JP2006178329A - 非磁性トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】 着色剤の分散状態が良好で、高品質の画像形成を長期に亘り維持することが可能であるトナーを提供する。
【解決手段】 非磁性トナーを、少なくとも、結着樹脂、着色剤、中心金属がFe又はZnである金属フタロシアニン及び/又は金属フタロシアニン誘導体、及びエーテル化合物を含有する構成とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法などを利用した記録方法に用いる非磁性トナーであって、着色剤の分散性を向上させた高着色力を有する非磁性トナーに関する。
従来、塗料、インキ、トナー、樹脂成型品の如き製品の製造方法において、顔料分散剤は顔料の粒径を細かくし、色材としての性能(着色力、透明性、光沢など)を十分に発現させるための添加剤として有効に利用されている。
顔料分散剤は、その機能を発揮するためには、分子中に顔料に強固に吸着する化学構造と、顔料を分散する際に用いる溶媒や樹脂への親和性を持ち、顔料の再凝集を防ぐための立体障害となりうる化学構造が必要である。このような顔料分散剤として、フタロシアニン系顔料やカーボンブラックには、フタロシアニン系色素の誘導体が用いられている。また、さまざまな溶媒や樹脂に対して汎用性をもたせるために、顔料に対して吸着性を持つ材料と、溶媒や樹脂への親和性を持ち立体障害となりうる樹脂とを混合し、それぞれを酸塩基相互作用により結合させて調製した顔料分散剤が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2及び特許文献3参照)。
しかしながら、このような2成分系の顔料分散剤を用いる場合には、両者を結合している酸塩基による結合を切断しない条件で顔料分散体を作製し、その条件を維持することが必要である。特に、水系溶媒中における顔料の分散においては、溶媒のpHや添加される樹脂の官能基に十分な注意が必要となる。また、両者が解離した状態で顔料分散を行った場合でもフタロシアニン誘導体の極性基の作用によりある程度の分散状態は得られるが、乾燥、成型、重合反応などの後工程における顔料の再凝集や、極性基の存在による顔料の浮きだしが問題となる場合がある。
一方、プリンターや複写機に使用されるトナーは、主成分が結着樹脂、着色剤(磁性体、カーボンブラック、染料、顔料等)、及びワックス類から形成されるトナー粒子を有し、通常トナー粒子の重量平均粒径は4〜20μmである。所望の粒子径を有するトナー粒子は、一般に熱可塑性樹脂と着色剤を混合、溶融し、着色剤を熱可塑性樹脂に均一に分散させた後、溶融物を冷却し、冷却物を微粉砕し、分級することにより得られる。着色剤を均一に熱可塑性樹脂に分散させる方法としては、混練法、フラッシング法等が用いられている。これらの方法において、顔料分散剤を熱可塑性樹脂及び着色剤と一緒に混合することにより顔料の分散性の向上が期待されるが、顔料に対して20〜50wt%の分散剤を必要とするため、トナーの帯電特性に悪影響を及ぼす場合がある。
粉砕方法によるトナー粒子の製造方法に対して、懸濁重合法によるトナー粒子の製造方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。着色剤、帯電制御剤及びワックスを重合性単量体に溶解、或いは分散させて重合性単量体組成物を調製し、この重合性単量体組成物を、分散安定剤を含有する水系媒体に分散装置により分散させ、水系媒体中で重合性単量体組成物の粒子を生成する。そして、この重合性単量体組成物の粒子中の重合性単量体を重合させて固化することによって所望の粒径を有し、所望の組成を有するトナー粒子を得るものである。
この方法には粉砕工程がないためエネルギーの節約、工程収率の向上、コスト削減といった効果が期待されるものであるが、重合性単量体中で顔料を微分散させても、重合過程
で顔料の凝集が起こってしまい、定着画像の着色力や透明性を損なうことがある。また、顔料分散剤を併用することも考えられるが、前述のような添加量を必要とし、トナーの帯電特性に悪影響を生じやすい。
このような問題を解決する目的で、顔料に吸着する部分と、溶媒や樹脂への親和性をもち立体障害となりうる樹脂材料部分とを共有結合させた顔料分散剤が提案されている(例えば、特許文献5参照)。ポリマー中に銅フタロシアニン骨格をグラフト化した化合物を分散剤として用いることにより、顔料に対して極微量の添加量で分散効果を発揮することができ、重合過程での顔料の再凝集や、トナーとしての帯電特性を維持することに成功している。しかしながら、このような顔料分散剤を合成するためには多段階の合成経路が必要となることから、生産性の良好な顔料分散剤が待望されている。
また、シアン顔料の色味を調整する意味でトナーに亜鉛フタロシアニンを含有させることが提案されている(例えば、特許文献6参照)。この場合の様に亜鉛フタロシアニンだけを含有させたとしても、顔料表面に亜鉛フタロシアニンが吸着したところで、顔料の再凝集を防止し、且つ分散媒への親和性を向上させることはできず、顔料の分散効果は得られない。
そこで、亜鉛フタロシアニンの亜鉛に配位可能なアミンや芳香族イミド化合物を添加した顔料分散剤が提案されている(特許文献7参照)。しかしながら本発明者らが検討を行った結果、この方法で製造したトナーは、初期の画像形成においては高品質な画像が得られ且つカブリも発生しなかったが、高温高湿及び低温低湿の環境下にて低印字比率の画像を連続モードで10,000枚までプリントアウトしたところ、カブリが悪化していた。この場合の様に塩基性の強い窒素原子を配位子として用いると、トナーの帯電性に悪影響を与え、トナーの耐久性(帯電性維持)に改良の余地が残されていることがわかった。
特開平06−122835号公報 特開平09−005989号公報 特表2002−514263号公報 特開平05−197193号公報 特開2002−226727号公報 特開2000−302993号公報 特開2003−277643号公報
本発明は、着色剤の分散状態が良好で、高品質の画像形成を長期に亘り維持することが可能である非磁性トナーを提供することを課題とする。
本発明者らはトナー中に特定の金属フタロシアニンとエーテル化合物を共存させることにより、トナー中における着色剤の分散状態を良好なものとすることができることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明の非磁性トナー(以下、単に「トナー」ともいう)は、少なくとも、結着樹脂、着色剤、中心金属がFe又はZnである金属フタロシアニン及び/又は金属フタロシアニン誘導体、及びエーテル化合物を含有することを特徴とする。
本発明によれば、トナー中に特定の金属フタロシアニン類と該金属フタロシアニン類と配意可能なエーテル化合物を共存させることにより、トナー粒子中での着色剤の分散状態が改善され、帯電性の安定したトナーを得ることができる。
その結果、これまでにない高着色力を呈し、高解像度で高精細な画像を長期に亘り維持することが可能となる。
本発明者らは、鋭意検討の結果、トナー中に特定の金属フタロシアニン類とエーテル化合物を含有させることにより、着色剤の分散状態が改善し、帯電性に優れたトナーを得られることを知見し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の非磁性トナーは、少なくとも、結着樹脂、着色剤、中心金属がFe又はZnである金属フタロシアニン及び/又は金属フタロシアニン誘導体、及びエーテル化合物を含有することによって、トナー粒子中での着色剤の分散状態が改善される。この理由に関して、本発明者等は以下のように考えている。
即ち、中心金属がFe又はZnである金属フタロシアニン及び/又は金属フタロシアニン誘導体(以下、これらを「金属フタロシアニン類」と称す)は、大環状化合物であるフタロシアニン環に対し、axial方向に配位子を配位することが可能な5配位構造又は6配位構造をとることが可能である。これに対し、本発明に係るエーテル化合物は、非共有電子対を有する為、フタロシアニン環に対して配位子として作用する。従って、上記金属フタロシアニン類及びエーテル化合物の両者を共存させることにより、錯体の形成が可能となる。
