明に用いる語句について定義する。
第1に、半導体基板中のある領域において、多数キャリアを供給する不純物の濃度から、少数キャリアを供給する不純物の濃度を差し引いた値を『正味の不純物濃度』と定義する。正味の不純物濃度は、300ケルビンでの多数キャリア濃度にほぼ等しい。
第2に、各々の不純物拡散領域の『正味の不純物濃度』の違いを相対的に表すため、『高濃度』、『中濃度』、『低濃度』の3つの表現を用いる。高濃度と表現した場合、中濃度よりも正味の不純物濃度が例えば約5倍以上高いことを意味し、中濃度と表現した場合、低濃度よりも正味の不純物濃度が例えば約5倍以上高いことを意味するものとする。
第3に、半導体基板中における2つの不純物拡散領域の間隔を定義するため、不純物拡散領域の外縁を定義する。ここで、半導体基板中における不純物濃度は、一般的には連続的に変化しているので、ある不純物拡散領域の外縁の位置は、定義の仕方により異なる。本明細書では、ある不純物拡散領域の外縁の位置を、『その不純物拡散領域のピークの正味の不純物濃度を基準として、正味の不純物濃度が基準の50%に下がった位置』と定義する。
なお、単に『間隔』と表現した場合、上記の定義による構造的な間隔を指し、マスクに関する修飾語を伴って『間隔』と表現した場合、上記の定義にはよらない。即ち、『マスクの開口領域の縁と、縁との間隔』のような意味で表現した場合、『製造工程において、ある工程で形成されるマスクの開口領域の縁を、それよりも前の工程で形成された別のマスクの開口領域の縁が存在していた位置からどれだけ離すか』の意味である。
第4に、『対向する』は、半導体基板の厚さ方向に、2つの領域が向き合っているという意味で用いる。
第5に、『下』或いは『下方』は、半導体基板の厚さ方向に、素子形成面(表面)から裏面の方向の意味で用い、『上』は、その反対方向の意味で用いる。
第6に、半導体基板の厚さ方向に沿って、素子形成面から裏面の方向に『深さ』を定義し、『面積』は、深さに直交する方向の面で考える。これに付随して、『平面的に見た・・・』と表現した場合、視線を半導体基板の厚さ方向に置き、半導体基板の面方向で、画素の各領域の外縁を捉えるものとする。
以下、図21、図22に示した特許文献1の画素構造を用いて本発明者の着眼点を説明後、本発明の構成を説明する。
リニアリテイを劣化させる原因の1つとして、フォトダイオード12から信号電荷を転送する際の転送残しが知られている。これを改善するためには、転送ゲートの付近の領域にポテンシャルの山や谷が形成されないようにすればよい。具体的には例えば、転送ゲートを先に形成し、これをマスクとしたセルフアラインでJFET14のゲート及びフォトダイオード12を形成すればよい。そこで、本発明では、別の観点からリニアリテイを向上させる方法を考える。
JFET14は、ゲート内の蓄積電荷(正孔)が多いほど、ゲート電圧が上昇してゲートの周囲に形成される空乏層の幅が狭くなり、これによりチャネル幅が変調され、ソース電圧(画素出力)が上昇する。そこで本発明では、蓄積電荷量と、JFET14のゲート電圧との関係を線形に近づけることで、リニアリテイを向上させる方法を考える。一般にコンデンサの電圧は蓄積電荷数/容量値で与えられるので、JFET14のゲート電圧は、『蓄積電荷量を、ゲート容量で割った値』に依存して変化する。
JFET14のゲート電圧を決定する2つの要素の内、一方であるゲート容量の変化が小さければ、他方である蓄積電荷量と、JFET14のゲート電圧との関係が線形に近づく。JFET14のゲート容量は、主に接合容量であるので、周囲の空乏層幅が小さいほど大きくなる。空乏層幅は、そのN型領域側の電圧と、P型領域側の電圧との差に依存するが、この場合、一方の側の電圧、即ち、ゲート電圧が蓄積電荷量によって変化する。
より詳細には、JFET14のゲートの周囲には、ドレイン(素子間分離領域28)が高濃度N型領域として形成されている。このドレイン電圧は、基板電圧(例えば4.3V)に固定される。一方、JFET14のゲートは、リセット時には基準電圧VR(例えば2V)を受け、動作時にはフローティング状態にされ、正孔の蓄積により電圧が上昇する。このフローティング状態におけるJFET14のゲート電圧は、(蓄積電荷無しの状態でも)基準電圧VRよりも電圧が若干高くなるが、ドレイン電圧よりは低くなる。このため、JFET14のゲート−ドレイン間の接合の電圧は、常に逆バイアスとなっており、ドレイン電圧は変化しないが、ゲート電圧は蓄積電荷量に応じて変化する。
従って、JFET14のゲート内の蓄積電荷量に対する空乏層幅の変化を小さくすれば、ゲート容量の変化が小さくなるので、蓄積電荷量とJFET14のゲート電圧との関係が線形に近づき、リニアリティが向上することに本発明者は着眼した。ここで、空乏層幅は、階段接合近似で考えれば、以下の2つの特性を持つ。第1に、逆バイアス電圧を徐々に増大する場合、電圧の変化分に対する空乏層幅の伸び量は、始めは大きく、逆バイアス電圧が大きいほど小さくなる。第2に、空乏層の両側のN型領域とP型領域における正味の不純物濃度が高いほど、空乏層幅が小さく、空乏層幅の電圧依存性は小さくなる。
第1の特性によれば、JFET14のリセット時のゲート電圧(基準電圧VR)及びドレイン電圧(基板電圧)を上げることで、動作時におけるJFET14のゲート−ドレイン間の電圧差を大きくすれば、空乏層幅の電圧依存性は小さくなる。しかし、この方法は、消費電力の増大を招く上、素子耐圧に影響を及ぼすので好ましくない。具体的には、JFET14の場合、逆バイアス電圧が大きくなると、インパクトイオン化によってゲートへのリーク電流が増大する。
第2の特性によれば、JFET14のゲートを高濃度の不純物拡散領域にすれば、空乏層幅の電圧依存性を小さくできる。しかし、その場合、ゲート容量が大きくなるので、蓄積電荷量の変化に対して出力電圧(ソース電圧)の変化が小さくなる。即ち、変換ゲインが低下し、微少な光量差を識別しにくくなる。また、JFET14のゲートにおける正味の不純物濃度が高すぎると、リーク電流が流れ易く、耐圧の点からも好ましくない。
従って、別の方法により、JFET14のゲート周囲の空乏層幅の電圧依存性を小さくすることが望ましい。しかし、全ての電圧範囲に亘って空乏層幅の電圧依存性を小さくする必要はなく、使用する電圧範囲においてのみでよいことに本発明者は着眼した。動作時におけるJFET14のゲート電圧とドレイン電圧との差は、例えば約−3V〜−2Vであるので、その電圧範囲内で空乏層幅の電圧依存性を小さくすればよい。
ここで、JFET14のゲートの外縁は、平面的に見れば図21に太線で示す部分であり、以下の2つに分類できる。1つは、JFET14のドレイン(素子間分離領域28)に隣接している外縁であり、もう1つは、それ以外の外縁である。ドレインに隣接していない外縁は、電荷転送時にフォトダイオード12のP型電荷蓄積領域と電気的に接続される外縁と、リセット時にリセットドレイン16に電気的に接続される外縁である。即ち、ドレインに隣接していない外縁は、動作時に形成されるP型反転層との境界であり、P型反転層となる領域の不純物濃度は、N型エピタキシャル層32とほぼ同じである。
