JP2006172933A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明では、MH再生中に高出力要求指令が出力されたとしても、燃料電池を高出力で稼動できる燃料電池システムおよびその制御方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 燃料電池システムSは、燃料電池4と、高圧水素タンク7と、燃料電池4と高圧水素タンク7とを繋ぐ水素ガス供給路8の連通状態を切り替える中圧バルブ81と、水素吸蔵合金31を内蔵したMHタンク3と、中圧バルブ81よりも下流側の部分とMHタンク3とを繋ぐMH用流路32と、MH用流路32の連通状態を切り替えるMH用遮断弁33と、を備えている。さらに、燃料電池システムSは、MH再生時に、中圧バルブ81を閉状態、MH用遮断弁33を開状態とする機能と、MH再生中において、燃料電池4に対して高出力要求指令が出力されたときに、中圧バルブ81を開ける機能を有したECU5を備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、水素吸蔵合金を利用して燃料電池の暖機を行う燃料電池システムに関するものである。
近年、燃料電池自動車の動力源などとして、クリーンでエネルギ効率の優れた燃料電池が注目されている。この燃料電池では、カソード側に酸素を含んだ空気を供給するとともにアノード側に水素を供給することで、これらの水素と酸素を反応させて電気を発生させている。
ところで、前記したような燃料電池は、ある温度でその発電性能を最大に発揮するようになっており、温度が低いと発電性能が低下するといった特性を有している。そのため、冬季や寒冷地で燃料電池を起動する場合は、燃料電池を暖機(所定温度まで加温)する必要がある。このような問題に対する技術としては、従来、燃料電池の起動時において、高圧水素タンクから燃料電池へ供給するための水素ガスを分流させて一時的に水素吸蔵合金に吸蔵させることで、この水素吸蔵合金を発熱させて燃料電池の暖機を行うとともに、暖機終了後には、水素吸蔵合金から水素ガスを放出させて燃料電池に供給することで水素ガスの再利用を図ることができる燃料電池システムが知られている(特許文献1参照)。
具体的に、特許文献1に記載された燃料電池システムは、燃料電池と、燃料電池に水素ガスを供給するための高圧水素タンクと、燃料電池と高圧水素タンクとを繋ぐ水素供給路と、この水素供給路の連通状態を切り替えるための遮断弁と、水素吸蔵合金を内蔵したMHタンクと、前記水素供給路とMHタンクとを繋ぐ一本の配管と、この配管の連通状態を切り替えるためのMH用遮断弁とを備えて構成されている。この燃料電池システムでは、燃料電池を暖機する際には、遮断弁およびMH用遮断弁を開けることで、MHタンク内に水素ガスを供給し、また、暖機終了後にMHタンク内の水素吸蔵合金で吸蔵した水素ガスを放出させる際には、遮断弁を閉じることで、遮断弁よりも下流側の圧力を下げて、MHタンクからの水素ガスの放出を促進させている。そして、この燃料電池システムは、水素吸蔵合金で吸蔵していた水素ガスを全て放出した後(MHタンク内が空になった後)、MH用遮断弁を閉じ、かつ、遮断弁を開けることで、燃料電池の通常運転を開始させている。なお、以下の説明においては、便宜上、「水素吸蔵合金で吸蔵した水素ガスを放出させること」を「MH再生」ともいうこととする。
特開2003−86213号公報
ところで、前記したような燃料電池システムでは、水素吸蔵合金から放出される水素ガスの量は、高圧水素タンクから放出される水素ガスの量よりも少なくなっている。そのため、仮にMH再生中において燃料電池に対して高出力要求指令を出力して、燃料電池を高出力で稼動させようとしても、水素吸蔵合金から放出される水素ガスのみでは燃料電池を高出力で稼動させることができないといった問題があった。
そこで、本発明では、MH再生中において燃料電池に対して高出力要求指令が出力された場合であっても、燃料電池を高出力で稼動させることができる燃料電池システムを提供することを目的とする。
前記課題を解決する本発明のうち請求項1に記載の発明は、水素ガスと酸化剤ガスとの反応により発電する燃料電池と、前記燃料電池に高圧の水素ガスを供給する高圧水素供給手段と、前記燃料電池と前記高圧水素供給手段とを繋ぐ水素ガス供給路と、前記水素ガス供給路の連通状態を切り替える開閉弁と、水素吸蔵合金を内蔵したMHタンクと、前記水素ガス供給路のうちの前記開閉弁よりも下流側の部分と、前記MHタンクとを繋ぐMH用流路と、前記MH用流路の連通状態を切り替えるMH用遮断弁と、を備えた燃料電池システムであって、前記MHタンク内に蓄えた水素ガスを前記燃料電池に供給するときに、前記開閉弁を閉状態、前記MH用遮断弁を開状態とするMH再生手段と、前記MHタンク内に蓄えた水素ガスを前記燃料電池に供給している最中において、前記燃料電池に対して高出力要求指令が出力されたときに、前記開閉弁を開ける高出力稼動手段と、を備えたことを特徴とする。
ここで、「開閉弁を閉状態とする」とは、開閉弁の元の状態が閉まった状態であるときは、開閉弁をその状態に維持させることをいい、開閉弁の元の状態が開いた状態であるときは、開閉弁を閉めることをいう。同様に、「MH用遮断弁を開状態とする」とは、MH用遮断弁の元の状態が開いた状態であるときは、MH用遮断弁をその状態に維持させることをいい、MH用遮断弁の元の状態が閉まった状態であるときは、MH用遮断弁を開けることをいう。また、「高出力」とは、MHタンクから供給される低圧の水素ガスでは燃料電池から取り出すことができない出力値(電流値)と同じ値もしくはそれ以上の値となる出力をいう。
