JP2006179653A - 枚葉搬送用トレイおよび搬送システム - Google Patents

枚葉搬送用トレイおよび搬送システム Download PDF

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Abstract

【課題】 板状ワークを全面にわたって撓み変形なく支持することができ、搬送も安定良く行うことができる枚葉搬送用トレイおよび搬送システムを提供する。板状ワークは、例えば液晶ディスプレイ等に用いられるガラス基板である。
【解決手段】 この枚葉搬送用トレイ1は、板状ワークWの載置部2をメッシュクロスで構成する。このメッシュクロスは、その周囲のトレイ周壁部3にテンションを掛けて張られる。メッシュクロスは、例えば、芯成分が溶融異方性芳香族ポリエステル、鞘成分がPENと溶融異方性芳香族ポリエステルのブレンドポリマーからなり、鞘成分のPENを固相重合した複合繊維で構成する。搬送システムはこの枚葉搬送用トレイ1を使用したものであって、アンローディング部4において、枚葉搬送用トレイ1のワーク載置部2の下方からエアーを吹き出すことにより板状ワークWを浮上させる手段7を設ける。
【選択図】 図4

Description

この発明は、液晶ディスプレイに用いられるガラス基板等の板状ワークを載置して搬送する枚葉搬送用トレイおよびこのトレイを使用した搬送システムに関する。
従来、液晶ディスプレイ等に用いられるガラス基板は、この基板の両端を載せる腕部を上下に多数有するボックス状のカセットを用い、多数枚同時に搬送するようにしていた(例えば特許文献1)。
しかし、最近は、液晶ディスプレイの大型化に伴い、ガラス基板の縦横寸法の大きなもの、例えば2200×2600×0.7(単位mm)程度のガラス基板が製造されており、このような大きなガラス基板の場合、多数枚同時に搬送するカセットでは、大重量となって搬送が困難になってきている。また、カセットの腕部でガラス基板の両端を支持するだけでは、ガラス基板に撓みが生じ、搬送上で支障を来すことがある。
そのため、ガラス基板を1枚ずつ載せる枚葉搬送用トレイが採用されつつある。枚葉搬送用トレイは、ガラス基板を載せた状態で積み重ね可能なものであり、複数枚積み重ねた状態で、スタッカクレーンや搬送台車等による搬送を行う。
各種の処理装置や検査装置へは、段積み状態の枚葉搬送用トレイから1枚ずつトレイを取り出し、トレイごとに搬送するか、またはトレイからガラス基板だけを取り出して処理装置等へ搬送する。
特開2002−373934号公報 特開2002−13030号公報
しかし、枚葉搬送用トレイとして、前記カセットの一段分の構成のものを用いた場合には、ガラス基板を全面にわたって撓み変形なく支持することができず、安定した搬送を行えない。そのため、カセットの場合と同様に、ガラス基板が大きくなると撓みが生じてしまう。また、板状ワークを平板状の底板部に載せるトレイや、底板部上に突出した複数のワーク支持部に載せる一般的な構造のトレイでは、ガラス基板を傷付けることなくトレイから取り出す作業が容易に行えない。
安定搬送のために、板状ワークの載置部をクロスとするものを試みたが、通常のクロスでは使用に伴い微粒子が発生して板状ワークの表面を汚すなど、悪影響を与える。
この発明の目的は、液晶ディスプレイのガラス基板等の板状ワークを全面にわたって撓み変形なく支持することができて、搬送も安定良く行うことができ、微粒子の発生の問題も生じない葉搬送用トレイを提供することである。
この発明の他の目的は、載置部の耐久性を向上させることができ、板状ワークをより安定支持できるものとすることである。
この発明のさらに他の目的は、トレイに載置した板状ワークの安定搬送が可能で、かつトレイからの板状ワークの取り出しを、ワークを傷付けることなく容易に行うことのできる搬送システムを提供することである。
この発明の枚葉搬送用トレイは、板状ワークの載置部をメッシュクロスで構成したものである。
この構成によると、メッシュクロスからなるワーク載置部に板状ワークを載せるので、板状ワークを全面にわたって支持することができる。メッシュクロスであれば、張力を十分に掛けて張ることができるので、縦横寸法の大きな板状ワークを載せる場合でも板状ワークに撓みが生じず、板状ワークの安定した搬送が可能となる。また、ワーク載置部として通常のクロスを用いた場合、使用に伴い微粒子が発生し、板状ワークの種類によってはワークに悪影響を与えるが、メッシュクロスによると、使用を繰り返しても微粒子が発生し難く、板状ワークの表面に微粒子で悪影響を与えることが回避される。
