JP2006177394A - 遊星歯車装置の潤滑構造 - Google Patents

遊星歯車装置の潤滑構造 Download PDF

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Abstract

【課題】ピニオン軸の軸心穴を封止するプラグをなくし、組付作業が簡単で、かつ部品数を削減できる遊星歯車装置の潤滑構造を提供する。
【解決手段】キャリア44に設けられた半径方向の油供給穴45dからピニオン軸47の軸心穴47aに潤滑油を供給し、軸心穴から潤滑油をピニオン軸の外周面に導き、ピニオンギヤ43を強制潤滑する遊星歯車装置である。軸心穴47aはその終端側でキャリア44の油供給穴45dと連通されており、軸心穴の開放端側のピニオン軸の端部に軸心穴より大径な直交穴47dを形成し、キャリア44の直交穴46eからローラピン48を直交穴47dに挿入することで、ローラピン48でピニオン軸の軸心穴を閉じると同時に、ピニオン軸をキャリアに対して抜け止めする。
【選択図】 図7

Description

本発明は遊星歯車装置の潤滑構造、特にキャリアに支持されたピニオンギヤやニードルベアリングなどを潤滑するための構造に関するものである。
従来より、自動変速機や無段変速機の前後進切替機構として、遊星歯車装置が広く用いられている。遊星歯車装置のピニオンギヤを潤滑する方式には、大別して2つの方法がある。1つの方法は、入力軸などの回転部材に潤滑穴を設け、この潤滑穴から潤滑油を遠心力を利用して半径方向外側へ流し、ピニオンギヤを潤滑する方法であり、他の方法は、キャリアに半径方向の油供給穴を形成し、この油供給穴からキャリアに両端部が支持されたピニオン軸の軸心穴に潤滑油を供給し、さらに軸心穴からピニオン軸の外周面に潤滑油を導き、ピニオンギヤを潤滑する方法である。
前者の方法は、遠心力を利用した潤滑方法であり、油路構造は簡単であるが、キャリアが静止した状態では遠心力を利用して潤滑油をピニオンギヤへ供給できないため、ピニオンギヤへの潤滑油の絶対量が不足してしまうという問題がある。一方、後者の方法は、強制潤滑方式であるため、常にピニオンギヤに潤滑油を供給でき、潤滑油の絶対量が不足する問題がない。
図9はこのような強制潤滑方式の遊星歯車装置の一例を示す。
図9において、キャリア60にはピニオン軸61の両端部が支持されており、キャリア60に設けられた半径方向の油供給穴62から、ピニオン軸61の軸心穴63に潤滑油を供給し、軸心穴63から潤滑油をピニオン軸61の外周面に導き、ピニオンギヤ64およびニードルベアリング65を潤滑するようになっている。ピニオン軸61をキャリア60に対して抜け止めするため、キャリア60の外周側よりローラピン66が挿入され、挿入部がカシメ67られている。軸心穴63の開放端側はプラグ68で封止されており、軸心穴63に導かれた潤滑油が開放端から流出するのを防止している。
上記のような構造の遊星歯車装置では、キャリア60の油供給穴62からピニオン軸61の軸心穴63を経て、ピニオンギヤ64およびニードルベアリング65に強制的に潤滑油が供給されるので、焼き付きを確実に防止できる。
しかしながら、ピニオン軸61を抜け止めするローラピン66と、軸心穴63を封止するためのプラグ68とが必要であり、部品数が増えるだけでなく、ローラピン66をカシメ固定する作業や、プラグ68の装着作業が必要になり、作業工数も増えるという問題がある。特に、ピニオン軸61は1個のキャリア60に対し3本以上組み込まれるので、コスト上昇を招く欠点があった。
特許文献1には、キャリアに径方向穴を径方向外側より形成し、この径方向穴にピニオン軸を抜け止めするための係止具を挿入するとともに、ピニオン軸の軸穴と交差する潤滑穴を径方向内側より形成し、各径方向穴を非貫通状態に形成した遊星歯車装置が提案されている。ピニオン軸の軸穴の開放端側はプラグで封止されている。
この場合も、抜け止め用の係止具と、軸穴を封止するためのプラグとが必要であり、上記と同様の問題がある。