これにより、得られた錯体は、フタロシアニン環の部位が着色剤に対して良好な親和性を呈すると共に、エーテル化合物の炭素鎖は結着樹脂や他のトナー構成材料に対して親和性を呈するので、良好な分散状態を生み出すことができたのだと考えている。また、エーテル化合物の酸素原子は、アミン化合物などの窒素原子よりも塩基性が弱いため、トナーの帯電性に悪影響を及ぼすことが少ないと考えられる。
本発明に用いられる金属フタロシアニン類は、5配位構造又は6配位構造を有している。また、軸配位子の取り込み易さを考慮すると、上記金属フタロシアニン類の中心金属はFe又はZnであることが好ましいと考えられ、更に着色剤との吸着能を考慮すると、5配位構造をとることが可能なZnを中心金属とする金属フタロシアニン類が好ましく選択される。また、上記金属フタロシアニン誘導体としては公知のものを用いることができる。即ち、フタロシアニン骨格を有するものであれば特に限定されず、例えば、4つあるイソインドール部分にカルボン酸やスルフォン酸等の置換基を導入したものや、芳香族系、脂肪系、アルコール等の置換基を導入したものが用いられる。但し、それ自身がフタロシアニン環と着色剤の吸着性や軸配位子の取り込みやすさに影響を及ぼすものは好ましくない。本発明において好ましく用いられる金属フタロシアニン類は亜鉛フタロシアニン及び鉄フタロシアニンであり、より好ましく用いられるのは亜鉛フタロシアニンである。
金属フタロシアニン類の最適量は所望とする顔料の分散粒径により決まるが、顔料吸着部である金属フタロシアニン類を顔料の粒子表面に十分に吸着させるためには、顔料100質量部に対して0.01質量部以上を使用するのが好ましい。しかしながら、含有量が多くなりすぎる場合には金属フタロシアニン類自体の発色によって色相に影響が出てしまう。これらを考慮すると、トナー中に含有される金属フタロシアニン類の含有量はトナーの質量を基準にして0.01〜2質量%であることが好ましい。上記金属フタロシアニン類の含有量は、より好ましくは0.05〜2質量%である。
金属フタロシアニン類の中心金属に配位するエーテル化合物量は、5ppmよりも少ないと着色剤の分散状態を改善することはできず、1000ppmを超えると帯電量分布が
広がり、カブリが悪化する傾向にある。これを考慮すると、トナー中に含有されるエーテル化合物の量は5〜1000ppmが好ましい。エーテル化合物の量を上記範囲とすることにより、トナーの帯電量分布を損なうことなく着色剤の分散状態を改善することができる。上記効果をより発揮する観点から、トナー中のエーテル化合物の含有量は、より好ましくは10〜800ppmである。
本発明のトナーに含有されるエーテル化合物としては公知のものを用いることができる。即ち、エーテル結合を有するものであれば特に限定されず、好適な一例として、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ブチルヘプチルエーテル、ブチルヘキシルエーテル、ジオキサン、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。
金属フタロシアニン類の中心金属に配位するエーテル化合物の分子量は、100よりも小さいと結着樹脂や他のトナー構成材料との親和性が低下し、エーテル化合物の分散状態が不均一になると考えられ、分子量が3000よりも大きくなると結着樹脂との相溶性が低下し、画像のムラやカブリが悪化すると考えられる。これにより、エーテル化合物の分子量は100〜3000であることが好ましい。上記分子量のエーテル化合物を選択して用いることにより、結着樹脂や他のトナー構成材料との親和性と相溶性との両方を良好なものとすることができ、これにより着色剤のトナー中における分散状態を向上させることができる。このような効果をより発揮する観点から、本発明に用いるエーテル化合物の分子量は、100〜2000であることがより好ましい。
また、エーテル化合物の立体障害が小さいと、着色剤の再凝集が起こりやすくなってしまう。そのため、エーテル化合物は立体障害として機能する三級炭素を有することが好ましいが、立体障害が大きくなりすぎると、エーテル化合物が金属フタロシアニン類に配位しにくくなってしまう。これらの要件を考慮すると、エーテル化合物としては、適度な立体障害を有するジ−t−ブチルエーテル(下記構造式)が最も好ましく選択される。
Figure 2006178329
本実施例では、トナー中に含まれるエーテル化合物の量をマルチプルヘッドスペース抽出方法により以下の手順で測定した。
<装置及び器具>
ヘッドスペースサンプラーは、株式会社パーキンエルマージャパン製、HS40XL、GC/MSはサーモクエスト株式会社製、TRACE GC,TRACE MSを用いて行う。なお、マルチプルヘッドスペース抽出方法によるピーク面積の計算は、下記近似式を用いて行うものとする。
ΣA= A /(A−A
(ΣA:総ピーク面積、A:抽出n回目のピーク面積)
サンプルバイアルはガスクロマトグラフィーに接続され、マルチプルヘッドスペース抽出方法を使用して分析される。
(1)ヘッドスペースサンプラー条件
・サンプル量:50mg
・バイアル:22ml
・サンプル温度:120℃
・ニードル温度:150℃
・トランスファーライン温度:180℃
・保持時間:60min
・加圧時間:0.25min
・注入時間:0.08min
(2)GC条件
・カラム:HP5−MS(0.25mm,60m)
・カラム温度:40℃(3min),70℃(2.0℃/min),150℃(5.0℃/min),300℃(10.0℃/min)
・スプリット比: 50:1
(3)器具
密閉容器として、株式会社パーキンエルマージャパン製、ヘッドスペース分析用ガラス製バイアル(22ml)を使用する。
(4)方法
1)標準試料の作製
まず、上記エーテル化合物定量用の標準サンプルとして、エーテル化合物濃度が1000ppmのメタノール溶液を調製し、この液の5μlを、10μl容積のマイクロシリンジを用いて、22mlのガラス製バイアルに入れ、高温分析用セプタムによりすばやく密栓する。
2)トナー試料の作製
トナー50mgを22mlのガラス製バイアルに入れ、高温分析用セプタムにより密栓しサンプルとする。
(5)解析
まず、上記エーテル化合物の標準サンプルについて、定量的マルチプルヘッドスペース抽出方法を使用して測定を行い、エーテル化合物0.005μl当たりの総ピーク面積を求める(なお、GCの感度は日間変動があるため、エーテル化合物0.005μl当たりのピーク面積は測定毎に調べておく必要がある)。
次に、トナーの定量的マルチプルヘッドスペース抽出方法より求めた総ピーク面積と、エーテル化合物標準サンプルの総ピーク面積から、比例計算により測定サンプル中のエーテル化合物体積を求め、算出された値にエーテル化合物の比重を乗じて重量換算を行い、トナー中のエーテル化合物濃度を計算する。
本発明に係わるトナーは、粉砕法によって製造することでも本発明の効果を得られるが、重合法により製造されることが、本発明の着色剤の分散効果をより発揮できるので好ましい。中でも、後述する重合性単量体組成物を水中(水系媒体中)に懸濁し、造粒させてトナーを製造する懸濁重合法は、トナーの粒径と粒子形状のバランスがとりやすいため、本発明において、より好ましく用いられる。以下、この懸濁重合法を例に挙げて、本発明の非磁性トナーの他の原材料及び製造方法について説明する。
本発明のトナーを懸濁重合法で製造する場合、結着樹脂を構成する重合性単量体としては、スチレン系単量体、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類などの公知のビニル系単量体が挙げられる。これらの重合性単量体は単独で、又は2種以上を組み合わせて使用される。上述の重合性単量体の中でも、スチレン又はスチレン誘導体を単独で、又は他の重合性単量体と併用することがトナーの現像特性及び耐久性の点から好ましい。
