JP2006172859A - プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法 - Google Patents

プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法 Download PDF

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Hiroshi Hayata
博 早田
Takafumi Okuma
崇文 大熊
Hideki Yamashita
英毅 山下
Yuichi Nakagami
裕一 中上
Tadashi Kimura
忠司 木村
Masaharu Terauchi
正治 寺内
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Abstract

【課題】剥離がなく耐スパッタ性の高い保護膜を実現し高輝度で長寿命なPDPを提供する。
【解決手段】前面ガラス基板11上に表示電極12と誘電体層13と第一の保護膜14と第二の保護膜15とを備えた前面板10と、背面ガラス基板21上にアドレス電極22と下地誘電体層23と隔壁24と蛍光体層25とを備えた背面板20とが、放電空間30を介して対向配置され、第一の保護膜14の膜密度と第二の保護膜15の膜密度とを異ならせている。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラズマディスプレイパネルとその製造方法に関し、特に前面板の保護膜の構成とその製造方法に関する。
従来の一般的なAC型で面放電型のプラズマディスプレイパネル(以下PDPと称する)の構成を図面を用いて説明する。図8は従来のPDPのセル構造を示す断面図である。図8に示すように、PDPは前面板80と背面板81とで形成され、放電空間82に放電ガスが封入されている。前面板80は、ガラス基板83上に、複数の対になった平行な表示電極84、誘電体層85、MgOからなる保護膜86を順に積層させたものであり、背面板81は、ガラス基板87上に、複数の平行なデータ電極88、誘電体層89、隔壁90、蛍光体層91を形成したものである。
PDPが画像を表示する動作は以下のとおりである。まず背面板81のデータ電極88と前面板80の表示電極84との間で予備放電を発生させて放電させる放電セルを選択し、次に、対になった表示電極84間に電圧をかける。表示電極84間に電圧をかけると放電セル内のXeとNeなどの混合ガスが電離してプラズマ放電が発生し、そのプラズマから発生した紫外線が蛍光体層91を発光させることで画像を表示することができる。
MgOからなる保護膜86は、プラズマ放電によって誘電体層85が削られて放電が不安定になるのを防ぐために設けられているものである。
近年PDPの輝度を向上するため、PDP内でプラズマを発生させるガスのXe分圧を上げることが必要とされるようになってきた。ところがXe分圧が上がると、MgOからなる保護膜86のスパッタが加速されて短期間で保護膜が削られ、PDPの寿命が短くなるという課題が発生してきた。これらの課題を解決するために、MgO保護膜の膜密度を大きくしてプラズマ放電によるスパッタが起こりにくい(以下「耐スパッタ性が高い」と表現)保護膜を形成することが試みられてきた。膜密度の大きい保護膜を形成する方法としては成膜中の酸素分圧と基板温度を調整して保護膜を形成する方法が提案されている(例えば特許文献1)。また成膜中の加熱電流を調整して膜密度の大きい保護膜を成膜する方法も提案されている(例えば特許文献2)。
特開2000−277009号公報 特開平9−272966号公報
しかしながら、前記特許文献1、2に示されているMgOからなる保護膜のように全膜厚方向にわたって膜密度の大きい保護膜は、耐スパッタ性には優れるものの内部応力が大きく剥離しやすいという問題点があった。保護膜の剥離は基板と膜の間で発生する。密度の大きい保護膜はその内部応力で変形し付着力の弱い部分が剥がれることとなる。この問題を解決するに基板にプラズマクリーニングなどの前処理を行い、保護膜の基板に対する付着力を上げるという方法も考えられるが基板自体に無理な応力がかかり変形や局所的な破壊の原因となり別の問題を引き起こすこととなる。
