JP2006172962A - 燃料電池冷却システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 ラジエータや配管の変形、劣化を防止することができる燃料電池冷却システムを提供する。
【解決手段】 燃料電池冷却システム1は、燃料電池10と、冷却液を冷却するラジエータ20と、燃料電池10及びラジエータ20の間で冷却液を循環させる冷却液循環配管30と、冷却液循環配管30から冷却液を導入し、ラジエータ20をバイパスして冷却液を再度冷却液循環配管30に戻すバイパス配管50と、ラジエータ20とバイパス配管50とに流す冷却液の量を制御する制御装置60とを備えている。さらに、燃料電池冷却システム1は、ラジエータ20に存在する冷却液の温度を測定又は推定するラジエータ側温度センサ80を備え、制御装置60は、ラジエータ側温度センサ80により検出された温度が第1温度を下回った場合、ラジエータ20に流す冷却液の量を増加させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料電池冷却システムに関する。
従来、燃料電池と、冷却液を冷却するラジエータと、燃料電池及びラジエータの間で冷却液を循環させる冷却液循環配管とを備え、冷却液を循環させることで燃料電池を冷却する燃料電池冷却システムが知られている。また、このシステムは、ラジエータをバイパスするバイパス配管を備え、車両の暖機時には冷却液の多くをラジエータを介することなくバイパス配管を通して循環させることで、暖機時間の短縮化を図っている(例えば特許文献1参照)。
特開2004−158279号公報
しかしながら、従来のシステムでは、車両の暖機時に冷却液の多くをバイパス配管を通して循環させるため、ラジエータに流れ込む冷却液は少量となり、過冷却される可能性がある。そして、従来のシステムでは、冷却液が過冷却された場合、これが凍結してしまい、ラジエータや配管を変形、劣化させる可能性が少なからずあった。
本発明はこのような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、ラジエータや配管の変形、劣化を防止することができる燃料電池冷却システムを提供することにある。
本発明の燃料電池冷却システムは、燃料電池と、冷却液を冷却するラジエータと、燃料電池及びラジエータの間で冷却液を循環させる冷却液循環配管と、冷却液循環配管から冷却液を導入し、ラジエータをバイパスして冷却液を再度冷却液循環配管に戻すバイパス配管と、ラジエータとバイパス配管とに流す冷却液の量を制御する制御手段とを備えている。さらに、燃料電池冷却システムは、ラジエータに存在する冷却液の温度を測定又は推定するラジエータ温度検出手段を備え、制御手段は、ラジエータ温度検出手段により検出された温度が第1温度を下回った場合、ラジエータに流す冷却液の量を増加させる。
本発明によれば、ラジエータに流れる冷却液の温度が第1温度を下回った場合、ラジエータに流す冷却液の量を増加させることとしている。このため、暖機時には、ラジエータに流れこむ冷却液が少量となってラジエータの凍結などを引き起こす可能性が高まるが、ラジエータに流す冷却液の量が増加させるため、冷却液の過冷却が防止されることとなる。従って、ラジエータや配管の変形、劣化を防止することができる。
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において、同一又は同様の要素には同一の符号を付して説明を省略するものとする。
図1は、本発明の実施形態に係る燃料電池冷却システムの構成図である。同図に示すように、燃料電池冷却システム1は、燃料電池に冷却液を流して冷却し、該燃料電池から熱を奪って暖められた冷却液をラジエータにて冷却し、再び燃料電池の冷却液として燃料電池に流し込むものである。この燃料電池冷却システム1は、燃料電池10、ラジエータ20、冷却液循環配管30、ポンプ40、バイパス配管50、制御装置(制御手段)60、及び三方弁70を備えている。
燃料電池10は、燃料ガス(水素)が供給される燃料極と酸化剤ガス(空気)が供給される空気極とが電解質・電極触媒複合体を挟んで重ね合わされた発電セルが多段積層された構造を有し、電気化学反応により化学エネルギを電気エネルギに変換するものである。各発電セルの燃料極では、水素が供給されることで水素イオンと電子とが解離し、水素イオンは電解質を通り、電子は外部配管を通って電力を発生させて、空気極側にそれぞれ移動する。また、空気極では、供給された空気中の酸素と前記水素イオン及び電子が反応して水が生成され、外部に排出される。
この燃料電池10は、発電の際に発熱することから、耐久性を確保しながら効率の良い発電を行うために、適正な運転温度に維持される必要がある。このため、燃料電池10は、冷却液を導入及び排出して、温度調整を行うようになっている。
なお、燃料電池10には、該燃料電池10に燃料ガスを供給するための燃料ガス供給系や、酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガス供給系、燃料電池10を加湿するための加湿系等が接続されるが、図1ではこれらの図示を省略する。
ラジエータ20は、冷却液を冷却するものである。また、冷却液循環配管30は、燃料電池10とラジエータ20との間で冷却液を循環させる流路となるものである。さらに、ポンプ40は、冷却液を循環させるためのものであり、冷却液循環配管30に設けられている。このような構成であるため、冷却液は、ポンプ40によって冷却液循環配管30を通じて燃料電池10及びラジエータ20の間を循環させられることとなる。また、燃料電池10にて暖められて排出された冷却液は、冷却液循環配管30を通じてラジエータ20に至り、ラジエータ20にて冷却される。そして、ラジエータ20にて冷却された冷却液は、再び冷却液循環配管30を通じて燃料電池10に至り、燃料電池10を冷却することとなる。
