JP2006176676A - 樹脂組成物およびその成形体 - Google Patents

樹脂組成物およびその成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】 ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物で、成形品の耐熱性、耐衝撃性、引っ張り物性などの優れた特性を常に均一に発現できる樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 (A)下記一般式(1)
【化1】

(式中、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子又は全炭素数1〜20の炭化水素基を表す。)
で示される構造単位を有するポリフェニレンエーテルと、(B)該ポリフェニレンエーテルと反応性を有する官能基を持った共重合体を溶融混練してなるポリフェニレンエーテル系樹脂組成物であって、成分(A)が連続相であり、連続相中に分散したドメインの中に平均粒子径が5nm〜50nmのポリマー微粒子が存在し、かつ、該ポリマー微粒子の体積が、ドメイン体積の2%以上である樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐衝撃性、引っ張り物性、耐熱性などに優れた組成物およびその成形体に関するものである。
ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミドなどの所謂スーパーエンジニアリングプラスチックは優れた耐熱性、機械的性質、電気絶縁性を有することから、工業的に広く用いられている。しかしながら、これらのプラスチックは誘電性が高すぎる場合があり、また非常に高価であり、そのためにその用途が限定されることがあった。
一方、エンジニアリングプラスチックの一種であるポリフェニレンエーテルは、優れた耐熱性、電気絶縁性を有すると共に、上記のポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミドなどに比べて低誘電率であり、しかも比較的安価であるという特徴を有するが、成形加工性が極めて悪いという問題があった。
例えば、ポリフェニレンエーテルと、オレフィン−グリシジルメタクリレート共重合体などとからなる組成物を、プレス成形し耐衝撃性に優れた組成物を得ることが知られているが、耐衝撃性は十分なものではなく、耐熱性、引っ張り強度については記載がない(例えば、特許文献1参照)。
また、ポリアリーレンエーテルにエポキシ基含有共重合体からなる組成物のプレス成形体が、耐衝撃性、引っ張り特性に優れていることが示されているが、耐熱性の記載はなく、耐衝撃性、引っ張り特性も不十分なものであった(例えば、特許文献2参照)。
さらに、特定のポリフェニレンエーテルとエポキシ基含有エチレン共重合体からなる組成物が優れた耐熱性、機械的性質を示すこと(例えば、特許文献3参照)、また、ポリフェニレンエーテルと、ポリフェニレンエーテルと反応性を有する官能基を持った共重合体とからなる樹脂組成物を用いてなるフィルム類に関して(例えば、特許文献4参照)などが記載されている。
特開昭57−108153号公報 特開昭58−225150号公報 特開平7−102169号公報 特開2002−319316号公報
しかしながら、かかるポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、用途によっては、成形品の耐熱性、耐衝撃性、引っ張り物性などのいずれかが不十分な場合があり、また、同一の原料、組成比の樹脂組成物であっても、得られた物性値が大きく異なる場合があり、品質管理上の大きな問題ともなっていた。本発明は、市場において要求される高い耐衝撃性、引っ張り物性、耐熱性などの特性を常に発現するポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、(A)ポリフェニレンエーテルと、(B)ポリフェニレンエーテルと反応性を有する官能基を持った共重合体を含む樹脂組成物では、高い耐衝撃性、引っ張り物性、耐熱性などを発現するのは、その形態(微細構造)に基づくものであることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、
(1) (A)下記一般式(1)
(式中、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子又は置換基を有することもある全炭素数1〜20の炭化水素を表す。)
で示される構造単位を有するポリフェニレンエーテルと、(B)該ポリフェニレンエーテルと反応性を有する官能基を持った共重合体であり、しかも成分(A)が連続相であり、連続相中にドメインが分散し、しかも該ドメイン中に平均粒子径が50nm以下、5nm以上のポリマー微粒子が存在し、かつ、該ポリマー微粒子の体積が、ドメイン体積の2%以上であることを特徴とする樹脂組成物、