請求項1に記載の発明によれば、MHタンク内に蓄えた水素ガスを燃料電池に供給する(MH再生を行う)ときには、開閉弁が閉状態となり、MH用遮断弁が開状態となる。これにより、開閉弁の下流側の圧力が低下して、MH再生が促進されることとなる。そして、MH再生中において、燃料電池に対して高出力要求指令が出力されると、開閉弁が開けられる。これにより、高圧水素供給手段から燃料電池へ向けて高圧の水素ガスが供給されるため、燃料電池を高出力で稼動させることが可能となる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の燃料電池システムであって、前記高出力稼動手段は、前記開閉弁を開ける際に、前記MH用遮断弁を閉じることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、MH再生中において、燃料電池に対して高出力要求指令が出力されると、開閉弁が開けられるとともに、MH用遮断弁が閉じられる。これにより、高圧水素供給手段から放出された水素ガスが、MHタンクには供給されずに、燃料電池のみに供給されるため、燃料電池を高出力で稼動させることをより確実に実現することができる。
請求項3に記載の発明は、水素ガスと酸化剤ガスとの反応により発電する燃料電池と、前記燃料電池に高圧の水素ガスを供給する高圧水素供給手段と、前記燃料電池と前記高圧水素供給手段とを繋ぐ水素ガス供給路と、前記水素ガス供給路の連通状態を切り替える開閉弁と、水素吸蔵合金を内蔵したMHタンクと、前記水素ガス供給路と前記MHタンクとを繋ぐMH用流路と、前記水素ガス供給路のうちの前記開閉弁よりも下流側の部分と、前記MHタンクとを繋ぐ排出用流路と、前記MH用流路の連通状態を切り替えるMH用遮断弁と、前記排出用流路内において前記MHタンクから前記水素ガス供給路への水素ガスの流れのみを許容する逆止弁と、を備えた燃料電池システムであって、前記MHタンク内に蓄えた水素ガスを前記燃料電池に供給するときに、前記開閉弁と前記MH用遮断弁の両方を閉状態とするMH再生手段と、前記MHタンク内に蓄えた水素ガスを前記燃料電池に供給している最中において、前記燃料電池に対して高出力要求指令が出力されたときに、前記開閉弁を開ける高出力稼動手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、MH再生を行うときには、開閉弁とMH用遮断弁の両方が閉状態となる。これにより、開閉弁の下流側の圧力が低下して、排出用流路からの水素ガスの放出が促進されることとなる。そして、MH再生中において、燃料電池に対して高出力要求指令が出力されると、開閉弁が開けられる。これにより、高圧水素供給手段から燃料電池へ向けて高圧の水素ガスが供給されるため、燃料電池を高出力で稼動させることが可能となる。なお、このとき、高圧水素供給手段から放出された水素ガスは、逆止弁によってMHタンクへの流入が禁止されて、燃料電池のみに供給されることとなるため、燃料電池を高出力で稼動させることをより確実に実現することができる。
請求項4に記載の発明は、水素ガスと酸化剤ガスとの反応により発電する燃料電池と、前記燃料電池に高圧の水素ガスを供給する高圧水素供給手段と、前記燃料電池と前記高圧水素供給手段とを繋ぐ水素ガス供給路と、前記水素ガス供給路の連通状態を切り替える開閉弁と、水素吸蔵合金を内蔵したMHタンクと、前記水素ガス供給路のうちの前記開閉弁よりも下流側の部分と、前記MHタンクとを繋ぐMH用流路と、前記MH用流路の連通状態を切り替えるMH用遮断弁と、を備えた燃料電池システムであって、前記高圧水素供給手段から放出される水素ガスを減圧し、かつ、減圧後の圧力を任意に設定可能な1次可変レギュレータを、前記水素ガス供給路と前記MH用流路との接続部よりも上流側に設けるとともに、前記1次可変レギュレータで減圧された水素ガスをさらに減圧し、かつ、減圧後の圧力を任意に設定可能な2次可変レギュレータを、前記水素ガス供給路と前記MH用流路との接続部よりも下流側に設け、前記MHタンク内に蓄えた水素ガスを前記燃料電池に供給するときに、前記開閉弁を開けたままで、前記1次可変レギュレータの下流側の圧力を、前記MHタンク内の圧力よりも小さく、かつ、前記2次可変レギュレータの下流側の圧力以上に設定するとともに、前記MH用遮断弁を開状態とするMH再生手段と、前記MHタンク内に蓄えた水素ガスを前記燃料電池に供給している最中において、前記燃料電池に対して高出力要求指令が出力されたときに、前記開閉弁を開けたままで、前記1次可変レギュレータの下流側の圧力を、前記高出力要求指令に対応するFC要求圧力以上に設定するとともに、前記2次可変レギュレータの下流側の圧力を、前記FC要求圧力に設定する高出力稼動手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、MH再生を行うときには、開閉弁が開いた状態のままで、1次可変レギュレータの下流側の圧力が、MHタンク内の圧力よりも小さく、かつ、2次可変レギュレータの下流側の圧力以上に設定されるとともに、MH用遮断弁が開状態となる。これにより、1次可変レギュレータの下流側の圧力がMHタンク内の圧力よりも低下して、MHタンクからの水素ガスの放出が促進され、この水素ガスが良好に燃料電池に供給されることとなる。そして、MH再生中において、燃料電池に対して高出力要求指令が出力されると、開閉弁が開いた状態のままで、1次可変レギュレータの下流側の圧力が、高出力要求指令に対応するFC要求圧力以上に設定されるとともに、2次可変レギュレータの下流側の圧力が、FC要求圧力に設定される。これにより、高圧水素供給手段から燃料電池へ向けて高圧の水素ガスが供給されるため、燃料電池を高出力で稼動させることが可能となる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の燃料電池システムであって、前記高出力稼動手段は、前記1次可変レギュレータおよび前記2次可変レギュレータを制御する際に、前記MH用遮断弁を閉じることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、MH再生中において、燃料電池に対して高出力要求指令が出力されると、1次可変レギュレータおよび2次可変レギュレータが前記したように適宜制御されるとともに、MH用遮断弁が閉じられる。これにより、高圧水素供給手段から放出された水素ガスが、MHタンクには供給されずに、燃料電池のみに供給されるため、燃料電池を高出力で稼動させることをより確実に実現することができる。
