JP2002212715A - 薄膜形成方法およびプラズマディスプレイパネルの製造方法 - Google Patents
薄膜形成方法およびプラズマディスプレイパネルの製造方法Info
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- JP2002212715A JP2002212715A JP2001014127A JP2001014127A JP2002212715A JP 2002212715 A JP2002212715 A JP 2002212715A JP 2001014127 A JP2001014127 A JP 2001014127A JP 2001014127 A JP2001014127 A JP 2001014127A JP 2002212715 A JP2002212715 A JP 2002212715A
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- Plasma Technology (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 結晶性の高いMgO薄膜を形成し、プラズマ
ディスプレイパネルの保護層に適用することにより、ガ
ス放電に基づく表示品質を高め、高精細表示を可能にす
る。 【解決手段】 MgあるいはMgOを主体とする材料は
材料供給源から蒸発飛翔し、プラズマ中を経て負のバイ
アス電圧を印加した基板に飛翔することによって、基板
上に結晶性の高いMgO薄膜を形成する。
ディスプレイパネルの保護層に適用することにより、ガ
ス放電に基づく表示品質を高め、高精細表示を可能にす
る。 【解決手段】 MgあるいはMgOを主体とする材料は
材料供給源から蒸発飛翔し、プラズマ中を経て負のバイ
アス電圧を印加した基板に飛翔することによって、基板
上に結晶性の高いMgO薄膜を形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は結晶性の高い薄膜を
形成する薄膜形成方法および高精細表示を可能にするプ
ラズマディスプレイパネルの製造方法に関する。
形成する薄膜形成方法および高精細表示を可能にするプ
ラズマディスプレイパネルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体、光メモリディスク、フラ
ットディスプレイには各種の機能薄膜が活用されてお
り、その製造において真空蒸着法やスパッタリング法等
の薄膜形成装置が利用されている。特に最近、注目され
ているのは大面積成膜を必要とするプラズマディスプレ
イパネルの保護層MgO薄膜を形成する真空蒸着装置で
ある。
ットディスプレイには各種の機能薄膜が活用されてお
り、その製造において真空蒸着法やスパッタリング法等
の薄膜形成装置が利用されている。特に最近、注目され
ているのは大面積成膜を必要とするプラズマディスプレ
イパネルの保護層MgO薄膜を形成する真空蒸着装置で
ある。
【0003】ここでac型プラズマディスプレイパネル
の構成について説明する。図2(a)(b)に代表的な
パネルの断面模式構成図を示す。(b)は(a)の中央
部を横から見た断面図である。前面ガラス基板21上に
一対の表示電極22が複数組、形成され、その上に低融
点ガラス等より成る誘電体層23を被覆して、ガス放電
にメモリ効果を付与している。誘電体層23の表面に
は、ガス放電におけるイオン衝撃から守るため保護層2
4が設けられている。この保護層24は、対向する、ア
ドレス電極26、絶縁体層27、隔壁28、カラー表示
のためのRGB蛍光体29等より構成される背面ガラス
基板25との間に形成されたガス放電空間30に接する
ものであり、その放電性能に大きな影響を及ぼす。この
ため、保護層24としては、放電電圧を下げるととも
に、良好でかつ応答性の高い放電を得るため、電子放出
性の高い酸化物薄膜が望ましく、通常、その材料として