前述したようにJFET14のゲート容量は主に接合容量であるが、その大部分は、ゲート−ドレイン間の接合容量である。なぜなら、JFET14のゲート周囲において動作時にP型反転層が形成される領域は、ドレインと比較して正味の不純物濃度が低いので、空乏層幅が大きいため、容量が小さいからである。そこで、JFET14のゲート−ドレイン間の接合容量に着目して考える。
従来は、N型エピタキシャル層32における正味の不純物濃度を低濃度とすれば、中濃度P型のゲートに対し、高濃度N型のドレインが隣接して形成されていたので、空乏層の大部分はゲート側に伸びていた(前述の定義によれば、ゲート−ドレインの間隔は完全にゼロではなく、その間隔は後述の図6の説明時に述べる)。従って、空乏層の伸び方は、逆バイアス電圧の1/2乗にほぼ比例した単調なものであった。これに着眼した本発明者は、P型のゲートと、高濃度N型のドレインとの間に低濃度または中濃度のN型領域を挟めば、空乏層幅の変化の仕方が段階的になるので、ある電圧範囲では従来よりも空乏層幅の電圧依存性が小さくなることを解明した。
より詳細には、例えば低濃度N型のエピタキシャル層中において、中濃度P型(高濃度P型でもよい)のゲートと、高濃度N型のドレインとを離して形成すれば、両者の間に低濃度N型領域が挟まれる。この場合、逆バイアス電圧の増大により、間に挟まれた低濃度N型領域が完全に空乏化した後、空乏層は高濃度N型のドレイン領域にも伸びる。このとき、高濃度N型のドレインは、低濃度N型領域よりも、空乏層の伸び方がかなり小さいので、空乏層幅の変化の仕方は段階的になる。即ち、低濃度N型領域が完全に空乏化した後では、空乏層幅の伸び方は、従来よりも緩やかになる。このように空乏層幅の伸び方が緩やかになる電圧範囲と、動作時におけるJFETのゲート−ドレイン間電圧の範囲とを一致させれば、空乏層幅の電圧依存性が小さくなり、リニアリティは向上する。
また、画素面積を変えずにJFETのゲートとドレインとを離す場合、両者の間の領域、即ち、画素信号の生成に寄与しない領域の面積が大きくなり、JFETのゲート面積を小さくせざるを得ない。この場合、空乏層の両側(N型領域側及びP型領域側)の外縁をそれぞれコンデンサの電極と考えれば、電極面積の低下と等価であるため、JFETのゲート容量は小さくなり、最大蓄積電荷数が減り、ダイナミックレンジは小さくなる。
従って、JFETのゲート容量を所定値以上に維持した上で、前述した原理により空乏層幅の電圧依存性を小さくすることが望ましい。そこで、本発明の望ましい態様では、JFETのゲート下に、低濃度または中濃度のN型領域を介して高濃度N型の空乏化防止領域を形成することで、JFETのゲートが下方に形成する空乏層の伸び、及びゲート容量の低下を防止し、最大蓄積電荷数の低下を防止する。本発明は、以上のように画期的な技術思想に基づくものであり、以下のように構成される。
請求項1の発明は、半導体基板の表面側に位置する第1導電型の素子形成層に、複数の画素が形成された増幅型固体撮像素子である。各々の画素は、第2導電型の電荷蓄積領域と、増幅部と、第1導電型の素子間分離領域とを有する。電荷蓄積領域は、素子形成層の表面または内部に位置すると共に、入射光に応じた量の電荷を蓄積する。増幅部は、電荷蓄積領域から電荷が転送される第2導電型の電荷検出領域を含むと共に、電荷検出領域内の電荷量に応じた画素信号を出力する。素子間分離領域は、隣接する画素との境界部に位置すると共に、素子形成層よりも正味の不純物濃度が高い。本請求項の発明は、電荷検出領域の外縁の内、動作時に電荷蓄積領域−素子間分離領域間の空乏層に含まれる外縁の少なくとも一部が素子間分離領域から0.24μm以上離れていることを主な特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1の増幅型固体撮像素子において、『電荷検出領域の外縁の内、動作時に電荷蓄積領域−素子間分離領域間の空乏層に含まれる外縁の少なくとも一部が、素子間分離領域から0.4μm以上離れている』ことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の増幅型固体撮像素子において、以下の点を特徴とする。第1に、素子形成層には、電荷検出領域よりも半導体基板の裏面側に、素子形成層の一部を介して電荷検出領域の少なくとも一部に対向する第1導電型の空乏化防止領域が配置されている。第2に、空乏化防止領域における正味の不純物濃度は、素子形成層における正味の不純物濃度よりも高い。第3に、画素が形成されている領域には、電荷蓄積領域、電荷検出領域、空乏化防止領域のどれにも対向しない領域が存在する。
請求項4の発明は、請求項3の増幅型固体撮像素子において、以下の点を特徴とする。第1に、各画素は、素子形成層に形成された定電圧領域を有すると共にゲート電圧に応じて定電圧領域を電荷検出領域に電気的に接続するリセットトランジスタを備えている。第2に、電荷検出領域が定電圧領域に電気的に接続されているとき、電荷検出領域が半導体基板の裏面側に形成する空乏層の幅は、0.2μm以上1.5μm以内である。第3に、電荷蓄積領域と空乏化防止領域との間の第1導電型の領域は、空乏化防止領域に向けて正味の不純物濃度が高くなっている。
請求項5の発明は、請求項3の増幅型固体撮像素子において、『電荷検出領域と空乏化防止領域との間の第1導電型の領域では、正味の不純物濃度が均一な領域が存在せず、空乏化防止領域に向けて正味の不純物濃度が次第に高くなっている』ことを特徴とする。
請求項6の発明は、第2導電型の電荷蓄積領域と、増幅部と、リセットトランジスタと、第1導電型の素子間分離領域とを各画素が有する増幅型固体撮像素子の製造方法である。電荷蓄積領域は、複数の画素が形成される半導体基板の表面側に位置する第1導電型の素子形成層の表面または内部に形成され、入射光に応じた量の電荷を蓄積する。増幅部は、電荷蓄積領域に蓄積された電荷が転送される第2導電型の電荷検出領域を含むと共に、電荷検出領域内の電荷量に応じた画素信号を出力する。リセットトランジスタは、素子形成層に形成された定電圧領域を有すると共に、ゲート電圧に応じて定電圧領域を電荷検出領域に電気的に接続する。素子間分離領域は、隣接する画素との境界部に位置すると共に、素子形成層よりも正味の不純物濃度が高い。
請求項6の製造方法は、素子間分離領域用のマスクを形成後、その開口領域から第1導電型の不純物を素子形成層に注入し、素子間分離領域を形成する工程と、素子間分離領域用のマスクを除去後、電荷検出領域用のマスクを形成して、その開口領域から第2導電型の不純物を素子形成層に注入し、電荷検出領域を形成する工程とを有する。そして、電荷検出領域用のマスクの開口領域の少なくとも一部を、素子間分離領域用のマスクの開口領域が存在していた領域から離して形成することにより、動作時に素子間分離領域−電荷検出領域間の空乏層となる電荷検出領域の外縁の少なくとも一部を、素子間分離領域から0.24μm以上離す。
