JP2006175705A - カチオン性化合物−シリカ微粒子の複合微粒子分散液、その製法及びインクジェット記録体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】カチオン性化合物とコロイダルシリカを混合して形成される複合微粒子の凝集粒子を機械的手段により粉砕して得られる、少なくとも70%以上がカチオン性化合物−シリカ微粒子からなる複合微粒子の1次粒子として存在し、該1次粒子がカチオン性化合物を介して結合して形成されている複合微粒子の2次粒子が30%未満である、カチオン性化合物−シリカ微粒子からなる複合微粒子の分散液。また、該複合微粒子の分散液を含む塗布液を使用して形成されている、該複合微粒子がインク受容層や最表層の光沢発現層に配置されているインクジェット記録体。
【選択図】なし
Description
より詳細には、ほぼ単分散コロイド状態を維持したままで分散性及び安定性に優れているカチオン性化合物−シリカ微粒子からなる複合微粒子の分散液とその製法及び該分散液より形成されており、インク吸収性の維持と高印字濃度、高光沢性、耐擦過性に優れ、受容された画像が、耐水性、耐湿にじみ、耐光性、耐ガス性に優れ、かつ銀塩写真画像に匹敵する鮮明さを有する特性を備えたインクジェット記録体に関する発明である。
一方、インクジェットプリンターの急速な普及により、その性能についても、高精細・高速化が求められ、さらにデジタルカメラの登場により、インクジェット記録方式に用いられる記録体にも、高度な特性が要望されるようになった。すなわち、インク吸収性と耐水性に優れ、かつ銀塩方式の写真に匹敵する画質と保存性を兼ね備えたインクジェット記録体の実現が強く求められるようになっており、より記録画像を写真画像に近づけるための高い光沢性も求められてきている。
また本発明は、インクジェット記録用インクに対し優れた受容性及び固着性を有し、インクジェット記録体の最表層に利用すると、インク吸収性の維持と高印字濃度、高光沢、耐擦過性に優れるインクジェット記録体を形成することができるカチオン性化合物−シリカ微粒子からなる複合微粒子の分散液と該分散液の製造方法を提供することを目的とするものである。さらに、本発明は、カチオン性化合物を適宜選択することによって、受容された画像が保存性に優れ、かつ銀塩写真画像に匹敵する鮮明さを有するインクジェット記録体を形成することができる、カチオン化されたカチオン性化合物−シリカ微粒子からなる複合微粒子のほぼ単分散コロイド状態の分散液とその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明のカチオン性化合物−シリカ微粒子からなる複合微粒子の分散液におけるカチオン性化合物−シリカ微粒子からなる複合微粒子の平均粒子径は以下のようにして決定される。
「200gの5%分散液を用い、ホモミキサーにて3000rpmの回転速度で10分攪拌した後、直ちにこれを電子顕微鏡(透過型)で観察して粒径を測定する。粒径は、1万〜40万倍の電子顕微鏡写真を撮り、5cm×5cm面積中の粒子のマーチン径を測定し、それぞれの測定値を平均して算出する。(「微粒子ハンドブック」、朝倉書店、p52、1991年参照)」。
光沢や印字濃度を出す為には、分散液中に85%以上の粒子が単分散体として存在した方が好ましく、95%以上の粒子が単分散体として存在した方が更に好ましい。
本発明で使用するコロイダルシリカは、一般的に負に帯電した無定形シリカ粒子が1次粒子の単分散体状態で溶液(多くは水溶液)中に分散したコロイド溶液である。分散質の粒子は1〜200nmの大きさを持ち、粒子の表面には−SiOH基及び−OHイオンが存在し、アルカリイオンにより電気二重層が形成され、粒子間の反発により安定化されている。この電荷バランスがくずれて、粒子同志が接合すると増粘、ゲル化、凝集などが起こる。
代表的なコロイダルシリカとしては、例えば、日産化学社製のスノーテックスシリーズ、日本化学工業社製のシリカドールシリーズ、Grace社製のLudoxシリーズなどが挙げられる。
また、中でも、インク吸収性及び透明性の点で粒度分布がシャープなコロイダルシリカが好ましい。例えば、触媒化成社製のカタロイド系、扶桑化学社製のPL系などが挙げられる。
