JP2006178003A - 分割型光ファイバテープ心線の製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 光ファイバテープ心線毎の分割を容易且つ確実に行うことが可能な分割型光ファイバテープ心線の製造方法及び製造装置を提供する。
【解決手段】 分割型光ファイバテープ心線の製造装置1は、1層目樹脂塗布装置4、補助紫外線照射装置6、及び1層目主紫外線照射装置8を備えている。1層目樹脂塗布装置4は、8本の光ファイバ心線2を4本ずつに分けて紫外線硬化樹脂を塗布し、テープ被覆部で覆われた2枚のテープ心線部5を生成する。補助紫外線照射装置6は、各テープ心線部5の互いに対向する部位に紫外線を照射し、係る部位の表面部を硬化させる。1層目主紫外線照射装置8は、各テープ心線部5の外面全体に補助紫外線照射装置6よりも強い紫外線を照射し、内側まで硬化させる。このように形成された2枚のテープ心線部5を共通被覆部で一括被覆して、分割型光ファイバテープ心線11を生成する。
【選択図】 図1
【解決手段】 分割型光ファイバテープ心線の製造装置1は、1層目樹脂塗布装置4、補助紫外線照射装置6、及び1層目主紫外線照射装置8を備えている。1層目樹脂塗布装置4は、8本の光ファイバ心線2を4本ずつに分けて紫外線硬化樹脂を塗布し、テープ被覆部で覆われた2枚のテープ心線部5を生成する。補助紫外線照射装置6は、各テープ心線部5の互いに対向する部位に紫外線を照射し、係る部位の表面部を硬化させる。1層目主紫外線照射装置8は、各テープ心線部5の外面全体に補助紫外線照射装置6よりも強い紫外線を照射し、内側まで硬化させる。このように形成された2枚のテープ心線部5を共通被覆部で一括被覆して、分割型光ファイバテープ心線11を生成する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、光情報通信分野などで使用される分割型光ファイバテープ心線の製造方法及び製造装置に関するものである。
従来の分割型光ファイバテープ心線の製造方法の一種として、例えば特許文献1に記載されているものが知られている。すなわち、並列配置した状態で供給された複数本の光ファイバ心線に対して、一括被膜樹脂層となる紫外線硬化樹脂を塗布する。この一括被膜樹脂層を1回目の紫外線照射で硬化させることによって、光ファイバテープ心線を形成する。続いて、かかる光ファイバテープ心線を複数枚配置して連結樹脂となる紫外線硬化樹脂で連結させる。そして、一括被覆層及び連結樹脂を2回目の紫外線照射で完全に硬化させることで、分割型光ファイバテープ心線を得る。
特開2002−341209号公報
ところで、光ファイバ心線の供給速度が遅いと、上述の分割型光ファイバテープ心線の製造方法では、光ファイバ心線に撓みが生じやすくなる。また、複数本の光ファイバ心線が樹脂被覆装置を通過するのにかかる時間が長くなり、その結果、一括被膜樹脂層が厚くなる。更に、一括被膜樹脂層が塗布されてから1回目の紫外線が照射されるまでの時間が長くなる。
このような場合には、隣り合う光ファイバテープ心線の一括被膜樹脂層同士が未硬化の状態で接着されてしまう可能性が大きくなる。更に、一括被膜樹脂層は粘性を有しているため、光ファイバ心線の供給速度を製造安定時(品質の安定した分割型光ファイバテープ心線を製造している時)の速度まで上げていったとしても、一度接着した一括被膜樹脂層同士が離れることはほとんど無い。したがって、製造される分割型光ファイバテープ心線は、光ファイバテープ心線同士がくっついた状態のままとなってしまう。このような分割型光ファイバテープ心線では、光ファイバテープ心線毎の分割を容易且つ確実に行うことができない、という問題が生じてしまう。
そこで、本発明の目的は、光ファイバテープ心線毎の分割を容易且つ確実に行うことが可能な分割型光ファイバテープ心線の製造方法及び製造装置を提供することとする。
