JP2006173252A - リジッド・フレックス多層プリント配線板及びその製造方法 - Google Patents

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暁 村川
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克彦 高橋
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Abstract

【課題】 フレキシブル部を形成するために外層基板を除去する際に、内層基板の外表面に設けたシールド部材が外層基板側に転写して剥がれるのを防止できる、リジッド・フレックス多層プリント配線板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明に係るリジッド・フレックス多層プリント配線板は、硬質性を備えたリジッド部と屈曲性を備えたフレキシブル部とから構成され、前記リジッド部が多層構造をなすリジッド・フレックス多層プリント配線板であって、前記リジッド部と前記フレキシブル部が共通して用いる内層FPC30のうち、前記フレキシブル部として機能する領域上には、シールド部材40A(40B)、及び、粒子状のスペーサ部材としての球状粒子70A(70B)、が順に重ねて配されていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、リジッド・フレックス多層プリント配線板及びその製造方法に係り、より詳細には、フレキシブル部の内層FPC上から外層RPCを除去する際に、内層FPCに配したシールド部材が外層RPCに転写されるのを防止できるリジッド・フレックス多層プリント配線板及びその製造方法に関する。
電子機器の軽薄短小化にともない、これに搭載されるプリント配線板には小型化、薄型化あるいは高性能化が求められている。プリント配線板には配線板が硬いもの[リジッド板(Rigid board)]と、折り曲げられる柔らかいもの[フレキシブル板(Flexible board or sheet)]がある。前者はリジッドプリント配線板と、後者はフレキシブルプリント配線板と呼称されるが、近年はフレキシブルプリント配線板の中でも、リジッド・フレックス多層プリント配線板と呼ばれるものが特に注目されている。
リジッド・フレックス多層プリント配線板は、部品実装性に優れる硬質性を備えたリジッド部と、設置自由度が高く可動性にも優れる可撓性を備えたフレキシブル部とから構成されており、リジッド部に例えば部品を搭載し、フレキシブル部をなすフレキシブル配線板をリジッド部の内部まで配置することにより、例えば1つのフレキシブル部を介して2つのリジッド部を電気的に直接接続する構造をもつことができる。ゆえに、可撓性をもつフレキシブル部と部品実装性に優れるリジッド部とが組み合わせた構造からなるリジッド・フレックス多層プリント配線板は、さまざまな電子機器の内部配線板として多岐にわたって利用されている。
上記構造からなるリジッド・フレックス多層プリント配線板においては、複数の回路に同時に電気信号が流されて使用されることが多いため、各回路で発生する電磁波が他の回路と干渉したり、電子部品(ICなど)に影響したり、逆に電子部品から発生した電磁波の影響を受ける場合がある。したがって、フレキシブル部の内部FPCが備える配線や回路が、他の物品から十分に電磁波から遮断された状態が確保される必要がある。この対策として、フレキシブル部の内層FPCの外表面には通常、電気信号が伝送される際に発生する電磁波(特に高周波)を遮断するためのシールド部材が設けられる。
まず、図5に模式的な断面図を示したリジッド・フレックス多層プリント配線板(以下、プリント配線板βとも呼ぶ)を例にとり、従来の一般的なシールド形成プロセスについて説明する。ただし、以下に示す(1)〜(8)の手順は汎用のものであり、この手順については若干前後しても構わないし、その内容についても何ら限定されるものではない。ここでは、8層R−Fプリント配線板を例として説明するが、8層構造に限定されるものではない。なお、図6はプリント配線板βにおいて使用する外層RPCの一例を示す模式的な断面図である、図7はプリント配線板βにおいて使用する最外層FPCの一例を示す模式的な断面図である。
