JP2006174669A - 磁気回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電磁石に流す電流を大きくせず、また電磁石を構成するコイルを大きくすることなく、磁気回路の磁場強度を上げることを目的とする。
【解決手段】 軸心11と軸心に巻きつけられたコイル12とを有する電磁石13と、該電磁石の極の各々に隣接して設けられた1対のポールピース14,15と、該1対のポールピースの各々と空隙を隔てて設けられたヨーク16であって、該電磁石から発生した磁束が、該ポールピースの各々を通過し、さらに、該空隙を介して該ヨークを通過するように設けられたヨーク16と、該ポールピースを介して該電磁石の該極と対向するように、該ポールピースに隣接して設けられた永久磁石17であって、該永久磁石の磁化方向が、該電磁石により該永久磁石が対向する該極に形成される磁場と反対の向きである永久磁石17とを有する磁気回路10が提供される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、磁気回路に関し、特に、渦電流を用いてトルクを発生させるための磁気回路に適している。
従来、例えば、渦電流を用いてトルクを発生させるために、電磁石から発生した磁束がポールピースを介してヨークを通過することで、ポールピースとヨークとの間に磁場を発生させる磁気回路が用いられている(非特許文献1参照)。図6に、このような従来の磁気回路の正面方向における模式的な断面図を示す。図6に示すように、従来の磁気回路60は、軸心61と軸心に巻きつけられたコイル62とを有する電磁石63と、電磁石の極の各々に隣接して設けられた1対のポールピース64,65と、1対のポールピースの各々と空隙を隔てて設けられたヨーク66とを有する。このような磁気回路において、発生させる磁場を大きくするためには、コイルを大きくしたり、電流を多く流したりするしかなく、これらの場合、磁気回路が大きくなる、あるいはコイルが大きくなるといった不都合あった。
電気学会論文誌D, Vol.118, No.7-8, 902-929 (1998)
上記の問題点から、本発明は、電磁石に流す電流を大きくせず、また電磁石を構成するコイルを大きくすることなく、磁気回路の磁場強度を上げることを目的とする。
本発明の一の側面によると、
軸心と該軸心に巻きつけられたコイルとを有する電磁石と、
該電磁石の極の各々に隣接または近接して設けられた1対のポールピースと、
該1対のポールピースの各々と空隙を隔てて設けられたヨークであって、該電磁石から発生した磁束が、該ポールピースの各々を通過し、さらに、該空隙を介して該ヨークを通過するように設けられたヨークと、
該ポールピースを介して該電磁石の該極と対向するように、該ポールピースに隣接または近接して設けられた少なくとも1つの永久磁石であって、該永久磁石の磁化方向が、該電磁石により該永久磁石が対向する該極に形成される磁場と反対の向きである少なくとも1つの永久磁石と
を有する磁気回路が提供される。
本発明の他の側面によると、
複数の電磁石ユニットであって、該電磁石ユニットの各々が、軸心と該軸心に巻きつけられたコイルとを有する電磁石と、該電磁石の極の各々に隣接または近接して設けられた1対のポールピースとを有し、該複数の電磁石ユニットが、直線状に配置され、該複数の電磁石ユニットの各電磁石内に形成される磁場が、実質的に同一の向きである複数の電磁石ユニットと、
該複数の電磁石ユニットの各々の該1対のポールピースの各々と空隙を隔てて設けられたヨークであって、該電磁石の各々から発生した磁束が、該ポールピースの各々を通過し、さらに、該空隙を介して該ヨークを通過するように設けられたヨークと、
該ポールピースを介して該電磁石の該極と対向するように、該電磁石ユニットの各々について該ポールピースに隣接または近接して設けられた少なくとも1つの永久磁石であって、該永久磁石の磁化方向が、該電磁石により該永久磁石が対向する該極に形成される磁場と反対の向きである少なくとも1つの永久磁石と
を有する磁気回路が提供される。
本発明の他の側面によると、