特許文献2には、ピニオン軸の油穴とキャリアの油穴とが合致するように、ピニオン軸をキャリアに対して位相合わせして溶着するとともに、ピニオン軸の軸心穴の開放端をプラグで封止した構造の遊星歯車装置が提案されている。
この場合は、ピニオン軸の抜け止め用係止具が不要であり、構造が簡単になる利点があるが、ピニオン軸とキャリアとを位相合わせして溶着する必要があり、1個のキャリアに対して複数本のピニオン軸を正確に位相合わせして溶接する作業は作業性が悪く、かつ熟練を必要とする。
特開平6−201022号公報 実開平7−19660号公報
そこで、本発明の目的は、ピニオン軸の軸心穴を封止するプラグをなくし、組付作業が簡単で、かつ部品数を削減できる遊星歯車装置の潤滑構造を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、キャリアに設けられた半径方向の油供給穴から、上記キャリアに両端部が支持されたピニオン軸の軸心穴に潤滑油を供給し、上記軸心穴から潤滑油をピニオン軸の外周面に導き、ピニオンギヤを潤滑する遊星歯車装置において、上記軸心穴はピニオン軸の一端側から非貫通状態で形成されており、上記軸心穴の終端側で上記キャリアの油供給穴と連通されるとともに、上記軸心穴の開放端側のピニオン軸の端部に、上記軸心穴より大径な直交穴が上記軸心穴に対して直交方向に形成され、上記ピニオン軸の軸心穴の開放端側端部を支持するキャリアの部位に、上記直交穴と同径以上の直交穴が設けられ、上記キャリアの直交穴およびピニオン軸の直交穴にローラピンを挿入することにより、上記ローラピンでピニオン軸の軸心穴を閉じると同時に、ピニオン軸をキャリアに対して抜け止めしたことを特徴とする遊星歯車装置の潤滑構造を提供する。
本発明では、ピニオン軸の軸心穴はピニオン軸の一端側から非貫通状態で形成された穴であり、軸心穴の終端側でキャリアの油供給穴と連通され、キャリアの油供給穴を半径方向外側へ流れた潤滑油は、この部分からピニオン軸の軸心穴に供給される。軸心穴に供給された潤滑油がその開放端から流出するのを防止するため、キャリアの直交穴およびピニオン軸の直交穴に対してローラピンが挿入される。これら直交穴は軸心穴より大径であり、ローラピンも軸心穴より大径であるため、開放端を確実に封止できる。また、ローラピンはピニオン軸をキャリアに対して抜け止めする機能も有する。
なお、本発明でローラピンとは、円筒形状の部品全般を指し、中実部品に限らず、中空部品でもよい。直交穴にほぼ隙間無く挿入され、かつ軸心穴より大径であるため、軸心穴と直交する部分で軸心穴を確実に封止でき、軸心穴の開放端から潤滑油が漏れ出るのを防止できる。
また、キャリアの直交穴はピニオン軸の直交穴と同径またはそれより大径であってもよい。
請求項2のように、キャリアの直交穴の開口部をカシメることにより、ローラピンをキャリアに対して固定するのがよい。
ローラピンを直交穴に挿入しただけでは、遠心力などにより抜け落ちる可能性があるので、キャリアの直交穴の開口部をカシメることによりローラピンを確実に抜け止め固定できる。
請求項3のように、キャリアの直交穴をキャリアの内径側に開口させ、この開口部よりローラピンを挿入するとともに、開口部に周溝を形成し、この周溝にスナップリングを装着することにより、ローラピンを抜け止めしてもよい。
この場合は、スナップリングを装着することにより、ローラピンを抜け止めするため、キャリアをカシメる必要がなく、しかも複数のローラピンを1本のスナップリングで抜け止めできるので、組み付け作業性が向上する。
以上のように、本発明によれば、ローラピンがピニオン軸の軸心穴の封止とピニオン軸の抜け止めとを兼ねるので、ピニオン軸の軸心穴を封止するプラグをなくすことができ、組付作業が簡単になり、かつ部品数を削減できる。特に、ピニオン軸は1個のキャリアに対して複数本組み付ける必要があるため、本発明の潤滑構造は一層効果的である。
以下に、本発明の実施の形態を、実施例を参照して説明する。
図1〜図3は本発明にかかる遊星歯車装置を用いた無段変速機の一例を示す。