本発明は、このような課題を解決するもので、剥離がなく、耐スパッタ性が高い保護膜を形成することにより、高輝度で長寿命なPDPを提供するものである。
上記課題を解決するために、本発明のPDPは、第一のガラス基板上に第一の電極と第一の誘電体層と第一の保護膜と第二の保護膜とを備えた第一の基板と、第二のガラス基板上に第二の電極と隔壁と蛍光体層とを備えた第二の基板とが、放電空間を介して対向配置されたPDPであって、第一の保護膜の膜密度と第二の保護膜の膜密度とが異なることを特徴としている。
このような構成によれば、誘電体との剥離強度と耐スパッタ性を両立させることができる保護膜が得られ、高輝度で長寿命なPDPを実現することができる。
さらに、第一の保護膜を第一の誘電体層と第二の保護膜との間に配置し、第一の保護膜の膜密度を第二の保護膜の膜密度より小さくしてもよい。このような構成によれば、膜密度の小さい第一の保護膜は容易に変形するので第一誘電体層に膜密度の大きい第二の保護膜が及ぼす力を緩和することができ、第一の誘電体層と第二の保護膜との剥離を防ぐことができる。従って膜密度の大きい第二の保護膜を厚く形成でき、パネル内での放電によって保護膜がスパッタされる影響を低減してパネルの寿命を延ばすことができる。
さらに、第一の保護膜の厚さが、第一の保護膜の厚さと第二の保護膜の厚さとの合計の1/3以下であってもよい。このような構成によれば、膜密度の小さい第一の保護層は応力緩和作用を発揮するに十分な厚さを有し、膜密度の大きい第二の保護層はパネルの寿命を伸ばすのに十分な厚さを有する。
また、本発明のPDPの製造方法は、第一のガラス基板上に第一の電極と第一の誘電体層とを形成し、蒸発源にエネルギビームを照射して蒸発させ、第一の成膜条件にて前記第一の誘電体層上に第一の保護膜を形成し、第一の成膜条件と異なる第二の成膜条件にて第一の保護膜上に第二の保護膜を形成して第一の基板を製造し、第二のガラス基板上に第二の電極と隔壁と蛍光体層とを形成して第二の基板を製造し、第一の基板と前記第二の基板とを放電空間を介して対向配置させることを特徴としている。
このような製造方法によれば、誘電体との剥離強度と耐スパッタ性を両立させることができる保護膜が得られ、高輝度で長寿命なPDPを実現することができる。
さらに、第一の保護膜と第二の保護膜を形成する際に酸素ガスを導入し、第一の成膜条件での酸素ガス導入量を、第二の成膜条件での酸素ガス導入量より多くしてもよい。このような製造方法によれば、第一の保護膜の膜密度を第二の保護膜の膜密度より小さくすることができ、しかも酸素ガス流量は流量制御装置で容易に制御できるので信頼性の高い保護膜を形成することができる。
さらに、第一の保護膜と第二の保護膜を形成する際に水素ガスを導入し、第一の成膜条件での水素ガス導入量を、第二の成膜条件での水素ガス導入量より少なくしてもよい。このような製造方法によれば、第一の保護膜の膜密度を第二の保護膜の膜密度より小さくすることができ、しかも保護膜の膜密度は酸素ガス流量より水素ガス流量に敏感であるから膜密度の異なる膜を容易に形成することができる。
さらに、第一の保護膜と第二の保護膜を形成する際に水蒸気を導入し、第一の成膜条件での水蒸気導入量を、第二の成膜条件での水蒸気導入量より少なくしてもよい。このような製造方法によれば、第一の保護膜の膜密度を第二の保護膜の膜密度より小さくすることができ、しかも水素より安全に、酸素より確実に膜密度の異なる層を形成できる。
さらに、第一の保護膜と第二の保護膜を形成する際に、第一の電極と第一の誘電体層とが形成された第一のガラス基板を加熱し、第一の成膜条件での前記第一のガラス基板の温度を、第二の成膜条件での前記第一のガラス基板の温度より低くしてもよい。このような製造方法によれば、第一の保護膜の膜密度を第二の保護膜の膜密度より小さくすることができ、しかも保護膜の膜密度は基板温度で広範囲に変わるので確実に膜密度の違う層を形成することができる。