本発明のカチオン性化合物−シリカ微粒子からなる複合微粒子の分散液の調製に用いられるカチオン性化合物の例としては、ポリアルキレンアミン化合物(例えば、ポリエチレンポリアミン、ポリプロピレンポリアミン)、第2級、第3級アミノ基又は第4級アンモニウム基を有するアクリル系樹脂、ポリビニルアミン、ポリビニルアミジン、5員環を形成しているアミジン化合物、ジシアン系カチオン樹脂(例えば、ジシアンジアミド−キルムアルデヒド重縮合物)、エピクロルヒドリン−ジメチルアミン付加重合体、ジメチルアリルアンモニウムクロライド−SO2 共重合体、ジアリルアミン−SO2 共重合体、ジメチチルアリルアンモニウムクロライド重合体アリルミン塩の重合体、ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレートアンモニウム塩重合体、アクリルアミド−ジアリルアミン塩共重合体、ポリ塩化アルミニウム、ポリ塩酸アルミニウム及びポリ乳酸アルミニウムなどのカチオン化合物を適宜用いることができる。
カチオン性ポリマーの分子量は特に限定しないが、分散性と分散安定性から1万〜10万が好ましい。更に好ましくは2万〜7万である。分子量が小さすぎると分散性が悪く、分子量が大きすぎると分散安定性が劣ることがある。
本発明のカチオン性化合物−シリカ微粒子からなる複合微粒子の分散液は、前記カチオン性化合物とコロイダルシリカとを混合し、それによって得られた複合微粒子の凝集物粒子を機械的に粉砕し、分散して調製される。複合微粒子の凝集物粒子を機械的に粉砕し、分散する方法としては、ホモミキサー、圧力式ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、マイクロフルイタイザー、アルティマイザー、ナノマイザー、高速回転ミル、ローラミル、容器駆動媒体ミル、媒体攪拌ミル、ジェットミル、サンドグラインダー、クレアミックス等による分散方法が用いられる。
カチオン性化合物−シリカ微粒子からなる複合微粒子の凝集粒子を分散液中で1次粒子の分散体に近い状態にする為には、一般的な分散方法では十分に分散することが出来ず、極めて強い機械力を加える必要がある。そのためには、特に、圧力式分散方法が有効である。
高圧粉砕機としては、圧力式ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、マイクロフルイタイザー、ナノマイザーが用いられ、特に高速流衝突型ホモジナイザーとしてマイクロフルイタイザー、ナノマイザ−を用いることが好ましい。
本発明のインクジェット記録体に用いられる基材の種類、形状、寸法などについては特に制限はなく、インク溶媒吸収性、及び非吸収性基材のいずれから形成されたものでもよい。吸収性基材しては、例えば、上質紙、中質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙等が例示できる。非吸収性基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのプラスチックフィルムや合成紙、白色フィルム等が例示できる。また、吸収性基材又は非吸収性基材からなる支持体を、非吸収性樹脂で被覆して得られる非吸収性樹脂被覆紙(所謂RC紙)などを用いてもよい。非吸収性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、セルロースジアセテート又はそれらの混合物等を主成分とするものを用いることができるが、ポリエチレンは前記支持体に対する密着性が良好であるので、特にポリエチレンを用いることが好ましい。
基材の裏面に搬送性向上処理、帯電防止処理、ブロッキング防止処理などの処理を施すことも可能である。裏面処理は、例えば、帯電防止剤及びブロッキング防止剤などの化学的処理であってもよく、あるいはコート層を設けるなど適宜他の構成を追加するものであってもよい。
本発明のカチオン化合物−シリカ微粒子からなる複合微粒子の分散液はインクジェット記録体のインク受容層、特に最表層の形成に使用することが好ましい。インク受容層に用いる場合は複合微細粒子同士を接着するバインダー(接着剤)が必要である。