複数の電磁石ユニットであって、該電磁石ユニットの各々が、軸心と該軸心に巻きつけられたコイルとを有する電磁石と、該電磁石の極の各々に隣接または近接して設けられた1対のポールピースとを有し、該複数の電磁石ユニットが、環状に配置され、該複数の電磁石ユニットの各電磁石内に形成される磁場が、該環の接線方向であって実質的に同一の向きである複数の電磁石ユニットと、
該複数の電磁石ユニットの各々の該1対のポールピースの各々と空隙を隔てて設けられたヨークであって、該電磁石の各々から発生した磁束が、該ポールピースの各々を通過し、さらに、該空隙を介して該ヨークを通過するように設けられたヨークと、
該ポールピースを介して該電磁石の該極と対向するように、該電磁石ユニットの各々について該ポールピースに隣接または近接して設けられた少なくとも1つの永久磁石であって、該永久磁石の磁化方向が、該電磁石により該永久磁石が対向する該極に形成される磁場と反対の向きである少なくとも1つの永久磁石と
を有する磁気回路が提供される。
以下に詳細に説明するように、本発明にかかる磁気回路では、従来の磁気回路と比べて、電磁石の性能を上げることができる。具体的には、本発明によると、永久磁石を用いることによって、電磁石を大きくすることなく、磁気回路に発生する磁場を上げ、従来の磁気回路と比べて、空隙に発生する磁束密度を大きくすることができる。
以下に、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら説明する。もっとも、本発明は、以下に説明する実施の形態に限定されるものではない。
図1に、本発明の第一の実施の形態にかかる磁気回路の(a)正面方向における模式的な断面図、および(b)底面図を示す。図1に示すように、当該磁気回路10は、
軸心11と軸心に巻きつけられたコイル12とを有する電磁石13と、
該電磁石の極の各々に隣接して設けられた1対のポールピース14,15と、
該1対のポールピースの各々と空隙を隔てて設けられたヨーク16であって、該電磁石から発生した磁束が、該ポールピースの各々を通過し、さらに、該空隙を介して該ヨークを通過するように設けられたヨーク16と、
該ポールピースを介して該電磁石の該極と対向するように、該ポールピースに隣接して設けられた永久磁石17であって、該永久磁石の磁化方向が、該電磁石により該永久磁石が対向する該極に形成される磁場と反対の向きである永久磁石17と
を有する。
上記したように、本発明にかかる磁気回路は、電磁石を有する。ここで、電磁石は、軸心と該軸心に巻きつけられたコイルとを有する。電磁石は、特に限定されるものではなく、通常のものを用いることができる。例えば、銅線等からなるコイルを鉄心等の強磁性体からなる軸心の周りに巻きつけたものを用いることができる。また、以下に詳細に説明するように、電磁石の形状は、磁気回路を適用する対象に応じて、任意の形状とすることができる。
また、本発明にかかる磁気回路は、電磁石の極の各々に隣接または近接して、好ましくは隣接して設けられたポールピースを有する。特に、ポールピースは、電磁石の軸心に隣接して設けられることが好ましい。ここで、ポールピースの材料として、磁性体である鉄を用いることが一般的である。特に、飽和磁化の高いものを選ぶことが、ポールピースの磁化を飽和させないためには重要である。具体的には、ポールピースの飽和磁化は、好ましくは1.5T以上であり、さらに好ましくは1.8T以上であり、また、好ましくは2.4T以下である。このような飽和磁化を有する材料には、ステンレス鋼、ケイ素鋼板、鉄材、パーメンジュール等が含まれる。また、以下に詳細に説明するように、ポールピースの形状は、磁気回路を適用する対象に応じて、任意の形状とすることができ、例えば、長方体状、円板状、多角形状と様々な形状とすることができる。
また、本発明にかかる磁気回路は、1対のポールピースの各々と空隙を隔てて設けられたヨークを有する。これにより、磁気回路が形成され、電磁石から発生した磁束が、ポールピースの各々を通過し、さらに、空隙を介してヨークを通過する。このように、ポールピースとヨークとの間の空隙に磁場を発生させることができ、磁気回路を適用する対象に応じて、当該磁場を利用することができる。ここで、ヨークの材料として、磁性体である金属であれば任意の材料を用いることができる。特に、磁束を集中させるために、ヨークの材料として、鉄を用いることが好ましい。また、以下に詳細に説明するように、ヨークの形状は、磁気回路を適用する対象に応じて、任意の形状とすることができる。
