JP2006177828A - 放射線計測装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】半導体検出器をプリント基板にハンダ付けを行うことによって発生した半導体部材の結晶に生じた歪を除去する。
【解決手段】半導体部材の表面に導電性接着剤を塗布し(ステップ1)、半導体部材の表面に電極板を貼り合わせる(ステップ2)。接着剤硬化を目的に放射線計測装置の半製品に対して、第1の熱処理を施す(ステップ3)。その後、半導体検出器をプリント基板上に配置し(ステップ4)、これらを電気炉内で加熱する(ステップ5)。この第2の熱処理によって、プリント基板上の配線と半導体検出器がハンダで接合される。その後、放射線計測装置が電気炉内で130℃で加熱される(ステップ6)。この第3の加熱は、80℃より高く170℃以下の温度で行うと良い。
【選択図】図1

Description

本発明は、放射線計測装置の製造方法に係り、特に、半導体放射線検出器を用いた放射線計測装置に関する。
放射線計測装置の応用技術として、単一光子放射型コンピュータ断層撮影(SPECT)装置、および陽電子放射断層撮影(PET)装置のような核医学診断装置がある。これらの装置に使用されている放射線検出器の例として、入射した放射線を光に変えて検出するシンチレータ、および入射した放射線の光電効果により発生する電子および正孔(ホール)を電荷として電極により取り出す半導体放射線検出器(以下、半導体検出器という)がある。
シンチレータとしては、NaIを用いたものが知られている。多数のシンチレータを備えた核医学診断装置では、放射線の入射によって発生した光はシンチレータに設置された光電子増倍管で電気信号に変換される。光増倍管は各シンチレータに設置される。あるシンチレータで発生した光は隣のシンチレータにも到達し、この隣のシンチレータに設置された光電子増倍管でも電気信号に変えられる。このため、位置分解能は低くなる。また、シンチレータを用いた場合は、入射された放射線はシンチレータによって光に変換され、この光を光電子増倍管によって電気信号に変換されるため、エネルギー分解能が悪いという問題点をもつ。
一方、半導体検出器は、CdTe(テルル化カドミウム),CdZnTe(カドミウム・亜鉛・テルル)などの半導体部材を有する。放射線が半導体部材に入射すると、放射線(γ線)と半導体部材との相互作用によってホールおよび電子といったキャリヤが生成される。半導体検出器は、入射された放射線を放射線検出素子にて電気信号に変換する。そのため、半導体検出器は、シンチレータよりも、電気信号への変換効率がよいという特徴を有する。
しかし、これまで、核医学診断装置は、放射線検出器として主にシンチレータが使用されてきた。その理由は、放射性薬剤を投与された被検診者から放出されたγ線の阻止能力が半導体検出器よりもシンチレータで高いからである。つまり、半導体検出器を用いてシンチレータと同程度のγ線の検出感度を得るためには、半導体検出器はより大きな体積の半導体部材を必要とする。
半導体部材の体積を大きくした場合、γ線と半導体部材との相互作用によって生成されたホールおよび電子の移動に時間がかかることに注意する必要がある。半導体検出器は、半導体部材と、この半導体部材の対向する両面に形成された一対の電極とを備える。これらの電極間に直流電圧を印加することによって、半導体部材で生成されたホールおよび電子を電極から信号として取り出すことができる。半導体部材の体積が大きく、電極間距離が長くなると、ホールおよび電子が電極に到達するまでに時間がかかり、1つのγ線の入射で発生したホールおよび電子が電極に到達する前に、別のγ線が半導体部材に入射する可能性がある。この場合には、半導体検出器から出力される電気信号が、入射された二つγ線のうちどのγ線による電気信号であるかの識別が困難となり、また、半導体部材内でのキャリヤの流れが重なりγ線のエネルギー測定が困難となる。これは、放射線計測装置の性能を悪化させる原因となる。そのため、ホールおよび電子といったキャリヤの移動時間を極力短くすることが必要である。