また、材料の分散性や定着性、或いは画像特性の改良等を目的として、樹脂を重合性単量体に混合させて用いても良く、用いられる樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂などを単独で又は混合して使用できる。これらの中でも、重合性単量体系に添加して用いる樹脂としては、ポリエステル樹脂が好ましい。
本発明において、上記重合性単量体に混合して使用されるポリエステル樹脂としては、例えば得られるトナーの帯電性、耐久性及び定着性などの物性をコントロールする観点から、飽和ポリエステル樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂のいずれか一方又は両方を適宜選択して使用することが可能である。
本発明のトナーは、良好な定着画像を得るために離型剤を含有することが好ましい。本発明に用いうる離型剤としては、例えば、パラフィンワックス、ペトロラクタム等の石油系ワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックス等天然ワックス及びその誘導体などが挙げられる。更には、高級脂肪族アルコール、ステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸又はそれらの化合物;酸アミドワックス、エステルワックス、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物系ワックス、動物性ワックス等が挙げられる。これらのワックスの中では、示差熱分析における吸熱ピークが40℃〜110℃であるものが好ましく、更には45℃〜90℃であるものがより好ましい。
本発明に用いられる着色剤としては、公知の染料や顔料が用いられるが、特に均一分散が困難である黒色着色剤のカーボンブラックや、シアン着色剤のCuフタロシアニン化合物、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物などが挙げられる。
本発明のトナーを懸濁重合法により製造する際に使用される重合開始剤としては、重合反応時の反応温度における半減期が0.5〜30時間であるものを用いることが好ましい。重合開始剤例としては、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系又はジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレートなどの過酸化物系重合開始剤が挙げられる。また、上記重合開始剤と合わせて架橋剤を使用しても良く、架橋剤としてはジビニルベンゼンなどが挙げられる。
懸濁重合法により本発明のトナーを製造する際は、分子量調整剤を使用することができる。分子量調整剤としては、例えば、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン類;四塩化炭素、四臭化炭素などのハロゲン化炭化水素類;α−メチルスチレンダイマーなどを挙げることができる。これらの分子量調整剤は、重合開始前又は重合途中に添加することができる。
上記懸濁重合法によるトナーの製造方法においては、重合性単量体中に着色剤、エーテル化合物及び金属フタロシアニン類、及び必要に応じて離型剤、架橋剤、分子量調整剤、
荷電制御剤、架橋剤、重合反応で生成する重合体の粘度を低下させるために入れる有機溶媒、高分子重合体(樹脂)、分散剤等を加えて、ホモジナイザー、ボールミル、コロイドミル、超音波分散機等の分散機によって均一に溶解又は分散させて、重合性単量体組成物を調製する。得られた重合性単量体組成物を、分散安定剤を含有する水系媒体中に滴下し、懸濁・造粒する。この時、高速撹拌機又は超音波分散機のような高速分散機を使用して重合性単量体組成物を一気に所望のトナー粒子のサイズとするほうが、得られるトナー粒子の粒径がシャープになる。重合開始剤添加の時期としては、重合性単量体に他の添加剤を添加する時(重合性単量体組成物の調製時)に同時に加えても良いし、水系媒体中において重合性単量体組成物を懸濁する直前に添加しても良い。また、造粒直後、重合反応を開始する前に重合性単量体又は溶媒に溶解した重合開始剤を加えることもできる。造粒後は、通常の撹拌機を用いて、粒子状態が維持され且つ粒子の浮遊・沈降が防止される程度の撹拌を行えば良い。この様にして、本発明のトナーを構成する、少なくとも結着樹脂、着色剤、金属フタロシアニン類、及びエーテル化合物を含有するトナー粒子が得られる。
本発明のトナーを製造する場合には、分散安定剤として公知の界面活性剤や有機又は無機の分散剤が使用できる。中でも無機分散剤を用いた場合には、トナーの超微粉を生じ難い。また、無機分散剤は一般的にサイズが大きいため、立体障害性により分散安定性が得られるので、反応温度を変化させても安定性が崩れ難く、更に洗浄も容易である。そのため、無機分散剤がより好ましく使用できる。こうした無機分散剤の例としては、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウムなどのリン酸多価金属塩;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの炭酸塩;メタ硅酸カルシウム、硫酸バリウムなどの無機塩;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの無機水酸化物;シリカ、アルミナなどの無機酸化物が挙げられる。
これらの無機分散剤は、単独で使用しても良いし、トナーの粒度分布を調整する目的で界面活性剤を併用しても良い。界面活性剤としては、例えばドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等が挙げられる。無機分散剤は、重合終了後、酸又はアルカリで溶解して、ほぼ完全に取り除くことができる。
上記重合工程においては、重合温度は40℃以上、一般には50〜90℃の温度に設定して重合を行う。この温度範囲で重合を行うと、内部に封じられるべき離型剤類が、相分離により析出して内包化がより確実なものとなる。残存する重合性単量体を消費するために、重合反応終期に、反応温度を90〜150℃にまで上げても良い。重合トナー粒子は重合終了後、公知の方法によって濾過、洗浄、乾燥を行い、無機微粉体を混合し表面に付着させることで、トナーを得ることができる。また、製造工程に分級工程を入れ、粗粉や微粉をカットしてもよい。
本発明のトナーは、トナーの流動性改良及び帯電均一化等のために、無機微粉体が上記トナー粒子に添加されることが好ましい。添加する無機微粉体としては、シリカ、酸化チタン、アルミナ、又はそれらの複酸化物などが使用できる。
例えば、シリカとしてはケイ素ハロゲン化物の蒸気相酸化により生成された、いわゆる乾式法又はヒュームドシリカと称される乾式シリカ、及び水ガラス等から製造される、いわゆる湿式シリカの両者が使用可能であるが、表面及びシリカ微粉体の内部にあるシラノール基が少なく、またNaO、SO 2−等の製造残滓の少ない乾式シリカの方が好ましい。また乾式シリカにおいては、製造工程において例えば、塩化アルミニウム、塩化チタン等の他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによって、シリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能であり、それらも包含する。
次に、本発明のトナーを用いた画像形成について説明する。
本発明のトナーを適用することのできる画像形成方法における現像工程は、トナー担持体と静電潜像担持体である感光体表面とが接触して現像を行うものであっても、非接触で現像を行うものであっても良い。ここでは、トナー担持体と感光体表面とが接触する場合について説明する。
