以下、本発明に係る遊技機の実施形態として、遊技場等に設置されるパチンコ機を図1ないし図21に沿って説明する。
図1は本発明に係る実施の形態におけるパチンコ機の外部構造を示す正面図、図2は当該パチンコ機に搭載された大入賞役物を単体で示す正面図、図3は図2に示した大入賞役物を下側の前面カバー及び上側の竹模様状カバーを取り外した状態で示す正面図、図4は図2に示した大入賞役物を下側の前面カバーを取り外した状態で示す斜視図、図5は図3に示した大入賞役物を斜め上方から見た状態で示す斜視図、図6は図3中のVI-VI線に沿って断面した側面断面図、図7はステージ部及びキャラクタ像に係る部分を抜粋して示す正面図、図8は図7中のVIII-VIII線に沿って断面した側面断面図、図9は図3に示した大入賞役物を背面側から見た状態で示す背面図、図10は図9に示した大入賞役物の背面上部のカバー部材を取り外した状態で示す背面図、図11は大入賞役物の枠体上部を背面側から見た状態で示す背面図、図12は図11に示した大入賞役物の枠体上部をやや回転させた状態で示す斜視図である。また、図13は第1振り分け装置の構成の一部を示す斜視図、図14は第1振り分け装置の構成の一部を示す斜視図、図15は図14に示した第1振り分け装置の全体を時計方向にやや回転させた状態で示す斜視図、図16は図15に示した第1振り分け装置の全体を見下ろす角度をやや変えた状態で示す斜視図、図17は第1振り分け装置の構成の一部を示す図であり、同図(a)は正面図、同図(b)は全体をやや回転させた状態で示す正面図、同図(c)は全体を更に回転させた状態で示す正面図である。更に、図18は第3振り分け部における円筒状振り分け部材を単体で示す図であり、同図(a)は斜視図、同図(b)は正面図、同図(c)は背面図、図19は図18(b)に示した円筒状振り分け部材を示す図であり、同図(a)は平面図、同図(b)は側面図である。また、図20は本実施形態におけるパチンコ機の制御系を示すブロック図、図21は本パチンコ機による作用を説明するためのフローチャートである。
なお、本実施形態における「入賞」は賞球を伴った入球を意味する概念であり、また「入球」は、入賞口や入球口に少なくとも遊技球が入ることを意味し、「賞球を伴わない入球」とともに「賞球を伴う入球」をも含む概念である。
パチンコ機1は、発射ハンドル9の操作による発射装置(図示せず)の作動で遊技球(所謂パチンコ玉)を遊技盤7の遊技領域7aに向かって打ち出しつつ遊技を行うもので、所謂確率変動等の大当たりが発生した状態で、大入賞口としてのアタッカー17(図1参照)に入球した遊技球に対応する数の遊技球を払い出すように構成されている。上記確率変動当たり(「確変当たり」とも言う)とは、抽選の結果、確変モードの大当たりが当選したとき、少なくとも当該確変モードによる遊技状態において次なる大当たりを引くまでの間、遊技者に有利な付加価値を付与し得る特殊状態を意味する。これに対し、当該特殊状態にならない大当たりとして「通常当たり」がある。
図1に示すように、本実施形態におけるパチンコ機1は、開口を有する枠体状の筐体2と、この筐体2に開閉可能に装着された前扉3とを有しており、前扉3の前面には、透明ガラス(図示せず)を有するガラス枠5が開閉可能に取り付けられている。透明ガラスの奥側には、遊技盤7が配置されている。前扉3における遊技盤7の左右上方には演出用照明装置23が配置されており、前扉3における遊技盤7の下方左部にはスピーカ(図示せず)を有する放音装置8が配置されている。また、ガラス枠5における右側部には、前扉3を筐体2側に施錠又は解放するための施錠装置4が配置されている。なお、筐体2及び前扉3等から遊技機本体が構成されている。
前扉3における遊技盤7の下方には上皿13が設けられており、上皿13における左上部には、賞球及び貸球を含む遊技球が供給される球供給口18が設けられ、上皿13における右上部壁面には、球貸ボタン14a及びプリペイドカード返却ボタン14bが設けられている。
また、前扉3における上皿13の下方には下皿15が配置されており、該下皿15の右部には、不図示の球発射装置を操作して遊技球を遊技領域7aに向けて打ち出すための発射ハンドル9が設けられている。更に、下皿15の球収容部15aには、上皿13からオーバーフローした遊技球が放出される球放出口19が形成されており、下皿15の左部には灰皿24が配置されている。なお、図1中の符号10は、発射ハンドル9の操作で発射された遊技球を遊技盤7の遊技領域7aに導くガイドレールを示し、符号22はアウト口を示している。また、本パチンコ機1には、遊技中に遊技領域7aにて入賞することなく落下してアウト口22に入り込んだ遊技球をパチンコ機背面側に導くアウト球通路(図示せず)が設けられている。
遊技領域7aには、アタッカー17と同等の賞球機能を有し且つ大当たり確定後の大当たり種別の抽選を機械的に行う大入賞役物12が中央部分に配設されている。大入賞役物12の下部左右には、大当たり抽選に寄与しない一般の入賞が行われる入賞口29,30が配設されており、大入賞役物12の下方には、大当たり抽選の契機となる入賞が行われる始動チャッカー16と、大当たり確定に伴う賞球を得るための入賞が行われる大入賞口としてのアタッカー17とが順次配設されている。上記始動チャッカー16は、開放位置と閉止位置とに開閉動作するように、始動チャッカー開閉ソレノイド103(図20参照)によって作動させられる。なお、始動チャッカー16の直上方には、所謂命釘としての一対の障害釘25が打ち込まれている。