MgOが使われている。
の構成について説明する。図2(a)(b)に代表的な
パネルの断面模式構成図を示す。(b)は(a)の中央
部を横から見た断面図である。前面ガラス基板21上に
一対の表示電極22が複数組、形成され、その上に低融
点ガラス等より成る誘電体層23を被覆して、ガス放電
にメモリ効果を付与している。誘電体層23の表面に
は、ガス放電におけるイオン衝撃から守るため保護層2
4が設けられている。この保護層24は、対向する、ア
ドレス電極26、絶縁体層27、隔壁28、カラー表示
のためのRGB蛍光体29等より構成される背面ガラス
基板25との間に形成されたガス放電空間30に接する
ものであり、その放電性能に大きな影響を及ぼす。この
ため、保護層24としては、放電電圧を下げるととも
に、良好でかつ応答性の高い放電を得るため、電子放出
性の高い酸化物薄膜が望ましく、通常、その材料として
MgOが使われている。
【0004】次に、図3に保護層MgO薄膜を成膜する
際に使用される真空蒸着装置の断面構成図を示す。基板
搬入チャンバ31、基板加熱チャンバ32、成膜チャン
バ33、冷却チャンバ34、基板搬出チャンバ35の5
チャンバより構成され、ガラス基板1が順次、搬送され
て、成膜チャンバ33においてMgO薄膜が形成され
る。蒸発エネルギ源として電子ビームやプラズマビーム
が用いられる。ここでは、一例として成膜チャンバ33
の下部壁面にホロカソード型のプラズマ源2が設置され
た場合について説明する。ホロカソード型のプラズマ源
2から蒸着ハース3の凹部に収納されたMgO結晶ペレ
ット群よりなる薄膜原材料4にプラズマビーム6が集束
させて照射される。これによって薄膜原材料4は局所的
に加熱昇温され、MgOが蒸発し、搬送移動するガラス
基板1にMgO薄膜が形成される。ここで、蒸着ハース
3とそれに収納された薄膜原材料4を総合して材料供給
源5と呼ぶことにする。
際に使用される真空蒸着装置の断面構成図を示す。基板
搬入チャンバ31、基板加熱チャンバ32、成膜チャン
バ33、冷却チャンバ34、基板搬出チャンバ35の5
チャンバより構成され、ガラス基板1が順次、搬送され
て、成膜チャンバ33においてMgO薄膜が形成され
る。蒸発エネルギ源として電子ビームやプラズマビーム
が用いられる。ここでは、一例として成膜チャンバ33
の下部壁面にホロカソード型のプラズマ源2が設置され
た場合について説明する。ホロカソード型のプラズマ源
2から蒸着ハース3の凹部に収納されたMgO結晶ペレ
ット群よりなる薄膜原材料4にプラズマビーム6が集束
させて照射される。これによって薄膜原材料4は局所的
に加熱昇温され、MgOが蒸発し、搬送移動するガラス
基板1にMgO薄膜が形成される。ここで、蒸着ハース
3とそれに収納された薄膜原材料4を総合して材料供給
源5と呼ぶことにする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】成膜チャンバ33内に
は酸素ガスを導入し、形成されるMgO薄膜の酸素欠損
を補っている。プラズマビーム6は薄膜原材料4を加熱
するだけでなく、成膜チャンバ33内の酸素をも励起
し、その一部をプラズマ化する。この酸素を主体とする
プラズマ7の中を材料供給源5から飛翔したMgOが通
過するため、酸素が有効的に補給され、化学当量のMg
Oが形成される。
は酸素ガスを導入し、形成されるMgO薄膜の酸素欠損
を補っている。プラズマビーム6は薄膜原材料4を加熱
するだけでなく、成膜チャンバ33内の酸素をも励起
し、その一部をプラズマ化する。この酸素を主体とする
プラズマ7の中を材料供給源5から飛翔したMgOが通
過するため、酸素が有効的に補給され、化学当量のMg
Oが形成される。
【0006】現在、プラズマディスプレイパネルには高
精細化への要求が高くなっており、走査線数の増加、そ
れに伴うアドレス期間の短縮が開発の方向となってい
る。アドレス期間の短縮は保護層MgOに対してより高