バイパス配管50は、冷却液循環配管30のラジエータ上流側と下流側とに接続され、冷却液循環配管30から冷却液を導入し、ラジエータ20を迂回して、冷却液を再度冷却液循環配管30に戻すものである。また、制御装置60は、三方弁70を駆動することにより、ラジエータ20とバイパス配管50とに流す冷却液の量を制御するものである。三方弁70は、バイパス配管50の一端側(冷却液導入側)に接続され、制御装置60からの指示に応じて、ラジエータ20に流す冷却液とバイパス配管50を通してラジエータ20を迂回させる冷却液との流量を調整することができるようになっている。なお、バイパス配管50の他端側は、溶接等により冷却液循環配管30に接続されている。また、制御装置60は、ポンプ40を制御するようにもされており、冷却液の流速を調整できるようになっている。
ここで、制御装置60は、空調装置の暖機時などにおいて、三方弁70を駆動することにより、バイパス配管50に冷却液を多く流してラジエータ20を迂回させる。これにより、多くの冷却液は、ラジエータ20にて冷却されることなく、燃料電池10にて暖められることとなる。そして、暖められた冷却液と空調装置側の冷却液とが熱交換器にて熱交換され、車室内が暖房されることとなる。
ところが、バイパス配管50に流す冷却液の量が多くなると、ラジエータ20に流れこむ冷却液が少量となって、ラジエータ20の凍結などを引き起こす可能性が高まる。そこで、本実施形態では、以下の構成をさらに備えている。すなわち、燃料電池冷却システム1は、さらにラジエータ側温度センサ(ラジエータ温度検出手段)80を備えている。
ラジエータ側温度センサ80は、ラジエータ20に存在する冷却液の温度を測定するためにものであって、ラジエータ20の下流側(バイパス配管50と冷却液循環配管30との接続点よりも上流側)に設置されている。また、ラジエータ側温度センサ80は、制御装置60に接続され、測定した温度信号を制御装置60に送信するようになっている。
また、燃料電池冷却システム1は、燃料電池側温度センサ(燃料電池温度検出手段)90を備えている。燃料電池側温度センサ90は、燃料電池10の内部温度を測定するためのものである。また、燃料電池側温度センサ90は、燃料電池10の上流側に設けられる上流側センサ91と、燃料電池10の下流側に設けられる下流側センサ92とからなっている。これらセンサ91,92は、制御装置60に接続され、測定した温度信号を制御装置60に送信するようになっている。
また、燃料電池冷却システム1は、冷却液を貯留又は気液分離するタンク、及びポンプの吐出圧力を検出する圧力検出器などが設けられているが、図示を省略する。
次に、第1実施形態に係る燃料電池冷却システム1の動作の概略を説明する。まず、燃料電池冷却システム1は、燃料電池側温度センサ90からの信号を読み込んで、燃料電池10の内部温度を監視する。そして、燃料電池10の内部温度が目標運転温度を上回る場合、制御装置60は、三方弁70を駆動して、ラジエータ20に流す冷却液の量を増加させる。一方、燃料電池10の内部温度が目標運転温度を下回る場合、制御装置60は、三方弁70を駆動して、バイパス配管50に流す冷却液の量を増加させる。これにより、燃料電池冷却システム1では、燃料電池10の内部温度を調節している。以下、この制御を「通常制御」と称する。
また、暖機時などにおいて、制御装置60は、三方弁70を駆動し、バイパス配管50に冷却液を多く流す。これにより、多くの冷却液は、ラジエータ20を迂回することとなり、ラジエータ20にて冷却されることなく、燃料電池10にて暖められることとなる。
また、制御装置60は、ラジエータ側温度センサ80からの信号を読み込んで、ラジエータ20に存在する冷却液の温度を監視する。そして、ラジエータ20に存在する冷却液の温度が第1温度を下回ったとする。このとき、制御装置60は、三方弁70を駆動して、ラジエータ20に流す冷却液の量を増加させる。すなわち、上記の暖機時などには、バイパス配管50に流す冷却液の量が多くなる一方で、ラジエータ20に流れこむ冷却液が少量となる。この結果、ラジエータ20の冷却液が過冷却されてラジエータ20の凍結などを引き起こす可能性が高まる。そこで、制御装置60は、ラジエータ20に存在する冷却液の温度が第1温度を下回ると、ラジエータ20に流す冷却液の量を増加させ、冷却液の過冷却を防止することとしている。以下、この制御を「ラジエータ凍結防止制御」と称する。なお、上記第1温度とは、ラジエータ20及びその周辺配管が凍結する可能性があるとして予め定められた温度である。
また、制御装置60は、上記の如くラジエータ20に流す冷却液の量を増加させた後に、ラジエータ側温度センサ80からの信号を読み込んで、ラジエータ20に存在する冷却液の温度を監視する。そして、制御装置60は、ラジエータ20に流す冷却液の量を増加させてから所定時間経過した時点で、ラジエータ側温度センサ80によって検出された温度が第3温度を超えていなかった場合、バイパス配管50に流す冷却液の量を増加させる。すなわち、制御装置60は、ラジエータ20及びその周辺配管の凍結を防止しようとラジエータ20に流す冷却液の量を増加させたにもかかわらず、ラジエータ20の温度があまり上昇せずに凍結防止効果が得られないときには、その制御を中止することとなる。このため、本システム1は、凍結防止効果が得られないにもかかわらず、ラジエータ20に多くの冷却液を流入させ、燃料電池10の温度を無意味に低下させてしまうことが防止される。