ホールおよび電子の移動速度は、移動度と電界との積から求められる。この移動度は、半導体部材の物性で決まるものである。したがって、ホールおよび電子の移動時間を短くするには、半導体部材に印加するバイアス電圧を上げるか、または、半導体部材を薄くして電極間距離を短くし、ホールおよび電子の移動距離を短縮するしかない。ただし、半導体部材を薄くするとその体積が小さくなるため、γ線の光電交換効率が低下してしまう。特許文献1には、第1の面に陰極を設けて第2の面に電荷収集電極を設けた薄い半導体部材を複数個積層し、同極の電極同士を向かい合わせて電気的に接続して構成した半導体検出器が記載されている。1つの半導体検出器内に複数の半導体部材を設けることによって、実質的に半導体部材の体積が大きくなるため、半導体検出器の検出感度を高めることができる。また、各半導体部材で電荷を収集するため、エネルギー分解能も増大する。
しかしながら、半導体部材と電極とを交互に配置した、特許文献1に記載された半導体検出器にも問題がある。それは、半導体検出器をプリント基板上に設置する際、半導体部材の特性が劣化することである。具体的には、半導体検出器をプリント基板上に設置した後において半導体検出器による放射線の計数率が、プリント基板に設置する前のそれよりも低下することである。また、プリント基板に設置した後の半導体検出器で測定したエネルギースペクトルの光電ピークの半値幅(FWHM)が、プリント基板に設置する前より増大する現象が起きている。この光電ピークの半値幅は、エネルギー分解能を示し、半値幅が増大することはエネルギー分解能が低下したことを意味する。このような放射線の計数率の低下、およびエネルギー分解能の低下が起こる原因として、半導体部材の結晶の歪みが考えられる。半導体部材の結晶は、わずかな応力でも歪みが生じ、その歪みによってキャリヤの移動が妨げられ、また、キャリヤが再結合して消滅しやすくなる。その結果、半導体検出器の特性が劣化し、半導体部材の歩留まり悪化が生じると考えられる。
特許文献2は、放射線計測装置の製造方法を記載する。すなわち、電極を取り付けた
CdTeを用いた半導体検出器を、絶縁性基板上に導電性エポキシ樹脂(銀とエポキシ樹脂)で接着させた後、55℃以上80℃以下の温度で熱処理を施して半導体計測装置を製造している。この熱処理によって、絶縁性基板と検出器との接着に用いた導電性エポキシ樹脂を硬化させる際に発生したCdTeの結晶の歪みを回復させ、半導体検出器の暗電流を低減することができる。
特開2000−241555号公報 特開平8−179044号公報
半導体部材の両面に設けた各電極を有する半導体検出器をプリント基板上に配置し、この半導体検出器の電極部材とプリント基板に形成された配線とをハンダで接続することがある。このハンダによる接続の際における加熱後のハンダの収縮によって電極部材を介して半導体部材に応力が発生し、半導体部材の結晶に歪が生じる。この歪によって、半導体検出器において暗電流が発生する。
本発明の目的は、半導体放射線検出器を配線基板にハンダ付けを行った際に発生する半導体部材の結晶に生じた歪を除去できる放射線計測装置の製造方法を提供することにある。
上記した本発明の目的を達成する第1発明の特徴は、半導体部材の対峙する両面にそれぞれ電極部材を導電性接着剤で接合して半導体放射線検出器を製作し、半導体放射線検出器の電極部材と、配線基板に配線とをハンダによって接続し、その後、半導体放射線検出器が取り付けられた配線基板を、半導体部材と電極部材との接合に要した加熱温度以下の温度で、熱処理することにある。
上記した本発明の目的を達成する第2発明の特徴は、半導体部材の対峙する両面に形成された電極に導電部材を導電性接着剤で接合して半導体放射線検出器を製作し、導電部材と、配線基板に配線とをハンダによって接続し、その後、半導体放射線検出器が取り付けられた配線基板を、電極と導電部材の接合に要した加熱温度以下の温度で、熱処理することにある。