い電子放出性が求められる。しかし、現状の電子放出性
能のMgOでは、走査線数を増加させると、点灯領域と
非点灯領域との境で選択セルが確率的に点灯しない現象
が発生することが多い。このため、より高い電子放出性
を有する酸化物薄膜が保護膜として求められている。
精細化への要求が高くなっており、走査線数の増加、そ
れに伴うアドレス期間の短縮が開発の方向となってい
る。アドレス期間の短縮は保護層MgOに対してより高
い電子放出性が求められる。しかし、現状の電子放出性
能のMgOでは、走査線数を増加させると、点灯領域と
非点灯領域との境で選択セルが確率的に点灯しない現象
が発生することが多い。このため、より高い電子放出性
を有する酸化物薄膜が保護膜として求められている。
【0007】本発明は、上述の問題に鑑み、高精細化に
対応する高電子放出性の保護膜MgOを搭載したプラズ
マディスプレイパネルを造りだし、ガス放電に基づく表
示品質を高めることを目的にしている。
対応する高電子放出性の保護膜MgOを搭載したプラズ
マディスプレイパネルを造りだし、ガス放電に基づく表
示品質を高めることを目的にしている。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に係わる薄膜形
成方法は、薄膜を構成する材料は材料供給源から蒸発飛
翔し、プラズマ中を経て負のバイアス電圧を印加した基
板に飛翔し、基板上に薄膜を形成するものである。
成方法は、薄膜を構成する材料は材料供給源から蒸発飛
翔し、プラズマ中を経て負のバイアス電圧を印加した基
板に飛翔し、基板上に薄膜を形成するものである。
【0009】請求項2に係わる薄膜形成方法は、負のバ
イアス電圧は基板近傍あるいは基板に接触した電極板に
rf電圧を印加することによって形成するものである。
イアス電圧は基板近傍あるいは基板に接触した電極板に
rf電圧を印加することによって形成するものである。
【0010】請求項3に係わる薄膜形成方法は、負のバ
イアス電圧は基板近傍あるいは基板に接触した電極板
に、負の電圧に周期的に正の電圧パルスを有する電圧を
印加するものである。
イアス電圧は基板近傍あるいは基板に接触した電極板
に、負の電圧に周期的に正の電圧パルスを有する電圧を
印加するものである。
【0011】請求項4に係わる薄膜形成方法は、薄膜を
構成する材料は材料供給源に照射されるプラズマビーム
によって蒸発飛翔するものである。
構成する材料は材料供給源に照射されるプラズマビーム
によって蒸発飛翔するものである。
【0012】請求項5に係わる薄膜形成方法は、プラズ
マビームはホロカソード型プラズマ源から発せられるも
のである。
マビームはホロカソード型プラズマ源から発せられるも
のである。
【0013】請求項6に係わる薄膜形成方法は、薄膜を
構成する材料はホロカソード型プラズマ源から発せられ
るプラズマビームによって生成されるものである。
構成する材料はホロカソード型プラズマ源から発せられ
るプラズマビームによって生成されるものである。
【0014】請求項7に係わる薄膜形成方法は、薄膜を
構成する材料は電磁誘導によって生成されるプラズマ中
を経て基板に飛翔するものである。
構成する材料は電磁誘導によって生成されるプラズマ中
を経て基板に飛翔するものである。
【0015】請求項8に係わる薄膜形成方法は、薄膜を
構成する材料はMgあるいはMgOを主体とし、基板上
にMgO薄膜を形成するものである。
構成する材料はMgあるいはMgOを主体とし、基板上
にMgO薄膜を形成するものである。
【0016】請求項9に係わるプラズマディスプレイパ
ネルの製造方法は、ガラス基板上において表示電極を被
覆する誘電体層の表面に保護層が形成され、保護層の表
面が放電空間に接するプラズマディスプレイパネルの製
造方法にあって、前記保護層はMgOを主体とする材料
で構成され、MgあるいはMgOを主体とする材料が材
料供給源から蒸発飛翔し、プラズマ中を経て負のバイア
ス電圧を印加したガラス基板に飛翔し、基板上誘電体層