(1)まず、リジッド部とフレキシブル部が共通して用いる内層CCL110を用意する。内層CCL110としては、例えば電気絶縁性のフレキシブル基材111の両面に回路として機能する導電部材112、113をそれぞれ設けたものが用いられる[図5(a)]。ここで、CCLとは銅張積層板(Copper-Clad Laminate)を意味する。
(2)次いで、この内層CCL110の両面にそれぞれ、カバーレイ(以下、CLとも呼ぶ)120A(120B)を接着し(回路形成したCCLにCLを熱プレスで貼り合わせ)、内層FPC(以下、内層基板とも呼ぶ)130を得る[図5(b)]。ここで、カバーレイ120A(120B)は、電気絶縁性のフレキシブル基材121A(121B)の片面に接着剤層122A(122B)を設けたものである。なお、FPCとはフレキシブル配線板(Flexible Printed Circuit)を意味する。
(3)内層FPC(以下、内層基板とも呼ぶ)130の外表面のうち、フレキシブル部となる領域を覆うようにそれぞれ、導電性ペーストと保護層からなるシールド部材140A(140B)を設ける[図5(c)]。
(4)外層RPC(以下、外層基板とも呼ぶ)160として、電気絶縁性のリジッド基材161の両面に回路として機能する導電部材162、163を設けたものを用意する[図6(a)]。次の工程において、内層基板130上に外層基板160を設けた際に、フレキシブル部とリジッド部に相当する部分に区分けされるように、外層基板160にスリット部180を形成する[図6(b)]。特に、160’はフレキシブル部に相当する部分である。ここで、RPCとはリジッド配線板(Rigid Printed Circuit)を意味する。
(5)内層基板130の上下面のうち、リジッド部に相当する部分にのみ設けた接着部材150A(150B)を介して外層基板160A(160B)を積層する(以下、第一の積層キュアとも呼ぶ)[図5(d)]。これにより、FPCを含む内層基板130が、接着部材150A(150B)を介してRPCを含む2枚の外層基板160A(160B)により挟まれた構造体が得られる。
(6)最外層FPC190として、電気絶縁性のフレキシブル基材191の片面に導電部材192を設けたものを用意する[図7(a)]。次の工程において、外層基板160上に最外層FPC190を設けた際に、外層基板160のうちリジッド部に相当する部分にのみ最外層FPC190が載置されるように、最外層FPC190に空孔190’を設ける加工を施す[図7(b)]。
(7)外層基板160A(160B)の外表面のうち、リジッド部に相当する部分の上に、接着剤層200A(200B)を介して最外層FPC190A(190B)を積層する(以下、第二の積層キュアとも呼ぶ)[図5(e)]。これにより、FPCを含む内層基板130が、接着部材150A(150B)を介してRPCを含む2枚の外層基板160A(160B)により、さらに接着剤層200A(200B)を介してFPCを含む2枚の最外層FPC190A(190B)により挟まれた構造体が得られる。
(8)最後に、外層基板160A(160B)から、フレキシブル部に相当する部分160A’(160B’)を除去する[図5(f)、矢印は除去を表す]。
上述した工程(1)〜(8)により、フレキシブル部の外表面のみにシールド部材を設けてなる、リジッド・フレックス多層プリント配線板(プリント配線板β)が得られる。 しかしながら、上記工程(8)においては、シールド部材140A(140B)の一部140A’(140B’)が、除去されたフレキシブル部に相当する部分160A’(160B’)に転写して剥がれてしまい、シールド部材には欠陥140A”(140B”)が発生してしまう問題があった。
