JPH1064721A - 軸方向磁場発生用永久磁石磁気回路 - Google Patents
軸方向磁場発生用永久磁石磁気回路Info
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- JPH1064721A JPH1064721A JP8213429A JP21342996A JPH1064721A JP H1064721 A JPH1064721 A JP H1064721A JP 8213429 A JP8213429 A JP 8213429A JP 21342996 A JP21342996 A JP 21342996A JP H1064721 A JPH1064721 A JP H1064721A
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Abstract
要かつ十分な長さの軸方向磁場発生用永久磁石磁気回路
を実現する。 【解決手段】 円筒状磁性体が、複数のリング状希土類
永久磁石のみまたは該磁石とリング状外套磁性ヨーク4
0とにより構成された永久磁石磁気回路において、該リ
ング状磁石の磁化方向が、軸方向に一方の端部11から
他方の端部21に向かって、連続的または離散的に徐々
に変えられ、該磁化方向が端部から端部の間で一回転す
るように配置されることを特徴とする軸方向磁場発生用
永久磁石磁気回路。
Description
に関するものであり、特に軸方向磁場発生用永久磁石磁
気回路に係る。
能な磁場は、ソレノイド電磁石により発生できる磁場と
その方向が90°異なるのが普通である。例えば、図2
(a)、(b)の永久磁石型MRI用マグネットで、ソ
レノイドコイルによる超電導マグネットと永久磁石を用
いたマグネットを比較すれば明らかである。もちろん図
3(a)に示すように、軸方向の磁化方向永久磁石で構
成したリング状磁石のリング内空隙内には、ソレノイド
コイルと同じように軸方向磁場を得ることができる。し
かし該永久磁石磁気回路では、磁石の一方の端部より発
生する磁束の半分以上はリング磁石の外側を通って反対
側端部に回り、リング内空隙を通る磁束は半分以下であ
る。一般的に空隙内部の磁場を使用するので、該永久磁
石磁気回路は効率が悪いことがわかる。一方、図3
(b)にソレノイドコイルによる電磁石の磁束の流れ方
を示すが、磁束は内部空隙から外部を通り、一方向で閉
磁路を形成する。このような永久磁石とソレノイド電磁
石の違いのため、永久磁石磁気回路でリング状の空隙内
部に軸方向磁場を効率的に発生することは容易ではな
い。
石磁気回路を提案して、特開平8−64142号公報に
開示している。またG.Aubertは、USP 5014032 に、また
P.Meyerer はUSP 3237059 に、軸方向磁場を発生する磁
気回路を提案している。また、Leupouldらも、同種の磁
化回路を、USP 4658228 やUSP 4701737 として発表して
いる。これらの永久磁石磁気回路の基本構造は、径方向
磁化を有するリング状磁石36a〜hを組み合わせて、
軸方向磁場を空隙内に発生するものであり、図4
(a)、(b)がその基本構造である。本構造では、磁
石から発生する磁束は内部空隙38を通り、希土類磁石
を使用すれば、5000G以上の中心磁場を発生することが
できる。ソレノイド電磁石と比較して強い磁場をコンパ
クトな体積で実現でき、磁場発生用電源や冷却機構も不
要である。もちろん磁場を発生するための電気も不要で
ある。実際 Kikunaga らは、Twentieth International
Conference onInfrared and Millimeter Waves Confere
nce Digest(1995),485 held at Orland,FL,USA に発表
したように、特開平8−64142号公報に開示した磁
気回路をジャイロトロン発振器に適用して、28GHzのミ
リ波を発生することに成功し、実際の用途に使用してい
る。
4142号公報で開示した磁気回路は、図4(c)の空
隙内磁場分布の模式図に示すように、途中で磁場が逆転
するため、実際に使用する領域より長い空隙長さを有す
るリング状磁気回路にする必要がある。この点が問題
で、使用磁石量が増加し、磁気回路も大きくなる。磁気
回路空隙内部から、回路外側を一周する積分路に沿う磁
場(H)の線積分は0になるので、磁場反転領域が存在
するのは原理的な問題である。しかし、閉積分路上の線