の上に保護層を形成するものである。
ネルの製造方法は、ガラス基板上において表示電極を被
覆する誘電体層の表面に保護層が形成され、保護層の表
面が放電空間に接するプラズマディスプレイパネルの製
造方法にあって、前記保護層はMgOを主体とする材料
で構成され、MgあるいはMgOを主体とする材料が材
料供給源から蒸発飛翔し、プラズマ中を経て負のバイア
ス電圧を印加したガラス基板に飛翔し、基板上誘電体層
の上に保護層を形成するものである。
【0017】請求項10に係わるプラズマディスプレイ
パネルの製造方法は、負のバイアス電圧はガラス基板近
傍あるいはガラス基板に接触した電極板にrf電圧を印
加することによって形成するものである。
パネルの製造方法は、負のバイアス電圧はガラス基板近
傍あるいはガラス基板に接触した電極板にrf電圧を印
加することによって形成するものである。
【0018】請求項11に係わるプラズマディスプレイ
パネルの製造方法は、負のバイアス電圧はガラス基板近
傍あるいはガラス基板に接触した電極板に、負の電圧に
周期的に正の電圧パルスを有する電圧を印加することに
よって形成するものである。
パネルの製造方法は、負のバイアス電圧はガラス基板近
傍あるいはガラス基板に接触した電極板に、負の電圧に
周期的に正の電圧パルスを有する電圧を印加することに
よって形成するものである。
【0019】請求項12に係わるプラズマディスプレイ
パネルの製造方法は、MgあるいはMgOを主体とする
材料は材料供給源に照射されるプラズマビームによって
蒸発飛翔するものである。
パネルの製造方法は、MgあるいはMgOを主体とする
材料は材料供給源に照射されるプラズマビームによって
蒸発飛翔するものである。
【0020】請求項13に係わるプラズマディスプレイ
パネルの製造方法は、プラズマビームはホロカソード型
プラズマ源から発せられるものである。
パネルの製造方法は、プラズマビームはホロカソード型
プラズマ源から発せられるものである。
【0021】請求項14に係わるプラズマディスプレイ
パネルの製造方法は、MgあるいはMgOを主体とする
材料はホロカソード型プラズマ源から発せられるプラズ
マビームによって生成されるものである。
パネルの製造方法は、MgあるいはMgOを主体とする
材料はホロカソード型プラズマ源から発せられるプラズ
マビームによって生成されるものである。
【0022】請求項15に係わるプラズマディスプレイ
パネルの製造方法は、MgあるいはMgOを主体とする
材料は電磁誘導によって生成されるものである。
パネルの製造方法は、MgあるいはMgOを主体とする
材料は電磁誘導によって生成されるものである。
【0023】発明者らの詳細な検討により、保護層とし
てのMgO薄膜の結晶状態が電子放出特性に大きな影響
を及ぼし、MgO薄膜の結晶性を高くするに従い、高い
電子放出性を示す傾向にあることを見いだした。
てのMgO薄膜の結晶状態が電子放出特性に大きな影響
を及ぼし、MgO薄膜の結晶性を高くするに従い、高い
電子放出性を示す傾向にあることを見いだした。
【0024】材料供給源5より蒸発飛翔したMgO材料
はプラズマの中を通過するに当たり、MgOはその一部
がイオン化し、荷電粒子となる。ガラス基板1に負のバ
イアス電圧を発生させることにより、イオン化した材料
は加速され、エネルギを持ってガラス基板1に飛翔す
る。これにより、薄膜内の原子の整列が促進され、結晶
性が高められる。この結果、MgO薄膜は高い電子放出
性を示すようになり、短いアドレス期間の間に放電が完
了し、高精細表示を可能にする。
はプラズマの中を通過するに当たり、MgOはその一部
がイオン化し、荷電粒子となる。ガラス基板1に負のバ
イアス電圧を発生させることにより、イオン化した材料
は加速され、エネルギを持ってガラス基板1に飛翔す
る。これにより、薄膜内の原子の整列が促進され、結晶
性が高められる。この結果、MgO薄膜は高い電子放出
性を示すようになり、短いアドレス期間の間に放電が完