この実施例の無段変速機はFF横置き式の自動車用変速機であり、大略、エンジン出力軸1によりトルクコンバータ2を介して駆動される入力軸3、入力軸3の回転を正逆切り替えて駆動軸10に伝達する前後進切替機構4、駆動プーリ11と従動プーリ21と両プーリ間に巻き掛けられたVベルト15とからなる無段変速装置A、従動軸20の動力を出力軸32に伝達するデファレンシャル装置30などで構成されている。入力軸3と駆動軸10とは同一軸線上に配置され、従動軸20とデファレンシャル装置30の出力軸32とが入力軸3に対して平行でかつ非同軸に配置されている。したがって、この無段変速機は全体として3軸構成とされている。
この実施例で用いられるVベルト15は、一対の無端状張力帯と、これら張力帯に支持された多数のブロックとで構成された公知の金属ベルトである。
無段変速機を構成する各部品は変速機ケース5の中に収容されている。トルクコンバータ2と前後進切替機構4との間には、オイルポンプ6が配置されている。このオイルポンプ6は、図3に示すように、変速機ケース5に固定されたオイルポンプボデー7と、オイルポンプボデー7に対して固定されたオイルポンプカバー8と、オイルポンプボデー7とオイルポンプカバー8との間に収容されたポンプギヤ9とで構成されている。ポンプギヤ9はトルクコンバータ2のポンプインペラ2aにより駆動される。なお、トルクコンバータ2のタービンランナ2bは入力軸3に連結され、ステータ2cはワンウエイクラッチ2dを介して変速機ケース5により支持されている。
前後進切替機構4は、図3に示すように、遊星歯車装置40と逆転ブレーキ50と直結クラッチ51とで構成され、遊星歯車装置40のサンギヤ41が入力回転部材である入力軸3に連結され、リングギヤ42が出力回転部材である駆動軸10に連結されている。遊星歯車装置40はシングルピニオン方式であり、逆転ブレーキ50はピニオンギヤ43を支えるキャリア44と変速機ケース5との間に設けられ、直結クラッチ51はキャリア44とサンギヤ41との間に設けられている。直結クラッチ51を解放して逆転ブレーキ50を締結すると、入力軸3の回転が逆転され、かつ減速されて駆動軸10へ伝えられる。逆に、逆転ブレーキ50を解放して直結クラッチ51を締結すると、遊星歯車装置40のキャリア44とサンギヤ41とが一体に回転するので、入力軸3と駆動軸10とが直結される。
逆転ブレーキ50のピストン50bは、図3に示すように変速機ケース5の内側壁に形成された凹型の油圧室50cに収容され、この油圧室50cに供給される油圧によりピストン50bは作動され、ブレーキディスク50aを締結する。ピストン50bの圧力によって押されたブレーキディスク50aの端部は、静止部材であるオイルポンプカバー8から突設された円筒状の突出部8aによって支えられている。
サンギヤ41の前側(エンジン側)には、図3に示すように直結クラッチ51のクラッチハブとなる円筒部41aが一体に突設されており、この円筒部41aの外周に直結クラッチ51のクラッチディスク51aの内径部が支持されている。オイルポンプカバー8の背面側(前後進切替機構側)の側面には凹型の油圧室51bが形成され、この油圧室51bに供給される油圧によりピストン51cが作動され、直結クラッチ51は締結される。ピストン51cは断面コ字形に形成されており、クラッチディスク51aと対面するピストン51cの側面には、相対回転を許容するスラストベアリング52が取り付けられている。そのため、ピストン51cの軸方向圧力はクラッチディスク51aに効果的に伝達され、かつピストン51cが直結クラッチ51のクラッチディスク51aと連れ回りするのが防止される。なお、クラッチディスク51aの背後にはキャリア44(キャリアリム46)が配置されているため、ピストン51cによって押されたクラッチディスク51aの端部をキャリア44の端面(キャリアリム46の側面)で支えることができる。
