JP2006175378A - 発泡性溶液の蒸発装置及び蒸発方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 発泡性溶液の蒸発濃縮過程で生じる蒸発缶の気相部内面の固着を防止して、濃縮溶液の回収効率を高め品質向上を図ることにある。
【解決手段】 蒸発缶1が、缶上部に設けられた蒸気用の取出口2と、缶底部に設けられた濃縮液用の取出口1aと、缶上部に取り付けられて缶内上側の気相部に突出される管端3とを備え、処理対象である発泡性溶液を、加熱器7と管端3との間を接続している配管部から管端3へ過熱液として供給し、該管端3の下端より気液混合相として噴射する蒸発装置において、蒸発缶1の缶外部に設けられて、缶内の気相部と対応した缶表面部を冷媒により冷却する冷却手段9を有している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、発泡性溶液の濃縮など沸騰を伴う操作において使用される発泡を抑止して溶媒を蒸発させるために好適な蒸発装置及び蒸発方法に関する。
発泡性溶液の蒸発濃縮、溶媒回収、蒸留など沸騰を伴う操作において、発泡を抑止して溶媒を蒸発させる場合は、本出願人らが開発した特許文献1に記載のものが好適である。この蒸発装置では、蒸発缶が缶上部の蒸気用取出口と、缶底部の濃縮液用取出口と、缶上部に取り付けられて缶内上側の気相部に突出された管端とを備え、処理対象の発泡性溶液を、加熱器と管端との間を接続している供給配管から管端へ過熱液として供給し、該管端より気相混合相として噴射する。換言すると、蒸発方法的には、加熱器により過熱された発泡性溶液を管端に至るまでの供給配管中で蒸発させて気相混合相とし、かつ、管端付近に於ける気液混合相の流動形態を間欠流または環状流となるようにして、管端から噴射される液滴中の残過熱熱量の大部分を、缶内底部の液相部に至るまでの気相部中で蒸発潜熱として放出させて沸騰を完了させるものである。この技術は、液滴が蒸発缶内の液面に達したときに起こる液面下沸騰及び/又は蒸気の巻き込みによる発泡を防ぐ上で、蒸発缶内で発泡性溶液の発泡そのものを起こさないように予め気液混合相の流動形態を制御して発泡を抑制するものであり、従来の遠心力や高真空にするための装置を必要とせず、また、破泡のための機械的な可動部を設けたり、ガスや蒸気を吹き付けるという熱効率を損なうような操作を不要にできること等で優れている。
特公平7−51201号公報
ところで、上記特許文献1の技術では、装置を複雑化することなく発泡を効率よく抑止できるが、次のようなことが問題となる。
ア)、発泡性溶液としては、例えば、塗料、紙塗工、繊維加工あるいはプラスチックやゴムの製造などに使用される乳濁液(以下、エマルジョンという)も処理対象となることがある。そのようなエマルジョンを蒸発濃縮させる場合には、管端より噴射されたエマルジョンがミスト状となって蒸発缶の気相部内面に付着する。付着したエマルジョンは、水分が蒸発することにより流下せず乾燥し、缶内面に固着してしまう。該固着物は溶解し難く、そのまま残存し、粗粒子となって缶内面に滞る。このため、実際の操作では、缶内面の固着物を定期的に洗浄・除去しなければならず、稼動率の低下要因となる。特に、蒸発缶が大型の場合は、洗浄効率が悪かったり洗浄廃水が多量に排出され、その後処理にも経費がかかる。
イ)、また、前記固着物が剥がれ缶内の濃縮液に混入した場合には、蒸発缶に付設される配管系において閉塞の問題が発生するため濾過して取り除かなければならず、製品(濃縮液)の品質にも悪影響を及ぼしかねない。なお、蒸発缶は、通常、SS(鉄)やSUS(ステンレス)製であるが、前記の問題を解決するため、例えば、缶内表面を鏡面仕上げする方法(特開平11−269204、特開昭57−61004など)やテフロン(登録商標)コーティングやグラスライニングを施す方法、あるいは、固着防止材(特開平11−35625、特開平4−81404など)を塗布する方法が提案されている。しかし、それらの方法では、缶内表面にエマルジョンの皮膜が一旦生成されてしまうと効果が期待できない。
