JP2006174568A - 発電機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高圧三相出力と低圧三相出力とを同時に得ることのできる発電機を提供する。
【解決手段】 高圧三相出力端子U2,V2,W2、低圧三相出力端子U1,V1,W1、及び中性端子Oをそれぞれ設け、中性端子Oと高圧三相出力端子U2,V2,W2間に電機子コイルU(Ua,Ub),V(Va,Vb),W(Wa,Wb)をそれぞれ接続する。
また、この電機子コイルU(Ua,Ub),V(Va,Vb),W(Wa,Wb)の中間点(T4−T7),(T5−T8),(T6−T9)に、前記低圧三相出力端子U1,V1,W1を接続する。
これにより、一台の発電機より高圧三相出力端子U2,V2,W2からの高圧三相出力と、低圧三相出力端子U1,V1,W1からの低圧三相出力とが同時に得られる。
【選択図】 図2
【解決手段】 高圧三相出力端子U2,V2,W2、低圧三相出力端子U1,V1,W1、及び中性端子Oをそれぞれ設け、中性端子Oと高圧三相出力端子U2,V2,W2間に電機子コイルU(Ua,Ub),V(Va,Vb),W(Wa,Wb)をそれぞれ接続する。
また、この電機子コイルU(Ua,Ub),V(Va,Vb),W(Wa,Wb)の中間点(T4−T7),(T5−T8),(T6−T9)に、前記低圧三相出力端子U1,V1,W1を接続する。
これにより、一台の発電機より高圧三相出力端子U2,V2,W2からの高圧三相出力と、低圧三相出力端子U1,V1,W1からの低圧三相出力とが同時に得られる。
【選択図】 図2
Description
本発明は発電機に関し、例えば可搬式の発電機等、エンジン等の駆動源によって発電機本体を駆動して発電する型式の発電機に関する。
工事現場や各種イベント会場等の特に屋外において、電力により稼動する各種の作業機、照明器具、映像・音響機器、その他の機器(本明細書において単に「負荷」ないし「機器」という。)を使用する場合、このような負荷に対する電力の供給源としてエンジン等の駆動源を備えた発電機が使用されている。
そして、このような発電機にあっては、使用する負荷に対する入力電圧の違いを考慮して、該発電機における出力電圧を高圧の三相電力(一例として三相400V)と、前記高圧に対して相対的に低圧である三相電力(一例として三相200V)とで切換可能としたものがある(特許文献1〜3参照)。
このように、発電機の出力形式を三相の高圧−低圧間で変更可能とする場合には、発電機本体のU相、V相、W相の各電機子コイルを、巻き数の等しい1組のコイルUa,Ub;Va,Vb;Wa,Wbによってそれぞれ構成し、各組のコイルを直列に接続した高圧結線(コイルの結線に関し図4参照)と、並列に接続した低圧結線(コイルの結線に関し図5参照)とで切り換え可能に構成しておき、高圧結線において一例として400Vの三相電力が、低圧結線において一例として200Vの三相電力が得られるようにしたものがある。
この発明の先行技術文献情報としては次のものがある。
特開2002−335696号公報
特開2003−333814号公報
特開2001− 57764号公報
以上のように構成された従来の発電機における出力電圧の切り換えは、一例として図7及び図8に示すように、各相の電機子コイルU,V,Wを構成するコイルUa,Ub;Va,Vb;Wa,Wbの各接点T1〜T12に接続された端子t1〜t12を備えた電圧切換用の端子台60(各コイルの接点に対し大文字のアルファベットTと共に付された1〜12の番号と、端子台の各端子に対し小文字のアルファベットtと共に付された同一の番号はそれぞれ対応関係を示す。)を設けると共に、コイルUa,Ub;Va,Vb;Wa,Wbのうち、高圧−低圧いずれの結線時においても出力端子台72’の中性端子Oに接続される、コイルUbの接点T10、コイルVbの接点T11、コイルWbの接点T12を予め短絡させておき、前記電圧切換用の端子台60に設けられた端子t1〜t12間に所定の組合せで短絡板63を取り付けることにより短絡して、各相内でのコイル(Ua,Ub),(Va,Vb),(Wa,Wb)の結線を直列の高圧結線と並列の低圧結線とで切り換えることにより、共通の出力端子台72’から、一例として三相400Vの高圧出力と、三相200Vの低圧出力とが得られるように構成されている。