無段変速装置Aの駆動プーリ11は、駆動軸(プーリ軸)10上に一体に形成された固定シーブ11aと、駆動軸10上にローラスプライン部13を介して軸方向移動自在に、かつ一体回転可能に支持された可動シーブ11bと、可動シーブ11bの背後に設けられた油圧サーボ12とを備えている。可動シーブ11bの外周部には、背面側へ延びるピストン部12aが一体に形成され、このピストン部12aの外周部が駆動軸10に固定されたシリンダ12bの内周部に摺接している。可動シーブ11bとシリンダ12bとの間に油圧サーボ12の作動油室12cが形成され、この作動油室12cへの油圧を制御することにより、変速制御が実施される。
従動プーリ21は、従動軸(プーリ軸)20上に一体に形成された固定シーブ21aと、従動軸20上にローラスプライン部23を介して軸方向移動自在に、かつ一体回転可能に支持された可動シーブ21bと、可動シーブ21bの背後に設けられた油圧サーボ22とを備えている。このローラスプライン部23の構造は、駆動プーリ11のローラスプライン部13と同様である。可動シーブ21bの外周部には、背面側へ延びるシリンダ部22aが一体に形成され、このシリンダ部22aの内周部に従動軸20に固定されたピストン22bが摺接している。可動シーブ21bとピストン22bとの間に油圧サーボ22の作動油室22cが形成され、この作動油室22cの油圧を制御することにより、トルク伝達に必要なベルト推力が与えられる。なお、作動油室22cには初期推力を与えるスプリング24が配置されている。
従動軸20の一端部はエンジン側に向かって延び、この一端部に出力ギヤ27aが固定されている。出力ギヤ27aはデファレンシャル装置30のリングギヤ31に噛み合っており、デファレンシャル装置30から左右に延びる出力軸32に動力が伝達され、車輪が駆動される。
上記構成よりなる無段変速機において、前進時には、逆転ブレーキ50を締結し直結クラッチ51を解放することにより、トルクコンバータ2から入力される駆動力が逆転されかつ減速されて駆動プーリ11へ伝達される。そして、従動プーリ21およびデファレンシャル装置30を介して出力軸32がエンジン回転方向と同一方向に駆動される。前進時には、逆転ブレーキ50が締結されるので、キャリア44は静止している。
一方、後進時には、直結クラッチ51を締結し逆転ブレーキ50を解放することにより、遊星歯車装置40の入力側(サンギヤ41)と出力側(リングギヤ42)とが直結されるため、トルクコンバータ2から入力された駆動力がそのまま駆動プーリ11へ伝達され、従動プーリ21およびデファレンシャル装置30を介して出力軸32がエンジン回転方向と逆方向に駆動される。
ここで、遊星歯車装置40の潤滑構造について、図3〜図7を参照しながら説明する。
キャリア44は円盤状のキャリアフランジ45と円環状のキャリアリム46とで構成されており、キャリアフランジ45の内径部はサンギヤ41とリングギヤ42との間を内径方向に延び、入力軸3に回転自在に支持されている。キャリアフランジ45にはキャリアリム46に向かって軸方向に突出する複数(ここでは6個)の柱状部45aが一体に形成され、これら柱状部45aの間の空間に上記ピニオンギヤ43が配置されている。上記柱状部45aの先端面とキャリアリム46とは焼結にて金属結合され、キャリアフランジ45とキャリアリム46とは一体的に固定されている。なお、溶接、ロー付、ネジ止めなどによって固定してもよい。
入力軸3の軸心部には、軸端部に開口した潤滑穴3aが形成されている。図5に示すように、キャリアフランジ45の内径部にはブッシュ35が圧入されており、ブッシュ35の内周面は入力軸3の軸端部に回転自在に嵌合されている。キャリアフランジ45の内径部には、軸端方向に向かって拡径した拡径部45bが形成され、この拡径部45bを閉じる閉栓部材36が嵌着されている。キャリアフランジ45の内径部であって、ブッシュ35の外周面と接触する内周面には、周方向に間隔をあけて複数(例えば6個)の流入溝45cが軸方向に形成され、これら流入溝45cはキャリアフランジ45の内部に形成された径方向の油供給穴45dと連通している。入力軸3の潤滑穴3aを通って送られた潤滑油は、閉栓部材36によって軸方向への流出が阻止されるため、拡径部45bの内側に油溜まりが形成される。そのため、油溜まりの潤滑圧によって潤滑油は流入溝45cを通って油供給穴45dへと送り込まれる。
