JP2006176418A - 経口投与用カルバペネム化合物の製造方法と新規β−ラクタム化合物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は経口投与用1β−メチルカルバペネム化合物の効率的かつ極めて有用な製造方法と新規β−ラクタム化合物に関する。
1β−メチルカルバペネム化合物は広範囲の病原菌に対して優れた抗菌作用を示し、かつ生体内での安定性にも優れていることから最も注目されている抗菌剤のひとつである。そのため、近年、経口投与用薬剤の研究開発が精力的に進められている。経口投与用1β−メチルカルバペネム化合物の製造方法としては、現在、以下のような方法が一般的に用いられている。
例えば、式(9):
上記式(12)で表される化合物としては、例えば、式(13):
しかしながら、これらの製造方法では経口投与用1β−メチルカルバペネム化合物を合成するのに、カルボン酸保護基の付け換えを必要とし、多段階の反応を経る必要があるため非効率的であり、また、最終物のチオール残基となる高価なチオール化合物を合成初期段階で用いることから、製造コスト面で不利となり、問題となっていた。
また、式(16):
また、下記スキーム1に示すような経口投与用1β−メチルカルバペネム化合物の製造方法が報告されている(特許文献6)。しかしながら、本製造方法では、先述したようなカルボン酸保護基の付け替えは必要としないが、多段階の反応を経る必要があり必ずしも効率的であるとは言えず、経口投与用1β−メチルカルバペネム化合物の製造方法として満足できるものではなかった。
スキーム1:
スキーム1:
近年、研究開発が精力的に進められている経口投与用1β−メチルカルバペネム化合物としては、おもに一般式(19):
経口投与用薬剤を開発するに際して、消化管吸収性が高いことが望まれており、消化管吸収性を比較する数値として、Cmax(最高血中濃度)、及びAUC(血中濃度曲線下面積)が一般的に用いられている。前記式(19)で表される化合物群のひとつとして式(13):
一般式(19):
しかしながら、消化管吸収性に優れており、将来、経口投与用薬剤としての開発がおおいに期待されている、一般式(20):
上記現状を鑑み、本発明者らは経口投与用1β−メチルカルバペネム合成において最終段階にて一段でチオール化合物が導入できるような製造方法の開発に関して鋭意検討した結果、本発明に至った。
即ち、本発明は、一般式(1):
また、本発明は上記のようにして製造された化合物(3)の水酸基部位の脱保護を行うことを特徴とする、一般式(4):
本発明により、近年活発に研究開発がなされている種々の経口投与用1β−メチルカルバペネム化合物の効率的な合成を可能とする合成前駆体として、新規なβ−ラクタム化合物(1)および(3)が提供され、種々の経口投与用1β−メチルカルバペネム化合物が効率的かつ容易に合成でき、本発明は工業的に有用なものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、一般式(1):
本発明のβ−ラクタム化合物の製造方法により製造された前記式(3)で表される化合物は、水酸基部位の脱保護を行って、一般式(4):
まず、各化合物における置換基について説明する。前記式(2)及び(3)において水酸基の保護基R1はトリメチルシリル基またはトリエチルシリル基を示す。置換基R1がトリメチルシリル基またはトリエチルシリル基である化合物(3)からは、置換基R5がトリメチルシリル基またはトリエチルシリル基である化合物(8)が生成する。この場合、生成物として得られる置換基R5がトリメチルシリル基またはトリエチルシリル基である化合物(8)は、容易に水酸基を脱保護することが可能であり、置換基R5が水素原子である化合物(8)を得ることができる。置換基R1は、生成物として得られる置換基R5がトリメチルシリル基またはトリエチルシリル基である化合物(8)の脱保護反応に対して、化合物中の他の官能基部分を極力分解させることなく、穏和な反応条件にて除去できるものとして選定されており、本発明者が鋭意検討の結果見出したものである。脱保護を容易なものとするため、置換基R1はトリメチルシリル基またはトリエチルシリル基である必要があり、トリメチルシリル基が特に好ましい。
前記式(1)、(2)及び(5)において、チオール残基であるR2はアリール基またはヘテロアリール基を示し、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;ニトロ基、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基等により置換されていてもよい。アリール基としては、例えば、フェニル基、1〜3個の塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子で置換されたハロゲノフェニル基、p−ニトロフェニル基、o−ニトロフェニル基、p−メトキシフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が挙げられる。ヘテロアリール基としては、例えば、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−ピリミジル基、2−(4,6−ジメチル)ピリミジル基、2−ベンゾチアゾリル基、2−ベンゾイミダゾリル基、2−ベンゾオキサゾリル基、2−チエニル基等が挙げられる。R2としては、アリール基が好ましく、入手の容易さ、経済性、反応性等からフェニル基、ハロゲノフェニル基がより好ましく、ハロゲノフェニル基としては、p−クロロフェニル基が好ましい。