ここで、本発明にかかる磁気回路は、ポールピースに隣接または近接して設けられた少なくとも1つの永久磁石をさらに有する。ここで、永久磁石はポールピースの片側だけでなく両側に設けることができる。永久磁石は、ポールピースを介して電磁石の該極と対向するように設ける。このとき、永久磁石の磁化方向が、電磁石により永久磁石が対向する極に形成される磁場と反対の向きとなるようにする。このように、電磁石が発生する磁場とは逆向きになるように永久磁石の磁化方向を向けて、永久磁石をポールピースの外側に配置することで、磁気回路に発生する磁場を上げ、ポールピースとヨークとの間の空隙に発生する磁束密度を大きくすることができる。これは、永久磁石からの磁場が電磁石からの磁場に加わる効果に加えて、永久磁石からの磁場が、電磁石のコイルが軸心を磁化する方向と逆向きのため、永久磁石を設けることで、軸心の飽和が遅くなるためである。
なお、軸心と軸心に巻きつけられたコイルとを有する上記電磁石と、電磁石の極の各々に隣接または近接して設けられた上記1対のポールピースとを有する電磁石ユニットを複数用いて、磁気回路を構成することができる。この場合、永久磁石は、電磁石ユニットの少なくとも1つについて設けることで、永久磁石を設けられた電磁石ユニットについて磁束密度を大きくすることができる。しかしながら、電磁石ユニットの全てについて、永久磁石を設けることが好ましい。ここで、互いに反対の極が対向するように、複数の電磁石ユニットを近接して配置し、これらの電磁石ユニットのポールピースの間に永久磁石を配置することで、1つの永久磁石で、その両側の電磁石について軸心の飽和を遅くすることができる。このため、永久磁石が、前記複数の電磁石ユニットの間の全てに設けられていることが好ましい。
なお、永久磁石は、電磁石に対してポールピースの外側の位置に取り付けることが好ましい。永久磁石の透磁率は約1.05であり、空気に近いので、永久磁石をポールピースの内側、すなわち電磁石の中に配置した場合、軸心に隙間ができるのと同じように作用し、軸心の飽和に伴って、ポールピースとヨークの空隙に発生する磁場が減少してしまうためである。
なお、永久磁石の材料は、特に限定されるものではないが、残留磁束密度が大きいため、Nd−Fe−B系の希土類焼結永久磁石を選ぶことが好ましい。なお、永久磁石のエネルギー積が大きければ大きいほど軸心を飽和させない効果が大きくなるので、ポールピースとヨークの空隙に発生する磁場が大きくなる。このため、永久磁石の残留磁束密度は、1T程度またはそれ以上であることが好ましい。また、永久磁石の残留磁束密度は、1.5T以下であることが好ましい。
また、以下に詳細に説明するように、ヨークの形状は、磁気回路を適用する対象やポールピースの形状に応じて、任意の形状とすることができる。ただし、永久磁石が配置されるため、電磁石の軸上にヨークを置くことは好ましくない。
図1に示した第一の実施の形態にあっては、磁気回路10は、円柱状の鉄心11とこれに巻きつけられたコイル12とからなる電磁石13を有する。磁気回路は、一対の直方体状のポールピース14,15をさらに有し、各ポールピースは、その中央から長手方向にずれた位置において、電磁石の鉄心と隣接して設けられている。ここで、電磁石の軸と同じ方向から見たとき、各ポールピースの一端は、電磁石の外径よりも外側に配置される。磁気回路は、直方体状のヨーク16をさらに有し、ヨークは、各ポールピースの長手方向の一端と、空隙を介して近接して設けられている。磁気回路は、円板状の永久磁石17をさらに有する。永久磁石は、ポールピースを介して電磁石と対向するように、ポールピースに隣接して設けられている。ここで、永久磁石は、その磁化方向が、電磁石内に形成される磁場と逆向きになるように設けられている。