そして、図示の例にあっては高圧・低圧共に共通の三相出力端子台72’を設け、この三相出力端子台72’の出力端子U0を電圧切換用端子台60に設けられた端子t1を介してコイルUaの接点T1に、出力端子V0を電圧切換用端子台60の端子t2を介してコイルVaの接点T2に、出力端子W0を電圧切換用端子台60の端子t3を介してコイルWaの接点T3に、O端子を電圧切換用端子台60の端子t12を介してコイルWbの接点T12及びこれに短絡されたコイルUbの接点T10及びコイルVbの接点T11に接続しておき、発電機の出力設定を低圧(一例として三相200V)とする場合には、図7に示すように電圧切換用の端子台60の端子t1−t7及び端子t4−t10間を短絡板63で短絡することによりU相のコイルUa・Ubを並列に接続し、端子t2−t8及び端子t5−t11間を短絡板63で短絡することによりV相のコイルVa・Vbを並列に接続し、端子t3−t9及び端子t6−t12間を短絡板63で短絡することによりW相のコイルWa・Wbを並列に接続して、発電機の作動により低圧三相出力を行うように構成し、また、発電機の出力設定を高圧(一例として三相400V)とする場合には、図8に示すように電圧切換用端子台60の端子t7−t4、端子t8−t5、端子t9−t6間のみをそれぞれ短絡板63によって短絡することにより、コイルUa,Ub;Va,Vb;Wa,WbがそれぞれU,V,Wの各相毎に直列に接続された高圧結線となり、発電機の駆動により高圧三相出力を得られるように構成している。
以上のように構成された従来の発電機にあっては、短絡板63の取付位置を変更することにより、電圧切換用の端子台60に設けられた各端子t1〜t12間を所定の組合せで短絡させることで、発電機の出力を高圧出力と低圧出力とで切り換えが行えるものの、その切換は二者択一的なものであり、低圧の三相出力と高圧の三相出力とを同時に得ることはできない。
このように、従来の可変設定型の発電機にあっては、設定に従って高圧、又は低圧のいずれかの出力のみを行うことができるように構成されているため、低圧(一例として三相200V)で作動する機器と、高圧(一例として三相400V)で作動する機器に対して同時に電力を供給することができず、これらの作動電圧を異にする機器毎にそれぞれ別個に発電機を準備するか、又は、変圧器を準備して発電機からの出力を一旦変圧した後に供給する必要があるものとなっていた。
このように、作動電圧が異なる機器毎に複数の発電機を準備し、又は変圧器を必要とすることから、これらを準備するための経済的な負担を伴うと共に、変圧器を介して各機器に対する電力の供給を行う場合には配線が複雑となる。
また、前述のように従来の発電機にあっては、出力電圧が変更可能であるにも拘わらず共通の出力端子台72’を介して出力を行うために、例えばこの出力端子台72’に低電圧で動作する機器を接続したままの状態で誤って設定を高圧に変更すれば、発電機の設定と、接続された機器の作動電圧との間に不一致が生じ、発電機の始動により接続された機器や発電機自体を破損等するおそれもある。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術における欠点を解消するためになされたものであり、高圧、低圧用にそれぞれ独立して設けられた出力端子台を介して、一台の発電機より高圧出力と低圧出力とを同時に行うことができる発電機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の発電機は、三相を成す各相の電機子コイルU,V,Wを一端において結合した星形結線の発電機において、
高圧の三相出力を行う高圧三相出力端子U2,V2,W2と、前記高圧三相出力端子U2,V2,W2に対して相対的に低圧の三相出力を行う低圧三相出力端子U1,V1,W1と、前記電機子コイルU,V,Wの中性点に接続される中性端子Oをそれぞれ設けると共に、
前記中性端子Oと前記高圧三相出力端子の各端子U2,V2,W2間に前記各相の電機子コイルU,V,Wをそれぞれ接続すると共に、前記各相の電機子コイルU,V,Wの中間点を前記低圧三相出力端子の各端子U1,V1,W1にそれぞれ接続したことを特徴とする(請求項1)。
高圧の三相出力を行う高圧三相出力端子U2,V2,W2と、前記高圧三相出力端子U2,V2,W2に対して相対的に低圧の三相出力を行う低圧三相出力端子U1,V1,W1と、前記電機子コイルU,V,Wの中性点に接続される中性端子Oをそれぞれ設けると共に、
前記中性端子Oと前記高圧三相出力端子の各端子U2,V2,W2間に前記各相の電機子コイルU,V,Wをそれぞれ接続すると共に、前記各相の電機子コイルU,V,Wの中間点を前記低圧三相出力端子の各端子U1,V1,W1にそれぞれ接続したことを特徴とする(請求項1)。
また、本発明の別の発電機は、同様に三相を成す各相の電機子コイルU,V,Wを一端において結合した星形結線の発電機において、