前記式(1)、(2)、(3)、(4)、(6)及び(8)において、置換基R3及び置換基R4は最終的に経口投与用1β−メチルカルバペネム化合物として開発されうる化合物中のカルボン酸エステル残基のアルキルオキシカルボニルオキシアルキル基部位に含まれてくるものである。置換基R3は炭素数1〜10のアルキル基または炭素数3〜10のシクロアルキル基を示す。炭素数1〜10のアルキル基の例としてはメチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1−エチルプロピル基、ノルマルヘキシル基、ノルマルオクチル基、ノルマルデシル基等が挙げられる。炭素数3〜10のシクロアルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としてはメチル基、エチル基等の炭素数1〜4のアルキル基等が挙げられる。炭素数3〜10のシクロアルキル基の例としては、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基等が挙げられる。置換基R3としては、なかでも経口投与用カルバペネム化合物の開発でよく使用される、エチル基、1−エチルプロピル基、シクロヘキシル基が特に好ましい。
置換基R4は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示す。炭素数1〜4のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。置換基R4としては、なかでも経口投与用カルバペネム化合物の開発でよく使用される水素原子、メチル基が特に好ましい。
置換基R5は、水素原子、トリメチルシリル基またはトリエチルシリル基を示し、上述したように、置換基R5がトリメチルシリル基またはトリエチルシリル基である場合には、必要に応じて脱保護を行うことにより、容易に経口投与用1β−メチルカルバペネム化合物を得ることができる。
置換基R6は有機基を示し、最終的に経口投与用1β−メチルカルバペネム化合物として開発されうる化合物中のチオール残基に含まれてくるものが好ましい。より好ましくは、一般式(7):
前記式(6)において置換基Xはハロゲン原子を示し、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられるが、化合物(6)の入手の容易さや反応性、安定性等の面から塩素原子が特に好ましい。
次に本発明の製造方法について説明する。
本発明において好ましく使用される出発原料の前記式(5)で表される化合物は、例えば、ケミカル・アンド・ファーマシューティカル・ブルティン(Chem.Pharm.Bull.)、42巻、1381〜1387頁、1994年に記載の方法により容易に製造することができ、1β−メチルカルバペネム化合物の合成原料として望ましい光学活性体の形で容易に合成可能な化合物である。
本発明において好ましく使用される出発原料の前記式(5)で表される化合物は、例えば、ケミカル・アンド・ファーマシューティカル・ブルティン(Chem.Pharm.Bull.)、42巻、1381〜1387頁、1994年に記載の方法により容易に製造することができ、1β−メチルカルバペネム化合物の合成原料として望ましい光学活性体の形で容易に合成可能な化合物である。
上記化合物(5)を、前記式(6)で表されるアルキルオキシカルボニルオキシアルキルハロゲン化物と塩基の存在下に反応させて、前記式(1)で表されるβ−ラクタム化合物へと誘導することができる。
該反応は、化合物(5)及び化合物(6)を分解させないような不活性溶媒を用いて行われる。不活性溶媒としては特に限定はされないが、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒;ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、アセトン、塩化メチレン、およびそれらの混合溶媒等が挙げられる。反応速度の点から、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドが特に好ましい。
反応に使用されるアルキルオキシカルボニルオキシアルキルハロゲン化物(6)の量は、化合物(5)に対して1.0倍モル量以上必要であり、好ましくは1.1〜3.0倍モル量である。
