JP2006176037A - ハンドル冷却加熱装置 - Google Patents

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和之 尾崎
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Abstract

【課題】エアバック装着車等、中央に装備品を埋め込むタイプのハンドルに適用可能で構造の単純なハンドル冷却加熱装置を提供
【解決手段】芯金12を備える車両用ハンドル10の表層を冷却又は加熱するためのものであって、2面からなるペルチェモジュール11と、ハンドル表層部18に熱を伝達するための伝熱板16とを備えるハンドル冷却加熱装置において、芯金12を車両用ハンドル10の骨格部に備え、芯金12の外周面の一部に、ペルチェモジュール11の一面が密着され、伝熱板16は、ペルチェモジュール11の他面と密着して、車両用ハンドル10の外面の一部に熱伝達することにより、ハンドル表層部18の一部分を冷却又は加熱すること
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば外部環境によって冷やされ、あるいは暖められた車両用ハンドルの表面温度を短時間のうちに適温にして快適な運転操作に寄与するハンドル冷却加熱装置に関する。
真夏の炎天下の屋外に駐車されていた車両のハンドルは、外気温と日射によって暖められ、ハンドルの表面温度がすぐに運転できないほど熱くなっている場合がある。また、真冬の夜中等、冷え込みの厳しい日にも同様に車両のハンドルの表面温度はすぐには運転できないほど低下している場合もある。
このような問題を解決するために、特開平8−239048号公報(以下、特許文献1とする)のような方法が知られている。
一般的な車両用のハンドルは、ハンドリングの動作を駆動部に伝えるステアリングシャフトに装着される、ハンドルの中心に位置するボスと呼ばれる部分と、周囲の円環状になっているリムと呼ばれる部分、これらボスとリムとを連絡するためのスポーク呼ばれる1〜4本程度の支持部とからなり、リムとスポークの内部に鋼管等を埋入して樹脂によって一体成形されている。
図20は、特許文献1にかかる装置の概略を示すものである。リム105、ボス106、及びスポーク104からなるハンドル102内に気流の通る通路107を設け、一般的な車に装備されている空調装置101から、冷気あるいは暖気を、制御部103によって管路110から必要に応じて導入し、接続管109を通って通路107に通じる。これにより、空調装置101からの冷気または暖気をハンドル102内に通じることが可能であり、ハンドル102の温度を調節することが可能となる。
また、特許文献1には、ハンドル102内にヒーターを埋入させ、ハンドル102を暖める例も開示されている。
しかし、こういった、車載される空調装置101を流用した温度調節機構では、エンジンをスタートさせ、空調装置101のスイッチを入れなければ効果がない上、ハンドル専用に空調装置101を設けるわけではないので、ハンドルの温度を調節するために適当な温度に設定することができず、目的の温度になるまでに時間がかかる可能性が高い。また、エンジン始動時から空調装置101が効き始めるまでの間は、効果が低いことが予想される。もちろん、ヒーターをハンドルに埋入させた場合は、応答時間は早くなるが、冷却する事はできない。
このような問題を解決するために、特開平6−249540号公報(以下、特許文献2とする)や、特開平10−230857号公報(以下、特許文献3とする)のような、熱電変換モジュール(ペルチェモジュール等)を使って加温冷却する方法が開示されている。
どちらも、熱媒体をハンドル内に通して、熱電変換モジュールで熱交換をする方法であるので、ここでは特許文献3で説明を行う。
図21は、ハンドル102の断面図であり、図22は図21のAA矢視断面図である。リム105の、運転者が通常把持する部位(図中、4箇所)には、通電により両面に温度差を生じる板状の熱電変換モジュール206がそれぞれ内蔵してある。リム105の表層部207は樹脂で形成されており、その内側には、金属製の伝熱板208が全周にわたって環状に配設されている。そして、熱電変換モジュール206の一方面は、この伝熱板208に接合されている。
また、熱電変換モジュール206の他方面は、リム105の中心部に内蔵された中空の熱媒体配管209に接合されている。そして、伝熱板208と熱媒体配管209との間には断熱材210を介在させて、相互の熱の伝達を阻止している。熱媒体配管209は、リム105から支持部203を経てリム105に戻るように配設された閉ループの金属管であり、ボス106に取り付けられた放熱フィン211にも、熱交換可能に接合してある。この熱媒体配管209の内部には熱媒体212が封入されており、これを強制的に循環させるポンプ213がボス106に内蔵されている。熱媒体212としては、水、トリテトラエステル、エチレングリコール水溶液、メタノール水溶液等が用いられる。また、ボス106には、図示しないモータで駆動される送風ファン214が、放熱フィン211に強制的に送風するように取り付けてある。
このような構成のハンドル102では、温度センサ218の検出した温度が所定範囲を逸脱すると、熱電変換モジュール206に対する通電が開始される。このとき、温度センサ218の検出した温度が所定範囲よりも高温側である場合には、熱電変換モジュール206の一方面が低温になる向きに通電され、所定範囲よりも低温側である場合には、逆向きに通電される。そして、熱電変換モジュール206の一方面に発生した熱が、伝熱板208を介してリム105の表層部207に伝達される。