本発明の分割型光ファイバテープ心線の製造方法は、並列に配置された複数本の光ファイバ心線を第1被覆部により一体化して形成した複数のテープ心線部を、各光ファイバ心線の配列方向に対して並べた状態で第2被覆部により一体化してなる分割型光ファイバテープ心線の製造方法であって、複数本の光ファイバ心線に第1紫外線硬化樹脂を塗布して第1被覆部を形成することにより、複数のテープ心線部を生成する第1のステップと、各テープ心線部の第1被覆部に紫外線を照射して、第1紫外線硬化樹脂を仮硬化させる第2のステップと、第2のステップを実施した後、第1被覆部に更に紫外線を照射して第1紫外線硬化樹脂を本硬化させる第3のステップと、各テープ心線部に第2紫外線硬化樹脂を塗布して第2被覆部を形成することにより、分割型光ファイバテープ心線を生成する第4のステップと、第2被覆部に紫外線を照射して第2紫外線硬化樹脂を硬化させる第5のステップとを有し、第1〜第5のステップは、複数本の光ファイバ心線を供給しながら連続的に行うことを特徴とするものである。
このように本発明においては、複数本の光ファイバ心線に塗布された第1紫外線硬化樹脂を仮硬化させた後、本硬化させる。まず仮硬化を行うことにより、光ファイバ心線に塗布された第1紫外線硬化樹脂が未硬化な状態である時間を短くすることができる。その結果、各テープ心線部の第1被覆部同士が接着することを抑制できる。そして、その仮硬化後に本硬化を行うことで、第1紫外線硬化樹脂を内部まで確実に硬化させることができる。仮硬化及び本硬化が施されて得られた複数のテープ心線部は、互いに非接着な状態のまま、第2被覆部で一括被覆されることとなる。よって、テープ心線部毎の分割を容易且つ確実に行うことが可能な分割型光ファイバテープ心線を製造することができる。
また、本発明の分割型光ファイバテープ心線の製造方法では、各光ファイバ心線の供給速度が所定速度まで上がると、第2のステップの実施を停止することが好ましい。この場合には、第2のステップを常に実施した場合と比べて紫外線の照射時間を短くすることができる。よって、第1のステップにおいて、第1紫外線硬化樹脂を塗布するために挿通孔を有するダイスを用いた場合に、ダイスと第2のステップに用いる紫外線照射装置との距離が近くても、第2のステップから漏れた紫外線によって第1紫外線硬化樹脂が挿通孔の出口で硬化し、堆積するのを十分に抑制することができる。その結果、テープ心線部の外観不良及び伝送特性不良を防止することができる。また、本発明によれば、各光ファイバ心線の供給速度が所定の速度となるまでの間は第2のステップを実施することとなるため、この間において各テープ心線部の第1被覆部同士を確実に非接着とすることができる。
また、本発明の分割型光ファイバテープ心線の製造方法において、第2のステップでは、第3のステップにおける紫外線の照射強度の10分の1以下の照射強度で第1被覆部に紫外線を照射することが好ましい。各テープ心線部の第1被覆部同士が接着されない程度に第1紫外線硬化樹脂を仮硬化させるためには、そのような照射強度であれば十分であると考えられる。また、例えば、第1紫外線硬化樹脂の仮硬化と本硬化とを異なる紫外線照射装置で行う場合には、仮硬化用の紫外線照射装置としては、最大出力の小さい簡素で安価なものを使用することができる。
また、本発明の分割型光ファイバテープ心線の製造方法では、第2のステップを実施する際、各テープ心線部において互いに対向する部位の第1被覆部に紫外線を照射して、第1紫外線硬化樹脂を仮硬化させることが好ましい。各テープ心線部の第1被覆部同士が接着されないようにするには、各テープ心線部において少なくとも互いに対向する部位の第1被覆部に紫外線を照射すればよい。このように接着が生じやすい部位に対して集中的に紫外線を照射することにより、第1被覆部同士の接着を効率よく防止することができる。
また、本発明の分割型光ファイバテープ心線の製造装置は、並列に配置された複数本の光ファイバ心線を第1被覆部により一体化して形成した複数のテープ心線部を、各光ファイバ心線の配列方向に対して並べた状態で第2被覆部により一体化してなる分割型光ファイバテープ心線の製造装置であって、複数本の光ファイバ心線を供給する光ファイバ供給手段と、光ファイバ供給手段により供給された各光ファイバ心線に第1紫外線硬化樹脂を塗布して第1被覆部を形成することにより、複数のテープ心線部を生成する第1の樹脂塗布手段と、各テープ心線部の第1被覆部に紫外線を照射して、第1紫外線硬化樹脂を仮硬化させる第1の樹脂硬化手段と、第1の樹脂硬化手段によって仮硬化された第1被覆部に更に紫外線を照射して、第1紫外線硬化樹脂を本硬化させる第2の樹脂硬化手段と、各テープ心線部に第2紫外線硬化樹脂を塗布して第2被覆部を形成することにより、分割型光ファイバテープ心線を生成する第2の樹脂塗布手段と、第2被覆部に紫外線を照射して第2紫外線硬化樹脂を硬化させる第3の樹脂硬化手段とを備えることを特徴とするものである。
