JP2006175482A - ガス吹き込みノズルの耐火性シール材 - Google Patents

ガス吹き込みノズルの耐火性シール材 Download PDF

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Abstract

【課題】多数回連続鋳造の条件下においても、本体耐火物とメタルケース等との間のシール性を維持することのできる耐火性シール材を提供することによって、鋳造の最後まで必要なガス吹き込み処理を可能とすること。
【解決手段】 SiO質超微粉末1質量%以上30質量%以下で含有し残部が耐火性骨材からなる耐火物粉末100部に対し、SiO/RO(R:アルカリ金属)のモル比が1.90以上3.30以下である珪酸アルカリ水溶液を無機質結合材として外掛けで20質量%以上50質量%以下添加した耐火性シール材。
【選択図】図2

Description

本発明は、タンディッシュからモールドへの溶鋼の注入に使用されるガス吹き込み機能を有する連続鋳造用ノズルのノズル本体の耐火物とそれを覆うメタルケース間からのガス漏れを防止する耐火性シール材に関する。
アルミキルド鋼の鋳造の際、ノズル内孔に溶鋼中のAl等の非金属介在物がノズルの内孔面に付着して孔閉塞を生じ、鋳造不能に陥ることがある。また、この非金属介在物の鋳片への混入は、鋳片の割れや表面の疵となり、とくに、自動車用鋼板のような絞り加工用薄板鋼板では品質上問題となる。
従来から、このノズル孔閉塞の防止や鋳片中の介在物の減少を目的として、ノズル内の付着物を機械力学的に除去し、あるいは、タンディッシュまたはモールド内の非金属介在物を浮上させて除去するためにタンディッシュ内やノズル内へのガス吹き込みが行われている。
これらガス吹き込みは、上ノズル、スライディング装置のプレート、中間ノズル、下部ノズル、浸漬ノズル等に設けられたノズルからガスを吹き込むことにより行われている。
このガスの安定供給のためには、ノズルを構成する緻密質耐火物とそれを覆うメタルケースを、ガスの保持や流通のための容器や経路の一部として利用することが多く、それらの部分を耐火性シール材等で強固にシールすることによってガスの漏れを防止することは極めて重要である。
しかしながら、本体耐火物とそれを覆うメタルケースや緻密質耐火物の間からガス漏れを生じることがあり、その原因の多くはそれらの間に設けられた耐火性シール材のシール性不足や強度不足に起因している。
このガス漏れの対策として一般的に使用される耐火性シール材は、アルミナ質等の耐火微粉末に珪酸アルカリ溶液等の無機系結合材を添加及び混練し、高強度化及び緻密化を図ったものが多い。このように、珪酸アルカリ溶液等の無機系結合材を添加することによって耐火性シール材を緻密化することで耐火性シール材を通過するガス漏れは低減できるが、多くは収縮挙動を示し、耐火性シール材自体に亀裂が生じたりする。 その収縮により、耐火性シール材とノズル本体耐火物あるいはメタルケースとの間に隙間や亀裂が生じ、これがガスの流通経路となり、ガス漏れが生じることがある。とくに、使用時間が長い場合にはその傾向が顕著になってくる。
そこで、この対策として、本体耐火物とメタルケースとの間のシール材を改善する方法等が提案されている。
例えば、特許文献1には、シール箇所に加熱硬化時に熱膨張する発泡剤による耐火性シール材層を形成して、耐火性シール材の充填性と接着性を向上させることが提案されている。しかし、この方法では耐火性シール材の発泡により耐火性シール材自体が通気性を有する多孔質のものとなり、ガスの圧力が低い場合を除きガス漏れを防止することができない。
特開平5−192763号公報