了し、高精細表示を可能にする。
【0025】
【発明の実施の形態】図2に示すac型プラズマディス
プレイパネルを用いて本発明の実施形態を説明する。従
来の例と同様にして、前面ガラス基板21上にクロム、
銅、クロムが積層された3層構造の一対の表示電極22
(トータル膜厚:約2000nm)が複数組、形成さ
れ、その上に低融点ガラスより成る誘電体層23(膜
厚:約30μm)が被覆される。誘電体層23の上に
は、電子放出性酸化物薄膜よりなる保護層24(膜厚:
約700nm)が設けられている。一方、背面ガラス基
板25には、表示電極22に直交する方向にアドレス電
極26が形成され、この上に絶縁体層27、隔壁28、
カラー表示のためのRGB蛍光体29が構成される。前
面ガラス基板21と背面ガラス基板25は周辺に形成し
た封止層を介して重ね合わされ、両者の間にガス放電空
間30を構成する。ガス放電空間30にはネオンにキセ
ノンを混合した放電ガスを充填し、ガス放電で発生した
紫外線によってR、G、B蛍光体29が励起されて可視
光に転換され、カラー表示が成される。
プレイパネルを用いて本発明の実施形態を説明する。従
来の例と同様にして、前面ガラス基板21上にクロム、
銅、クロムが積層された3層構造の一対の表示電極22
(トータル膜厚:約2000nm)が複数組、形成さ
れ、その上に低融点ガラスより成る誘電体層23(膜
厚:約30μm)が被覆される。誘電体層23の上に
は、電子放出性酸化物薄膜よりなる保護層24(膜厚:
約700nm)が設けられている。一方、背面ガラス基
板25には、表示電極22に直交する方向にアドレス電
極26が形成され、この上に絶縁体層27、隔壁28、
カラー表示のためのRGB蛍光体29が構成される。前
面ガラス基板21と背面ガラス基板25は周辺に形成し
た封止層を介して重ね合わされ、両者の間にガス放電空
間30を構成する。ガス放電空間30にはネオンにキセ
ノンを混合した放電ガスを充填し、ガス放電で発生した
紫外線によってR、G、B蛍光体29が励起されて可視
光に転換され、カラー表示が成される。
【0026】(実施の形態1)図1は本発明に係わる第
一の実施形態における保護層の形成方法を説明する構成
概念図である。基本的な構成は図3に示す従来例と同様
である。基板搬入チャンバ31、基板加熱チャンバ3
2、成膜チャンバ33、冷却チャンバ34、基板搬出チ
ャンバ35の5チャンバより構成され、ガラス基板1が
順次、搬送されて、成膜チャンバ33においてMgO薄
膜が形成される。蒸発エネルギ源としてプラズマビーム
をここでは用いる。成膜チャンバ33の下部壁面にホロ
カソード型のプラズマ源2が設置されており、プラズマ
源2から蒸着ハース3の凹部に収納されたMgO結晶ペ
レット群よりなる薄膜原材料4にプラズマビーム6が集
束させて照射される。これによって薄膜原材料4は局所
的に加熱昇温され、MgOが蒸発し、搬送移動するガラ
ス基板1にMgO薄膜が形成される。成膜チャンバ33
内には酸素ガスを導入し、形成されるMgO膜の酸素欠
損を防ぐ。蒸発したMgOはプラズマビーム6によって
励起された酸素を主体とするプラズマ7の中を飛翔する
ため、その一部がイオン化し、活性化される。
一の実施形態における保護層の形成方法を説明する構成
概念図である。基本的な構成は図3に示す従来例と同様
である。基板搬入チャンバ31、基板加熱チャンバ3
2、成膜チャンバ33、冷却チャンバ34、基板搬出チ
ャンバ35の5チャンバより構成され、ガラス基板1が
順次、搬送されて、成膜チャンバ33においてMgO薄
膜が形成される。蒸発エネルギ源としてプラズマビーム
をここでは用いる。成膜チャンバ33の下部壁面にホロ
カソード型のプラズマ源2が設置されており、プラズマ
源2から蒸着ハース3の凹部に収納されたMgO結晶ペ
レット群よりなる薄膜原材料4にプラズマビーム6が集
束させて照射される。これによって薄膜原材料4は局所
的に加熱昇温され、MgOが蒸発し、搬送移動するガラ
