JP2006172923A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】低温起動時にのみ過電圧増加要因物質を低減する燃料電池システムを提供する。
【解決手段】燃料電池システムの起動時に、燃料電池1の温度を温度センサ16によって検出し、燃料電池システムが低温起動時の場合にだけ、カソード42の過電圧増加要因物質を低減した状態でコンプレッサ3と水素ボンベ2から空気と水素を供給し、発電を開始する。
【選択図】 図1

Description

本発明は燃料電池システムに関するものである。
燃料電池システムに過電圧増大要因物質が存在していると、例えば電解質膜などに担持した触媒の表面に過電圧増大物質が付着し、燃料電池の発電を妨げ、つまり発電効率を低下させる。
従来、燃料電池システムにおいて燃料電池に過電圧増大要因物質を除去するための触媒を設けたものが、特許文献1に開示されている。
特開9−27326号公報
過電圧増大要因物質による燃料電池の発電効率の低下は、燃料電池システムの低温起動時に顕著に表れることが分かっている。
しかし、上記の発明では、燃料電池システムの起動時にも常に過電圧増大物質を除去するための触媒によって過電圧増大物質を除去しているので、過電圧増大物質の影響が少ない通常の燃料電池システムの起動でも、触媒を活性化させるために時間が掛かるために燃料電池システムの起動時間が長くなるといった問題点がある。
また、過電圧増大要因物質の影響が少ない通常の起動時にも過電圧増加要因物質を除去すると、例えば触媒の劣化が進み易く、燃料電池システムのメンテナンスの回数を多く行わなければならないといった問題がある。
本発明ではこのような問題点を解決するために発明されたもので、燃料電池システムの低温起動時にのみ過電圧増大物質を除去することで通常の燃料電池システムの起動時間を短くし、また燃料電池システムのメンテナンスを低減することを目的とする。
本発明では、電解質膜と、電解質膜の両側に触媒を担持したガス拡散層を有するアノードとカソードから構成される単位セルを積層した燃料電池と、アノードに水素を主成分とする燃料を供給する燃料供給手段と、カソードに酸化剤を供給する第1酸化剤供給手段と、を備えた燃料電池システムにおいて、燃料電池の温度を検出する温度検出手段と、カソードの過電圧増加要因物質を低減する過電圧増加要因物質低減手段と、を備える。そして、燃料電池の起動時に燃料電池の温度が所定温度よりも低い場合にのみ、過電圧増加要因物質を低減した状態で、燃料供給手段と第1酸化剤供給手段によって供給される燃料と酸化剤によって発電を開始する。
本発明によると、燃料電池システムの低温起動時には過電圧増加要因物質低減手段によって過電圧増加要因物質を低減して燃料電池の発電を行うので、過電圧増加要因物質が燃料電池の発電効率に与える影響が大きい低温起動時には燃料電池の発電効率の低下を抑制し、燃料電池システムを素早く起動させることができ、過電圧増加要因物質が燃料電池の発電効率に与える影響が少ない通常起動時には過電圧増加要因物質を低減せずに燃料電池システムを起動させるので起動時間を短くすることができる。また、通常起動時には過電圧増加要因物質を低減しないので、例えば過電圧増加要因物質低減手段の交換などの回数を減らすことができる。
本発明の第1実施形態の燃料電池システムの構成を図1の概略図を用いて説明する。
この実施形態では水素と空気中の酸素によって発電を行う燃料電池1と、後述する燃料電池1のアノード41に水素を供給する水素ボンベ2と、燃料電池1の通常の発電時に後述する燃料電池1のカソード42に空気(酸化剤)を供給するコンプレッサ(第1酸化剤供給手段)3と、燃料電池1の低温起動時に燃料電池1のカソード42に空気を供給するコンプレッサ(第2酸化剤供給手段)4を備える。