一方、熱電変換モジュール206に対する通電と共に、ポンプ213が駆動され、熱媒体配管209の中の熱媒体212が強制循環されることにより、熱電変換モジュール206の他方面の熱は、熱媒体212を介して放熱フィン211に伝達される。そして、放熱フィン211と外気との間で熱交換が行われる。送風ファン214からの送風はこれを促進し、熱交換が効率的に行われるようにする。
この後、温度センサ218が、リム105の表層部207の温度が所定範囲になったことを検出すると、熱電変換モジュール206への通電が遮断される。このような過程を反復・継続することにより、リム105の表層部207の温度が所定範囲になるように調節され、運転者は常に快適に操作することができる。
特開平8−239048号公報 特開平6−249540号公報 特開平10−230857号公報
しかしながら近年、安全への配慮からエアバック装着車両が増え、衝突時に運転者の前面を保護するために備えられるエアバックは、ハンドル内に装備されるようになった。それにともない、ハンドル中央部にエアバックが埋め込まれることになり、特許文献1の問題を解決する特許文献2及び特許文献3の方法のように、ハンドル中央部に放熱フィンを設けたり、リム105からスポーク104を介してボス106に熱媒体212を循環させるような配管経路を設けたりするスペースを確保することは困難となった。
従って、そういったエアバック装着車には特許文献2や特許文献3の方法を適用することは困難である。
また、特許文献1の方法にしても、同様にリム105からスポーク104を介してボス106に管路110を設け、そこから接続管109、通路107を通じて空調装置101に接続する必要があり、結局ボス106のある中央部分にスペースを必要とするため、エアバック装着車に摘要することは困難である。
また、エアバッグ装着車への適用を考えない場合でも、特許文献1乃至特許文献3に示されるような複雑な機構をハンドル内部に設けることも、コストアップの問題や、実質的に空間を確保することが困難である事もあって、実車両への搭載への妨げとなっていた。
つまり、特許文献1乃至特許文献3の方法では、エアバック装着車等、中央に装備品を埋め込むタイプのハンドルに適用が困難で、構造が複雑かつコストが高いという問題がある。
本発明は、そうした問題点を解決するためになされたものであり、エアバック装着車等、中央に装備品を埋め込むタイプのハンドルに適用可能で構造の単純なハンドル冷却加熱装置を提供することを目的とする。
本発明に係るハンドル冷却加熱装置は、次のような構成を有している。
(1) 放熱面と吸熱面を有する熱電変換モジュールと、前記放熱面、又は前記吸熱面のいずれか一方と熱的に連結され、車両用ハンドルの内部に設けられた蓄熱部材と、前記放熱面、又は前記吸熱面の他方と熱的に連結され、前記車両用ハンドルのハンドル表層部に熱を伝達するための伝熱板とが設けられていることを特徴とする。
(2) (1)に記載したハンドル冷却加熱装置において、前記蓄熱部材の熱容量が10J/K以上であることを特徴とする。
(3) (1)又は(2)に記載したハンドル冷却加熱装置において、前記熱電変換モジュールと、前記蓄熱部材と、前記伝熱板とが一体的に組み立てられた冷却加熱ユニットが、前記車両用ハンドルの握り部に組み込まれることを特徴とする。
(4) (1)又は(2)に記載したハンドル冷却加熱装置において、前記蓄熱部材が前記車両用ハンドルの骨格を形成している芯金であることを特徴とする。
(5) (4)に記載したハンドル冷却加熱装置において、前記車両用ハンドルの骨格を形成している芯金が中空部を有する中空部材より構成され、前記中空部に、高い熱伝導率を持つ高熱伝導部材を備え、前記放熱面又は前記吸熱面のいずれか一方と熱的に前記高熱伝導部材を介して前記芯金に連結されていることを特徴とする。
(6) (4)に記載したハンドル冷却加熱装置において、前記車両用ハンドルの骨格を形成している芯金が中空部を有する中空部材より構成され、前記中空部に前記蓄熱部材を備えることを特徴とする。
(7) (1)乃至(6)のうちいずれかに記載したハンドル冷却加熱装置において、前記ハンドル表層部の温度を検出する温度センサと、前記熱電変換モジュールに付加する印加電圧の極性を反転できる制御部を備え、前記制御部が、前記温度センサの検出する温度によって、前記熱電変換モジュールの印加電圧の極性を反転し、冷却と加熱を切り替えることを特徴とする。
上記構成を有するハンドル冷却加熱装置の作用効果について説明する。
本発明のハンドル冷却加熱装置においては、
(1) 放熱面と吸熱面を有する熱電変換モジュールと、前記放熱面、又は前記吸熱面のいずれか一方と熱的に連結され、車両用ハンドルの内部に設けられた蓄熱部材と、前記放熱面、又は前記吸熱面の他方と熱的に連結され、前記車両用ハンドルのハンドル表層部に熱を伝達するための伝熱板とが設けられていることを特徴とするので、簡易な構造でハンドル表層の握り手の部分を冷却又は加熱することが可能であり、車両用ハンドル内部に備える蓄熱部材に伝熱板の熱を拡散し放熱するため、ハンドル中央部にエアバック等の装置を備えているような、ハンドル中央部に装置等を組み込むスペースが無いハンドルにも、装着可能であるという優れた効果を奏する。
(2) (1)に記載したハンドル冷却加熱装置において、前記蓄熱部材の熱容量が10J/K以上であることを特徴とするので、蓄熱部材が金属並みの蓄熱量を有しており、冷却及び加熱の際に熱電変換モジュールからの熱を蓄熱部材の内部で拡散し易くなるという優れた効果を奏する。