図7に示すように、キャリアフランジ45とキャリアリム46との対向位置には軸受穴45e,46aが形成され、これら軸受穴45e,46aにピニオンギヤ43を支持するピニオン軸47の両端部が架け渡して挿入されている。ピニオンギヤ43とキャリアフランジ45との間、ピニオンギヤ43とキャリアリム46との間にはスラストワッシャ37がそれぞれ配置されている。また、ピニオンギヤ43の内周とピニオン軸47の外周との隙間にはニードルベアリング38が配置され、ピニオンギヤ43はピニオン軸47に対して回転自在である。ピニオン軸47には、キャリアリム46側の端部から潤滑用の軸心穴47aが非貫通状態で形成されており、軸心穴47aの終端側に設けた径方向穴47bでキャリアフランジ45に形成された径方向の油供給穴45dと連通している。軸心穴47aに供給された潤滑油は、径方向穴47cからピニオン軸47の外周面に導かれ、ピニオンギヤ43やニードルベアリング38、スラストワッシャ37などを潤滑することができる。
キャリアリム46には、前側(エンジン側)に向かって軸方向に突出する円筒部46bが一体に形成されており、この円筒部46bが逆転ブレーキ50のブレーキハブと直結クラッチ51のクラッチドラムとを兼ねている。すなわち、円筒部46bの外周部には逆転ブレーキ50のブレーキディスク50aの内径部が係合するスプライン部46cが形成され、内周部には直結クラッチ51のクラッチディスク51aの外径部が係合するスプライン部46dが形成されている。
図7に示すように、キャリアリム46によって支えられたピニオン軸47の一端部、つまり軸心穴47aの開放端側のピニオン軸47の端部には、軸心穴47aより大径な直交穴47dが軸心穴47aに対して直交方向に形成されている。キャリアリム46には、上記直交穴47dと同径以上の直交穴46eが形成されている。これら直交穴46e,47dにローラピン48を挿入すると、ピニオン軸47に形成された径方向穴47bとキャリアフランジ45に形成された油供給穴45dとの位相を自動的に合わせることができる。そして、キャリアリム46の直交穴46eの開口部にカシメ46fを形成することにより、ローラピン48を確実に抜け止め固定できる。ローラピン48の直径は軸心穴47aより太いので、軸心穴47aの開放端を確実に封止でき、軸心穴47aに供給された潤滑油が開放端から流出するのを防止できる。このように、直交穴46eおよび47dにローラピン48を挿入することにより、ローラピン48でピニオン軸47の軸心穴47aを封止すると同時に、ピニオン軸47を固定できる。
前進レンジでは逆転ブレーキ50が締結されるため、キャリア44(45,46)は静止している。そのため、遠心力を利用して潤滑油をピニオンギヤ43に供給することができず、ピニオンギヤ43の摩耗や、ニードルベアリング38の焼き付きといった問題が発生する可能性がある。この実施例では、入力軸3の潤滑穴3aを通って送られた潤滑油は、閉栓部材36によって軸方向への流出が阻止されるため、閉栓部材36の内側に油溜まりが形成される。そのため、油溜まりの潤滑圧によって潤滑油は油供給穴45dへと送り込まれ、さらにピニオン軸47の軸心穴47aへと供給される。軸心穴47aの開放端はローラピン48によって封止されるので、開放端からの油漏れを防止できる。そのため、軸心穴47aへ供給された潤滑油は、ニードルベアリング38、ピニオンギヤ43、スラストワッシャ37などを潤滑することができる。このように前進レンジ時にキャリア44が静止していても、ニードルベアリング38、ピニオンギヤ43の摩耗や焼き付きを効果的に防止することができる。
上記実施例では、キャリアリム46の直交穴46eが半径方向外側から形成されているので、ローラピン48を挿入した後、カシメ46fを行うことで、簡単にローラピン48を抜け止めできる。なお、直交穴46eは半径方向外側から形成する場合に限らず、半径方向内側から形成してもよい。