本発明の解決すべき課題は、多数回連続鋳造の条件下においても、本体耐火物とメタルケース等との間のシール性を維持することのできる耐火性シール材を提供することによって、鋳造の最後まで必要なガス吹き込み処理を可能とすることである。
本発明は、ガス吹き付けノズルの本体耐火物とそれを覆うメタルケースとの間の耐火性シール材に隙間が発生することや耐火性シール材自体に亀裂が生じることによるガス漏洩は、通常は加熱収縮を示す珪酸アルカリ溶液結合材にSiO質超微粉末を添加して硬化した耐火性シール材には加熱膨張性を付与することが可能であり、それによって、防ぐことができるという知見を得て完成した。
本発明において無機質結合材として使用される珪酸アルカリ溶液は、一般分子式としてRO・nSiO・mHOによって表わされる。この一般分子式において、RはNa、K、Li等のアルカリ金属を表わし、とくに限定する必要はないが、NaとKがコスト面では好ましい。また、係数nはSiOのモル数を表わす。工業的にはnが0.5〜4.2の範囲のものが生産されており、一般的にはnが2〜4程度のものが多く使用されている。mはHOのモル数を表わし、2.0〜3.5の範囲のものが一般に市販されており、そのいずれもが使用できる。
この珪酸アルカリ溶液におけるSiOの濃度は粘性と関係があり、SiOの濃度が高い、すなわち、n数が高く、SiO/ROのモル比(以下、単に「S/Rモル比」という。)が大きいほど粘性は大きくなる。 とくに、nの値が4程度でその傾向は顕著となる。これはSiOのn数が大きくなるとSi−OH基間が網状構造になるためで、高S/Rモル比であるほどこの現象が生じやすいためとされている。
そのため、例えば、SiOのモル数nが4程度のS/Rモル比の大きい珪酸アルカリ溶液を耐火性シール材の結合材として使用した場合、耐火性シール材は熱間では膨張傾向を示すが、接着性と作業性に劣る。また、例えば、SiOのモル数nが2程度のS/Rモル比の低い珪酸アルカリ溶液を使用した場合は、作業性が良く、接着性も良好で接着強度も大であるが、熱間では収縮傾向を示し、このことがノズル本体とメタルケースとの間に隙間や亀裂をもたらす。
このようにS/Rモル比が1.90以上3.30以下の範囲の珪酸アルカリ溶液は、接着性と作業性とのバランスの点で、耐火性シール材として優れた特性を示すが、その熱間での収縮傾向を膨張傾向に転換する必要がある。そのため、本発明では、このS/Rモル比の領域の珪酸アルカリ溶液に、粒径1μm以下のSiO質超微粉末を併用する。
すなわち、本発明の耐火性シール材は、粒径1μm以下のSiO質超微粉末を1質量%以上30質量%以下で含有し残部が耐火性骨材からなる耐火物粉末100部に対し、S/Rモル比が1.90以上3.30以下である珪酸アルカリ溶液を無機質結合材として添加したものである。尚、このS/Rモル比が1.90以上3.30以下である珪酸アルカリ溶液は、SiOを約28質量%以上約38質量%以下程度で、ROを約9質量%以上約19質量%以下程度含有する。
上記珪酸アルカリ溶液のS/Rモル比が1.90未満の場合は接着性が低下傾向となり粘性も低く、作業性が不良であり、3.30を超える場合は接着性が低くなり粘性も高くなって作業性が不良となる。その珪酸アルカリ溶液の添加量は、耐火物粉末100部に対し、外掛けで20質量%以上50質量%以下が好ましい。20質量%未満では液量が不足となり、所定の隙間に均一な厚みで充填及び塗布するのに充分な作業性が得られず、充填不良が生じ易く、また空気が混入して収縮やガス通過の原因ともなる空隙を生じ易くなる。また50質量%を超えると液量が多すぎて流動現象が生じ易くなり、所定の厚みの充填性や塗布が困難になると共に組織が粗になり易くなる。