また、使用される塩基としては、一般的に、カルボン酸とアルキルハロゲン化物によりエステルを形成する反応において使用されるものを用いることができ、例えば、有機アミン類やアルカリ金属塩等が挙げられる。有機アミン類としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデシ−7−エン(DBU)、モルホリン等が例示される。その使用量は化合物(5)に対し1.0倍モル量以上は必要であり、1.1〜3.0倍モル量が好ましい。また、アルカリ金属塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸アルカリ塩;重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム等の重炭酸アルカリ塩等が例示される。その使用量は化合物(5)に対し、炭酸アルカリ塩使用時には0.5倍モル量以上が必要であり、重炭酸アルカリ塩使用時には1.0倍モル量以上が必要であるが、共に1.1〜2.0倍モル量が好ましい。
また、上記反応においては反応促進剤として添加物を必要に応じて加えてもよく、添加物としてはヨウ化ナトリウム、臭化リチウム、ヨウ化カリウム等のアルカリ金属ハロゲン化物や、臭化テトラブチルアンモニウム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム等の四級アンモニウムハロゲン化物等が挙げられる。その使用量は化合物(6)に対し0.1倍モル量以上であることが好ましく、0.5〜1.5倍モル量が最適である。
上記反応は通常0〜80℃で実施されるが、反応物、生成物の分解抑制の理由から10〜60℃で行うのが好ましい。また、反応時間は通常1〜100時間であるが、上記理由から2〜70時間であることが好ましい。
上記反応は通常0〜80℃で実施されるが、反応物、生成物の分解抑制の理由から10〜60℃で行うのが好ましい。また、反応時間は通常1〜100時間であるが、上記理由から2〜70時間であることが好ましい。
また、当然のことではあるが、薄層クロマトグラフィー(TLC)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)といった分析的手段により該反応の経時変化を知ることができる。
反応後の混合物からは、通常有機反応においてしばしば用いられるpH調節、抽出、分液、洗浄、濃縮、精製などの操作を経て目的化合物(1)を単離することができる。
なお、上記反応で得られる化合物(1)は新規化合物であり、本発明者らにより、経口投与用1β−メチルカルバペネム化合物を製造する際の有用な合成前駆体としての用途が確認された化合物である。
上記反応にて得られた化合物(1)は、続いて、その水酸基を保護することにより化合物(2)に変換される。
該反応は水酸基にシリル保護基を導入する反応であり、例えば、Protective Groups in Organic Synthesis(J Wiley & Sons,New York)、39〜50頁、1981年に記載されているような一般的なシリル保護基導入条件を採用することができる。本発明ではトリメチルシリル基またはトリエチルシリル基が導入されるが、化合物(1)を、不活性溶媒中、アミン等の塩基の共存下に、塩化トリメチルシランまたは塩化トリエチルシランと反応させることにより、化合物(2)へ誘導することができる。本方法は最も一般的なものであり、上記化合物(2)を製造する際には最適である。
この際使用する塩化トリメチルシランまたは塩化トリエチルシランの量は、化合物(1)に対し1.0倍モル量以上は必要であり、1.1〜3.0倍モル量が好ましい。
また、塩基として使用するアミンはトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、イミダゾール等が挙げられる。その量は化合物(1)に対し1.0倍モル量以上は必要であり、1.1〜3.0倍モル量が好ましい。
不活性溶媒としては、上記塩化トリアルキルシランを分解させないような不活性なものであれば特に制限されないが、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒;ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、アセトン、塩化メチレン、およびそれらの混合溶媒等が挙げられる。
また、塩基として使用するアミンはトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、イミダゾール等が挙げられる。その量は化合物(1)に対し1.0倍モル量以上は必要であり、1.1〜3.0倍モル量が好ましい。
不活性溶媒としては、上記塩化トリアルキルシランを分解させないような不活性なものであれば特に制限されないが、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒;ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、アセトン、塩化メチレン、およびそれらの混合溶媒等が挙げられる。
上記反応は通常0〜100℃で実施されるが、反応物、生成物の分解抑制の理由から0〜60℃で行うのが好ましい。また、反応時間は通常0.5〜50時間であるが、上記理由より1〜30時間であることが好ましい。なお、反応の進行具合は先述の如く、分析的手段を用いて追跡することができる。