(2)前記ポリフェニレンエーテルと反応性を有する官能基を持った共重合体(B)における官能基が、エポキシ基である(1)に記載の樹脂組成物、
(3)前記共重合体(B)が、不飽和カルボン酸グリシジルエステル単位および/または不飽和グリシジルエーテル単位を0.1〜30質量%含有する共重合体である(1)または(2)に記載の樹脂組成物、
(4)前記エポキシ基を有する共重合体が、(メタ)アクリル酸エステル−エチレン−(不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和グリシジルエーテル)共重合体ゴムからなることを特徴とする(2)に記載の樹脂組成物、
(5)前記共重合体(B)が、(a)エチレン単位を60〜99質量%、(b)不飽和カルボン酸グリシジルエステル単位および/または不飽和グリシジルエーテル単位を0.1〜20質量%、(c)エチレン系不飽和エステル化合物単位を0〜40質量%からなるエポキシ基含有エチレン共重合体であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の樹脂組成物、
(6)上記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の脂樹脂組成物から射出成形法、ブロー成形法、押出し成形法、圧縮成形法のいずれかの方法により製造されたことを特徴とする成形体、および、
(7)上記(6)に記載の成形体の形状が、自動車部品、電気・電子部品、電送部品、モバイル機器部品、ハウジング材、自動車外板部材、ボトルまたは容器、チューブ、フィルムまたはパイプのいずれかである成形体、
を提供するものである。
本発明によれば、安価で、耐熱性、耐衝撃性、引っ張り特性等共に優れたポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を得ることができる。得られた組成物は、射出成形品、フィルム類、ブロー成形品、プレス成形品、容器、チューブ、ボトルなどとして、産業界において幅ひろく適用することができる。
本発明の樹脂組成物およびその成形体の好ましい実施の形態について、詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物中の(A)成分であるポリフェニレンエーテルは、前記一般式(1)の構造単位を有する重合体であり、該重合体は一般式(1)の構造単位を2種以上有するものでもよい。
一般式(1)において、RおよびRは、それぞれ独立に水素又は置換基を有していてもよい全炭素数1〜20の炭化水素を表す。その置換基を有していてもよい全炭素数1〜20の炭化水素としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基等の全炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基、4−メチルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等の全炭素数6〜20のアリール基、ベンジル基、2−フェニルエチル基、1−フェニルエチル基等の全炭素数7〜20のアラルキル基、トリフルオロメチル基、2−t−ブ゛チルオキシエチル基、3−ジフェニルアミノプロピル基等の置換基を有する全炭素数1〜20の炭化水素基などが挙げられる。
なかでも、R、Rは、水素、メチル基などであることが好ましく、とりわけ水素であることが好ましい。
(A)成分であるポリフェニレンエーテルは、前記一般式の構造単位を有する単独重合体であっても、前記一般式(1)以外に、一般式(1)に対応するフェノール化合物以外のフェノール化合物である単量体から誘導される構造単位を有する共重合体であってもよい。このようなフェノール化合物としては、例えば、多価ヒドロキシ芳香族化合物(例えばビスフェノール−A,テトラブロモビスフェノール−A,レゾルシン、ハイドロキノン、ノボラック樹脂)が挙げられる。
かかる共重合体においては、一般式(1)の構造単位を80モル%以上含むことが好ましく、90モル%以上含むことがより好ましい。
成分(A)のポリフェニレンエーテルは、例えば、下記一般式(2)
(式中、RおよびRは前記と同じ意味を有する。)
で示されるフェノール化合物の少なくとも1種から誘導し得る。
また、本発明における成分(A)の固有粘度[η] (25℃、クロロホルム溶液)は、0.30〜0.65の範囲が好ましく、0.35〜0.50がさらに好ましい。[η]が0.30未満では、組成物の耐熱性が低下する傾向にあり、また、[η]が0.65を超えると組成物の成形加工性が低下する傾向にある。