請求項1に記載の発明によれば、MH再生中において高出力要求指令が出力された場合には、開閉弁が開けられることによって高圧水素供給手段から燃料電池へ向けて高圧の水素ガスが供給されるので、MH再生中においても燃料電池を高出力で稼動させることができる。
請求項2に記載の発明によれば、MH再生中において高出力要求指令が出力された場合には、開閉弁が開けられるとともに、MH用遮断弁が閉じられることによって、高圧水素供給手段から放出された水素ガスが燃料電池のみに供給されるため、燃料電池を高出力で稼動させることをより確実に実現することができる。
請求項3に記載の発明によれば、MH再生中において高出力要求指令が出力されると、開閉弁が開けられるとともに、逆止弁が作用することによって、高圧水素供給手段から燃料電池のみへ高圧の水素ガスが供給されるため、燃料電池を高出力で稼動させることが可能となる。
請求項4に記載の発明によれば、MH再生中において高出力要求指令が出力されると、開閉弁が開いた状態のままで、1次可変レギュレータの下流側の圧力が、高出力要求指令に対応するFC要求圧力以上に設定されるとともに、2次可変レギュレータの下流側の圧力が、FC要求圧力に設定されることによって、高圧水素供給手段から燃料電池へ向けて高圧の水素ガスが供給されるため、燃料電池を高出力で稼動させることが可能となる。
請求項5に記載の発明によれば、MH再生中において、燃料電池に対して高出力要求指令が出力されると、1次可変レギュレータおよび2次可変レギュレータが適宜制御されるとともに、MH用遮断弁が閉じられることによって、高圧水素供給手段から放出された水素ガスが、MHタンクには供給されずに、燃料電池のみに供給されるため、燃料電池を高出力で稼動させることをより確実に実現することができる。
〔第1の実施形態〕
次に、本発明に係る第1の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。参照する図面において、図1は第1の実施形態に係る燃料電池システムを示す構成図であり、図2はECUの動作を示すフローチャートである。また、図3は燃料電池の暖機時における水素ガスの流れを示す構成図、図4はMH再生時における水素ガスの流れを示す構成図、図5はMH再生中に高出力要求指令が出力されたときの水素ガスの流れを示す構成図である。
図1に示すように、燃料電池システムSは、空気供給系1と、水素供給系2と、MHタンク3と、燃料電池4と、ECU(制御部)5とで主に構成されている。
空気供給系1は、空気を圧縮して供給するコンプレッサ6と、このコンプレッサ6からの空気を燃料電池4に導く空気供給流路61と、燃料電池4から排出される空気を外部に導く空気排出流路62と、を主に備えている。なお、空気排出流路62には、カソード極側の圧力(背圧)を制御する図示しない背圧弁が設けられている。
水素供給系2は、高圧水素タンク(高圧水素供給手段)7と、水素ガス供給路8と、循環流路9とを主に備えている。
高圧水素タンク7内には、高圧の水素ガスが充填されており、この水素ガスは、高圧水素タンク7に備えられた図示しない遮断弁や、後記する中圧バルブ81が開放されることで、水素ガス供給路8を通って燃料電池4へ供給されるようになっている。また、この高圧水素タンク7内の水素ガスは、前記した遮断弁や中圧バルブ81の他に後記するMH用遮断弁33が開放されることで、MHタンク3内にも供給されるようになっている。なお、中圧バルブ81は、特許請求の範囲にいう「開閉弁」に相当する。
水素ガス供給路8は、高圧水素タンク7と燃料電池4とを繋ぐ流路であり、その適所には、高圧水素タンク7側から順に1次レギュレータR1、中圧バルブ81、2次可変レギュレータCR2が設けられている。1次レギュレータR1および2次可変レギュレータCR2は、ともに上流側から供給されてくる水素ガスの圧力を減圧させるための減圧弁であり、さらに2次可変レギュレータCR2は、ECU5で適宜制御されることによって、その下流側の圧力を適宜調整可能とする減圧弁である。そのため、高圧水素タンク7から燃料電池4までの圧力関係は、高圧水素タンク7から1次レギュレータR1までが最も高く、その次に1次レギュレータR1から2次可変レギュレータCR2までが高く、2次可変レギュレータCR2から燃料電池4までが最も低いといった関係になっている。なお、以下の説明においては、便宜上、高圧水素タンク7と1次レギュレータR1の間のラインを高圧水素ライン8a、1次レギュレータR1と2次可変レギュレータCR2の間のラインを中圧水素ライン8b、2次可変レギュレータCR2と燃料電池4の間のラインを低圧水素ライン8cと呼ぶこととする。
中圧バルブ81は、水素ガス供給路8の連通状態(遮断/連通)を切り替えるための弁であり、中圧水素ライン8bの適所(詳しくは、水素ガス供給路8と後記するMH用流路32との接続部8dと、1次レギュレータR1との間)に設けられている。そして、この中圧バルブ81を燃料電池4の稼動中において閉じると、この中圧バルブ81よりも下流側の中圧水素ライン8bおよび低圧水素ライン8c内の水素ガスが燃料電池4で消費されることで、中圧水素ライン8bおよび低圧水素ライン8c内が減圧されていくようになっている。