本発明において、骨材とともに含有されるSiO質超微粉末は、珪酸アルカリ溶液中への均一分散性と反応性を高めるためにできるだけその表面積を大きくすることが好ましい。粒径が1μm以下で比表面積が約5万cm/g以上の超微粉末がよく、平均粒径0.2μm程度で比表面積が平均20万cm/g程度の超微粉末がより望ましい。 さらには、このような超微粉は取り扱い上の作業性が良好であり調整がし易い利点がある。粒径が1μmを超え比表面積が約5万cm/g未満の大きい粒子サイズのものでは、作業性の悪化や収縮が生じる傾向となる。
SiO質超微粉末の量は、耐火性骨材を含む耐火物粉末中、1質量%以上30質量%以下が膨張性を維持するため及び良好な充填性と塗布作業性を得るためには最適である。1質量%未満及び30質量%を超える場合はSiO質超微粉末の添加にもかかわらず収縮傾向となると共に作業性が低下する。その理由は、1質量%未満の場合はSi成分の溶出量が膨張挙動を示すに必要な程度に至らず、30質量%を超える場合は原料の総比表面積が大きくなりすぎること等から、流動性や作業性を得るために過剰な液量が必要となり、またSi成分がそれに追従して溶出及び分散し得ないためである。
このSiO質超微粉末としては、非晶質の蒸発シリカ、溶融シリカ、天然の結晶質の珪石粉末、石英ガラス等の各種ガラス粉末、その他のシリカフラワー或いはホワイトカーボンと称されるSiOを主成分とする各種粉末が使用できる。
耐火性骨材としては一般的にノズル等の耐火物に使用する耐火性原料、例えば焼結、電融等の人工又は天然にかかわらず、Al系粉末、ムライト等のシリマナイト属やシャモット、ロー石、陶石等のAl−SiO系粉末、溶融SiO、珪石、ガラス粉末などを使用することができ、とくに、制限はない。しかしながら、塩基性耐火材は、消化現象、作業性の劣化その他悪影響を生じることがあるため、また可溶性のアルカリ成分等を含むものは作業性の劣化を生じたり、収縮防止効果を阻害することがあるので使用しないことが好ましい。また、Fe、Al等の金属粉末や金属不純物の含有は、珪酸アルカリ溶液の環境下ではガス等を発生させることがあり、耐火性シール材の組織が粗になり、シール性の低下や強度低下を惹き起こすので、その含有は避ける必要があり、使用原料からできる限り除去しておくことが望ましい。
尚、耐火骨材に溶融SiO、珪石、ガラス粉末などのSiO質のものを使用する場合、通常これらの耐火骨材には、粒径1μm以下のものは殆ど含まれないが、その耐火骨材に粒径が1μm以下のものを含む場合には、その量を含めた粒径1μm以下の合量が1質量%以上30質量%以下になるように調整する必要がある。
耐火性骨材の粒度は、耐火性シール材を設置する場所の容積や隙間の大きさ等により決定する必要があり、一般的に、ノズルの本体耐火物とメタルケース間の数mm程度の隙間に設置される場合には、最大粒径が0.2mm以上1mm以下であることが非反応性と耐クリープ性、さらには、充填性と塗布作業性の面から好ましい。
本発明の珪酸アルカリ溶液は、ゲル化にはかなりの時間を要するため、100℃以下の温度に加温してゲル化を促進してもよい。また、常温での硬化促進のために、膨張性などに影響を及ぼさない範囲で微量の硬化促進剤、例えばカルシウムシリケートや焼成リン酸アルミなどを併用することは可能であるが、多量に添加すると前記の膨張挙動を低減させるのでその添加量はできるだけ少なめにする必要がある。
本発明の耐火性シール材のガス吹き込み機能を有するノズルへの適用方法は、ノズルの形状や構造によっても異なる。例えば、一般的なガス吹き込み機能を有する上ノズルの場合には、ガス吹き用の本体の耐火物の、ガスプール部分以外のガスシールを目的とする耐火物領域の表面に、予め混和及び混練された耐火性シール材を所用の目地厚を超える厚みで均一に塗布し、その上から耐火性シール材を覆うようにメタルケースを装着し、その装着時に押し出されてくる過剰な耐火性シール材を除去する。この方法であれば未充填の空間部分が残ることを抑制することができる。