より詳しく説明すると、凍結防止効果が得られない状態とは、ラジエータ20に存在する冷却液の温度があまり上昇しない状態といえる。そして、ラジエータ20に存在する冷却液の温度があまり上昇しないということは、冷却液が冷えた状態であるといえる。このため、多くの冷却液をラジエータ20に流したにもかかわらず、凍結防止効果が得られないことは、多くの冷却液が冷えたまま燃料電池10に流入することとなり、結果として燃料電池10の内部温度を低下させることとなる。そして、燃料電池10は、内部温度が低下すると発電機能を維持できなくことがあり得る。本システム1は、これを防止することができる。以下、この制御を「復帰制御」と称する。なお、上記第3温度とは、第1温度よりも高い温度であることは言うまでもない。
また、制御装置60は、燃料電池側温度センサ90からの信号を読み込んで、燃料電池10の内部温度を監視する。そして、燃料電池10の内部温度が第2温度を下回ったとする。このとき、制御装置60は、ラジエータ20に流す冷却液の量を増加させていた場合、三方弁70を駆動して、バイパス配管50に流れる冷却液の量を増加させる。すなわち、燃料電池冷却システム1では、ラジエータ20やその周辺配管の凍結防止のためにラジエータ20に冷却液を多く流すと、その一方で、燃料電池10の温度が低下して発電機能を維持できなくなる可能性がある。ところが、燃料電池10の内部温度が第2温度を下回った場合、バイパス配管に流す冷却液の量を増加させるため、低下した燃料電池10の温度をもとの温度に戻すこととなる。これにより、本システム1は、発電機能の低下を防止することとしている。以下、この制御を「燃料電池温度低下防止制御」と称する。なお、第2温度は、燃料電池10の発電機能が保持できるように予め定められた温度である。
次に、第1実施形態に係る燃料電池冷却システム1の詳細な動作を説明する。図2は、第1実施形態に係る燃料電池冷却システム1の詳細な動作を示すフローチャートである。なお、図2に示す処理は、燃料電池側温度センサ90からの信号により燃料電池10の温度が目標運転温度となるように制御する処理から、一定時間(例えば0.05sec)ごとに呼び出されるサブルーチンとして実行される。
まず、図2に示すように、制御装置60は、燃料電池側温度センサ90からの信号を読み込んで、燃料電池10の内部温度tbが第2温度t2を下回るか否かを判断する(ST1)。また、制御装置60は、変数mが「3」であるか否かを判断する(ST1)。ここで、変数mとは、制御モードを示す数値であって「1」である場合には通常制御が行われ、「2」である場合にはラジエータ凍結防止制御が行われ、「3」である場合には燃料電池温度低下防止制御が行われる。
燃料電池10の内部温度tbが第2温度t2を下回る場合、及び制御モードを示す変数mが「3」である場合の少なくとも一方に該当するとき(ST1:YES)、制御装置60は、制御モードを示す変数mに「3」を代入する(ST2)。次いで、制御装置60は、燃料電池10の内部温度tbが温度t2’未満であるか否かを判断する(ST3)。ここで、燃料電池10の内部温度tbが温度t2’未満である場合(ST3:YES)、制御装置60は、三方弁開度を示す値dを「d0」とする(ST4)。これにより、三方弁70は、バイパス配管50に流す冷却液の量が多くなるように駆動されることとなる。そして、処理はメインフローチャートに戻る。
一方、燃料電池10の内部温度tbが温度t2’未満でない場合(ST3:NO)、制御装置60は、燃料電池10の内部温度が第2温度t2を下回っているものの或る程度高い温度となっていると判断する。このため、制御装置60は、燃料電池温度低下防止制御を行わず、処理をステップST5に進める。
ステップST5において、制御装置60は、ラジエータ側温度センサ80からの信号を読み込んで、ラジエータ20に存在する冷却液の温度taが第1温度t1を下回るか否かを判断する(ST5)。ここで、ラジエータ20に存在する冷却液の温度taが第1温度t1を下回ると判断した場合(ST5:YES)、制御装置60は、変数mに「2」を代入する(ST6)。そして、処理はメインフローチャートに戻る。これにより、後の処理で、ラジエータ凍結防止制御が行われることとなる。
他方、ラジエータ20に存在する冷却液の温度taが第1温度t1を下回らないと判断した場合(ST5:NO)、制御装置60は、変数mに「1」を代入する(ST7)。そして、処理はメインフローチャートに戻る。これにより、処理は通常制御に戻ることとなる。
ところで、燃料電池10の内部温度tbが第2温度t2を下回らず、且つ制御モードを示す変数mが「3」でない場合(ST1:NO)、制御装置60は、ラジエータ側温度センサ80からの信号を読み込んで、ラジエータ20に存在する冷却液の温度taが第1温度t1を下回るか否かを判断する(ST8)。また、制御装置60は、変数mが「2」であるか否かを判断する(ST8)。
ここで、ラジエータ20に存在する冷却液の温度taが第1温度t1を下回らず、且つ制御モードを示す変数mが「2」でない場合(ST8:NO)、制御装置60は、変数mに「1」を代入し、変数T1に「0」を代入する(ST9)。そして、処理はメインフローチャートに戻る。これにより、処理は通常制御に戻ることとなる。
一方、ラジエータ20に存在する冷却液の温度taが第1温度t1を下回る場合、及び制御モードを示す変数mが「2」である場合の少なくとも一方に該当するとき(ST8:YES)、制御装置60は、制御モードを示す変数mに「2」を代入する(ST10)。
次いで、制御装置60は、ラジエータ20に存在する冷却液の温度taが温度t1’未満であるか否かを判断する(ST11)。ここで、ラジエータ20に存在する冷却液の温度taが温度t1’未満でない場合(ST11:NO)、制御装置60は、ラジエータ20に存在する冷却液の温度taが第1温度t1を下回っているものの或る程度高い温度となっていると判断する。このため、制御装置60は、ラジエータ凍結防止制御を行わず、変数mに「1」を代入し、変数T1に「0」を代入した後に(ST9)、処理をメインフローチャートに戻す。