循環流路9は、燃料電池4から排出される未使用の水素ガスを再度燃料電池4に戻すべく、燃料電池4の出口4bと低圧水素ライン8cとに接続されている。なお、この循環流路9には、図示は省略するが、水素ガスを循環させるためのエゼクタまたはポンプが適宜設けられている。また、この循環流路9には、その内部に溜まっている水素ガス中の不純物や燃料電池4内で生成される水を含んだ水素ガスを図示せぬ希釈器へ排出するためのパージ水素配管91が接続されている。なお、この循環流路9内の水素ガスは、パージ水素配管91の適所に設けられたパージ弁92がECU5により適宜開閉されることで、燃料電池4から前記希釈器へ間欠的にパージ(排出)されるようになっている。
MHタンク3は、水素吸蔵合金31を内部に収容した容器であり、高圧水素タンク7から供給される水素ガスを水素吸蔵合金31に吸蔵させることで発熱し、その熱が冷却水を介して燃料電池4に伝達されるようになっている。また、このMHタンク3は、燃料電池4の発電により発生する熱が冷却水を介して伝達されるようになっており、この熱によって水素吸蔵合金31が加熱されることによって、水素吸蔵合金31で吸蔵していた水素ガスを中圧水素ライン8bに戻すように構成されている。そして、前記したようなMHタンク3への水素ガスの導入や、MHタンク3から中圧水素ライン8bへの水素ガスの排出は、一本のMH用流路32によって行われるようになっている。
水素吸蔵合金31は、所定の温度(第一温度)まで冷却されることで周囲の水素ガスを吸蔵することが可能となり、また、前記第一温度よりも高い所定の温度(第二温度)まで加熱されることで吸蔵していた水素を水素ガスとして放出することが可能となる性質を有している。また、この水素吸蔵合金31は、同じ温度条件下においては、その周囲の圧力が所定の圧力(放出圧)以下となると水素ガスを周囲に放出し、その周囲の圧力が前記放出圧よりも高い所定の圧力(吸蔵圧)以上になると周囲の水素ガスを吸蔵する性質を有している。
さらに、この水素吸蔵合金31は、水素ガスを吸蔵する際に発熱し、かつ水素ガスを放出する際に吸熱する性質をも有している。なお、このような水素吸蔵合金31としては、例えば以下のようなものを使用することができる。
AB2型合金(ラーベス相合金);TiCr2、(Zr,Ti)(Ni,Mn,V,Fe)2・・AB5型合金;LaNi5、MnNi5・・BCC系合金;Ti−V−Cr、Ti−V−Mn・・その他;Mg系合金
MH用流路32は、中圧水素ライン8b(詳しくは中圧バルブ81と2次可変レギュレータCR2との間の部分)とMHタンク3とを繋ぐ流路であり、その適所にMH用流路32の連通状態を切り替えるためのMH用遮断弁33が設けられている。また、このMH用遮断弁33とMHタンク3との間には、MHタンク3内の圧力を検出するための圧力センサPSが設けられている。
燃料電池4は、高圧水素タンク7に貯留された燃料となる水素ガスと、コンプレッサ6から供給される空気(酸化剤ガス)との電気化学反応により発電を行うものである。そして、燃料電池4のアノード側には、その入口4aに水素ガス供給路8が接続され、その出口4bに循環流路9が接続されている。なお、この燃料電池4には、燃料電池4の温度を直接検出するための温度センサTS1が設けられ、また、冷却水が通る流路には、燃料電池4で加熱された冷却水の温度を検出する温度センサTS2が設けられている。
ECU5は、燃料電池システムSの各機器、主にコンプレッサ6、前記した背圧弁や遮断弁、中圧バルブ81、MH用遮断弁33、2次可変レギュレータCR2、パージ弁92などの制御を行っている。特に、このECU5は、燃料電池4の起動時において、中圧バルブ81やMH用遮断弁33を適宜制御することによって、MHタンク3による燃料電池4の加熱(以下、「暖機」ともいう。)やMHタンク3から燃料電池4への水素ガスの排出(以下、「MH再生」ともいう。)を良好に行うように作動している。
具体的には、このECU5は、図2に示すように、燃料電池4の起動指令であるイグニッションスイッチのON信号を受信したときに(IGON)、まず、燃料電池(FC)4の温度が所定値T1よりも低くなっているか否かを判断することによって(ステップS1)、燃料電池4を暖機する必要があるか否かを判断する。ステップS1において、燃料電池4の温度が所定値T1以上である場合には(No)、ECU5は、燃料電池4の暖機は必要ないと判断して、通常発電モードに移行する(ステップS2)。
また、ステップS1において、燃料電池4の温度が所定値T1未満である場合には(Yes)、ECU5は、燃料電池4の暖機が必要と判断して、高圧水素タンク7の前記した遮断弁、中圧バルブ81およびMH用遮断弁33を全て開放させる(ステップS3)。これにより、図3に示すように、高圧水素タンク7からMHタンク3に水素ガスが供給されて、MHタンク3内の水素吸蔵合金31が水素ガスの吸蔵に伴って発熱するので、その熱が冷却水を介して燃料電池4に伝達されて、燃料電池4の暖機が開始されることとなる。
そして、図2に示すように、ステップS3の後、ECU5は、燃料電池4との熱交換を終えた後の冷却水(燃料電池4から出てくる冷却水)の温度が所定値T1よりも高くなったか否かを判断することによって(ステップS4)、燃料電池4の暖機が完了したか否かを判断する。ステップS4において、冷却水の温度が所定値T1以下である場合には(No)、ECU5は、燃料電池4の暖機がまだ必要であると判断して、再度ステップS3,S4の処理を繰り返すことによって燃料電池4の暖機を継続させる。また、ステップS4において、冷却水の温度が所定値T1よりも高い場合には(Yes)、ECU5は、燃料電池4の暖機が完了したと判断して、コンプレッサ6の駆動を開始するとともに燃料電池4から適宜電流を取り出すことによって燃料電池4による発電を開始させ(ステップS5)、その後MH再生モードに移行する(ステップS6)。