請求項7の発明は、請求項6の増幅型固体撮像素子の製造方法において、『電荷検出領域用のマスクは、その開口領域の少なくとも一部を、素子間分離領域用のマスクの開口領域が存在していた領域から0.3μm以上離して形成する』ことを特徴とする。
本発明では、増幅型固体撮像素子の各画素において、電荷検出領域と素子間分離領域とを離して形成し、両者の間に素子間分離領域よりも正味の不純物濃度が低い領域を挟む。この場合、電荷検出領域とその周囲領域との間の逆バイアス電圧が、両者間における正味の不純物濃度が低い領域を完全空乏化する程度に大きくなった後では、逆バイアス電圧の増大に対する空乏層の伸び方は緩やかになる。従って、空乏層の伸び方が緩やかであると共に素子耐圧の点から大きすぎない逆バイアス電圧の範囲に、電荷蓄積領域(光電変換部)から電荷検出領域への電荷転送時の電圧を合わせれば、その範囲では電荷検出領域の容量の電圧依存性が小さいので、リニアリティは向上する。
以下、本発明の実施の形態について、第1〜第3の実施形態の増幅型固体撮像素子、製造方法、補足事項の順に説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態における増幅型固体撮像素子の等価回路図である。第1の実施形態は、請求項1及び請求項2に対応する。なお、便宜上、回路構成を先に説明するが、第1の実施形態の主な特徴は、その後に説明する画素構造、即ち、JFETのゲートとドレインとが離れていることである。
図に示すように、増幅型固体撮像素子50は、m行n列からなる多数の画素Px1−1〜Pxm−n(以下、画素と略記)と、各画素を行毎に駆動する垂直走査回路54と、各画素に列毎に接続されている垂直信号線VL1〜VLnと、水平信号線58と、水平走査回路60とを有する。なお、図中の符号において先頭がφで始まっているものは駆動電圧を示す。また、一部の要素の符号の最後には、配置されている行または列を示すために1、m、n等を付したが、行や列の区別が不要な場合、以下の説明では適宜省略する。
画素Px1−nに符号を示すように、各画素は、フォトダイオードPDと、転送ゲート64と、リセットゲート66と、リセットドレイン70と、JFET72とを有する。
リセットドレイン70は、各行毎にリセットドレイン配線RDLを介して、共通の電源(電圧VG)に接続されている。
リセットゲート66は、各行毎にリセットゲート配線RGL1〜RGLmを介して、垂直走査回路54に接続されている。リセットゲート66は、垂直走査回路54からパルス電圧φRG1〜φRGmをそれぞれ受けて行毎に駆動され、JFET72のゲート電圧を制御する。即ち、リセットゲート66は、JFET72のゲートを電圧VGにリセットすることでJFET72を非動作状態にし、JFET72のゲートをフローティング状態にすることでJFET72を動作状態にする。
転送ゲート64は、各行毎に転送ゲート配線TGL1〜TGLmを介して、垂直走査回路54に接続されている。転送ゲート64は、垂直走査回路54からパルス電圧φTG1〜φTGmをそれぞれ受けて行毎に駆動され、フォトダイオードPDの蓄積電荷をJFET72のゲートに転送する。
JFET72のソースは各列毎に垂直信号線VLにそれぞれ接続されており、JFET72のドレインは共通のドレイン電源(基板電圧VD)に接続されている。JFET72は、動作時には、フォトダイオードPDからゲートに転送された信号電荷量に応じた電圧を、ソースから出力する。
各々の垂直信号線VLには、定電流源CSと、垂直リセットトランジスタTRVと、垂直負荷容量Cvと、列バッファアンプAPと、CDSコンデンサCcと、CDSトランジスタTcと、列選択トランジスタThとがそれぞれ接続されている。
垂直リセットトランジスタTRVは、駆動パルス電圧φRVをゲートに受けて、垂直信号線VLを一定電圧VRVにリセットする。
垂直負荷容量Cvは、JFET72の動作帯域を制限する。
列選択トランジスタTh1〜Thnは、水平走査回路60から駆動パルス電圧φH1〜φHnをゲートにそれぞれ受けて、垂直信号線VL1〜VLnを水平信号線58にそれぞれ接続する。
CDSトランジスタTcは、ゲートに駆動パルス電圧φCを受ける。このCDSトランジスタTcとCDSコンデンサCcは、信号電荷の転送前後におけるJFET72の出力電圧に相関二重サンプリング処理を施す。
水平信号線58には、水平リセットトランジスタTRHと、出力バッファアンプ74とが接続されている。水平リセットトランジスタTRHは、駆動パルス電圧φRHをゲートに受けて、水平信号線58を一定電圧(この例では接地線GND)にリセットする。増幅型固体撮像素子50における画素信号の読み出し動作は、特許文献1の図1のものと同様であるので、詳細な説明を省略する。
図2は、増幅型固体撮像素子50の単位画素の平面模式図である。図3は図2におけるX1−X2間の断面模式図であり、図4は図2におけるY1−Y2間の断面模式図である。以下、図2〜図4を用いて、画素の構造を説明する。
図2に示すように、画素は、フォトダイオードPD、JFET72、リセットドレイン70を有し、転送ゲート配線TGL(図中右下がり斜線)、リセットゲート配線RGL(図中左下がり斜線)が複数の画素に跨って形成されている。点で塗り潰した領域は、高濃度N型の素子間分離領域93であり、ほぼ画素の外周に沿って網の目状に形成されており、JFET72のドレインとしても機能する。図2には示していないが、フォトダイオードPDの部分においてのみ開口するように、全画素に繋がってリセットドレイン配線RDLが形成されている(図3、図4参照)。リセットドレイン配線RDLは遮光膜としても機能する。
図3、図4に示すように、高濃度N型のシリコン基板80の素子形成面側には、低濃度N型であるN型エピタキシャル層84が形成されており、画素の各部の不純物拡散領域はN型エピタキシャル層84中に形成されている。N型エピタキシャル層84上には絶縁膜86が形成されており、絶縁膜86上には、リセットゲート配線RGLや転送ゲート64(図4参照)が形成されている。また、絶縁膜86の上方には、絶縁層88の一部を介して、リセットドレイン配線RDLや垂直信号線VL等の配線が形成されている。なお、絶縁層88は、絶縁膜86とは別工程で形成されるので図では両者を別々に記載したが、どちらもシリコン酸化膜でよい。
JFET72は、ゲートをP型、ソース及びドレインをN型として形成されており、リセットドレイン70は、P型として形成されている。JFET72のドレインとしても機能する素子間分離領域93は、N型エピタキシャル層84を介してシリコン基板80の電圧(基板電圧VD)を受ける。JFET72のゲートは、絶縁膜86の直下に形成された表面ゲート領域Gsuと、表面ゲート領域Gsu下に隣接して形成されたバックゲート領域Gbaとからなる。表面ゲート領域Gsuとバックゲート領域Gbaは、電気的には同電位になる。以下、単にJFET72のゲートと表現した場合、表面ゲート領域Gsuとバックゲート領域Gbaの両方を指すものとする。そして、表面ゲート領域Gsuとバックゲート領域Gbaとの間に挟まれるように、N型のチャネル領域が形成されている。