(3) (1)又は(2)に記載したハンドル冷却加熱装置において、前記熱電変換モジュールと、前記蓄熱部材と、前記伝熱板とが一体的に組み立てられた冷却加熱ユニットが、前記車両用ハンドルの握り部に組み込まることを特徴とするので、車両用ハンドルへのハンドル冷却加熱装置の施工が容易になるという優れた効果を奏する。
(4) (1)又は(2)に記載したハンドル冷却加熱装置において、前記蓄熱部材が前記車両用ハンドルの骨格を形成している芯金であることを特徴とするので、ハンドル内部に蓄熱部材を新たに設けずに大きな熱容量を確保でき、ハンドル表層部の冷却加熱を行うことが可能になるという優れた効果を奏する。
(5) (4)に記載したハンドル冷却加熱装置において、前記車両用ハンドルの骨格を形成している芯金が中空部を有する中空部材より構成され、前記中空部に、高い熱伝導率を持つ高熱伝導部材を備え、前記放熱面又は前記吸熱面のいずれか一方と熱的に前記高熱伝導部材を介して前記芯金に連結されていることを特徴とするので、直接芯金に熱電変換モジュールを接着するよりも、簡単に施工できるという優れた効果を奏する。
(6) (4)に記載したハンドル冷却加熱装置において、前記車両用ハンドルの骨格を形成している芯金が中空部を有する中空部材より構成され、前記中空部に前記蓄熱部材を備えることを特徴とするので、芯金単体で用いるよりも熱容量を大きくとることが可能なので、冷却または加熱の効果が高くなるという優れた効果を奏する。
(7) (1)乃至(6)のうちいずれかに記載したハンドル冷却加熱装置において、前記ハンドル表層部の温度を検出する温度センサと、前記熱電変換モジュールに付加する印加電圧の極性を反転できる制御部を備え、前記制御部が、前記温度センサの検出する温度によって、前記熱電変換モジュールの印加電圧の極性を反転し、冷却と加熱を切り替えることを特徴とするので、ハンドル表層部の温度によって、適宜冷却又は加熱を行うことが可能であり、最適な温度にすばやく達することが可能であるという優れた効果を奏する。
本発明に係るハンドル冷却加熱装置について、具体化した形態をあげ、図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本実施例1における車両用ハンドルの断面図であり、図2は車両用ハンドルの側面図であり、図3は図1のAA断面部であって、リム部の断面を示している。
また、図4には冷却加熱ユニットの組付け手順(a)と組立後(b)を示す図を、図5にはハンドルと冷却加熱ユニットの組立図を、図6には図5のCC断面を示している。
図1に記載の車両用ハンドル10は、芯金12を骨格として備える一般的な車両に装備されるハンドルである。この、車両用ハンドル10に備えられる芯金12は、図6に示すような馬蹄形の断面をした円環状の金属体であり、一般的にハンドルのリム部のほぼ全周に亘って存在している。芯金12は、スパイダー部の内部やボス部にも埋め込まれていて、通常は鉄やアルミニウムが用いられる。これらの芯金12は、ハンドルの形状を維持するとともに、ステアリング操作等に耐えうる強度を持ち、かつレスポンス良く動かす事を要求されるので、金属部材を用いた場合には、その重量を軽量化するために、あるいはコストダウンの意味も含めて、リム部の芯金12には中空パイプや、馬蹄形の断面を持った金属体を用いることが多い。
芯金12は、図6に示されるように全体を覆う形で断熱材15を周りに備えている。これは、一般的な車両の室内温度は寒暖の差が激しく、夏は炎天下では直射日光の影響を受け直接日が当たる上、冬は気温が下がるので、むき出しのままであると、直接その影響を受けて、運転者が触れなくなるほど熱くなる。よって、断熱材15で全体を覆うことによってその影響を少しでも緩和する目的がある。一般的に、断熱材15の材質には低発泡のウレタン等が用いられている。
ハンドル表層部18は、図1又は図3又は図6に示されるように断熱材15に包まれた芯金12を包む目的で設けられている。大抵は樹脂製または合成皮であり、高級車などには本皮を材料に使用する例もみられる。ハンドル表層部18は主に車両用ハンドル10の握り心地を向上させるとともに、汚れにくくするといった目的で備えられ、運転者が掌に汗をかいても滑りにくいような工夫がなされているものも多い。
熱電変換モジュールであるペルチェモジュール11は図3に示されるように吸熱面と放熱面の2面からなる構造になっており、電圧を印加する事で吸熱面から放熱面に熱を移動させる装置であり、機械的機構を持たずして小さなスペースで熱交換が出来る。また、ペルチェモジュール11は印加する電圧の極性を反転することで、吸熱面と放熱面は入れ替わる特性を持っており、片側の面の冷却と加熱を切り替えることが可能である。
図1に示されるように、車両用ハンドル10の芯金12の一部が切りかかれ、その部分に置き換えられるようにして蓄熱部材25が組み込まれている。図3に示されるように、蓄熱部材25は断面が略四角形の形状を持っており、蓄熱性の高い素材が選択されている。例えば、銅やアルミニウムといった金属である。ただし、蓄熱性が高く熱伝導率が適度に高ければ金属に限る必要はなく、例えば金属を含有した樹脂のような複合材料等でも良い。例えば、高熱伝導樹脂等は、チタン並みの熱導電率を持っており、そういった素材でも適応しうる。目安として、熱容量は少なくとも10J/K以上であって、30J/K以上が望ましく、少なくとも熱伝導率は10W/mK以上であって、50W/mK以上が好ましい。