また、上記アタッカー17は、大当たり発生時に開放され、遊技盤7の遊技領域7aに打ち出されて転動落下する遊技球Baを入賞させる。アタッカー17は、大当たり発生中、1回の開放で10個の入球を完了した時点で閉じ、当該開閉動作(ラウンド数)を、後述の電動開閉式チューリップ(電動開閉式入賞口)27とで合計15回となるように交互に繰り返すように構成される。但し、ここで言う「交互に繰り返す」とは、アタッカー17と電動開閉式チューリップ27とが1ラウンド毎に順次動作が切り替わることのみを意味するのではなく、一方が2ラウンド或いは3ラウンド消化してから他方に切り替わったりするように、切り替わるまでのラウンド数は任意であることを意味している。なお、上記入球数並びに開閉動作の回数は、10個や15回に限定されることはなく、必要に応じて適宜設定され得るものである。
大入賞役物12の中央部分には開口31(図2参照)が形成されており、遊技盤7には、この開口31から露出するように画像表示装置6が設けられている。遊技領域7aには、大入賞役物12の左方に風車11が配設されており、該風車11のやや下方における左右にスルーゲート34a,34bが配設されている。これらスルーゲート34a,34bは、始動チャッカー16を短時間だけ開閉させるための抽選の契機となる遊技球通過が行われる役物である。
そして、遊技領域7aにおけるスルーゲート34a,34b、入賞口29,30及び始動チャッカー16等の周囲には、遊技領域7aに発射され、大入賞役物12に入賞せずに落下してくる遊技球を適宜散らし、或いは始動チャッカー16やアタッカー17に導くように配置された多数の障害釘が打ち込まれている。また、大入賞役物12の周囲及びその上方側にも、遊技球を適宜散らし、或いは入球に導くようにするための多数の障害釘が打ち込まれている。なお、図1中の符号13aは皿ユニット13の球収容部、符号20は球放出レバー、符号21は球排出口を夫々示している。
次に、大入賞役物12について図2に沿って説明する。すなわち、図2に示すように、大入賞役物12は、上記開口31を中央部に有する略筒状の枠体12aを備えており、枠体12aの周囲には、その複数箇所から外方に張り出すように竹模様状にされたブラケット部45が形成されている。各ブラケット部45には、夫々枠体12aの後部側を遊技盤7に埋め込んだ形でネジ止めするために表裏貫通した孔45aが形成されている。
大入賞役物12は、枠体12aの鉛直方向最上部の中央部に配置された、賞球機能を得るための電動開閉式チューリップ(電動開閉式入賞口)27と、電動開閉式チューリップ27から図の左右下方に向かって滑らかに湾曲する暖簾状の飾り部47と、背面に位置する画像表示装置6を露出させる開口31を有するステージ部46と、該ステージ部46の中央部の上下に夫々配置された第1振り分け部33及び第2振り分け部32と、ステージ部46の下方に配置された第3振り分け部43とを備えている。ステージ部46は、電動開閉式チューリップ27から受け入れた遊技球を転動させるように構成される。
電動開閉式チューリップ27は、始動チャッカー開閉ソレノイド103(図20参照)の作動によって左方向と右方向に夫々回動して開放し、また右方向と左方向に夫々回動して閉止する型式の可動片27a,27bを備えて構成される。枠体12aにおける電動開閉式チューリップ27の更に上部には、湾曲状の上面を有する扇型の蓋部材111が配設されている。この蓋部材111は、閉止状態の電動開閉式チューリップ27に遊技球が進入しないように覆っている。
そして、電動開閉式チューリップ27とアタッカー17とは、1回の大当たり確定に対応して予め設定されたラウンド数(例えば15回)を合計で満たすように夫々開閉動作するように作動制御手段99(図20参照)によって制御される。ここで、電動開閉式チューリップ27にあっては、アタッカー17に関して上述したと同様、電動開閉式チューリップ27及びアタッカー17の一方が2ラウンド或いは3ラウンド消化してから他方に切り替わったりするように、切り替わるまでのラウンド数が任意とされる。
また大入賞役物12は、枠体12aに、遊技球Baの進入により確率変動当たりを確定させる確率変動当たり確定センサ(確率変動当たり確定部)42と、上記第1振り分け部33と、第2振り分け部32と、第3振り分け部43とを備えている。第2振り分け部32は、電動開閉式チューリップ27から受け入れた遊技球Baを確率変動当たり確定検知センサ42と該検知センサ42以外の部位である遊技球入球検知センサ41とに振り分ける本発明の振り分け装置を構成している。
第1振り分け部33は、図2ないし図6に示すように、ステージ部46の上部中央に位置して上下方向に延びるように配置されており、電動開閉式チューリップ27から入球した遊技球Baを、落下孔33aから落下させる第1ルートとしての落下案内通路71と、落下させない第2ルートとしての排出球案内通路80とに振り分けるように機能する。
第1振り分け部33は、図6、図11及び図12に示すように、枠体12aの開口31の前側に形成されたステージ部46の上方にて上下方向(鉛直方向)に延在する形で電動開閉式チューリップ27に連通する落下案内通路71と、該落下案内通路71の途中部分から図11の左方向に分岐するように延在する排出球案内通路80と、球振り分け用ソレノイド81の作動により落下案内通路71と排出球案内通路80との交差部に進退して電動開閉式チューリップ27からの遊技球を、第1のルートとしての落下案内通路71と第2のルートとしての排出球案内通路80とに振り分ける振り分け部材82と、落下案内通路71側に導かれた遊技球を一旦貯留した後、或るタイミングで第2振り分け部32に落下させる貯留部64とを備えている。振り分け部材82の前面には、図6及び図13に示すように、左右方向に所定量オフセットさせた形で上下2段に配置された振り分け突起82a,82bが設けられている。なお、図6における符号78は、第3振り分け部駆動モータ69の回転軸69aの駆動力を円筒状振り分け部材59に伝える伝達部材を示している。