図3に示すように、リセットドレイン70は、中継配線92を介してリセットドレイン配線RDLに接続されている。図には断面を示していないが、リセットゲート66は、表面ゲート領域Gsu及びリセットドレイン70をソースまたはドレインとするPチャネル型MOSFET(請求項記載のリセットトランジスタに対応)のゲートとして機能する。従って、リセットゲート66の電圧に応じてP型反転層が形成され、JFET72のゲート内の電荷量はリセットされる。また、JFET72のソース領域は、高濃度N型として形成されており、列毎に垂直信号線VLに接続されている。
図4に示すように、フォトダイオードPDは、表面N型領域98及びP型電荷蓄積領域100からなる埋め込み型フォトダイオードとして形成されており、正孔を信号電荷としてP型電荷蓄積領域100に蓄積する。また、転送ゲート64は、表面ゲート領域Gsu及びP型電荷蓄積領域100をソースまたはドレインとするPチャネル型MOSFETのゲートとして機能する。従って、転送ゲート64の電圧に応じてP型反転層が形成され、P型電荷蓄積領域100からJFET72のゲートに信号電荷が転送される。
なお、請求項記載の素子形成層はN型エピタキシャル層84に対応し、請求項記載の電荷蓄積領域はP型電荷蓄積領域100に対応し、請求項記載の電荷検出領域はJFET72のゲートに対応し、請求項記載の増幅部はJFET72に対応する。
図3、図4に示すように、表面ゲート領域Gsuは、素子間分離領域93との間隔を0.4μmあけて形成されており、両者の間にはN型エピタキシャル層84の一部が挟まれる。なお、表面ゲート領域Gsuの外周の全てが素子間分離領域93と離れているわけではないので、どの部分が素子間分離領域93と離れているかを以下に説明する。
図2において、平面的に見た表面ゲート領域Gsuの外周は、3本の太線と、太い点線とで囲まれた四角内であり、3本の太線は、リセットゲート66または転送ゲート64の電圧に応じて反転層となる領域との境界である。そして、表面ゲート領域Gsuの外縁において、動作時に表面ゲート領域Gsu−素子間分離領域93間の空乏層に含まれる外縁(図2の点線部分)の80%が、素子間分離領域93との間隔を0.4μmあけて形成されている。ここでの動作時とは、『P型電荷蓄積領域100において電荷の蓄積が開始され、その蓄積電荷に対応する信号電圧がJFET72のソースから出力されるまでの少なくともいずれかの時点で』の意味である。
なお、表面ゲート領域Gsuの外縁において、動作時に表面ゲート領域Gsu−素子間分離領域93間の空乏層に含まれる外縁の一部を素子間分離領域93に隣接させた理由は、P型電荷蓄積領域100からの信号電荷の転送を確実にするためである。即ち、P型電荷蓄積領域100−JFET72のゲート間において反転層が形成される領域は、P型電荷蓄積領域100、JFET72のゲート、素子間分離領域93以外にはなるべく隣接していない方が、信号電荷の転送効率の点から望ましいからである。
図5は、図3のZ1−Z2間の不純物濃度分布をシミュレーションにより求めた図である。横軸は、図3における素子間分離領域93内のZ1を起点(距離ゼロ)とし、表面ゲート領域Gsu内のZ2を終点としたシリコン基板80の面方向の距離により、Z1−Z2間の位置を表したものである。縦軸は、その位置での正味の不純物濃度を示す。素子間分離領域93、及び表面ゲート領域Gsuのそれぞれについて、前述の定義に従って正味の不純物濃度がピークの50%の位置を外縁とすれば、両者の間隔は0.4μmとなる。即ち、Z1からの距離が約0.7μm〜1.1μmの範囲がN型エピタキシャル層84の一部に相当し、それよりもZ2側が表面ゲート領域Gsuである。
このような不純物濃度分布にするためには、製造工程において、表面ゲート領域Gsuの形成用のマスクの開口領域と、素子間分離領域93の形成用のマスクの開口領域とが重ならないように、両者の開口領域を0.3μm離せばよい。即ち、素子間分離領域93を先に形成する場合、表面ゲート領域Gsuの形成用のマスクの開口領域の縁を、素子間分離領域93の形成用のマスクの開口領域が存在していた領域から0.3μm離せばよい。
図6は、従来の画素構造を示した図22における素子間分離領域28内のZ3と、表面ゲート領域内のZ4との間の不純物濃度分布を図5と同様に示したものである。従来は、製造工程において表面ゲート領域用のマスクを形成する際、その開口領域における素子間分離領域28側の一部を、先に形成及び除去された素子間分離領域28用のマスクの開口領域が存在していた領域と0.2μmの幅で重ねていた。この場合、表面ゲート領域の形成用のアクセプタ型不純物の注入領域と、素子間分離領域93の形成用のドナー型不純物の注入領域とが重なり、重なった領域では、ドナー型及びアクセプタ型不純物が電気的に相殺して、正味の不純物濃度は低くなる。従って、図6に示すように、従来の構造では、表面ゲート領域と素子間分離領域28との間隔は、前述の定義で0.22μmとなる。
図7は、従来の画素構造(菱形のプロット)と、第1の実施形態(三角のプロット)とで、JFET(14または72)のゲートの接合容量の電圧依存性を比較したグラフである。横軸はJFETのゲート−ドレイン間電圧を示し、縦軸はJFETのゲート容量を示す。また、このグラフは、階段接合近似を用い、以下の2式によりシミュレーションしたものである。
C=ε/W・・・(1)
W=[(2×ε÷q)×{(Na+Nd)÷(Na×Nd)}×(φb−Vx)]1/2・・・(2)
上式において、Cは接合容量[F]、εはシリコンの誘電率[F/cm]、Wは空乏層幅[cm]、qは電子の電荷[クーロン]、Naは表面ゲート領域における正味の不純物濃度[cm-3]、Ndは素子間分離領域(28または93)における正味の不純物濃度[cm-3]、φbは接合の内蔵電位[V]、Vxはバイアス電圧[V]である。
図7から分かるように、少なくともバイアス電圧が−3V〜−2Vでは、第1の実施形態の方がリニアに近い。従って、動作時におけるJFET72のゲート−ドレイン間電圧の範囲を、例えば−3V〜−2Vにすれば、前述した原理により、リニアリティは向上する。
図8は、従来の画素構造と第1の実施形態の双方について、JFET(14または72)のゲート内の蓄積電荷数と、増幅型固体撮像素子の出力電圧との関係をシミュレーションにより求めたグラフである。図から明らかなように、第1の実施形態(三角のプロット)では、従来(菱形のプロット)よりもリニアリテイが大きく向上していることが分かる。これは、動作時におけるJFET72のゲート−ドレイン間電圧の範囲において、JFET72のゲート容量の電圧依存性を小さくした効果である。