ペルチェモジュール11は、図1に示されるように、蓄熱部材25の外面に導電性接着剤13を用いて固定されており、熱的に連結される。本実施例では、蓄熱部材25を車両用ハンドル10に組み付けた際に、内側に来る面に3つ、外側に来る面に3つ合計6つ、左右併せて12個のペルチェモジュール11を使用している。
なお、ペルチェモジュール11を蓄熱部材25に固定するために導電性接着剤13を用いているのは、固定の目的の他に伝熱性を高めるために密着度を高くすることと、導電性接着剤13自身も伝熱性が高いことで、熱伝導を阻害しないようする目的がある。
伝熱板16は、組み付けられた状態でリム部断面の外周部に来るように筒状になって設けられており、ペルチェモジュール11が局部的に熱交換した温度を、握り部分全体に伝えるような配慮がなされている。伝熱板16は、熱伝導度の良い金属、例えば銅やアルミニウムが使われるが、金属に限定するものではなく、熱伝導性の良い樹脂等でもかまわない。目安として求められる熱伝導率は、少なくとも10W/mK以上であって、50W/mK以上が好ましい。
図3に示されるように、伝熱板16は導電性接着剤13又は伝熱シート17を用いてペルチェモジュール11に密着されており、熱的に連結されている。このようにして、ペルチェモジュール11を介して蓄熱部材25と熱交換できるように設置される。
これらの、ペルチェモジュール11と、蓄熱部材25と伝熱板16は、冷却加熱ユニット20として1つのユニットに組み立てられ、車両用ハンドル10に組みつけられる。その様子を図4(a)、図4(b)に示す。
まず、図4(a)に示すように蓄熱部材25の両側にペルチェモジュール11を導電性接着剤13によって接着する。前述のようにペルチェモジュール11と蓄熱部材25は導電性が高い状態で固定されなければならないので、気泡等が入りにくいように、導電性接着剤13によって密着されている。そして、2つ割りになった半筒状伝熱板16aを、導電性接着剤13又は伝熱シート17等を用いて接着する。この状態を冷却加熱ユニット部品20aとする。この際、やはり伝熱性を損なわないように注意する。
次に、蓄熱部材25の上下に出来る空間には断熱材15が入れられて断熱性を高め、伝熱板16の内面であって、ペルチェモジュール11近くに、温度センサ19を設置する。断熱材15は、蓄熱部材25と伝熱板16がペルチェモジュール11を介してのみ温度交換するようにする目的であり、温度センサ19は伝熱板16の温度を制御するためにペルチェモジュール11近傍に設置し、応答性を高める目的である。そして、半筒状伝熱板16bを組み付けて、図4(b)に示すような断面形状の冷却加熱ユニット20とする。
なお、ペルチェモジュール11や温度センサ19から出る配線は、図示しないコネクタによって、車両用ハンドル10に組み付けられる際に制御部と接続する配線に繋がれる。そして、ペルチェモジュール11及び温度センサ19は図示しない制御装置に接続され、制御されている。
こうして1つのユニットとして組みつけられた冷却加熱ユニット20は、図5に示すような形で組み付けられる。
図5左側が、組み付けていない状態、右側が組み付けた状態である。
断熱材15によって覆われた芯金12は、車両用ハンドル10の通常運転者が握る左右2箇所が切り掛かれた状態になっており、車両用ハンドル10の切り掛かれた部分には断熱材段差21が設けられて、冷却加熱ユニット20が容易に組みつけられるようになっている。
図6にはCC断面部として、断熱材段差21部分が断面として示してある。ここに示す通り、冷却加熱ユニット20の蓄熱部材25が半月状になっている部分が、断熱材段差21にちょうど嵌るようになっており、車両用ハンドル10の外面である断熱材15の外側と、冷却加熱ユニット20の蓄熱部材25とは、組み付けられた状態で、段差が出来ないようになっている。
そして、最終的には図1示すように、車両用ハンドル10はハンドル表層部18が覆われて、図2に示すように、外観からは冷却加熱ユニット20が組み込まれていることは分からない。
実施例1は上記のように構成されるので、以下のような作用効果を示す。
車両用ハンドル10に備えられるハンドル表層部18の温度が、例えば設定温度Tの範囲が20℃〜30℃として、その設定温度Tから外れた温度であった場合、温度センサ19にてハンドル表層部18の温度が測定されて、制御装置によってペルチェモジュール11に電圧の印加が開始される。温度が設定温度Tより高く外れている場合には冷却を、温度が設定温度Tより低く外れている場合には加熱を行う。
設定温度Tよりも温度センサ19で測定される温度が高い場合、ペルチェモジュール11にハンドル表層部18を冷却可能なように制御装置が判断して電圧を印加し、それによって、放熱面と吸熱面の2面からなるペルチェモジュール11は、伝熱シート17を介して伝熱板16側から熱を奪い、導電性接着剤13を介して蓄熱部材25側に放熱を行う。蓄熱部材25は伝熱板16に比べて熱容量が大きく、放熱すると、その内部に熱を拡散していくので、結果的に伝熱板16の温度を下げることが可能になる。
一方、設定温度Tよりも温度センサ19で測定される温度が低い場合、ペルチェモジュール11にハンドル表層部18を加熱可能なように、冷却時とは逆極性に電圧を印加し、それによって、放熱面と吸熱面の2面からなるペルチェモジュール11は、導電性接着剤13を介して蓄熱部材25側から伝熱シート17を介して伝熱板16に熱を移動させる。これにより伝熱板16の温度を上げることが可能になる。また、ペルチェモジュール11に投入された電力も熱となるため、伝熱板16の温度上昇に寄与する。