反応後の混合物からは、通常有機反応においてしばしば用いられるpH調節、抽出、分液、洗浄、濃縮、精製などの操作を経て化合物(2)を単離することができる。この際、化合物(2)は酸性条件にすると水酸基上の保護基が脱保護されて原料化合物(1)に戻ってしまうため、酸性条件にならないように十分注意しなければならない。
上記反応で得られた化合物(2)は、強塩基の存在下で環化させた後、塩化ジフェニルリン酸で処理することにより、化合物(3)に変換される。
化合物(2)の環化反応で使用される好適な強塩基としては、カリウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド;リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド等のアルカリ金属アミド;水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素化物等を挙げることができる。本反応では化合物(2)にチオエステル基やアルキルオキシカルボニルオキシアルキル基が存在するため、これら官能基の分解が最小化されるような塩基が望まれ、カリウムtert−ブトキシド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、水素化ナトリウムが特に好ましい。
また、その使用量は、反応が充分進行するだけの量であることが望ましく、化合物(2)に対し2〜3倍モル量であることが好ましい。
また、その使用量は、反応が充分進行するだけの量であることが望ましく、化合物(2)に対し2〜3倍モル量であることが好ましい。
本環化反応では、環化の進行に伴い金属チオラートが副生してくるため、このものを後続反応で悪影響を与えない形の化合物に変換するための捕捉剤を使用するのが好ましい。
捕捉剤としては、ヨウ化メチル、ヨウ化プロピル、臭化アリル、臭化ベンジル、p−トルエンスルホン酸メチル等のアルキル化剤;塩化p−トルエンスルホニル、塩化メタンスルホニル等のスルホニル化剤;塩化ジフェニルリン酸等のリン酸エステル化剤等が挙げられる。その使用量は化合物(2)から副生する金属チオラートと同モル量以上であることが望ましく、好適には化合物(2)に対し1.0〜1.5倍モル量を用いることができる。
続いて、化合物(2)が環化した反応中間体と塩化ジフェニルリン酸との反応により、化合物(3)が生成する。本反応は先の環化反応と同一反応器内で通常行われる。
塩化ジフェニルリン酸の使用量は、反応が十分に進行するだけの量が必要であり、化合物(2)に対し0.8〜1.5倍モル量が好適な量である。なお、塩化ジフェニルリン酸は、上述の如く副生した金属チオラートの捕捉剤をも兼ねることができるため、このような場合には化合物(2)に対し上記添加量に加えてさらに1倍モル量以上を添加することで金属チオラートを補足し、かつリン酸エステル化剤としての役目も兼ねさせて使用することができる。
塩化ジフェニルリン酸の使用量は、反応が十分に進行するだけの量が必要であり、化合物(2)に対し0.8〜1.5倍モル量が好適な量である。なお、塩化ジフェニルリン酸は、上述の如く副生した金属チオラートの捕捉剤をも兼ねることができるため、このような場合には化合物(2)に対し上記添加量に加えてさらに1倍モル量以上を添加することで金属チオラートを補足し、かつリン酸エステル化剤としての役目も兼ねさせて使用することができる。
上記の環化およびリン酸エステル化の反応は不活性溶媒中で行われる。不活性溶媒としては特に制限されるものではないが、好適なものとしては、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒;ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、アセトン、塩化メチレン、およびそれらの混合溶媒等が挙げられる。塩基や化合物(2)の溶解性の面からテトラヒドロフラン、あるいはそれとトルエンとの混合溶媒が最適であるが、その混合比率については反応試剤が溶解すれば特に制限はない。
上記環化及びリン酸エステル化の反応は通常−78〜60℃で実施されるが、反応物、生成物の分解抑制の理由から−78〜10℃で行うのが好ましい。また、環化反応時間は通常1分〜20時間であるが、5分〜5時間であることが好ましい。また、リン酸エステル化の反応時間は通常5分〜50時間であるが、30分〜30時間であることが好ましい。なお、反応の進行具合は先述の如く、分析的手段を用いて追跡することができる。
反応後の混合物からは、通常有機反応においてしばしば用いられるpH調節、抽出、分液、洗浄、濃縮、精製などの操作を経て化合物(3)が単離される。
なお、上記反応で得られる化合物(3)は新規化合物であり、本発明者らにより経口投与用1β−メチルカルバペネム化合物を製造する際の有用な合成前駆体としての用途が確認された化合物である。
なお、上記反応で得られる化合物(3)は新規化合物であり、本発明者らにより経口投与用1β−メチルカルバペネム化合物を製造する際の有用な合成前駆体としての用途が確認された化合物である。