また、表面ゲート領域Gsuと素子間分離領域93との間隔の大きさを適切に選択することで、JFET72のゲート容量の電圧依存性が小さい電圧範囲を適切に選択すれば、従来よりも低い電圧で動作させることができる。そのようにすれば、画素を微細化しても、リニアリテイの劣化やインパクトイオン化等の問題が生じにくくなり、また、製造の歩留まりが向上する。
以下、第1の実施形態の補足事項を説明する。
第1の実施形態では、平面的に見た表面ゲート領域Gsuの外縁において、動作時に素子間分離領域93との間の空乏層に含まれる外縁の80%を、素子間分離領域93から離したが、離す割合は80%には限定されず、約70%以上が望ましい。これは、ゲート容量の電圧依存性を小さくして、リニアリティを確実に向上するためである。
第1の実施形態では、素子間分離領域93の形成用のマスクの開口領域と、表面ゲート領域Gsuの形成用のマスクの開口領域とを0.3μm離すことで、両者の間隔を0.4μmにしたが、両者の間隔はこの値に限定されるものではない。図9は、両者の間隔をパラメータとして、蓄積電荷数と出力電圧との関係を図8と同様にシミュレーションにより求めた結果を図9に示す。
図9において、黒丸のプロットは従来技術であり、三角のプロットは第1の実施形態であり、どちらも前述の図8と同じである。図9の点線は、素子間分離領域93の形成用のマスクの開口領域と、表面ゲート領域Gsuの形成用のマスクの開口領域とを0.1μm離すことで、両者の間隔を0.24μmにした場合を示す。また、細線は、両者のマスクの開口領域を0.2μm離すことで、両者の間隔を0.31μmにした場合を示す。
図から分かるように、両者の間隔が大きいほどリニアリティが向上しているが、両者の間隔が0.24μmの場合(点線)においても、リニアリティ向上の効果が十分に認められ、三角のプロット(第1の実施形態に対応)において、その効果が顕著となっている。従って、表面ゲート領域Gsuと素子間分離領域93との間隔は、0.24μm以上が望ましく、第1の実施形態のように0.4μm以上であることがさらに望ましい。即ち、素子間分離領域93の形成用のマスクの開口領域と、表面ゲート領域Gsuの形成用のマスクの開口領域とを0.3μm以上離すことが望ましい。
なお、両者を離すほどリニアリティは向上すると考えられるが、素子間分離領域93の形成用のマスクの開口領域と、表面ゲート領域Gsuの形成用のマスクの開口領域とを離す間隔は、1.0μm以内が望ましい。これは、本発明は画素ピッチが10μm以下の微細化したものを対象としており、両者の間隔が画素ピッチの10%を超えると、各領域のレイアウトが難しくなるからである。
<第2の実施形態>
図10は、第2の実施形態の増幅型固体撮像素子の画素の平面模式図であり、図11は図10のX5−X6間の断面模式図であり、図12は図10のY5−Y6間の断面模式図である。後述の空乏化防止領域120を除き、画素の各部は、形成範囲が異なるだけで機能的には第1の実施形態と同様なので、画素の各部には第1の実施形態と同一符号を付す。なお、第2の実施形態は、請求項1〜請求項5に対応する。
第2の実施形態は、以下の2点の違いを除き、第1の実施形態と同様である。第1の違いは、画素面積は第1の実施形態と同じであるが、JFET72のゲート領域の面積が第1の実施形態の60%に縮小されていることである。また、平面的に見た表面ゲート領域Gsuの外縁において、動作時に素子間分離領域93との間の空乏層に含まれる外縁(図10の点線部分)の90%が、素子間分離領域93との間隔を0.4μmあけて形成されている。
第2の違いは、バックゲート領域Gba下には、N型エピタキシャル層84の一部を介して高濃度N型の空乏化防止領域120が形成されていることである(図11、12参照)。空乏化防止領域120は、N型エピタキシャル層84よりも正味の不純物濃度が10倍以上高い。また、空乏化防止領域120は、確実にバックゲート領域Gba全体に対向するように、平面的に見て空乏化防止領域120よりも広く形成されている。
図13は、図11のα1−α2間、即ち、JFET72のゲートと空乏化防止領域120が形成されている部分の深さ方向の不純物濃度分布図である。横軸は、絶縁膜86とN型エピタキシャル層84との界面を基準とした深さを示し、縦軸は、その深さでの正味の不純物濃度を示す。図14は、比較のため、従来の画素構造を示す図22のβ1−β2間の不純物濃度分布を図13と同様に示したものである。図13に示すように、少なくとも界面から約0.9μmの深さまでは、JFET72のゲート領域である。
そして、深さ約2.0μm〜約2.8μmの範囲に、空乏化防止領域120が形成されている。この空乏化防止領域120と、バックゲート領域Gbaとの間のN型領域では、正味の不純物濃度が均一な領域が存在せず、空乏化防止領域120に向けて正味の不純物濃度が次第に高くなっている。これに対し従来構造では、図14に示すように、N型エピタキシャル層32においてバックゲート領域より深い部分は、正味の不純物濃度がほぼ均一である。
図15は、従来の画素構造(黒塗りの菱形のプロット)と、第2の実施形態(三角のプロット)について、JFETのゲートの接合容量の電圧依存性を前述の図7と同様に示したグラフである。図中に共に示した第3の実施形態のプロットについては後述する。図に示すように、第2の実施形態では、少なくともバイアス電圧が約−3V〜−2Vの範囲で、従来よりもJFETのゲート容量の電圧依存性が小さくなっている。
図16は、従来の画素構造(黒塗りの菱形のプロット)と、第2の実施形態(三角のプロット)について、JFETのゲート内の蓄積電荷数と、増幅型固体撮像素子の出力電圧との関係を前述の図8と同様に示したグラフである。図中に共に示した第3の実施形態のプロットについては後述する。図から分かるように、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、従来よりもリニアリテイが大きく向上している。
第2の実施形態では、第1の実施形態よりもゲート面積を小さくした代わりに、バックゲート領域Gbaの下方に空乏化防止領域120を形成している。この空乏化防止領域120は、高濃度N型であるので、バックゲート領域Gbaが下側に形成する空乏層が逆バイアス電圧の増大に伴って伸びることを抑制する。これは、コンデンサの電極間隔を小さくすることと同じ原理であり、JFET72のゲート面積の縮小に伴うゲート容量の低下、及びゲートの最大蓄積電荷数の低下が防止される。即ち、空乏化防止領域120を形成すれば、ゲート面積を小さくしても、ゲート容量をある程度高く維持できるので、ダイナミックレンジをあまり低下させずに画素を微細化できる。
以下、空乏化防止領域120の形成範囲や形成位置について補足説明する。
バックゲート領域Gbaが下側に形成する空乏層が逆バイアス電圧の増大に伴って伸びることを確実に抑制するため、空乏化防止領域120における正味の不純物濃度は、N型エピタキシャル層84よりも10倍以上高いことが望ましい。