これらの冷却加熱は伝熱板16の温度を制御することで、ハンドル表層部18の温度を設定温度T付近にする目的で成されるが、車両用ハンドル10全体でなく、車両用ハンドル10を握る部分を局所的に冷却加熱できればよい。実用上、車内は運転者によってエアコンディショナーで冷暖房され、それに伴って徐々に放吸熱が行われて、時間が経過すれば設定温度Tに近づき運転に支障がなくなると考えられる。従って、運転開始当初に必要な部分だけ冷却されていれば事足り、かつ迅速に設定温度Tにするためにも部分的に冷却加熱する方が、効率が良い。
このことは、放熱部を蓄熱部材25の熱容量に頼る点においても必要である。つまり伝熱板16よりも蓄熱部材25の熱容量が大きいことを利用して、迅速な冷却加熱を実現しているため、熱容量の差が大きいほうが都合がよいのである。
なお、実施例1では冷却加熱ユニット20を車両用ハンドル10に組み付ける形態をとっているが、これは、車両用ハンドル10にペルチェモジュール11を直接組み込むよりも、施工性等が向上するためである。
ペルチェモジュール11を蓄熱部材25に貼り付ける際には、熱的に連結される事が必要であり、伝熱シート17や導電性接着剤13を用いての接着といった手法が考えられるが、曲面に貼り付ける場合は、ペルチェモジュール11自体が湾曲しているわけではないので、浮いてしまう場所ができ易い。例えば空気の層ができた場合には、空気の断熱性が高いので、その部分で熱が伝わりにくくなる。
従って蓄熱部材25側に貼り付け面等を設けてやって、極力均一に貼り付けが可能であるようにすることで、そういった問題を回避しうる。芯金12に直接ペルチェモジュール11を貼り付けてもよいが、ペルチェモジュール11を貼り付ける際に、大きな芯金12を取り扱うよりは、冷却加熱ユニット20をユニットとして完成させ、組み付ける事で、施工性を向上しうるのである。
図7乃至図9には本発明に係る実施例2を示している。
図7は、実施例2における車両用ハンドルの断面図であり、図8は図7の車両用ハンドルのリム部のAA断面図であり、図9は実施例2の冷却加熱ユニット20の組付け手順(a)と組立後(b)の断面図である。
まず、冷却加熱ユニット20について説明する。
冷却加熱ユニット部品20aは、図9(a)に示されるように、実施例1同様、蓄熱部材25、ペルチェモジュール11及び半筒状伝熱板16aが導電性接着剤13等によって接着されている。導電性接着剤13等を用いているので、熱的に連結されており、お互いに熱伝導性が高い状態で配置される。この冷却加熱ユニット部品20aを、断熱材15の断面がコの字状にモールドされた芯金加工部12aに組付け、さらに半筒状伝熱板16bを嵌める事で、図9(b)に示される冷却加熱ユニット20のような断面形状になる。
実施例2では、実施例1と異なり、図7に示すように、冷却加熱ユニット20を組み付ける部分の芯金12を、完全に切り欠いた状態でなく、冷却加熱ユニット20を組み付ける位置を部分的に切り欠いて芯金加工部12aとしてある。これは、冷却加熱ユニット20の組付け後の強度をアップさせる必要がある場合には有効な方法である。
このような冷却加熱ユニット20を持つ車両用ハンドル10は、実施例1と同様に図7に示すようにハンドル表層部18が備えられて、その断面AAも図8に示すような状態となり、ハンドル表層部18の温度を降下させたい場合には、ペルチェモジュール11は伝熱板16より熱を奪い、蓄熱部材25に放熱を行う。蓄熱部材25は伝熱板16に比べて熱容量が大きく、放熱すると、その内部に熱を拡散していくので、結果的に伝熱板16の温度を、ひいてはハンドル表層部18の温度を下げることが可能になる。また、ハンドル表層部18の温度を上昇させたい場合には、ペルチェモジュール11は蓄熱部材25から伝熱板16に熱を移動させる。これにより伝熱板16の温度を上げることが可能になる。また、ペルチェモジュール11に投入された電力も熱となるため、伝熱板16の温度上昇に寄与する。
図10、図11には本発明に係る実施例3を示している。
図10は、実施例3におけるハンドルのリム部の断面図であり、図7のAA部の断面図である図8と同じ位置の断面を示している。図11は実施例3の冷却加熱ユニット20の組付け手順(a)と組立後(b)の断面図である。なお、ハンドル正面の断面については図7とほぼ同じであるので省略する。
まず、冷却加熱ユニット20について説明する。
冷却加熱ユニット部品20aは、図11(a)に示されるように、実施例2同様、蓄熱部材25、ペルチェモジュール11及び半筒状伝熱板16aが導電性接着剤13等によって接着されている。導電性接着剤13等を用いているので、熱的に連結されており、お互いに熱伝導性が高い状態で配置される。この冷却加熱ユニット部品20aを、断熱材15の断面がコの字状にモールドされた芯金加工部12aに組付け、さらに半筒状伝熱板16bを嵌める事で、図11(b)に示される冷却加熱ユニット20のような断面形状になる。なお、実施例2とは異なり、むき出しの芯金加工部12aに伝熱シート17を介して蓄熱部材25を熱的に連結することで、芯金12をも蓄熱部とすることが可能となり、より大きな熱容量を確保することが可能となる。
また、蓄熱部材25を高熱伝導部材26に置き換えることによって、異なる効果を得ることが可能となる。
高熱伝導部材26は、熱伝達性の高い物質を選び、例えば銅やアルミニウムの他に、ヒートレーンやヒートパイプといったような、内部にガスや液体を封入し、その相変化によって、熱伝導性を高めたような部材を用いることで、伝熱板16からの熱をペルチェモジュール11に電圧を印加した後、すばやく熱容量の大きな芯金12に伝えることができる。