振り分け突起82a,82bは、球振り分け用ソレノイド81がプランジャ81aを突出させない状態において図11に示すように位置される。すなわち、この状態で、振り分け突起82aは落下案内通路71から退避した位置にあり、振り分け突起82bは、振り分け突起82aの下方側にあって落下案内通路71内の図11左端側に位置している。ここで、振り分け突起82a,82bが夫々、上面中央が上方に高くなる山型状に形成されているので、図11に示す状態にあって、電動開閉式チューリップ27が開放してから最も早く入賞した先頭の遊技球Ba1が振り分け突起82bに保持され、且つ落下案内通路71内の右端側に寄せられる。これにより、後続する遊技球Ba2,Ba3が夫々、先頭の遊技球Ba1に偏心した状態(つまり、鉛直方向において遊技球Ba1の中心に対し後続の遊技球Ba2,Ba3の中心が図11左方にオフセットした状態)で当接する状況を実現でき、従って、後続の遊技球Ba2,Ba3が先頭の遊技球Ba1に噛み込むような不都合を確実に防止することができる。
貯留部64は、図6、図13ないし図16に示すように、上記落下案内通路71の背面側(後側)に配置された貯留部駆動モータ66と、該貯留部駆動モータ66の回転軸66aに連結部材74を介して連結された所謂回転ドア状の円筒部材75と、これら回転軸66a、連結部材74及び円筒部材75を収容する収容空間64aを有する円筒部材64bとを備えている。この円筒部材64bの下部に、上述した落下孔33aが形成されている。
上記貯留部64は、枠体12a側に固定される支持部材84を有しており、該支持部材84から上方に突出するように貯留部駆動モータ66が支持されている。更に、支持部材84の下方には、下方に突出するように円筒部材64bが固定されており、該円筒部材64bの下部に上記落下孔33aが形成されている。円筒部材64bは、枠体12aへの固定支持状態において落下案内通路71側に連通する開口部72aを有する連通部72を備えている。
図17(a)ないし(c)に示すように、上記円筒部材75は、貯留部駆動モータ66の回転軸66aに連結部材74を介して連結され、上下方向(鉛直方向)に長い円筒状部材の側面を所定幅に切り欠いて形成された球通過開口75aを備えた形で、上下方向に延在する回転軸66aを中心として一定速度で一方向に低速回転する所謂回転ドア状に形成されている。
上記構成を有する貯留部64において、貯留部駆動モータ66の作動により回転する円筒部材75は、落下案内通路71側からの遊技球Baが開口部72aから受け入れられた場合、開口部72a側に球通過開口75aを向けている際には該球通過開口75aを通じて落下孔33a側に遊技球Baを直ちに通過させるのであるが、開口部72a側に球通過開口75aが向いていない際には、円筒部材75の側壁で遊技球Baを一旦受け止めて貯留した状態から更なる回転により開口75aを遊技球Baに対向させた時点で落下孔33a側に遊技球Baを通過させることとなる。
続いて、第2振り分け部32について説明する。第2振り分け部32は、図2ないし図10に示すように、第1ルートとしての落下案内通路71から落下した遊技球Baを、確率変動当たり確定検知センサ42に導く第3ルートとしての中央凹部54と、確率変動当たり確定検知センサ42に導かない第4ルートとしての傾斜面53a,53bとに振り分けるように機能する。
第2振り分け部32は、ステージ部46の最も奥の部分(つまり画像表示装置6の直前部分)に、頭部に入球孔35を有し、且つ鉛直方向の軸A1を中心とした左方(一方向)と右方(他方向)に交互に回動するキャラクタ像28を備えている。このキャラクタ像28は、一体にされた頭部38a及び胴体部38bを有する所謂まねき猫状に形成されており、胴体部38bの上部左右に右手36a及び左手36bを有し、かつ胴体部38bの下部左右に右足37a及び左足37bを有している。このようなキャラクタ像28は、頭部入球口35から受け入れた遊技球Baを中央凹部54(第3ルート)に送る送出位置と送らない非送出位置とに絶えず切り替わるように、軸A1を中心として一定速度で左右方向に交互に低速回転するように作動制御手段99(図20参照)によって制御される。
ステージ部46におけるキャラクタ像28の直後方には、当該キャラクタ像28が軸A1を中心として左右に回転する際に、何らかの原因で回転検出センサ(図示せず)が故障した際に回転し過ぎて手36a,36bや足37a,37bが直後方の画像表示装置6に当接しないようにするための一対のストッパ63が突出形成されている。これら一対のストッパ63は、斜め前方に向く部分に傾斜面63a(図4及び図5参照)が形成されており、この傾斜面63aにより、キャラクタ像28とストッパ63との間での噛み込み現象が確実に防止される。
キャラクタ像28は、頭部に、貯留部64の落下孔33aから所定間隔をあけて位置すべき頭部入球口35を有しており、この頭部入球口35を落下孔33aに対向させた状態でステージ部46の最奥部に配置されている。ステージ部46におけるキャラクタ像28の下方には、図6及び図8に示すように、回転軸67aを上下方向(鉛直方向)に向けた形のキャラクタ像駆動モータ67が配設されている。ステージ部46には、キャラクタ像28の下部に対応して貫通孔77が形成されており、この貫通孔77には連結部材76が挿通されている。この連結部材76は、上部がキャラクタ像28の胴体部38bの底部に固定され、且つ下部が回転軸67aに連動連結されている。
キャラクタ像28の頭部38a内には、頭部入球口35に連通する球案内通路70が形成されており、胴体部38bの前方下部には、球案内通路70に連通する球放出口39が形成されている。キャラクタ像28は、キャラクタ像駆動モータ67による左右回転時、頭部入球口35から受け入れた遊技球Baを、正面が向く方向に応じて球放出口39から中央凹部54、傾斜面53a,53bの何れかに放出する。また、球放出口39の下部には、頭部入球口35から落下した遊技球Baを緩やかに放出するための傾斜面39aが形成されている。