MH再生モードに移行すると、ECU5は、まず、燃料電池4から取り出す電流値を決めるために利用者によって適宜出力される出力要求指令に基づいて、前記出力要求指令に対応する電流値を燃料電池4から取り出すために必要な水素ガスおよび空気の圧力(以下、「FC要求圧力」という。)を算出する(ステップS7)。ここで、「出力要求指令」としては、例えば、燃料電池4を搭載した車両においてはアクセルを踏むことによって出力されるアクセル信号が相当する。なお、ステップS7においてFC要求圧力が算出されると、2次可変レギュレータCR2が制御されて、その下流側の圧力がFC要求圧力に設定されるようになっている。
そして、ステップS7においてFC要求圧力を算出した後、ECU5は、そのFC要求圧力よりもMHタンク3内の圧力が高いか否かを判断することによって(ステップS8)、前記した出力要求指令が高い電流値を示しているものかどうか、すなわち高出力要求指令が出力されているか否かを判断する。ステップS8において、MHタンク3内の圧力がFC要求圧力よりも高い場合には(Yes)、ECU5は、高出力要求指令が出力されていないと判断して、中圧バルブ81を閉めるとともに、MH用遮断弁33を開けたままの状態に維持する(ステップS9)。これにより、図4に示すように、中圧バルブ81の下流側の圧力が低下して、MHタンク3から燃料電池4への水素ガスの供給(MH再生)が良好に行われることとなる。ここで、ステップS9の処理を実行するECU5が請求項1または請求項2における「MH再生手段」に相当する。
そして、図2に示すように、ステップS9の後、ECU5は、燃料電池4から出てくる冷却水の温度が所定値T2よりも大きく、かつ、MHタンク3内の圧力が所定値P1よりも低いか否かを判断することによって(ステップS10)、水素吸蔵合金31で吸蔵した水素ガスをほぼ全て放出したか否か、すなわちMHタンク3内が空になったか否かを判断する。ステップS10において、冷却水の温度が所定値T2以下であるか、または、MHタンク3内の圧力が所定値P1以上である場合には(No)、ECU5は、MHタンク3内にまだ水素ガスが残っていると判断して、再度ステップS7〜S10の処理(MH再生)を繰り返す。
そして、このようなMH再生中(ステップS7〜S10)において、燃料電池4に対して高出力要求指令が出力された場合には、ECU5は、ステップS8においてNoと判断して、中圧バルブ81を開けるとともに、MH用遮断弁33を閉じる(ステップS11)。これにより、図5に示すように、高圧水素タンク7から燃料電池4のみへ向けて高圧の水素ガスが供給されるため、燃料電池4を高出力で稼動させることが可能となる。ここで、ステップS11の処理を実行するECU5が請求項2における「高出力稼動手段」に相当する。
なお、ステップS11の処理は、前記したようにMH再生中に高出力要求指令が出力された場合のみに行われるのではなく、MH再生モードが開始された直後に高出力要求指令が出力された場合(ステップS6,S7,S8;No,S11と進んだ場合)にも行われる。すなわち、ステップS9を経ることなく、いきなりステップS11の処理がなされる場合があり、この場合は、ステップS3にて中圧バルブ81およびMH用遮断弁33が開状態とされているため、ステップS11では、MH用遮断弁33のみが閉に切り替えられるようになっている。また、このようにステップS11がステップS9よりも先に行われた場合は、ステップS9では、ステップS11とは逆の動作、すなわち中圧バルブ81が開から閉へ、MH用遮断弁33が閉から開へというように両方とも切り替えられるようになっている。
なお、ステップS11の後は、ステップS10に進むことになるが、ステップS11の処理がMH再生中(ステップS7〜S10)またはMH再生前(ステップS6,S7,S8;No)のときに行われる処理であるため、ステップS10においては、常にMHタンク3内にまだ水素ガスが残っていると判断されて(No)、ステップS7,S8の処理に移行する。そして、ステップS8において、まだ高出力要求指令が出力されている場合は、ステップS11に進んで燃料電池4を高出力で稼動させることが継続され、また、ステップS8において、高出力要求指令が出力されなくなっている場合は、ステップS9に進んでMH再生が再開または開始されることとなる。
そして、ステップS10において、冷却水の温度が所定値T2より大きく、かつ、MHタンク3内の圧力が所定値P1未満である場合には(Yes)、ECU5は、MHタンク3が空になったと判断して、中圧バルブ81を開けるとともに、MH用遮断弁33を閉じる(ステップS12)。これによって、MH再生処理が終了して(END)、燃料電池4の通常運転が開始されることとなる。
以上によれば、第1の実施形態において、次のような効果を得ることができる。
MH再生中において高出力要求指令が出力された場合には、中圧バルブ81が開けられるとともに、MH用遮断弁33が閉じられることによって高圧水素タンク7から燃料電池4のみへ向けて高圧の水素ガスが供給されるので、MH再生中においても燃料電池4を高出力で稼動させることができる。
〔第2の実施形態〕
以下に、本発明に係る燃料電池システムにおける第2の実施形態について説明する。この実施形態は第1の実施形態に係る燃料電池システムの一部を変更したものなので、第1の実施形態と同様の構成要素については同一符号を付し、その説明を省略する。参照する図面において、図6は第2の実施形態に係る燃料電池システムを示す構成図であり、図7はECUの動作を示すフローチャートである。また、図8は燃料電池の暖機時における水素ガスの流れを示す構成図、図9はMH再生時における水素ガスの流れを示す構成図、図10はMH再生中に高出力要求指令が出力されたときの水素ガスの流れを示す構成図である。
図6に示すように、燃料電池システムS’には、第1の実施形態の構造に加え、中圧水素ライン8bの適所(詳しくは、水素ガス供給路8とMH用流路32との接続部8dと、2次可変レギュレータCR2との間の部分)と、MHタンク3とを繋ぐ排出用流路34が設けられている。そして、この排出用流路34には、MHタンク3から水素ガス供給路8への水素ガスの流れのみを許容する逆止弁35が設けられている。なお、本実施形態におけるMH用流路32は、MHタンク3への水素ガスの導入のみに使用する流路であるため、中圧バルブ81の上流側へ接続させるようにしてもよい。