本発明は、上記のような成分(A)のポリフェニレンエーテルと、成分(B)の該ポリフェニレンエーテルと反応性を有する官能基を持った共重合体からなる樹脂組成物に関するものであるが、該ポリフェニレンエーテルと反応性を有する官能基としては、成分(A)と反応性を有しておればよく、例えば、オキサゾリル基、エポキシ基、アミノ基等が挙げられる。好ましくはエポキシ基である。エポキシ基等は他の官能基の一部として存在していてもよく、そのような例としては例えばグリシジル基が挙げられる。
成分(B)の共重合体において、このような官能基を共重合体中に導入する方法としては特に限定されるものではなく、通常の方法で行うことができる。例えば共重合体の合成段階で、該官能基を有する単量体を共重合により導入することも可能であるし、共重合体に該官能基を有する単量体をグラフト共重合することも可能である。
かかる官能基を有する単量体としては、とりわけグリシジル基を含有する単量体が好ましく使用される。グリシジル基を含有する単量体としては、例えば下記一般式
で示される不飽和カルボン酸グリシジルエステル、不飽和グリシジルエーテルが好ましく用いられる。
ここで、不飽和カルボン酸グリシジルエステルの具体例としては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、イタコン酸ジグリシジルエステル、ブテントリカルボン酸トリグリシジルエステル、p−スチレンカルボン酸グリシジルエステルなどを挙げることができる。
不飽和グリシジルエーテルとしては、例えば、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、メタクリルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエーテル等が例示される。
具体的には、不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和グリシジルエーテルが好ましく用いられる。
上記のポリフェニレンエーテルと反応性を有する官能基を持った共重合体(B)は、かかる不飽和カルボン酸グリシジルエステル単位および/または不飽和グリシジルエーテル単位を0.1〜20質量%含有することが好ましい。
さらに共重合体(B)としては、本発明の樹脂組成物により製造される成形品の熱安定性や柔軟性を良好にするために、その結晶の融解熱量が3J/g未満の共重合体であることが好ましく、また、共重合(B)のムーニー粘度が3〜70のものが好ましく、3〜30のものがさらに好ましく、4〜25のものが特に好ましい。
ここでいうムーニー粘度は、JIS K6300に準じて100℃でラージローターを用いて測定した値をいう。
また、上記のポリフェニレンエーテルと反応性を有する官能基を持った共重合体(B)は、ゴムであっても熱可塑性樹脂であっても良いし、ゴムと熱可塑性樹脂の混合物であっても良い。
上述の官能基をゴム中に導入する方法としては、特に限定されるものではなく、公知の方法で行うことができる。例えばゴムの合成段階で、該官能基を有する単量体を共重合により導入することも可能であるし、ゴムに該官能基を有する単量体をグラフト共重合することも可能である。
ポリフェニレンエーテルと反応性を有する官能基を持つ共重合体(B)の具体例としてのエポキシ基を有するゴムとしては、(メタ)アクリル酸エステル−エチレン−(不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和グリシジルエーテル)共重合体ゴム等を挙げることができる。
ここで(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸またはメタクリル酸とアルコールから得られるエステルである。アルコールとしては、炭素原子数1〜8のアルコールが好ましい。(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートなどを挙げることができる。なお、(メタ)アクリル酸エステルとしては、その一種を単独で使用してもよく、または二種以上を併用してもよい。
上記(B)成分である共重合体ゴムは、成形して得られるフィルムまたはシートの熱安定性や機械的性質を向上させるために、(メタ)アクリル酸エステル単位が40質量%をこえ96質量%未満、さらに好ましくは45〜70質量%、エチレン単位が3質量%以上50質量%未満、さらに好ましくは10〜49質量%、不飽和カルボン酸グリシジルエーテル単位および/または不飽和グリシジルエーテル単位が0.1〜30質量%、さらに好ましくは0.1〜20質量%を含むものである。
該共重合体ゴムは、通常の方法、例えばフリーラジカル開始剤による塊状重合、乳化重合、溶液重合などによって製造することができる。なお、代表的な重合方法は、例えばフリーラジカルを生成する重合開始剤の存在下、圧力500kg/cm以上、温度40〜300℃の条件により製造することができる(例えば、特開昭48−11388号公報、特開昭61−127709号公報など参照)。