JFET72のゲート容量は、大きすぎると、蓄積電荷量の変化に対する出力電圧(ソース電圧)の変化が小さくなり、微少な光量差を識別しにくくなるので好ましくない。また、JFET72のゲート容量は、小さすぎるとダイナミックレンジが小さくなる。従って、JFET72のゲート容量が望ましい値になる位置及び不純物濃度で、空乏化防止領域120を形成するのが好ましい。
本発明者の解析によれば、フローティング状態且つ蓄積電荷無しの状態でのJFET72のゲート電圧が2Vであり、基板電圧が4Vの場合、リセット時におけるJFET72のバックゲート領域Gbaが下側に形成する空乏層の幅が0.2〜1.5μmであれば、JFET72のゲート容量は動作上望ましい範囲になる。従って、空乏化防止領域120は、必ずしもバックゲート領域Gba全体に対向させる必要はなく、JFET72のゲート容量が適正値になるように、バックゲート領域Gbaの一部に対向させてもよい。
なお、空乏化防止領域120は、周囲のN型エピタキシャル層84よりも静電ポテンシャルが高いので、信号電荷の正孔に対してポテンシャル障壁となる。このため、基板深部で発生した正孔が上方に向けて拡散する場合、この空乏化防止領域120を避けて移動する。ここで、基板深部で発生したキャリアは、クロストークの要因となるため、定電圧領域に吸収させた方が望ましい。このため、少なくともリセットドレイン70の直下には、空乏化防止領域120を形成しないことが望ましい。従って、シリコン基板80において画素が形成されている領域には、JFET72、フォトダイオードPD、空乏化防止領域120のどれにも対向しない領域が存在するのが好ましい。
<第3の実施形態>
次に、請求項1〜請求項5に対応する第3の実施形態の増幅型固体撮像素子について説明する。第3の実施形態では、画素の各部は、形成範囲が若干異なるだけで機能的には第1及び第2の実施形態と同様なので、第1及び第2の実施形態と同一符号を付す。第3の実施形態は、以下の2点の違いを除き、第2の実施形態と同様であるので、画素平面図や画素断面図を省略する。
第1の違いは、表面ゲート領域Gsuの外縁と、素子間分離領域93との間隔である。第2の実施形態では、平面的に見た表面ゲート領域Gsuの外縁において、動作時に素子間分離領域93との間の空乏層に含まれる外縁の90%を素子間分離領域93から0.4μm離したが、第3の実施形態では、離す間隔が0.4μmではなく、0.6μmである。そのようにするためには、素子間分離領域93を先に形成する場合、表面ゲート領域Gsuの形成用のマスクの開口領域の縁を、素子間分離領域93の形成用のマスクの開口領域が存在していた領域から0.5μm離せばよい。画素面積は第2の実施形態と同じであるので、両者の間隔が大きい分、JFET72のゲートの面積は第2の実施形態よりも小さい。
第2の違いは、空乏化防止領域120の形成深さである。図17は、第3の実施形態の増幅型固体撮像素子の画素における、JFET72のゲート部分(ソースやチャネルを含まず、図11のα1−α2間に相当する部分)の深さ方向の不純物濃度分布図である。空乏化防止領域120における正味の不純物濃度がピークとなる深さは、第2の実施形態では約2.4μmだが、第3の実施形態では図17に示すように約1.8μmである。
以下、空乏化防止領域120の形成深さを第2の実施形態よりも浅くした理由を説明する。第3の実施形態では、JFET72のゲートと素子間分離領域93との間隔が第2の実施形態よりも大きいので、JFET72のゲートが横方向(シリコン基板80の面方向)に形成する空乏層の幅が大きい。このため、素子間分離領域93と表面ゲート領域Gsuとの間で形成される接合容量はかなり小さい。従って、バックゲート領域Gbaが下側に形成する接合容量を大きくし、JFET72のゲート容量を適正値にすることが望ましい。
そこで、第3の実施形態では、バックゲート領域Gbaと空乏化防止領域120との間隔を狭くすることで、バックゲート領域Gbaが下側に形成する空乏層の幅を小さくし、その部分の接合容量を大きくした。この場合、バックゲート領域Gbaが空乏化防止領域120に近い分、逆バイアス電圧が増大したときに、バックゲート領域Gbaから下側に空乏層が伸びることは抑制される。この結果、前述の図15に示すように、第3の実施形態におけるJFET72のゲート容量の電圧依存性は、第2の実施形態よりもさらに小さくなる。従って、前述の図16に示すように、第3の実施形態では、リニアリテイがさらに向上している。
図18は、第3の実施形態の変形例を示す単位画素の平面模式図である。この変形例は、転送ゲート64近傍におけるJFET72のゲート領域の形成範囲を除き、第3の実施形態と同様である。即ち、変形例では、平面的に見た表面ゲート領域Gsuの外縁は、転送ゲート64の端部の直下において素子間分離領域93と点接触になる。従って、変形例では、平面的に見た表面ゲート領域Gsuの外縁において、動作時に素子間分離領域93との間の空乏層に含まれる外縁のほぼ100%が素子間分離領域93から0.6μm離れている。この場合、JFET72のゲート容量の電圧依存性はさらに小さくなり、リニアリテイはさらに向上する。
<製造方法>
以下、第2の実施形態の増幅型固体撮像素子の製造方法を説明する。なお、第1の実施形態の増幅型固体撮像素子の製造方法は、空乏化防止領域120を形成しないことを除き、第2の実施形態と同様なので説明を省略する。また、第3の実施形態の増幅型固体撮像素子の製造方法は、空乏化防止領域120の形成深さやJFET72のゲート領域の形成範囲を除き、第2の実施形態と同様なので説明を省略する。
図19及び図20は、第2の実施形態の増幅型固体撮像素子の製造方法の要部を示す断面模式図を工程順に示したものであり、各図は図10のY5−Y6間の断面に対応し、図中右側がY5側になる。以下、図19及び図20を用いて、製造工程を説明する。
まず、高濃度N型のシリコン基板80上に、N型エピタキシャル層84を形成する。次に、熱酸化によって、N型エピタキシャル層84の表面に絶縁膜86(シリコン酸化膜)を形成する。
次に、空乏化防止領域120となる領域が開口(露出)するように、レジストをパターニングして絶縁膜86上にマスクを形成する。次に、例えばイオン種をリン(P+)、加速電圧を2MeV、ドーズ量を1×1012[cm-2]とする注入条件でイオン注入を行って空乏化防止領域120を形成後、このマスクを除去する。次に、素子間分離領域93となる領域が開口するようにレジストをパターニングして、絶縁膜86上にマスク180を形成する。図19(a)は、この状態を示し、請求項で言及している『素子間分離領域用のマスクの開口領域』の縁は、図中の太線部分に対応する。
次に、ドナー型不純物をイオン注入して素子間分離領域93を形成後、マスク180を除去する。次に、低圧化学気相成長法(LPCVD法)により1層目のポリシリコン膜を形成後、これを公知の技術によりパターニングし、リセットゲート配線RGL及び転送ゲート配線TGLを形成する。次に、このポリシリコン上、及び絶縁膜86上に、画素領域全体に亘ってシリコン酸化膜(絶縁層88)を成膜する。図19(b)は、この状態を示し、図中の転送ゲート64は、転送ゲート配線TGLの一部である。