トナー担持体としては弾性ローラーを用い、弾性ローラー表面等にトナーをコーティングし、これを感光体表面と接触させて現像する方法を用いることができる。トナー担持体と感光体表面とを接触させて現像を行う場合には、トナーを介して感光体と感光体表面に対向する弾性ローラー間に働く電界によって現像が行われる。従って、弾性ローラー表面又は表面近傍が電位をもち、感光体表面とトナー担持表面の狭い間隙で電界を有する必要性がある。このため、弾性ローラーを構成する弾性ゴムを中抵抗領域に抵抗制御し且つ感光体表面との導通を防ぎつつ電界を保つか、又は導電性ローラーの表面に薄層の絶縁層を設ける方法が利用できる。更には、導電性ローラー上に感光体表面に対向する側を絶縁性物質(樹脂)により被覆した樹脂被覆導電性スリーブ、或いは絶縁性スリーブで感光体に対向しない側に導電層を設けた構成も可能である。
本発明に用いられる画像形成方法においては、トナー担持体は、感光体との対向部において同方向に回転していてもよいし、逆方向に回転していてもよい。
感光体としては、a−Se、CdS、ZnO、OPC、a−Siの様な光導電絶縁物質層を持つ感光ドラム又は感光ベルトが好適に使用される。
次に、本発明のトナーを用いた画像形成方法の一例を、図面を参照しながら以下に説明する。
図1は、本発明の非磁性トナーを好適に用いることができる画像形成装置の一例を示す模式的断面図である。図1に示す画像形成装置は、静電潜像担持体としての感光体109、感光体109に接触して配置され、感光体109表面を帯電させる一次帯電部材110、帯電した感光体109表面に露光光123を照射することによって静電潜像を形成する静電形成手段(図示せず)、上記静電潜像を本発明のトナーで可視化して可視像を形成する現像装置100、上記可視像を紙などの被転写体105に転写するための転写部材106、並びに被転写体105に転写された可視像を定着するための、定着用加圧ローラー107及び定着用加熱ローラー108を有する定着装置を備える。
一次帯電部材110には、感光体109表面を一様に帯電するためのバイアス電源115が接続されている。現像装置100はトナー104を収容しており、静電潜像担持体(感光体)109と接触して矢印方向に回転するトナー担持体102を具備する。更に、トナー担持体102上のトナー量規制及びトナーへの帯電付与のための現像ブレード101と、トナー104をトナー担持体102に付着させ且つトナー担持体102との摩擦によりトナーへの帯電付与を行うため矢印方向に回転する塗布ローラー103を備えている。トナー担持体102には現像バイアス電源117が接続されている。塗布ローラー103にも図示しないバイアス電源が接続されており、負帯電性トナーを使用する場合は現像バイアスよりも負側に、正帯電性トナーを使用する場合は現像バイアスよりも正側に電圧が設定される。また、転写部材106には感光体109と反対極性の転写バイアス電源116が接続されている。
トナー担持体上のトナーコート量は現像ブレード101により制御されるが、この現像ブレード101はトナー層を介してトナー担持体102に接触している。トナーコート量の規制部材としては、トナーを圧接塗布するための弾性ブレード以外にも、剛性のある金属ブレード等を用いても良い。
一次帯電部材110としては、非接触式のコロナ帯電器と、ローラー等を用いる接触型の帯電部材があり、いずれのものも用いられる。効率的な均一帯電、シンプル化、低オゾン発生化の観点からは、接触方式のものが好ましく用いられる。なお、図1においては、接触型の帯電部材が用いられている。
図1で用いられている一次帯電部材110は、中心の芯金110bとその外周を形成する導電性弾性層110aとを基本構成とする帯電ローラーである。帯電ローラー110は、静電潜像担持体一面に押圧力を持って当接され、静電潜像担持体109の回転に伴い従動回転する。
なお、図1に記載の画像形成装置の説明として、接触帯電手段について述べたが、その他の構成の画像形成装置においても接触帯電手段を用いる場合には、同様の装置及び条件を用いることができる。
一次帯電工程に次いで、発光素子からの露光(123)によって感光体109上に情報信号に応じた静電潜像を形成し、トナー担持体102と当接する位置においてトナーにより静電潜像を現像し可視像化する。更に、本発明における画像形成方法では、特に感光体上にデジタル潜像を形成した現像システムと組み合わせると潜像が乱されないため、ドット潜像に対して忠実に現像することが可能となる。該可視像は転写部材106により被転写体105に転写され、加熱ローラー108と加圧ローラー107の間を通過して定着され、定着画像を得る。なお、加熱加圧定着手段としては、ハロゲンヒーター等の発熱体を内蔵した加熱ローラーとこれと押圧力をもって圧接された弾性体の加圧ローラーを基本構成とする熱ローラー方式以外に、フィルムを介してヒーターにより加熱定着する方式も用いられる。
一方、転写されずに感光体109上に残った転写残トナーは、感光体109の表面に当接されるクリーニングブレードを有するクリーナー138で回収され、感光体109はクリーニングされる。
次に、本発明のトナーを好適に用いることができる画像形成装置及び画像形成方法の他の例について、図面を用いて説明する。
図2は、中間転写体を用いて多重トナー像を記録材に一括転写する画像形成装置の概略断面図である。
潜像担持体としての静電潜像担持体(感光体ドラム)1の表面に、帯電バイアス電圧が印加された帯電ローラー2を回転させながら接触させて、感光体ドラム1表面を一次帯電し、その後、露光手段としての光源装置Lより発せられたレーザー光Eにより、感光体ドラム1上に第1の静電潜像を形成する。形成された第1の静電潜像は、回転可能なロータリーユニット24に設けられている第1の現像器としてブラック現像器4Bk中のブラックトナーにより現像され、ブラックトナー像が形成される。感光体ドラム1上に形成されたブラックトナー像は、中間転写ドラム5の導電性支持体5aに印加される転写バイアス電圧の作用により、中間転写ドラム5上に静電的に一次転写される。
次に、上記と同様にして感光体ドラム1の表面に第2の静電潜像を形成し、ロータリーユニット24を回転して、第2の現像器としてのイエロー現像器4Y中のイエロートナーにより上記第2の静電潜像を現像してイエロートナー像を形成し、ブラックトナー像が一次転写されている中間転写ドラム5上にイエロートナー像を静電的に一次転写する。同様にして、第3の静電潜像を形成し、ロータリーユニット24を回転して、第3の現像器としてのマゼンタ現像器4M中のマゼンタトナーにより上記第3の静電潜像を現像し、更に、第4の静電潜像を形成し、ロータリーユニット24を回転して、第4の現像器としての
シアン現像器4C中のシアントナーにより上記第4の静電潜像を現像し、得られた各色のトナー像を中間転写ドラム5上に順次一次転写する。
上記各色のトナー像が中間転写ドラム5上に一次転写されてなる多重トナー像は、記録材Pを介して反対側に位置する第2の転写装置8からの転写バイアス電圧の作用により、記録材Pの上に一括して静電的に二次転写される。記録材P上に二次転写された多重トナー像は加熱ローラー9a及び加圧ローラー9bを有する定着装置9により記録材Pに加熱定着される。転写後に感光体ドラム1の表面上に残存する転写残トナーは、感光体ドラム1の表面に当接するクリーニングブレードを有するクリーナー6で回収され、感光体ドラム1がクリーニングされる。
感光体ドラム1から中間転写ドラム5への一次転写は、第1の転写装置としての中間転写ドラム5の導電性支持体に、図示しない電源より転写バイアスを印加することによって、トナー画像の転写が行われる。なお、中間転写ドラム5は、剛体である導電性支持体5aと、表面を覆う弾性層5bを有している。
中間転写ドラム5上に形成された多重トナー像は、第2の転写装置8により記録材P上に一括に二次転写されるが、転写手段8としてはコロナ帯電器などの非接触静電転写手段、又は転写ローラー及び転写ベルトなどの接触静電転写手段が使用可能である。第2の転写装置8として転写ローラーを用いる場合、中間転写ドラムの弾性層の体積固有抵抗値よりも転写ローラーの弾性層の体積固有抵抗値をより小さく設定することで、転写ローラーへの印加電圧が軽減でき、転写材上に良好なトナー像を形成できると共に転写材の中間転写体への巻き付きを防止することができる。