本発明の目的は、以上のような発泡性溶液の蒸発濃縮過程で生じる蒸発缶の気相部内面の固着を防止して、濃縮溶液の回収効率を高め、品質向上と共に洗浄工程を極力削減できるようにすることにある。
上記目的を達成するため請求項1の本発明は、蒸発缶が、缶上部に設けられた蒸気用の取出口と、缶底部に設けられた濃縮液用の取出口と、缶上部に取り付けられて缶内上側の気相部に突出される管端とを備え、処理対象である発泡性溶液を、加熱器と前記管端との間を接続している配管部から前記管端へ過熱液として供給し、該管端の下端より気液混合相として噴射する蒸発装置において、前記蒸発缶の缶外部に設けられて、前記缶内の気相部と対応した缶表面部を冷媒により冷却する冷却手段を有していることを特徴としている。
以上の冷却手段としては、請求項2に特定したように、前記缶内の気相部と対応した缶表面部と該缶表面部を覆う外壁との間の隙間に冷媒を流すジャケット型、前記缶内の気相部と対応した缶外表面部に巻かれた配管に冷媒を流すコイル型、記缶上部に設けられたノズル等から吐き出して前記缶内の気相部と対応した缶外表面全体に冷媒を行き渡らせるシャワー型の何れかであることが好ましい。なお、前記シャワー型では、冷媒が液体の場合、缶外周にあって缶内の液面とほぼ同じ高さに前記ノズルより吐き出された冷媒を回収可能にする樋等が設けられる。
また、請求項3と4の発明は、上記の蒸発装置を用いて、処理対象の発泡性溶液を蒸発し濃縮する蒸発方法として捉えたものである。すなわち、請求項3の発明は、前記冷却手段により前記缶内の気相部と対応した缶表面部を冷却処理するとともに、前記発泡性溶液を蒸発し濃縮によって減少した容量に対応して、蒸発濃縮前の発泡性溶液を当該処理中の発泡性溶液に追加・補充し、缶内溶液の液面を設定範囲に保つことを特徴としている。請求項4の発明は、前記冷却手段により前記缶内の気相部と対応した缶表面部を冷却処理するとともに、蒸発缶内の液面を検出する液面検出手段を有し、該液面検出手段で得られた検出値に基づいて、缶内溶液の液面を設定範囲に保つことを特徴としている。なお、以上の蒸発方法は、請求項1または2の発明装置を用いて、例えば、蒸発缶表面部の温度上昇に同期して、冷却手段により蒸発缶内の気相部と対応した缶外表面部を冷却処理するが、その点を除いて特許文献1の方法と実質的に同じである。すなわち、この方法では、例えば、管端付近に於ける気液混相流の流動形態が間欠流または環状流となるように制御することと、発泡性溶液を過熱して管端に至るまでの配管内で蒸発させることで、気液混相流として液表面に気液の速度差による剪断力を与え配管中での発泡を抑止し、かつ、残りの蒸発が容易に行われるように蒸発缶内の管端からでる蒸気の噴射力によって液滴を生成し表面積を増大させ、液滴が蒸発缶の底部側液面に至るまでに蒸発を完了させる。このような操作では、缶内から流出する蒸発分量だけ原液(新たな発泡性溶液)を補うことにより缶内の発泡性溶液(濃縮液)を一定に保つようにする。
・請求項1の発明では、発泡性溶液の濃縮過程において、冷却手段により蒸発缶外部にあって缶内の気相部と対応した缶表面部を冷却することで、缶内表面に付着した付着液を冷やして蒸発を抑制して、該付着液が缶内の濃縮液中に自然流下する現象を確実に維持し、それにより蒸発乾燥に起因した固着を防止可能にする。また、缶内濃縮液表面での突沸を抑え、発泡を抑えることができる。この結果、本発明装置では、例えば、処理対象の発泡性溶液がエマルジョンであっても、缶内面への固着を抑えて装置稼働率を向上したり、品質低下要因を解消して信頼性を具備できる。
・請求項2の発明は、冷却手段としてジャケット型、コイル型、シャワー型の態様だと既存の蒸発缶にも設置が容易であり、付着した液滴を効率よく冷却することができる。
・請求項3と4の発明は、蒸発缶内にある濃縮処理中の発泡性溶液の高さを一定に保つ、つまり、気相容量を一定に保つことによって、当該溶液の加熱などの熱エネルギー損失を最小限にとどめることができる。また、缶内の気相部と対応した缶表面を冷却することによって、溶液表面部分も多少冷却され、溶液表面での突沸を緩和して発泡を抑える効果もある。