図2に、本発明の第二の実施の形態にかかる磁気回路の(a)正面方向における模式的な断面図、および(b)底面図を示す。図2に示すように、第二の実施の形態にあっては、磁気回路20は、円柱状の鉄心21とこれに巻きつけられたコイル22とからなる電磁石23を有する。磁気回路は、一対の円板状のポールピース24,25をさらに有し、各ポールピースは、その中央において、電磁石の鉄心と隣接して設けられている。ここで、電磁石の軸と同じ方向から見たとき、各ポールピースの端部は、電磁石の外径よりも外側に配置される。磁気回路は、円筒状のヨーク26をさらに有し、ヨークは、各ポールピースの端部と、空隙を介して近接して設けられている。磁気回路は、円板状の永久磁石27をさらに有する。永久磁石は、ポールピースを介して電磁石と対向するように、ポールピースに隣接して設けられている。ここで、永久磁石は、その磁化方向が、電磁石内に形成される磁場と逆向きになるように設けられている。
図3に、本発明の第三の実施の形態にかかる磁気回路の(a)正面方向における模式的な断面図、および(b)底面図を示す。図3に示すように、第三の実施の形態にあっては、磁気回路30は、円柱状の鉄心31とこれに巻きつけられたコイル32とからなる電磁石33を有する。磁気回路は、一対の直方体状のポールピース34,35をさらに有し、各ポールピースは、その中央において、電磁石の鉄心と隣接して設けられている。ここで、電磁石の軸と同じ方向から見たとき、各ポールピースの両端は、電磁石の外径よりも外側に配置される。磁気回路は、2枚の直方体状のヨーク36をさらに有し、各ヨークは、各ポールピースの長手方向の一端の各々と、空隙を介して近接して設けられている。磁気回路は、円板状の永久磁石37をさらに有する。永久磁石は、ポールピースを介して電磁石と対向するように、ポールピースに隣接して設けられている。ここで、永久磁石は、その磁化方向が、電磁石内に形成される磁場と逆向きになるように設けられている。
図4に、本発明の第四の実施の形態にかかる磁気回路の正面方向における模式的な断面図を示す。図4に示すように、第四の実施の形態にかかる磁気回路40は、上記第一の実施の形態にかかる磁気回路を、直線状に複数配置したものである。ここで、複数の電磁石の各電磁石内に形成される磁場は、実質的に同一の向きである。また、複数の電磁石は、直方体状の一体であるヨークを共有する。すなわち、第四の実施の形態にあっては、磁気回路40は、円柱状の鉄心41とこれに巻きつけられたコイル42とからなる電磁石43とポールピース44,45とを有する複数の電磁石ユニット48と、ポールピースの各々と空隙を隔てて設けられたヨーク46と、電磁石ユニットの各々のポールピースに隣接して設けられた永久磁石47とを有する。ここで、隣り合う電磁石の間に配置される永久磁石は、両側のポールピースに隣接して配置され、両側の電磁石の磁場と反対の向きの磁化方向を有する。これにより、永久磁石からの磁場が電磁石からの磁場に加わる効果に加えて、電磁石により鉄心が飽和するのを抑える効果が両側の磁石から働くため、より飽和が遅れ、ポールピースとヨークとの間の空隙に発生する磁場がさらに大きくなる。なお、図4には、電磁石ユニットを3つ並べたものを例示したが、磁気回路を適用する対象に応じて、任意の数の電磁石ユニットを並べることができる。
図5に、本発明の第五の実施の形態にかかる磁気回路の正面方向における模式的な断面図を示す。図5に示すように、第五の実施の形態にかかる磁気回路50は、上記第一の実施の形態にかかる磁気回路であって、電磁石がその軸方向について弧状に湾曲したものを、環状に複数配置したものである。ここで、複数の電磁石の各電磁石内に形成される磁場は、環の軸に対して実質的に同一の回転方向である。すなわち、隣り合う電磁石の互いに対向する極が、異なる極となるように、電磁石は配置される。また、複数の電磁石は、円筒状の一体であるヨークを共有する。すなわち、第五の実施の形態にあっては、磁気回路50は、弧状に湾曲した鉄心51とこれに巻きつけられたコイル52とからなる電磁石53とポールピース54,55とを有する複数の電磁石ユニット58と、ポールピースの各々と空隙を隔てて設けられたヨーク56と、電磁石ユニットの各々のポールピースに隣接して設けられた永久磁石57とを有する。ここで、隣り合う電磁石の間に配置される永久磁石は、両側のポールピースに隣接して配置され、両側の電磁石の磁場と反対の向きの磁化方向を有する。これにより、永久磁石からの磁場が電磁石からの磁場に加わる効果に加えて、電磁石により鉄心が飽和するのを抑える効果が両側の磁石から働くため、より飽和が遅れ、ポールピースとヨークとの間の空隙に発生する磁場がさらに大きくなる。さらに、第五の実施の形態にあっては、第四の実施の形態のように磁気回路を直線状に並べた場合と比べ、端部の影響がないため上記効果が増大する。なお、図5には、電磁石ユニットを3つ並べたものを例示したが、磁気回路を適用する対象に応じて、任意の数の電磁石ユニットを並べることができる。