定着装置9としては、加熱ローラー9aと加圧ローラー9bを有する熱ローラー定着装置に代えて、記録材P上のトナー像に接するフィルム部材を用い、該フィルム部材を加熱することにより記録材P上のトナー像を加熱し、記録材Pに多重トナー像を加熱定着する方式のフィルム加熱定着装置を用いることもできる。
なお、図2に示すような画像形成装置において、中間転写体としての中間転写ドラムに代えて、中間転写ベルトを用いて多重トナー像を記録材に一括転写することも可能である。このような中間転写ベルトの構成を図3に示す。
図3において、中間転写ベルト10は、感光ドラム1に接触するように、ローラー11及び2次転写対向ローラー13aにより張架されている。静電潜像担持体(感光体ドラム)1上に形成担持されたトナー画像は、感光体ドラム1と中間転写ベルト10とのニップ部を通過する過程で、一次転写ローラー12から中間転写ベルト10に印加される一次転写バイアスにより形成される電界により、中間転写ベルト10の外周面上に順次一次転写される。
感光体ドラム1から中間転写ベルト10への第1〜第4色のトナー像の順次重畳転写のための一次転写バイアスは、トナーとは逆極性であり、バイアス電源14から印加される。また、感光体ドラム1から中間転写ベルト10への第1〜第3色のトナー像の一次転写工程では、二次転写ローラー13b及びクリーニング用帯電部材9は中間転写ベルト10から離間しておくことも可能である。
13bは二次転写ローラーで、二次転写対向ローラー13aに対応し平行に軸受させて中間転写ベルト10の下面部に離間可能な状態に配設してある。中間転写ベルト10上に転写された多重トナー像の転写材Pへの転写は、二次転写ローラー13bが中間転写ベルト10に当接されると共に、中間転写ベルト10と二次転写ローラー13bとの当接ニッ
プに所定のタイミングで転写材Pが給送され、二次転写バイアスがバイアス電源16から二次転写ローラー13bに印加される。この二次転写バイアスにより中間転写ベルト10から転写材Pへ多重トナー像が二次転写される。
転写材Pへの画像転写終了後、中間転写ベルト10にはクリーニング用帯電部材39が当接され、感光ドラム1とは逆極性のバイアスをバイアス電源15から印加することにより、転写材Pに転写されずに中間転写ベルト10上に残留しているトナー(転写残トナー)に感光ドラム1と逆極性の電荷が付与される。この転写残トナーは、感光ドラム1とのニップ部及びその近傍において感光ドラム1に静電的に転写されることにより、中間転写ベルト10がクリーニングされる。
本発明のトナーは、複数画像形成部にて各色のトナー画像をそれぞれ形成し、これを同一転写材に順次重ねて転写する方式の画像形成方法にも適用可能である。以下、このような画像形成方法について、図4を用いて説明する。
図4に示される画像形成装置においては、第1、第2、第3及び第4の画像形成部29a、29b、29c及び29dが並設されており、各画像形成部はそれぞれ専用の静電潜像担持体としての感光体ドラム19a、19b、19c及び19dを具備している。感光ドラム19a〜19dの外周側には、帯電手段30a、30b、30c及び30d;潜像形成手段23a、23b、23c及び23d;現像手段17a、17b、17c及び17d;転写手段(転写用放電手段)24a、24b、24c及び24d;並びにクリーニング手段18a、18b、18c及び18dが配置されている。
このような構成にて、先ず、第1画像形成部29aの感光体ドラム19aが帯電手段30aによって帯電され、そして潜像形成手段23aによって原稿画像における、例えばイエロー成分色の潜像が形成される。該潜像は現像手段17a内のイエロートナーを有する現像剤により可視画像(イエロートナー像)とされ、転写手段24aにて、転写材としての記録材Sに転写される。
上記のようにイエロー画像が転写材Sに転写されている間に、第2画像形成部29bではマゼンタ成分色の潜像が感光ドラム19b上に形成され、続いて現像手段17b内のマゼンタトナーを有する現像剤により可視画像とされる。この可視画像(マゼンタトナー像)は、上記の第1画像形成部29aでの転写が終了した転写材Sが転写手段24bの位置に搬入されたときに、該転写材Sの所定位置に重ねて転写される。
以下、上記と同様な方法により第3及び第4の画像形成部29c及び29dによってシアン色及びブラック色の画像形成が行われ、上記同一の転写材Sに、シアントナー像及びブラックトナー像が重ねて転写される。このような一連の画像形成プロセスが終了した後、転写材Sは定着手段22に搬送され、転写材S上の画像が定着される。これによって転写材S上に多色画像が得られるのである。転写が終了した各感光体ドラム19a、19b、19c及び19dはクリーニング手段18a、18b、18c及び18dにより残留トナーを除去され、引き続いて一連の画像形成プロセスが繰り返される。
なお、上記画像形成装置では、転写材としての記録材Sの搬送のために、搬送ベルト25が用いられている。一般に、このような搬送ベルトは体積抵抗が高く、カラー画像形成において数回の転写を繰り返す過程で搬送ベルトの帯電量が増加してしまうため、均一な転写を維持するためには各色成分のトナー像の転写の都度、転写電流を順次増加させる必要がある。しかしながら、本発明のトナーは転写性が優れているので、転写を繰り返す毎に搬送手段の帯電が増しても、同じ転写電流で各転写工程におけるトナーの転写性を均一化でき、良質な高品位画像が得られる。
転写材Sが第4画像形成部29dを通過すると、AC電圧が除電器20に加えられる。これにより、転写材Sは除電されて搬送ベルト25から分離し、その後、定着手段22に入って画像定着され、排出口26から排出される。
図5は、中間転写ドラムを用い、該中間転写ドラム上に4色のカラートナー画像を重ね合わせて一次転写し、この重ね合わされたカラートナー像を二次転写手段としての転写ベルトを用いて記録材に一括して二次転写する方式の画像形成装置の構成を説明する模式的断面図である。本発明の非磁性トナーは、このような中間転写ドラム及び二次転写手段を有する画像形成装置にも好適に使用できる。
図5に示す画像形成装置において、現像器244−1、244−2、244−3及び244−4には、それぞれシアントナーを有する現像剤、マゼンタトナーを有する現像剤、イエロートナーを有する現像剤、及びブラックトナーを有する現像剤が導入されている。静電潜像担持体としての感光体241を帯電手段(242)によって帯電し、更に露光(243)することによって静電潜像を形成し、該静電潜像を現像器244−1〜244−4を用いて現像し、得られた各色のトナー像を感光体241上に順次形成する。感光体241はa−Se、Cds、ZnO、OPC、a−Siの様な光導電絶縁物質層を持つ感光ドラム又は感光ベルトである。感光体241は図示しない駆動装置によって矢印方向に回転される。
帯電工程では、帯電手段として、中心の芯金242bとその外周を形成した導電性弾性層242aとを基本構成とする帯電ローラー242が用いられている。帯電ローラー242は、感光体241面に押圧力をもって圧接され、感光体241の回転に伴い従動回転する。
感光体上のトナー像は、電圧(例えば、±0.1〜±5kV)が印加されている中間転写ドラム245に転写される。転写後の感光体表面は、クリーニングブレード248を有するクリーニング手段249でクリーニングされる。中間転写ドラム245は、前述したものと同様の中間転写ドラムを用いることができる。なお、245bは剛体である導電性支持体であり、245aはその表面を覆う弾性層である。
中間転写ドラム245は感光体241に対して並行に軸受けさせて感光体241の下面部に接触させて配設されており、感光体241と同じ周速度で矢印の反時計方向に回転する。感光体241の面に形成担持された、上記マゼンタ、シアン、イエロー及びブラックから選ばれる第1色のトナー像が、感光体241と中間転写ドラム245とが接する転写ニップ部を通過する過程で中間転写ドラム245に対する印加転写バイアスにより転写ニップ域に形成された電界によって、中間転写ドラム245の表面に順次中間転写されていく。