該インク受容層は必要に応じて、各種のカチオン樹脂、pH調整剤、濡れ剤、消泡剤などを適宜選択添加される。
本発明のカチオン性化合物−シリカ微粒子からなる複合微粒子の分散液は、上記インクジェット記録体のインク受容層の形成に用いる以外に、光沢発現層(最表層)の形成に用いることが好ましい。
光沢発現層は、インク受容層に高い表面光沢を付与する層であり、光沢以外には、インク中の染料又は顔料をすばやく定着させ、高発色(高い色濃度)、且つ、均一画像(画像ドット形状の高い真円度)、耐擦過が強いことを目的としている。
目的を達成するために、本発明の複合微粒子を含む塗布液でダイレクト方式塗工して得られるが、より好ましくは本発明の複合微粒子を含む塗布液で塗布し、湿潤状態にある間に、加熱された鏡面ドラムに圧着して層を形成させた方がより高光沢が得られやすい(所謂キャスト法)。
本発明において、基材上に形成されているインク受容層は、本発明の複合微粒子を含有する塗工層1層で構成されてもよい。また、前述したように、本発明の複合微粒子を光沢発現層に用い、光沢発現層と、光沢発現層に隣接する第1塗工層の2層構成でもよい。勿論、基材上に基材と前記インク受容層の密着性の改良、インク吸収性の改善、表面光沢性の改善などの目的で、さらに別の塗工層を設けてもよい。
また、必要に応じて、各種カチオン樹脂、pH調整剤、濡れ剤、消泡剤などが適宜選択添加される。
本発明のインクジェット記録シートにおいて、インク受容層或いは光沢発現層中に、画像耐光性向上剤として、フェノール化合物、ホウ酸、ホウ酸塩及びシクロデキストリン化合物から成る群から選ばれた少なくとも1種の化合物を含有させることもできる。インク受容層が2層以上の積層構造を有する場合には、画像耐光性向上剤はインク受容層中の最外記録層中に含有させるのが好ましい。
前記インク画像の耐光性向上剤のインク受容層に対する添加量は、カチオン性複合微細粒子の組成に応じて、インク受容層のインク吸収性を阻害しない範囲内で適宜設定される。
ル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類などが挙げられる。
[シリカ分散液a]
カチオン性樹脂ジアリルアミン系重合物(日東紡社製、商品名:PAS−H−10L、分子量:約20万、4級アンモニウム)5%水溶液100g中に、攪拌しながら20%の酸性コロイダルシリカ(日産化学社製、商品名:ST−OL、粒子径:45nm)500gを徐々に投入し、さらに100gの水を添加した後、ホモミキサー(回転速度:1500rpm)で30分ほど分散した。その分散液を対向衝突型粉砕分散装置マイクロフルイタイザー(Microfluidics社製、型番:M110/EH)を用いて、1200Kg/cm2の圧力で粉砕分散作業を繰り返し、平均粒子径が65nm(単分散体の含有率は80%)の分散液を作製した。
[シリカ分散液b]
カチオン性樹脂をジアリルアミン系重合物(日東紡社製、商品名:PAS−H−5L、分子量:約5万、4級アンモニウム)に変更した以外は、実施例1と同様に平均粒子径が65nm(単分散体の含有率は80%)の分散液を作製した。
[シリカ分散液c]
実施例2と同様に、平均粒子径が49nm(単分散体の含有率は92%)の分散液を作製した。
[シリカ分散液d]
実施例2と同様に、平均粒子径が46nm(単分散体の含有率は98%)の分散液を作製した。
[シリカ分散液e]
カチオン性樹脂を5員環アミジン構造単位を有するポリビニルアミン共重合体アンモニウム塩酸塩(ハイモ社製、商品名:ハイマックスSC−700、分子量30万、1級アミン)に変更した以外は実施例3と同様の方法で、平均粒子径が49nm(単分散体の含有率は92%)の分散液を作製した。
[シリカ分散液f]
カチオン性樹脂を5員環アミジン構造を有する重合単位を有するポリビニルアミン共重合体アンモニウム塩酸塩(ハイモ社製、商品名:ハイマックスSC−700M、分子量:約3万、1級アミン)に変更した以外は実施例5と同様の方法で分散し、平均粒子径が49nm(単分散体の含有率は92%)の分散液を作製した。
[シリカ分散液g]