このような磁気回路は、特に、渦電流を用いてトルクを発生させるための磁気回路に適している。具体的には、特に限定されるものではないが、本発明にかかる磁気回路は、回生ブレーキ、ブレーキ補助、制動を利用したモータ等に適用することができる。
以下に、本発明の実施例を、添付図面を参照しながら説明する。もっとも、本発明は、以下に説明する実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
実施例1にあっては、図1に例示した第一の実施の形態に従って磁気回路を製造した。ここで、永久磁石には、Nd−Fe−B系の希土類焼結永久磁石N48H(信越化学社製、残留磁束密度1.38T、保磁力1273kA/m)を用いた。また、鉄心、ポールピース、ヨークには、残留磁束密度2TのSS400の磁性体を選択した。また、形状はそれぞれ、永久磁石φ10mm×L5mm、鉄心φ10mm×L20mm、ポールピース12×24×5mm、ヨーク12×3×30mmとした。コイルには銅線を用い、鉄心の周りに100ターン巻くものとした。
このような実施例1にかかる磁気回路について、100,300,1000,3000アンペアターンの各々の場合の、磁束密度を測定した。磁束密度の測定は、図1に示すように、ポールピースとヨークとの間の空隙における評価点1および2(磁場強度測定点1および2)において、テスラーメータにより行った。
比較例1−1にかかる磁気回路として、永久磁石を用いない以外は実施例1と同様にしたものを製造した(図6参照)。また、比較例1−2にかかる磁気回路として、永久磁石の磁化方向を実施例1とは逆にした(すなわち、永久磁石の磁化方向が、電磁石の磁化方向と同一である)こと以外は実施例1と同様にしたものを製造した(図7参照)。これらの比較例1−1および1−2にかかる磁気回路に対しても、実施例1と同様に磁束密度を測定した。
表1に、実施例1ならびに比較例1−1および1−2にかかる磁気回路について、評価点1および2における磁束密度を示す。また、表2に、実施例1ならびに比較例1−1および1−2にかかる磁気回路について、評価点1および2における磁束密度の平均値を示す。また、表3に、比較例1−1にかかる磁気回路を基準とした(すなわち、1とした)場合の、実施例1および比較例1−2にかかる磁気回路について、評価点1および2における磁束密度ならびにその平均値を示す。
Figure 2006174669
Figure 2006174669
Figure 2006174669
表1および3において、磁石の磁化方向が順方向の場合(比較例1−2)と磁石なしの場合(比較例1−1)での各評価点で磁場を比べると、以下のことが分かる。すなわち、評価点1では、100から1000アンペアターンのときに、磁石の磁化方向が順方向の場合(比較例1−2)の方が、磁石なしの場合(比較例1−1)と比べて磁束密度が大きくなる。これは、永久磁石からの磁束密度が電磁石からの磁束密度に上乗せされためである。また、評価点1では、3000アンペアターンのときは逆に、磁石の磁化方向が順方向の場合(比較例1−2)の方が、磁石なしの場合(比較例1−1)と比べて磁束密度が小さくなる。これは、磁石の磁化方向が電磁石から発生する磁化方向と同一方向のため、電磁石の鉄心が飽和に近づく際に、鉄心の飽和を早めた結果による。一方で、評価点2では一貫して、磁石の磁化方向が順方向の場合(比較例1−2)の方が、磁石なしの場合(比較例1−1)と比べて磁束密度が小さくなる。これは、永久磁石からの磁場が電磁石からの磁場と逆方向のためである。
表2および3をみると、評価点1と2との平均値については、100アンペアターン以外のアンペアターンのときに、磁石の磁化方向が順方向の場合(比較例1−2)の方が、磁石なしの場合(比較例1−1)と比べて磁束密度が小さくなっている。これは、永久磁石からの磁場が、コイルが鉄心を磁化する方向と同じため鉄心の飽和を早めた結果による。