燃料電池1は単位セル40を積層して構成される。ここで単位セル40について図2の概略構成図を用いて説明する。単位セル40は電解質膜30と、電解質膜30を挟持し触媒層31a、触媒層31bを担持するガス拡散層32a、ガス拡散層32bを備える。さらにガス拡散層32aの外側にガス拡散層32aに水素を供給する水素流路33を有するアノードセパレータ34aを備え、ガス拡散層32bの外側にガス拡散層32bに空気を供給する空気流路35を有するカソードセパレータ34bを備える。ここでは触媒層31aとガス拡散層32aとアノードセパレータ34aをアノード41とし、触媒層31bとガス拡散層32bとカソードセパレータ34bをカソード42とする。
アノードセパレータ34aとカソードセパレータ34bは水素流路33または空気流路35を設けた面の背面に単位セル2を冷却する冷却水が流れる冷却水流路36を設ける。
また、水素ボンベ2から燃料電池1へ水素を供給する水素供給路5と、燃料電池1の発電反応に使用されなかった排出水素を再び燃料電池1に供給する水素循環路6と、排出水素中に例えば窒素などの不純物の濃度が高くなった場合に排出水素を燃料電池システムの外部へ排出する水素排出路8を備える。また、水素循環路6には排出水素を循環させるための水素循環ポンプ7を備える。さらに、水素供給路5と水素排出路8にはそれぞれバルブ9、10を設ける。バルブ9、10の開度を調整することで、水素供給路5、水素循環路6、水素排出路8を流れる水素または排出水素の流量を制御することができる。
また、燃料電池システムの通常運転時にコンプレッサ3から燃料電池1へ空気を供給する第1空気供給路11と、燃料電池システムの低温起動時にコンプレッサ4から燃料電池1へ空気を供給する第2空気供給路12と、燃料電池1の発電に使用されなかった排出空気を燃料電池システムの外部へ排出する空気排出路13を備える。第2空気供給路12は第1空気供給路11と連結し、連結箇所よりも上流側の第2空気供給路12にはコンタミ除去装置14(過電圧増加要因物質低減手段)と、バルブ15を備える。
コンタミ除去装置14は、空気中に含まれる一酸化炭素、硫黄化合物、窒素化合物、または埃や塵などの過電圧増加要因物質(以下、コンタミとする)を除去する。コンタミが燃料電池1中に存在すると、触媒層31a、31bの活性が低下し、水素または空気の拡散性を阻害し、燃料電池1の過電圧の増大が顕著になり、燃料電池1の出力が低下する。すなわち燃料電池1の発電効率が低下する。なお、コンタミによる燃料電池1の発電効率の低下は燃料電池1が低温の場合に顕著に表れる。コンタミ除去装置14にはゼオライトや活性炭などの吸着材や、ハニカム触媒などの酸化触媒などを使用する。また複数のコンタミ除去装置14を用いてもよい。
燃料電池1には燃料電池1の温度を検出する温度センサ(温度検出手段)16を設ける。温度センサ16はサーミスタや熱電対などを使用する。温度センサ16は燃料電池1の内部に配置することが望ましいが、燃料電池1の外部表面に設けても良い。また、燃料電池1の近傍に配置し、温度センサ16によって検出した燃料電池1近傍の温度から燃料電池1の温度を推定しても良い。
また、燃料電池1の温度によってコンプレッサ3、4やバルブ9、10、15などを制御するコントローラ50を備える。
なお、図示しないが燃料電池1を冷却する冷却装置を備える。
以上の構成によって、燃料電池システムの低温起動時にのみ、コンタミ除去装置14によって空気中のコンタミを除去することができる。
次に燃料電池システムの起動制御について図3のフローチャートを用いて説明する。
ステップS100では、燃料電池システムの起動トリガーがON、例えば起動スイッチがONとなると温度センサ16によって燃料電池1の温度Tを検出する。
ステップS101では、燃料電池1の温度Tが0℃以下かどうか判断する。つまり燃料電池システムが低温起動かどうか判断する。そして、温度Tが0℃以下である場合には、ステップS102へ進み、温度Tが0度以下ではない場合にはステップS107へ進む。なお、この実施形態では低温起動かどうかを判断する温度を0℃としたが、この温度に限られることはない。
ステップS102では、バルブ5を開き、コンプレッサ4を起動し燃料電池1に第2空気供給路12を介して空気の供給を開始する。コンプレッサ4から供給される空気はコンタミ除去装置14によって空気中のコンタミが除去されている。空気中のコンタミをコンタミ除去装置14により除去することで燃料電池1のカソード42へのコンタミの付着を抑制し、燃料電池1の発電効率の低下を抑制することができる。