カチオン性樹脂をジアリルアミン系重合物(日東紡社製、商品名:PAS−M−1、分子量:約2万、3級アミン)に変更した以外は実施例5と同様の方法で分散し、平均粒子径が49nm(単分散体の含有率は92%)の分散液を作製した。
[シリカ分散液h]
カチオン性樹脂をジアリルアミン系重合物(日東紡社製、商品名:PAS−92、分子量:約5千、2級アミン)に変更した以外は実施例5と同様の方法で分散し、平均粒子径が49nm(単分散体の含有率は92%)の分散液を作製した。
[シリカ分散液i]
カチオン性樹脂をアリルアミン系重合物(日東紡社製、商品名:PAA−10C、分子量:6万、1級アミン)に、コロイダルシリカをpH違いのコロイダルシリカ(日産化学社製、商品名:ST−20L、平均粒径:45nm)に変更した以外は、実施例5と同様の方法で分散し、平均粒子径が49nm(単分散体の含有率は92%)の分散液を作製した。
[シリカ分散液j]
コロイダルシリカを粒度分布が均一なコロイダルシリカ(触媒化成社製、商品名:SI−50、平均粒子径 21〜30nm)に変更した以外は、実施例5と同様の方法で分散し、平均粒子径が35nm(単分散体の含有率は92%)の分散液を作製した。
[シリカ分散液k]
カチオン性樹脂としてジアリルアミン系重合物(日東紡社製、商品名:PAS−H−10L、分子量:約20万、4級アンモニウム)5%水溶液100g中に、攪拌しながら20%の酸性コロイダルシリカ(日産化学社製、商品名:ST−OL、粒子径:45nm)500gを徐々に投入し、さらに100gの水を添加した後、ホモミキサー(回転速度:3000rpm)で60分ほどの強分散した。平均粒子径が90nm(単分散体の含有率は60%)の分散液を得た。
[シリカ分散液l]
米国特許3007878号(特許文献9)、特開昭47−26959(特許文献10)の方法で塩基性塩化アルミニウムによりコロイダルシリカ(日産化学社製、商品名:ST−OL、粒子径:45nm)表面をアルミナに荷電した。
[基材A]
標準ろ水度(JIS P−8121)が250mlになるまで叩解した針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)と、標準ろ水度が280mlになるまで叩解した広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)とを、質量比2:8の割合で混合し、濃度0.5質量%のパルプスラリーを調製した。このパルプスラリー中に、パルプ絶乾質量に対し、カチオン化澱粉2.0%、アルキルケテンダイマー0.4%、アニオン化ポリアクリルアミド樹脂0.1%、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂0.7%を添加し、十分に攪拌して抄紙用パルプスラリーを調製した。上記組成のパルプスラリーを長網抄紙機で抄紙し、得られた湿紙をドライヤー、サイズプレス、マシンカレンダーを通し、坪量180g/m2、密度1.0g/cm3の原紙を製造した。上記サイズプレス工程に用いたサイズプレス液は、カルボキシル変性ポリビニルアルコールと塩化ナトリウムとを、2:1の質量比で混合し、これを水に加えて加熱溶解し、濃度5%に調製したものであり、このサイズプレス液を未サイズプレス原紙の両面に、合計25ml/m2の塗布量になるように塗布してサイズプレス原紙を作製した。
前記基材Aの両面に、コロナ放電処理を施した。
別に、下記のポリオレフィン樹脂組成物をバンバリーミキサーで混合撹拌して調製した。長鎖型低密度ポリエチレン樹脂(密度0.926g/cm3、メルトインデックス20g/10分)35部、低密度ポリエチレン樹脂(密度0.919g/cm3、メルトインデックス2g/10分)50部、アナターゼ型二酸化チタン(石原産業社製、商標:A−220)15部、ステアリン酸亜鉛0.1部、酸化防止剤(チバガイギー社製、商標:Irganox1010)0.03部、群青(第一化成社製、商標:青口群青No.2000)0.09部、蛍光増白剤(チバガイギー社製、商標:UVITEX OB)0.3部を混合してポリオレフィン樹脂組成物を調製した。
[無機顔料−カチオン性樹脂複合微細粒子の水性分散液A]