また、本実施形態に係るECU5’は、第1の実施形態のECU5と多少異なるフローチャートに基づいて作動するようになっている。そのため、以下に示すECU5’の動作の説明においては、第1の実施形態と同様のステップについては同一符号を付し、その説明を省略することとする。
図7に示すように、ECU5’は、燃料電池4の起動指令であるイグニッションスイッチのON信号を受信すると(IGON)、ステップS1において燃料電池4の暖機が必要か否かの判断を行い、暖機の必要があると判断した場合は(Yes)、ステップS3,S4の処理を繰り返すことで燃料電池4を暖機させる。なお、このときの水素ガスは、図8に示すように、高圧水素タンク7から水素ガス供給路8、MH用流路32を経てMHタンク3へと供給される。そして、前記した暖機処理から抜けると、ECU5’は、図7に示すように、燃料電池4の発電を開始して(ステップS5)、第1の実施形態とは多少異なるMH再生モードに移行する(ステップS20)。
MH再生モードに移行すると、ECU5’は、ステップS7,S8の処理を経ることにより、利用者から高出力要求指令が出力されているか否かを判断し、出力されていない場合には(ステップS8;Yes)、中圧バルブ81およびMH用遮断弁33をともに閉じる(ステップS21)。これにより、図9に示すように、中圧バルブ81の下流側の圧力が低下して、MHタンク3から排出用流路34、水素ガス供給路8を経て燃料電池4へと良好に水素ガスが供給されることとなる。ここで、ステップS21の処理を実行するECU5’が請求項3における「MH再生手段」に相当する。なお、ステップS7においてFC要求圧力が算出されると、2次可変レギュレータCR2が制御されて、その下流側の圧力がFC要求圧力に設定されるようになっている。
ステップS21の後、ECU5’は、ステップS10においてMHタンク3が空になったと判断するまで、MH再生(ステップS7,S8,S21,S10)を継続させる。そして、このようなMH再生中において、燃料電池4に対して高出力要求指令が出力された場合には、ECU5’は、ステップS8においてNoと判断して、ステップS11において中圧バルブ81のみを開ける。これにより、図10に示すように、高圧水素タンク7から燃料電池4のみへ向けて高圧の水素ガスが供給されるため、燃料電池4を高出力で稼動させることが可能となる。なお、このとき、高圧水素タンク7から放出された水素ガスは、MH用流路32および排出用流路34を通ってMHタンク3にも向かおうとするが、閉状態とされているMH用遮断弁33や逆止弁35によって堰き止められるため、燃料電池4のみに流れていくこととなる。ここで、第2の実施形態に係るステップS11の処理を実行するECU5’が請求項3における「高出力稼動手段」に相当する。
なお、MH再生モードが開始された直後に高出力要求指令が出力された場合(ステップS20,S7,S8;No,S11と進んだ場合)は、第1の実施形態と同様に、ステップS11では、MH用遮断弁33のみが閉に切り替えられる。そして、このようにステップS11がステップS21よりも先に行われた場合は、ステップS21では、ステップS11で開のままにされている中圧バルブ81のみが閉に切り替えられるようになっている。すなわち、ステップS21、ステップS11のどちらを先に経由したとしても、一旦MH用遮断弁33が閉じられた後は、二度とMH用遮断弁33を開くことはないので、それ以降は中圧バルブ81のみを制御すればよい。そのため、MH用遮断弁33の制御を省ける分だけ、その制御に掛かる電力消費を抑えることができるようになっている。
そして、ステップS10において、ECU5’は、MHタンク3が空であると判断すると(Yes)、中圧バルブ81を開け、または、開けたままの状態に維持させる(ステップS22)。これによって、MH再生処理が終了して(END)、燃料電池4の通常運転が開始されることとなる。
以上によれば、第2の実施形態において、次のような効果を得ることができる。
MH再生中において高出力要求指令が出力されると、中圧バルブ81が開けられるとともに、逆止弁35と閉状態のMH用遮断弁33が作用することによって、高圧水素タンク7から燃料電池4のみへ高圧の水素ガスが供給されるため、燃料電池4を高出力で稼動させることが可能となる。
〔第3の実施形態〕
以下に、本発明に係る燃料電池システムにおける第3の実施形態について説明する。この実施形態は第1の実施形態に係る燃料電池システムの一部を変更したものなので、第1の実施形態と同様の構成要素については同一符号を付し、その説明を省略する。参照する図面において、図11は第3の実施形態に係る燃料電池システムを示す構成図であり、図12はECUの動作を示すフローチャートである。また、図13は燃料電池の暖機時における水素ガスの流れを示す構成図、図14はMH再生時における水素ガスの流れを示す構成図、図15はMH再生中に高出力要求指令が出力されたときの水素ガスの流れを示す構成図である。
図11に示すように、燃料電池システムS”は、第1の実施形態における1次レギュレータR1の変わりに、その下流側の圧力を適宜調整可能な1次可変レギュレータCR1を有している。また、本実施形態に係るECU5”は、第1の実施形態のECU5と多少異なるフローチャートに基づいて作動するようになっている。そのため、以下に示すECU5”の動作の説明においては、第1の実施形態と同様のステップについては同一符号を付し、その説明を省略することとする。