本発明者らは、この現象が発生する理由は次のように考えている。すなわち、シールド部材140A(140B)を形成した後の工程では、このシールド部材140A(140B)の上に外層基板160A(160B)を重ねて設ける。前述したとおり、その際には、プレス工程(加圧処理)が施される。このプレス工程において、シールド層に対してRPCが押し付けられ、シールド層の一部が欠落してRPC表面に付着し、温度低下により固化した際には、この欠落したシールド層の部位はRPC表面と固着した状態となる。そのため、RPCを除去する際には、この欠落したシールド層の部位はRPC側に転写して剥がれた状態となり、シールド層には欠陥140A”(140B”)が生じる。
このような欠陥104A”(104B”)がシールド部材に発生すると、回路に電気信号を流した際に発生する電磁波が、他の回路と干渉したり欠陥から漏れた電磁波が他の電子部品に影響することになる。すなわち、フレキシブル部の内部FPCが備える配線や回路が、他の物品から十分に電磁波から遮断された状態が確保されないので、配線や回路を流れる電気信号に乱れが発生し、正確な信号伝送ができなくなる虞がある。
また、この欠陥が生じた箇所では配線や回路が外部空間に剥き出された状態にあるので、外部空間の変化(例えば温度や湿度の変化)による影響や外部空間に存在する電磁波の影響を受けやすくなり、稼働時における電気信号に揺らぎが発生し、ひいては高精度な電気信号の伝達が困難となる。
上述した課題を解決する手法として、以下に示す技術が知られている。
(A)厚さ5μm以下のシールド層の上に、接着剤層と固定絶縁層を設ける構造により屈曲性を損なわずに良好なシールド特性が得られること(特許文献1)。
(B)可撓性が必要なフレキ回路において、アース回路の上面に導通用孔を設け、その導通用孔に導電性接着剤を充填して、アース回路パターンとシールド電極層を電気的に接続する構造(特許文献2)。
(C)回路の上に第1カバーレイ・シールド層、第2カバーレイを順に設けた構造(特許文献3)。
(D)絶縁フィルム、接着剤、回路パターン、接着剤、金属被膜、絶縁フィルムの順に構成され、回路パターンの任意の箇所から導電性ペーストで金属被膜に繋がっている構造(特許文献4)。
(E)回路上部に開口部を持つ絶縁樹脂層があり、その開口部に金属めっきを行い、銀ペーストなどの導電性被膜を施し、その上に絶縁樹脂層を有した構造(特許文献5)。
(F)シールド層を両面板の上面と下面に分け、必要な箇所にのみシールド層を設けることにより、総厚を薄くできる構造(特許文献6)。
(G)回路配線パターンの露出面の上部を絶縁被膜で覆い、さらにその上にシールド層を設けた構造(特許文献7)。
(H)リジッドフレックス(R−F)構造の多層板において、スルーホールの存在する箇所にシールド層を設けない構造(特許文献8)。
(I)R−F構造の多層板において、ヒンジ部の厚さを多層部の回路の厚さより薄くする構造(特許文献9)。
しかしながら、特許文献1〜7は何れも、単層板(片面板や両面板)を対象とした構造を開示しているに過ぎない。単層板は全ての加工が終わった後に、シールド層の加工ができるため、製造工程中にシールド層の保護等を考慮しなくてもよい。
また、特許文献8〜9は、R−F構造の多層板に関するものではあるが、上述したシールド層の転写を防ぐ方法については全く記載が見られない。
特開平5−3395号公報 特開平6−224587号公報 特許第3434021号公報 特開平7−283579号公報 特開平11−177192号公報 特開2002−176231号公報 特開2004−119604号公報 特開平7−79089号公報 特開平7−106766号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、フレキシブル部を形成するために外層基板を除去する際に、内層基板の外表面に設けたシールド部材が外層基板側に転写して剥がれるのを防止できる、リジッド・フレックス多層プリント配線板及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係るリジッド・フレックス多層プリント配線板は、