本発明の最良な形態を図面の形態例を参照しながら説明する。図1は第1形態、図2は第2形態、図3は第3形態を示している。以下の説明では、第1形態により装置の基本構造を述べ、次に第2形態と第3形態の変更点に言及した後、実施例を挙げて本発明の有用性を明らかにする。なお、各形態例では、同一又は類似する部材に同じ符号を付し、重複した説明を極力省く。
(第1形態)図1は蒸発装置の全体構成を模式的に示している。この蒸発装置は、縦型の蒸発缶1と、蒸発缶1の上側取出口を形成している取出筒2と、蒸発缶1内に吊り下げた状態に配置されている複数の管端3と、各管端3の上端にフレキシブルホース等を介して連結している共通管4と、蒸発缶1の底部に設けられている取出口1aと共通管4との間を配管5で連通し、かつ配管5の途中に設けられるポンプ6、ヒーター7、原液a用の導入部等を有した循環系8と、缶内の気相部と対応した缶表面部を冷媒により冷却する冷却手段9などを備えている。
ここで、蒸発缶1は、SSやSUS製などであり、大筒形の本体10および該本体10の上部を絞った小筒形の首11とからなり、取出筒2を首11に連結している。取出筒2は本体1内から蒸気を取り出す取出口となる。通常は、図示を省略したが、取出筒2が配管を介してデミスターに連結される。そして、蒸発缶1内の蒸気は、そのデミスターに導入され、該デミスターによってミストを除去した蒸気として凝縮器に導出されて凝縮液として処理される。これに対し、取出口1aは、配管5に付設された開閉弁8a,8bの切換操作等によって、缶内の濃縮液を導出して、製品用として回収可能にしたり、缶内の濃縮液(処理中の発泡性溶液)を循環系8を介して過熱液として再び管端3から噴射可能にする。
各管端3は、本体10の鏡面12にあって、首11を中心とした同心円上に二重管13等を介し垂直に保持されており、処理対象の発泡性溶液が循環系8および共通管4を介し過熱液として供給されると、缶内上側の気相部に突出している管下端より気相混合相として噴射する。管端3の本数は装置の処理能力等を考慮して任意に決められる。循環系8は、配管5のうちポンプ6とヒーター7との間の配管部に接続されて原液供給部から発泡性溶液(原液a)を導入し、又は、蒸発缶1内の発泡性溶液(濃縮途中の発泡性溶液)を取出口1aからポンプ6を介して取り出し、それらをヒーター7により所定温度に加熱し、過熱液として共通管4から各端管3に供給可能にする。
また、以上の蒸発装置では、蒸発缶1内の発泡性溶液の総量が、取出筒2から流出される蒸発量から逆算することにより、又は、蒸発缶1に付設された不図示の液面検出手段により把握することにより、逐次計測管理されるようになっている。そして、装置稼働時には、発泡性溶液を蒸発し濃縮によって減少した容量に対応して、原液aを当該処理中の発泡性溶液に追加・補充し、缶内溶液の液面を設定範囲に保つよう制御される。
冷却手段9は、蒸発缶1のうち、缶内の気相部と対応した缶外表面部に隙間16を保ってSSやSUS製または断熱性の外壁部材15を付設したジャケット構成である。該外壁部材15は、本体10の缶内溶液の液面高さから首11までを覆っていて、下周囲が本体10側に水密状態に固着され、上周囲が首11のフランジ側に水密状態に固着されている。外壁部材15には、下周囲箇所に冷媒を隙間16に導入するための入口15aと、上周囲箇所に冷媒を隙間16から外へ排出するための出口15bとが設けられている。冷媒としては、気体に限られず、液体であっても差し支えない。この冷媒は、専用機器から所定圧ないしは流量で入口15aに供給される。なお、このような隙間16には、冷媒の上昇速度や流出速度を制御する邪魔板やフィン等が付設されることもある。また、構造的には、冷媒の入口と出口とを逆に設定してもよい。
(第2形態)図2は前記冷却手段を変更した構成例である。この冷却手段9は、缶内の気相部と対応した缶外表面部に配管17を巻き付けたパイプ構成である。配管17は断面が図2のような円形に限らず、パイプを半割にした形状、いわゆるコイルジャケット型でも良い。該配管17は、本体10の缶内溶液の液面高さあたりから首11までを所定ピッチで巻き付けていて、下端の入口17aから導入される冷媒を上端の出口17bから排出する。この場合も冷媒は、気体あるいは液体であり、専用機器から所定圧ないしは流量で入口17aに供給される。構造的には、図1の同様に入口と出口とを逆に設定することも可能である。