本発明の成分(B)としてのゴムとして他には、ポリフェニレンエーテルと反応性を有する官能基を持つアクリルゴムや、ポリフェニレンエーテルと反応性を有する官能基を持つビニル芳香族炭化水素化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体ゴムも例示することができる。
ここでいうアクリルゴムとして好ましくは、一般式(3)〜(5)
CH=CH−C(O)−OR (3)
CH=CH−C(O)−OROR (4)
CH=CRH−C(O)−O(R(C(O)O) (5)
(式中、Rは炭素原子数1〜18のアルキル基またはシアノアルキル基を示す。Rは炭素原子数1〜12のアルキレン基を、Rは炭素原子数1〜12のアルキル基を示す。Rは水素原子またはメチル基、Rは、炭素原子数3〜30のアルキレン基、Rは炭素原子数1〜20のアルキル基またはその誘導体、nは1〜20の整数を示す。)
で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の単量体を成分とするものである。
上記一般式(3)で表されるアクリル酸アルキルエステルの具体例としては、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、アクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリレート、ドデシルアクリレート、シアノエチルアクリレートなどを挙げることができる。
また、上記一般式(4)で表されるアクリル酸アルコキシアルキルエステルとしては、例えばメトキシエチルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、エトキシプロピルアクリレートなどを挙げることができる。
これらの1種あるいは2種以上を該アクリルゴムの成分として用いることができる。
かかるアクリルゴムの構成成分として、必要に応じて上記の一般式(3)〜(5)で表される化合物から選ばれる少なくとも一種の単量体と共重合可能な不飽和単量体を用いることができる。
このような不飽和単量体の例としては、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、ハロゲン化スチレン、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、ビニルナフタレン、N−メチロールアクリルアミド、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ベンジルアクリレート、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸などが挙げられる。
ポリフェニレンエーテルと反応性を有する官能基を持つアクリルゴムの好ましい構成成分比は、上記の一般式(3)〜(5)で表される化合物から選ばれる少なくとも一種の単量体40.0〜99.9質量%、不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和グリシジルエーテル0.1〜30質量%、好ましくは0.1〜20質量%、上記の一般式(3)〜(5)で表される化合物から選ばれる少なくとも一種の単量体と共重合可能な不飽和単量体0.0〜30質量%である。
該アクリルゴムの構成成分比が上記の範囲内であると、組成物の耐熱性や耐衝撃性、成形加工性が良好であり好ましい。
上記アクリルゴムの製法は特に限定するものではなく、例えば特開昭59−113010号公報、特開昭62−64809号公報、特開平3−160008号公報、あるいはWO95/04764などに記載されているような周知の重合法を用いることができ、ラジカル開始剤の存在下で乳化重合、懸濁重合、溶液重合あるいはバルク重合で製造することができる。
また前記ビニル芳香族炭化水素化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体ゴムとしては、ビニル芳香族炭化水素化合物を主体とする構成単位と共役ジエン化合物を主体とする構成単位からなるブロック共重合体をエポキシ化して得られるゴム、または該ブロック共重合体の水添物をエポキシ化して得られるゴム等が挙げられる。
ここで芳香族炭化水素化合物としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルナフタレンなどを挙げることができ、中でもスチレンが好ましい。
共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエンなどを挙げることができ、ブタジエンまたはイソプレンが好ましい。
かかるビニル芳香族炭化水素化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体あるいはその水添物は、周知の方法で製造することができ、例えば、特公昭40−23798号公報、特開昭59−133203号公報等に記載されている。
本発明に用いる共重合体(B)としてのゴムは、必要に応じて加硫を行い、加硫ゴムとして用いることができる。