ステップS103では、バルブ9を開き、水素ボンベ2から燃料電池1に水素の供給を開始し、燃料電池1において水素と空気中の酸素によって発電を開始する。ステップS102でコンタミ除去装置14によって空気中のコンタミが除去されているので、燃料電池1の発電効率を良くすることができ、発電に伴う発熱で燃料電池1を暖機することができ、燃料電池システムの低温時の起動時間を短くすることができる。なお、燃料電池1をヒータなどによって暖機しても良い。
ステップS104では、温度センサ16によって燃料電池1の温度Tを検出し、温度Tが0℃以下かどうか判断する。そして温度Tが0℃よりも高くなるとステップS105へ進む。なお、ここでは温度Tと比較する温度として0℃としたが、0℃に限られることはない。また、ステップS101によって判断した温度と同じ温度としても良い。
ステップS105では、コンプレッサ3を起動し、コンプレッサ3から燃料電池1へ空気の供給を開始する。
ステップS106では、バルブ5を閉じ、コンプレッサ4を停止し、コンプレッサ4から燃料電池1への空気の供給を停止する。
ステップS104において燃料電池1の温度Tが0℃よりも高くなるとコンプレッサ4からの空気供給の代わりにコンプレッサ3から燃料電池1へ空気を供給する。燃料電池1の温度Tが比較的高くなるとコンタミによる燃料電池1の発電効率への影響は少ない、つまりコンタミ除去装置14によってコンタミを除去しなくても、燃料電池1の発電効率を高く保つことができるので、コンタミ除去装置14を介さずに空気を供給する。これによりコンタミ除去装置14によって回収されるコンタミの量を減らすことができ、コンタミ除去装置14の部品交換の回数を減らすことができる。
一方、ステップS101において燃料電池1の温度Tが0℃よりも高いと判断された場合、すなわち燃料電池システムの起動が低温起動ではないと判断された場合には、ステップS107へ進む。ステップS107では、コンプレッサ3を起動し、コンプレッサ3から第1空気流路11を介して燃料電池1へ空気の供給を開始する。
ステップS108では、バルブ1を開き、水素ボンベ2から燃料電池1へ水素の供給を開始して、燃料電池1の通常の発電を開始する。
以上の制御によって燃料電池システムの低温起動時の場合にのみ、空気中のコンタミをコンタミ除去装置14によって除去した空気を燃料電池1に供給するので、燃料電池1の発電効率の低下を抑制し、さらにコンタミ除去装置14の部品交換を少なくすることができる。
本発明の第1実施形態の効果について説明する。
燃料電池システムにおいて、燃料電池1の温度が所定温度よりも低い場合、つまり低温起動時の場合にだけ、燃料電池1のカソード42へ供給する空気をコンタミ除去装置14を介して供給し、コンタミ除去装置14によって空気中のコンタミを除去することで、低温起動時の燃料電池1のコンタミによる発電効率の低下を抑制することができ、燃料電池1の発電反応による発熱によって燃料電池1を素早く暖機することができる。
更にコンタミの影響が少なくなる場合、つまり所定温度よりも燃料電池1の温度高くなった場合には、コンタミ除去装置14を介さずに燃料電池1へ空気を供給することによりコンタミ除去装置14の使用頻度を減少することができ、コンタミ除去装置14を小型にすることができる。また、コンタミ除去装置14の部品交換の頻度を低減、またはコンタミ除去装置14の故障率を低下することができる。
次に本発明の第2実施形態の燃料電池システムの構成を図4の概略図を用いて説明する。第2実施形態については図1と異なる部分を中心に説明する。この実施形態は第1実施形態のコンタミ除去装置14の代わりに窒素ボンベ(不活性ガス供給手段)20と、窒素ボンベ20から燃料電池1のカソード42へ窒素(不活性ガス)を供給する窒素供給路21を備える。窒素供給路21は第1空気供給路11と連結する。また窒素供給路21にはバルブ22を備える。