積分が0なので、空隙内部の磁場反転を抑えることは可
能である。空隙内の磁場反転を無くすために、空隙の両
端部を磁石またはヨークなどで塞ぐことが有効である。
ジャイロトロンでは空隙内に電子銃や共鳴部の発振器を
挿入し、ミリ波を取り出さなければならないので、閉塞
構造は取れない。このように、磁石空隙内部の軸方向磁
場の反転を抑制して希望する磁場分布が得られる、必要
かつ十分な長さの永久磁石磁気回路を実現することが求
められていた。
に鑑み、鋭意研究して本発明に至った。すなわち本発明
は、円筒状磁性体が、複数のリング状希土類永久磁石の
みまたは該磁石とリング状外套磁性ヨークとにより構成
された永久磁石磁気回路において、該リング状磁石の磁
化方向が、軸方向に一方の端部から他方の端部に向かっ
て、連続的または離散的に徐々に変えられ、該磁化方向
が端部から端部の間で一回転するように配置される軸方
向磁場発生用永久磁石磁気回路を要旨とするものであ
る。以下に、これをさらに詳述する。
1(a)に従い以下に説明する。図1(a)は本発明の
磁気回路の断面模式図の一例で、中心軸によって円筒対
称であるが、必ずしも円筒状でなく多角形状でも良い。
図1(b)は図1(a)のA−A′断面の模式図であ
る。図1(a)の左端のリング状磁石11の磁化方向は
右向きで軸方向である。左端から中心リング方向に進む
に従い、図の上半分で見た場合、リング状磁石の磁化方
向は時計回りに変化し、おおむね中心部のリング状磁石
17、27で磁化方向は完全に反転し、左向きとなる。
更に右方向に進むに従い、リング状磁石の磁化方向は更
に右回りに変化し、磁石右端では左端リング磁石と同じ
右向きの磁化方向をとる。つまり軸方向に進行するにつ
れ、リング状磁石の磁化方向が一回転し、その磁化方向
変化は左端から右端に向かって、時計回りに変化するこ
とを特徴とする。反時計回りに磁化方向が変化すると、
空隙内部の磁場が途中で反転するため好ましくない。両
端部の磁化方向が左向き磁化方向の場合も、図の上半分
で見た場合、左端から右端にかけてのリング状磁石間の
磁化方向変化は、時計回りでなければならない。この場
合、磁石空隙の磁場方向は逆になる。
であるが、現実にはそのような磁気回路を作製すること
は困難である。そこで、磁化変化はリング状磁石毎に離
散的に変化していればよいが、リング毎の変化の度合い
は小さい方が良いことは言うまでもない。リング状磁石
間の磁化変化の度合いは90°以内であることが好まし
い。希望する磁場分布の仕様要求から、リング間で磁化
方向変化がないものがあっても当然構わない。例えば図
1(a)では、中心部のリング状磁石17と27の間で
は磁化方向の変化がない。
うが好ましい。なぜなら、軸方向空隙は磁束の外側への
漏洩を引き起こすためである。しかし、磁場調整や磁場
分布仕様の要求から空隙を設けることも、当然許され
る。リング状磁石の外側のリング状外套磁性ヨーク40
は磁石を保持するのみであれば磁性、非磁性のどちらで
も良い。しかし磁気効率と円筒磁石外側への磁束漏洩の
観点からは、外側ヨークは磁性体であることが好まし
い。飽和磁化の高さ、保磁力の大きさ、機械強度、加工
容易さ、コスト(材料・加工費)の観点から、軟磁性の
鉄(例えば低炭素鋼など)が好ましい。端部の蓋41も
同様な理由により磁石体でよい。端部リング状磁石は隣
接磁石より反発力を受けているので、該蓋は、端部リン
グ状磁石の飛び出し防止の役割も兼ねている。該磁石に
使用するのは、希土類磁石である。希土類磁石には、Ce
Co系、SmCo系、NdFeB 系などの各種の磁石が存在し、高
い磁気特性を有するので、どの希土類磁石であってもよ
い。中心磁場強度として高い値を必要とする場合は、Nd
FeB 系磁石が適している。磁石の温度が上昇する可能性
がある場合は、磁化の温度係数が小さく、高温でも減磁
の起きにくいCeCo系、またはSmCo系が適している。これ
らは用途に応じて使い分ければよい。
向磁場が概ね一方向(本説明では右向き)になるのかを
図1(a)に沿って以下に説明する。左端部と右端部の
右向き磁化方向磁石11、21は、円筒磁石内部に右向
き磁場Bを発生する。一方、図の長さ中心よりも右側の
磁化が空隙内部の径方向に向いた磁石13、14または
傾きを持って向いたリング状磁石12、15、16は図
では空隙内筒表面の左側31にN極磁荷を発生する。一
方、中心より右側のリング磁石は空隙内筒表面の右側3
2にS極磁荷を発生する。磁束は左側N極から右側S極
に向かって流れるため、磁場Bの向きは右向きとなる。