また、キャラクタ像28の左手36bは、所謂まねき猫の招く側の手であり、胴体部38bの左右方向に延びる軸65によって揺動自在に支持された形で、一部が球案内通路70に連通する内方空間に突出している。これにより、当該左手36bは、頭部入球口35から落下した遊技球Baが上記突出部分に当接した際の衝撃で複数回揺動されて、あたかも手招きするように動作することとなる。
そして、図4ないし図8に示すように、ステージ部46におけるキャラクタ像28の正面側には、第1振り分け部33の落下孔33aから頭部入球口35に落下し、キャラクタ像28がほぼ正面を向いた際に放出されて中央凹部54に導入された際に遊技球Baを受け入れる入球孔56が形成されている。この入球孔56は、中央凹部54とともに、受け入れた遊技球Baを案内通路114を介して確率変動当たり確定検知センサ42に導く第3ルートとして構成される。
ステージ部46の前部中央には、上記入球孔56に連通して垂下する垂下通路57aと、この垂下通路57aからステージ部46の下部奥側に屈曲した形で延びる連通路57bとが配設されている。この垂下通路57aは、図2及び図7におけるステージ部46の下部右方に配置された確率変動当たり確定検知センサ42に遊技球Baを導く案内通路114(図7参照)に連通している。なお、図4における符号58は、枠体12aの背面側を覆うカバー部材を示し、符号48は、カバー部材58と飾り部47との間に位置してこれらの間の隙間部S(図5参照)を塞ぐカバー部材を示している。また、図5における符号49は、球放出部80a(図11参照)に鉛直方向案内路89(図9参照)を連通させるための、カバー部材58に形成された連通路である。
引き続き、第3振り分け部43について説明する。すなわち、第3振り分け部43は、図2ないし図8に示すように、第2ルートとしての排出球案内通路80(図10〜図12参照)及び第4ルートとしての中央凹部54左右の傾斜面53a,53bからの遊技球Baを確率変動当たり確定検知センサ42に導く第5ルートと、確率変動当たり確定検知センサ42に導かない第6ルートとに振り分けるように機能する。
上記第5ルートは、クルーン51のクルーン孔51a、クルーン52のクルーン孔52a、湾曲面60、入球凹部61、及び円周側放出部59cによって構成されており、上記第6ルートは、クルーン孔51a、クルーン孔52a、湾曲面60、入球凹部61、及び奥側放出部59d〜59gによって構成されている。クルーン51,52は、ステージ部46におけるキャラクタ像28の左右に夫々形成されており、それらの最も低い部分にクルーン孔51a,52aが形成されている。
なお、「クルーン」という語句は一般に、底面が曲面状に形成され、且つこの底面に表裏貫通孔を備え、底面上に転動されてきた遊技球を引き続き転動させつつ、貫通孔に落下させる役物を意味している。
第3振り分け部43は、大入賞役物12の前後方向に延びる軸A2を中心として図の時計回り方向に低速回転する円筒状振り分け部材59を有している。この円筒状振り分け部材59は、図7、図18(a),(b),(c)、及び図19(a),(b)に示すように、軸A2に一致させられる回転軸59aを備えると共に、円周側放出部59cと奥側放出部59d〜59gとを備えている。円周側放出部59cは、ステージ部46におけるキャラクタ像28の左右に形成されたクルーン孔51a,52aから落下した遊技球Baを受け入れた後、回転に伴い確率変動当たり確定検知センサ42に向けて放出する。奥側放出部59d〜59gは、クルーン孔51a,52aから落下した遊技球Baを受け入れた後、回転に伴い遊技球入球検知センサ41に向けて放出する。奥側放出部59d〜59gは夫々、奥方向に貫通する球通過穴hを有しており、この球通過穴hから放出された遊技球Baは、不図示の案内路を経由して上記遊技球入球検知センサ41に導かれる。
なお、上記クルーン51,52は、確率変動当たり確定検知センサ42及び該確定検知センサ以外の部位である遊技球入球検知センサ41と第2振り分け部32との間に配置されて、電動開閉式チューリップ27からの遊技球を一旦受け入れて確率変動当たり確定検知センサ42又は該確定検知センサ以外の部位である遊技球入球検知センサ41に送り出す遊技球送出部を構成している。
図4ないし図8に示すように、ステージ部46上には、遊技球送出部をなすクルーン51,52の上方に遊技球の直径d2(図7参照)を超える上下方向寸法d1をあけた形で大入賞役物12の前側から後側に亘ってクルーン51,52の上方を覆うように透明カバー部材96が配置されている。
そして、ステージ部46の左右幅方向の一側及び他側にクルーン51,52が夫々配置され、且つこれら両クルーン51,52の中央部分に、上述したキャラクタ像28が配置されており、透明カバー部材96が、キャラクタ像28の左右及び前方にあって寿司ネタの収容ケース状に形成されている。また、ステージ部46の一側及び他側に備えたクルーン51,52の間に、電動開閉式チューリップ27から受け入れた遊技球を確率変動当たり確定検知センサ42に送る上述の入球孔56が位置しており、透明カバー部材96は、クルーン51,52と共に入球孔56の上方を覆っている。
すなわち、透明カバー部材96は、覆っている内部を視認可能に透過するように構成されるもので、大入賞役物12の前端部から平坦状に立ち上がる前壁部96bと、この透明カバー部材96の上端部から後方に平坦状に延びる上壁部96aとを備えている。この上壁部96aは、図7に示すように、クルーン51,52の上方に遊技球の直径d2以上の上下方向寸法d1を有した状態で大入賞役物前側から後側に亘ってクルーン51,52及び入球孔56等の上方を被覆すると共に、キャラクタ像28と対向する部位に半円状の切欠き部96cを有している。
切欠き部96cは、キャラクタ像28が軸A1を中心として左右に回動した際に、当該キャラクタ像28の手36a,36bや足37a,37b等いずれの部位とも接触しない程度の隙間、具体的には遊技球の直径未満の隙間をあけるように構成される。この切欠き部96cの存在によって、図6及び図8に示すように、上壁部96aがキャラクタ像28の左右部分を半分以上覆うように配置される。透明カバー部材96には、その内面側に、魚類、エビ、イカ、タコ、貝類等の所謂寿司ネタを模った半透明シール116が貼付されており、これにより、上述したような寿司ネタのショーケース的なイメージが醸し出されている。