また、表1および3において、磁石の磁化方向が逆方向の場合(実施例1)と磁石なしの場合(比較例1−1)での各評価点で磁場を比べると、以下のことが分かる。すなわち、評価点1では、各アンペアターンで、磁石の磁化方向が逆方向の場合(実施例1)の方が、磁石なしの場合(比較例1−1)と比べて磁束密度が小さくなっている。これは、永久磁石からの磁場が電磁石の発生する磁場と逆方向のためである。また、評価点2では、各アンペアターンで、磁石の磁化方向が逆方向の場合(実施例1)の方が、磁石なしの場合(比較例1−1)と比べて磁束密度が大きくなっている。これは、永久磁石からの磁場が電磁石からの磁場と順方向のためである。
表2および3をみると、評価点1と2との平均値については、各アンペアターンで、磁石の磁化方向が逆方向の場合(実施例1)の方が、磁石なしの場合(比較例1−1)と比べて磁束密度が大きくなっている。これは、永久磁石からの磁場が、コイルが鉄心を磁化する方向と逆向きのため、鉄心の飽和が遅くなる結果による。
また、表1および3において、磁石の磁化方向が順方向の場合(比較例1−2)と磁石の磁化方向が逆方向の場合(実施例1)での各評価点で磁場を比べると、以下のことが分かる。すなわち、評価点1では、100から1000アンペアターンのとき、磁石の磁化方向が順方向の場合(比較例1−2)の方が、磁石の磁化方向が逆方向の場合(実施例1)と比べて磁束密度が大きくなる。これは、永久磁石からの磁束密度が電磁石からの磁束密度に上乗せされためである。また、評価点1では、3000アンペアターンのときは逆に、磁石の磁化方向が逆方向の場合(実施例1)の方が、磁石の磁化方向が順方向の場合(比較例1−2)と比べて磁束密度が大きくなる。これは、永久磁石の磁化方向が順方向の場合(比較例1−2)では、永久磁石の磁化方向が電磁石から発生する磁化方向と同一方向のため、電磁石の鉄心が飽和に近づいた際に、鉄心の飽和が早められ、一方で、永久磁石の磁化方向が逆方向の場合(実施例1)では、永久磁石の磁化方向が、コイルが鉄心を磁化する方向と逆向きのため、鉄心の飽和が遅くなるためである。
表2および3をみると、評価点1と2との平均値については、各アンペアターンで、磁石の磁化方向が逆方向の場合(実施例1)の方が、磁石の磁化方向が順方向の場合(比較例1−2)と比べて磁束密度が大きくなっている。これは、永久磁石からの磁場が、コイルが鉄心を磁化する方向と逆向きのため鉄の飽和を遅くした結果による。
[実施例2]
実施例2にあっては、図4に例示した第四の実施の形態に従って、磁気回路を製造した。また、比較例2にかかる磁気回路として、永久磁石を用いない以外は実施例2と同様にしたものを製造した。このような実施例2および比較例2にかかる磁気回路について、実施例1と同様に、磁束密度を測定した。磁束密度の測定は、図4に示すように、ポールピースとヨークとの間の空隙における評価点3において、テスラーメータにより行った。3000アンペアターンのときにおいて、評価点3の磁場は、磁石なしの場合(比較例2)に比べ26%もアップした。これは、永久磁石からの磁場が電磁石からの磁場に加わる効果に加えて、電磁石により鉄心が飽和するのを抑える効果が、両側の永久磁石から働くため、より飽和が遅れたためである。
[実施例3]
実施例3にあっては、図5に例示した第五の実施の形態に従って、磁気回路を製造した。また、比較例3にかかる磁気回路として、永久磁石を用いない以外は実施例3と同様にしたものを製造した。このような実施例3および比較例3にかかる磁気回路について、実施例1と同様に、磁束密度を測定した。磁束密度の測定は、図5に示すように、ポールピースとヨークとの間の空隙における評価点4において、テスラーメータにより行った。3000アンペアターンのときにおいて、評価点4の磁場は、磁石なしの場合(比較例3)に比べ37%もアップした。これは、永久磁石からの磁場が電磁石からの磁場に加わる効果に加えて、電磁石により鉄が飽和するのを抑える効果が、両側の永久磁石から働くため、より飽和が遅れたためである。さらに、磁気回路を直線状に並べた場合(実施例2)に比べ、端部の効果がないため効果が増大する。