上記の(メタ)アクリル酸エステル−エチレン−(不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和グリシジルエーテル)共重合体ゴムの加硫は、多官能性有機酸、多官能性アミン化合物、イミダゾール化合物などを用いることで達成されるが、これらに限定されるものではない。
一方、ポリフェニレンエーテルと反応性を有する官能基を持つ共重合体(B)の具体例としてのエポキシ基を有する熱可塑性樹脂としては、(a)エチレン単位が60〜99質量%、(b)不飽和カルボン酸グリシジルエステル単位および/または不飽和グリシジルエーテル単位が0.1〜20質量%、(c)エチレン系不飽和エステル化合物単位が0〜40質量%からなるエポキシ基含有エチレン共重合体を挙げることができる。
ここでエチレン系不飽和エステル化合物(c)としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等のカルボン酸ビニルエステル、α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル等が挙げられる。特に酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルが好ましい。
該エポキシ基含有エチレン共重合体としては、たとえばエチレン単位とグリシジルメタクリレート単位からなる共重合体、エチレン単位とグリシジルメタクリレート単位およびアクリル酸メチル単位からなる共重合体、エチレン単位とグリシジルメタクリレート単位およびアクリル酸エチル単位からなる共重合体、エチレン単位とグリシジルメタクリレート単位および酢酸ビニル単位からなる共重合体等が挙げられる。
該エポキシ基含有エチレン共重合体のメルトインデックス(JIS K6760、190℃、2.16kg荷重、以下MFRということがある)は、好ましくは0.5〜100g/10分、更に好ましくは2〜50g/10分である。メルトインデックスはこの範囲外であってもよいが、メルトインデックスが100g/10分を越えると組成物にした時の機械的物性の点で好ましくなく、0.5g/10分未満では(A)成分との相溶性が劣り好ましくない。
該エポキシ基含有エチレン共重合体は、曲げ剛性率が10〜1300kg/cmの範囲のものが好ましく、20〜1100kg/cmのものがさらに好ましい。
曲げ剛性率がこの範囲外であると組成物の成形加工性や機械的性質が不十分となる場合があり好ましくない。
該エポキシ基含有エチレン共重合体は、通常不飽和エポキシ化合物とエチレンをラジカル発生剤の存在下、500〜4000気圧、100〜300℃で適当な溶媒や連鎖移動剤の存在下または不存在下に共重合させる高圧ラジカル重合法により製造される。また、ポリエチレンに不飽和エポキシ化合物およびラジカル発生剤を混合し、押出機の中で溶融グラフト共重合させる方法によっても製造し得る。
本発明における樹脂組成物は、溶融混練後の樹脂形態(微細構造)を見ると、成分(A)が連続相を構成している。そして、成分(B)は、その連続相中にドメインとして分散している。
かかる形態の樹脂組成物の組成は、(A)成分と(B)成分との比が、(A)成分99〜40質量%、好ましくは、99〜55質量%、(B)成分1〜60質量%、好ましくは1〜45質量%のものである。(A)成分が多すぎると、樹脂組成物の成形加工性が低下の傾向にある。また成分(A)が少なすぎると、該樹脂組成物の耐熱性などが著しく低下する傾向にある。
本発明における樹脂組成物においては、連続相中に分散したドメイン中にポリマー微粒子が存在し、それら微粒子の平均粒子径が50nm以下、5nm以上であることを特徴とする。
本発明における樹脂組成物の形態(微細構造)を確認する方法は、特に限定するものではなく、周知の方法によって、樹脂組成物の形態(微細構造)を知ることができる。
その方法は、例えば、透過型電子顕微鏡、走査型電子顕微鏡、プローブ顕微鏡などを使用して樹脂組成物の形態(微細構造)を知ることができるが、透過型電子顕微鏡を使用するのが好ましい。
透過型電子顕微鏡を使用して本発明における樹脂組成物を観察するには、酸化ルテニウム、酸化オスミウムなどで樹脂組成物を染色処理したのち、ミクロトームを使用して該樹脂組成物の超薄切片、例えば厚さ0.1μm程度を作製して、透過型電子顕微鏡観察に供するのが適当な方法である。
かかる透過型電子顕微鏡法により観察すると、本発明における樹脂組成物の形態は、染色程度の非常に弱いポリフェニレンエーテル(PPE)から成る連続相、連続相よりは強く染色されている例えば径が0.01〜10μm程度の主に(B)成分からなるドメイン、連続相とドメインとの境界に染色された界面層などを認めることができ、さらに該ドメイン中にポリマー微粒子の存在を観察することができる。
本発明の樹脂組成物の物性は、その含まれるドメイン体積とドメイン中に存在する微粒子体積の割合にも左右されるものである。