市販フュームドシリカ(トクヤマ社製、商標、レオロシールQS−30、比表面積300m2/g、平均一次粒子径:約9nm)を、ホモミキサーにより水中において分散粉砕する工程と、その後に、ナノマイザーを用いて粉砕分散する工程との組み合わせを繰り返し、得られた分散液を分級して、平均二次粒子径が80nmのシリカ微細粒子の10%分散液を調製した。この分散液のシリカ固形分換算100部に、カチオン性樹脂として5員環アミジン構造を有するポリビニルアミン共重合体アンモニウム塩酸塩(ハイモ社製、商標:ハイマックスSC−700、分子量30万)11部(固形分換算)を混合し、増粘した凝集体分散液を得た。この増粘した凝集体分散液に再度、ホモミキサーにより分散し、さらにナノマイザーを用いる粉砕分散処理を繰り返し、平均2次粒子径が100nmの無機顔料−カチオン性樹脂複合微細粒子の水性分散液A(固形分濃度:11%)を調製した。
上記で調製した無機顔料−カチオン性樹脂複合微細粒子の水性分散液A100部とポリビニルアルコール17部(ケン化度98.5%、重合度4000のポリビニルアルコール水溶液)とを混合し、固形分合計濃度9%の塗布液を調製した。この塗布液をダイコーターを用いて基材原紙Aの表面に乾燥質量塗工量が17g/m2になるように塗工し、塗工直後に、3%の硼砂水をスプレーコーターで2g/m2塗工後、120℃の送風乾燥機で乾燥してインク受容層を形成した。
実施例1で調製した分散液a100部、カチオン変性アクリルエマルションラテックス(平均粒径:45nm)バインダー2部、ステアリン酸アミド5部の10%混合水溶液を上記インク受容層上に2g/m2塗布し、直ちに100kg/cmの圧力で表面温度95℃の鏡面ドラムに圧着し、乾燥後、ドラムから剥離してインクジェット記録体を得た。なお、塗料の分散安定性は良好だった。
実施例11の分散液aを実施例2で調製した分散液bに変更した以外は、実施例11と同様の方法でインクジェット記録体を作製した。
実施例11の分散液aを実施例3で調製した分散液cに変更した以外は、実施例11と同様の方法でインクジェット記録体を作製した。
実施例11の分散液aを実施例4で調製した分散液dに変更した以外は、実施例11と同様の方法でインクジェット記録体を作製した。
実施例11の分散液aを実施例5で調製した分散液eに変更した以外は、実施例11と同様の方法でインクジェット記録体を作製した。
実施例11の分散液aを実施例6で調製した分散液fに変更した以外は、実施例11と同様の方法でインクジェット記録体を作製した。
実施例11の分散液aを実施例7で調製した分散液gに変更した以外は、実施例11と同様の方法でインクジェット記録体を作製した。
実施例11の分散液aを実施例8で調製した分散液hに変更した以外は、実施例11と同様の方法でインクジェット記録体を作製した。
実施例11の分散液aを実施例9で調製した分散液iに変更した以外は、実施例11と同様の方法でインクジェット記録体を作製した。
(インク受容層の塗液の調製)
実施例11で調製した無機顔料−カチオン性樹脂複合微細粒子の水性分散液A100部とポリビニルアルコール18部(ケン化度98.5%、重合度4000のポリビニルアルコール水溶液)とを混合し、固形分合計濃度9%の塗布液を調製した。この塗布液をダイコーターを用いて基材Bの表面に乾燥質量塗工量が21g/m2になるように塗工し、塗工直後に、3%の硼砂水をスプレーコーターで2g/m2塗工後、120℃の送風乾燥機で乾燥してインク受容層を形成した。
分散液i 100部、カチオン変性アクリルエマルションラテックス(平均粒径:45nm)バインダー1部、ステアリン酸アミド5部の10%混合水溶液を上記インク受容層上に2g/m2塗布し、直ちに200kg/cmの圧力で表面温度95℃の鏡面ドラムに圧着し、未乾燥状態でドラムから剥離した後、ドライヤーで乾燥してインクジェット記録体を得た。なお、塗料の分散安定性は良好だった。
(インク受容層の塗液の調製)
平均粒子径500nmの湿式シリカ(グレース社製、商品名:705A)100部とポリビニルアルコール20部(ケン化度98.5%、重合度4000のポリビニルアルコール水溶液)とを混合し、固形分合計濃度15%の塗布液を調製した。この塗布液をダイコーターを用いて基材Aの表面に乾燥質量塗工量が20g/m2になるように塗工乾燥し、第2インク受容層を形成した。