また、燃料電池1に残った水素または空気中の酸素を消費する放電抵抗(電力消費手段)23と、燃料電池1と放電抵抗23を電気的に接続するための回路24を備える。回路24にはスイッチ(切換手段)25を設け、スイッチ25によって放電抵抗23と燃料電池1との電気的な接続を選択的に切り換える。
以上の構成によって、燃料電池システムの低温起動時に窒素を燃料電池1に供給し、燃料電池1を素早く暖機することができる。
次にこの実施形態の燃料電池システムの起動制御について図5のフローチャートを用いて説明する。なお、燃料電池システムを停止する際にはスイッチ25をONとして放電抵抗23を燃料電池1と電気的に接続させ、燃料電池1に残った水素と空気中の酸素を消費する。
ステップS200では、燃料電池システムの起動トリガーがON、例えば起動スイッチがONとなると温度センサ16によって燃料電池1の温度Tを検出する。
ステップS201では、燃料電池1の温度Tが0℃以下かどうか判断する。つまり燃料電池システムが低温起動かどうか判断する。そして、温度Tが0℃以下である場合には、ステップS202へ進み、温度Tが0度以下ではない場合にはステップS209へ進む。なお、ここでは低温起動かどうかを判断する温度を0℃としたが、この温度に限られることはない。
ステップS202では、バルブ22を開き、窒素ボンベ20から燃料電池1のカソード42へ窒素の供給を開始する。燃料電池1のカソード42において例えば白金などの触媒は、所定の電位(対水素電極、すなわちアノード41の電位に対して或る電位)以上となると、触媒の表面に酸化被膜が形成される割合が大きくなるが、燃料電池1のカソード42に窒素を供給することで、カソード42の電位を低くすることができる。触媒の表面に酸化被膜が形成されると、触媒の活性度が低下することで、燃料電池1の発電効率が低下し、特に低温起動時にはその影響が大きくなる。そこで窒素を燃料電池1のカソード42に供給することで、燃料電池1のカソード42の電位を触媒の表面から酸化被膜が乖離する所定電位まで電位を低下させ、触媒の表面に形成された酸化被膜を乖離させる。これによって低温起動時における燃料電池1の発電効率の低下を抑制することができる。
ステップS203では、窒素ボンベ20から燃料電池1のカソード42に窒素の供給を開始してから所定時間t1が経過したかどうか判断する。そして所定時間t1が経過するとステップS204へ進む。ここで所定時間t1は窒素がカソード42に均一に拡散し、カソード42の電位を低くし、触媒表面に形成された酸化被膜を乖離させるまでの時間であり、予め実験などにより予め設定する。
ステップS204では、バルブ9を開き、水素ボンベ2から燃料電池1に水素の供給を開始する。
ステップS205では、水素を燃料電池1へ供給してから所定時間t2を経過したかどうか判断する。そして、所定時間t2が経過するとステップS206へ進む。水素を供給することで、燃料電池1のカソード42に少量の空気が存在していると供給された水素とカソード42に存在する空気による発電反応によって燃料電池1の電圧が一瞬上昇することがあるが、その後燃料電池1の空気が無くなると電圧は降下する。ここで所定時間t2は燃料電池1の電圧が上昇した場合でも、その後電圧が降下する程度の時間であり、予め設定する。
ステップS206では、バルブ22を閉じ、窒素ボンベ20から燃料電池1のカソード42への窒素の供給を停止する。
ステップS207では、スイッチ25をOFFとして、放電抵抗23と燃料電池1の電気的な接続を切断する。
ステップS208では、コンプレッサ3から燃料電池1へ空気の供給を開始する。これによって燃料電池1は水素と空気中の酸素によって発電反応を開始する。低温起動時にはステップS202で触媒に表面に形成される酸化被膜を乖離させることにより、低温起動時の燃料電池1の発電効率を低下させる原因となる酸化被膜を乖離させることで、燃料電池1の発電効率を低下させずに発電を行うことが可能であり、燃料電池1の発電反応による発熱により燃料電池1を素早く暖機することができる。
