JP2006176375A - 燃料電池用改質器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】改質される流体を通しかつ触媒層50,60,70を配置する改質通路10a,10bを形成する改質通路部材10、改質通路部材10により画定される加熱通路10d内に加熱流体を発生させるバーナ30、ゼーベック効果により触媒層の温度を測定するための熱電対を備え、熱電対は、金属材料により形成された改質通路部材10と、改質通路部材10の壁面11a,13aに接合されかつその接合部を温接点とする金属線81〜84とからなる。これにより、従来の熱電対を用いる場合に比べて、構造が簡素化され、コストが低減され、ガス洩れ等を生じることもなく、安定した改質処理を得ることができる。
【選択図】図6
Description
このシース型熱電対1は、図7(a),(b)に示すように、例えばアルメル線(−線)2及びクロメル線(+線)3からなる一対の金属線2,3、これら一対の金属線2,3と絶縁体4とを一体的に覆う耐熱シース材5等により形成されている(例えば、特許文献1参照)。
この構成によれば、熱源により発生させられた加熱流体が加熱通路を流れる状態で、改質される流体(例えば、LPG等の炭化水素系ガス+水蒸気)が、加熱通路に隣接する改質通路を流れて加熱により気化されつつ触媒層を通過すると、改質された所定の改質ガス(例えば、水素ガス等)が生成される。
ここで、触媒層の温度を測定する熱電対(一対の導電体)は、金属材料により形成された改質通路部材と改質通路部材の壁面に接合された金属線とからなるため、従来のように専用の2つの金属線からなる構成に比べて、構造が簡素化され、コストが低減される。また、金属線を改質通路部材の壁面に単に接合するだけであるため、測定したい部位に容易に取り付けることができ、又、従来のシース型熱電対を用いる場合に懸念されるガス洩れ等を生じることもなく、安定した改質処理を得ることができる。
この構成によれば、構造の簡素化、低コスト化等を達成しつつ、改質通路の流れ方向に沿って配置された複数の触媒層の温度を測定できるため(改質通路に沿った温度勾配を高精度に測定できるため)、この測定結果を用いてフィードバック制御することにより、改質反応を効率良く安定した状態で行わせることができる。
この構成によれば、金属線を溶接により接合することにより、金属線と改質通路部材との接触状態のバラツキ、経時変化等を極力抑制することができ、安定した温接点を得ることができる。その結果、温度情報を高精度にかつ安定して得ることができる。
この構成によれば、金属線(例えば、アルメル線)を絶縁性の筒部材(例えば、セラミックス製の短管あるいはガラスチューブ等)に通すだけで、改質通路部材との絶縁が確保されるため、組付けに際して金属線を容易に絶縁することができる。
この構成によれば、改質通路部材が、二重の改質通路を画定する内管,中管、外管からなる三重円筒管である場合において、内管の内周面及び外管の外周面に対して金属線がそれぞれ接合されるため、内側の改質通路に配置される触媒層と外側の改質通路に配置される触媒層との温度をそれぞれ高精度に測定することができる。
この構成によれば、金属線が、加熱通路の一部を形成する内管の内周面でかつ熱源の近傍に接合されるため、触媒層の温度だけでなく、熱源の温度に関する情報も併せて得ることができる。すなわち、熱源の温度を測定する熱電対を兼ねさせることで、構造をより簡素化することができ、熱源の制御をより高精度に行えると共に、全体のコストをより一層低減させることができる。
図1ないし図6は、本発明に係る燃料電池用改質器の一実施形態を示すものであり、図1はその外観構成図、図2はその縦断面図、図3及び図4はその横断面図、図5及び図6は熱電対を構成する部分の部分断面図である。
そして、4つの温度測定配線80〜83と改質通路部材10とにより、ゼーベック効果を利用して触媒層の温度を測定する4つの熱電対が構成されている。
(1) C3H8+3H2O → 3CO+7H2
シフト触媒層60は、下記反応式(2)に示すように、摂氏350度近傍で、上流の改質反応によって得られた一酸化炭素(CO)と水蒸気(H2O)とを変成反応させて、二酸化炭素(CO2)と水素(H2)とを生成する。
(2) CO+H2O → CO2+H2
選択酸化触媒層70は、下記反応式(3)に示すように、摂氏150度近傍で、上流の改質反応によって得られた一酸化炭素(CO)と外部から供給された空気(酸素O2)とを反応させて、二酸化炭素(CO2)を生成する。
(3) CO+O2/2 → CO2
そして、金属線81aは、改質通路部材10(内管11)と協働して熱電対(一対の導電体)を形成し、その接合部81a´が温接点となり、電位差の測定部が冷接点となる。尚、金属線81aは−線として機能し、改質通路部材10(内管11)は+線として機能する。また、改質触媒層50から所定の厚さの内管11を経て接合部81a´(温接点)に至るまでの温度勾配特性が予め求められているため、接合部81a´の温度を測定しても、改質触媒層50の温度を求めることができる。
ここで、金属線81aとしては、温度と熱起電力との関係が直線的になるアルメル線等を用いることができる。筒部材81bとしては、例えば、セラミックス製の短管あるいはガラスチューブ等を用いることができる。
そして、金属線82a,83aは、改質通路部材10(外管13)と協働してそれぞれ熱電対(一対の導電体)を形成し、その接合部82a´,83a´が温接点となり、電位差の測定部が冷接点となる。尚、金属線82a,83aは−線として機能し、改質通路部材10(内管13)は+線として機能する。また、シフト触媒層60から所定の厚さの外管13を経て接合部82a´,83a´(温接点)に至るまでの温度勾配特性が予め求められているため、接合部82a´,83a´の温度を測定しても、シフト触媒層60の温度を求めることができる。