さらに、実施例11で調製した無機顔料−カチオン性樹脂複合微細粒子の水性分散液A100部とポリビニルアルコール18部(ケン化度98.5%、重合度4000のポリビニルアルコール水溶液)とを混合し、固形分合計濃度9%の塗布液を調製した。この塗布液をダイコーターを用いて第2インク受容層に塗工量が5g/m2になるように塗工・乾燥して、第1インク受容層を得た。
分散液f100部、カチオン変性アクリルエマルションラテックス(平均粒径:45nm)バインダー2部、ステアリン酸アミド5部の10%混合水溶液を、第1インク受容層上に2g/m2塗布し、直ちに100kg/cmの圧力で表面温度95℃の鏡面ドラムに圧着し、乾燥後、ドラムから剥離してインクジェット記録体を得た。なお、塗料の分散安定性は良好だった。
実施例21において分散液fを分散液jに変更した以外は、実施例21と同様の方法でインクジェット記録体を得た。
実施例11の分散液aを分散液kに変更した以外は、実施例11と同様の方法でインクジェット記録体を作製した。
実施例11の分散液aを分散液lに変更した以外は、実施例11と同様の方法でインクジェット記録体を作製した。
(光沢発現層の塗液の調製)
実施例11の分散液aをコロイダルシリカ(日産化学社製、商品名:ST−OL、10%水溶液に調整後使用)に、カチオン変性アクリルエマルションラテックス(平均粒径:45nm)バインダー2部をアニオン性アクリルエマルションラテックス(平均粒径:45nm)バインダー2部に、ステアリン酸アミド5部をオレイン酸アンモニウム5部に変更した以外は、実施例11と同様の方法でインクジェット記録体を作製した。
実施例1〜9及び比較例1〜2の分散液の透明性、分散安定性を下記の方法で評価した。その結果を表1に示す。
実施例と比較例で得られた分散液をカチオン処理前のコロイダルシリカゾルの透明性と比較して、下記の方法で評価した。
○:ほぼ同等の透明性を有する。
△:多少落ちる程度で、処理前のコロイダルシリカゾルに近い透明性を有する。
×:処理前のコロイダルシリカゾルと比べて明かに透明性が劣る。
分散液粘度が実施例と比較例で得られた直後の分散液粘度の5倍に達した静置日数で評価した。
○:1ヶ月以上。
△:1週間以上、1ヶ月未満。
×:1週間未満。
実施例10〜21、比較例3〜5で得られたインクジェット記録体の光沢性、インク吸収性、印字濃度、保存性、並びに顔料擦過性を下記方法により評価した。その結果を表2に示す。
光沢性、インク吸収性、印字濃度、保存性は市販の染料インクジェットプリンター(エプソン社製、モデル:PM−G800)で評価した。顔料擦過性は顔料インクジェットプリンター(エプソン社製、モデル:PX−G900)を用いた。
ISO−400の画像(「高精細カラーディジタル標準画像データISO/JIS−SCID」、p13、画像名称:果物かご)を印字し、印字物の光沢感を目視で評価した。
◎:銀塩写真並の高い光沢感
○:印刷紙並の光沢感
×:全く光沢感がない。
供試インクジェット記録体にグリーン色及びブルー色のベタ印画を施し、そのインク吸収性を目視観察し、その結果を下記の方法で評価した。
○:インク吸収速度が速く、インクの溢れとビーディングなし。
×:インクの溢れとビーディングあり。
得られたインクジェット記録体に、黒のベタ印画を施し、24時間放置後、マクベス反射濃度計(Macbeth RD−920)で測定した。
得られたインクジェット記録体に、ISO−400の画像(「高精細カラーディジタル標準画像データISO/JIS−SCID」、p13、画像名称:果物かご)を印字し、一般のオフィス部屋の壁に50日間貼り付け、画像の退色を下記の方法で評価した。
◎:退色が殆ど見られない。
○:退色が少なく、よいレベル。
△:退色が認められるが、実用上問題ないレベル。
×:退色が大きい。
得られたインクジェット記録体に、黒のベタ印画を施し、5分経過後、印字部を爪でこすり、下記の方法で評価した。
○:インクが殆ど取れない。
△:インクは取れるが、実用上問題ないレベル。
×:インクが取れやすく、実用上不可レベル。