本発明においては、ドメイン体積に対するドメイン中に存在するポリマー微粒子の体積割合が2%以上であることが好ましく、4%以上であることがさらに好ましい。その体積割合は、多くても90%程度である。
ここで、ドメイン体積に対するポリマー微粒子の体積の割合は、形態(微細構造)観察における、
(ドメイン断面におけるポリマー微粒子の全断面積)/(界面層を除く、ドメインの全断面積)として求めたものをいう。
なお、体積比を面積比で求めるのは、面積比で求めても樹脂組成物の物性との間に格別の矛盾が無く、また、面積比は体積比より簡易に測定できるので、体積比を前記のようにした。そして、これらの面積又は面積比は、前述のように透過型電子顕微鏡、走査型電子顕微鏡、プローブ顕微鏡等を使用して容易に求めることができる。
ドメイン中に存在するポリマー微粒子の体積割合がドメイン体積の上記割合に満たない量しか認められない場合には、樹脂組成物の耐衝撃性、引っ張り物性、耐熱性などが不十分である。
本発明において、ドメイン中のポリマー微粒子の生成機構は、必ずしも明らかではないが、押出し機中で、溶融し、混練している成分(A)と成分(B)との間で生じる反応あるいは相互作用に起因するものと考えられる。
本発明におけるポリマー微粒子のドメイン中での体積割合を2%以上にするためには、押し出し機中で、溶融した樹脂成分に強いせん断が付加されること、長い時間溶融混練を行うこと、成分間の反応、あるいは相互作用が強いものであること、のいずれか、あるいは、それらの2つ以上の条件が必要である。
従来知られていた、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の耐熱性、耐衝撃性、引っ張り強度、伸び率などの一部、あるいは全部が不十分な値であったのは、組成物中でかかるポリマー微粒子の量が組成物のドメイン体積の上記の量に達していなかったためと考えられる。
本発明における樹脂組成物を製造する適当な方法は溶融状態で各成分を混練(溶融混練)する方法である。
溶融混練により本発明における組成物を得るには、一軸または二軸の押出機、各種のニーダー等の混練装置を用いることができるが、二軸の押出機が好ましい。溶融混練に際しては、混練装置のL/D(スクリューの長さと径の比)は30以上が好ましく、40以上がさらに好ましい。この時樹脂に負荷される圧力は、0.6MPa以上が好ましく、0.8MPa以上がさらに好ましい。
溶融混練に際しては、混練装置のシリンダー設定温度は、200〜340℃の範囲が好ましく、220〜320℃の範囲がさらに好ましく、250〜310℃の範囲が特に好ましい。
溶融混練に際しては、混練する各成分は予めタンブラーもしくはヘンシェルミキサーのような装置で各成分を均一に混合した後、混練装置に供給してもよいし、各成分を混練装置にそれぞれ別個に定量供給する方法も用いることができる。
本発明に用いる樹脂組成物は、必要に応じて、有機充填剤、無機充填剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、滑剤、無機または有機系着色剤、防錆剤、架橋剤、発泡剤、蛍光剤、表面平滑剤、表面光沢改良剤、フッ素樹脂などの離型改良剤などの各種の添加剤を含有していてもよい。
本発明においては、上記の樹脂組成物を、押出し成形、射出成形、回転成形、圧縮成形、吹込成形、ブロー成形、トランスファー成形、プレス成形、溶液キャスト法等の各種成形方法によって所望の形状に成形することができる。
本発明における、樹脂組成物を用いた成形体の形状としては、フィルム類(フィルム、シート等)、板、フィラメント、不織布、織布、管、チューブ、パイプ、容器、ボトル、異形品、家電製品部品、電気・電子部品、モバイル機器部品、電送部品、自動車部品(バンパー、インスツルメント等)、自動車外板部材、ハウジング材等があげられる。
上記の樹脂組成物を成形してフィルム類を得るには、例えば、押出し成形法を採用でき、具体的には、上記の樹脂組成物をダイ(口金)を備えた押出し機に供給する方法を使用できる。
フィルム類の製造に用いるダイとしては、Tダイ、円筒スリットのダイが好ましく用いられる。また、キャスト法や熱プレス法なども、フィルム類の製造に適用することができる(例えば、特開2002−319316号公報参照)。
また、上記の樹脂組成物を成形して容器などの中空成形体を得るには、例えば、ブロー成形法を採用でき、具体的には、ブロー成形機を使用して、上記樹脂組成物に、空気、水などの流体圧力を吹き込んで、金型内へ密着させる方法を使用できる。
また、上記の樹脂組成物を成形して管、チューブを得るには、例えば、押し出し成形法を採用でき、具体的には、チューブ成形機を使用して、上記樹脂組成物を、押出し機からチューブダイへ溶融押し出しする方法を使用できる。
また、上記の樹脂組成物を成形してフィラメントを得るには、前記樹脂組成物を、押出し機によってストランドダイへ溶融押し出ししたのち、高速で巻き取る方法を使用できる。