図12に示すように、ECU5”は、燃料電池4の起動指令であるイグニッションスイッチのON信号を受信すると(IGON)、ステップS1において燃料電池4の暖機が必要か否かの判断を行い、暖機の必要があると判断した場合は(Yes)、ステップS3,S4の処理を繰り返すことで燃料電池4を暖機させる。なお、このときの水素ガスは、図13に示すように、高圧水素タンク7からMHタンク3へと供給される。そして、前記した暖機処理から抜けると、ECU5”は、図12に示すように、燃料電池4の発電を開始して(ステップS5)、第1の実施形態とは多少異なるMH再生モードに移行する(ステップS30)。
MH再生モードに移行すると、ECU5”は、ステップS7,S8の処理を経ることにより、利用者から高出力要求指令が出力されているか否かを判断する。なお、ステップS7においてFC要求圧力が算出されると、2次可変レギュレータCR2が制御されて、その下流側の圧力がFC要求圧力に設定されるようになっている。
ステップS8において、高出力要求指令が出力されていない場合には(Yes)、ECU5”は、1次可変レギュレータCR1を制御することで、その下流側の圧力を、MHタンク3内の圧力よりも小さく、かつ、2次可変レギュレータCR2の下流側の圧力以上となる圧力、例えば「〔MHタンク3内の圧力〕―〔0.1MPa〕」となる圧力に設定する(ステップS31)。さらに、このステップS31において、ECU5”は、MH用遮断弁33を開状態に維持する、または、開ける制御も行う。これにより、図14に示すように、1次可変レギュレータCR1の下流側の圧力が低下して、MHタンク3から燃料電池4へと良好に水素ガスが供給されることとなる。ここで、ステップS31の処理を実行するECU5”が請求項4または請求項5における「MH再生手段」に相当する。
図12に示すように、ステップS31の後、ECU5”は、ステップS10においてMHタンク3が空になったと判断するまで、MH再生(ステップS7,S8,S31,S10)を継続させる。そして、このようなMH再生中において、燃料電池4に対して高出力要求指令が出力された場合には、ECU5”は、ステップS8においてNoと判断して、1次可変レギュレータCR1を制御することで、その下流側の圧力を、FC要求圧力以上の圧力、例えば「〔FC要求圧力〕+〔0.3MPa〕」となる圧力に設定する(ステップS32)。さらに、このステップS32において、ECU5”は、MH用遮断弁33を閉じる制御も行う。これにより、図15に示すように、高圧水素タンク7から燃料電池4のみへ向けて高圧の水素ガスが供給されるため、燃料電池4を高出力で稼動させることが可能となる。ここで、ステップS32の処理を実行するECU5”が請求項5における「高出力稼動手段」に相当する。
そして、ステップS10において、ECU5”は、MHタンク3が空であると判断すると(Yes)、MH用遮断弁33を閉じる、または、閉状態に維持させる(ステップS33)。これによって、MH再生処理が終了して(END)、燃料電池4の通常運転が開始されることとなる。
以上によれば、第3の実施形態において、次のような効果を得ることができる。
MH再生中において、燃料電池4に対して高出力要求指令が出力されると、1次可変レギュレータCR1および2次可変レギュレータCR2が適宜制御されるとともに、MH用遮断弁33が閉じられることによって、高圧水素タンク7から放出された水素ガスが、MHタンク3には供給されずに、燃料電池4のみに供給されるため、燃料電池4を高出力で稼動させることができる。
また、第3の実施形態においては、燃料電池4の起動指令が出力されてから、暖機処理、MH再生処理、高出力稼動処理を経て燃料電池4の通常運転が開始されるまでの間、中圧バルブ81は開いたままでいいので、中圧バルブ81の制御に必要な電力を省くことができる。
なお、本発明は、前記各実施形態に限定されることなく、様々な形態で実施される。
前記各実施形態では、燃料電池4とMHタンク3との間で冷却水を循環させるようにしているが、本発明はこれに限定されず、冷却水をラジエータにも循環させるようにしてもよい。なお、この場合は、MHタンクやラジエータ近傍に、これらを迂回するための迂回路を設けるのが望ましい。このように構成することにより、例えば通常運転時においては、MHタンクを迂回させて、冷却水を燃料電池とラジエータとの間でのみ循環させることで、燃料電池を効率良く冷却することができ、また、暖機時においては、ラジエータを迂回させて、冷却水を燃料電池とMHタンクとの間でのみ循環させることで、燃料電池を効率良く暖機することができる。
前記各実施形態では、暖機終了後にMH再生モードに移行させるようにしたが、本発明はこれに限定されず、MH再生モードを行うタイミングはいつでもよい。すなわち、例えばMHタンク内に蓄えた水素ガスを燃料電池の停止時に使用する場合には、その際に前記各実施形態で示したMH再生モードを行うようにしてもよい。
前記各実施形態では、燃料電池4の温度を直接する検出する温度センサTS1と冷却水の温度を検出する温度センサTS2を設けたが、本発明はこれに限定されず、例えば燃料電池4に流入していく冷却水の温度を検出する温度センサと、燃料電池4から出て行く冷却水の温度を検出する温度センサを設けることで、燃料電池4の温度と冷却水の温度を測定するようにしてもよい。
第3の実施形態では、1次可変レギュレータCR1によってMH再生時における中圧水素ライン8bの圧力を下げているので、第1,第2の実施形態において中圧水素ライン8bの圧力を下げるのに寄与している中圧バルブ81は第3の実施形態においてはなくてもよい。なお、このように中圧バルブ81をなくした場合は、高圧水素タンク7における図示せぬ遮断弁が、特許請求の範囲にいう「開閉弁」に相当することとなる。