表2から明らかなように本発明のカチオン性化合物−シリカ微粒子からなる複合微粒子はインクジェット記録用インクに対し優れた受容性及び固着性を有し、特に、インクジェット記録体の最表層に含有せしめると、インク吸収性の維持と高印字濃度、高光沢、耐擦過性に優れるインクジェット記録体が得られる。また、カチオン性化合物を適宜選択することによって、受容された画像は保存性に優れるインクジェット記録体が得ることが可能である。
Claims (13)
- カチオン性化合物とコロイダルシリカを混合して形成した凝集粒子を分散液中で機械的手段により粉砕して形成されている、少なくとも70%以上がカチオン性化合物−シリカ微粒子からなる複合微粒子の1次粒子として存在し、該1次粒子がカチオン性化合物を介して結合している複合微粒子の2次粒子が30%未満であることを特徴とする、カチオン性化合物−シリカ微粒子からなる複合微粒子の分散液。
- 前記シリカ微粒子の平均粒子径が10〜80nmであり、前記カチオン性化合物−シリカ微粒子からなる複合微粒子の平均粒子径が10〜150nmである、請求項1記載のカチオン性化合物−シリカ微粒子からなる複合微粒子の分散液。
- 前記機械的手段による粉砕が、超音波ホモジナイザー、圧力式ホモジナイザー及び液流衝突式ホモジナイザーから選ばれる少なくとも一つの機械的手段による粉砕である、請求項1又は2に記載のカチオン性化合物−シリカ微粒子からなる複合微粒子の分散液。
- 前記カチオン性化合物がカチオン性ポリマーである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のカチオン性化合物−シリカ微粒子からなる複合微粒子の分散液。
- 前記カチオン性ポリマーは、1級〜3級のカチオン性ポリマーである、請求項4記載のカチオン性化合物−シリカ微粒子からなる複合微粒子の分散液。
- 前記カチオン性ポリマーは、1万〜10万の重量平均分子量を有するポリマーである、請求項4又は5に記載のカチオン性化合物−シリカ微粒子からなる複合微粒子の分散液。
- 前記複合微粒子の分散液中のシリカ微粒子とカチオン性化合物の質量比は100:1〜15の範囲内にある、請求項1〜6のいずれか1項に記載のカチオン性化合物−シリカ微粒子からなる複合微粒子の分散液。
- 前記シリカ微粒子の平均粒径は20〜60nmである、請求項1〜7のいずれか1項に記載のカチオン性化合物−シリカ微粒子からなる複合微粒子の分散液。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載のカチオン性化合物−シリカ微粒子からなる複合微粒子の分散液を製造する方法であって、カチオン性化合物とコロイダルシリカを混合してカチオン性化合物とシリカ微粒子からなる複合微粒子の凝集物の分散液を形成する工程と、該複合微粒子の凝集物を分散液中で機械的手段により粉砕して、少なくとも70%以上がカチオン性化合物−シリカ微粒子からなる複合微粒子の1次粒子として存在し、該1次粒子同士がカチオン性化合物を介して結合している複合微粒子の2次粒子が30%未満である分散液を調製する工程を有することを特徴とする、カチオン性化合物−シリカ微粒子からなる複合微粒子の分散液を製造する方法。
- 前記請求項1〜8のいずれか1項に記載のカチオン性化合物−シリカ微粒子からなる複合微粒子の分散液を含む塗布液によって形成されている少なくとも1層のインク受容層を、支持体上に有することを特徴とするインクジェット記録体。
- 前記請求項1〜8のいずれか1項に記載のカチオン性化合物−シリカ微粒子からなる複合微粒子の分散液を含む塗布液によって形成されている光沢発現層を、インクジェット記録体の最表層に有することを特徴とするインクジェット記録体。
- 前記光沢発現層に隣接するインク受容層は、細孔分布のピークが100nm以下の塗工層であることを特徴とする請求項11記載のインクジェット記録体。
- 前記光沢発現層に隣接するインク受容層における細孔分布のピークと前記光沢発現層におけるカチオン性化合物−シリカ微粒子からなる複合微粒子の平均粒子径の比が、「細孔分布のピーク/複合微粒子の平均粒子径=1/1〜10」の範囲であることを特徴とする請求項12記載のインクジェット記録体。
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