ス基板1にMgO薄膜が形成される。成膜チャンバ33
内には酸素ガスを導入し、形成されるMgO膜の酸素欠
損を防ぐ。蒸発したMgOはプラズマビーム6によって
励起された酸素を主体とするプラズマ7の中を飛翔する
ため、その一部がイオン化し、活性化される。
【0027】ガラス基板1の近傍には、ガラス基板1に
対向するように金属材料より成る電極板8を設置し、電
極板8にバイアス電圧供給電源11を接続させる。な
お、金属板8はガラス基板1の裏面に接触させても良
い。バイアス電源供給電源11から一例として電極板8
にrf電圧を印加する。rf電圧の印加により、ガラス
基板1には図4に示すように負の自己バイアス電圧が形
成される。この負のバイアス電圧によって、イオン化さ
れた荷電粒子はガラス基板1に向かって加速され、その
際のエネルギによって、薄膜が堆積する際に原子の再配
列が促進され、結晶性を向上させることができる。
対向するように金属材料より成る電極板8を設置し、電
極板8にバイアス電圧供給電源11を接続させる。な
お、金属板8はガラス基板1の裏面に接触させても良
い。バイアス電源供給電源11から一例として電極板8
にrf電圧を印加する。rf電圧の印加により、ガラス
基板1には図4に示すように負の自己バイアス電圧が形
成される。この負のバイアス電圧によって、イオン化さ
れた荷電粒子はガラス基板1に向かって加速され、その
際のエネルギによって、薄膜が堆積する際に原子の再配
列が促進され、結晶性を向上させることができる。
【0028】このようにして形成したMgO薄膜をX線
回折法(XRD)でその結晶性を分析した結果を図5に
示す。(a)は従来の方法によって成膜したMgO薄
膜、(b)は本発明によって負のバイアス電圧を印加し
て形成したMgO薄膜の場合である。従来例(a)に比
べて、本発明(b)によって作成したMgO薄膜は、
(111)面の結晶性を示すピークが大きくなってお
り、結晶性が向上していることが判る。その結果、電子
放出性は図6に示すように、本発明に基づくMgO
(b)は、従来のMgO(a)に比べて高い電子放出性
を示すようなっている。
回折法(XRD)でその結晶性を分析した結果を図5に
示す。(a)は従来の方法によって成膜したMgO薄
膜、(b)は本発明によって負のバイアス電圧を印加し
て形成したMgO薄膜の場合である。従来例(a)に比
べて、本発明(b)によって作成したMgO薄膜は、
(111)面の結晶性を示すピークが大きくなってお
り、結晶性が向上していることが判る。その結果、電子
放出性は図6に示すように、本発明に基づくMgO
(b)は、従来のMgO(a)に比べて高い電子放出性
を示すようなっている。
【0029】なお、ここではガラス基板1の近傍あるい
はガラス基板1に接触した電極板8にrf電圧を印加し
て負のバイアス電圧をガラス基板1に発生させている
が、図7に示すように、電極板8に、負の電圧に周期的
に正の電圧パルスを有する電圧を印加することによって
も負のバイアス電圧を印加することができ、同様の効果
を得ることができる。
はガラス基板1に接触した電極板8にrf電圧を印加し
て負のバイアス電圧をガラス基板1に発生させている
が、図7に示すように、電極板8に、負の電圧に周期的
に正の電圧パルスを有する電圧を印加することによって
も負のバイアス電圧を印加することができ、同様の効果
を得ることができる。
【0030】(実施の形態2)図8は第二の実施形態に
おける保護層MgOの形成方法を説明する概略構成図で
ある。ここでは成膜チャンバ33のみが第一の実施形態
と異なるので、成膜チャンバ33について説明し、他の
チャンバについては図示を省略する。成膜チャンバ33
の下部壁面に電子ビームガン9が設置され、電子ビーム
ガン9から蒸着ハース3の凹部に収納されたMgO結晶
ペレット群よりなる薄膜原材料4に電子ビーム10が集
光させて照射される。これによって薄膜原材料4は局所
的に加熱昇温され、MgOが蒸発し、搬送移動するガラ