次に、フォトダイオードPDとなる領域が開口するようにマスクを形成する。このとき、転送ゲート64におけるフォトダイオードPD側の一部を露出させる。これは、フォトダイオードPDにおける転送ゲート64側は、転送ゲート64をマスクとしたセルフアラインで形成するためである。次に、アクセプタ型不純物をイオン注入してP型電荷蓄積領域100を形成後、ドナー型不純物をイオン注入して表面N型領域98を形成してから、マスクを除去する。図19(c)は、この状態を示している。
次に、バックゲート領域Gbaとなる領域が開口するように絶縁層88上にマスクを形成後、アクセプタ型不純物をイオン注入してバックゲート領域Gbaを形成し、このマスクを除去する。図19(d)は、この状態を示している。
次に、JFET72のチャネルとなる領域が開口するように絶縁層88上にマスクを形成後、ドナー型不純物をイオン注入してチャネルを形成し、このマスクを除去する。図20(e)は、この状態を示している。
次に、表面ゲート領域Gsuとなる領域が開口するように絶縁層88上にマスク200を形成する。図20(f)は、この状態を示し、このマスク200の開口領域が、従来と大きく異なる。具体的には、マスク200の開口領域の縁は、素子間分離領域93の形成用のマスク180の開口領域が存在していた領域から0.3μm離す。即ち、マスク180の開口領域の縁があった部分(図19(a)において太線で示した部分)は、図20(f)では点線部分になり、この点線部分と、マスク200の開口領域の縁(図20(f)では太線部分)とを、0.3μm離す。
なお、マスク200の形成に際しては、転送ゲート64におけるJFET72側の一部を露出させる。これは、表面ゲート領域Gsuにおける転送ゲート64側は、転送ゲート64をマスクとしたセルフアラインで形成するためである。次に、アクセプタ型不純物をイオン注入して表面ゲート領域Gsuを形成後、マスク200を除去する。図20(g)は、この状態を示している。次に、JFET72のソースとなる領域が開口するように絶縁層88上にマスクを形成後、ドナー型不純物をイオン注入して高濃度N型のソース領域を形成し、このマスクを除去する。図20(h)は、この状態を示している。
次に、リセットドレイン70となる領域が開口するように絶縁層88上にマスクを形成後、アクセプタ型不純物をイオン注入してリセットドレイン70を形成する(図示せず)。このときの注入条件は、例えばイオン種をフッ化ボロン(BF2 +)、加速電圧を70KeV、ドーズ量を6×1015[cm-2]とすればよい。以降は従来工程と同様でよい。
なお、以上の製造方法では、表面ゲート領域Gsuよりも素子間分離領域93を先に形成する例を説明したが、反対に、表面ゲート領域Gsuを素子間分離領域93の前に形成することも可能である。その場合、例えば、N型エピタキシャル層84、絶縁膜86、空乏化防止領域120、フォトダイオードPD、バックゲート領域Gba、JFET72のチャネル、表面ゲート領域Gsu、JFET72のソース、リセットドレイン70、素子間分離領域93、ポリシリコンゲート、絶縁層88の順に形成する。
この場合、素子間分離領域93用のマスクの形成に際しては、その開口領域の縁を、表面ゲート領域Gsuの形成用のマスクの開口領域が存在していた領域から0.3μm離す。この方法は、フォトダイオードPDや表面ゲート領域Gsuを、ポリシリコン電極をマスクとしたセルフアラインで形成できないので、図19、図20に示した工程順の方が望ましい。
<本発明の補足事項>
本明細書では、N型エピタキシャル層84中に画素の各部が形成されており、リセットドレイン70やJFET72のゲートがP型である例を述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。各部の導電型を入れ替えて、リセットドレイン70やJFET72のゲート等をN型とし、信号電荷を電子としてもよい。この場合も、第1〜第3の実施形態と同様の効果が得られる。なお、N型半導体の導電型、及びP型半導体の導電型のうち、一方が請求項記載の第1導電型に対応し、他方が請求項記載の第2導電型に対応する。また、ドナー型不純物、アクセプタ型不純物の内、一方が請求項記載の第1導電型の不純物に対応し、他方が請求項記載の第2導電型の不純物に対応する。
本明細書では、表面ゲート領域Gsuの形成用のマスクの開口領域を、素子間分離領域93の形成用のマスクの開口領域が存在していた領域から離して形成することで、両者を構造的に離す例を述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。表面ゲート領域Gsuと素子間分離領域93とで正味の不純物濃度を同程度にする場合、マスクの開口領域を0.3μm以上の幅で重ねれば、表面ゲート領域Gsuと、素子間分離領域93とを構造的に0.24以上離すことが可能である。なぜなら、前述したように、両者の注入領域が重なった範囲では、ドナー型及びアクセプタ型不純物が電気的に相殺して、正味の不純物濃度は低くなるからである。
本明細書では、画素内の増幅用素子にJFETを用いた増幅型固体撮像素子の実施形態を説明した。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。本発明は、他のタイプの増幅型固体撮像素子にも適用可能である。
フォトダイオードPDが埋め込み型である例を述べたが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。表面N型領域98を形成せず、N型エピタキシャル層84の表面にP型電荷蓄積領域100を形成してもよい。
以上詳述したように本発明は、増幅型固体撮像素子において大いに利用可能である。
本発明の第1の実施形態における増幅型固体撮像素子の等価回路図である。 第1の実施形態の増幅型固体撮像素子の単位画素の平面模式図である。 図2のX1−X2間の断面模式図である。 図2のY1−Y2間の断面模式図である。 図3のZ1−Z2間の不純物濃度分布図である。 図22のZ3−Z4間の不純物濃度分布図である。 従来の構造と、第1の実施形態とで、JFETのゲートの接合容量の電圧依存性を比較したグラフである。 JFETのゲート内の蓄積電荷数と、増幅型固体撮像素子の出力電圧との関係を、従来の構造と第1の実施形態と比較したグラフである。 表面ゲート領域と素子間分離領域との間隔をパラメータとして、蓄積電荷数と出力電圧との関係を示したグラフである。 第2の実施形態の増幅型固体撮像素子の単位画素の平面模式図である。 図10のX5−X6間の断面模式図である。 図10のY5−Y6間の断面模式図である。 図11のα1−α2間の不純物濃度分布図である。 図22のβ1−β2間の不純物濃度分布図である。 従来の構造と、第2の実施形態と、第3の実施形態とで、JFETのゲートの接合容量の電圧依存性を比較したグラフである。 JFETのゲート内の蓄積電荷数と、増幅型固体撮像素子の出力電圧との関係について、従来構造、第2の実施形態、第3の実施形態を比較したグラフである。 第3の実施形態の増幅型固体撮像素子の画素構造において、図11のα1−α2間に相当する断面の不純物濃度分布図である。 第3の実施形態の変形例を示す単位画素の平面模式図である。 第2の実施形態の増幅型固体撮像素子の製造工程の要部の前半を示す模式的工程断面図である。 第2の実施形態の増幅型固体撮像素子の製造工程の要部の後半を示す模式的工程断面図である。 従来の増幅型固体撮像素子の単位画素の平面模式図である。 図21のX3−X4間の断面模式図である。