高圧の三相出力を行う高圧三相出力端子U2,V2,W2と、前記高圧三相出力端子U2,V2,W2に対して相対的に低圧の三相出力を行う低圧三相出力端子U1,V1,W1と、前記電機子コイルU,V,Wの中性点に接続される中性端子Oをそれぞれ設け、かつ、前記各相の電機子コイルU,V,Wのそれぞれを、巻き数の等しい1組のコイル(Ua,Ub),(Va,Vb),(Wa,Wb)により形成すると共に、
前記中性端子Oと前記低圧三相出力端子の各端子U1,V1,W1間に並列に前記各組のコイル(Ua,Ub),(Va,Vb),(Wa,Wb)を接続する低圧結線(図5参照)と、前記中性端子Oと前記高圧三相出力端子の各端子U2,V2,W2間に直列に前記各組のコイル(Ua,Ub),(Va,Vb),(Wa,Wb)を接続すると共に、前記直列に接続された各組のコイル相互間の接続点(図4においてT4−T7,T5−T8,T6−T9)を前記低圧三相出力端子の各端子U1,V1,W1、にそれぞれ接続する高圧結線(図4参照)とに結線状態を切り換える端子台60と短絡板63等の切換手段を設けたことを特徴とする(請求項2)。
高圧の三相出力を行う高圧三相出力端子U2,V2,W2と、前記高圧三相出力端子U2,V2,W2に対して相対的に低圧の三相出力を行う低圧三相出力端子U1,V1,W1と、前記電機子コイルU,V,Wの中性点に接続される中性端子Oをそれぞれ設け、かつ、前記各相の電機子コイルU,V,Wのそれぞれを、巻き数の等しい1組のコイル(Ua,Ub),(Va,Vb),(Wa,Wb)により形成すると共に、
前記中性端子Oと前記低圧三相出力端子の各端子U1,V1,W1間に並列に前記各組のコイル(Ua,Ub),(Va,Vb),(Wa,Wb)を接続する低圧結線(図5参照)と、前記中性端子Oと前記高圧三相出力端子の各端子U2,V2,W2間に直列に前記各組のコイル(Ua,Ub),(Va,Vb),(Wa,Wb)を接続すると共に、前記直列に接続された各組のコイル相互間の接続点(図4においてT4−T7,T5−T8,T6−T9)を前記低圧三相出力端子の各端子U1,V1,W1、にそれぞれ接続する高圧結線(図4参照)とに結線状態を切り換える端子台60と短絡板63等の切換手段を設けたことを特徴とする(請求項2)。
なお、前記構成の発電機にあっては、前記切換手段として、前記低圧結線(図5参照)を実現する第1位置と、前記高圧結線(図4参照)を実現する第2位置の二位置間で切り換え可能に構成されたカムスイッチ62とすることができる(請求項3)。
以上説明した本発明の構成により、本発明の発電機によれば、高圧三相出力端子U2,V2,W2からは高圧の三相出力を、低圧三相出力端子U1,V1,W1からは低圧三相出力をそれぞれ一台の発電機から同時に得ることができた。
その結果、作動電圧の異なる複数の機器に対して同時に電力の供給を行う場合であっても、複数の発電機を準備し、又は変圧器等を準備することなく一台の発電機のみを準備すれば良いものとなった。
特に、各相の電機子コイルをそれぞれ1組のコイルUa,Ub;Va,Vb;Wa,Wbにより構成し、該コイルUa,Ub;Va,Vb;Wa,Wbの結線状態を、図4に示す直列の高圧結線と、図5に示す並列の低圧結線とに切り換え可能とすることにより、効率的な発電を行うことができると共に、図4に示す直列に接続された高圧結線の状態にあっては、低圧三相出力と高圧三相出力を一台の発電機より同時に得ることができるものとなっている。
また、このように高圧三相出力端子U2,V2,W2と、低圧三相出力端子U1,V1,W1とが、それぞれ独立して別個に設けられていることにより、例えばいずれかの出力端子に機器を接続したままの状態において発電機の出力設定を変更した場合であっても、発電機の出力設定と、接続された機器の作動電圧との間に不一致が生じることがなく、その結果、発電機やこれに接続された機器が破損等することを防止できた。
さらに、前記結線状態をカムスイッチ62の切り換えにより変更可能とした発電機にあっては、端子台60に対する短絡板63の付け替え等の煩雑な作業を行うことなく設定の変更が可能である。
次に、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら以下説明する。
〔実施形態1〕
図1及び図2に示す実施形態において、本発明の発電機は、図7及び図8を参照して説明した従来の発電機と同様に、各相の電機子コイルU,V,Wを巻き数を同一とする1組のコイルUa,Ub;Va,Vb;Wa,Wbによりそれぞれ形成したものであり、前記コイルUa,Ub;Va,Vb;Wa,Wbの各接点T1〜T12が接続された端子台60を備え、この端子台60に取り付けられる短絡板63の取付位置の変更によって、各コイルUa,Ub;Va,Vb;Wa,Wbの接続状態を図4に示す三相高圧の結線状態と、図5に示す三相低圧の結線状態とで切換可能に構成したものである。