ス基板1にMgO薄膜が形成される。電子ビーム10で
は成膜チャンバ33内に導入される酸素ガスを励起する
ものの、プラズマ化するまでには至らない。そこで、電
磁誘導コイル12を配置し、rf電圧を印加して電磁誘
導に基づくプラズマ7を発生させる。酸素を主体とする
プラズマ7の中を材料供給源5から飛翔するMgOが通
過することにより、MgOの一部はイオン化し、バイア
ス電圧供給電源11から電極板8に供給されるrf電圧
によって発生する負のバイアス電圧によって加速され
る。その際のエネルギによって、薄膜が堆積する際に原
子の再配列が促進され、結晶性を向上させることがで
き、同様の効果を得ることができる。
おける保護層MgOの形成方法を説明する概略構成図で
ある。ここでは成膜チャンバ33のみが第一の実施形態
と異なるので、成膜チャンバ33について説明し、他の
チャンバについては図示を省略する。成膜チャンバ33
の下部壁面に電子ビームガン9が設置され、電子ビーム
ガン9から蒸着ハース3の凹部に収納されたMgO結晶
ペレット群よりなる薄膜原材料4に電子ビーム10が集
光させて照射される。これによって薄膜原材料4は局所
的に加熱昇温され、MgOが蒸発し、搬送移動するガラ
ス基板1にMgO薄膜が形成される。電子ビーム10で
は成膜チャンバ33内に導入される酸素ガスを励起する
ものの、プラズマ化するまでには至らない。そこで、電
磁誘導コイル12を配置し、rf電圧を印加して電磁誘
導に基づくプラズマ7を発生させる。酸素を主体とする
プラズマ7の中を材料供給源5から飛翔するMgOが通
過することにより、MgOの一部はイオン化し、バイア
ス電圧供給電源11から電極板8に供給されるrf電圧
によって発生する負のバイアス電圧によって加速され
る。その際のエネルギによって、薄膜が堆積する際に原
子の再配列が促進され、結晶性を向上させることがで
き、同様の効果を得ることができる。
【0031】本発明の実施形態において、MgO薄膜を
例として説明したが、これに限定されるものでなく、他
の酸化物薄膜であっても、同様の効果を得ることができ
る。
例として説明したが、これに限定されるものでなく、他
の酸化物薄膜であっても、同様の効果を得ることができ
る。
【0032】また、材料供給源からMgOを蒸発飛翔さ
せる方法を説明しているが、金属Mgを蒸発飛翔させ、
酸素を主体とするプラズマの中でMgに酸素を合成する
ことによっても、結晶性の高いMgO薄膜をガラス基板
上に形成することができる。
せる方法を説明しているが、金属Mgを蒸発飛翔させ、
酸素を主体とするプラズマの中でMgに酸素を合成する
ことによっても、結晶性の高いMgO薄膜をガラス基板
上に形成することができる。
【0033】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、結晶性の高いMgO薄膜を得ることができ、この薄
膜をプラズマディスプレイパネルの保護層に適用するこ
とにより、高い電子放出性を提供することができる。そ
の結果、ガス放電に基づく表示品質を高め、映像表示の
高精細化が可能になり、その工業的価値は極めて高い。
ば、結晶性の高いMgO薄膜を得ることができ、この薄
膜をプラズマディスプレイパネルの保護層に適用するこ
とにより、高い電子放出性を提供することができる。そ
の結果、ガス放電に基づく表示品質を高め、映像表示の
高精細化が可能になり、その工業的価値は極めて高い。
【図1】本発明における保護層の形成方法を説明する概
略構成図
略構成図
【図2】本発明の実施形態並びに従来例におけるac型
プラズマディスプレイパネルの断面構成図
プラズマディスプレイパネルの断面構成図
【図3】従来例における保護層の形成方法を説明する概
略構成図
略構成図
【図4】本発明における負のバイアス電圧を説明する特
性図
性図
【図5】本発明の実施形態並びに従来例におけるMgO
薄膜のX線回折像特性図
薄膜のX線回折像特性図
【図6】本発明の実施形態並びに従来例におけるMgO