次いで上記のようにして得られる、置換基R1がトリメチルシリル基またはトリエチルシリル基である化合物(3)を、塩基の存在下に、前記式(7)で表されるチオール化合物と反応させることにより、それぞれ置換基R5が置換基R1である化合物(8)へと誘導される。さらに、必要に応じて水酸基部分の脱保護を行うことにより、置換基R5が置換基R1である化合物(8)から、置換基R5が水素原子である化合物(8)に変換され、経口投与用1β−メチルカルバペネム化合物を取得することができる。
さらに、上記化合物(3)を単離することなく、直接所望の1β−メチルカルバペネム化合物へ誘導することも可能である。この場合、前述のように、化合物(2)を環化させ、塩化ジフェニルリン酸によるリン酸エステル化反応までを行って化合物(3)とし、続けて、塩基の存在下に、前記式(7)で表されるチオール化合物を反応させ、必要に応じて水酸基部分の脱保護を行う。ここで、チオール化合物との反応において用いられる塩基は、上述の環化反応に使用される強塩基と同一でもよいし、異なっていてもよい。また、反応促進のために、環化反応の際に用いたものとは別の不活性溶媒を用いてもよいし、別の不活性溶媒を添加してもよい。
さらに、上記化合物(3)を単離することなく、直接所望の1β−メチルカルバペネム化合物へ誘導することも可能である。この場合、前述のように、化合物(2)を環化させ、塩化ジフェニルリン酸によるリン酸エステル化反応までを行って化合物(3)とし、続けて、塩基の存在下に、前記式(7)で表されるチオール化合物を反応させ、必要に応じて水酸基部分の脱保護を行う。ここで、チオール化合物との反応において用いられる塩基は、上述の環化反応に使用される強塩基と同一でもよいし、異なっていてもよい。また、反応促進のために、環化反応の際に用いたものとは別の不活性溶媒を用いてもよいし、別の不活性溶媒を添加してもよい。
上述のチオール化合物との反応の、どの場合においても、化合物(3)を分解させないような不活性溶媒を用いて行われる。不活性溶媒としては特に限定はされないが、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒;ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、アセトン、塩化メチレン、およびそれらの混合溶媒等が挙げられる。なかでも、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、トルエン、およびそれらの混合溶媒が特に好ましい。また、上述の反応促進のために添加される不活性溶媒としては、好適にはN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル等が挙げられる。
反応に使用されるチオール化合物(7)の量は、化合物(3)に対して、1.0倍モル量以上必要であり、好ましくは1.1〜3.0倍モル量である。また、チオール化合物(7)は、塩酸塩等の塩を形成していてもよい。
また、使用される塩基としては、有機アミン類、アルカリ金属塩、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ金属アミド、アルカリ金属水素化物等が挙げられる。
有機アミン類としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデシ−7−エン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−ノン−5−エン(DBN)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)等が例示される。有機アミン類を使用する場合には、その使用量は化合物(3)に対し1.0倍モル量以上が必要であり、1.1〜3.0倍モル量が好ましい。
有機アミン類としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデシ−7−エン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−ノン−5−エン(DBN)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)等が例示される。有機アミン類を使用する場合には、その使用量は化合物(3)に対し1.0倍モル量以上が必要であり、1.1〜3.0倍モル量が好ましい。
アルカリ金属塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸アルカリ塩;重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム等の重炭酸アルカリ塩等が例示される。その使用量は化合物(3)に対し、炭酸アルカリ塩使用時には0.5倍モル量以上が必要であり、重炭酸アルカリ塩使用時には1.0倍モル量以上が必要であるが、共に1.1〜3.0倍モル量が好ましい。
アルカリ金属アルコキシドとしては、カリウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド等が例示される。アルカリ金属アルコキシドを使用する場合には、その使用量は化合物(3)に対し1.0倍モル量以上が必要であり、1.1〜3.0倍モル量が好ましい。