半導体部材と電極部材との接合に要した加熱温度、もしくは、半導体部材に形成された電極と導電部材との接合に要した加熱温度以下の温度で、半導体放射線検出器を取り付けた状態の配線基板を熱処理することによって、半導体部材の結晶に生じる応力を低減することができ、その結晶に発生する歪を低減できる。半導体部材の歪みは、半導体部材の電極部材または半導体検出器の導電部材と配線基板に形成された配線とを接合したハンダの溶融後の収縮によって生じ、再加熱によって除去することができる。
半導体放射線検出器を配線基板にハンダ付けを行った際に発生する半導体部材の結晶に生じた歪を除去できる。
以下に、本発明である放射線計測装置の製造方法について、図面を用いて説明する。
本発明の好適な一実施例である放射線計測装置の製造方法を、図1〜図3を用いて説明する。本実施例の放射線計測装置に用いられる半導体検出器は、半導体部材としてテルル化カドミウム(CdTe)の結晶を用いている。半導体部材としては、CdTe以外の半導体結晶を用いることも可能である。
本実施例の放射線計測装置10は、図3に示すように、プリント基板52に、格子状に配置した多数の半導体検出器51を設置している。放射線計測装置10は、核医学診断装置の一種であるPET装置に用いられる。PET装置(図示せず)は、被検体である被検診者を支持するベッド(図示せず)が挿入される計測領域の周囲に、計測領域を取り囲むように、複数の放射線計測装置10を配置して構成される。放射線計測装置10は、計測領域の半径方向に複数の半導体検出器51が並ぶように配置される。このような半導体検出器51の配置は、1つの半導体検出器51を通過したγ線をその半径方向において外側に配置された半導体検出器51で検出するためである。すなわち、放射線計測装置10のγ線の検出感度が向上する。
半導体検出器51は、複数の半導体部材11,12,13と電極板21,22,23,24とを交互に配置した構成を有する。電極板21と半導体部材11は、導電性接着剤
31で接合されている。電極板22は、導電性接着剤32,33により半導体部材11と半導体部材12に接合されている。電極板23は、導電性接着剤33,35により半導体部材12と半導体部材13に接合されている。電極板24は、導電性接着剤36により半導体部材13に接合されている。導電性接着剤としては、銀とエポキシ樹脂とを混合させた導電性接着剤を使用している。電極板21,23は、カソード電極であり、電源41に接続される。電極板22,24は、アノード電極であり、コンデンサ43に接続され、また、抵抗42を介して接地されている。
電源41は、半導体部材11,12,13において、γ線等の放射線の入射によって生成される電荷(電子および正孔)を効率よく取り出すために設けられている。電源41から半導体検出器51のアノード電極とカソード電極間にバイアス電圧が印加される。γ線が半導体部材12内に入射した場合、光電効果により半導体部材12内に電子及び正孔が生成される。バイアス電圧の作用により、電子はアノード電極に、正孔はカソード電極に向かって半導体部材内を移動する。このめ、γ線のエネルギーに比例した電気信号がアノード電極である電極板22,24より取り出され、コンデンサ43を介して増幅器(図示せず)に入力される。
電極板22,24に接続される抵抗42は、半導体部材へのバイアス電圧の印加によって発生する漏れ電流に起因して、半導体部材に印加されるバイアス電圧が低下することを防いでくれる。
放射線計測装置10の製造工程を、図1を用いて説明する。
まず、CaTeで構成された半導体部材11の表面に導電性接着剤31を塗布する(ステップ1)。導電性接着剤は、銀とエポキシ樹脂を混合したものである。半導体部材の表面に電極板を貼り合わせる(ステップ2)。すなわち、半導体部材11の導電性接着剤
31を塗布した面に、電極板21を貼り合わせる。半導体部材11の、電極板21と対向する表面に導電性接着剤32を塗布し、半導体部材11と電極板22とを張り合わせる。この作業を繰り返して、図2に示すように半導体部材12,13と電極板23,24を交互に張り合わせる。