一方、ステップS201において、燃料電池システムの起動が低温起動ではないと判断された場合には、ステップS209へ進む。ステップS209では、バルブ9を開き、水素ボンベ2から燃料電池1に水素の供給を開始する。
ステップS210では、水素を燃料電池1へ供給してから所定時間t2を経過したかどうか判断する。そして、所定時間t2が経過するとステップS207へ進む。水素を供給することで、燃料電池1のカソード42に少量の空気が存在していると供給された水素とカソード42に存在する空気中の酸素による発電反応によって燃料電池1の電圧が一瞬上昇することがあるが、その後燃料電池1の酸素が無くなると電圧は降下する。
燃料電池システムの通常の起動時には、触媒の表面に形成された酸化被膜は燃料電池1の発電効率の低下に影響を与えないので、燃料電池システムの通常の起動時には窒素を燃料電池1のカソード42に供給せずに起動する。これによって通常起動時の起動時間を短縮することができる。
以上の制御によって燃料電池システムの低温起動時の場合にのみ、窒素を燃料電池1のカソード42に供給し、低温起動時における燃料電池1の発電効率の低下を抑制することができ、通常起動時には燃料電池システムの起動時間を短縮することができる。
なお、この実施形態では窒素ボンベ20を用いて燃料電池1に窒素を供給したが、これに限られることはなく、窒素以外の不活性ガスや二酸化炭素、水素を用いてもよい。
また、この実施形態ではステップS203、またはステップS205において所定時間T1、T2の経過を判断基準としたが、その代わりに燃料電池1の電圧を検出し、電圧判断基準としても良い。
本発明の第2実施形態の効果について説明する。
低温起動時には燃料電池1のカソード42に窒素を供給し、触媒の表面に形成された酸化被膜を乖離させて燃料電池1の発電を行うことにより、燃料電池1に発電効率の低下を抑制し、燃料電池1の発電反応による発熱によって燃料電池1を素早く暖機することができる。
また、通常の起動時には窒素ボンベから窒素を供給せずに燃料電池システムを起動させるので、燃料電池システムの起動時間を短縮することができる。また、低温起動時にのみ窒素を供給するので、窒素ボンベを小さくすることができ、燃料電池システムを小型にすることができる。
更に、窒素をカソードに供給した状態で水素をアノードに導入するため、水素導入時に放電抵抗スイッチONとすること、または微量のクロスオーバーによりカソードに生成する水を限りなくゼロに近づけることができ、生成水の凍結を防止できるので、氷点下起動性に優れる。
次に本発明の第3実施形態の燃料電池システムについて説明する。この実施形態の構成は第2実施形態と同じ構成なので、ここでの説明は省略する。この実施形態は第2実施形態と燃料電池システムの起動制御が異なっており、燃料電池システムの起動制御について図6のフローチャートを用いて説明する。なお、燃料電池システムを停止する際にはスイッチ25をONとして放電抵抗23を燃料電池1と電気的に接続させ、燃料電池1に残った水素と空気中の酸素を消費する。
ステップS300では、燃料電池システムの起動トリガーがON、例えば起動スイッチがONとなると温度センサ16によって燃料電池1の温度Tを検出する。
ステップS301では、燃料電池1の温度Tが0℃以下かどうか判断する。つまり燃料電池システムが低温起動かどうか判断する。そして、温度Tが0℃以下である場合には、ステップS302へ進み、温度Tが0度以下ではない場合にはステップS311へ進む。なお、ここでは低温起動かどうかを判断する温度を0℃としたが、この温度に限られることはない。
ステップS302では、スイッチ25をOFFとして放電抵抗23と燃料電池1の電気的な接続を切断する。
ステップS303ではバルブ22を開き、窒素ボンベ20から燃料電池1のカソード42へ窒素の供給を開始する。燃料電池1のカソード42において例えば白金などの触媒は、所定の電位以上(対水素電極)となると、触媒の表面に酸化被膜が形成される割合が大きくなるが、燃料電池1のカソード42に窒素を供給することで、カソード42の電位を低くすることができる。触媒の表面に酸化被膜が形成されると、触媒の活性度が低下することで、燃料電池1の発電効率が低下し、特に低温起動時にはその影響が大きくなる。そこで窒素を燃料電池1のカソード42に供給することで、燃料電池1のカソード42の電位を低下させ、触媒の表面に形成された酸化被膜を乖離させることができる。これによって低温起動時における燃料電池1の発電効率の低下を抑制することができる。