アルカリ金属アミドとしては、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド等が例示される。アルカリ金属アミドを使用する場合には、その使用量は化合物(3)に対し1.0倍モル量以上が必要であり、1.1〜3.0倍モル量が好ましい。
アルカリ金属水素化物としては、水素化ナトリウム、水素化カリウム等が例示される。アルカリ金属水素化物を使用する場合には、その使用量は化合物(3)に対し1.0倍モル量以上が必要であり、1.1〜3.0倍モル量が好ましい。
アルカリ金属水素化物としては、水素化ナトリウム、水素化カリウム等が例示される。アルカリ金属水素化物を使用する場合には、その使用量は化合物(3)に対し1.0倍モル量以上が必要であり、1.1〜3.0倍モル量が好ましい。
上記反応は通常−78〜60℃で実施されるが、反応物、生成物の分解抑制の理由から−78〜40℃で行うのが好ましい。また、反応時間は通常5分〜40時間であるが、上記理由から1〜30時間であることが好ましい。また、当然のことではあるが、薄層クロマトグラフィー(TLC)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)といった分析的手段により該反応の経時変化を知ることができる。
反応後の混合物から、通常有機反応においてしばしば用いられるpH調節、抽出、分液、洗浄、濃縮、精製などの操作を経て、目的化合物(8)を単離することができる。
置換基R1がトリメチルシリル基またはトリエチルシリル基である化合物(3)は、上記反応にて、それぞれ置換基R5が置換基R1である化合物(8)へと誘導される。置換基R1は容易に離脱できる置換基として選定されているため、反応後の混合物から抽出、洗浄などの操作にてpH調節を行う際、酸性条件とすることで水酸基部位の脱保護を同時に行うことができ、置換基R5がトリメチルシリル基またはトリエチルシリル基である化合物(8)から、容易に置換基R5が水素原子である化合物(8)へと変換され、経口投与用1β−メチルカルバペネム化合物を取得することができる。
置換基R1がトリメチルシリル基またはトリエチルシリル基である化合物(3)は、上記反応にて、それぞれ置換基R5が置換基R1である化合物(8)へと誘導される。置換基R1は容易に離脱できる置換基として選定されているため、反応後の混合物から抽出、洗浄などの操作にてpH調節を行う際、酸性条件とすることで水酸基部位の脱保護を同時に行うことができ、置換基R5がトリメチルシリル基またはトリエチルシリル基である化合物(8)から、容易に置換基R5が水素原子である化合物(8)へと変換され、経口投与用1β−メチルカルバペネム化合物を取得することができる。
上記で使用される酸性条件はpHが7以下の条件であれば特に制限はないが、pH2〜6であることが好ましく、該pHにて該水酸基保護基が極めて容易に離脱される。また、当該酸性条件とするために、例えば、クエン酸水、塩酸等を抽出液等に添加することができる。
また、置換基R5がトリメチルシリル基またはトリエチルシリル基である場合、化合物(8)を一旦取り出してから、別途脱保護を行ってもよく、この場合の脱保護方法としては、上記方法に加えて、例えば、Protective Groups in Organic Synthesis(J Wiley & Sons,New York)、39〜50頁、1981年に記載されているような、一般的なシリル保護基の脱保護条件を採用することができる。
本発明により、式(3)で示される化合物と、式(7)で示されるチオール化合物から、式(8)で示される1β−メチルカルバペネム化合物を、短段階にて効率的かつ容易に合成することができる。
本発明は、式(7)で示されるチオール化合物として特に、式(21)および式(22)で示されるチオール化合物を用い、次式(24):
また、化合物(3)は水酸基の保護基であるR1を脱保護することにより、化合物(4)へと誘導することができる。脱保護の方法としては、例えば、Protective Groups in Organic Synthesis(J Wiley & Sons,New York)、39〜50頁、1981年に記載されているような一般的なシリル保護基の脱保護条件を採用することができる。
脱保護反応に際して、化合物中の他の官能基部分を極力分解させることなく、穏和な反応条件にて保護基を除去できる方法として、化合物(2)を環化及びリン酸エステル化させ化合物(3)に誘導した反応後の混合物を、pH調節の際に酸性条件とすることで水酸基部位の脱保護を行う方法が特に好ましい。ただし、化合物(3)を取り出した後に別途化合物(4)へと誘導してもよい。
この際使用される酸性条件はpHが7以下の条件であれば特に制限はないが、pH2〜6であることが好ましく、該pHにて該シリル保護基が極めて容易に離脱される。また、当該酸性条件とするために、例えば、リン酸、クエン酸水、塩酸等を混合物に添加することができる。