さらに、上記の樹脂組成物を射出成形して、成形体を得るには、射出成形機を使用して、溶融した上記樹脂組成物を押出し機から金型中へ高圧で注入する方法を使用できる。
本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物成形体の製造方法においては、前記一次成形体を、(Tg−40)[℃]以上(Tg+50)[℃]以下の範囲で熱処理することをもできる。ここにTg[℃]は該樹脂組成物のガラス転移温度を意味する。
熱処理の温度は、(Tg−40)[℃]以上(Tg+50)[℃]以下であり、(Tg−30)[℃]以上(Tg+30)[℃]以下であることがさらに好ましい。熱処理温度が高すぎると、一次成形体の熱による変形が著しくなり、また、熱処理温度が低すぎると、本発明の効果が少ない
尚、本発明に使用する樹脂組成物のTgは通常、熱機械分析(thermomechanical analysis)により求めることができる。
熱処理の雰囲気は、空気中でも良いし、窒素やアルゴンの如き、不活性気体中であってもよい。
熱処理は例えば、乾燥炉、ヒーターを備えた乾燥器などの中で行うことができる。なかでも、熱風循環型の乾燥器内で熱処理することが好ましい。また熱処理は、回分式で行ってもよいし連続式で行ってもよい。
熱処理の時間は特に規定するものではないが、該成形体の用途、熱処理温度に応じて適宜決めることができるが、通常は1〜48時間程度であり、1〜24時間が好ましい。
上記のポリフェニレンエーテル(A)と、上記の共重合体(B)を用いてなる成形体を熱処理した後の成形体は、以下の条件で測定された質量減少率Xが70%以下であることを特徴とする。
X=(Ma−Mb)×100/Ma
( Ma: 成形体から切り出した試験片の質量、 Mb:試験片を25±2℃で
四塩化炭素中に120時間浸漬して取り出して乾燥した後の試験片の質量)
次に、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下の各実施例および比較例に用いた樹脂組成物を構成する各樹脂成分は、以下のとおりである。
[樹脂組成物]
成分(A)
成分(A)として、三菱ガス化学(株)製、ポリフェニレンエーテル、PX−10 0F([η]=0.4)を使用した。
成分(B)
成分(B)として、住友化学工業(株)製、ボンドファースト7L(エチレン/グ リシジルメタクリレート/アクリル酸メチル=67/3/30 質量比、MFR( 190℃)=9g/10min)を使用した。
各実施例および比較例で得られた試験片の物性の測定は、次のように行った。
[物性測定]
(i) アイゾット衝撃強度
樹脂試験片を短冊状に切り出し、ノッチを入れた後、JIS K−7110に準
拠してアイゾット衝撃強度の測定を行なった。
(ii) 引っ張り強度、伸び率
島津製作所(株)製オートグラフA−10TD型を使用して、JIS K−71 61に準拠して、室温で、引っ張り速度5mm/minで引っ張り試験を行い、 試料破断時の引っ張り強度、および伸び率を求めた。
(iii) 荷重たわみ温度(HDT)
樹脂試験片を、短冊状に切り出し、JIS K−7191に準拠して、18.5
Kg荷重で、試験片が一定たわみに達する温度を測定した。
[実施例1]
上記した成分(A)を、120℃で8時間乾燥し、成分(B)を60℃で4時間真空乾燥した後、成分(A)/成分(B)=95/5(質量比)の割合で良く混合したのち、ベルストルフ二軸押出し機、ZE40A(スクリュー径 40mm,スクリュー長 1340mm, L/D=33.5)を使用し、シリンダー設定温度290℃、スクリュー回転数150rpmで、ベントで脱気しながら溶融混練を行なった。
樹脂の供給量は10kg/h、樹脂圧力は1.8〜1.9MPaであった。
このような溶融混練により、外観薄茶色で、平滑で艶のあるストランドが得られた。
得られた組成物のペレットを、次に、新潟鉄工所(株)製射出成形機 NIIGATA NN75を使用し、シリンダー設定温度295℃、金型温度90℃、射出圧力1630Kg/cm、押出し機のスクリュー回転数 50rpmで射出成形を行なった。なお、金型には175mm長、3.2mm厚、くびれ部12.5mm幅のダンベル形状金型を用いた。かかる射出成形により得られた試験片を上記した物性測定法により測定した結果は表1に示す通りである。
また、このダンベル形状の樹脂組成物の射出成形体を、酸化ルテニウムで染色処理した後、ミクロトームを使用し厚さ約0.1μmの超薄切片を作製した。この射出成形体断面の透過型電子顕微鏡写真は、図1に示すとおりである。図中のスケールは100nmである。この写真からポリフェニレンエーテルの連続相中に、輪郭が黒く染色された界面層と、灰色に染色されたドメインが見られ、該ドメイン中に平均粒子径約10nmのポリマー微粒子が認められ、その量は、透過型電子顕微鏡写真における面積比から測定すると、ドメインの5%を越えるものであった。
[比較例1]