なお、透明カバー部材96の「透明」という語句は、濁りなく完全に透き通る状態のみならず、透明カバー部材96内方のクルーン51,52や入球孔56等を大入賞役物前方から問題無く視認し得る全ての状態を含む概念である。
また大入賞役物12は、図9ないし図12に示すように、上部に蓋部材111、電動開閉式チューリップ27、及び大入賞電動チューリップ開閉ソレノイド88を有している。電動開閉式チューリップ27は、左右の可動片27a,27bが夫々、支軸112によって枠体12a側に支持されていると共に、図10の手前側に突出した軸部材27c,27cが連結部材68の横方向の長孔68cに嵌挿されて連結されている。この連結部材68は、横方向に長い底部68aと、底部68aの両端部から鉤状に突出するアーム68bと、アーム68bに形成された上記長孔68cとを備えている。この連結部材68の底部材68aに、大入賞電動チューリップ開閉ソレノイド88のプランジャ88aの先端が連結されている。なお、図9における符号91は、暖簾状の飾り部47の背面を覆うカバー部材である。
大入賞役物12の上部の飾り部47は、図10の中央部から左方に延びる排出球案内通路80と、この排出球案内通路80内に配置された遊技球通過検知センサ79と、この遊技球通過検知センサ79で検知された遊技球Baを枠体12aの後方(図10の手前側)に放出する球放出部80a(図11及び図12参照)とを備えている。この球放出部80aから放出される遊技球は、鉛直方向案内路89及び案内路90を介して遊技盤7背面側に排出される。
枠体12aにおけるキャラクタ像28下方には、図10及び図11に示すように、第3振り分け部駆動モータ69が配置されており、この第3振り分け部駆動モータ69の左右には、確率変動当たり確定検知センサ42及び遊技球入球検知センサ41が配置されている。なお、図10中の符号83は基板を示している。
また、図2に示すように、大入賞役物12の下部前壁には、第3振り分け部43の円筒状振り分け部材59の前部に位置するように波形スリット40が形成されている。この波形スリット40は、本実施形態においては上下3段として形成されて、例えば、図3に示す入球凹部61と円筒状振り分け部材59との間に遊技球を噛み込んだ際等に、遊技場の係員が細い棒状部材を波形スリット40から差し込んで遊技球を掻き出すことができるようにされている。なお、図3における符号62は、枠体12aの下部前側を覆う前壁115の中央部に形成された開口であり、符号62aは、この開口62から入球凹部61側に向かって細くなる下部開口である。
次に、本実施形態におけるパチンコ機1の制御系を図20に沿って説明する。すなわち、本制御系は、主基板92と、この主基板92に接続されたサブ基板105とを備えている。主基板92は、本パチンコ機1の動作全体を統括的に管理するものであり、当該パチンコ機1の動作全体を管理するシステムプログラム及び遊技用の実行プログラムが予め記憶された半導体メモリ等からなる記憶部(図示せず)と、これらのプログラムを実行する不図示のマイクロプロセッサ(MPU)とを備えている。
主基板92は、入賞判定手段93、入賞信号出力手段94、抽選手段95、遊技制御手段97、保留手段98、作動制御手段99、作動判定手段100、作動決定手段101、及び確率変動当たり決定手段102を備えている。また主基板92には、始動チャッカー開閉ソレノイド103、大入賞電動チューリップ開閉ソレノイド88、球振り分け用ソレノイド81、アタッカー開閉ソレノイド104、貯留部駆動モータ66、キャラクタ像駆動モータ67、第3振り分け部駆動モータ69、始動チャッカー入賞検知センサ109、アタッカー入賞検知センサ113、確率変動当たり確定検知センサ42、遊技球入球検知センサ41、及び遊技球通過検知センサ79が接続されている。
入賞判定手段93は、発射ハンドル9の操作で作動する発射装置(図示せず)によって遊技領域7aに打ち出された遊技球が始動チャッカー16、電動開閉式チューリップ27、アタッカー17、及び入賞口29,30等の何れかに入賞したとき、当該入賞があった旨を判定する。つまり、入賞判定手段93は、始動チャッカー16に遊技球が入った場合、始動チャッカー入賞検知センサ109から受信した検知信号に従って入賞と判定する。また入賞判定手段93は、電動開閉式チューリップ27から遊技球が入った場合、遊技球通過検知センサ79からの受信検知信号、或いは確率変動当たり確定検知センサ42からの受信検知信号の夫々従って入賞と判定する。入賞判定手段93は更に、アタッカー17から遊技球が入った場合、アタッカー入賞検知センサ113からの受信検知信号に従って入賞と判定する。
入賞信号出力手段94は、入賞判定手段93によって入賞が判定されたとき、対応する始動チャッカー16、電動開閉式チューリップ27、アタッカー17、及び入賞口29,30等に入賞した旨の入賞信号を出力する。
抽選手段95は、入賞信号出力手段94からの入賞信号の受信時、最大保留球数(例えば4個)未満での入賞を契機として大当たりに当選するように、不図示の抽選用メモリから当たり当選乱数値を取得して大当たり抽選を実行する。抽選手段95は更に、大当たり抽選に当選した場合、不図示の演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、適宜の図柄が画像表示装置6の画面上で最終的に揃う旨の変動パターンを決定し、その旨の変動パターンコマンドを出力する。抽選手段95はまた、大当たり抽選で外れた場合、演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、外れに対応する適宜の図柄が画像表示装置6の画面上で最終的に表示される旨の変動パターンを決定し、この変動パターンコマンドを出力する。