硬質性を備えたリジッド部と屈曲性を備えたフレキシブル部とから構成され、前記リジッド部が多層構造をなすリジッド・フレックス多層プリント配線板であって、
前記リジッド部と前記フレキシブル部が共通して用いる内層FPCのうち、前記フレキシブル部として機能する領域上には、シールド部材、及び、粒子状のスペーサ部材、が順に重ねて配されていることを特徴とする。
本発明の請求項2に係るリジッド・フレックス多層プリント配線板は、請求項1において、前記スペーサ部材は、厚みが少なくとも3μm以上であることを特徴とする。
本発明の請求項3に係るリジッド・フレックス多層プリント配線板の製造方法(以下、第一の製法とも呼ぶ)は、
硬質性を備えたリジッド部と屈曲性を備えたフレキシブル部とから構成され、前記リジッド部が多層構造をなすリジッド・フレックス多層プリント配線板の製造方法であって、
前記リジッド部と前記フレキシブル部が共通して用いる内層FPCのうち、前記フレキシブル部として機能する領域上にシールド部材を形成する工程と、
前記シールド部材の上に、粒子状のスペーサ部材を形成する工程と、
スリットで囲まれた領域αと他の領域βとからなる外層RPCを用い、前記領域αは前記スペーサ部材と重なり、前記領域βは前記スペーサ部材と重ならないように、前記内層FPCの上に前記外層RPCを形成する工程と、
前記スペーサ部材を前記シールド部材上に残存させつつ、前記外層RPCの領域αのみを前記内層FPC上から除去する工程と、
を少なくとも具備したことを特徴とする。
本発明の請求項4に係るリジッド・フレックス多層プリント配線板の製造方法(以下、第二の製法とも呼ぶ)は、
硬質性を備えたリジッド部と屈曲性を備えたフレキシブル部とから構成され、前記リジッド部が多層構造をなすリジッド・フレックス多層プリント配線板の製造方法であって、
前記リジッド部と前記フレキシブル部が共通して用いる内層FPCのうち、前記フレキシブル部として機能する領域上にシールド部材を形成する工程と、
前記シールド部材の上に、粒子状のスペーサ部材を形成する工程と、
スリットで囲まれた領域αと他の領域βとからなる外層RPCを用い、前記領域αは前記スペーサ部材と重なり、前記領域βは前記スペーサ部材と重ならないように、前記内層FPCの上に前記外層RPCを形成する工程、
前記スペーサ部材を前記シールド部材上に残存させずに、前記スペーサ部材とともに前記外層RPCの領域αを前記内層FPC上から除去する工程と、
を少なくとも具備したことを特徴とする。
本発明に係るリジッド・フレックス多層プリント配線板は、リジッド部とフレキシブル部が共通して用いる内層FPCのうち、前記フレキシブル部として機能する領域上には、シールド部材、及び、粒子状のスペーサ部材、が順に重ねて配されているので、積層時に外層RPCがシールド部材に押し付けられても、粒子状のスペーサ部材がシールド部材と対向する外層RPCの間に存在し、間隔を維持して両者が物理的に接触するのを阻止する。ゆえに、本発明によれば、フレキシブル部を形成するために外層RPCの領域αを除去する際に、内層FPCの外表面に設けたシールド部材は粒子状のスペーサ部材を介して外力を受けるとともに、シールド部材は外層RPCの領域αと直接に接触している箇所が無いので、シールド部材が外層基板側に転写して剥がれるのを防止できる、リジッド・フレックス多層プリント配線板が得られる。
本発明に係る第一の製法は、粒子状のスペーサ部材をシールド部材上に残存させつつ、外層RPC(外層基板)の領域αのみを内層FPC(内層基板)上から除去する工程を備えることにより、前述した構成のリジッド・フレックス多層プリント配線板を作製できる。この構成は、粒子状のスペーサ部材として、外層RPCよりシールド部材に対して高い密着性を発揮する材料を使用することにより、シールド部材上に粒子状のスペーサ部材を残存させた形態が得られる。ゆえに、上記工程を少なくとも備えた第一の製法は、本発明に係るリジッド・フレックス多層プリント配線板の提供に寄与する。