図1及び図2に示す実施形態において、本発明の発電機は、図7及び図8を参照して説明した従来の発電機と同様に、各相の電機子コイルU,V,Wを巻き数を同一とする1組のコイルUa,Ub;Va,Vb;Wa,Wbによりそれぞれ形成したものであり、前記コイルUa,Ub;Va,Vb;Wa,Wbの各接点T1〜T12が接続された端子台60を備え、この端子台60に取り付けられる短絡板63の取付位置の変更によって、各コイルUa,Ub;Va,Vb;Wa,Wbの接続状態を図4に示す三相高圧の結線状態と、図5に示す三相低圧の結線状態とで切換可能に構成したものである。
この発電機において、コイルUa,Ub;Va,Vb;Wa,Wbの各接点に付された符号T1〜T12が、大文字、小文字間において対応する端子台60の各端子t1〜t12にそれぞれ接続されていると共に、発電機本体50のコイルUa,Ub;Va,Vb;Wa,Wbのうち、高圧−低圧いずれの結線においても各出力端子台72,74,75の中性端子Oに接続される、コイルUbの接点T10、コイルVbの接点T11、コイルWbの接点T12が予め短絡されている点については、前述の図7及び図8を参照して説明した従来技術における設定可変型発電機と同様である。
図7及び図8を参照し、従来技術として説明した発電機にあっては、前述の端子台60として、コイルUa,Ub;Va,Vb;Wa,Wbの両端に設けられた接点数(T1〜T12の計12個)に応じた数の端子のみを設けたものを使用していたが、本実施形態の発電機に設けられた端子台60は、t1〜t12の端子の他、更にt13〜t15の3つの端子が追加されている。
また、図7及び図8を参照して説明した従来の発電機にあっては、三相出力端子台として、高圧出力用、低圧出力用共に共通の三相端子台72’を設け、この三相端子台72’によって低圧(一例として三相200V)の出力と、高圧(一例として三相400V)の出力を共に行うものとしていたが、図1及び図2に示す本実施形態の可変設定型発電機にあっては、低圧(三相200V)出力端子台72と、高圧(三相400V)出力端子台74とをそれぞれ別個に設け、電力の供給を受ける機器を、その作動電圧毎に接続可能に構成している。
以上のように構成された発電機において、低圧三相出力端子台72に設けられた出力端子U1を端子台60の端子t7に、出力端子V1を端子台60の端子t8に、出力端子W1を端子台60のt9にそれぞれ接続し、また、高圧用三相出力端子台74に設けられた出力端子U2を端子台の端子t13に、出力端子V2を端子台60の端子t14に、出力端子W2を端子台60の端子t15にそれぞれ接続すると共に、低圧、高圧いずれの出力端子台72,74の中性端子Oとも、端子台60の端子t12に接続している。
なお、端子台60の端子のうち、t13〜t15の端子は、短絡板63が取り付けられていない状態では発電機本体50のコイルUa,Ub;Va,Vb;Wa,Wbのいずれに対しても接続されていない。
以上のように構成された可変設定型の発電機において、該発電機による出力電圧を低圧(本実施形態において200V)に設定する場合には、図1に示すように端子台60の端子t1−t7間、t4−t10間、t2−t8間、t5−t11間、t3−t9間、及びt6−t12間を、それぞれ短絡板63によって短絡し、コイルUa,Ubの接点T4,T10を共に低圧三相出力端子台72の中性端子Oに、接点T1とT7を共に出力端子U1に接続して、端子O−U1間にコイルUa,Ubを並列に接続する。
また、コイルVa,Vbの接点T5,T11を共に低圧三相出力端子台72の出力端子Oに、接点T2とT8を共に出力端子V1に接続して、出力端子O−V1間にコイルVa,Vbを並列に接続し、さらに、コイルWa,Wbの接点T6,T12を共に低圧出力端子台72の中性端子Oに、接点T3とT9を共に出力端子W1に接続して、端子O−W1間にコイルWa,Wbを並列に接続し、図5に示す星形接続の電機子を実現させている。
このとき、高圧用三相出力端子台74に設けられた各出力端子U2、V2、W2が接続された端子台60の接点t13〜t15は、端子台60の他のいずれの接点とも接続されておらず、従ってコイルUa,Ub;Va,Vb;Wa,Wbの接点のいずれに対しても接続されていない。
なお、図1及び図2中、75は単相100Vの出力端子台であり、コイルUb,Vb,Wbの接点T10〜T12に接続された中性端子Oと、コイルUb,Vb,Wbのいずれか(図示の実施形態にあったてはUb)の中間点に設けられた接点Tdに接続された出力端子u’とを備えている。