また、本発明のPDPの製造方法は、第一のガラス基板上に第一の電極と第一の誘電体層とを形成し、第一の誘電体層に第一の保護膜と第二の保護膜よりなる保護膜を形成し、真空蒸着法にて第一の誘電体層上に保護膜の厚さの2/3以上の第一の保護膜を形成し、スパッタ法にて第一の保護膜上に第二の保護膜を形成して第一の基板を製造し、第二のガラス基板上に第二の電極と隔壁と蛍光体層とを形成して第二の基板を製造し、第一の基板と第二の基板とを放電空間を介して対向配置させることを特徴としている。
このような製造方法によれば、第一の保護膜の膜密度を第二の保護膜の膜密度より小さくすることができ、膜密度の小さい第一の保護膜により第一誘電体層と膜密度の大きい第二の保護層との間の応力を緩和することができ、第一の誘電体層と第二の保護膜との剥離を防ぐことができる。従って膜密度の大きい第二の保護膜を厚く形成でき、パネル内での放電によって保護膜がスパッタされる影響を低減してパネルの寿命を延ばすことができる。
以上のように、本発明のPDPによれば、誘電体との剥離強度と耐スパッタ性を両立させることができる保護膜が得られ、高輝度で長寿命なPDPを実現することができる。
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の実施の形態におけるPDPの部分断面斜視図であり、図2は図1における矢印A方向からみた放電セルの部分断面図である。図1および図2において、PDP100は、第一の基板である前面板10と第二の基板である背面板20とが放電空間30を介して対向配置された構成となっている。前面板10は、第一のガラス基板である前面ガラス基板11上に対になった互いに平行な複数の第一の電極である表示電極12と発光時のコントラストを高めるためのブラックストライプと呼ばれる複数の光吸収層16が形成され、それらを覆うように第一の誘電体層である誘電体層13と、MgOからなる第一の保護膜14と、同じくMgOからなる第二の保護膜15とが形成されている。背面板20は、第二のガラス基板である背面ガラス基板21上に表示電極12と直交する複数の第二の電極であるアドレス電極22が形成され、それを覆うように第二の誘電体層である下地誘電体層23が形成され、下地誘電体層23上にアドレス電極22と平行な複数の隔壁24が形成され、さらに隔壁24と下地誘電体層23上には蛍光体層25が形成されている。
第一の保護膜14は、誘電体層13と第二の保護膜15との間に配置され、さらに第一の保護膜14の膜密度は第二の保護膜15の膜密度より小さく、第一の保護膜14の厚さは第一の保護膜14の厚さと第二の保護膜15の厚さとの合計の1/3以下という構成になっている。
隔壁24で区切られた放電空間30には、Ne−Xeの混合ガスなどからなる放電ガスが、53200Pa〜79800Paの圧力で封入されている。放電空間30において表示電極12とアドレス電極22との交点が放電セルを形成している。
このような構成において、まず表示電極12とアドレス電極22の間に電圧をかけるとこの間で小さな書き込み放電が生じ、その後、対になった表示電極12間で主放電が生じる。放電は放電セル内のXeとNeの混合ガスが電離したプラズマ放電であるが、そのプラズマから発生した紫外線が蛍光体層25に照射され、蛍光体層25が発光することで画像が表示される。
保護膜はプラズマによって誘電体層がスパッタされるのを防ぐために設けている層であり、材料として耐スパッタ性に優れるMgOを用いている。しかし保護膜自体もまたプラズマによって僅かづつではあるがスパッタされる。一方で、PDPの輝度を向上するためには、プラズマを発生させる放電ガスのXe分圧を上げる必要があるが、Xe分圧を上げると保護膜のスパッタが一層加速されてしまうという課題がある。これを防ぐためにはMgO保護膜の密度を大きくし膜厚を厚く形成することが効果的である。しかしこの場合、保護膜の大きな内部応力によって保護膜が剥離してしまうという問題があり、従来は膜密度が大きい保護膜を厚く形成することは困難であった。
本発明におけるPDPでは、保護膜を2層構成とし、誘電体層13と、膜密度を大きくし膜厚を厚く形成した第二の保護膜15との間に、膜密度を小さくし膜厚を薄く形成した第一の保護膜14を配置することにより、放電空間に対向する保護膜の耐スパッタ性を向上させるとともに、誘電体層13と第二の保護層15との間に発生する応力を第一保護膜14で緩和させ保護膜が剥離することを防ぐことができる。すなわち剥離がなく耐スパッタ性の高く、長時間のプラズマ放電に耐える保護膜を得ることができ、高輝度で長寿命なPDPが実現できる。