次に、導電性接着剤を硬化させる(ステップ3)。このために、ステップ2で得られた、半導体部材および電極板を交互に貼り付けた状態にある、放射線検出器51の半製品に対して、熱処理を施す。これが第1の熱処理である。本実施例では、半製品の半導体検出器51を加熱炉である電気炉内に入れて、170℃の温度で、30分間保持する熱処理を行った。これにより、導電性接着剤が硬化して半導体検出器51が完成した。
その半導体検出器51をプリント基板52上に配置する(ステップ4)。プリント基板52は、表面に、ハンダペースト印刷により配線が形成されている。このプリント基板
52上に、所定の配線と重なるように、複数の半導体検出器51を格子状に配置する(図3参照)。複数の半導体検出器51を表面に配置したプリント基板52を電気炉内に入れて加熱する(ステップ5)。これが第2の熱処理である。第2の熱処理では、プリント基板52上の配線を溶融させて半導体検出器51の電極板と接続させるため、電気炉内で最大215℃までの加熱を行った。第2の熱処理終了後、半導体検出器51は、電極板がプリント基板52表面に形成された配線に接続された状態で、プリント基板52にハンダで固定される。以上により、半導体検出器51のプリント基板52への取り付けが完了する。
半導体検出器51の熱処理を実施する(ステップ6)。プリント基板52に設置された半導体検出器51の熱処理(第3の熱処理)を、電気炉を用いて行う。本実施例では、電気炉の設定温度を130℃とし、電気炉内にそのプリント基板52を入れて、130℃で1時間保持した。この第3の熱処理により、上記の製造過程で生じた、半導体検出器51の半導体部材の結晶の歪が除去された。ステップ6の工程が終了すると、放射線計測装置10が完成する。
第3の熱処理における加熱温度を変えた実験を行った。この結果、80℃以下および
170℃よりも高いそれぞれの加熱温度範囲では、放射線計測装置10の製造過程で生じた半導体部材の結晶の歪に起因して劣化した半導体検出器51の特性が、ほとんど回復されなかった。しかしながら、第3の熱処理における加熱温度を80℃より高く170℃以下の温度範囲に設定した場合には、その特性は顕著に回復していた。このため、第3の熱処理における加熱温度は、80℃より高く170℃以下の温度範囲に設定する必要がある。第3の熱処理の加熱温度を80℃以下または170℃よりも大きくした場合に、半導体検出器51の特性がほとんど回復されない理由は、以下の通りである。すなわち、80℃以下の加熱温度では、電極板と半導体部材を接着している導電性接着剤の軟化温度よりも低いために導電性接着剤が軟化せず、半導体部材の結晶の歪みを除去することができない。また、170℃よりも高い加熱温度では、導電性接着剤の硬化温度を超えるため、導電性接着剤から半導体部材に大きな応力が働き、その結晶を更に歪ませてしまう。つまり、170℃よりも高い加熱温度で第3の熱処理を行った場合には、第2の熱処理で硬化した導電性接着剤が、第3の熱処理によって再度硬化し、導電性接着剤に大きな熱歪が発生する。この大きな熱歪が半導体部材の結晶内の応力を増大させるため、半導体部材の結晶がさらに歪んでしまう。以上のことから、第3の熱処理は、加熱温度を80℃よりも高く
170℃以下の温度範囲に設定すると良い。
第3の熱処理を施すことによって半導体検出器51の特性回復を評価するため、上記したステップ1〜6により製造し第3の熱処理を施した放射線計測装置(以下、第1放射線計測装置という)と、ステップ1〜5により製造し第3の熱処理を施さない放射線計測装置(以下、第2放射線計測装置という)を用いて、各放射線計測装置の半導体検出器51のエネルギースペクトルを測定し、それらの半導体検出器51の特性を比較した。具体的には、第1および第2放射線計測装置のそれぞれの半導体検出器51によって放射線を検出し、各半導体検出器51から出力される放射線検出信号を用いてエネルギースペクトルをそれぞれ求め、それらのエネルギースペクトルの光電ピークの半値幅を求めて比較した。この光電ピークの半値幅は、小さい値をもつものほどエネルギー識別能力が高く、放射線計測装置としては高性能となる。説明の便宜上、第1放射線計測装置の半導体検出器