このように、端子台60に対して図1に示すパターンで短絡板63を取り付けた状態で本発明の発電機を駆動すると、低圧出力端子台72の出力端子U1,V1,W1,(O)より三相200Vの出力が得られると共に、単相出力端子台75のu’,(O)より、単相100Vの出力が得られる。
以上のように構成された本発明の発電機は、図1を参照して説明した低圧出力の設定から、端子台60に取り付けられた短絡板63の取付位置を図2に示す高圧出力の設定に変更することにより、高圧三相出力端子台74の出力端子U2,V2,W2、(O)からの、例えば三相400Vの高圧出力と、低圧三相出力端子台72の出力端子U1,V1,W1,(O)からの三相200Vの低圧出力とが、同時に出力可能となると共に、単相出力端子台75を設ける場合には、この単相出力端子台75の出力端子u’,(O)からの単相100Vの出力を得ることができるように構成されている。
この三相高圧出力を可能と成す短絡板63の取付状態を図2を参照して説明すると、図示の実施形態において端子台60の端子t7−t4,t8−t5,t9−t6間を短絡する短絡板63によって、コイルUa−Ub、コイルVa−Vb、コイルWa−Wbがそれぞれ接点T4−T7、接点T5−T8、接点T6−T9を介して直列に接続されると共に、端子台60の接点t13−t1,t14−t2,t15−t3を短絡する短絡板63により、コイルUaの接点T1が高圧三相出力端子台74の出力端子U2に、コイルVaの接点T2が出力端子V2に、コイルWaの接点T3が出力端子W2にそれぞれ接続されている。
また、直列に接続された各相のコイルUa,Ub;Va,Vb;Wa,Wbの接続点T4−T7、T5−T8、T6−T9は、端子台60の接点t7,t8,t9を介してそれぞれ低圧三相出力用端子台72の出力端子U1,V1,W1に接続され、発電機本体50のコイルUa,Ub;Va,Vb;Wa,Wbは、図4に示す直列の星形接続に接続されている。
なお、一端を中性点Oに接続されたコイルUb,Vb,Wbのいずれか(図示の実施形態にあっては、Ub)の中間地点(所望の単相出力が得られる位置であり、本実施形態にあっては単相100Vの出力が得られる位置)に設けられた接点Tdに対し、単相出力端子台75の出力端子u’が接続されている点については、図7及び図8を参照して説明した、低圧の三相出力に設定した場合と同様である。
端子台60に対する以上のような短絡板63の取付状態において、発電機本体50を駆動して発電を開始すると、図4に示すように、高圧出力端子台74の出力端子U2,V2,W2,(O)間において、三相400Vの高圧出力が得られると共に、各相の電機子コイルU,V,Wの接続点に接続された三相低圧出力端子台の出力端子U1,V1,W1,(O)間において、三相200Vの低圧出力が得られる。
また、単相出力端子台75に設けられた出力端子u’,(O)からは、単相100Vの出力が得られる。
このように、本発明の発電機にあっては、それぞれ独立して高圧三相出力端子台74と、低圧三相出力端子台72とを設けると共に、コイルUa,Ub;Va,Vb;Wa,Wbを図4に示す直列の星形の接続とする場合には、高圧出力端子台74の出力端子U2,V2,W2,(O)からの高圧三相出力(一例として三相400V)と、低圧三相出力端子台72の出力端子U1,V1,W1,(O)からの低圧三相出力(一例として、三相200V)の出力とを同時に得ることができ、高圧、低圧で作動電圧の異なる複数の機器に対する電力の供給を同時に行うことのできる発電機を提供することができた。
また、前述のように、高圧三相出力端子台と、低圧三相出力端子台とを、それぞれ別個に設けたことにより、発電機に接続する機器において要求される電圧と、出力電圧とが相違することによる、機器や発電機自体の破損等の防止に役立つものであった。
なお、発電機における出力設定と、該発電機に設けられた低圧三相出力端子台72、高圧三相出力端子台74及び単相出力端子台75それぞれにおける出力状況を、図3に示す。
〔実施形態2〕
次に、本発明の可変設定型発電機の別の実施形態を、図6を参照しながら以下説明する。
次に、本発明の可変設定型発電機の別の実施形態を、図6を参照しながら以下説明する。
前述の図1及び図2を参照して説明した本発明の可変設定型発電機にあっては、前述のように発電機本体50の各コイルUa,Ub;Va,Vb;Wa,Wbの接点T1〜T12に接続された端子t1〜t12、及び高圧三相出力端子台74の出力端子U2,V2,W2ら接続された端子t13〜t15を有する端子台60を設け、この端子台60の端子t1〜t15間を短絡する短絡板63の取付位置を変更することにより、発電機の出力設定を変更可能とする例について説明したが、本実施形態にあっては、前述の実施形態1における端子台60に代えてカムスイッチ62を設け、端子台60に対する短絡板63の付け替えという煩雑な作業を行うことなく、出力の設定変更を可能としている。