ステップS304では、窒素ボンベ20から燃料電池1のカソード42に窒素の供給を開始してから所定時間t1が経過したかどうか判断する。そして所定時間t1が経過するとステップS305へ進む。ここで所定時間t1は窒素がカソード42に均一に拡散するまでの時間であり、予め実験などにより設定する。
ステップS305バルブ9を開き、水素ボンベ2から燃料電池1に水素の供給を開始する。
ステップS306では、スイッチ25をONとして放電抵抗23と燃料電池1を電気的に接続する。
ステップS307では、水素を燃料電池1へ供給してから所定時間t2を経過したかどうか判断する。そして、所定時間t2が経過するとステップS206へ進む。水素を供給することで、燃料電池1のカソード42に少量の空気が存在していると供給された水素とカソード42に存在する空気による発電反応によって燃料電池1の電圧が一瞬上昇することがあるが、その後燃料電池1の空気が無くなると電圧は降下する。ここで所定時間t2は燃料電池1の電圧が上昇した場合でも、その後電圧が降下する程度の時間であり、予め設定する。
燃料電池1に放電抵抗23を接続すると、燃料電池1のカソード42は低電位となり、カソード42の触媒やカーボンなどの触媒担持体の酸化腐食を抑制することができるが、低温起動時には燃料電池1が高電位となることで生じる酸化腐食の影響が少なくなる。これは、酸化腐食現象の酸化剤として機能する水が氷として存在するために低温起動時には酸化腐食現象が抑制されるからである。ステップS302からステップS307の制御によってスイッチ25をOFFとして水素を供給することで一時的に燃料電池1を高電位とすることができ、触媒表面に付着しているコンタミを酸化除去することができる。
ステップS308では、バルブ22を閉じ、窒素ボンベ20から燃料電池1のカソード42への窒素の供給を停止する。
ステップS309では、スイッチ25をOFFとして、放電抵抗23と燃料電池1の電気的な接続を切断する。
ステップS310では、コンプレッサ3から燃料電池1へ空気の供給を開始する。これによって燃料電池1は水素と空気中の酸素によって発電反応を開始する。低温起動時にはステップS303で触媒に表面に形成される酸化被膜を乖離させることにより、低温起動時の燃料電池1の発電効率を低下させる原因となる酸化被膜を乖離させることで、燃料電池1の発電効率を低下させずに発電を行うことが可能であり、燃料電池1の発電反応による発熱により燃料電池1を素早く暖機することができる。
一方、ステップS301において、燃料電池システムの起動が低温起動ではないと判断された場合には、ステップS311へ進む。ステップS311では、バルブ9を開き、水素ボンベ2から燃料電池1に水素の供給を開始する。
ステップS312では、水素を燃料電池1へ供給してから所定時間t2を経過したかどうか判断する。そして、所定時間t2が経過するとステップS309へ進む。水素を供給することで、燃料電池1のカソード42に少量の空気が存在していると供給された水素とカソード42に存在する空気による発電反応によって燃料電池1の電圧が一瞬上昇することがあるが、その後燃料電池1の空気が無くなると電圧は降下する。
燃料電池システムの通常の起動時には、触媒の表面に形成された酸化被膜は燃料電池1の発電効率の低下に影響を与えないので、燃料電池システムの通常の起動時には窒素を燃料電池1のカソード42に供給せずに起動する。これによって通常起動時の起動時間を短縮することができる。
以上の制御によって燃料電池システムの低温起動時の場合にのみ、窒素を燃料電池1のカソード42に供給し、低温起動時における燃料電池1の発電効率の低下を抑制することができ、通常起動時には燃料電池システムの起動時間を短縮することができる。また、燃料電池1を高電位とすることで、触媒などに付着したコンタミを酸化除去することができる。