51を第1半導体検出器、および第2放射線計測装置の半導体検出器51を第2半導体検出器と称する。
放射線源としては、セシウム137を使用した。第1半導体検出器を用いて測定した、セシウム137から放出される放射線のエネルギースペクトルは、図4で示すように鋭い光電ピーク61を有した。この光電ピーク61の半値幅は、22keV以下となり、合格基準である25keV以下を満たした。一方、第2半導体検出器を用いて測定した、セシウム137から放出される放射線のエネルギースペクトルは、100個の第2半導体検出器のうち71個は光電ピーク61(図4)のような鋭いピークを有し、光電ピーク61の半値幅が25keV以下となった。しかし、残り29個の第2半導体検出器の測定結果は、図4において破線で示した光電ピーク62を有するエネルギースペクトルを示した。この光電ピークの半値幅は、25keVを超え、35keVよりも低い値となった。したがって、第3の熱処理を施していない第2半導体検出器では、合格基準を満たす検出器(以下、合格品という)が71個、合格基準を満たさない検出器(以下、不合格品という)が29個となる。
以上のことから、放射線計測装置10に第3の熱処理を施すことによって、半導体検出器51の特性が回復し、高い歩留まりを達成できることがわかる。
また、従来は、高い歩留まりを実現させる為、不合格の第2半導体検出器をプリント基板52から取り外し、新規の第2半導体検出器と交換していた。しかし、新規の第2半導体検出器をプリント基板52に設置するためには、局所加熱が必要となり、この加熱によってさらに不合格品が出ることとなる。設置した第2半導体検出器を、全て合格規準を満たす第2半導体検出器にするには、上記のような第2半導体検出器の交換が平均で4回必要となった。以上のことから、放射線計測装置10に対して第3の熱処理を施すことによって、上記のような半導体検出器の交換が不要となり、特性が良好な半導体検出器51をプリント基板52上に容易に揃えることできる。
本実施例は、半導体検出器51をプリント基板52にハンダ付けを行った後に、半導体計測装置1に第3の熱処理を施しているため、ハンダ付けによって半導体検出器51の半導体部材11の結晶に生じた歪を除去することができる。すなわち、第2の熱処理を行った後には、ハンダの熱収縮が電極板23,24を介して半導体部材11に応力を付与することになり、半導体部材11の結晶に歪が生じる。この歪が、第3の熱処理により除去することができるのである。当然のことながら、電極板23,24を半導体部材11に導電性接着剤によって張り合わせたことによって半導体部材11の結晶に生じた歪も除去することができる。したがって、半導体計測装置1の性能が回復される。すなわち、暗電流の発生を抑制できる。
本実施例では、半導体検出器51をプリント基板52に設置するための熱処理(第2の熱処理)を施した後、すぐに第3の熱処理を行っている。第2の熱処理によるプリント基板52上への半導体検出器51の取り付けが完了した後、半導体検出器51を保護膜で覆い、その後に、第3の熱処理を行っても同様の効果を得ることができる。
本発明の他の実施例である放射線計測装置の製造方法を、図5を用いて説明する。
本実施例で製造する放射線計測装置に用いられる半導体検出器51Aは、半導体部材
72にCdTeを用いている。半導体検出器51Aは、半導体部材11の1つの側面に電極板74を、これと対向する他の側面に電極板73を設けている。半導体検出器51Aは、前述の半導体検出器51に比べて半導体部材72の個数が増大されており、その分、カソード電極となる電極板73、及びアノード電極となる電極板74の枚数も増大されている。
本実施例で製造された放射線計測装置は、半導体検出器51Aを、図3と同様に、プリント基板52上に正方格子状に配置してハンダにより設置している。この放射線計測装置の製造工程は、実施例1と同じであるため説明を省略する。
本実施例における電気炉による第3の熱処理では、加熱温度を130℃にしている。第3の熱処理の加熱温度は、実施例1と同様に、80℃よりも高く170℃以下の範囲にするのが望ましい。