ここで、金属線82a,83aとしては、前述同様に、温度と熱起電力との関係が直線的になるアルメル線等を用いることができる。筒部材82b,83bとしては、前述同様に、例えばセラミックス製の短管あるいはガラスチューブ等を用いることができる。
そして、金属線84aは、改質通路部材10(外管13)と協働して熱電対(一対の導電体)を形成し、その接合部84a´が温接点となり、電位差の測定部が冷接点となる。尚、金属線84aは−線として機能し、改質通路部材10(内管13)は+線として機能する。また、選択酸化触媒層70から所定の厚さの外管13を経て接合部84a´(温接点)に至るまでの温度勾配特性が予め求められているため、接合部84a´の温度を測定しても、選択酸化触媒層70の温度を求めることができる。
ここで、金属線84aとしては、前述同様に、温度と熱起電力との関係が直線的になるアルメル線等を用いることができる。筒部材84bとしては、前述同様に、例えばセラミックス製の短管あるいはガラスチューブ等を用いることができる。
先ず、バーナ30が点火されて、所定の燃焼ガスが加熱通路10dに向けて噴射されると、この加熱通路10dに隣接する領域から順次に加熱され、上方から下方に向けて高温→低温となる温度勾配を生じ、又、径方向の内側から外側に向けて放射状に高温→低温となる温度勾配を生じる。
シフト触媒層60の領域は、摂氏350度程度に加熱されており、流体は、シフト触媒層60を通過する際に、反応式(2)に示すような改質反応を生じて、二酸化炭素(CO2)及び水素(H2)が生成される。
選択酸化触媒層70の領域は、摂氏150度程度に加熱されており、流体は、選択酸化触媒層70を通過する際に、反応式(3)に示すような改質反応を生じて、二酸化炭素(CO2)が生成される。このとき、一酸化炭素(CO)は、10ppm以下の濃度に低減される。以上の改質処理を経て、出口パイプ16からは、濃度の高い水素ガス(H2)が放出され、燃料電池(不図示)に導かれる。
したがって、これらの領域の温度が、改質反応を最も効率よく行わせる温度から逸脱する場合に、フィードバック制御によってバーナ30の火力を適宜調整することにより、最適な改質処理を行わせることができる。
上記実施形態においては、金属線81〜84を覆う絶縁性の筒部材81b〜84bとして、セラミックス製の短管あるいはガラスチューブを示したが、絶縁性を有しかつ組付け作業性に優れるものであれば、それ以外の絶縁部材を用いてもよい。
10a 内側の改質通路
10b 外側の改質通路
10c 補償導線
10d 加熱通路
11 内管
11a 内周面(壁面)
12 中管
13 外管
13a 外周面(壁面)
15 フランジ板
16 出口パイプ
17 エアーパイプ
18 ベース
18a 導入通路
18b 排出通路
19 導入パイプ
21 カバー
30 バーナ(熱源)
50 改質触媒層
60 シフト触媒層
70 選択酸化触媒層
81,82,83,84 温度測定配線
81a,82a,83a,84a 金属線
81b,82b,83b,84b 筒部材
81c,82c,83c,84c 補償導線
90(91,92,93,94) 電位差測定回路
Claims (6)
- 改質される流体を通すと共に触媒層を配置する改質通路を形成する改質通路部材と、前記改質通路部材により画定される加熱通路内に加熱流体を発生させる熱源と、ゼーベック効果により前記触媒層の温度を測定するための熱電対と、を備えた燃料電池用改質器であって、
前記熱電対は、金属材料により形成された前記改質通路部材と、前記改質通路部材の壁面に接合されかつその接合部を温接点とする金属線と、からなる、
ことを特徴とする燃料電池用改質器。 - 前記触媒層は、前記改質通路の上流から下流に沿って配置された複数の触媒層を含み、
前記金属線は、前記複数の触媒層に対応してそれぞれ接合された複数の金属線を含む、
ことを特徴とする請求項1記載の燃料電池用改質器。 - 前記金属線は、前記改質通路部材の壁面に対して溶接により接合されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池用改質器。 - 前記金属線は、絶縁性の筒部材に挿入されている、
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれかに記載の燃料電池用改質器。 - 前記改質通路部材は、同軸上に中心線をもつと共に内側と外側に二重の改質通路を画定する内管、中管、外管からなる三重円筒管を含み、
前記内管及び中管により画定される内側の改質通路及び前記中管及び外管により画定される外側の改質通路には、前記複数の触媒層がそれぞれ配置され、
前記複数の金属線は、前記内管の内周面及び前記外管の外周面に接合されている、
ことを特徴とする請求項2ないし3いずれかに記載の燃料電池用改質器。 - 前記内管は、前記加熱通路を画定し、
前記複数の金属線の少なくとも一つは、前記熱源に近接した領域において、前記内管の内周面に接合されている、
ことを特徴とする請求項2ないし5いずれかに記載の燃料電池用改質器。
Priority Applications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009242162A (ja) * | 2008-03-31 | 2009-10-22 | Aisin Seiki Co Ltd | 燃料電池用改質装置 |
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JPH09278402A (ja) * | 1996-04-05 | 1997-10-28 | Fuji Electric Co Ltd | 燃料電池用改質器 |
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2004
- 2004-12-24 JP JP2004372606A patent/JP2006176375A/ja active Pending
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