(第1の実施の形態)
図3は本発明の第1の実施の形態におけるPDPの製造方法に用いる保護膜製造装置の概略図である。図3において、真空チャンバ41は真空ポンプ42によって排気されている。真空チャンバ41には成膜に使用されるガスの供給配管43が接続されている。ガス供給配管は酸素ガス、水素ガス、水蒸気を適宜供給できるように構成されている。MgO保護膜44を形成する基板45は真空チャンバ41内を蒸発源46と対向しながら矢印Bの方向に搬送される。搬送のために必要な機構は図示していない。蒸発源46にはMgOペレットが敷き詰められており、EBガン47で加速された電子によって加熱される。加熱されたMgOペレットからはMgOが蒸発しMgOの蒸気48が基板45に付着することで成膜が行われる。真空チャンバ41はチャンバ隔壁によって2つのチャンバに分けられている。図3において右側チャンバ50において膜密度の小さい第一の保護膜を、左側チャンバ51において膜密度の大きい第二の保護膜を形成する。また、それぞれのチャンバには基板45を加熱するためのランプヒータ52が設置されている。
次にその動作に関して説明する。チャンバ41は真空ポンプ42によって10−6Pa程度の真空に排気される。その後、真空ポンプ42で排気しながらガス供給配管43により酸素ガスまたは水素ガスまたは水蒸気を導入する。これらのガスはマスフローコントローラー(図示せず)を通じて一定の流量に保たれる。
酸素ガス流量を制御して膜密度の異なる保護膜を形成する際には、右側チャンバ50では100sccm〜1000sccm、左側チャンバ51では0sccm〜10sccmの酸素ガス流量に保つ。また、水素ガス流量を制御して膜密度の異なる保護膜を形成する際には、右側チャンバでは0sccm〜10sccm、左側チャンバでは10sccm〜100sccmの水素ガス流量に保つ。さらに、水蒸気流量を制御して膜密度の異なる保護膜を形成する際は、右側チャンバでは0sccm〜10sccm、左側チャンバでは10sccm〜100sccmの水蒸気流量に保つ。このようにすることによって、いずれの場合も、誘電体層13に製膜される第一の保護膜14は膜密度が小さく、第一の保護膜上に形成され、放電に曝される第二の保護膜15は第一の保護膜14よりも大き膜密度を得ることができる。
また、誘電体層13が形成された基板45の温度を制御することでも膜密度を制御することが可能である。すなわち、第一の保護膜14が成膜される際の右側チャンバ50のランプヒータ52を制御して基板温度を100〜200℃に制御し、第二の保護膜15が成膜される際の左側チャンバ51のランプヒータ52を制御して基板温度を200℃〜400℃に保つことで実現できる。
電子ビーム蒸着法でこれらの保護膜を成膜する際には、EBガン47で10kV〜20kVで加速された電子を偏向コイル(図示せず)により破線53のように変更させてMgOペレットの表面に照射している。MgOペレットは電子の持つエネルギーで加熱されて蒸発し、蒸気流48が基板45に付着することで保護膜を形成している。
このような条件でEB電流値または基板45の搬送速度を調整することで、基板45上に膜密度が3.1g/cm〜3.25g/cmと小さい第一の保護膜を100nm形成し、その上に膜密度が3.3g/cm〜3.35g/cmと大きい第二の保護膜を900nmで積層することができる。膜密度が3.3g/cm〜3.35g/cmと大きい保護膜を単独で1000nmで成膜した場合は保護膜の剥離が発生するが、本実施の形態のように膜密度の小さい保護膜と膜密度の大きい保護膜を積層した場合は保護膜の剥離は観測されなかった。これは、基板45側の膜密度の小さい保護膜が変形し、膜密度の大きい保護膜の応力を吸収したためであると考えられる。ただし膜密度の小さい層が3.1g/cm3よりさらに膜密度が低下すると、膜密度の小さい層の中で破壊が発生し剥離が生じた。