さらに、耐火性シール材を施す本体耐火物部分が、複数に分割された部品としての部分を組み合わせて接着した構造を有する場合は、その接着部分に通常のモルタル等と同様に塗布する。
本発明の耐火性シール材は膨張挙動を示すが、その詳細なメカニズムについては次のようなことが推察される。
珪酸アルカリ溶液にSiO質超微粉を添加することにより、
a.SiO質超微粉が、その粒子サイズが小さく、また比重が比較的小さく且つ珪酸アルカリ溶液と近似していること、Siを基本とする成分からなるので同質の成分からなる珪酸アルカリ溶液との親和性がよいこと等から、珪酸アルカリ溶液中に均一に分散しやすい、
b.SiO質超微粉の均一な分散により、SiO質超微粉が潤滑効果を呈して、その珪酸アルカリ溶液の懸濁液は良好な流動特性が得られると共に過剰な珪酸アルカリ溶液の液部分が減少して、耐火性骨材及びSiO質超微粉の充填密度が向上し、相対的に液部分の割合と厚みが小さくなる、
c.硬化及び昇温後の収縮の主たる部分である珪酸アルカリ溶液の液部分の割合と厚みが小さくなることで、珪酸アルカリ溶液の液部分の収縮比率が同程度であっても、耐火性シール材全体の収縮は小さくなる、
d.珪酸アルカリ溶液の液部分の収縮代が減少することで、熱間の耐火性骨材等の膨張が、顕在化する、
等の効果をもたらし、珪酸アルカリ溶液の液部分の厚みが厚い場合に収縮代も大きいのに対し、本発明の耐火性シール材は収縮が抑制され、膨張傾向となる。
さらに、
e.SiO質超微粉中のSi成分が珪酸アルカリ溶液中に溶解し、S/Rモル比が上昇する、
f.そのS/Rモル比の上昇が珪酸アルカリ溶液の高分子化ないしゲル化を促進する。
g.その高分子化ないしゲル化により硬化した組織は、Si密度が高い、熱間で結晶化し易い等も考えられ、大きな膨張特性や接着強度を示す、
等の効果をもたらし、本発明の耐火性シール材は、膨張傾向となる。
これらの結果、本発明の耐火性シール材は、高強度で緻密質という特性を維持しつつ、耐火性シール材が通常曝される500℃付近での収縮挙動が抑制され、逆に、膨張挙動を示すことになる。さらにこの膨張挙動は長時間維持され、その膨張挙動によりガス漏れの原因となる隙間や亀裂の発生が防止される。
したがって、本発明の耐火性シール材を使用したガス吹き込みノズルでは、多数回連続鋳造条件下の使用においても、本体耐火物とメタルケース等の間のシール性を低下させずにガス漏れを抑制でき、鋳造の最後まで必要なガス吹き込み処理が可能となる。それにより、安定的な多数回連続鋳造の操業が可能となり、鋳片中の介在物も減少でき、コスト低減、軽労化、鋳片の品質向上に貢献する。
発明の実施の形態を実施例と共に記す。
表1は、本発明の耐火性シール材の実施例を示し、各組成のものから耐火性シール材を作製して、SiO質超微粉末の添加量と珪酸アルカリ溶液のS/Rモル比の違いによる耐火性シール材としての作業性、メタルケースとの接着強度、500℃に於ける線膨張率を評価した。
表2には、耐火材の組成と珪酸アルカリ溶液のS/Rモル比が本発明の範囲外のものと、従来の硬化剤を使用した例を比較例として、実施例と同様の評価を行ったものである。
Figure 2006175482
Figure 2006175482
耐火性骨材には、最大粒径0.3mmのアルミナ微粉末を使用し、シリカ質超微粉末は最大粒径が1μm以下のものを使用した。
珪酸アルカリ溶液は、S/Rモル比1.9〜2.2のものは1号水ガラス、S/Rモル比2.3〜2.6のものは2号水ガラス、S/Rモル比3.1〜3.3のものは3号水ガラス、S/Rモル比3.9〜4.2のものは4号水ガラスとして一般に市販されているものを使用した。