上記成分(A)を、120℃で4時間乾燥し、成分(B)を60℃で4時間真空乾燥した後、成分(A)/成分(B)=95/5(質量比)の割合で良く混合したのち、(株)東洋精機製作所製一軸押出し機、D2010型(スクリュー径 20mm,L/D=10)を使用し、シリンダー設定温度295℃、スクリュー回転数80rpmで、溶融混練を行なった。樹脂の供給量は3kg/h、樹脂圧力は0.2〜0.3MPaであった。
得られた組成物のペレットを、新潟鉄工所(株)製射出成形機 NIIGATA NN75を使用し、シリンダー設定温度295℃、金型温度90℃、射出圧力1630Kg/cm、押出し機のスクリュー回転数 50rpmで射出成形を行なった。なお、金型には175mm長、3.2mm厚、くびれ部12.5mm幅のダンベル形状金型を用いた。かかる射出成形により得られた試験片の物性測定結果は表1に示す通りである。
また、実施例1と同様にして得られたその試験片の断面の透過型電子顕微鏡写真は、図2に示すとおりである。図中のスケールバーは100nmである。この写真からポリフェニレンエーテルの連続相中に、輪郭が黒く染色された界面層と、灰色に染色されたドメインが見られ、該ドメイン内にポリマー微粒子が認められるが、平均粒径は5nm未満であり、その量は実施例1と同様に測定して、ドメインの1%未満であった。
[比較例2]
実施例1と同様の樹脂成分を同じようにして、成分(A)/成分(B)=95/5(質量比)の割合で良く混合したのち、ベルストルフ二軸押出し機、ZE40A(スクリュー径 40mm,スクリュー長 1340mm,L/D=33.5)を使用し、シリンダー設定温度290℃、スクリュー回転数150rpmで、溶融混練を行ない、スクリュー根元から約550mmの距離にあるベント口から溶融樹脂を抜き出した。樹脂の供給量は、4kg/h、樹脂圧力は0.3〜0.5MPaであった。
抜き出した樹脂を実施例1と同様にして射出成形を行った。
樹脂組成物のドメイン中の微粒子量とかかる射出成形により得られた試験片の物性測定の結果は表1に示す通りである。
表1の結果から、ポリマー微粒子量が5%を越える本発明のものは、その量が1%に満たないものに比べ、耐衝撃性や伸び率は格段に優れ、耐熱性、引っ張り特性ともに優れたものであることが理解できる。
実施例1の樹脂組成物の断面の透過型電子顕微鏡写真である。 比較例1の樹脂組成物の断面の透過型電子顕微鏡写真である。

Claims (7)

  1. (A)下記一般式(1)
    (式中、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子又は置換基を有することもある全炭素数1〜20の炭化水素基を表す。)
    で示される構造単位を有するポリフェニレンエーテルと、(B)該ポリフェニレンエーテルと反応性を有する官能基を持った共重合体を溶融混練してなるポリフェニレンエーテル系樹脂組成物であって、成分(A)が連続相であり、連続相中に分散したドメインの中に平均粒子径が50nm以下、5nm以上のポリマー微粒子が存在し、かつ、該ポリマー微粒子の体積が、ドメイン体積の2%以上であることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 前記ポリフェニレンエーテルと反応性を有する官能基を持った共重合体(B)における官能基が、エポキシ基である請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記共重合体(B)が、不飽和カルボン酸グリシジルエステル単位および/または不飽和グリシジルエーテル単位を0.1〜30質量%含有する共重合体である請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記エポキシ基を有する共重合体が、(メタ)アクリル酸エステル−エチレン−(不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和グリシジルエーテル)共重合体ゴムからなることを特徴とする請求項2に記載の樹脂組成物。
  5. 前記共重合体(B)が、(a)エチレン単位を60〜99質量%、(b)不飽和カルボン酸グリシジルエステル単位および/または不飽和グリシジルエーテル単位を0.1〜20質量%、(c)エチレン系不飽和エステル化合物単位を0〜40質量%からなるエポキシ基含有エチレン共重合体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の脂樹脂組成物から射出成形法、ブロー成形法、押出し成形法、圧縮成形法のいずれかの方法により製造されたことを特徴とする成形体。
  7. 請求項6に記載の成形体の形状が、自動車部品、電気・電子部品、電送部品、モバイル機器部品、ハウジング材、自動車外板部材、ボトルまたは容器、チューブ、フィルムまたはパイプのいずれかである成形体。
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