図7はプラズマ放電によるイオン衝撃によるスパッタ消耗量を計測するシステムにより、MgO保護膜の密度と耐スパッタ性の関係を調べたグラフである。保護膜の厚さが1000nmの場合、単層では膜密度を3.25g/cm以下にしなければ剥離が発生するが、本実施の形態のように2層構造にすることにより膜密度を3.35g/cm以上に形成しても剥離を押さえることができる。本実施の形態で得られる膜密度3.35g/cmの保護膜は、膜密度3.25g/cmの保護膜に比べ約20%耐スパッタ性が向上する結果が得られた。すなわち本発明の保護膜を使えば大幅にパネルの寿命を向上できることが確認された。
また、膜密度の小さい第一の保護膜14の厚さが、第一の保護膜14の厚さと膜密度の大きい第二の保護膜15の厚さとの合計の1/3以下である場合が、誘電体層13との剥離強度と耐スパッタ性を両立させるのに適した構成であることが分かった。また第一の保護膜14の厚さが、第一の保護膜14の厚さと膜密度の大きい第二の保護膜15の厚さとの合計の1/9〜1/10以下である場合が最も適した構成である結果を得た。
(第2の実施の形態)
図4は本発明の第2の実施の形態におけるPDPの製造方法に用いる保護膜製造装置の概略図である。なお図4において図3と同じ構成部については同じ符号を用い説明を省略する。第1の実施の形態においては、真空チャンバ41内を二つのチャンバに分ける構成であったが、第2の実施の形態においては、図4に示すように搬送の前半部分と後半部分に独立制御できる蒸着源46またはランプヒータ52を配置した構成とし、一つのチャンバ内において成膜条件を変えるようにしたものである。この装置により、基板温度によって膜密度差を有する保護膜を形成することができる。PDPなど大面積への成膜において、製造装置の大きさを小さくできるという利点がある。
(第3の実施の形態)
図5は本発明の第3の実施の形態におけるPDPの製造方法に用いる保護膜製造装置の概略図である。なお図5において図3と同じ構成部については同じ符号を用いている。図5において、真空チャンバ41は真空ポンプ42によって排気されている。真空チャンバ41には成膜に使用されるガス供給配管43が接続されている。ガス供給配管43はアルゴンガス、酸素ガス、水素ガス、水蒸気を適宜供給する。MgO保護膜44を形成する基板45は真空チャンバ41内をスパッタ源55と対向して配置される。スパッタ源55はMgOまたはMgのターゲット56が高電圧のかかるスパッタ電極57上に置かれた構成となっている。スパッタ電極57にはスパッタ電源58が繋がれている。基板45の成膜面と反対側にはRF電力を印加することができるバイアス電源59に接続されたバイアス電極60が配置されている。
次に動作に関して説明する。チャンバ41は真空ポンプ42によって10−5Pa程度に真空排気される。その後真空ポンプ42で排気しながらガス供給配管43によりアルゴンガス、酸素ガスを導入し、チャンバ内の圧力を0.1Pa〜10Paに保つ。次に、スパッタ電源58によりスパッタ電極57に−1000v〜−5000vの交流または直流の高電圧を印加する。この電圧によりチャンバ内にプラズマが発生し、プラズマ中のイオンがターゲット56表面に衝突する。その際、ターゲット56のMgOがスパッタリングされスパッタ粒子61として飛び出し基板45に付着する。これによって基板45上に保護膜44を成膜することができる。スパッタ電極57に高電圧を印加している最中にバイアス電源59によってバイアス電極60にRF電力を印加することでプラズマ中のイオンを保護膜44に照射することができる。保護膜44に照射するイオンのエネルギーによって、基板45に到達したスパッタ粒子の動きを活発化できるので、RFバイアス電源60で印加する電力によって膜密度をコントロールできる。本実施の形態では、まず成膜開始から16秒の間4kw/mのRFバイアス電力を印加し、次の17秒間に4kw/m〜15kw/mまで徐々にRFバイアス電力を印加し、最後の338秒間に15kw/mのRFバイアス電力を印加した。これにより基板側に膜密度が3.25g/cm〜3.3g/cmと小さい保護膜を50nmとその上に膜密度が3.3g/cm〜3.4g/cmと中程度の保護膜を50nmを積層し、さらにその上に膜密度が3.4g/cm〜3.45g/cmと大きい保護膜を900nmを積層した。