上記実施例では、ローラピン48の先端がピニオン軸47を貫通し、軸受穴46aの内面で終端としたが、ピニオン軸47の内部で終端としてもよいし、軸受穴46aの内面を越えてキャリアリム46の内部まで延びていてもよい。要するに、ローラピン48が軸心穴47aを封止できる深さまで挿入されておればよい。
図8は本発明の第2実施例を示す。
この実施例では、キャリアリム46の直交穴46eをキャリアリム46の内径側に開口させ、この開口部よりローラピン48を直交穴46eとピニオン軸47の直交穴47dとに挿入してある。直交穴46eの開口部に周溝46gを形成し、この周溝46gにスナップリング39を装着することにより、ローラピン48を抜け止めしてある。スナップリング39が径方向に広がる方向のばね力を有するので、周溝46gから脱落することがない。
この実施例では、スナップリング39を装着することにより、ローラピン48を内径方向に抜け止めできるので、キャリアリム46をカシメる必要がなく、組付作業が簡単になる。特に、ローラピン48はピニオン軸47の本数だけ必要であるため、1個のキャリア44(45,46)に対して3本以上のローラピン48が必要になるが、これらローラピン48を1個のスナップリング39で抜け止めできるので、作業効率が大幅に向上する。
上記実施例では、本発明の遊星歯車装置を無段変速機に適用した例を示したが、強制潤滑方式の遊星歯車装置を備えたものであれば、一般の自動変速機にも適用できることは勿論である。
また、キャリアを構成するキャリアリム46にブレーキハブとクラッチドラムとを兼ねる円筒部46bを設けたが、このような円筒部を持たないキャリアであってもよい。
さらに、キャリア44がキャリアフランジ45とキャリアリム46との2部品で構成されたものに限らず、一体構造であってもよい。
本発明にかかる遊星歯車装置を用いた無段変速機の一例の展開断面図である。 図1に示す無段変速機のスケルトン図である。 図1に示す前後進切替機構の詳細断面図である。 遊星歯車装置の正面図である。 図4のV−V線断面図である。 図5のVI−VI線断面図である。 図5の要部拡大図である。 本発明の遊星歯車装置の第2実施例の断面図である。 従来の遊星歯車装置の一例の断面図である。
符号の説明
3 入力軸
3a 潤滑穴
37 スラストワッシャ
38 ニードルベアリング
39 スナップリング
40 遊星歯車装置
41 サンギヤ
42 リングギヤ
43 ピニオンギヤ
44 キャリア
45 キャリアフランジ
45d 油供給穴
46 キャリアリム
46e 直交穴
46f カシメ
46g 周溝
47 ピニオン軸
47a 軸心穴
47d 直交穴
48 ローラピン

Claims (3)

  1. キャリアに設けられた半径方向の油供給穴から、上記キャリアに両端部が支持されたピニオン軸の軸心穴に潤滑油を供給し、上記軸心穴から潤滑油をピニオン軸の外周面に導き、ピニオンギヤを潤滑する遊星歯車装置において、
    上記軸心穴はピニオン軸の一端側から非貫通状態で形成されており、
    上記軸心穴の終端側で上記キャリアの油供給穴と連通されるとともに、上記軸心穴の開放端側のピニオン軸の端部に、上記軸心穴より大径な直交穴が上記軸心穴に対して直交方向に形成され、
    上記ピニオン軸の軸心穴の開放端側端部を支持するキャリアの部位に、上記直交穴と同径以上の直交穴が設けられ、
    上記キャリアの直交穴およびピニオン軸の直交穴にローラピンを挿入することにより、上記ローラピンでピニオン軸の軸心穴を閉じると同時に、ピニオン軸をキャリアに対して抜け止めしたことを特徴とする遊星歯車装置の潤滑構造。
  2. 上記キャリアの直交穴の開口部をカシメることにより、上記ローラピンをキャリアに対して固定したことを特徴とする請求項1に記載の遊星歯車装置の潤滑構造。
  3. 上記キャリアの直交穴をキャリアの内径側に開口させ、この開口部より上記ローラピンを挿入するとともに、上記開口部に周溝を形成し、この周溝にスナップリングを装着することにより、上記ローラピンを抜け止めしたことを特徴とする請求項1に記載の遊星歯車装置の潤滑構造。
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