遊技制御手段97は、予め設定された演出データ、抽選手段95での抽選結果、或いは確率変動当たり決定手段102での決定結果に対応して、画像表示装置6に表示すべき演出内容に関する信号を、制御コマンドと共にサブ基板105の表示制御手段107に送信する。
保留手段98は、抽選手段95から出力された変動パターンコマンドを受信し、始動チャッカー16への入賞の都度に行われた抽選の結果となる保留球として順次記憶する。当該記憶状況は、最大4個の保留球として、4個のLED等の発光体(図示せず)を点灯又は消灯させることにより表示される。なお、保留球として点灯表示される保留球数は上記「最大4個」に限らず、例えば3個以下、又は5個以上として適宜設定することも可能である。
作動制御手段99は、作動決定手段101の作動開始決定の旨の信号に基づき、始動チャッカー開閉ソレノイド103、大入賞電動チューリップ開閉ソレノイド88、球振り分け用ソレノイド81、アタッカー開閉ソレノイド104、貯留部駆動モータ66、キャラクタ像駆動モータ67、及び第3振り分け部駆動モータ69に駆動信号を送り、夫々に作動させる。
作動判定手段100は、始動チャッカー開閉ソレノイド103、大入賞電動チューリップ開閉ソレノイド88、球振り分け用ソレノイド81、アタッカー開閉ソレノイド104、貯留部駆動モータ66、キャラクタ像駆動モータ67、及び第3振り分け部駆動モータ69を夫々に作動させるための条件を満たすか否かを判定する。例えば、始動チャッカー開閉ソレノイド103にあって、始動チャッカー16の開閉の「条件を満たす」時とは、主基板92において抽選手段95の大当たり抽選とは別途行われる抽選で当選した場合である。また例えば、大入賞電動チューリップ開閉ソレノイド88やアタッカー開閉ソレノイド104にあって、電動開閉式チューリップ27やアタッカー17の開放の「条件を満たす」時とは、大当たりが発生し且つ開閉作動の順番が到来したときであり、閉塞の「条件を満たす」時とは、大当たり発生時において割り振られた入賞回数(ラウンド数)を完了したときである。
作動決定手段101は、作動判定手段100からの判定信号を受けて、始動チャッカー開閉ソレノイド103、大入賞電動チューリップ開閉ソレノイド88、球振り分け用ソレノイド81、アタッカー開閉ソレノイド104、貯留部駆動モータ66、キャラクタ像駆動モータ67、及び第3振り分け部駆動モータ69の作動開始を夫々に決定する。
確率変動当たり決定手段102は、確率変動当たり確定検知センサ42から受信した検知信号に従って、現在既に当選している大当たりの種別を、次なる大当たりを当選させるまで遊技者に有利な付加価値を付与し得る特殊状態となる確率変動当たりとして決定する。一方、確率変動当たり決定手段102は、電動開閉式チューリップ27やアタッカー17の1回分(1セット分)の全てのラウンド数を満たす開閉動作の終了時に確率変動当たり確定検知センサ42から検知信号を受信しなかった場合は、上記特殊状態とならない通常当たりとして確定する。
始動チャッカー開閉ソレノイド103は、作動制御手段99から送信された駆動信号に応答してプランジャ(図示せず)を進退動作させて始動チャッカー16を開閉動作させる。
大入賞電動チューリップ開閉ソレノイド88は、作動制御手段99から送信された駆動信号に応答してプランジャ88a(図6参照)を進退動作させて電動開閉式チューリップ27を開閉動作させる。
球振り分け用ソレノイド81は、作動制御手段99から送信された駆動信号に応答してプランジャ81a(図11参照)を進退動作させて、振り分ける振り分け部材82の振り分け突起82a,82bを図11の左右方向に適時移動させ、電動開閉式チューリップ27の開閉時に入賞した先頭の遊技球のみを落下案内通路71側に案内し、かつこれ以降の後続遊技球を全て排出球案内通路80側に誘導し、遊技球通過検知センサ79を通過させた後、球放出部80aから鉛直方向案内路89及び案内路90を介して排出させる。
アタッカー開閉ソレノイド104は、作動制御手段99から送信された駆動信号に応答してプランジャ(図示せず)を進退動作させて、アタッカー17を開閉動作させる。
貯留部駆動モータ66は、作動制御手段99の制御に応答して回転駆動し、貯留部64における回転ドア状の円筒部材75を一方向に一定速度で低速回転させて、貯留していた遊技球を球通過開口75aの到達に伴って落下させる。
キャラクタ像駆動モータ67は、作動制御手段99の制御に応答して回転駆動し、キャラクタ像28を軸A1を中心として左右交互に一定速度で低速回転させる。
第3振り分け部駆動モータ69は、作動制御手段99の制御に応答して回転駆動し、円筒状振り分け部材59を軸A2を中心として一方向(図7の時計回り方向)に一定速度で低速回転させる。
始動チャッカー入賞検知センサ109は、始動チャッカー16に進入した遊技球の通過を検知し、その検知信号を主基板92に送信する。
アタッカー入賞検知センサ113は、アタッカー17に進入した遊技球の通過を検知し、その検知信号を主基板92に送信する。
確率変動当たり確定検知センサ42は、進入した遊技球の通過を検知し、その検知信号を主基板92の確率変動当たり決定手段102に送信する。
遊技球入球検知センサ41は、進入した遊技球の通過を検知し、その検知信号を、確率変動当たり確定検知センサ42に導入されることなく確率変動当たりを確定し得なかった遊技球をチェックさせるべく、主基板92に送信する。
遊技球通過検知センサ79は、電動開閉式チューリップ27から入賞して排出球案内通路80から遊技盤7外方に排出されるべき遊技球の通過を検知し、その検知信号を主基板92の入賞判定手段93に送信する。
一方、サブ基板105は、演出制御手段106、及び表示制御手段107を有しており、サブ基板105には、放音装置8、演出用照明装置23、及び画像表示装置6が接続されている。