本実施例では、実施例1と同様、半導体検出器51Aをプリント基板52にハンダで設置するための第2の熱処理を施した後、すぐに第3の熱処理を行っている。このような本実施例は、実施例1で生じる効果を得ることができる。第2の熱処理によるプリント基板52上への半導体検出器51Aの取り付けが完了した後、半導体検出器51Aを保護膜で覆い、その後に、第3の熱処理を行っても同様の効果を得ることができる。
本実施例では、半導体部材72の枚数を増やした半導体検出器51Aを用いた放射線計測装置の製造方法について説明したが、このように、半導体部材72の枚数を増やす理由は、半導体部材72を極力密に配置し、放射線検出感度を高めるためである。実施例1と同様、電源41に接続された電極板73が、カソード電極となり、抵抗42A,42Bを介して接地されている。また、コンデンサ43A,43Bを介して信号を取り出すための電極板74がアノード電極となる。図5で示すように、カソード電極は並列に接続されている。この接続数が多くなると静電容量が増加し、外部への出力信号強度が低下してしまうため、1つのコンデンサに接続する電極板73の枚数は5枚までとする。すなわち、1つの放射線検出器51Aにおいては、全てのカソード電極は共通の電源41に接続されるが、5個の半導体部材72に取り付けられた5個のアノード電極を一組とし、この5個のアノード電極から1つのコンデンサを介して信号を取り出すようにしている。
上述のように半導体部材72を並列に配置した半導体検出器51Aにおいて、第3の熱処理を施すことによる特性回復を評価する為、第3の熱処理を施した放射線計測装置の半導体検出器51A(以下、半導体検出器51aという)と、第3の熱処理を施さない放射線計測装置の半導体検出器51A(以下、半導体検出器51bという)を用いてエネルギースペクトルを測定し、その特性を評価した。具体的には、別々のプリント基板52に半導体検出器51a,51bをそれぞれ別々に固定した状態で、個々の半導体検出器51a,51bを用いた場合のエネルギースペクトルを測定し、そのスペクトルの光電ピークの半値幅を求めた。実施例1と同様、セシウム137を放射線源としてエネルギースペクトルを測定した。エネルギースペクトルの光電ピークの半値幅が、25keV以下となる半導体検出器を合格品とし、その合格率を求めた。
20枚の半導体部材71を並列に配置している半導体検出器51aのエネルギースペクトルを測定すると、光電ピークの半値幅は全て25keV以下となり、合格率が100%であった。一方、20枚の半導体部材71を並列に配置している半導体検出器51bでは、合格率が27%となった。また、4枚の半導体部材71を並列に配置している半導体検出器51bでは、合格率は66%である。
以上のことから、半導体検出器51Aを有する半導体計測装置に第3の熱処理を施すことで半導体検出器51Aの特性が回復し、高い製品歩留まりを得ることができた。また、本実施例の製造方法によって半導体部材72を20枚まで並列に配置することが可能となり、半導体検出器51Aの放射線の検出感度を上げることができる。
本発明の他の実施例である放射線計測装置の製造方法について、図6を用いて説明する。本実施例において製造される放射線計測装置に用いられる半導体検出器の半導体部材は、CdTeである。放射線検出器は半導体検出器であり、半導体結晶材料はテルル化カドミウムである。
本実施例において製造される放射線計測装置に用いられる半導体検出器56を、図6を用いて説明する。
半導体検出器56は、2つの半導体部材15、及び3枚の導電性部材38を有する。各半導体部材15の対峙する両面に、全面にわたって、蒸着法などにより薄い膜状の電極を形成している。半導体部材15の1つの面に形成される電極25がカソード電極であり、その面に対峙する他の面に形成される電極26がアノード電極である。半導体検出器56は、アノード電極同士(またはカソード電極同士)が互いに向き合っており、向き合った電極26(アノード電極)に1枚の導電部材38を導電性接着剤37によりそれぞれ貼り付けている。このため、2つの半導体部材15に設けられた電極26が導電部材38により電気的に接続している。導電性接着剤としては、銀とエポキシ樹脂とを混合させた導電性接着剤を使用している。導電部材38は、配線によりコンデンサ43に接続される。