また、ラジエータ20に存在する冷却液の温度taが温度t1’未満である場合(ST11:YES)、制御装置60は、タイマ値T1をインクリメントする(ST12)。そして、制御装置60は、タイマ値T1が所定時間T100未満であるか否かを判断する(ST13)。
タイマ値T1が所定時間T100未満であると判断した場合(ST13:YES)、制御装置60は、三方弁開度を示す値dを「d1」とする(ST14)。これにより、三方弁70は、ラジエータ20に流す冷却液の量が多くなるように駆動されることとなる。そして、処理はメインフローチャートに戻る。
一方、タイマ値T1が所定時間T100未満でないと判断した場合(ST13:NO)、すなわちタイマーがスタートしてから所定時間経過した場合、制御装置60は、ラジエータ20に存在する冷却液の温度taが第3温度t3を超えているか否かを判断する(ST15)。ラジエータ20に存在する冷却液の温度taが第3温度t3を超えている場合(ST15:YES)、制御装置60は、ラジエータ凍結防止制御が有効に行われていると判断し、処理をステップST14に進める。そして、制御装置60は、三方弁開度を示す値dを「d1」とし(ST14)、処理はメインフローチャートに戻る。
また、ラジエータ20に存在する冷却液の温度taが第3温度t3を超えなかった場合(ST15:NO)、制御装置60は、ラジエータ凍結防止制御が有効に行われなかったと判断し、不要な制御を実行し続けないようにするべく、変数mに「1」を代入し、変数T1に「0」を代入し(ST9)、処理をメインフローチャートに戻す。
このようにして、第1実施形態に係る燃料電池冷却システム1によれば、ラジエータ20に存在する冷却液の温度taが第1温度t1を下回った場合、ラジエータ20に流す冷却液の量を増加させることとしている。このため、暖機時には、ラジエータ20に流れこむ冷却液が少量となってラジエータ20の凍結などを引き起こす可能性が高まるが、ラジエータ20に流す冷却液の量を増加させるため、冷却液の過冷却が防止されることとなる。従って、ラジエータ20や配管の変形、劣化を防止することができる。
また、ラジエータ20に存在する冷却液の温度を測定する少なくとも1つの温度センサを有するため、温度センサにてラジエータ20の温度を測定することによりラジエータ20の温度を確実に検出することができる。
また、ラジエータ20に流す冷却液の量を増加させた後に、燃料電池10の内部温度tbが第2温度t2を下回った場合、バイパス配管50に流す冷却液の量を増加させることとしている。ここで、ラジエータ20やその周辺配管の凍結防止のためにラジエータ20に冷却液を多く流すと、その一方で、燃料電池10の温度が低下して発電機能を維持できなくなる可能性がある。ところが、燃料電池10の内部温度tbが第2温度t2を下回った場合、バイパス配管50に流す冷却液の量を増加させるため、低下した燃料電池10の温度はもとの温度に復帰してくることとなり、発電機能の低下が防止されることとなる。従って、燃料電池10の発電機能を維持しつつ、ラジエータ20及びその周辺配管の凍結を防止することができる。
また、ラジエータ20に流す冷却液の量を増加させた後に、ラジエータ20に存在する冷却液の温度t1が第3温度t3を超えなかった場合、バイパス配管50に流す冷却液の量を増加させることとしている。すなわち、ラジエータ20及びその周辺配管の凍結を防止しようとラジエータ20に流す冷却液の量を増加させたにもかかわらず、ラジエータ20に存在する冷却液の温度taがあまり上昇せず、凍結防止効果が得られないときには、その制御を中止することとなる。このため、凍結防止効果が得られないにもかかわらず、ラジエータ20に多くの冷却液を流入させ、燃料電池10の温度を無意味に低下させてしまうことが防止される。従って、燃料電池10の内部温度の低下を抑制することができる。
次に、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態に係る燃料電池冷却システム2は、第1実施形態のものと同様であるが、構成及び処理内容が第1実施形態のものと一部異なっている。
以下、第1実施形態との相違点について説明する。図3は、第2実施形態に係る燃料電池冷却システム2の構成図である。同図に示すように、第2実施形態に係る燃料電池冷却システム2は、制御装置60が新たに燃料電池10のセル電圧を測定するセル電圧検出部(セル電圧検出手段)61を備えている。また、セル電圧検出部61は、燃料電池10のセル電圧を常時監視し、一定期間分のセル電圧の値を記憶するものである。
また、セル電圧検出部61を備えるため、制御装置60は、セル電圧検出部61からの検出結果に従って三方弁70を駆動するようになっている。具体的に制御装置60は、ラジエータ20に存在する冷却液の温度taが第1温度t1を下回ったことによりラジエータ20に流す冷却液の量を増加させた後に、セル電圧検出部61によって検出されたセル電圧の偏差が特定値以上となるか否かを判断する。ここで、偏差とは例えば標準偏差、記憶したセル電圧の最大値と最小値との差、又はセル電圧の値の平均値と最小値との差などが該当するが、これに限るものではない。なお、以下の説明において、偏差を標準偏差として説明する。
このような燃料電池冷却システム2では、ラジエータ20に流す冷却液の量を増加させた場合、上記した如く、燃料電池の温度が低下してセル電圧が低下し、発電機能を維持できなくなる可能性がある。また、セル電圧の標準偏差が特定値以上となる場合、セル電圧がばらついているといえる。すなわち、セル電圧が低下したことによりバラツキが大きくなったと考えられる。
このため、ラジエータ20に流す冷却液の量を増加させた後に、セル電圧の標準偏差が特定値以上となる場合、燃料電池10の内部温度tbが低下して発電機能を維持できなくなっているといえる。よって、制御装置60は、セル電圧の標準偏差が特定値以上となる場合、バイパス配管50に流す冷却液の量を増加させる。以下、この制御を「燃料電池出力低下防止制御」と称する。