ここで得られる化合物(4)のうち、R3が1−エチルプロピル基を示し、R4が水素原子である化合物は新規化合物であり、本発明者らにより経口投与用1β−メチルカルバペネム化合物を製造する際の有用な合成前駆体としての用途が確認された化合物である。
上記のようにして得られる化合物(4)は、塩基の存在下に、前記式(7)で表されるチオール化合物と反応させることにより、置換基R5が水素原子である化合物(8)へと誘導され、化合物(4)から一工程にて経口投与用の各種1β−メチルカルバペネム化合物へと誘導することができる。
このチオール化合物との反応においては、化合物(3)と前記式(7)で表されるチオール化合物から置換基R5がトリメチルシリル基またはトリエチルシリル基である化合物(8)に誘導する際と同様の不活性溶媒、チオール化合物、塩基を用いることができ、同様の温度下、反応時間にて実施することができる。化合物(4)と前記式(7)で表されるチオール化合物の反応後の混合物から、通常有機反応においてしばしば用いられるpH調節、抽出、分液、洗浄、濃縮、精製などの操作を経て、置換基R5が水素原子である化合物(8)、すなわち、経口投与用1β−メチルカルバペネム化合物を取得することができる。
以下に実施例および参考例を挙げてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの記載によって何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例および参考例で用いた略号の意味は次のとおりである。
TMS:トリメチルシリル基
(実施例1)
(3S,4S)−4−[(1R)−1−(p−クロロフェニルチオカルボニル)エチル]−3−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−(1−エチルプロピルオキシカルボニルオキシメチルオキシカルボニルメチル)−2−アゼチジノンの製造
TMS:トリメチルシリル基
(実施例1)
(3S,4S)−4−[(1R)−1−(p−クロロフェニルチオカルボニル)エチル]−3−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−(1−エチルプロピルオキシカルボニルオキシメチルオキシカルボニルメチル)−2−アゼチジノンの製造
NMRδ(CDCl3):0.93(6H,t,J=7.3Hz)、1.33(6H,d,J=6.6Hz)、1.60〜1.69(4H,m)、2.09(1H,d,J=4.6Hz)、3.12〜3.18(2H,m)、3.90(1H,d,J=18.3Hz)、4.17(1H,dd,J=2.4Hz,4.1Hz)、4.20〜4.24(1H,m)、4.37(1H,d,J=18.3Hz)、5.77(2H,s)、7.30(2H,d,J=8.3Hz)、7.40(2H,d,J=8.3Hz)
(実施例2)
(3S,4S)−4−[(1R)−1−(p−クロロフェニルチオカルボニル)エチル]−3−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−[1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチルオキシカルボニルメチル]−2−アゼチジノンの製造
NMRδ(CDCl3):1.3〜2.1(20H,m)、3.1〜3.2(2H,m)、3.8〜4.7(5H,m)、6.7〜6.8(1H,m)、7.3〜7.4(4H,m)
(実施例3)
(4R,5R,6S)−6−[(1R)−1−トリメチルシリロキシエチル]−3−ジフェニルホスホリロキシ−4−メチル−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸1−エチルプロピルオキシカルボニルオキシメチルエステルの製造
得られた油状残渣3.51gに、トルエン17ml、テトラヒドロフラン8mlを加えて溶解させ、−70℃まで冷却した。この溶液に、臭化アリル0.60g(5.0mmol)、カリウムtert−ブトキシド1.18g(10.5mmol)を順次添加し、同温度にて1.5時間攪拌した。次いで同温度で塩化ジフェニルリン酸1.44g(5.4mmol)を添加し、−20℃まで温度を上げ8時間攪拌した。反応液をトルエン20mlで希釈し、氷冷下に水および2.5%重曹水で数回洗浄した後、溶媒を留去した。得られた油状残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=3/1)に付して、標記化合物1.26gを油状物として得た(収率77%)。
NMRδ(CDCl3):0.11(9H,s)、0.87〜0.91(6H,m)、1.18(3H,d,J=7.3Hz)、1.24(3H,d,J=5.6Hz)、1.57〜1.65(4H,m)、3.23(1H,dd,J=2.9Hz,6.8Hz)、3.45〜3.53(1H,m)、4.07〜4.20(2H,m)、4.57〜
4.63(1H,m)、5.79(1H,d,J=5.9Hz)、5.83(1H,d,J=5.9Hz)、7.20〜7.40(10H,m)
(実施例4)