必要により、着脱自在なクリーニング手段280により、転写材へのトナー像の転写後に、中間転写ドラム245の表面がクリーニングされる。中間転写ドラム上にトナー像がある場合、クリーニング手段280は、トナー像を乱さないように中間転写体表面から離される。
図5では中間転写ドラム245の下方には、転写ベルト247が配置されている。転写ベルト247は、中間転写ドラム245の軸に対して並行に配置された2本のローラー、すなわちバイアスローラー247aとテンションローラー247cに掛け渡されており、駆動手段(不図示)によって駆動される。転写ベルト247は、テンションローラー247c側を中心にしてバイアスローラー247a側が矢印方向に移動可能に構成されている
ことにより、中間転写ドラム245に対して下方から矢印方向に接離することができる。バイアスローラー247aには、二次転写バイアス源247dから所望の二次転写バイアスが印加されており、一方、テンションローラー247cは接地されている。
転写ベルト247は中間転写ドラム245と等速度で或いは周速度に差をつけて回転させる。転写材246は中間転写ドラム245と転写ベルト247との間に搬送されると同時に、転写ベルト247にトナーが有する摩擦電荷と逆極性のバイアスを二次転写バイアス源247dから印加することによって、中間転写ドラム245上のトナー像が転写材246の表面に転写される。
次いで転写材246は、ハロゲンヒーター等の発熱体を内蔵させた加熱ローラーと、これと押圧力をもって圧接された弾性体からなる加圧ローラーとを基本構成とする定着器281へ搬送され、加熱ローラーと加圧ローラー間を通過することによってトナー像が転写材に加熱加圧定着される。フィルムを介してヒーターにより定着する方法を用いても良い。
以下、製造例及び実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、これは本発明を何ら限定するものではない。なお、以下の配合における部数は全て「質量部」を示す。
〈実施例1〉
下記の手順に従い、トナーを重合法により作製した。まず、60℃に加温したイオン交換水900部にリン酸三カルシウム3部を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて10,000rpmにて撹拌し、水系媒体を作製した。
また、下記の重合性単量体組成物をTK式ホモミキサー(特殊機化工業製)に投入し、60℃に加温した後、9,000rpmにて攪拌し、溶解、分散した。
・スチレン 160部
・n−ブチルアクリレート 40部
・C.I.ピグメントブルー15:3 14部
・ポリエステル樹脂 10部
(プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAとイソフタル酸との重縮合物、Tg=65℃、Mw=10,000、Mn=6,000)
・ステアリン酸ステアリルワックス(DSCのメインピーク60℃) 30部
・ジビニルベンゼン 0.5部
・亜鉛フタロシアニン 0.45部
・ジ−t−ブチルエーテル 0.04部
これに重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
前記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、60℃、窒素雰囲気下において、TK式ホモミキサーを用いて8,000rpmで攪拌し、造粒した。その後、上記造粒物をプロペラ式攪拌装置に移して攪拌しつつ、2時間かけて70℃に昇温し、更に4時間後、昇温速度40℃/hrで80℃まで昇温し、80℃で5時間反応を行い、重合体粒子を製造した。重合反応終了後、該粒子を含むスラリーを冷却し、スラリーの10倍の水量で洗浄し、ろ過、乾燥の後、分級によって粒子径を調整してシアントナー粒子を得た。
上記シアントナー粒子100部に対して、流動性向上剤として、シリコーンオイルで処理され、トナー粒子と同極性(負極性)に帯電する疎水性シリカ微粉体(1次粒子径:1
0nm、BET比表面積:170m/g)1.5部をヘンシェルミキサー(三井三池社製)で5分間混合して本発明のトナー(1)を得た。トナー(1)は重量平均粒径が6.8μmであった。
なお、粒度分布の測定は種々の方法によって測定できるが、本発明においてはコールターカウンターのマルチサイザーを用いて行った。
測定装置としては、コールターカウンターのマルチサイザーII型或いはIIe型(コールター社製)を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機製)及び一般的なパーソナルコンピューターを接続し、電解液として、特級又は1級塩化ナトリウムを用いて調製した1%NaCl水溶液を使用した。測定法としては、上記電解液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加えた。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記コールターカウンターのマルチサイザーII型により、100μmアパーチャーを用いて測定した。トナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布とを算出し、体積分布から求めた重量基準の重量平均径を求めた。
また、トナー(1)に関して、ガスクロマトグラフィーによってエーテル化合物の含有量を測定したところ、トナー(1)には、ジ−t−ブチルエーテルが150ppm含有されていた。表1にトナーの物性を示す。
トナー(1)を図6に示すような画像形成装置を用いて画像評価を行った。図6は、非磁性一成分接触現像方式の電子写真プロセスを利用した、1200dpiのレーザービームプリンタ(キヤノン製:LBP−840)改造機の概略図である。本実施例では、以下の(a)〜(h)の部分を改造した装置を使用した。
(a)装置の帯電方式を、ゴムローラーを感光体に当接させて行う直接帯電方式とし、印加電圧を直流成分(−1200V)とした。
(b)トナー担持体を、カーボンブラックを分散したシリコーンゴムからなる中抵抗ゴムローラー(直径16mm、硬度ASKER−C 45度、抵抗10Ω・cm)に変更し、感光体に当接させた。
(c)トナー担持体の回転周速は、感光体との接触部分において同方向で、該感光体回転周速に対して145%となるように駆動した。
(d)感光体を以下のものに変更した。
ここで用いる感光体としてはAlシリンダーを基体としたもので、これに以下に示すような構成の層を順次浸漬塗布により積層して、感光体を作製した。
・導電性被覆層:酸化錫及び酸化チタンの粉末をフェノール樹脂に分散したものを主体とする。膜厚15μm。
・下引き層:変性ナイロン及び共重合ナイロンを主体とする。膜厚0.6μm。
・電荷発生層:長波長域に吸収を持つチタニルフタロシアニン顔料をブチラール樹脂に分散したものを主体とする。膜厚0.6μm。
・電荷輸送層:ホール搬送性トリフェニルアミン化合物をポリカーボネート樹脂(オストワルド粘度法による分子量2万)に8:10の質量比で溶解したものを主体とする。膜厚20μm。
(e)トナー担持体にトナーを塗布する手段として、現像器内に発泡ウレタンゴムから
なる塗布ローラーを設け、該トナー担持体に当接させた。塗布ローラーには、約−550Vの電圧を印加した。
(f)該トナー担持体上トナーのコート層制御のために、樹脂コートしたステンレス製ブレードを用いた。
(g)現像時の印加電圧をDC成分(−450V)のみとした。
該画像形成装置に用いられるトナー担持体と同径、同硬度、同抵抗を有するゴムローラー表面に市販の塗料をごく薄く塗布し、画像形成装置を仮組みしたあと該ゴムローラーを取り外し、光学顕微鏡によりステンレスブレード表面を観察し、NE長(現像ブレードのトナー担持体に対する当接部から自由端までの長さ)を測定した。NE長は1.05mmであった。