図4は、第2実施形態に係る燃料電池冷却システム2の詳細な動作を示すフローチャートである。なお、図4に示す処理は、図2に示す処理と同様に、燃料電池側温度センサ90からの信号により燃料電池10の温度が目標運転温度となるように制御する処理から、一定時間(例えば0.05sec)ごとに呼び出されるサブルーチンとして実行される。また、第2実施形態において変数mが「3」である場合には燃料電池温度低下防止制御及び燃料電池出力低下防止制御が行われることとなる。
同図に示すように、まず、制御装置60は、燃料電池側温度センサ90からの信号を読み込んで、燃料電池10の内部温度tbが第2温度t2を下回るか否か、及びセル電圧検出部61にて検出されたセル電圧の偏差Vが特定値Vth以上であるか否か判断する(ST21)。さらに、制御装置60は、変数mが「3」であるか否かを判断する(ST21)。
ここで、燃料電池10の内部温度tbが第2温度t2を下回り、且つ、セル電圧の偏差Vが特定値Vth以上である場合(ST21:YES)、処理はステップST22に進む。また、変数mが「3」である場合も同様に(ST21:YES)、処理はステップST22に進む。
ステップST22において、制御装置60は制御モードを示す変数mに「3」を代入する(ST22)。次いで、制御装置60は、燃料電池10の内部温度tbが温度t2’未満であるか否か、及び、セル電圧の偏差Vが値Vth’を超えるか否か判断する(ST23)。ここで、双方とも満たす場合(ST23:YES)、制御装置60は、三方弁開度を示す値dを「d0」とする(ST24)。これにより、三方弁70は、バイパス配管50に流す冷却液の量が多くなるように駆動されることとなる。これにより、燃料電池10の内部温度tbの低下が抑止される。そして、処理はメインフローチャートに戻る。
一方、燃料電池10の内部温度tbが温度t2’未満であること、及び、セル電圧の偏差Vが値Vth’を超えることのうち、いずれか一方でも満たさない場合(ST23:NO)、制御装置60は、処理をステップST25に進める。
その後、ステップST25〜ST35に示す処理において、図2に示すステップST5〜ST15と同様の処理が行われることとなる。
このようにして、第2実施形態に係る燃料電池冷却システム2によれば、第1実施形態と同様に、ラジエータ20や配管の変形、劣化を防止することができ、ラジエータ20の温度を確実に検出することができる。また、燃料電池10の発電機能を維持しつつ、ラジエータ20及びその周辺配管の凍結を防止することができ、燃料電池10の内部温度の低下を抑制することができる。
さらに、第2実施形態によれば、ラジエータ20に流す冷却液の量を増加させた後に、セル電圧の偏差Vが特定値Vth以上となる場合、バイパス配管50に流す冷却液の量を増加させることとしている。ここで、ラジエータ20やその周辺配管の凍結防止のためにラジエータ20に冷却液を多く流すと、その一方で、燃料電池10の温度が低下してセル電圧が低下し、発電機能を維持できなくなる可能性がある。ところが、セル電圧の偏差Vが特定値Vth以上となる場合、バイパス配管50に流す冷却液の量を増加させるため、一度低下した燃料電池10の内部温度は高まっていくこととなり、さらにセル電圧についても高まっていくこととなる。この結果、発電機能の低下が防止されることとなる。従って、燃料電池の発電機能を維持しつつ、ラジエータ及びその周辺配管の凍結を防止することができる。
次に、本発明の第3実施形態を説明する。第3実施形態に係る燃料電池冷却システム3は、第1実施形態のものと同様であるが、構成及び処理内容が第1実施形態のものと一部異なっている。
以下、第1実施形態との相違点について説明する。図5は、第3実施形態に係る燃料電池冷却システム3の構成図である。同図に示すように、第3実施形態に係る燃料電池冷却システム3は、制御装置60が新たに、燃料電池10の発電電圧を測定する発電電圧検出部(発電電圧検出手段)62と、燃料電池10からの負荷に供給される供給電流を測定する供給電流検出部(供給電流検出手段)63とを備えている。
また、これら検出部62,63を備えるため、制御装置60は、検出部62,63からの検出結果に従って三方弁70を駆動するようになっている。具体的に制御装置60は、ラジエータ20に存在する冷却液の温度taが第1温度t1を下回ったことによりラジエータ20に流す冷却液の量を増加させた後に、発電電圧検出部62によって検出された発電電圧V1、及び供給電流検出部63により検出された供給電流I1が、予め記憶する電圧V2及び電流I2の値よりも所定値以上小さくなった場合に、バイパス配管50に流す冷却液の量を増加させることとしている。
これにより、ラジエータ20に流す冷却液の量を増加させたことによって燃料電池10の発電機能が低下したとしても、バイパス配管50に流す冷却液の量を増加させるため、発電機能の低下を抑止することができる。以下、この制御を「燃料電池出力低下防止制御2」と称する。
図6は、制御装置60が予め記憶している電圧V2及び電流I2の値を示すグラフである。同図に示すように、燃料電池10は一定のI−V特性を有している。そして、制御装置60は、このI−V特性を記憶しており、I−V特性のマップの値(V2,I2)に基づいて燃料電池出力低下防止制御2を実行するか否かを判断することとなる。
具体的に燃料電池冷却システム3は以下のように動作する。まず、ラジエータ20に流す冷却液の量を増加させたとする。この場合、燃料電池10の温度が低下し、燃料電池10の出力も低下する。そして、検出された発電電圧及び供給電流が予め記憶する電圧V2及び電流I2の値よりも所定値以上小さくなったとすると、燃料電池出力低下防止制御2が開始され、バイパス配管50に流される冷却液の量が増加することとなる。すなわち、制御装置60は、検出された発電電圧及び供給電流が電圧Vm及び電流Imよりも小さくなったときに、燃料電池出力低下防止制御2を開始させることとなる。