図12、図13には本発明に係る実施例4を示している。
図12は実施例4におけるハンドルの断面図であり、図13は図12のハンドルのリム部のAA断面である。
実施例4では、実施例1乃至実施例3とは異なり、蓄熱部材に芯金12をつかって、直接組み付けている。
基本構成は同様で、蓄熱部材25の変わりに芯金12と、ペルチェモジュール11と伝熱板16が導電性接着剤13等によって、熱的に連結されており、ペルチェモジュール11に電圧を印加する事で、伝熱板16の温度調節を行い、それによってハンドル表層部18の温度調節を行う。
芯金12は、図13に示すような馬蹄形の断面をした円環状の金属体であり、一般的にハンドルのリム部のほぼ全周に亘って存在しており、スパイダー部の内部やボス部にも埋め込まれていて、通常は鉄やアルミニウムが用いられる。スパイダーの部分も、馬蹄形断面のものだけでなく、中空パイプ状のもの等色々な形状をしている。
芯金12自身はほとんどの車両用ハンドル10に内蔵されているものであるので、わざわざ別の蓄熱部材を用意する必要がなく、十分な熱容量をもっているので、ペルチェモジュール11による温度調節も確実に行うことができる。
以上のような構成によって、実施例1と同等の効果を生み出し、本実施例ではその効果について実験データを取って調査している。
実際に運転者が例えば駐車場などに停車していた車に乗り込みエンジンをかけると、制御装置によって、温度センサ19で測定されるハンドル表層部18の温度をチェックし、一定温度から外れた場合に、ペルチェモジュール11に通電を行って温度制御を行う。
例えば、真夏を想定して、ハンドル表層部18の温度が60℃程度まで上昇していたとする。
図14には、車両用ハンドル10を冷却する場合の実験データに基づくグラフが示されている。縦軸がハンドル表層部18の降下温度であり、横軸が経過時間となっている。グラフには実験結果が2つ示され、一方は車内用エアコンディショナーのみを作動させた条件30、他方は車内用エアコンディショナーと実施例1のハンドル冷却加熱装置を作動させた条件31となっている。
この場合において、条件30の条件下では、図14のグラフの示す通りに、エアコンディショナーが作動し始めてから3分後に7℃程度の温度効果しか観測されず、車両用ハンドル10は握ることのできる状態で無いのに対し、条件31の条件下では、図14のグラフの示すとおりに、ペルチェモジュール11に印加が始まり、エアコンディショナーが作動し始めると、急激に温度が下がり、3分後には20度以上の温度降下が確認でき、開始温度が60℃程度であれば40℃程度に冷却されるので、運転手が車両用ハンドル10を握ることのできる状態に温度調節がなされる。
一方、真冬を想定して、ハンドル表層部18の温度が0℃近くまで下がっていたとする。
図15は、車両用ハンドル10を加熱する場合の実験データにも基づくグラフが示されている。縦軸がハンドル表層部18の上昇温度であり、横軸が経過時間となっている。グラフには、実施例1のハンドル冷却加熱装置を作動させた条件32の結果が示されている。
この場合において、条件32の条件下では、ペルチェモジュール11に印加が始まると、急激に温度が上がり、1分後には30℃以上の温度上昇が確認でき、開始温度が0℃程度であれば30℃程度に上昇するので、運転手が車両用ハンドル10を握ることのできる状態に温度調節がなされることがわかる。
なお、ペルチェモジュール11の制御に関しては、温度センサ19の温度が設定温度Tに達するまで電圧の印加を続けるという方法で制御可能である。しかし、図14及び図15に示されるように、温度降下及び温度上昇は、経過時間に対してほぼ一定量変化することがわかっているので、エンジンスタート時に温度センサ19からの入力温度に対して、必要な時間を判断し、タイマー制御でペルチェモジュール11に電圧を印加する事でも、必要な温度が得られると考えられる。
さらに、図16や図17に示すように、中実の芯金12を用いても良い。
図16は、断面が円形状の芯金12を骨格とした車両用ハンドル10の実施例であり、図17はその変形例で、断面が略四角形状の芯金12を骨格とした車両用ハンドル10の実施例である。
実施例5の構成は実施例4と同様であり、中実の芯金12を用いる以外は、同様であるので説明を省く。
中空でなく、中実の芯金12を採用することにより、芯金12の断面積が増え、体積を大きくとることが可能になるので熱容量が増加し、結果的に芯金12の放熱能力が増し、冷却性能の向上に効果的である。
実施例4で示した図14と図15で比較した場合、実施例4の方法では加熱性能に比べ、冷却性能が劣る。これは、熱容量の問題とペルチェモジュール11の特性に絡むもので、芯金12の熱容量を増やしてやることで、その性能の向上を図ることができる。
さらに、図18に示すような、芯金12に熱容量の大きな蓄熱部材25を伝熱シート27等で熱的に連結させ備えることで、実施例2と同様に熱容量の増加を図り、冷却性能を向上させる事も可能である。
図18は、馬蹄形の断面を持つ芯金12が車両用ハンドル10の骨格として用いられている場合、芯金12の内側に、蓄熱部材25を埋め込み、芯金12と蓄熱部材25の間には伝熱シート27が設けられているような構成になっている。
なお、実施例6の他の構成は、実施例4と同様であるので説明を省く。
このような構成をとる事で、実施例2の場合よりも、更に放熱効果をあげることが可能である。
また、図19には、芯金12に蓄熱部材25を密着させて備え、かつ、蓄熱部材25にペルチェモジュール11を接着して行う実施例を示す。