(第3形態)図3は前記冷却手段を更に変更した他の構成例である。この冷却手段9は、缶上部に設けられたノズル18から吐き出して缶内の気相部と対応した缶外表面全体に冷媒を行き渡らせるシャワー構成である。つまり、ノズル18は、例えば、首11の外周にリング状に巻かれ、入口18から導入される冷媒をリング状の管部分に設けた複数の孔から下向きに吐き出すようにする。また、この例では、本体10の缶内溶液の液面高さに対応した箇所に樋19が周設されている。該樋19は、上向きに開口していて、ノズル18からシャワー状に吐き出される冷媒である液体を受け入れ、出口19aから回収可能にする。
次に、以上の蒸発装置を用いてエマルジョンを蒸発濃縮する操作例について述べる。まず、蒸発缶1には、原液aが循環系8を利用して所定量だけ所定温度で収容される。その後は、循環系8によりエマルジョンをヒーター7で所定温度まで過熱し、又、蒸発缶1の缶内が所定の内圧に調整される。そして、循環系8の過熱液が気液二相流として、各管端3に入り下端から噴射されると、缶上部の気相部で液適と蒸気とに分離される。分離された液滴は、その表面積を増大させつつその過熱熱量を蒸発缶1内の液面に到達するまで蒸発潜熱として放出し飽和液滴として液面に到達する。分離された蒸気は、取出筒2から不図示のデミスター側へ導入される。また、各管端3から噴射された液滴は、適度な液滴径となり、装置の始動時に起こり易い圧力変動などの外乱によって発生した液面上の泡を液滴の衝突による衝撃力によって消泡する。通常稼動時において、発泡を抑止するための運転条件としては、管端3や共通管4付近に於ける気液混合相の流動形態が間欠流または環状流となるよう制御する。但し、実際には多少の発泡が発生しても、前記の液滴の衝突による破泡速度と発泡速度とがバランスして泡の層が一定の高さ以上にならなければ運転可能である。これらは特許文献1のものと同じである。以上のようにして、缶内のエマルジョンは、循環系8により缶内より取り出されて再度過熱され、同様の濃縮操作が繰り返し行われる。蒸発濃縮が進むと、蒸発量に対応して缶内の液面(不図示の液面検出手段にて計測される)が下がるので、原液a(エマルジョン)がその蒸発量に対応した分だけ追加補充され、缶内の液面をほぼ一定に保ちながら蒸発濃縮を行う。設定濃度まで濃縮した濃縮液は、缶内下部の排出管5aより回収部へ排出される。
以上の蒸発濃縮操作では、冷却手段9により蒸発缶1のうち缶内の気相部と対応した缶外表面部を冷却することにより、缶内表面に付着した付着液(液滴)を冷やして蒸発を抑制する。これは、付着した液滴が缶内の濃縮液中に自然流下する現象を確実に維持し、それにより蒸発乾燥に起因した固着を防止可能にするためである。また、その冷却構造として、上記した3つの冷却手段9を比べると、冷却効率(熱効率)としては図1のジャケット型が最も良い。但し、ジャケット型は、管端3の数が多くなると、缶上側を覆っている外壁部材15に各管端3又はブラケット13用の切欠部を設けなければならないので、管端3が少ない蒸発缶に適している。図2のコイル型は、ジャケット型より伝熱面積が少なく冷却効率が低いが、管端3が多くなっても設置上の制約を受けたり複雑化することもない点で優れている。図4のノズル型は設備費用を抑える上で好適であり、簡易かつ簡明であるためメンテナンス性にも優れている。
以下の実施例は、上記と同様な装置にて濃縮処理を行った例である。すなわち、実施例1と2及び比較例で用いた蒸発装置は、冷却手段9の有無で異なり、それ以外は蒸発缶が容量35L、内径300mmの大きさで、管端及び循環系も同じ設定である。発泡性溶液として合成ゴムラテックス(固形分約45%)を濃縮する例である。また、実施例1と2の冷却手段9は図2のコイル型の例である。