第1の実施形態に係る燃料電池システムを示す構成図である。 ECUの動作を示すフローチャートである。 燃料電池の暖機時における水素ガスの流れを示す構成図である。 MH再生時における水素ガスの流れを示す構成図である。 MH再生中に高出力要求指令が出力されたときの水素ガスの流れを示す構成図である。 第2の実施形態に係る燃料電池システムを示す構成図である。 ECUの動作を示すフローチャートである。 燃料電池の暖機時における水素ガスの流れを示す構成図である。 MH再生時における水素ガスの流れを示す構成図である。 MH再生中に高出力要求指令が出力されたときの水素ガスの流れを示す構成図である。 第3の実施形態に係る燃料電池システムを示す構成図である。 ECUの動作を示すフローチャートである。 燃料電池の暖機時における水素ガスの流れを示す構成図である。 MH再生時における水素ガスの流れを示す構成図である。 MH再生中に高出力要求指令が出力されたときの水素ガスの流れを示す構成図である。
符号の説明
3 MHタンク
31 水素吸蔵合金
32 MH用流路
33 MH用遮断弁
34 排出用流路
35 逆止弁
4 燃料電池
5 ECU
6 コンプレッサ
7 高圧水素タンク(高圧水素供給手段)
8 水素ガス供給路
81 中圧バルブ(開閉弁)
9 循環流路
91 パージ水素配管
92 パージ弁
CR1 1次可変レギュレータ
CR2 2次可変レギュレータ
R1 1次レギュレータ
S 燃料電池システム

Claims (5)

  1. 水素ガスと酸化剤ガスとの反応により発電する燃料電池と、
    前記燃料電池に高圧の水素ガスを供給する高圧水素供給手段と、
    前記燃料電池と前記高圧水素供給手段とを繋ぐ水素ガス供給路と、
    前記水素ガス供給路の連通状態を切り替える開閉弁と、
    水素吸蔵合金を内蔵したMHタンクと、
    前記水素ガス供給路のうちの前記開閉弁よりも下流側の部分と、前記MHタンクとを繋ぐMH用流路と、
    前記MH用流路の連通状態を切り替えるMH用遮断弁と、を備えた燃料電池システムであって、
    前記MHタンク内に蓄えた水素ガスを前記燃料電池に供給するときに、前記開閉弁を閉状態、前記MH用遮断弁を開状態とするMH再生手段と、
    前記MHタンク内に蓄えた水素ガスを前記燃料電池に供給している最中において、前記燃料電池に対して高出力要求指令が出力されたときに、前記開閉弁を開ける高出力稼動手段と、を備えたことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 請求項1に記載の燃料電池システムであって、
    前記高出力稼動手段は、前記開閉弁を開ける際に、前記MH用遮断弁を閉じることを特徴とする燃料電池システム。
  3. 水素ガスと酸化剤ガスとの反応により発電する燃料電池と、
    前記燃料電池に高圧の水素ガスを供給する高圧水素供給手段と、
    前記燃料電池と前記高圧水素供給手段とを繋ぐ水素ガス供給路と、
    前記水素ガス供給路の連通状態を切り替える開閉弁と、
    水素吸蔵合金を内蔵したMHタンクと、
    前記水素ガス供給路と前記MHタンクとを繋ぐMH用流路と、
    前記水素ガス供給路のうちの前記開閉弁よりも下流側の部分と、前記MHタンクとを繋ぐ排出用流路と、
    前記MH用流路の連通状態を切り替えるMH用遮断弁と、
    前記排出用流路内において前記MHタンクから前記水素ガス供給路への水素ガスの流れのみを許容する逆止弁と、を備えた燃料電池システムであって、
    前記MHタンク内に蓄えた水素ガスを前記燃料電池に供給するときに、前記開閉弁と前記MH用遮断弁の両方を閉状態とするMH再生手段と、
    前記MHタンク内に蓄えた水素ガスを前記燃料電池に供給している最中において、前記燃料電池に対して高出力要求指令が出力されたときに、前記開閉弁を開ける高出力稼動手段と、を備えたことを特徴とする燃料電池システム。
  4. 水素ガスと酸化剤ガスとの反応により発電する燃料電池と、
    前記燃料電池に高圧の水素ガスを供給する高圧水素供給手段と、
    前記燃料電池と前記高圧水素供給手段とを繋ぐ水素ガス供給路と、
    前記水素ガス供給路の連通状態を切り替える開閉弁と、
    水素吸蔵合金を内蔵したMHタンクと、
    前記水素ガス供給路のうちの前記開閉弁よりも下流側の部分と、前記MHタンクとを繋ぐMH用流路と、
    前記MH用流路の連通状態を切り替えるMH用遮断弁と、を備えた燃料電池システムであって、
    前記高圧水素供給手段から放出される水素ガスを減圧し、かつ、減圧後の圧力を任意に設定可能な1次可変レギュレータを、前記水素ガス供給路と前記MH用流路との接続部よりも上流側に設けるとともに、
    前記1次可変レギュレータで減圧された水素ガスをさらに減圧し、かつ、減圧後の圧力を任意に設定可能な2次可変レギュレータを、前記水素ガス供給路と前記MH用流路との接続部よりも下流側に設け、
    前記MHタンク内に蓄えた水素ガスを前記燃料電池に供給するときに、前記開閉弁を開けたままで、前記1次可変レギュレータの下流側の圧力を、前記MHタンク内の圧力よりも小さく、かつ、前記2次可変レギュレータの下流側の圧力以上に設定するとともに、前記MH用遮断弁を開状態とするMH再生手段と、
    前記MHタンク内に蓄えた水素ガスを前記燃料電池に供給している最中において、前記燃料電池に対して高出力要求指令が出力されたときに、前記開閉弁を開けたままで、前記1次可変レギュレータの下流側の圧力を、前記高出力要求指令に対応するFC要求圧力以上に設定するとともに、前記2次可変レギュレータの下流側の圧力を、前記FC要求圧力に設定する高出力稼動手段と、を備えたことを特徴とする燃料電池システム。
  5. 請求項4に記載の燃料電池システムであって、
    前記高出力稼動手段は、前記1次可変レギュレータおよび前記2次可変レギュレータを制御する際に、前記MH用遮断弁を閉じることを特徴とする燃料電池システム。
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