演出制御手段106は、主基板92中の上記マイクロプロセッサから供給される信号に従って、放音装置8、演出用照明装置23を適時駆動して、遊技者の視覚及び聴覚に訴える演出表示を行う。
表示制御手段107は、遊技制御手段97から送信された演出内容に関する信号に従って画像表示装置6を適時駆動し、大当たり抽選結果を中心とした内容の演出を、遊技者の視覚に訴えるように演出表示する。
放音装置8、演出用照明装置23及び画像表示装置6は、上述したように各制御に応答して音、光等の発生により、通常時の演出や大当たり時における特別な演出等を行う。
次に、本パチンコ機1による作用について、図21のフローチャートを併せて参照しつつ説明する。
すなわち、本パチンコ機1に対面して着座した遊技者が発射ハンドル9を握り、適宜の角度に回動操作すると、発射装置(図示せず)の作動によって遊技球が所定の時間間隔で遊技領域7aに向けて連続的に発射される(ステップS1)。すると、遊技盤7の遊技領域7aに打ち出されて転動落下する多数の遊技球は、始動チャッカー16や入賞口29,30に適時入賞し、或いは、これらに寄与せずに転動落下して、遊技領域7a最下部のアウト口22から遊技盤7背面側に排出される。
ところで、上述のように始動チャッカー16や入賞口29,30の何れかに遊技球Baが入賞した場合、入賞判定手段93が当該入賞を判定し、且つ入賞信号出力手段94が入賞信号を出力する(ステップS2)。この際、抽選手段95が、入賞信号出力手段94から受信した入賞信号に従って、大当たり抽選を実行する。そして抽選手段95は、大当たり抽選に当選した場合、変動の結果、適宜の図柄が画像表示装置6の画面上で最終的に揃う旨の変動パターンを決定し、その旨の変動パターンコマンドを出力する。すると、保留手段98が、抽選手段95からの変動パターンコマンドを受信し、始動チャッカー16への入賞の都度に行われた抽選の結果となる保留球として順次記憶する。そして、大当たり抽選で当選した場合(ステップS3)、抽選手段95が当たりフラグをオンする。
これにより、ステップS4において、画像表示装置6に表示されるべき当たり図柄がセットされ、抽選手段95は、その旨の変動パターンコマンドを出力する。一方、大当たり抽選で外れた際には、演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、外れに対応する図柄が最終的に揃う旨の変動パターンが決定される。
そして、遊技制御手段97が、画像表示装置6に表示すべき演出内容に関する信号を制御コマンドと共にサブ基板105の表示制御手段107に送信することに基づき、表示制御手段107が、画像表示装置6を適時駆動し、大当たり抽選結果に関する内容等を、遊技者の視覚に訴えるように演出表示する(ステップS5)。
抽選手段95での当選結果が画像表示装置6の画面上に表れた場合、作動制御手段99は、作動決定手段101の作動開始決定の旨の信号に基づき、所定のタイミングでアタッカー開閉ソレノイド104に駆動信号を送り、当該ソレノイド41を作動させてアタッカー17を開放し、所定数入賞が終了する毎に閉止する動作を、その際に与えられているラウンド数だけ繰り返させる。同様に、作動制御手段99は、作動決定手段101の作動開始決定の旨の信号に基づき、所定のタイミングで大入賞電動チューリップ開閉ソレノイド88に駆動信号を送り、当該ソレノイド88を作動させて電動開閉式チューリップ27を開閉させ、所定数入賞が終了する毎に閉止する動作を、その際に与えられているラウンド数だけ繰り返させる。これにより、電動開閉式チューリップ27及びアタッカー17に入賞した遊技球合計に応じた多量の遊技球が球供給口18から上皿13に払い出されることとなる(ステップS6)。これらの際、電動開閉式チューリップ27及びアタッカー17が、1回の大当たり確定に対応して予め設定されたラウンド数(例えば15回)を合計で満たすように夫々に開閉動作される。
上述したラウンド処理中において、大当たり種別を決定する大当たり種別抽選処理が行われる(ステップS7)。すなわち、大当たり決定に基づくラウンド処理が開始されると、作動制御手段99が、大入賞電動チューリップ開閉ソレノイド88又はアタッカー開閉ソレノイド104に適時駆動信号を出力する。これにより、例えば、大入賞電動チューリップ開閉ソレノイド88が駆動すると、プランジャ88aで底部68aが押下されるので、左右のアーム68bを介して可動片27a,27bが互いに離反する方向に回動することで、電動開閉式チューリップ27が開放する。この時点で遊技者の発射ハンドル9操作に基づいて遊技領域7aに発射された後、障害釘を通過した遊技球は、開放した可動片27a,27bの間から大入賞役物12内に進入する。
すると、球振り分け用ソレノイド81がプランジャ81aを後退させていることで、図11に示すように、振り分け部材82の振り分け突起82a,82bが、落下案内通路71において、先頭の遊技球Ba1を1個のみ振り分け突起82b上に保持する。これにより、後続する他の遊技球Ba2,Ba3は、当該先頭の遊技球Ba1に対して心ずれした形で当接するので、球噛みすることなく、円滑に排出球案内通路80側に案内されて、遊技球通過検知センサ79で検知された後に排出されることとなる。
この状態において、作動制御手段99からの駆動信号に応答して球振り分け用ソレノイド81がプランジャ81aを突出させるので、振り分け突起82aに保持されていた先頭の遊技球Ba1が解放されて落下し、またこれによって開放された落下案内通路71を振り分け突起82bが閉止して、後続の遊技球Ba2,Ba3が落下案内通路71側に落下することを確実に防止する。