耐火性シール材としての作業性は、ノズルの本体耐火物に各耐火性シール材を塗布し、その際の塗布のし易さ、接着性等を感覚的に評価し、さらにそれにメタルケースをセットする際の滑りや充填性等を視覚的に評価し、それらの総合的な評価を良/不良で表したものである。
メタルケースとの接着強度試験は、図1に示す供試サンプルAを使用した。同図において、耐火物1の形状は20×20×60mmであり、耐火性シール材2は約1mmの厚みで20×20mmの範囲に塗布したものであり、メタルケースを想定した鉄板3の寸法は20×60×1mmとした。4は接着強度測定に於ける耐火物の支点を示す。
試験は、A全体を900℃に予熱したのち、1000℃で3分間保持した後、耐火性シール材2が鉄板3または耐火物1から離れるときの荷重を1000℃熱間での接着強度とした。この接着強度は0.4MPa以上を実用上の合格の基準とした。
耐火性シール材の線熱膨張率は、20×20×60mmに成形した耐火性シール材を、その成形後の長さを基準として500℃の熱間における長さの変化を測定した。この測定における500℃の温度の選択は、ノズルが使用中に曝される温度が約500℃であり、500℃における膨張または収縮が耐火性シール材のガスシール性に影響を及ぼすこと、さらには、500℃での線熱膨張は約1200℃までほぼ直線的であるためである。本発明の耐火性シール材の500℃での線熱膨張率は0.2%以上であることを実用上の目標とした。
耐火性シール材としての作業性は、本発明の実施例の表1に示すように、前記2号水ガラスの珪酸アルカリ溶液を20質量%〜50質量%の範囲で使用したものは何れも良好であるが、表2の比較例15に示す添加量が15質量%と少ない場合には固すぎて、表2の比較例16に示す添加量が55質量%と多い場合には柔らかすぎて流動気味となっている。S/Rモル比1.9〜2.2(1号水ガラス)、3.1〜3.3(3号水ガラス)の各珪酸アルカリ溶液の場合も同様な傾向を示した。
さらに、表2の比較例7〜13に示すS/Rモル比3.9〜4.2(4号水ガラス)の珪酸アルカリ溶液を使用した場合には粘性が高すぎる傾向となり、いずれも塗布性、滑り、充填性等が劣り、不良との評価になった。
これらのことから、耐火性シール材としての作業性は、S/Rモル比1.9〜2.2(1号水ガラス)、2.3〜2.6(2号水ガラス)、3.1〜3.3(3号水ガラス)の各珪酸アルカリ溶液が、外掛けで20質量%以上50質量%以下の添加量が好ましいことがわかる。
SiO質超微粉末の添加量と耐火性シール材の膨張性との関係については、1号〜3号の水ガラスの各珪酸アルカリ溶液を30質量%いずれのS/Rモル比の珪酸アルカリ溶液を使用しても、SiO質超微粉末を1質量%〜30質量%の範囲で添加した耐火性シール材の線熱膨張率が添加量に応じて増加する傾向が認められる。しかし、40質量%添加した場合にはいずれのS/Rモル比の珪酸アルカリ溶液の場合でも膨張が小さくなるか、収縮傾向となった。このことから、耐火性シール材の膨張性に対するSiO質超微粉末の添加量は1質量%〜30質量%の範囲が好ましいことがわかる。
SiO質超微粉末の添加量と耐火性シール材の接着性との関係については、S/Rモル比1.9〜2.2(1号水ガラス)の珪酸アルカリ溶液を使用した場合には、SiO質超微粉末の添加量が増加するに従って接着強度が低下する傾向を示すが、いずれの添加量でも基準の0.4MPa以上は得られた。