本発明に係る第二の製法は、粒子状のスペーサ部材をシールド部材上に残存させずに、粒子状のスペーサ部材とともに外層RPC(外層基板)の領域αを内層FPC(内層基板)上から除去する工程を備えることにより、内層FPC上にシールド部材を配した構成のリジッド・フレックス多層プリント配線板を作製できる。この構成は、粒子状のスペーサ部材として、シールド部材より外層RPCに対して高い密着性を備えた材料を使用することにより、外層RPC上に粒子状のスペーサ部材を残存させた形態が得られる。ゆえに、上記工程を少なくとも備えた第二の製法は、従来と構成は同じであるがシールド部材に欠落のない、リジッド・フレックス多層プリント配線板の提供に寄与する。
以下では、本発明に係るリジッド・フレックス多層プリント配線板の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係るリジッド・フレックス多層プリント配線板を、第一の製法により作製する手順の一例を示す模式的な断面図であり、分かりやすいように構成要素を適宜誇張して描いてある。図2は、図1のリジッド・フレックスプリント配線板を構成する外層RPCの製造方法の一例を示す模式的な断面図である。図3は、図1のリジッド・フレックスプリント配線板を構成する最外層FPCの製造方法の一例を示す模式的な断面図である。
本発明のリジッド・フレックス多層プリント配線板は、図1(f)に示すように、特にシールド部材と粒子状のスペーサ部材を利用する点が特徴である。ここでは、図1において、内層FPC(内層基板)30の上面側に着目して、シールド部材40Aと、粒子状のスペーサ部材として例えば球状粒子70Aとを、設ける作用・効果について述べるが、下面側に設けるシールド部材40Bと、粒子状のスペーサ部材として球状粒子70Bも同様である。
本発明のリジッド・フレックス多層プリント配線板は、図1(d)に示すように、シールド部材40Aは球状粒子70Aにより被覆された形態で用いられる。外層RPC60Aが内層FPCに積層された際、外層RPC60Aはシールド部材40Aに押し付けられるが、球状粒子70Aがシールド部材40Aと対向する外層RPC60A’の間に存在するので、両者の間隔が維持されて物理的な接触が回避できる。そのため、外層RPC60A’を取り除いた際に、シールド部材40Aが外層RPC60A’に転写されるのを防止できる。
球状粒子70Aを設ける箇所は、シールド部材と対向する外層RPCの内面(図1では下面)でもよいし、シールド部材の外面(図1では上面)でも構わない。
シールド部材40Aとしては、導電性ペースト(例えば、銀ペースト:藤倉化成社製のドータイトFA−323)に保護層(例えば、カーボンブラック:東洋インキ製造社製のSS Fujikura Black )をコーティングした二層構造のものが、が好適に用いられ、その作製法としては、塗布、塗工、スパッタ、エアーブロー(吹き付け)等が挙げられるが、他の方法を用いても構わない。
球状粒子70Aとしては、シールド部材とこれに対向する外層RPCとの間隔を維持することができるものであれば、特に材質的に制限されるものではない。例えばガラス、カーボンの他に、酸化アルミニウム、窒化珪素といったセラミック等の材質が使用できる。また、ステンレス、チタン、アルミニウム等の金属、さらに耐熱性の高いテフロン(登録商標)やバイトン(登録商標)といったポリマー材料等も使用可能である。
また、球状粒子70Aの形成位置も、シールド部材とこれに対向する外層RPCとの間隔を維持することができるものであれば、特に制限されるものではない。例えばシールド部材とこれに対向する外層RPCとの間に均一に満遍なく形成しても良いし、線状もしくは輪状等となるように所定間隔毎に形成するようにしても良い。
次に、その他の構成物を含めて、本発明に係る第一の製法、すなわち内層FPC30の外表面上にシールド部材40A、40Bを残存させてなるリジッド・フレックス多層プリント配線板を作製する方法(第一の製法)について説明する。表1に、リジッド・フレックス多層プリント配線板の構成要素を纏めて示した。