本発明の第3実施形態の効果について説明する。
この実施形態では、第2実施形態の効果に加えて、スイッチ25をOFFとして一時的に燃料電池1を高電位とすることで、触媒に付着したコンタミを酸化除去することができる。
次に本発明の第4実施形態の燃料電池システムの構成を図7の概略図を用いて説明する。この実施形態は第1実施形態においてコンプレッサ4、第2空気供給路12を設けずに、コンプレッサ3によって燃料電池1のカソード42へ空気を供給する。この構成によってカソード42に付着したコンタミをパージして燃料電池1を起動させることができる。
次に燃料電池システムの起動制御について図8のフローチャートを用いて説明する。
ステップS400では、燃料電池システムの起動トリガーがON、例えば起動スイッチがONとなると温度センサ16によって燃料電池1の温度Tを検出する。
ステップS401では、燃料電池1の温度Tが0℃以下かどうか判断する。つまり燃料電池システムが低温起動かどうか判断する。そして、温度Tが0℃以下である場合には、ステップS402へ進み、温度Tが0度以下ではない場合にはステップS405へ進む。なお、この実施形態では低温起動かどうかを判断する温度を0℃としたが、この温度に限られることはない。
ステップS402では、コンプレッサ3を起動し燃料電池1に第1空気供給路12を介して空気の供給を開始する。コンプレッサ3から空気を燃料電池1のカソード42に供給することで、カソード42に付着したコンタミをパージすることができる。
ステップS403では、コンプレッサ3から燃料電池1へ空気を供給してから所定時間T3が経過したかどうか判断する。そして所定時間T3が経過するとステップS404へ進む。所定時間T3は燃料電池1のカソード42に付着したコンタミを燃料電池1からパージ可能とする時間である。
ステップS404では、バルブ9を開き、水素ボンベ2から燃料電池1に水素の供給を開始し、燃料電池1において水素と空気中の酸素によって発電を開始する。ステップS102でコンタミ除去装置14によって空気中のコンタミが除去されているので、燃料電池1の発電効率を良くすることができ、発電に伴う発熱で燃料電池1を暖機することができ、燃料電池システムの低温時の起動時間を短くすることができる。なお、燃料電池1をヒータなどによって暖機しても良い。
一方、ステップS401において燃料電池1の温度Tが0℃よりも高いと判断された場合、すなわち燃料電池システムの起動が低温起動ではないと判断された場合には、ステップS405へ進む。ステップS405では、コンプレッサ3を起動し、コンプレッサ3から第1空気流路11を介して燃料電池1へ空気の供給を開始する。その後ステップS404へ進む。
以上の制御によって、簡易な燃料電池システムにおいても、コンタミを燃料電池1からパージした後に発電を開始することで、低温起動時に燃料電池システムの暖機を早めることができる。
次に第4実施形態の効果について説明する。
この実施形態では、例えばコンタミ除去装置14などを用いない簡易な燃料電池システムにおいても、低温起動時に燃料電池1にコンプレッサ3から空気を供給し、燃料電池1のカソード42からコンタミをパージした後に水素を供給し、発電を開始することで、燃料電池1の発電効率を低下させるコンタミの影響を少なくし、低温起動時の燃料電池1のコンタミによる発電効率の低下を抑制することができ、燃料電池1の発電反応による発熱によって燃料電池1を素早く暖機することができる。
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内でなしうるさまざまな変更、改良が含まれることは言うまでもない。
起動、停止を頻繁に行う燃料電池自動車に利用することができる。
本発明の第1実施形態の燃料電池システムの構成概略図である。 本発明の単位セルの構成概略図である。 本発明の第1実施形態の起動時制御を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態の燃料電池システムの構成概略図である。 本発明の第2実施形態の起動時制御を示すフローチャートである。 本発明の第3実施形態の起動時制御を示すフローチャートである。 本発明の第4実施形態の燃料電池システムの構成概略図である。 本発明の第4実施形態の起動時制御を示すフローチャートである。