前記メッシュクロスは、芯成分が溶融異方性芳香族ポリエステル、鞘成分がPENと溶融異方性芳香族ポリエステルのブレンドポリマーからなり、鞘成分のPENを固相重合した複合繊維で構成しても良い。この構成の場合、ワーク載置部の耐久性を向上させることができ、板状ワークをより安定良く支持できる。上記複合繊維からなるメッシュクロスであると、ワーク載置部として使用しても、使用に伴う微粒子の発生がより生じ難く、板状ワークが例えば液晶ディスプレイのガラス基板等であってもワークに悪影響を及ぼすことがない。
この発明の搬送システムは、この発明の枚葉搬送用トレイを使用した搬送システムであって、アンローディング部においてトレイの載置部の下方からエアーを吹き出すことにより板状ワークを浮上させる手段を設けたものである。
この搬送システムによると、この発明の枚葉搬送用トレイを用いるため、板状ワークの安定搬送が可能である。上記枚葉搬送用トレイは、板状ワークの載置部がメッシュクロスで構成されるため、エアーの透過が可能である。この発明の搬送システムは、上記メッシュクロスのエアー透過性を利用し、枚葉搬送用トレイに載せられた板状ワークをエアーで浮上させるため、トレイからの板状ワークの取り出しが容易となり、取り出しに伴い板状ワークが傷付くのも回避できる。
この発明の枚葉搬送用トレイは、板状ワークの載置部をメッシュクロスで構成したため、板状ワークを全面にわたって撓み変形なく支持することができ、搬送も安定良く行うことができる。また、通常のクロスのような使用に伴う微粒子の発生で板状ワークに悪影響を与えることがない。
前記メッシュクロスを、芯成分が溶融異方性芳香族ポリエステル、鞘成分がPENと溶融異方性芳香族ポリエステルのブレンドポリマーからなり、鞘成分のPENを固相重合した複合繊維で構成されたものとした場合は、載置部の耐久性を向上させることができ、板状ワークをより安定支持することができる。
この発明の搬送システムは、この発明の枚葉搬送用トレイを使用した搬送システムであって、アンローディング部においてトレイの載置部の下方からエアーを吹き出すことにより板状ワークを浮上させる手段を設けたため、トレイに載置した板状ワークの安定搬送が可能で、またトレイからの板状ワークの取り出しを、ワークを傷付けることなく容易に行うことができる。
この発明の一実施形態を図1および図2と共に説明する。図1に斜視図で示すように、この実施形態の枚葉搬送用トレイ1は、液晶ディスプレイのガラス基板等の板状ワークWを載せて搬送するトレイであって、メッシュクロスで構成された方形のワーク載置部2と、このワーク載置部2に載せられた板状ワークWの周囲に位置する矩形のトレイ周壁部3とでなる。トレイ周壁部3は、例えば形鋼等の金属製の直線部材を矩形に枠組したものとされる。
ワーク載置部2となるメッシュクロスは、図2に平面図で示すように、トレイ周壁部3に向け全周にわたって所定のテンションTを与えた状態でトレイ周壁部3に張設されている。例えば、メッシュクロスは、トレイ周壁部3の四辺の各々に直交する方向と、各対角線方向との8方向に上記テンションTを与えて張ったものとされる。メッシュクロスは、例えば縦糸と横糸を直交方向に編んだものとされる。その場合、各糸の延びる方向が、トレイ周壁部3の各辺に対して例えば45度程度となる斜め方向になるようにメッシュクロスを張ることが好ましい。メッシュクロスをその糸が斜め方向となるように張ることは、載せられた板状ワークWの重量でメッシュクロスが撓み難いようにすることや、板状ワークWが取り出し時に引っ掛かることの防止等のために好ましい。メッシュクロスの目の粗さは、例えば、縦横とも、1〜十数mmとされている。メッシュクロスに板状ワークWの出し入れ時の持ち上げるためにピン(図示せず)を通すような場合は、目の粗さは十数mm程度とされるが、ピンを通すことが不要な場合は、1〜数mm程度とされる。
メッシュクロスの材質例としては、例えば、芯成分が溶融異方性芳香族ポリエステル、鞘成分がPENと溶融異方性芳香族ポリエステルのブレンドポリマーからなり、鞘成分のPENを固相重合した複合繊維で構成されたものとされる。
このような材質のメッシュクロスとしては、特許文献2に示されたものが使用できる。同文献2に示されたものは、芯成分が溶融異方性芳香族ポリエステル(Aポリマー)からなり、鞘成分が島構造を有する芯鞘複合繊維において、鞘成分比が0.2〜0.7であり、この鞘成分を構成する海成分は固有粘度 [η] が、0.6dl/g以上のポリエチレンナフタレート(Bポリマー)からなり、島成分は溶融異方性芳香族ポリエステル(Cポリマー)からなり、鞘成分における島成分比が0.02〜0.25とされている。この成分のメッシュクロスは、高強力高弾性率で、フィブリル化や芯鞘剥離が生じ難いという利点がある。