これらの改造に適合するよう、画像形成装置本体に以下のように改造及びプロセス条件設定を行った。改造された装置はローラー帯電器(直流のみを印加)を用い感光体を帯電した。帯電に次いで、レーザー光で画像部分を露光することにより静電潜像を形成し、トナーにより可視画像とした後に、電圧を+700V印加したローラーによりトナー像を転写材に転写するプロセスを持たせた。また、感光体の帯電電位は、暗部電位を−600Vとし、明部電位を−150Vとした。
以上の条件で、高温高湿環境(30℃、80%RH)、常温常湿環境(23℃、50%RH)及び低温低湿環境(15℃、10%RH)の環境下にて2%の印字比率の画像を連続モードで10,000枚までプリントアウトした後に、画像上のカブリ量を後述の方法で測定し、トナーの耐久性について評価した。
また、画質の評価として画像濃度と濃度均一性についても上述の連続モードでプリントアウトした後に、以下のように評価した。
更に、40℃、95%RHの条件下に30日間放置後のトナーを、高温高湿環境にて上述の連続モードでプリントアウトした後に、画像上のカブリ量を後述の方法で測定し、トナーの耐久性について評価した。評価結果を表2に示す。
(1)画像濃度
通常の複写機用普通紙(75g/m)を転写材として用いて、プリントアウト試験において初期と耐久評価終了時にベタ画像を出力し、その濃度を測定することにより評価した。尚、画像濃度は「マクベス反射濃度計 RD918」(マクベス社製)を用いて、原稿濃度が0.00の白地部分の画像に対する相対濃度を測定し、下記の評価基準に従い評価した。
A:非常に良好 1.40以上
B:良好 1.35以上、1.40未満
C:実用上問題なし 1.00以上、1.35未満
D:やや難あり 1.00未満
(2)濃度均一性
通常の複写機用普通紙(75g/m)を転写材として用いて、プリントアウト試験において初期と耐久評価終了時にベタ画像を出力し、最も透過濃度の高い部分と最も低い部分との差により以下の基準で評価した。なお、濃度計は「マクベス透過濃度計 TD904」(マクベス社製)を用いた。
A:非常に良好 0.03未満
B:良好 0.03以上、0.06未満
C:実用上問題なし 0.06以上、0.15未満
D:やや難あり 0.15以上
(3)画像カブリ
「REFLECTMETER MODEL TC−6DS」(東京電色社製)により測定したプリントアウト画像の白地部分の白色度と転写紙の白色度の差から、カブリ濃度(%)を算出し、耐久評価終了時の画像カブリを評価した。フィルターは、シアン画像の場合はアンバーライト、ブラック画像の場合はグリーンフィルターを用いた。
A:非常に良好 0.5%未満
B:良好 0.5%以上1.0%未満
C:実用上問題なし 1.0%以上1.5%未満
D:やや難あり 1.5%以上
〈実施例2〉
着色剤として、C.I.ピグメントブルー15:3を14部使用する代わりに、カーボンブラック(DBP吸油量42cm/100g、比表面積60m/g)を16質量部使用した以外は、実施例1と同様の方法を用いてトナー(2)を製造した。
ガスクロマトグラフィーによって、トナー(2)中のエーテル化合物の含有量を測定したところ、トナー(2)には、ジ−t−ブチルエーテルが150ppm含有されていた。得られたトナー(2)について、実施例1と同様の評価を行った。トナー(2)の物性を表1に、評価結果を表2に、それぞれ示す。
〈実施例3〉
ジ−t−ブチルエーテルを添加せずに、重合開始剤としてt−ヘキシルパーオキシピバレート(日本油脂製「パーヘキシルPV」)8部を用いた以外は、実施例1と同様の方法を用いてトナー(3)を製造した。なお、本実施例において、重合中の反応によりt−ブチル−t−ヘキシルエーテルが350ppm生成していた。この化合物の同定は、マススペクトルにて行った。得られたトナー(3)について、実施例1と同様の評価を行った。トナー(3)の物性を表1に、評価結果を表2に、それぞれ示す。
〈実施例4〉
亜鉛フタロシアニンに代えて鉄フタロシアニンを使用した以外は、実施例1と同様の方法を用いてトナー(4)を製造した。ガスクロマトグラフィーによって、トナー(4)中のエーテル化合物の含有量を測定したところ、トナー(4)には、ジ−t−ブチルエーテルが150ppm含有されていた。得られたトナー(4)について、実施例1と同様の評価を行った。トナー(4)の物性を表1に、評価結果を表2に、それぞれ示す。
〈実施例5〉
亜鉛フタロシアニンの使用量を0.08部に変更した以外は、実施例1と同様の方法を用いてトナー(5)を製造した。ガスクロマトグラフィーによって、トナー(5)中のエーテル化合物の含有量を測定したところ、トナー(5)には、ジ−t−ブチルエーテルが150ppm含有されていた。得られたトナー(5)について、実施例1と同様の評価を行った。トナー(5)の物性を表1に、評価結果を表2に、それぞれ示す。
〈実施例6〉
亜鉛フタロシアニンの使用量を0.013部に変更した以外は、実施例1と同様の方法
を用いてトナー(6)を製造した。ガスクロマトグラフィーによって、トナー(6)中のエーテル化合物の含有量を測定したところ、トナー(6)には、ジ−t−ブチルエーテルが150ppm含有されていた。得られたトナー(6)について、実施例1と同様の評価を行った。トナー(6)の物性を表1に、評価結果を表2に、それぞれ示す。
〈実施例7〉
亜鉛フタロシアニンの使用量を10部に変更した以外は、実施例1と同様の方法を用いてトナー(7)を製造した。ガスクロマトグラフィーによって、トナー(7)中のエーテル化合物の含有量を測定したところ、トナー(7)には、ジ−t−ブチルエーテルが150ppm含有されていた。得られたトナー(7)について、実施例1と同様の評価を行った。トナー(7)の物性を表1に、評価結果を表2に、それぞれ示す。
〈実施例8〉
添加するエーテル化合物をジ−n−ヘキシルエーテルに代えた以外は、実施例1と同様の方法を用いてトナー(8)を製造した。ガスクロマトグラフィーによって、トナー(8)中のエーテル化合物の含有量を測定したところ、トナー(8)には、ジ−n−ヘキシルエーテルが150ppm含有されていた。得られたトナー(8)について、実施例1と同様の評価を行った。トナー(8)の物性を表1に、評価結果を表2に、それぞれ示す。
〈実施例9〉
添加するエーテル化合物を1,4−ジオキサンに代えた以外は、実施例1と同様の方法を用いてトナー(9)を製造した。ガスクロマトグラフィーによって、トナー(9)中のエーテル化合物の含有量を測定したところ、トナー(9)には、1,4−ジオキサンが150ppm含有されていた。得られたトナー(9)について、実施例1と同様の評価を行った。トナー(9)の物性を表1に、評価結果を表2、それぞれに示す。
〈実施例10〉
添加するエーテル化合物をポリエチレングリコール(Mw=1,500)に代えた以外は、実施例1と同様の方法を用いてトナー(10)を製造した。ガスクロマトグラフィーによって、トナー(10)中のエーテル化合物の含有量を測定したところ、トナー(10)には、ポリエチレングリコールが150ppm含有されていた。得られたトナー(10)について、実施例1と同様の評価を行った。トナー(10)の物性を表1に、評価結果を表2に、それぞれ示す。
〈実施例11〉
添加するエーテル化合物をポリエチレングリコール(Mw=6,000)に代えた以外は、実施例1と同様の方法を用いてトナー(11)を製造した。ガスクロマトグラフィーによって、トナー(11)中のエーテル化合物の含有量を測定したところ、トナー(11)には、ポリエチレングリコールが150ppm含有されていた。得られたトナー(11)について、実施例1と同様の評価を行った。トナー(11)の物性を表1に、評価結果を表2に、それぞれ示す。
〈実施例12〉
ジ−t−ブチルエーテルの使用量を0.4部に変更した以外は、実施例1と同様の方法を用いてトナー(12)を製造した。ガスクロマトグラフィーによって、トナー(12)中のエーテル化合物の含有量を測定したところ、トナー(12)には、ジ−t−ブチルエーテルが1500ppm含有されていた。得られたトナー(12)について、実施例1と同様の評価を行った。トナー(12)の物性を表1に、評価結果を表2に、それぞれ示す。