その後、バイパス配管50に流される冷却液の量が増加すると、燃料電池10の内部温度tbが高まることとなり、燃料電池10の発電機能についても回復してくることとなる。そして、検出された発電電圧が電圧Vm’以上となり、供給電流が電流Im’以上となるまで発電機能が回復すると、制御装置60は、燃料電池出力低下防止制御2を解除することとなる。
図7は、第3実施形態に係る燃料電池冷却システム3の詳細な動作を示すフローチャートである。なお、図7に示す処理は、図2に示す処理と同様に、燃料電池側温度センサ90からの信号により燃料電池10の温度が目標運転温度となるように制御する処理から、一定時間(例えば0.05sec)ごとに呼び出されるサブルーチンとして実行される。また、第3実施形態において変数mが「3」である場合には燃料電池温度低下防止制御及び燃料電池出力低下防止制御2が行われることとなる。
同図に示すように、まず、制御装置60は、燃料電池10の内部温度tbが第2温度t2を下回るか否か、及び発電電圧V1及び供給電流I1が、予め記憶する電圧V2及び電流I2の値よりも所定値以上小さくなった(すなわち図6に示す電圧Vm、電流Imより小さくなった)か否かを判断する(ST41)。さらに、制御装置60は、変数mが「3」であるか否かを判断する(ST41)。
ここで、燃料電池10の内部温度tbが第2温度t2を下回り、且つ、発電電圧V1及び供給電流I1が予め記憶する電圧V2及び電流I2の値よりも所定値以上小さくなった場合(ST41:YES)、処理はステップST42に進む。また、変数mが「3」である場合も同様に(ST41:YES)、処理はステップST42に進む。
ステップST42において、制御装置60は制御モードを示す変数mに「3」を代入する(ST42)。次いで、制御装置60は、燃料電池10の内部温度tbが温度t2’未満であるか否か、及び、発電電圧V1及び供給電流I1が予め記憶する値Vm’,Im’よりも小さいか否か判断する(ST43)。ここで、双方とも満たす場合(ST43:YES)、制御装置60は、三方弁開度を示す値dを「d0」とする(ST44)。これにより、三方弁70は、バイパス配管50に流す冷却液の量が多くなるように駆動されることとなる。これにより、燃料電池10の内部温度tbの低下が抑止され、燃料電池10の出力は大きくなる。そして、処理はメインフローチャートに戻る。
一方、燃料電池10の内部温度tbが温度t2’未満であること、及び、発電電圧V1及び供給電流I1が予め記憶する値Vm’,Im’よりも小さいことのうち、いずれか一方でも満たさない場合(ST43:NO)、制御装置60は、処理をステップST45に進める。
その後、ステップST45〜ST55に示す処理において、図2に示すステップST5〜ST15と同様の処理が行われることとなる。
このようにして、第3実施形態に係る燃料電池冷却システム3によれば、第1実施形態と同様に、ラジエータ20や配管の変形、劣化を防止することができ、ラジエータ20の温度を確実に検出することができる。また、燃料電池10の発電機能を維持しつつ、ラジエータ20及びその周辺配管の凍結を防止することができ、燃料電池10の内部温度の低下を抑制することができる。
さらに、第3実施形態によれば、ラジエータ20に流す冷却液の量を増加させた後に、燃料電池10の発電電圧V1と供給電流I1とが予め記憶する電圧V2及び電流I2の値よりも所定値以上小さくなった場合(電圧Vm及び電流Imよりも小さくなった場合)、バイパス配管50に流す冷却液の量を増加させることとしている。ここで、ラジエータ20やその周辺配管の凍結防止のためにラジエータ20に冷却液を多く流すと、その一方で、燃料電池10の内部温度tが低下して発電機能を維持できなくなる可能性がある。ところが、燃料電池10の発電電圧V1と供給電流I1とが予め記憶する電圧V2及び電流I2の値よりも所定値以上小さくなった場合、バイパス配管50に流す冷却液の量を増加させるため、燃料電池10の温度の低下が解消されて、低下した発電電圧と供給電流とがもとの値へ復帰してくることとなる。この結果、発電機能の低下が防止されることとなる。従って、燃料電池10の発電機能を維持しつつ、ラジエータ20及びその周辺配管の凍結を防止することができる。
次に、本発明の第4実施形態を説明する。第4実施形態に係る燃料電池冷却システム4は、第1実施形態のものと同様であるが、構成及び処理内容が第1実施形態のものと一部異なっている。
以下、第1実施形態との相違点について説明する。図8は、第4実施形態に係る燃料電池冷却システム4の構成図である。同図に示すように、第4実施形態に係る燃料電池冷却システム4は、新たにヒートポンプを有する(空調手段)エアコン100を備えている。
また、エアコン100を備えるため、制御装置60は、エアコン100の動作状況に応じて、三方弁70を駆動するようになっている。具体的に制御装置60は、ラジエータ側温度センサ80によって検出された温度taが第4温度を下回り、且つエアコン100が暖房動作をしていることを検出した場合、ラジエータ20に流す冷却液の量を増加させることとしている。ここで、第4温度は、第1温度よりも高い温度であって、エアコン100が暖房動作を行うことによりラジエータ20及びその周辺配管が凍結する可能性があるとして予め定められた温度である。