球状粒子70については、二酸化珪素(SiO )粒子を用いた場合を検討した。この際、球状粒子の厚み(高さ)として粒径を、(b)1μm、(c)2μm、(d)3μm、(e)5μm、(f)10μm、及び(g)20μmとすることにより、シールド部材の外面と対向する外層RPCの内面との離間距離を変化させてその効果を検討した。また、従来技術に相当する、球状粒子を設けないもの[(a)粒子無し]も作製し、比較例とした。
なお、用いた球状粒子の重量は揃えてある。
Figure 2006173252
この説明で用いるCCL、FPC、RPCとは、銅張積層板(Copper-Clad Laminate)、フレキシブル配線板(Flexible Printed Circuit)、リジッド配線板(Rigid Printed Circuit)の略称である。
なお、この説明では、その他の構成物として一例のみ挙げているが、上述したシールド部材と球状粒子との関係が満たされる限り、特にこれに限定されるものではない。
また、ここでは、リジッド・フレックス多層プリント配線板として8層プリント配線板を例にとりその製造方法を詳述するが、本発明に係るシールド部材上に球状粒子を設ける作用・効果を損なわない限り、8層に限定されるものではなく、以下に示す(1)〜(8)の手順についてもこれに限定されるものではない。
(1)回路(不図示)を形成した内層CCL10を用意する。ポリイミドからなるフレキシブル基材11の両面に銅箔12、13を設けたものを用い、銅箔12、13をエッチング処理することにより回路(不図示)を形成し、回路を設けた内層CCL10を得る[図1(a)]。
(2)内層CCL10の銅箔12、13面上にそれぞれ、カバーレイ20A、20Bを接着する(回路形成したCCLにCLを熱プレスで貼り合わせる)。ここでは、カバーレイ20A(20B)として、ポリイミドからなるフレキシブル基材21A(21B)の片面に接着剤層22A(22B)を設けたものを用い、接着剤層22A(22B)を介して内層CCL10を挟むようにカバーレイ20A(20B)を重ねることにより内層FPC(以下、内層基板とも呼ぶ)30を得る[図1(b)]。
(3)内層FPC(内層基板)30のうちフレキシブル部として機能する領域上にシールド部材40A(40B)を形成する。シールド部材としては、銀ペースト(約10μm)からなる第一層に、カーボンブラック(約10μm)からなる第二層を積層したものを用いた[図1(c)]。
(4)内層基板30とは別に、外層RPC(以下、外層基板とも呼ぶ)60として、電気絶縁性のリジッド基材61の両面に回路として機能する導電部材62、63を設けたものを用意する[図2(a)]。次の工程において、内層基板30上に外層基板60を設けた際に、フレキシブル部とリジッド部に相当する部分に区分けされるように、外層基板60にスリット部80を形成する[図2(b)]。これにより、フレキシブル部に相当する部分であるスリットで囲まれた領域α60’と、他の領域βとからなる外層RPC60を得る[図2(b)]。さらに、スリットで囲まれた領域α60’の一方の導電部材63’上に吹き付け塗布法により球状粒子70を設ける[図2(c)]。
(5)内層基板30の上下面のうち、リジッド部に相当する部分にのみ設けた接着部材50A(50B)を介して外層基板60A(60B)を積層する(以下、第一の積層キュアとも呼ぶ)[図1(d)]。これにより、フレキシブル部に相当する部分においては、内層FPC30に設けたシールド部材40A(40B)上に外層RPCの領域α60’に設けた球状粒子70A(70B)が重なることになる。一方、リジッド部に相当する部分においては、外層RPCの他の領域βが球状粒子と重なることなく、接着部材50A(50B)を介して内層FPCの上に設けられる。その結果、図1(d)に示すように、FPCを含む内層基板30が、接着部材50A(50B)を介してRPCを含む2枚の外層基板60A(60B)により挟まれた構造体が得られる。
(6)最外層FPC90として、電気絶縁性のフレキシブル基材91の片面に、回路として機能する導電部材92を設けたものを用意する[図3(a)]。次の工程において、外層基板60上に最外層FPC90を設けた際に、外層基板60のうちリジッド部に相当する部分にのみ最外層FPC90が載置されるように、最外層FPC90に空孔90’を設ける加工を施す[図3(b)]。