膜密度が3.3g/cm〜3.35g/cmと大きい保護膜を単独で1000nmで成膜した場合は保護膜の剥離が発生したが、本実施の形態のように膜密度の小さい保護膜と膜密度が中程度の保護膜と膜密度の大きい保護膜とを積層し3層構造とした場合は膜密度を3.45g/cm以上に形成しても剥離を押さえることができる。これは、基板側の膜密度の小さい層および中程度の層が変形し、膜密度の大きい層の応力を緩和したためであると考えられる。図7に示すように膜密度3.45g/cmの保護膜は、膜密度3.25g/cmの保護膜に比べ約30%耐スパッタ性が向上するので、この製造方法により大幅にパネルの寿命を向上させることができる。これらはRFバイアス電力を制御することで保護膜の膜密度を変化させた例であるが、アルゴンガスの圧力を成膜初期に10Pa、成膜中期に10Pa〜0.5Paと変化させ、成膜最終期に0.5Paに保つ場合でも、アルゴンガスに散乱されながら基板に到達する粒子のエネルギーが徐々に高くなるため、前記と同様に保護膜の膜密度を変化させることができる。
(第4の実施の形態)
図6は本発明の第4の実施の形態におけるPDPの製造方法に用いる保護膜製造装置の概略図である。なお図6において図3、図5と同じ構成部については同じ符号を用いて説明を省略する。第4の実施の形態が第1の実施の形態と異なるのは左側チャンバ51でスパッタ源による成膜を行うことである。右側チャンバ50の蒸着源46による成膜は第1の実施の形態と同様であり、左側チャンバ51のスパッタ源55による成膜の動作は、第3の実施の形態と同様である。成膜の初期に蒸着による成膜を行い、その後スパッタによる成膜を行う。EB蒸着においては基板に到達するMgO粒子48のエネルギーが1〜5evと低いため基板側に膜密度の小さい層を形成することができ、その後のスパッタ成膜においては基板に到達するMgO粒子61のエネルギーが10eV以上あるため基板に飛来したMgO粒子の動きが活発となり膜密度の大きい層を作ることができる。保護膜の膜密度は成膜方法の差で広範囲に変わるので確実に膜密度の違う層を形成することができる。ここでは、蒸着成膜の後にスパッタ成膜を行う方法を説明したが、蒸着成膜ののちホロカソードプラズマガンを用いた成膜を行ってもよい。ホロカソードプラズマガンを用いた成膜は、基板に飛来するMgO粒子のエネルギーが5〜10evとスパッタよりは低いものの、成膜速度が速いという利点がある。
本発明に用いたPDPの保護膜とその製造方法は、イオン衝撃から基材を保護する効果があるので、プラズマディスプレイに限らず様々な照明機器の電極保護膜として有用である。
本発明の実施の形態におけるPDPの部分断面斜視図 図1における矢印A方向からみたPDPセルの部分断面図 本発明の第1の実施の形態におけるPDPの製造方法に用いる保護膜製造装置の概略図 本発明の第2の実施の形態におけるPDPの製造方法に用いる保護膜製造装置の概略図 本発明の第3の実施の形態におけるPDPの製造方法に用いる保護膜製造装置の概略図 本発明の第4の実施の形態におけるPDPの製造方法に用いる保護膜製造装置の概略図 保護膜のMgO密度と耐スパッタ性の関係を示す図 従来のPDPのセル構造を示す断面図
符号の説明
10 前面板
11 前面ガラス基板
12 表示電極
13 誘電体層
14 第一の保護膜
15 第二の保護膜
20 背面板
21 背面ガラス基板
22 アドレス電極
23 下地誘電体層
24 隔壁
25 蛍光体層
30 放電空間
41 真空チャンバ
42 真空ポンプ
43 ガス供給配管
44 MgO保護膜
45 基板
46 蒸発源
47 EBガン
48 蒸気流
49 チャンバ隔壁
50 右側チャンバ
51 左側チャンバ
52 ランプヒータ
55 スパッタ源
56 ターゲット
57 スパッタ電極
58 スパッタ電源
59 バイアス電源
60 バイアス電極
61 スパッタ粒子

Claims (10)