ここで、ヒートポンプタイプのエアコン100は、外部から熱を奪い、内部を暖め、外部に冷気を放出することで、暖房を行うようになっている。このため、ヒートポンプタイプのエアコン100は、外部に放出された冷気によってラジエータやその周辺配管の凍結を助長することとなる。よって、上記の如く、ラジエータ20に存在する冷却液の温度taが第4温度を下回り、且つエアコン100が暖房動作をしているときには、ラジエータ20に流す冷却液の量を増加させることとしている。これにより、ラジエータ20に流す冷却液の量を増加させてラジエータ20に流れる冷却液の過冷却を防止し、ラジエータ20や配管の変形、劣化を防止することとしている。以下、この制御を「ラジエータ凍結防止制御2」と称する。
図9は、第4実施形態に係る燃料電池冷却システム4の詳細な動作を示すフローチャートである。なお、図9に示す処理は、図2に示す処理と同様に、燃料電池側温度センサ90からの信号により燃料電池10の温度が目標運転温度となるように制御する処理から、一定時間(例えば0.05sec)ごとに呼び出されるサブルーチンとして実行される。また、第4実施形態において変数mが「1」〜「4」まで存在し、変数mが「4」である場合、ラジエータ凍結防止制御2が行われることとなる。
まず、ステップST61〜ST67に示す処理において、図2に示すステップST1〜ST7と同様の処理が実行される。そして、ステップST61において「NO」と判断された場合、制御装置60は、変数mが「4」であるか否かを判断する(ST68)。
変数mが「4」である場合(ST68:YES)、制御装置60は、三方弁開度を示す値dを「d2」とする(ST69)。これにより、三方弁70は、ラジエータ20に流す冷却液の量が多くなるように駆動されることとなる。そして、処理はメインフローチャートに戻る。
他方、変数mが「4」でない場合(ST68:NO)、制御装置60は、ラジエータ20に存在する冷却液の温度taが第4温度t4を下回り、且つエアコン100が暖房動作をしているか否かを判断する(ST70)。ここで、双方とも満たす場合(ST70:いぇS)、制御装置60は、制御モードを示す変数mに「4」を代入する(ST71)。そして、処理はメインフローチャートに戻る。これにより、次回の処理において、ラジエータ凍結防止制御2が実行されることとなる。
また、ラジエータ20に存在する冷却液の温度taが第4温度t4を下回ること、及びエアコン100が暖房動作をしていることのいずれか一方でも満たさない場合(S70:NO)、処理はステップST72に移行する。
その後、ステップST72〜ST79に示す処理において、図2に示すステップST8〜ST15と同様の処理が行われることとなる。
このようにして、第4実施形態に係る燃料電池冷却システム4によれば、第1実施形態と同様に、ラジエータ20や配管の変形、劣化を防止することができ、ラジエータ20の温度を確実に検出することができる。また、燃料電池10の発電機能を維持しつつ、ラジエータ20及びその周辺配管の凍結を防止することができ、燃料電池10の内部温度の低下を抑制することができる。
さらに、第4実施形態によれば、ラジエータ20に存在する冷却液の温度taが第4温度t4を下回り、且つヒートポンプタイプのエアコン100により暖房が為されている場合、ラジエータ20に流す冷却液の量を増加させることとしている。ここで、ヒートポンプタイプのエアコン100は、外部から熱を奪い、内部を暖め、外部に冷気を放出することで、暖房を行うようになっている。このため、外部に放出された冷気によってラジエータ20やその周辺配管の凍結を助長することとなる。ところが、ラジエータ20に存在する冷却液の温度taが第4温度t4を下回り、且つヒートポンプタイプのエアコン100により暖房が為されている場合、ラジエータ20に流す冷却液の量を増加させるため、ラジエータ20に流れる冷却液の過冷却が防止されることとなる。従って、ラジエータ20や配管の変形、劣化を防止することができる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよい。すなわち、上記実施形態では、ラジエータ20に存在する冷却液の温度taを検出する手段として、ラジエータ20の下流に取り付けられた温度センサを用いているが、これに限るものではない。例えば、ラジエータ20に存在する冷却液の温度taを検出する手段としては、外気温度を測定する外気温センサと該センサからの信号に基づいてラジエータ20に存在する冷却液の温度taを推定する推定演算手段とであってもよい。また、燃料電池10の内部温度tbを検出する手段、及びセル電圧Vを検出する手段、発電電圧V1を検出する手段、及び供給電流I1を検出する手段についても同様に、推定演算手段によって推定されるようにされていてもよい。
また、上記実施形態では、三方弁70を駆動することによりラジエータ20及びバイパス配管50に流す冷却液の量を調節しているが、これに限らず、さらにポンプ40の回転数を制御することにより冷却液の流速を調節して、ラジエータ20及びバイパス配管50に流す冷却液の量を調節するようにしてもよい。
さらに、本発明は上記実施形態に限られるものでなく、例えば以下のように構成してもよい。すなわち、制御装置60は、燃料電池10の内部温度tb及びラジエータ20に存在する冷却液の温度taの少なくとも一方に応じて、バイパス配管50及びラジエータ20に流す冷却液の流入量を制御するように構成してもよい。この構成により、燃料電池10の内部温度tb及びラジエータ20に存在する冷却液の温度taの低下を抑止して、燃料電池10の出力低下やラジエータ20及びその周辺配管の凍結を防止することが可能となる。
本発明の実施形態に係る燃料電池冷却システムの構成図である。 第1実施形態に係る燃料電池冷却システムの詳細な動作を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る燃料電池冷却システムの構成図である。 第2実施形態に係る燃料電池冷却システムの詳細な動作を示すフローチャートである。 第3実施形態に係る燃料電池冷却システムの構成図である。 制御装置60が予め記憶している電圧及び電流の値を示すグラフである。 第3実施形態に係る燃料電池冷却システムの詳細な動作を示すフローチャートである。 第4実施形態に係る燃料電池冷却システムの構成図である。 第4実施形態に係る燃料電池冷却システムの詳細な動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1〜4…燃料電池冷却システム