ハンドル表層部18の温度を降下させたい場合には、ペルチェモジュール11は伝熱板16より熱を奪い、蓄熱部材25に放熱を行う。蓄熱部材25は伝熱板16に比べて熱容量が大きく、放熱すると、その内部に熱を拡散していくので、結果的に伝熱板16の温度、ひいてはハンドル表層部18の温度を下げることが可能になる。
また、ハンドル表層部18の温度を上昇させたい場合には、ペルチェモジュール11は蓄熱部材25から伝熱板16に熱を移動させる。これにより伝熱板16の温度を上げることが可能になる。
蓄熱部材25に芯金12が伝熱シート27で熱的に連結されていることにより、蓄熱部材25と芯金12を合わせた熱容量を利用できるので、上記の効果を更に大きくできる。
実施例3と同様に、蓄熱部材25を熱伝導性が高い高熱伝導部材26に置き換えることによって、異なる効果を得ることが可能となる。高熱伝導部材26は熱容量の大きな芯金12に伝熱シート27を介してすばやく熱を伝えることができ、芯金12にペルチェモジュール11を直接つけた場合と同様の効果を奏する。
また蓄熱部材25が、熱容量が大きくかつ熱伝導性の高い部材で形成されていると、蓄熱部材25に芯金12が伝熱シート27で熱的に連結されていることにより熱容量がさらに大きくなるので、上記の効果を相乗的に大きくすることが出来る。
なお、図示しないが、この場合、芯金12側にもペルチェモジュール11を設けても構わない。
また、改善するのは芯金12だけでなく、伝熱板16について、伝熱特性をあげる方法も考えられる。
実施例1では、伝熱板16について、金属の筒を用いているが、これに変えてヒートレールやヒートパイプといった、内部に特殊なガスや液体を封入してあって、その相変化によって、熱伝導特性を高めたような部材を用いることで、さらに効率よく温度制御が可能になる。これによれば、温度伝達速度が向上するので、ハンドルを握る部分全体を均一に温度変化させやすくなる。
上述したように、本実施例によるハンドル冷却加熱装置によれば、以下の優れた効果を奏する。
(1) 放熱面と吸熱面を有するペルチェモジュール11と、前記放熱面、又は前記吸熱面のいずれか一方と熱的に連結され、車両用ハンドル10の内部に設けられた蓄熱部材25と、前記放熱面、又は前記吸熱面の他方と熱的に連結され、車両用ハンドル10のハンドル表層部18に熱を伝達するための伝熱板16とが設けられていることを特徴とするので、簡易な構造でハンドル表層部18の握り手の部分を冷却又は加熱することが可能であり、車両用ハンドル10内部に備える蓄熱部材25に伝熱板16の熱を拡散し放熱するため、車両用ハンドル10中央部にエアバック等の装置を備えているような、車両用ハンドル10中央部に装置等を組み込むスペースが無い車両用ハンドル10にも、装着可能であるという優れた効果を奏する。
(2) (1)に記載したハンドル冷却加熱装置において、蓄熱部材25の熱容量が10J/K以上であることを特徴とするので、蓄熱部材25が金属並みの蓄熱量を有しており、冷却及び加熱の際にペルチェモジュール11からの熱を蓄熱部材25の内部で拡散し易くなるという優れた効果を奏する。
(3) (1)又は(2)に記載したハンドル冷却加熱装置において、ペルチェモジュール11と、蓄熱部材25と、伝熱板16とが一体的に組み立てられた冷却加熱ユニット20が、車両用ハンドル10の握り部に組み込まれることを特徴とするので、車両用ハンドル10へのハンドル冷却加熱装置の施工が、冷却加熱ユニット20を組み込むことによって行われるので、容易になるという優れた効果を奏する。
(4) (1)又は(2)に記載したハンドル冷却加熱装置において、蓄熱部材25が車両用ハンドル10の骨格を形成している芯金12であることを特徴とするので、車両用ハンドル10内部に蓄熱部材25を新たに設けずに大きな熱容量を確保でき、ハンドル表層部18の冷却加熱を行うことが可能になるという優れた効果を奏する。
(5) (4)に記載したハンドル冷却加熱装置において、車両用ハンドル10の骨格を形成している芯金12が中空部を有する中空部材より構成され、前記中空部に、高い熱伝導率を持つ高熱伝導部材26を備え、前記放熱面又は前記吸熱面のいずれか一方と熱的に高熱伝導部材26を介して芯金12に連結されていることを特徴とするので、芯金12にペルチェモジュール11を直接つけるよりも、簡単に施工できるという優れた効果を奏する。
(6) (4)に記載したハンドル冷却加熱装置において、車両用ハンドル10の骨格を形成している芯金12が中空部を有する中空部材より構成され、前記中空部に蓄熱部材25を備えることを特徴とするので、芯金12よりも断面積が大きい中空部に密着して備える金属にも伝熱板16からの熱を拡散でき、芯金12単体で用いるよりも熱容量を大きくとることが可能なので、冷却または加熱の効果が高くなるという優れた効果を奏する。
(7) (1)乃至(6)のうちいずれかに記載したハンドル冷却加熱装置において、ハンドル表層部18の温度を検出する温度センサ19と、ペルチェモジュール11に付加する印加電圧の極性を反転できる制御部を備え、前記制御部が、温度センサ19の検出する温度によって、ペルチェモジュール11の印加電圧の極性を反転し、冷却と加熱を切り替えることを特徴とするので、ハンドル表層部18の温度によって、適宜冷却又は加熱を行うことが可能であり、最適な温度にすばやく達することが可能であるという優れた効果を奏する。
以上、本発明のハンドル冷却加熱装置における実施の形態を例示したが、この実施の形態に限られる事なく発明の趣旨を逸脱しない範囲で変形する事を妨げない。