(7)外層基板60A(60B)の外表面のうち、リジッド部に相当する部分のみに設けた接着剤層100A(100B)を介して最外層FPC90A(90B)を積層する(以下、第二の積層キュアとも呼ぶ)[図1(e)]。これにより、FPCを含む内層基板30が、接着部材50A(50B)を介してRPCを含む2枚の外層基板60A(60B)により、さらに接着剤層100A(100B)を介してFPCを含む2枚の最外層FPC90A(90B)により挟まれた構造体が得られる。
(8)最後に、外層基板60A(60B)から、フレキシブル部に相当する部分60A’(60B’)を除去する[図1(f)、矢印は除去を表す]。
以上の工程(1)〜(8)により、スペース部材の球状粒子として二酸化珪素(SiO )粒子を用い、かつ、その粒径をそれぞれ(b)1μm、(c)2μm、(d)3μm、(e)5μm、(f)10μm、(g)20μmとした各プリント配線板、及び、(a)球状粒子を用いないプリント配線板(比較例)をそれぞれ作製した。
上記工程(8)により、外層基板60A(60B)から、フレキシブル部に相当する部分60A’(60B’)を除去した際に、シールド部材40A(40B)が除去された部分に転写されるか否かを調査した。その結果を表2に示す。表2において、○印はシールド部材の転写が無いことを、△印はシールド部材の転写は有るが、FPC側にも残っていることを、×印はシールド部材の転写が有ることを表す。
Figure 2006173252
表2の結果より、シールド部材と外層基板との間に設けた球状粒子は3μm以上の粒径、すなわち3μm厚さ(高さ)とすることで十分に離間距離が維持され、プレス工程において、シールド層に対して外層基板が押し付けられてもシールド層の一部が欠落して外層基板表面に付着してしまうことが無く、外層基板の剥離に伴い発生していたシールド部材の転写を防ぐ効果をもつことが明らかとなった。
なお、上記説明においては、外層基板を剥離した際に球状粒子がシールド部材上に残存する形態について説明したが、これとは逆に、図4に示すような第二の製法による、外層基板を剥離した際に球状粒子が外層基板とともに除去される形態としても構わない[図4(f)]。このような形態とするためには、例えば、シールド部材より外層基板に対して高い密着性を有する球状粒子を用いたり、あるいは球状粒子との密着性を向上させるような表面加工を外層基板に対して施すなどの手法を採用すればよい。
なお、本発明は、シールド部材の転写防止目的に限らず、シールド層を有しない一般に袋構造と呼ばれる多層プリント配線板の製法においても適用可能である。すなわち、球状粒子のような粒子状のスペーサ部材を有することにより、積層時に外層板が当該袋構造の中空部に押し込まれることによって基板に凹凸が生じ、外層の回路形成に支障をきたすことを防ぐことが出来る。
なお、上記実施の形態においては、取り扱い等の実施し易さの点から粒子状のスペーサ部材として球状の粒子を用いたが、本発明においては、粒子状であれば他の形状のスペーサ部材であっても構わない。
本発明によれば、シールド部材と外層基板との間に粒子状のスペーサ部材を導入することにより、シールド部材の上に位置する外層基板を剥離した際に、シールド部材が外層基板側に転写して剥がれるのを防止できる。ゆえに、フレキシブル部の内部FPCが備える配線や回路の電気的な絶縁性が十分に確保されるとともに、外部空間の変化(例えば温度や湿度の変化)による影響や外部空間に存在する電磁波の影響も十分に回避できる。よって、本発明は、フレキシブル部の配線や回路を流れる電気信号の高精度化や高品質化をもたらし、さらには電気信号の安定性向上にも寄与する。