10…燃料電池
20…ラジエータ
30…冷却液循環配管
40…ポンプ
50…バイパス配管
60…制御装置(制御手段)
61…セル電圧検出部(セル電圧検出手段)
62…発電電圧検出部(発電電圧検出手段)
63…供給電流検出部(供給電流検出手段)
70…三方弁
80…ラジエータ側温度センサ(ラジエータ温度検出手段)
90…燃料電池側温度センサ(燃料電池温度検出手段)
100…エアコン(空調手段)

Claims (9)

  1. 燃料電池と、
    冷却液を冷却するラジエータと、
    前記燃料電池及び前記ラジエータの間で冷却液を循環させる冷却液循環配管と、
    前記冷却液循環配管から冷却液を導入し、前記ラジエータを迂回して冷却液を再度前記冷却液循環配管に戻すバイパス配管と、
    前記ラジエータと前記バイパス配管とに流す冷却液の量を制御する制御手段と、
    前記ラジエータに存在する冷却液の温度を測定又は推定するラジエータ温度検出手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記ラジエータ温度検出手段により検出された温度が第1温度を下回った場合、前記ラジエータに流す冷却液の量を増加させる
    ことを特徴とする燃料電池冷却システム。
  2. 前記ラジエータ温度検出手段は、前記ラジエータに存在する冷却液の温度を測定する少なくとも1つの温度センサを有することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池冷却システム。
  3. 前記燃料電池の内部温度を測定又は推定する燃料電池温度検出手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記ラジエータ温度検出手段によって検出された温度が第1温度を下回ったことにより前記ラジエータに流す冷却液の量を増加させた後に、前記燃料電池温度検出手段によって検出された温度が第2温度を下回った場合、前記バイパス配管に流す冷却液の量を増加させる
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の燃料電池冷却システム。
  4. 前記制御手段は、前記ラジエータ温度検出手段によって検出された温度が第1温度を下回ったことにより前記ラジエータに流す冷却液の量を増加させてから所定時間経過したときに、前記ラジエータ温度検出手段によって検出された温度が第3温度を超えていなかった場合、前記バイパス配管に流す冷却液の量を増加させることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の燃料電池冷却システム。
  5. 前記制御手段は、
    前記燃料電池のセル電圧を測定又は推定するセル電圧検出手段をさらに備え、
    前記ラジエータ温度検出手段によって検出された温度が第1温度を下回ったことにより前記ラジエータに流す冷却液の量を増加させた後に、前記セル電圧検出手段によって検出されたセル電圧の偏差が特定値以上となる場合、前記バイパス配管に流す冷却液の量を増加させる
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の燃料電池冷却システム。
  6. 前記制御手段は、
    前記燃料電池の発電電圧を測定又は推定する発電電圧検出手段と、
    前記燃料電池から負荷に供給される供給電流を測定又は推定する供給電流検出手段と、をさらに備え、
    前記ラジエータ温度検出手段によって検出された温度が第1温度を下回ったことにより前記ラジエータに流す冷却液の量を増加させた後に、前記発電電圧検出手段によって検出された発電電圧、及び前記供給電流検出手段により検出された供給電流が、予め記憶する電圧及び電流の値よりも、所定値以上小さくなった場合に、前記バイパス配管に流す冷却液の量を増加させる
    ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の燃料電池冷却システム。
  7. ヒートポンプを有する空調手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記ラジエータ温度検出手段によって検出された温度が第4温度を下回り、且つ前記空調手段が暖房動作をしていることを検出した場合、前記ラジエータに流す冷却液の量を増加させる
    ことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の燃料電池冷却システム。
  8. 前記制御手段は、燃料電池の内部温度及びラジエータに存在する冷却液の温度の少なくとも一方に応じて、前記バイパス配管及び前記ラジエータに流す冷却液の量を制御することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池冷却システム。
  9. 燃料電池に冷却液を流して冷却し、該燃料電池から熱を奪って暖められた冷却液をラジエータにて冷却し、再び燃料電池の冷却液として前記燃料電池に流し込む燃料電池冷却システムであって、
    前記ラジエータの温度が第1温度を下回った場合には、前記燃料電池から前記ラジエータを経ることなく再度前記燃料電池に至る冷却液の量を減少させる
    ことを特徴とする燃料電池冷却システム。
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