例えば、本実施例では、ハンドルに一般的な円環状のリム部を有するものに本発明のハンドル冷却加熱装置を適用しているが、骨格部に金属を用いたハンドルであれば、適用可能であるので、ハンドルの形状にこだわらずに実施可能である。
また、本実施例では、一般の運転者が最もよく握るであろう部分にペルチェモジュール11と伝熱板16を設けているが、実際に運転者によっては個人差があるし、例えば縦列駐車をしていた際にハンドルを切る場合には、ハンドルの正位置の頂点の部分を握って操舵するといった運転者もいるので、平均的に運転者が握るであろう別の部分に本発明のハンドル冷却加熱装置を設けることを妨げない。
実施例1の、ハンドルの内部構造を示した断面図である。 実施例1の、ハンドルの側面図であり、ペルチェモジュールと伝熱板の位置を示している。 実施例1の、図1のAA断面であり、リム部の断面を示している。 (a)実施例1の、冷却加熱ユニットの組付け手順を断面図で示している。 (b)実施例1の、冷却加熱ユニットの組立後を断面図で示しており、図5のBB断面である。 実施例1の、ハンドルと冷却加熱ユニットの組立図を示している。 実施例1の、図5のCC断面を示している。 実施例2の、ハンドルの内部構造を示した断面図である。 実施例2の、図8のAA断面であり、リム部の断面を示している。 (a)実施例2の、冷却加熱ユニットの組付け手順を断面図で示している。 (b)実施例2の、冷却加熱ユニットの組立後を断面図で示しており、図5のBB断面部に対応している。 実施例3の、ハンドルのリム部の断面図を示しており、図8のAA断面部に対応している。 (a)実施例3の、冷却加熱ユニットの組付け手順を断面図で示している。 (b)実施例3の、冷却加熱ユニットの組立後を断面図で示しており、図5のBB断面部に対応している。 実施例4の、ハンドルの内部構造を示した断面図である。 実施例4の、図12のAA断面であり、リム部の断面を示している。 実施例4の、ハンドルを冷却する場合の実験データに基づくグラフが示されている。 実施例4の、ハンドルを加熱する場合の実験データにも基づくグラフが示されている。 実施例5の、中実な芯金を用いたハンドルの断面図の一例であり、図12のAA断面部に対応している。 実施例5の、中実な芯金を用いたハンドルの断面図の他の一例であり、図12のAA断面部に対応している。 実施例6の、芯金に熱伝導性の高い金属を密着して備えている、ハンドルの断面図であり、図12のAA断面部に対応している。 実施例7の、実施例6の図8で示した芯金に金属を密着させて備え、かつ金属側にペルチェモジュールを接着して行うハンドルの断面図であり、図12のAA断面部に対応している。 特許文献1の、装置の概略を示すものである。 特許文献3の、ハンドルの内部構造を示した断面図である。 特許文献3の、ハンドルのリム部の断面図である。
符号の説明
10 ハンドル
11 ペルチェモジュール
12 芯金
13 導電性接着剤
15 断熱材
16 伝熱板
16a、16b 半筒状伝熱板
17 伝熱シート
18 ハンドル表層部
19 温度センサ
20 冷却加熱ユニット
20a 冷却加熱ユニット部品
21 断熱材段差
25 蓄熱部材
26 高熱伝導部材

Claims (7)

  1. 放熱面と吸熱面を有する熱電変換モジュールと、
    前記放熱面、又は前記吸熱面のいずれか一方と熱的に連結され、車両用ハンドルの内部に設けられた蓄熱部材と、
    前記放熱面、又は前記吸熱面の他方と熱的に連結され、前記車両用ハンドルのハンドル表層部に熱を伝達するための伝熱板とが設けられていることを特徴とするハンドル冷却加熱装置。
  2. 請求項1に記載したハンドル冷却加熱装置において、
    前記蓄熱部材の熱容量が10J/K以上であることを特徴とするハンドル冷却加熱装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載したハンドル冷却加熱装置において、
    前記熱電変換モジュールと、前記蓄熱部材と、前記伝熱板とが一体的に組み立てられた冷却加熱ユニットが、前記車両用ハンドルの握り部に組み込まれることを特徴とするハンドル冷却加熱装置。
  4. 請求項1又は請求項2に記載したハンドル冷却加熱装置において、
    前記蓄熱部材が前記車両用ハンドルの骨格を形成している芯金であることを特徴とするハンドル冷却加熱装置。
  5. 請求項4に記載したハンドル冷却加熱装置において、
    前記車両用ハンドルの骨格を形成している芯金が中空部を有する中空部材より構成され、
    前記中空部に、高い熱伝導率を持つ高熱伝導部材を備え、前記放熱面又は前記吸熱面のいずれか一方と熱的に前記高熱伝導部材を介して前記芯金に連結されていることを特徴とするハンドルの冷却装置。
  6. 請求項4に記載したハンドル冷却加熱装置において、
    前記車両用ハンドルの骨格を形成している芯金が中空部を有する中空部材より構成され、
    前記中空部に前記蓄熱部材を備えることを特徴とするハンドル冷却加熱装置。
  7. 請求項1乃至請求項6のうちいずれかに記載したハンドル冷却加熱装置において、
    前記ハンドル表層部の温度を検出する温度センサと、前記熱電変換モジュールに付加する印加電圧の極性を反転できる制御部を備え、
    前記制御部が、前記温度センサの検出する温度によって、前記熱電変換モジュールの印加電圧の極性を反転し、冷却と加熱を切り替えることを特徴とするハンドル冷却加熱装置。
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