その他、発電機本体50の構成、コイルのT10〜T12の端子間が短絡されている点、及び出力端子台として、高圧三相出力端子台74、低圧三相出力端子台72、単相出力端子台75を備える点においては、前述の図1及び図2を参照して説明した実施形態と同様である。
カムスイッチ62によるこのような切り換えを可能とする一構成例について説明すると、本実施形態において使用するカムスイッチ62は、図6に示すように1〜24番迄の接点を備えており、このカムスイッチ62において奇数番の接点と偶数番の接点間がカムの回転により開閉可能となっており、図示の例では、1−2,5−6,9−10,13−14,17−18,21−22番の接点間を閉じたとき(低圧三相出力設定時)、3−4,7−8,11−12,15−16,19−20,23−24番の接点間が開き、また逆に、3−4,7−8,11−12,15−16,19−20,23−24番の接点間を閉じたとき(高圧三相出力設定時)、1−2,5−6,9−10,13−14,17−18,21−22番の接点間が開くように構成されている。
なお、このカムスイッチ62において、1−7,9−15,17−23,2−4,6−8,10−12,14−16,18−20,22−24番の各接点間はそれぞれ短絡されている。
以上のように構成されたカムスイッチ62に対し、低圧三相出力端子台72に設けられた出力端子U1をカムスイッチの1番接点及びコイルUbの接点T7に、出力端子V1をカムスイッチの9番接点及びコイルVbの接点T8に、出力端子W1をカムスイッチの17番接点及びコイルWbの接点T9にそれぞれ接続し、また、高圧三相出力端子台74の出力端子U2をカムスイッチの3番接点に、出力端子V2をカムスイッチの11番接点に、出力端子W2をカムスイッチの19番接点にそれぞれ接続し、また、単相出力端子台75の出力端子u’をコイルUb,Vb,Wbのいずれか(図示の例ではUb)の中間地点に設けられた接点Tdに接続すると共に、各出力端子台72,74,75に設けられた中性端子Oを、いずれもカムスイッチの21番接点とコイルWbの接点T12(従って、接点T12と短絡されているコイルUbの接点T10,コイルVbの接点T11)に接続している。
そして、コイルUaの接点T1をカムスイッチの2番接点,接点T4をカムスイッチの6番接点に、コイルVaの接点T2をカムスイッチの10番接点、接点T5をカムスイッチの14番接点に、コイルWaの接点T3をカムスイッチの18番接点、接点T6をカムスイッチの22番接点にそれぞれ接続している。
以上の構成において、カムスイッチ62の操作により発電機の出力形式として低圧三相出力(三相200V)を選択すると、カムスイッチの1−2番接点間、5−6番接点間が閉じることにより、接点T1−T7間、及びT4−T10間が接続されてコイルUa,Ubが並列に接続され、また、カムスイッチの9−10番接点間、13−14番接点間が閉じることにより、接点T2−T8間、及び接点T5−T11間が接続されてコイルVa,Vbが並列に接続され、さらに、カムスイッチの17−18番接点間、21−22番接点間が閉じることにより、接点T3−T9間、及び接点T6−T12間が接続されてコイルWa,Wbが並列に接続されて、図5に示すように、各相のコイルが並列に星形接続された、三相低圧結線となる。
このとき、三相高圧出力端子台74の各出力端子U2,V2,W2は、いずれのコイルUa,Ub;Va,Vb;Wa,Wbの接点T1〜T12とも接触していない状態にあり、従って発電機の作動により、低圧三相出力端子台72の出力端子U1,V1,W1,(O)を介して、三相低圧(実施例では三相200V)の出力を得られる一方、高圧三相出力端子台74の出力端子U2,V2,W2,(O)を介した出力は行われない。
一方、カムスイッチ62の操作により、発電機の出力形式として高圧三相出力(三相400V)を選択すると、カムスイッチの3−4番接点間が閉じることにより、高圧三相出力端子台74の出力端子U2とコイルUaの接点T1が接続され、カムスイッチの7−8番接点間が閉じることにより、接点T7−T4間が接続されてコイルUa,Ubが直列に接続されると共に、コイルUa,Ubの接点T4−T7に低圧三相出力端子台72の出力端子U1が接続される。
また、カムスイッチの11−12番接点間が閉じることにより、高圧三相出力端子台74の出力端子V2とコイルVaの接点T2が接続され、カムスイッチの15−16番接点間が閉じることにより、接点T8−T5間が接続されて、コイルVa,Vbが直列に接続されると共に、コイルVa,Vbの接点T5−T8に低圧三相出力端子台72の出力端子V1が接続される。