中心部の左向きリング状磁石17、27は左向きの磁場
を発生するように思われるが、リング状磁石内部では、
磁化方向と逆向きの磁場となるので、やはり右向きの磁
場を発生する。したがって、円筒磁石全体として、内部
空隙30で右向きの軸方向磁場Bを発生する。左右端部
出口付近では、磁場方向が逆転するが、実用上は問題な
い。
らによる特開平8−64142号公報に開示した磁気回
路は、左右に径方向リング磁石を配置し、中心部の軸方
向磁化リング磁石を組み合わせ、積層したものである。
しかし、本発明では、径方向磁石の端部側の磁束(径方
向磁石による磁束の約半分)は、中心部側ではなく端部
側に流れて、中心部付近の磁束の流れと逆になる。これ
は、リング磁石の自分自身の逆極に流れる方が、中心部
を挟んだ逆極に流れるより、磁気抵抗が少ないためであ
る。この磁束の流れが、空隙内の磁場の反転として両側
で観測される。しかし本発明のように、磁化方向を連続
的または離散的に、徐々に変化させることにより、両端
部の軸方向磁化磁石が、径方向磁石の磁場反転を打ち消
すように働くため、磁場反転が起こりにくくなり、特開
平8−64142号公報に開示した磁気回路等よりも短
い長さで同等な磁場分布を実現できる。
する。 実施例 図1の構造の円筒状マグネットを以下のように製作し
た。内径 100mm、長さ 700mmで、1リングの厚みは50mm
に固定した。希土類磁石は焼結NdFeB 磁石で45MGOeの磁
気特性を有する N45(信越化学工業社製製品名)を使用
し、図1(a)のような台形状の16個の磁石セグメント
で、1リングを構成した。側面ヨークは低炭素鋼 S400
とし、厚みは40mm、蓋も同材質で厚みは20mmとした。側
面円筒ヨークと永久磁石はエポキシ系1液接着剤にて室
温硬化させ、固着した。組み上げた永久磁石磁気回路
の、空隙内部中心軸上の磁場をガウスメータで測定した
ところ、空隙中心部で6000Gの磁場が得られ、磁場分布
は左右対称であった。向かって右方向(正方向)の磁場
が生じている領域は磁石全長 700mmに対して580mm あ
り、全長に対する比率は80%を超えていた。
たものと同様の、図4に示す磁化方向を有する磁気回路
構造とした以外は、実施例と同様に、同寸法で磁石を作
製して組み上げた。右方向磁場領域の比率は、磁石全長
700mmに対して410 mmで、全長に対する比率は58.6%で
あった。以上から、本発明により正方向磁場領域の比率
が大幅に増加したことを確認できた。
に軸方向を発生する回路で、従来より短い長さ・小さい
体積で、希望する磁場分布を実現することが可能となっ
た。
断面模式図であり、(a)は軸方向磁場の発生の一例を
示す模式図、(b)は(a)のA−A′断面の模式図で
ある。
(a)はダイポールリング型、(b)は磁石対向型の斜
視図である。
磁束の流れの模式図であり、(a)は軸方向磁化リング
磁石、(b)はソレノイド円筒電磁石である。
式図であり、(a)はリング磁石の軸方向からの正面
図、(b)は軸を通る面の断面図、(c)は(b)の空
隙内磁場分布である。
向き) 13、14‥‥ 磁化方向が空隙内部の径方向の
リング状磁石 12、15、16‥‥ 磁化方向が傾きを持つリング状
磁石 17、27‥‥ 中心部リング状磁石(磁化方向
左向き) 22、25、26‥‥ 磁化方向が傾きを持つリング状
磁石 30、38‥‥ 内部空隙 31‥‥ 空隙内筒表面の左側 32‥‥ 空隙内筒表面の右側 40‥‥ 外側ヨーク 41‥‥ 端部の蓋 36‥‥ リング状磁石 62‥‥ 軸方向磁場
Claims (2)
- 【請求項1】 円筒状磁性体が、複数のリング状希土類
永久磁石のみまたは該磁石とリング状外套磁性ヨークと
により構成された永久磁石磁気回路において、該リング
状磁石の磁化方向が、軸方向に一方の端部から他方の端
部に向かって、連続的または離散的に徐々に変えられ、
該磁化方向が端部から端部の間で一回転するように配置
されることを特徴とする軸方向磁場発生用永久磁石磁気
回路。 - 【請求項2】 両端部のリング状磁石の磁化方向が軸方
向でかつ同方向であり、中心近傍の磁石の磁化方向が軸
方向でかつ端部と反対方向であり、左端より右端に向か
って上半分で見ると、磁化方向が時計回りに変化する請
求項1に記載の軸方向磁場発生用永久磁石磁気回路。
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1996
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