2つの半導体部材15にそれぞれ設けられた電極25(カソード電極)にも、導電部材(図示せず)がそれぞれ導電性接着剤を用いて設置されている。これらの導電部材は配線によって電源41に接続されている。
次に、本実施例の放射線計測装置の製造方法について説明する。
まず、半導体部材15の対峙する両面に、蒸着法などによって薄い膜状の電極25,
26を形成する。図6に示すように2つの半導体部材11と導電部材38を接合させるため、半導体部材15の電極26の表面に導電性接着剤37を塗布する。導電性接着剤37を塗布した面に導電部材38を貼り付ける。この導電部材38の他の面にもう1つの半導体部材15の電極26の導電性接着剤37を塗布した面を貼り付ける。このようにして、両面に電極が形成された半導体部材15と導電部材38を交互に並列に配置させて半導体検出器56を作成する。
次に、導電性接着剤を硬化させるため、半導体検出器56を電気炉内に入れて加熱する(第1の熱処理)。この第1の熱処理は、実施例1における第1の熱処理と同様にして行われる。第1の熱処理が終わった半導体検出器56を、図2に示すように、プリント基板52上に正方格子状に配置する。その後、実施例1で説明した第2の熱処理を実施する。第2の熱処理終了後に、実施例1で述べた第3の熱処理が行われる。以上の工程が終了して、放射線計測装置が製造される。
本実施例においても、実施例1で生じる効果を得ることができる。
本発明の好適な一実施例である実施例1の放射線計測装置の製造方法を示すフローチャート図である。 図1の製造工程で作られた放射線計測装置に用いられた半導体検出器の構成図である。 図1の製造工程で作られた放射線計測装置の構成図である。 図1の製造工程で製作された放射線計測装置で測定したエネルギースペクトルと、従来の放射線計測装置で測定したエネルギースペクトルを示す特性図である。 本発明の他の実施例である放射線計測装置の製造方法によって製造された放射線計測装置に用いられる半導体検出器の構成図である。 本発明の他の実施例である放射線計測装置の製造方法によって製造された放射線計測装置に用いられる半導体検出器の構成図である。
符号の説明
10…放射線計測装置、11,12,13,15,72…半導体部材、21,22,
23,24,73…電極板、25,26…電極、31,32,33,34,35,36,37,75…導電性接着剤、38…導電部材、41…電源、52…プリント基板。

Claims (5)

  1. 半導体部材の対峙する両面にそれぞれ電極部材を導電性接着剤で接合して半導体放射線検出器を製作し、前記半導体放射線検出器の前記電極部材と、配線基板に配線とをハンダによって接続し、その後、前記半導体放射線検出器が取り付けられた配線基板を、前記半導体部材と前記電極部材との接合に要した加熱温度以下の温度で、熱処理したことを特徴とする放射線計測装置の製造方法。
  2. 前記配線基板に取り付けられた前記半導体放射線検出器を保護膜で覆い、その後、前記熱処理を施す請求項1記載の放射線計測装置の製造方法。
  3. 半導体部材の対峙する両面に形成された電極に導電部材を導電性接着剤で接合して半導体放射線検出器を製作し、前記半導体放射線検出器の前記導電部材と、配線基板に配線とをハンダによって接続し、その後、前記半導体放射線検出器が取り付けられた配線基板を、前記電極と前記導電部材の接合に要した加熱温度以下の温度で、熱処理したことを特徴とする放射線計測装置の製造方法。
  4. 前記配線基板に取り付けられた前記半導体放射線検出器を保護膜で覆い、その後、前記熱処理を施す請求項1記載の放射線計測装置の製造方法。
  5. 前記熱処理の加熱温度は、80℃より高く170℃以下の範囲における温度にする請求項1ないし請求項4のいずれか1項の放射線計測装置の製造方法。

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