さらに、カムスイッチの19−20番接点間が閉じることにより、高圧三相出力端子台74の出力端子W2とコイルWaの接点T3が接続され、カムスイッチの23−24番接点間が閉じることにより、接点T9−T6間が接続されて、コイルWa,Wbが直列に接続されると共に、コイルWa,Wbの接点T9−T6に低圧三相出力端子台72の出力端子W1が接続されて、各コイルUa,Ub;Va,Vb;Wa,Wbが、図4に示す直列に星形接続された高圧三相結線状態となり、発電機の始動により、高圧三相出力端子台74の出力端子U2,V2,W2,(O)を介した、三相高圧(三相400V)の出力と、低圧三相出力端子台72に設けられた出力端子U1,V1,W1,(O)を介した三相低圧(三相200V)の出力を同時に得ることができる。
なお、単相出力端子台75の出力端子u’は、カムスイッチ62をいずれの位置に切り換えた状態においてもコイルUbの中間位置に設けられた接点Tdと接続された状態にあり、また、各出力端子台の共通出力端子Oは、カムスイッチのいずれの切換位置においてもコイルUb,Vb,Wbの接点T10,T11,T12に接続された状態にあり、カムスイッチ62の切換位置にかかわらず、単相出力端子台75の出力端子u’,(O)を介して、単相出力(単相100V)の出力を得ることができるように構成されている。
以上のように構成された、図6に示す実施形態の発電機にあっては、前述の図1及び図2を参照して説明した、端子台60による設定変更を可能とした可変設定型発電機に比較して、カムスイッチ62による切換により、出力の設定切換を容易に行うことができ、短絡板63の取付位置の変更という煩雑な作業が不要となった。
そのため、短絡板63の取付位置を間違えることにより、発電機が所望の出力を行わず、又は、発電機自体やこれに接続された機器等が破損等することをも好適に防止することのできる可変設定型の発電機を提供することができた。
〔その他〕
なお、以上の実施形態にあっては、いずれも各相の電機子コイルを1組のコイルにより形成し、この各組のコイル間の接続状態を直列−並列間で切り換えることにより発電機の出力設定を高圧−低圧間で切り換え可能としたものとして説明したが、このような高圧−低圧間における出力の設定を可変とせず、常に高圧出力端子台74の出力端子U2,V2,W2からは高圧の三相出力が、低圧出力端子台72の出力端子U1,V1,W1からは低圧の三相出力が同時に得られる発電機として構成しても良い。
なお、以上の実施形態にあっては、いずれも各相の電機子コイルを1組のコイルにより形成し、この各組のコイル間の接続状態を直列−並列間で切り換えることにより発電機の出力設定を高圧−低圧間で切り換え可能としたものとして説明したが、このような高圧−低圧間における出力の設定を可変とせず、常に高圧出力端子台74の出力端子U2,V2,W2からは高圧の三相出力が、低圧出力端子台72の出力端子U1,V1,W1からは低圧の三相出力が同時に得られる発電機として構成しても良い。
この場合には、各相の電機子コイルを、それぞれ例えば単一のコイルによって構成し、各電機子コイルの両端を端子O−U2,O−V2,O−W2に接続する。また、各電機子コイルの中間点(高圧に対して1/2の低圧電力を得る場合には、巻数における中間点)に、前記低圧三相出力端子台72に設けた端子U1,V1,W1をそれぞれ接続した構成としても良い。
以上説明した本発明の発電機の構造は、エンジン等の駆動源によって発電機本体を駆動して発電する、例えば可搬式の各種の発電機において採用することができ、工事現場、各種イベント会場、その他、例えば屋外等において電力により稼動する作業機器、照明機器、映像・音響機器、その他の各種の機器に対する電力供給源として使用する発電機の構成として採用可能である。
50 発電機本体
60 端子台
62 カムスイッチ
63 短絡板
72 低圧三相出力部(低圧三相出力端子台)
74 高圧三相出力部(高圧三相出力端子台)
75 単相出力部〔単相出力端子台〕
U U相の電機子コイル
V V相の電機子コイル
W W相の電機子コイル
O 中性端子
U1,V1,W1 低圧三相出力端子
U2,V2,W2 高圧三相出力端子
Ua,Ub コイル(U相)
Va,Vb コイル(V相)
Wa,Wb コイル(W相)
T1〜T12 接点(コイルの)
60 端子台
62 カムスイッチ
63 短絡板
72 低圧三相出力部(低圧三相出力端子台)
74 高圧三相出力部(高圧三相出力端子台)
75 単相出力部〔単相出力端子台〕
U U相の電機子コイル