本発明に係るリジッド・フレックス多層プリント配線板を、第一の製法により作製する手順の一例を示す模式的な断面図である。 図1のリジッド・フレックスプリント配線板を構成する外層RPCの製造方法の一例を示す模式的な断面図である。 図1のリジッド・フレックスプリント配線板を構成する最外層FPCの製造方法の一例を示す模式的な断面図である。 本発明に係るリジッド・フレックス多層プリント配線板を、第二の製法により作製する手順の一例を示す模式的な断面図である。 従来のリジッド・フレックス多層プリント配線板を作製する手順の一例を示す模式的な断面図である。 従来のリジッド・フレックスプリント配線板を構成する外層RPCの製造方法の一例を示す模式的な断面図である。 従来のリジッド・フレックスプリント配線板を構成する最外層FPCの製造方法の一例を示す模式的な断面図である。
符号の説明
10…内層CCL、11…フレキシブル基材、12,13…銅箔(導電部材)、20A,20B…カバーレイ、21A,21B…フレキシブル基材、22A,22B…接着剤層、30…内層FPC(内層基板)、40A,40B…シールド部材、50A,50B…接着剤層、60A,60B…外層RPC(外層基板)、61…リジッド基材、62,63…導電部材、70A,70B…球状粒子(粒子状のスペーサ部材)、80…スリット部、90…最外層FPC、90’…空孔、91…フレキシブル基材、92…導電部材、100…接着剤層。

Claims (4)

  1. 硬質性を備えたリジッド部と屈曲性を備えたフレキシブル部とから構成され、前記リジッド部が多層構造をなすリジッド・フレックス多層プリント配線板であって、
    前記リジッド部と前記フレキシブル部が共通して用いる内層FPCのうち、前記フレキシブル部として機能する領域上には、シールド部材、及び、粒子状のスペーサ部材、が順に重ねて配されていることを特徴とするリジッド・フレックス多層プリント配線板。
  2. 前記スペーサ部材は、厚みが少なくとも3μm以上であることを特徴とする請求項1に記載のリジッド・フレックス多層プリント配線板。
  3. 硬質性を備えたリジッド部と屈曲性を備えたフレキシブル部とから構成され、前記リジッド部が多層構造をなすリジッド・フレックス多層プリント配線板の製造方法であって、
    前記リジッド部と前記フレキシブル部が共通して用いる内層FPCのうち、前記フレキシブル部として機能する領域上にシールド部材を形成する工程と、
    前記シールド部材の上に、粒子状のスペーサ部材を形成する工程と、
    スリットで囲まれた領域αと他の領域βとからなる外層RPCを用い、前記領域αは前記スペーサ部材と重なり、前記領域βは前記スペーサ部材と重ならないように、前記内層FPCの上に前記外層RPCを形成する工程と、
    前記スペーサ部材を前記シールド部材上に残存させつつ、前記外層RPCの領域αのみを前記内層FPC上から除去する工程と、
    を少なくとも具備したことを特徴とするリジッド・フレックス多層プリント配線板の製造方法。
  4. 硬質性を備えたリジッド部と屈曲性を備えたフレキシブル部とから構成され、前記リジッド部が多層構造をなすリジッド・フレックス多層プリント配線板の製造方法であって、
    前記リジッド部と前記フレキシブル部が共通して用いる内層FPCのうち、前記フレキシブル部として機能する領域上にシールド部材を形成する工程と、
    前記シールド部材の上に、粒子状のスペーサ部材を形成する工程と、
    スリットで囲まれた領域αと他の領域βとからなる外層RPCを用い、前記領域αは前記スペーサ部材と重なり、前記領域βは前記スペーサ部材と重ならないように、前記内層FPCの上に前記外層RPCを形成する工程、
    前記スペーサ部材を前記シールド部材上に残存させずに、前記スペーサ部材とともに前記外層RPCの領域αを前記内層FPC上から除去する工程と、
    を少なくとも具備したことを特徴とするリジッド・フレックス多層プリント配線板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP5010737B2 (ja) * 2008-05-23 2012-08-29 イビデン株式会社 プリント配線板

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