符号の説明
10 単位画素
12 フォトダイオード
14 JFET
16 リセットドレイン
22 リセットゲート配線
24 転送ゲート配線
28 素子間分離領域
30 シリコン基板
32 N型エピタキシャル層
36 中継配線
38 リセットドレイン配線
40 垂直信号線
50 増幅型固体撮像素子
54 垂直走査回路
58 水平信号線
60 水平走査回路
64 転送ゲート
66 リセットゲート
70 リセットドレイン
72 JFET
74 出力バッファアンプ
80 シリコン基板
84 N型エピタキシャル層
86 絶縁膜
88 絶縁層
92 中継配線
93 素子間分離領域
98 表面N型領域
100 P型電荷蓄積領域
120 空乏化防止領域
180、200 マスク
AP1〜APn 列バッファアンプ
Cc1〜Ccn CDSコンデンサ
CS1〜CSn 定電流源
Cv1〜Cvn 垂直負荷容量
Gba バックゲート領域
Gsu 表面ゲート領域
PD フォトダイオード
Px1−1〜Pxm−n 画素
RDL リセットドレイン配線
RGL1〜RGLm リセットゲート配線
Tc1〜Tcn CDSトランジスタ
TGL1〜TGLm 転送ゲート配線
Th1〜Thn 列選択トランジスタ
TRH 水平リセットトランジスタ
TRV1〜TRVn 垂直リセットトランジスタ
VL1〜VLn 垂直信号線

Claims (7)

  1. 半導体基板の表面側に位置する第1導電型の素子形成層に、複数の画素が形成された増幅型固体撮像素子であって、
    各々の前記画素は、前記素子形成層の表面または内部に位置すると共に入射光に応じた量の電荷を蓄積する第2導電型の電荷蓄積領域と、前記電荷蓄積領域から電荷が転送される第2導電型の電荷検出領域を含むと共に前記電荷検出領域内の電荷量に応じた画素信号を出力する増幅部と、隣接する前記画素との境界部に位置すると共に前記素子形成層よりも正味の不純物濃度が高い第1導電型の素子間分離領域とを有し、
    前記電荷検出領域の外縁の内、動作時に前記電荷検出領域−前記素子間分離領域間の空乏層に含まれる外縁の少なくとも一部は、前記素子間分離領域から0.24μm以上離れている
    ことを特徴とする増幅型固体撮像素子。
  2. 請求項1に記載の増幅型固体撮像素子において、
    前記電荷検出領域の外縁の内、動作時に前記電荷検出領域−前記素子間分離領域間の空乏層に含まれる外縁の少なくとも一部は、前記素子間分離領域から0.4μm以上離れている
    ことを特徴とする増幅型固体撮像素子。
  3. 請求項1または請求項2に記載の増幅型固体撮像素子において、
    前記素子形成層には、前記電荷検出領域よりも前記半導体基板の裏面側に、前記素子形成層の一部を介して前記電荷検出領域の少なくとも一部に対向する第1導電型の空乏化防止領域が配置され、
    前記空乏化防止領域における正味の不純物濃度は、前記素子形成層における正味の不純物濃度よりも高く、
    前記画素が形成されている領域には、前記電荷蓄積領域、前記電荷検出領域、前記空乏化防止領域のどれにも対向しない領域が存在する
    ことを特徴とする増幅型固体撮像素子。
  4. 請求項3に記載の増幅型固体撮像素子において、
    各々の前記画素は、前記素子形成層に形成された定電圧領域を有すると共にゲート電圧に応じて前記定電圧領域を前記電荷検出領域に電気的に接続するリセットトランジスタを備え、
    前記電荷検出領域が前記定電圧領域に電気的に接続されているとき、前記電荷検出領域が前記半導体基板の裏面側に形成する空乏層の幅は、0.2μm以上1.5μm以内であり、
    前記電荷蓄積領域と前記空乏化防止領域との間の第1導電型の領域は、前記空乏化防止領域に向けて正味の不純物濃度が高くなっている
    ことを特徴とする増幅型固体撮像素子。
  5. 請求項3に記載の増幅型固体撮像素子において、
    前記電荷検出領域と前記空乏化防止領域との間の第1導電型の領域では、正味の不純物濃度が均一な領域が存在せず、前記空乏化防止領域に向けて正味の不純物濃度が次第に高くなっている
    ことを特徴とする増幅型固体撮像素子。
  6. 複数の画素が形成される半導体基板の表面側に位置する第1導電型の素子形成層の表面または内部に形成され、入射光に応じた量の電荷を蓄積する第2導電型の電荷蓄積領域と、
    前記電荷蓄積領域に蓄積された電荷が転送される第2導電型の電荷検出領域を含むと共に、前記電荷検出領域内の電荷量に応じた画素信号を出力する増幅部と、
    前記素子形成層に形成された定電圧領域を有すると共に、ゲート電圧に応じて前記定電圧領域を前記電荷検出領域に電気的に接続するリセットトランジスタと、
    隣接する前記画素との境界部に位置すると共に、前記素子形成層よりも正味の不純物濃度が高い第1導電型の素子間分離領域と
    を各々の前記画素が有する増幅型固体撮像素子の製造方法であって、
    前記素子間分離領域用のマスクを形成後、その開口領域から第1導電型の不純物を前記素子形成層に注入し、前記素子間分離領域を形成する工程と、
    前記素子間分離領域用のマスクを除去後、前記電荷検出領域用のマスクを形成して、その開口領域から第2導電型の不純物を前記素子形成層に注入し、前記電荷検出領域を形成する工程とを有し、
    前記電荷検出領域用のマスクの開口領域の少なくとも一部を、前記素子間分離領域用のマスクの開口領域が存在していた領域から離して形成することにより、動作時に前記電荷検出領域−前記素子間分離領域間の空乏層となる前記電荷検出領域の外縁の少なくとも一部を、前記素子間分離領域から0.24μm以上離す
    ことを特徴とする増幅型固体撮像素子の製造方法。
  7. 請求項6に記載の増幅型固体撮像素子の製造方法において、
    前記電荷検出領域用のマスクは、その開口領域の少なくとも一部を、前記素子間分離領域用のマスクの開口領域が存在していた領域から0.3μm以上離して形成する
    ことを特徴とする増幅型固体撮像素子の製造方法。
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