V V相の電機子コイル
W W相の電機子コイル
O 中性端子
U1,V1,W1 低圧三相出力端子
U2,V2,W2 高圧三相出力端子
Ua,Ub コイル(U相)
Va,Vb コイル(V相)
Wa,Wb コイル(W相)
T1〜T12 接点(コイルの)
Claims (3)
- 三相を成す各相の電機子コイルを一端において結合した星形結線の発電機において、
高圧の三相出力を行う高圧三相出力端子と、前記高圧三相出力端子に対して相対的に低圧の三相出力を行う低圧三相出力端子と、前記電機子コイルの中性点に接続される中性端子をそれぞれ設けると共に、
前記中性端子と前記高圧三相出力端子の各端子間に前記各相の電機子コイルをそれぞれ接続すると共に、前記各相の電機子コイルの中間点を前記低圧三相出力端子の各端子にそれぞれ接続したことを特徴とする発電機。 - 三相を成す各相の電機子コイルを一端において結合した星形結線の発電機において、
高圧の三相出力を行う高圧三相出力端子と、前記高圧三相出力端子に対して相対的に低圧の三相出力を行う低圧三相出力端子と、前記電機子コイルの中性点に接続される中性端子をそれぞれ設け、かつ、前記各相の電機子コイルのそれぞれを、巻き数の等しい1組のコイルにより形成すると共に、
前記中性端子と前記低圧三相出力端子の各端子間に並列に前記各組のコイルを接続する低圧結線と、前記中性端子と前記高圧三相出力端子の各端子間に直列に前記各組のコイルを接続すると共に、前記直列に接続された各組のコイル相互間の接続点を前記低圧三相出力端子の各端子にそれぞれ接続する高圧結線とに結線状態を切り換える切換手段を設けたことを特徴とする発電機。 - 前記切換手段が、前記低圧結線を実現する第1位置と、前記高圧結線を実現する第2位置の二位置間で切り換え可能に構成されたカムスイッチであることを特徴とする請求項2記載の発電機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004361880A JP2006174568A (ja) | 2004-12-14 | 2004-12-14 | 発電機 |
Applications Claiming Priority (1)
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Family Applications (1)
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JP2004361880A Pending JP2006174568A (ja) | 2004-12-14 | 2004-12-14 | 発電機 |
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JP (1) | JP2006174568A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009081940A (ja) * | 2007-09-26 | 2009-04-16 | Denyo Co Ltd | エンジン発電機 |
JP2011142736A (ja) * | 2010-01-07 | 2011-07-21 | Nippon Sharyo Seizo Kaisha Ltd | 可搬式エンジン発電機 |
US8232696B2 (en) | 2008-11-07 | 2012-07-31 | Honda Motor Co., Ltd. | Coil structure, coil connection control apparatus, and magnetic electricity generator |
WO2012151045A3 (en) * | 2011-05-03 | 2014-05-01 | Siemens Industry, Inc. | Electric machine with power taps |
JP2019126175A (ja) * | 2018-01-17 | 2019-07-25 | 株式会社明電舎 | 回転電機 |
-
2004
- 2004-12-14 JP JP2004361880A patent/JP2006174568A/ja active Pending
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JP2019126175A (ja) * | 2018-01-17 | 2019-07-25 | 株式会社明電舎 | 回転電機 |
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