〈実施例13〉
ジ−t−ブチルエーテルの使用量を0.0008部に変更した以外は、実施例1と同様の方法を用いてトナー(13)を製造した。ガスクロマトグラフィーによって、トナー(13)中のエーテル化合物の含有量を測定したところ、トナー(13)には、ジ−t−ブチルエーテルが3ppm含有されていた。得られたトナー(13)について、実施例1と同様の評価を行った。トナー(13)の物性を表1に、評価結果を表2に、それぞれ示す。
〈実施例14〉
1,4−ジオキサンの使用量を0.4部に変更した以外は、実施例9と同様の方法を用いてトナー(14)を製造した。ガスクロマトグラフィーによって、トナー(14)中のエーテル化合物の含有量を測定したところ、トナー(14)には、1,4−ジオキサンが1500ppm含有されていた。得られたトナー(14)について、実施例1と同様の評価を行った。トナー(14)の物性を表1に、評価結果を表2に、それぞれ示す。
〈実施例15〉
1,4−ジオキサンの使用量を0.0008部に変更した以外は、実施例9と同様の方法を用いてトナー(15)を製造した。ガスクロマトグラフィーによって、トナー(15)中のエーテル化合物の含有量を測定したところ、トナー(15)には、1,4−ジオキサンが3ppm含有されていた。得られたトナー(15)について、実施例1と同様の評価を行った。トナー(15)の物性を表1に、評価結果を表2に、それぞれ示す。
〈実施例16〉
・スチレン/n−ブチルアクリレート共重合体(質量比78/22) 200部
(Mn=24300 Mw/Mn=3.0)
・C.I.ピグメントブルー15:3 14部
・ポリエステル樹脂 10部
(プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAとイソフタル酸との重縮合物、Tg=65℃、Mw=10,000、Mn=6,000)
・ステアリン酸ステアリルワックス(DSCのメインピーク60℃) 10部
・亜鉛フタロシアニン 0.45部
・ジ−t−ブチルエーテル 0.1部
上記材料をブレンダーにて混合し、110℃に加熱した二軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕した。得られた粗粉砕物をジェットミル衝突式ジェットミル(日本ニューマチック工業社製)で微粉砕し、得られた微粉砕物を風力分級してトナー粒子(16)を得た。次に、得られたトナー粒子(16)100部に対して、実施例1で使用した疎水性シリカ微粉体1.2部を加えた混合物をヘンシェルミキサーで混合し、トナー(16)を得た。
ガスクロマトグラフィーによって、トナー(16)中のエーテル化合物の含有量を測定したところ、トナー(16)には、ジ−t−ブチルエーテルが400ppm含有されていた。得られたトナー(16)について、実施例1と同様の評価を行った。トナー(16)の物性を表1に、評価結果を表2に、それぞれ示す。
〈比較例1〉
ジ−t−ブチルエーテルを添加しない以外は、実施例1と同様の方法を用いてトナー(17)を製造した。得られたトナー(17)について、実施例1と同様の評価を行った。トナー(17)の物性を表1に、評価結果を表2に、それぞれ示す。
〈比較例2〉
亜鉛フタロシアニンを添加しない以外は、実施例1と同様の方法を用いてトナー(18)を製造した。ガスクロマトグラフィーによって、トナー(18)中のエーテル化合物の含有量を測定したところ、トナー(18)には、ジ−t−ブチルエーテルが150ppm含有されていた。得られたトナー(18)について、実施例1と同様の評価を行った。トナー(18)の物性を表1に、評価結果を表2に、それぞれ示す。
〈比較例3〉
ジ−t−ブチルエーテルに替えてスチレン/4−ビニルピリジン共重合体(質量比96/4、Mn=2,040、Mw=4,470)を1部使用した以外は、実施例1と同様の方法を用いてトナー(19)を製造した。得られたトナー(19)について、実施例1と同様の評価を行った。トナー(19)の物性を表1に、評価結果を表2に、それぞれ示す。
Figure 2006178329
Figure 2006178329
本発明のトナーを適用できる画像形成装置の一例を示す概略断面図 本発明のトナーを適用できる、中間転写ドラムを用いた画像形成装置の一例を示す概略断面図 本発明のトナーを適用できる、中間転写ベルトを用いた画像形成装置の一例を示す概略断面図 本発明のトナーを適用できる、複数の画像形成部にて各色のトナー画像をそれぞれ形成し、これらを同一転写材に順次重ねて転写する方式の画像形成装置の一例を示す概略断面図 本発明のトナーを適用できる、複数の画像形成部にて各色のトナー画像をそれぞれ形成し、これらを同一転写材に順次重ねて転写する方式の画像形成装置の他の一例を示す概略断面図 本発明の実施例で用いた画像形成装置の概略断面図
符号の説明
1 感光体ドラム
2 帯電ローラー
4Y イエロー現像器
4M マゼンタ現像器
4C シアン現像器
4Bk ブラック現像器
5 中間転写ドラム
5a 導電性支持体
5b 弾性層
6 クリーナー
8 転写装置
9 定着装置
9a 加熱ローラー
9b 加圧ローラー
10 中間転写ベルト
11 テンションローラー
12 一次転写ローラー
13a 二次転写対向ローラー
13b 二次転写ローラー
14、15、16 バイアス電源
17a、17b、17c、17d 現像手段
18a、18b、18c、18d クリーニング手段
19a、19b、19c、19d 感光体ドラム
20 除電器
22 定着手段
23a、23b、23c、23d 潜像形成手段
24 ロータリーユニット
24a、24b、24c、24d 転写手段
25 搬送ベルト
26 排出口
29a、29b、29c、29d 画像形成部
30a、30b、30c、30d 帯電手段
39 クリーニング用帯電部材
100 現像装置
101 現像ブレード
102 トナー担持体
103 塗布ローラー
104 トナー
105 被転写体
106 転写部材
107 定着用加圧ローラー
108 定着用加熱ローラー
109 感光体
110 一次帯電部材
123 露光光
138 クリーナー
241 感光体
242 帯電ローラー
243 露光
244−1、244−2、244−3、244−4 現像器
245 中間転写ドラム
246 転写材
247 転写ベルト
247a バイアスローラー
247a 導電性弾性層
247a 芯金
247c テンションローラー
247d 二次電源バイアス源
248 クリーニングブレード
249、280 クリーニング手段
281 定着器

Claims (6)

  1. 少なくとも、結着樹脂、着色剤、中心金属がFe又はZnである金属フタロシアニン及び/又は金属フタロシアニン誘導体、及びエーテル化合物を含有することを特徴とする非磁性トナー。
  2. 前記エーテル化合物を5〜1000ppm含有することを特徴とする請求項1に記載の非磁性トナー。
  3. 前記エーテル化合物の分子量が100〜3000であることを特徴とする請求項1又は2記載の非磁性トナー。
  4. 前記エーテル化合物として、下記構造式で示されるエーテル化合物を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の非磁性トナー。
    Figure 2006178329
  5. 前記金属フタロシアニン及び/又は金属フタロシアニン誘導体を、トナーの質量基準で0.01〜2質量%含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の非磁性トナー。
  6. 水中で製造された非磁性トナーであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の非磁性トナー。
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