(4R,5R,6S)−6−[(1R)−1−トリメチルシリロキシエチル]−3−ジフェニルホスホリロキシ−4−メチル−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸 1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチルエステルの製造
得られた油状残渣2.2gにテトラヒドロフランとトルエンの体積比が1対2である混合溶媒18mlを加えて溶解させ、次いで臭化アリル0.28ml(3.3mmol)を添加し、−72℃まで冷却し、カリウムtert−ブトキシドを0.74g(6.6mmol)添加後、2.5時間攪拌した。同温度で塩化ジフェニルリン酸0.74ml(3.6mmol)を添加した後に、−20℃まで温度を上げ、−20℃で17.5時間反応させた。反応液をトルエン10mlで希釈し、氷冷下に水及び2.5%重曹水で数回洗浄したトルエン溶液を芒硝にて乾燥させた後、溶媒を留去した。油状残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=3/1)に付して、標記化合物1.4gを油状物として得た(収率61%)。
NMRδ(CDCl3):0.11(9H,s)、1.1〜1.9(19H,m)、3.2〜4.7(5H,m)、6.8〜6.9(1H,m)、7.2〜7.4(10H,m)
(実施例5)
1−エチルプロピルオキシカルボニルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−[1−(1,3−チアゾリン−2−イル)アゼチジン−3−イル]チオ−6−[(1R)−1−トリメチルシリロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレートの製造
NMRδ(CDCl3):0.13(9H,s)、0.92(6H,t,J=7.6Hz)、1.20(3H,d,J=7.3Hz)、1.26(3H,d,J=6.1Hz)、1.60〜1.68(4H,m)、3.07〜3.14(1H,m)、3.18(1H,dd,J=2.7Hz,6.8Hz)、3.37(2H,t,J=7.3Hz)、3.87〜4.03(4H,m)、4.08〜4.21(3H,m)、4.35〜4.42(2H,m)、4.60〜4.66(1H,m)、5.88(1H,d,J=5.6Hz)、5.92(1H,d,J=5.6Hz)
(実施例6)
1−エチルプロピルオキシカルボニルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−[1−(1,3−チアゾリン−2−イル)アゼチジン−3−イル]チオ−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレートの製造
NMRδ(CDCl3):0.92(6H,t,J=7.3Hz)、1.22(3H,d,J=7.1Hz)、1.33(3H,d,J=6.3Hz)、1.61〜1.67(4H,m)、3.12〜3.18(1H,m)、3.22(1H,dd,J=2.4Hz,6.8Hz)、3.37(2H,t,J=7.6Hz)、3.94〜4.03(4H,m)、4.10〜4.25(3H,m)、4.35〜4.41(2H,m)、4.61〜4.67(1H,m)、5.87(1H,d,J=5.6Hz)、5.93(1H,d,J=5.6Hz)
(参考例1)
塩化1−エチルプロピルオキシカルボニルオキシメチルの製造
本発明により近年活発に研究開発がなされている種々の経口投与用1β−メチルカルバペネム化合物の効率的かつ容易な合成が可能となり、本発明は工業的に有用なものである。
Claims (22)
- 一般式(1):
- 強塩基としてアルカリ金属アルコキシド、アルカリ金属アミドまたはアルカリ金属水素化物からなる群より選択される塩基を使用する請求項1に記載の製造方法。
- アルカリ金属アルコキシドがカリウムtert−ブトキシドである請求項2に記載の製造方法。
- アルカリ金属アミドがナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドである請求項2に記載の製造方法。
- アルカリ金属水素化物が水素化ナトリウムである請求項2に記載の製造方法。
- R4が水素原子またはメチル基である請求項8に記載の製造方法。
- R3が1−エチルプロピル基である請求項8または9に記載の製造方法。
- R3がシクロヘキシル基である請求項8または9に記載の製造方法。
- R2がフェニル基またはp−クロロフェニル基である請求項12に記載の化合物。
- R4が水素原子またはメチル基である請求項12または13に記載の化合物。
- R3が1−エチルプロピル基である請求項12〜14のいずれかに記載の化合物。
- R3がシクロヘキシル基である請求項12〜14のいずれかに記載の化合物。
- R1がトリメチルシリル基である請求項17に記載の化合物
- R4が水素原子またはメチル基である請求項17または18に記載の化合物。
- R3が1−エチルプロピル基である請求項17〜19のいずれかに記載の化合物。
- R3がシクロヘキシル基である請求項17〜19のいずれかに記載の化合物。
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