このように、光ファイバ供給手段、第1の樹脂塗布手段、第1の樹脂硬化手段、第2の樹脂硬化手段、第2の樹脂塗布手段、及び第3の樹脂硬化手段を設けることにより、上記の分割型光ファイバテープ心線の製造方法を実施することができる。したがって、上述したように、テープ心線部毎の分割を容易且つ確実に行うことが可能な分割型光ファイバテープ心線を製造することができる。
また、本発明の分割型光ファイバテープ心線の製造装置は、第1の樹脂硬化手段は、各テープ心線部において互いに対向する部位の第1被覆部に紫外線を照射するように構成されていることが好ましい。このようにすれば、第1被覆部同士の接着が生じやすい部位に対して集中的に紫外線を照射することとなるため、第1被覆部同士の接着を効率よく防止することができる。また、第1被覆部の一部に対して紫外線を照射すればよいため、第1の樹脂硬化手段をより小型で安価な装置とすることができる。
本発明によれば、光ファイバテープ心線毎の分割を容易且つ確実に行うことが可能な、分割型光ファイバテープ心線を製造することができる。したがって、本発明により製造された分割型光ファイバテープ心線を光ファイバケーブルに収納し、かかる光ファイバケーブルを架線した場合には、光ファイバテープ心線の分岐作業が容易となる。
以下、本発明に係る分割型光ファイバテープ心線の製造方法及び製造装置の好適な実施形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明にかかる分割型光ファイバテープ心線の製造装置を使った、分割型光ファイバテープ心線の製造工程を示す図である。
図1に示すように、分割型光ファイバテープ心線の製造装置1は、光ファイバ供給装置(光ファイバ供給手段)3と、1層目樹脂塗布装置(第1の樹脂塗布手段)4と、補助紫外線照射装置(第1の樹脂硬化手段)6と、1層目主紫外線照射装置(第2の樹脂硬化手段)8と、2層目樹脂塗布装置(第2の樹脂塗布手段)10と、2層目紫外線照射装置(第3の樹脂硬化手段)12と、巻取装置14と、を備えている。
光ファイバ供給装置3は、複数本(本実施形態では8本)の光ファイバ心線2を供給する装置であり、より具体的には繰り出しボビンである。光ファイバ供給装置3にて供給される光ファイバ心線2は、コア及びクラッドからなる裸ファイバを一次被覆で覆ったものである。光ファイバ供給装置3は、巻回した光ファイバ心線2を、ガイドローラ32を介して1層目樹脂塗布装置4に送り出す。ガイドローラ32は、例えば光ファイバ心線2の本数に対応した溝を有しており、光ファイバ供給装置3から送り出された光ファイバ心線2を一定の間隔をもって並列に配置させる。
1層目樹脂塗布装置4は、図2(a)に示すようなダイス16を有している。ダイス16には、光ファイバ心線2を挿通するための挿通孔16aが複数(本実施形態では2つ)形成されている。各挿通孔16aは、並列配置された4本の光ファイバ心線2が挿通される程度の大きさを呈している。挿通孔16aと挿通孔16aとの間の距離D1は、例えば数百μm程度である。1層目樹脂塗布装置4は、各挿通孔16a中において、挿通された4本の光ファイバ心線2に紫外線硬化樹脂(第1紫外線硬化樹脂)を塗布する。これにより、図2(b)に示すような2枚のテープ心線部5が生成される。テープ心線部5は、4本の光ファイバ心線2をテープ被覆部(第1被覆部)18で一体化してなるものである。
図1に示すように、1層目樹脂塗布装置4の先には、補助紫外線照射装置6が設けられている。1層目樹脂塗布装置4から補助紫外線照射装置6までの距離D2は、例えば約40mmである。補助紫外線照射装置6は、図3に示すように、UVランプ20と、レンズ22と、ライトガイド24とを有している。UVランプ20は、紫外線Lを出射する光源であって、例えば超高圧水銀ランプである。UVランプ20は、ライトガイド24を介して一対のレンズ22と接続されている。一対のレンズ22は、光ファイバ心線2の配列方向及び軸方向と垂直な方向において、テープ心線部5を挟むように設けられている。図3に示すように、レンズ22とテープ心線部5との間の距離D3は、例えば約20mmである。