  1. 第一のガラス基板上に第一の電極と第一の誘電体層と第一の保護膜と第二の保護膜とを備えた第一の基板と、第二のガラス基板上に第二の電極と隔壁と蛍光体層とを備えた第二の基板とが、放電空間を介して対向配置されたプラズマディスプレイパネルであって、前記第一の保護膜の膜密度と前記第二の保護膜の膜密度とが異なることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  2. 第一の保護膜は、第一の誘電体層と第二の保護膜との間に配置され、前記第一の保護膜の膜密度が、前記第二の保護膜の膜密度より小さいことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  3. 第一の保護膜の厚さが、前記第一の保護膜の厚さと第二の保護膜の厚さとの合計の1/3以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプラズマディスプレイパネル。
  4. 第一のガラス基板上に第一の電極と第一の誘電体層とを形成し、蒸発源にエネルギビームを照射して蒸発させ、第一の成膜条件にて前記第一の誘電体層上に第一の保護膜を形成し、前記第一の成膜条件と異なる第二の成膜条件にて前記第一の保護膜上に第二の保護膜を形成して第一の基板を製造し、第二のガラス基板上に第二の電極と隔壁と蛍光体層とを形成して第二の基板を製造し、前記第一の基板と前記第二の基板とを放電空間を介して対向配置させることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  5. 第一の保護膜と第二の保護膜を形成する際に酸素ガスを導入し、第一の成膜条件での酸素ガス導入量が、第二の成膜条件での酸素ガス導入量より多いことを特徴とする請求項4に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  6. 第一の保護膜と第二の保護膜を形成する際に水素ガスを導入し、第一の成膜条件での水素ガス導入量が、第二の成膜条件での水素ガス導入量より少ないことを特徴とする請求項4に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  7. 第一の保護膜と第二の保護膜を形成する際に水蒸気を導入し、第一の成膜条件での水蒸気導入量が、第二の成膜条件での水蒸気導入量より少ないことを特徴とする請求項4に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  8. 第一の保護膜と第二の保護膜を形成する際に、第一の電極と第一の誘電体層とが形成された第一のガラス基板を加熱し、第一の成膜条件での前記第一のガラス基板の温度が、第二の成膜条件での前記第一のガラス基板の温度より低いことを特徴とする請求項4から請求項7のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  9. 第一のガラス基板上に第一の電極と第一の誘電体層とを形成し、前記第一の誘電体層に第一の保護膜と第二の保護膜よりなる保護膜を形成し、真空蒸着法にて前記第一の誘電体層上に前記保護膜の厚さの2/3以上の前記第一の保護膜を形成し、スパッタ法にて前記第一の保護膜上に第二の保護膜を形成して第一の基板を製造し、第二のガラス基板上に第二の電極と隔壁と蛍光体層とを形成して第二の基板を製造し、前記第一の基板と前記第二の基板とを放電空間を介して対向配置させることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  10. 第一のガラス基板上に第一の電極と第一の誘電体層とを形成し、前記第一の誘電体層に第一の保護膜と第二の保護膜をプラズマの存在する状態でRFバイアスを印加しながら形成する際に、前記第一の保護膜を形成する際のRFバイアス電力が前記第二の保護膜を形成する際のRFバイアス電力より低い状態で形成し、前記第一の保護膜上に前記第二の保護膜を形成して第一の基板を製造し、第二のガラス基板上に第二の電極と隔壁と蛍光体層とを形成して第二の基板を製造し、前記第一の基板と前記第二の基板とを放電空間を介して対向配置させることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
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