この構成の枚葉搬送用トレイ1によると、メッシュクロスからなるワーク載置部2に板状ワークWを載せるので、板状ワークWを全面にわたって支持することができ、縦横寸法の大きな板状ワークWを載せる場合でも板状ワークWに撓みが生じず、板状ワークWの安定した搬送が可能となる。
ワーク載置部2として通常のクロスを用いた場合、使用に伴い微粒子が発生し、板状ワークWの種類によってはワークWに悪影響を与えるが、メッシュクロスをワーク載置部2とした場合、使用に伴う微粒子の発生がない。そのため、板状ワークWが例えば液晶ディスプレイのガラス基板等であってもワークWに悪影響を及ぼすことがない。
メッシュクロスの材質を、上記のように芯成分が溶融異方性芳香族ポリエステル、鞘成分がPENと溶融異方性芳香族ポリエステルのブレンドポリマーからなり、鞘成分のPENを固相重合した複合繊維で構成した場合は、その材質の持つ特性により、ワーク載置部2の耐久性を向上させることができ、板状ワークWをより安定良く支持できる。
図3および図4は、上記枚葉搬送用トレイを用いた搬送システムにおけるアンローディング部の概略構成を示す。この搬送システムのアンローディング部4は、図3に側面図で示すように、移動台5上に載せた枚葉搬送用トレイ1から板状ワークWを別のローラコンベヤ6に移載するものである。このアンローディング部4は、トレイ1から板状ワークWを浮上させるワーク浮揚手段7と、浮上させた板状ワークWを前記ローラコンベヤ6の上まで押し出すアンローダ8とを備える。
ワーク浮揚手段7は、移動体5内に配置され圧縮エアー供給源(図示せず)から供給されるエアーを導入するエアー導入路9と、このエアー導入路9から分岐し移動台5の上面のトレイ載置面域に略均等に分散して開口する複数のノズル10とでなる。エアー導入路9は、例えば配管で構成される。
アンローダ8は、移動台5とローラコンベヤ6とに跨がって、板状ワークWの移載方向に向けて架設されたレール11と、このレール11に沿って走行可能な走行体12とを備える。走行体12は、トレイ1から浮上した板状ワークWの一端に当接して、走行体12の走行に伴いワークWをローラコンベヤ6の上まで押し出すワーク押し当て部12aを有する。
この搬送システムのアンローディング部4では、枚葉搬送用トレイ1を載せた移動台5が、図4のようにローラコンベヤ6に近接した所定のワーク移載位置まで移動して来ると、ワーク浮揚手段7のエアー導入路9に圧縮エアーが導入される。これにより、各ノズル10から吹き出すエアーがトレイ1におけるメッシュクロスからなるワーク載置部2を通してトレイ1内の板状ワークWをトレイ周壁部3の上端より上の位置まで浮上させる。ついで、アンローダ8の走行体12が移動台5側からローラコンベヤ6側に向けて移動し、これに伴い走行体12のワーク押し当て部12aが浮上した板状ワークWをローラコンベヤ6の上まで押し出す。これにより、移動台5上のトレイ1からローラコンベヤ6の上に板状ワークWが移載される。
このように、この搬送システムでは、枚葉搬送用トレイ1に載せられた板状ワークWをエアーで浮上させて移載するので、板状ワークWの安定搬送が可能であるばかりでなく、トレイ1からの板状ワークWの取り出しが容易となり、取り出しに伴い板状ワークが傷付くことも回避できる。
この発明の一実施形態にかかる枚葉搬送用トレイの斜視図である。 同トレイのワーク載置部に与えるテンションの説明図である。 同トレイを用いた搬送システムのアンローディング部の概略構成を示す側面図である。 同搬送システムのアンローディング部の動作説明図である。
符号の説明
1…枚葉搬送用トレイ
2…ワーク載置部
3…トレイ周壁部
4…搬送システムのアンローディング部
5…移動台
7…ワーク浮揚手段
8…アンローダ
W…板状ワーク

Claims (3)

  1. 板状ワークの載置部をメッシュクロスで構成した枚葉搬送用トレイ。
  2. 前記メッシュクロスを、芯成分が溶融異方性芳香族ポリエステル、鞘成分がPENと溶融異方性芳香族ポリエステルのブレンドポリマーからなり、鞘成分のPENを固相重合した複合繊維で構成した請求項1記載の枚葉搬送用トレイ。
  3. 請求項1または請求項2記載の枚葉搬送用トレイを使用した搬送システムであって、アンローディング部においてトレイの載置部の下方からエアーを吹き出すことにより板状ワークを浮上させる手段を設けた搬送システム。
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