各レンズ22は、UVランプ20から出射された紫外線Lを2つのテープ心線部5の互いに対向する部位5aに向けて照射する。UVランプ20における紫外線Lの照射強度は、後述する1層目主紫外線照射装置8により照射される紫外線の照射強度の10分の1以下であることが好ましく、例えば0.5〜5W/cm2である。このような紫外線Lをテープ心線部5に照射することで、テープ心線部5は仮硬化することとなる。ここで、仮硬化とは、テープ心線部5の部位5aにおいて、テープ被覆部18である紫外線硬化樹脂の外面部が硬化することを指す。
図3に示すように、光ファイバ心線2の配列方向における各レンズ22の両脇には、窒素供給装置26が設けられている。補助紫外線照射装置6による紫外線Lの照射は、この窒素供給装置26から供給される窒素雰囲気中で行われる。このため、酸素によって紫外線硬化樹脂の硬化が不十分になることは無い。なお、4つの窒素供給装置26による窒素の合計供給量は、例えば毎分約5リットルとなっている。
図1に示すように、補助紫外線照射装置6の先には、1層目主紫外線照射装置8が設けられている。1層目主紫外線照射装置8は、テープ心線部5の外面全体に対して、補助紫外線照射装置6により出射される紫外線Lと比べて照射強度が十分に大きい紫外線を照射する。1層目主紫外線照射装置8としては、例えば照射強度が80W/cm2以上のメタルハライドランプを使用する。1層目主紫外線照射装置8にて紫外線が照射されると、テープ心線部5のテープ被覆部18を形成する紫外線硬化樹脂は本硬化する。ここで、本硬化とは、テープ心線部5全体にわたって、テープ被覆部18である紫外線硬化樹脂が内面まで硬化することを指す。1層目主紫外線照射装置8による紫外線の照射もまた、窒素雰囲気中で行われる。
1層目主紫外線照射装置8の先には、2層目樹脂塗布装置10が設けられている。2層目樹脂塗布装置10は、図4(a)に示すようなダイス28を有している。ダイス28には、テープ心線部5を挿通するための挿通孔28aが形成されている。挿通孔28aは、横方向(光ファイバ心線2の配列方向)に対して並べられた2枚のテープ心線部5が挿通可能な程度の大きさを呈している。2層目樹脂塗布装置10は、挿通孔28a中において、挿通された2枚のテープ心線部5に紫外線硬化樹脂(第2紫外線硬化樹脂)を塗布する。これによって、図4(b)に示すように、2枚のテープ心線部5は共通被覆部(第2被覆部)30で一括被覆され、1枚の分割型光ファイバテープ心線11が生成されることとなる。
2層目樹脂塗布装置10の先には、2層目紫外線照射装置12が設けられている。2層目紫外線照射装置12は、分割型光ファイバテープ心線11の外面全体に紫外線を照射して、共通被覆部30を形成する紫外線硬化樹脂を内側まで硬化させる。2層目紫外線照射装置12としては、例えば1層目主紫外線照射装置8と同じものが使用される。2層目紫外線照射装置12による紫外線の照射もまた、1層目主紫外線照射装置8と同様に窒素雰囲気中で行われる。
共通被覆部30が硬化された分割型光ファイバテープ心線11は、ガイドローラ34を経て巻取装置14へ送られる。巻取装置14は、光ファイバ心線2(分割型光ファイバテープ心線11)を走行させる引取キャブスタン36と、分割型光ファイバテープ心線11を巻き取る巻取ボビン38とを有している。なお、光ファイバ心線2の供給速度(分割型光ファイバテープ心線11の引取速度)は、引取キャブスタン36によって設定される。
このような製造装置1を用いて分割型光ファイバテープ心線11を製造する場合の手順について、図1及び図5を参照しつつ説明する。
光ファイバ供給装置3から8本の光ファイバ心線2が繰り出されると(手順S1)、かかる光ファイバ心線2は、まず1層目樹脂塗布装置4においてダイス16の2つの挿通孔16aに挿通される(手順S2)。各挿通孔16aには、並列配置された光ファイバ心線2が4本ずつ挿通されることとなる。1層目樹脂塗布装置4は、2つの挿通孔16aそれぞれに挿通された光ファイバ心線2に対して紫外線硬化樹脂を塗布する。これにより、テープ被覆部18で覆われたテープ心線部5が2本、生成される(手順S3)。