(実施例1)この濃縮操作では、蒸発缶に合成ゴムラテックス(固形分約45%)を11kg仕込み、缶内の圧力20torr、ヒーター温度50℃(温水)にて過熱すると同時に、蒸発缶に巻かれたパイプに、2℃の冷水を流しながら蒸発濃縮を進行した。この操作では、ミスト状のラテックスが気相部に舞い缶内面に付着するが、すぐに缶内の濃縮液中へ流れ落ち、固化することなく処理操作を進行できた。また、缶内の濃縮液表面での発泡は運転開始時に数センチ高さ程度確認されたが、定常運転状態になるとほとんど発泡は納まり、問題なく運転できた。なお、濃縮が進むと、缶内の液面が下がり、缶内に設けられた液面検出手段の計測値に連動し、原液としてラテックス(固形分約45%)を減量分だけ追加した。そして、設定濃度である固形分60%のラテックスになるまで問題なく運転ができた。
(実施例2)この濃縮操作では、蒸発缶に合成ゴムラテックス(固形分約45%)を12.5kg仕込み、缶内圧力25torr、ヒーター温度60℃(温水)にて過熱すると同時に、蒸発缶に巻かれたパイプに、2℃の冷水を流しながら蒸発濃縮を進行した。この操作において、気相部表面に着いたラテックスは、実施例1と同じくすぐ流れ落ち、固化することはなかった。また、泡の発生はほとんどみられず、設定濃度である固形分60%のラテックスになるまで問題なく運転ができた。
(比較例)この濃縮操作では、蒸発缶に合成ゴムラテックス(固形分約45%)を13.2kg仕込み、缶内圧力25torrという一定真空度に保持し、ヒーター温度60℃(温水)にてラテックスを過熱、管端より噴霧し、蒸発濃縮運転を行った。運転開始後、管端より噴霧したラテックスがミストで気相部に舞い、気相部内面に白く付着し、皮膜(ポリマーフィルム)となって固化してしまった。固化した皮膜がラテックス溶液に混入した場合には、変質したラテックスになってしまうこともあり、十分な蒸発濃縮工程は不可能と判断した。これは、使用したラテックスが熱安定性に欠け、熱で変質する傾向があったことも影響している。
以上説明したように、本発明は請求項1の要件を充足すればよく、細部は上記した形態例および実施例を参照して種々変形したり展開可能なものである。
第1形態に係る蒸発装置の要部を模式的に示す構成図である。 第2形態に係る蒸発装置の要部を模式的に示す構成図である。 第3形態に係る蒸発装置の要部を模式的に示す構成図である。
符号の説明
1…蒸発缶(1aは取出口、10は本体、11は首)
2…取出筒(取出口)
3…管端
4…共通管
5…配管
6…ポンプ
7…ヒーター(加熱器)
8…循環系
9…冷却手段

Claims (4)

  1. 蒸発缶が、缶上部に設けられた蒸気用の取出口と、缶底部に設けられた濃縮液用の取出口と、缶上部に取り付けられて缶内上側の気相部に突出される管端とを備え、処理対象である発泡性溶液を、加熱器と前記管端との間を接続している配管部から前記管端へ過熱液として供給し、該管端の下端より気液混合相として噴射する蒸発装置において、
    前記蒸発缶の缶外部に設けられて、前記缶内の気相部と対応した缶表面部を冷媒により冷却する冷却手段を有していることを特徴とする発泡性溶液の蒸発装置。
  2. 前記冷却手段が、前記缶内の気相部と対応した缶表面部と該缶表面部を覆う外壁との間の隙間に冷媒を流すジャケット型、前記缶内の気相部と対応した缶外表面部に巻かれた配管に冷媒を流すコイル型、記缶上部に設けられたノズル等から吐き出して前記缶内の気相部と対応した缶外表面全体に冷媒を行き渡らせるシャワー型の何れかである請求項1に記載の発泡性溶液の蒸発装置。
  3. 請求項1または2に記載の蒸発装置を用いて、処理対象の発泡性溶液を蒸発し濃縮する蒸発方法であって、
    前記冷却手段により前記缶内の気相部と対応した缶表面部を冷却処理するとともに、前記発泡性溶液を蒸発し濃縮によって減少した容量に対応して、蒸発濃縮前の発泡性溶液を当該処理中の発泡性溶液に追加・補充し、缶内溶液の液面を設定範囲に保つことを特徴とする発泡性溶液の蒸発方法。
  4. 請求項1または2に記載の蒸発装置を用いて、処理対象の発泡性溶液を蒸発し濃縮する蒸発方法であって、
    前記冷却手段により前記缶内の気相部と対応した缶表面部を冷却処理するとともに、蒸発缶内の液面を検出する液面検出手段を有し、該液面検出手段で得られた検出値に基づいて、缶内溶液の液面を設定範囲に保つことを特徴とする発泡性溶液の蒸発方法。
















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