そして、落下案内通路71側に唯一落下した遊技球Ba1は、図6に示すように、所謂回転ドア状の円筒部材75の側壁に当接した形で待機することとなる。この状態において、作動制御手段99からの駆動信号に応答して貯留部駆動モータ66が回転すると、円筒部材75が鉛直方向の軸を中心として低速で一方向に回転し、これに伴って、円筒部材75の側壁に当接していた遊技球Ba1が開口部75aに進入し、そして落下孔33aから落下して、キャラクタ像28の頭部入球口35に進入する。このとき、キャラクタ像28の左手36bは、頭部入球口35から落下した遊技球Ba1が当該突出部分に当接する際の衝撃力で複数回揺動される。
また、キャラクタ像28は、図2に示す状態で鉛直方向の軸A1を中心として左右に交互に低速回転しており、タイミング良く球放出口39が入球孔56側を向く瞬間に遊技球Ba1が頭部入球口35から進入した場合、この遊技球Ba1は、球放出口39から放出され中央凹部54に案内されて入球孔56に落下する。更に遊技球Ba1は、垂下通路57a、連通路57bを経由して案内通路114から確率変動当たり確定検知センサ42に導入されることとなる。そして、この確率変動当たり確定検知センサ42にて遊技球Baが検知されると、その検知信号が確率変動当たり決定手段102に送信され、これにより確率変動当たりが決定される。
一方、タイミング悪く球放出口39が入球孔56側から外れようとする瞬間に遊技球Ba1が頭部入球口35に落下した場合、この遊技球Ba1は、球放出口39から放出されて傾斜面53a,53bの何れかに案内され、入球孔56に入球できないこととなる。しかしこの際、遊技球Ba1は、クルーン51のクルーン孔51aかクルーン52のクルーン孔52aの何れかに入球して落下することで、第3振り分け部43を介して、確率変動当たり確定検知センサ42への再度の入球チャンスが与えられる。
つまり、クルーン51又は52の球面状の窪みを転動してその中央部のクルーン孔51a又は52aに遊技球Ba1が落下すると、この遊技球Ba1は、湾曲面60を転動して入球凹部61に到達する。そして、入球凹部61に位置した状態で、開口62の下部開口62aから覗く円筒状振り分け部材59の円周側放出部59c及び奥側放出部59d〜59gの何れかに進入することとなる。
この際、下部開口62aに対向して奥側放出部59d〜59gの何れかが位置した場合、入球凹部61上の遊技球Ba1は、入球凹部61の奥側への傾斜に沿って奥側放出部59d〜59gの何れかに進入する。そして進入した後、その奥側の球通過穴hから外方に排出されて、遊技球入球検知センサ41によって入球を検知される。
一方、下部開口62aに対応して円周側放出部59cが位置した場合、入球凹部61上の遊技球Ba1は、入球凹部61の奥側への傾斜に沿って円周側放出部59cに進入する。そして、この円周側放出部59cの内面に保持された形で、図7時計回り方向の円筒状振り分け部材59の回転に伴って移動し、図7において連通路57bに対向する最上位置を案内通路114側に超えた時点で、円周側放出部59cから案内通路114側に転動して移動し、案内通路114を介して確率変動当たり確定検知センサ42に導入される。すると、これによる検知信号に応答して、確率変動当たり決定手段102が、大当たり種別を確率変動当たりに決定する。
なお、本実施形態におけるパチンコ機1では、大入賞役物12により機械的に行う大当たり種別の抽選にて、画像表示装置6の画面上で揃う図柄(寿司ネタのタコやエビ等)に応じて確変抽選チャンスの回数を異ならせる(例えば、寿司ネタのタコなら3回、エビなら2回)ように構成することができる。
以上説明した本実施形態によると、電動開閉式チューリップ27と確率変動当たり確定検知センサ42と第2振り分け部32とを大入賞役物12に備えると共に、電動開閉式チューリップ27からの遊技球を一旦受け入れて確率変動当たり確定検知センサ42又は該確定検知センサ以外の部位である遊技球入球検知センサ41に送り出すクルーン51,52を備えるので、遊技者が、大当たり当選に伴い開放した電動開閉式チューリップ27を狙って遊技球を打ち出して賞球を得ることができると共に、第2振り分け部32で振り分けられる遊技球の行方に注目し、確率変動当たり確定検知センサ42での確率変動当たり決定を期待しつつ遊技を進行させることができる。
このように、大当たり当選後単にアタッカーに入賞させて多量の遊技球を得ることだけに終始する、遊技球払い出しの単なる消化作業をしていた従来型パチンコ機に比し、弾球遊技上の興趣を大幅に高めることができる。しかも、クルーン51,52の上方に少なくとも遊技球の直径d2を超える上下方向寸法d1をあけた形で大入賞役物12の前側から後側に亘ってクルーン51,52を覆うように透明カバー部材96を備えるので、例えばクルーン51,52に対する不正行為を防止するため大入賞役物前面を全て透明カバーで覆うような構成とすると画像表示装置6前方に当該透明カバーが重なって光反射等で表示画面が見づらくなるが、このような不都合の発生を確実に防止しつつ、不正行為の防止効果を可及的に向上させることができる。
また、ステージ部46の左右幅方向の一側及び他側にクルーン51,52が夫々配置され、且つこれらクルーン51,52の中央部分にキャラクタ像28が配置され、透明カバー部材96が寿司ネタの収容ケース状に形成されるので、画像表示装置6を目視し易くし、クルーン51,52上方を覆って不正行為を防止できると共に、寿司ネタの収容ケースの中央部にキャラクタ像28があたかも寿司職人的に位置する寿司屋のイメージを醸し出し、遊技者を視覚的に楽しませることができる。そして、クルーン51,52の間に入球孔56を備え、透明カバー部材96がクルーン51,52と共に入球孔56の上方を覆うように構成されるので、クルーン51,52と共に入球孔56の上方を覆うことにより、不正に確率変動当たりを得ようとする不正行為を一層確実に防止することができる。
以上、本発明をその好適な実施の形態に基づいて説明したが、本発明の遊技機は、上記実施形態の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施した遊技機も、本発明の範囲に含まれる。