符号の説明
1 燃料電池
2 水素ボンベ(水素供給手段)
3 コンプレッサ(第1酸化剤供給手段)
4 コンプレッサ(第2酸化剤供給手段)
14 コンタミ除去装置(過電圧増加要因物質低減手段)
16 温度センサ(温度検出手段)
20 窒素ボンベ(不活性ガス供給手段)
23 放電抵抗(電力消費手段)
25 スイッチ(切換手段)
30 電解質膜
31a、31b 触媒層
32a、32b ガス拡散層
40 単位セル
41 アノード
42 カソード

Claims (7)

  1. 電解質膜と、前記電解質膜の両側に触媒を担持したガス拡散層を有するアノードとカソードから構成される単位セルを積層した燃料電池と、
    前記アノードに水素を主成分とする燃料を供給する燃料供給手段と、
    前記カソードに酸化剤を供給する第1酸化剤供給手段と、を備えた燃料電池システムにおいて、
    前記燃料電池の温度を検出する温度検出手段と、
    前記カソードの過電圧増加要因物質を低減する過電圧増加要因物質低減手段と、を備え、
    前記燃料電池の起動時の温度が所定温度よりも低い場合にのみ、前記過電圧増加要因物質を低減した状態で、前記燃料供給手段と前記第1酸化剤供給手段によって供給される前記燃料と前記酸化剤によって発電を開始することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記過電圧増加要因物質低減手段を介して前記カソードに酸化剤を供給する第2酸化剤供給手段を備え、
    前記燃料電池の起動時に前記燃料電池の温度が前記所定温度よりも低い場合にのみ、前記第2酸化剤供給手段によって前記カソードに前記酸化剤を供給し、前記燃料電池の温度が所定温度よりも高くなった後に、前記第1酸化剤供給手段によって前記カソードに前記酸化剤を供給することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記過電圧増加要因物質低減手段は、不活性ガスを前記カソードに供給する不活性ガス供給手段を備え、
    前記燃料電池の起動時に前記燃料電池の温度が前記所定温度よりも低い場合にのみ、前記不活性ガス供給手段によって前記カソードに前記不活性ガスを供給し、前記カソードの電位を所定電位よりも低くした後に、前記第1酸化剤供給手段によって前記カソードに前記酸化剤を供給することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  4. 前記燃料電池で発電した電力を消費する電力消費手段と、
    前記電力消費手段と前記燃料電池との電気的な接続を選択的に切り換える切換手段と、備え、
    前記燃料電池の起動時に前記燃料電池の温度が前記所定温度よりも低い場合に、前記不活性ガスを供給し、かつ前記アノードに前記燃料を供給した後に前記電力消費手段を前記燃料電池に接続することを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. 前記所定電位が前記カソードの前記触媒の表面に形成された酸化被膜を前記触媒の表面から乖離する電位であることを特徴とする請求項3または4に記載の燃料電池システム。
  6. 前記燃料電池の起動時に前記燃料電池の温度が前記所定温度よりも低い場合に、前記第1酸化剤供給手段によって前記酸化剤を供給し、所定時間経過した後に前記燃料を供給することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  7. 前記所定温度が氷点あることを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載の燃料電池システム。
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