2枚のテープ心線部5は、横方向に並べられた状態で、補助紫外線照射装置6に搬送される。光ファイバ心線2の供給速度が所定速度以下である場合には、補助紫外線照射装置6のUVランプ20は、各テープ心線部5の互いに対向する部位5aにレンズ22を介して紫外線Lを照射する(手順S4,S5)。ここで、所定速度とは、例えば、製造安定時における光ファイバ心線2の張力が20Nである場合には、かかる張力が10N以下となるような速度である。紫外線Lが照射されたテープ心線部5の部位5aでは、テープ被覆部18の外面部が硬化されることとなる。
一方、光ファイバ心線2の供給速度が上述した所定速度を超えた場合には、補助紫外線照射装置6のUVランプ20は紫外線Lの照射を停止する。ここで、紫外線Lの照射を停止する理由について述べる。1層目樹脂塗布装置4と補助紫外線照射装置6との距離が短いと、UVランプ20からの紫外線Lが1層目樹脂塗布装置4にまで届いてしまうことがある。紫外線Lを照射したまま長時間テープ心線部5を製造すると、ダイス16の挿通孔16aの出口において、テープ心線部5の紫外線硬化樹脂(テープ被覆部18)の一部が補助紫外線照射装置6から漏れた紫外線Lを受けて硬化し、堆積する可能性がある。紫外線硬化樹脂が挿通孔16aの出口に堆積すると、挿通孔16aの出口から送り出されるテープ心線部5に傷が付き、テープ心線部5の外観不良や伝送不良が発生し易くなる。そこで、光ファイバ心線2の供給速度が所定速度を超えた場合には紫外線Lの照射を停止することで、紫外線Lの照射時間が短くなり、挿通孔16aの出口における紫外線硬化樹脂の硬化、堆積を抑制することが可能となる。なお、供給速度が所定速度以下、すなわち供給速度が遅いときに、テープ心線部5の部位5aを仮硬化させてテープ心線部5同士を非接触な状態としているため、所定速度を超えた後に紫外線Lの照射を停止しても、非接触な状態は維持される。
補助紫外線照射装置6から送り出された2枚のテープ心線部5は、1層目主紫外線照射装置8に搬送される。1層目主紫外線照射装置8は、光ファイバ心線2の供給速度に関わらず、上述した補助紫外線照射装置6により照射される紫外線Lと比べて照射強度が十分に大きい紫外線を、各テープ心線部5の外面全体に照射する(手順S6)。この紫外線照射によって、2枚のテープ心線部5のテープ被覆部18は、全体に渡って内側まで硬化される。
テープ被覆部18が硬化された2枚のテープ心線部5は、2層目樹脂塗布装置10に搬送される。2枚のテープ心線部5は、並列に配置された状態でダイス28の挿通孔28aに挿通される(手順S7)。2層目樹脂塗布装置10は、挿通孔28aに挿通された光ファイバ心線2に紫外線硬化樹脂を塗布する。これにより、2本の光ファイバ心線2は共通被覆部30で一括被覆されることとなり、1枚の分割型光ファイバテープ心線11が生成される(手順S8)。
分割型光ファイバテープ心線11は、2層目紫外線照射装置12に搬送される。2層目紫外線照射装置12は、分割型光ファイバテープ心線11の外面全体に紫外線を照射する(手順S9)。この紫外線照射によって、共通被覆部30は、全体に渡って内側まで硬化される。共通被覆部30が硬化された分割型光ファイバテープ心線11は、巻取装置14の巻取ボビン38に巻き取られる(手順S10)。なお、巻き取られた分割型光ファイバテープ心線11には、光ファイバ心線2の供給速度が所定速度以下であるときに製造された部分も含まれる。この部分は、後に屑として廃棄される。
以上のように、本実施形態では、テープ被覆部18となる紫外線硬化樹脂を光ファイバ心線2に塗布した直後に、各テープ心線部5の互いに対向する部位5aに紫外線を照射して、当該部位5aをすばやく仮硬化させる。そのため、複数本の光ファイバ心線2を供給しながら分割型光ファイバテープ心線11の製造を連続的に行う場合であっても、テープ心線部5のテープ被覆部18同士のくっつきを抑制することができる。よって、最終的に得られる分割型光ファイバテープ心線における2枚のテープ心線部5の分割の分割不良を防止することができる。その結果、作業者が作業現場においてテープ心線部5毎の分割を容易且つ確実に行うことが可能となる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されることなく、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態において、補助紫外線照射装置6のUVランプ20は2つのテープ心線部5の互いに対向する部位5aに対してのみ紫外線を照射するとしたが、2つのテープ心線部5の全体に紫外線を照射するとしても勿論よい。