S/Rモル比2.3〜2.6(2号水ガラス)、3.1〜3.3(3号水ガラス)の各珪酸アルカリ溶液を使用した場合には、SiO質超微粉末の添加量が増加するに従って接着強度は向上する傾向を示し、いずれの添加量でも基準の0.4MPa以上は得られた。しかし、S/Rモル比3.9〜4.2(4号水ガラス)の珪酸アルカリ溶液を使用した場合には、SiO質超微粉末の添加量が増加するに従って接着強度は向上する傾向を示すものの、いずれの添加量でも基準の0.4MPaには達しない低い値にとどまった。このことから、耐火性シール材の接着性に対するSiO質超微粉末の添加量は、S/Rモル比1.9〜2.2(1号水ガラス)、2.3〜2.6(2号水ガラス)、3.1〜3.3(3号水ガラス)の各珪酸アルカリ溶液を30質量%使用した場合には、少なくとも確認した1質量%〜40質量%の範囲のいずれの添加量でも良好であって実用可能であるが、S/Rモル比3.9〜4.2(4号水ガラス)の珪酸アルカリ溶液を使用した場合には、いずれの添加量でも実用不可能であることがわかる。
以上のように、作業性、膨張性、接着性を総合的に評価すると、表1の実施例に示すように、S/Rモル比1.9〜2.2(1号水ガラス)、2.3〜2.6(2号水ガラス)、3.1〜3.3(3号水ガラス)の各珪酸アルカリ溶液を30質量%使用した系に於いて、SiO質超微粉末の添加量は1質量%〜30質量%の範囲が好ましいことがわかる。
これらの表1に示す各実施例及び表2に示す比較例3、比較例14の耐火性シール材を、図2に示すガス吹き機能を有する上ノズルBに適用して鋼の連続鋳造に使用し、そのノズルに供給するガスの圧力すなわち背圧の変化を測定することで、ガス漏れの有無を調査した。
同図において、6はガス吹き機能を有する上ノズルの本体耐火物であり、7は耐火性シール材を、8は本体耐火物を覆うメタルケースを、9はガス吹きのためのガスプールを、また、10はガス導入口(パイプ)を、さらに、11は内孔を示す。
ノズルのシール性が不良の場合は、そのノズルに供給するガスの圧力が急激に大きく変化し、その背圧が変動する。その程度の大小を耐火性シール材7のシール性の高低として評価した。 その結果、実施例はいずれも使用中の背圧変動が小さく、ノズル寿命も10回以上の高耐用性であり、ガスシール性が良好であったことを示した。これに対して、耐火性シール材として、比較例3、14を使用した場合は、使用回数の小さい場合には背圧変動が小さかったものの、多数回使用においては背圧変動が大きく、8回までの使用にとどまった。
耐火性シール材のメタルケースとの接着強度の測定装置を示す。 耐火性シール材を実機に適用した例を示す。
符号の説明
A 接着強度測定に於ける供試サンプル
B 本発明の耐火性シール材を適用したガス吹き機能を有する上ノズル
1 耐火物
2 耐火性シール材
3 鉄板
4 接着強度測定に於ける耐火物の支点
5 接着強度測定に於ける加圧の位置及び方向
6 上ノズルの本体耐火物
7 耐火性シール材
8 メタルケース
9 ガスプール
10 ガス導入口
11 ノズルの内孔

Claims (4)

  1. 粒径1μm以下のSiO質超微粉末が1質量%以上30質量%以下、残部が耐火性骨材からなる耐火物粉末100部に対し、SiO/RO(R:アルカリ金属)のモル比が1.90以上3.30以下の珪酸アルカリ溶液を外掛けで20質量%以上50質量%以下添加した耐火性シール材。
  2. 耐火性骨材の最大粒径が0.2mm以上1mm以下である請求項1に記載の耐火性シール材。
  3. 500℃熱間での膨張性を示す請求項1又は請求項2に記載の耐火性シール材。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の耐火性シール材を本体耐火物とメタルケース間又は複数の耐火物部品からなる本体耐火物間に設置した、ガス吹き込み機能を有するノズル。
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