図1に、本発明の第一の実施の形態にかかる磁気回路の(a)正面方向における模式的な断面図、および(b)底面図を示す。 図2に、本発明の第二の実施の形態にかかる磁気回路の(a)正面方向における模式的な断面図、および(b)底面図を示す。 図3に、本発明の第三の実施の形態にかかる磁気回路の(a)正面方向における模式的な断面図、および(b)底面図を示す。 図4に、本発明の第四の実施の形態にかかる磁気回路の正面方向における模式的な断面図を示す。 図5に、本発明の第五の実施の形態にかかる磁気回路の正面方向における模式的な断面図を示す。 図6に、従来の磁気回路の正面方向における模式的な断面図を示す。 図7に、比較例にかかる磁気回路の正面方向における模式的な断面図を示す。
符号の説明
10,20,30,40,50,60,70:磁気回路
11,21,31,41,51,61,71:軸心
12,22,32,42,52,62,72:コイル
13,23,33,43,53,63,73:電磁石
14,15,24,25,34,35,44,45,54,55,64,65,74,75:ポールピース
16,26,36,46,56,66,76:ヨーク
17,27,37,47,57,77:永久磁石
48,58:電磁石ユニット

Claims (4)

  1. 軸心と該軸心に巻きつけられたコイルとを有する電磁石と、
    該電磁石の極の各々に隣接または近接して設けられた1対のポールピースと、
    該1対のポールピースの各々と空隙を隔てて設けられたヨークであって、該電磁石から発生した磁束が、該ポールピースの各々を通過し、さらに、該空隙を介して該ヨークを通過するように設けられたヨークと、
    該ポールピースを介して該電磁石の該極と対向するように、該ポールピースに隣接または近接して設けられた少なくとも1つの永久磁石であって、該永久磁石の磁化方向が、該電磁石により該永久磁石が対向する該極に形成される磁場と反対の向きである少なくとも1つの永久磁石と
    を有する磁気回路。
  2. 複数の電磁石ユニットであって、該電磁石ユニットの各々が、軸心と該軸心に巻きつけられたコイルとを有する電磁石と、該電磁石の極の各々に隣接または近接して設けられた1対のポールピースとを有し、該複数の電磁石ユニットが、直線状に配置され、該複数の電磁石ユニットの各電磁石内に形成される磁場が、実質的に同一の向きである複数の電磁石ユニットと、
    該複数の電磁石ユニットの各々の該1対のポールピースの各々と空隙を隔てて設けられたヨークであって、該電磁石の各々から発生した磁束が、該ポールピースの各々を通過し、さらに、該空隙を介して該ヨークを通過するように設けられたヨークと、
    該ポールピースを介して該電磁石の該極と対向するように、該電磁石ユニットの少なくとも1つについて該ポールピースに隣接または近接して設けられた少なくとも1つの永久磁石であって、該永久磁石の磁化方向が、該電磁石により該永久磁石が対向する該極に形成される磁場と反対の向きである少なくとも1つの永久磁石と
    を有する磁気回路。
  3. 複数の電磁石ユニットであって、該電磁石ユニットの各々が、軸心と該軸心に巻きつけられたコイルとを有する電磁石と、該電磁石の極の各々に隣接または近接して設けられた1対のポールピースとを有し、該複数の電磁石ユニットが、環状に配置され、該複数の電磁石ユニットの各電磁石内に形成される磁場が、該軸に対して実質的に同一の回転方向である複数の電磁石ユニットと、
    該複数の電磁石ユニットの各々の該1対のポールピースの各々と空隙を隔てて設けられたヨークであって、該電磁石の各々から発生した磁束が、該ポールピースの各々を通過し、さらに、該空隙を介して該ヨークを通過するように設けられたヨークと、
    該ポールピースを介して該電磁石の該極と対向するように、該電磁石ユニットの少なくとも1つについて該ポールピースに隣接または近接して設けられた少なくとも1つの永久磁石であって、該永久磁石の磁化方向が、該電磁石により該永久磁石が対向する該極に形成される磁場と反対の向きである少なくとも1つの永久磁石と
    を有する磁気回路。
  4. 前記永久磁石が、前記複数の電磁石ユニットの間の全てに設けられている請求項2または3に記載の磁気回路。
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