また、上記実施形態においては、光ファイバ心線2を8本とし、テープ心線部5を2枚としたが、光ファイバ心線2及びテープ心線部5の数量はこれに限らない。
1…分割型光ファイバテープ心線の製造装置、2…光ファイバ心線、3…光ファイバ供給装置、4…1層目樹脂塗布装置、5…テープ心線部、6…補助紫外線照射装置、8…1層目主紫外線照射装置、10…2層目樹脂塗布装置、11…分割型光ファイバテープ心線、12…2層目紫外線照射装置、18…テープ被覆部、30…共通被覆部。
Claims (6)
- 並列に配置された複数本の光ファイバ心線を第1被覆部により一体化して形成した複数のテープ心線部を、前記各光ファイバ心線の配列方向に対して並べた状態で第2被覆部により一体化してなる分割型光ファイバテープ心線の製造方法であって、
前記複数本の光ファイバ心線に第1紫外線硬化樹脂を塗布して前記第1被覆部を形成することにより、前記複数のテープ心線部を生成する第1のステップと、
前記各テープ心線部の前記第1被覆部に紫外線を照射して、前記第1紫外線硬化樹脂を仮硬化させる第2のステップと、
前記第2のステップを実施した後、前記第1被覆部に更に紫外線を照射して前記第1紫外線硬化樹脂を本硬化させる第3のステップと、
前記各テープ心線部に第2紫外線硬化樹脂を塗布して前記第2被覆部を形成することにより、前記分割型光ファイバテープ心線を生成する第4のステップと、
前記第2被覆部に紫外線を照射して前記第2紫外線硬化樹脂を硬化させる第5のステップとを有し、
前記第1〜第5のステップは、前記複数本の光ファイバ心線を供給しながら連続的に行うことを特徴とする分割型光ファイバテープ心線の製造方法。 - 前記各光ファイバ心線の供給速度が所定速度まで上がると、前記第2のステップの実施を停止することを特徴とする請求項1記載の分割型光ファイバテープ心線の製造方法。
- 前記第2のステップでは、前記第3のステップにおける紫外線の照射強度の10分の1以下の照射強度で前記第1被覆部に紫外線を照射することを特徴とする請求項1又は2記載の分割型光ファイバテープ心線の製造方法。
- 前記第2のステップを実施する際、前記各テープ心線部において互いに対向する部位の前記第1被覆部に紫外線を照射して、前記第1紫外線硬化樹脂を仮硬化させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の分割型光ファイバテープ心線の製造方法。
- 並列に配置された複数本の光ファイバ心線を第1被覆部により一体化して形成した複数のテープ心線部を、前記各光ファイバ心線の配列方向に対して並べた状態で第2被覆部により一体化してなる分割型光ファイバテープ心線の製造装置であって、
前記複数本の光ファイバ心線を供給する光ファイバ供給手段と、
前記光ファイバ供給手段により供給された前記各光ファイバ心線に第1紫外線硬化樹脂を塗布して前記第1被覆部を形成することにより、前記複数のテープ心線部を生成する第1の樹脂塗布手段と、
前記各テープ心線部の前記第1被覆部に紫外線を照射して、前記第1紫外線硬化樹脂を仮硬化させる第1の樹脂硬化手段と、
前記第1の樹脂硬化手段によって仮硬化された第1被覆部に更に紫外線を照射して、前記第1紫外線硬化樹脂を本硬化させる第2の樹脂硬化手段と、
前記各テープ心線部に第2紫外線硬化樹脂を塗布して前記第2被覆部を形成することにより、前記分割型光ファイバテープ心線を生成する第2の樹脂塗布手段と、
前記第2被覆部に紫外線を照射して前記第2紫外線硬化樹脂を硬化させる第3の樹脂硬化手段と
を備えることを特徴とする分割型光ファイバテープ心線の製造装置。 - 前記第1の樹脂硬化手段は、前記各テープ心線部において互いに対向する部位の前記第1被覆部に紫外線を照射するように構成されていることを特徴とする請求項5記載の分割型光ファイバテープ心線の製造装置。
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