薄膜の電子方移出性能を示す特性図
薄膜の電子方移出性能を示す特性図
【図7】本発明における他の負のバイアス電圧を説明す
る特性図
る特性図
【図8】本発明の第二の実施形態における保護層の形成
方法を説明する概略構成図
方法を説明する概略構成図
1 ガラス基板 2 プラズマ源 3 蒸着ハース 4 薄膜原材料 5 材料供給源 6 プラズマビーム 7 プラズマ 8 電極板 9 電子ビームガン 10 電子ビーム 11 バイアス電圧供給電源 12 電磁誘導コイル 24 保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05H 1/46 H05H 1/46 L M (72)発明者 宮下 加奈子 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4K029 AA09 AA24 BA43 BD00 CA13 DB03 DB05 DD05 KA01 5C027 AA10 5C040 FA01 GE09 JA07 5F058 BB07 BC03 BF07 BF12 BF17 BF22 BF29 BG10 BJ03
Claims (15)
- 【請求項1】 薄膜を構成する材料は材料供給源から蒸
発飛翔し、プラズマ中を経て負のバイアス電圧を印加し
た基板に飛翔し、基板上に薄膜を形成する薄膜形成方
法。 - 【請求項2】 負のバイアス電圧は、基板近傍あるいは
基板に接触した電極板にrf電圧を印加することによっ
て形成する請求項1記載の薄膜形成方法。 - 【請求項3】 負のバイアス電圧は、基板近傍あるいは
基板に接触した電極板に、負の電圧に周期的に正の電圧
パルスを有する電圧を印加することによって形成する請
求項1記載の薄膜形成方法。 - 【請求項4】 薄膜を構成する材料は材料供給源に照射
されるプラズマビームによって蒸発飛翔する請求項1記
載の薄膜形成方法。 - 【請求項5】 プラズマビームはホロカソード型プラズ
マ源から発せられる請求項4記載の薄膜形成方法。 - 【請求項6】 薄膜を構成する材料は、ホロカソード型
プラズマ源から発せられるプラズマビームによって生成
されるプラズマ中を経て基板に飛翔する請求項5記載の
薄膜形成方法。 - 【請求項7】 薄膜を構成する材料は、電磁誘導によっ
て生成されるプラズマ中を経て基板に飛翔する請求項1
記載の薄膜形成方法。 - 【請求項8】 薄膜を構成する材料はMgあるいはMg
Oを主体とし、基板上にMgO薄膜を形成する請求項1
記載の薄膜形成方法。 - 【請求項9】 ガラス基板上において表示電極を被覆す
る誘電体層の表面に保護層が形成され、保護層の表面が
放電空間に接するプラズマディスプレイパネルの製造方
法にあって、前記保護層はMgOを主体とする材料で構
成され、MgあるいはMgOを主体とする材料が材料供
給源から蒸発飛翔し、プラズマ中を経て負のバイアス電
圧を印加したガラス基板に飛翔し、基板上誘電体層の上
に保護層を形成するプラズマディスプレイパネルの製造
方法。 - 【請求項10】 負のバイアス電圧は、ガラス基板近傍
あるいはガラス基板に接触した電極板にrf電圧を印加
することによって形成する請求項9記載のプラズマディ
スプレイパネルの製造方法。 - 【請求項11】 負のバイアス電圧は、ガラス基板近傍
あるいはガラス基板に接触した電極板に、負の電圧に周
期的に正の電圧パルスを有する電圧を印加することによ
って形成する請求項9記載のプラズマディスプレイパネ
ルの製造方法。 - 【請求項12】 MgあるいはMgOを主体とする材料
は、材料供給源に照射されるプラズマビームによって蒸
発飛翔する請求項9記載のプラズマディスプレイパネル
の製造方法。 - 【請求項13】 プラズマビームはホロカソード型プラ
ズマ源から発せられる請求項12記載のプラズマディス
プレイパネルの製造方法。 - 【請求項14】 MgあるいはMgOを主体とする材料
は、ホロカソード型プラズマ源から発せられるプラズマ
ビームによって生成されるプラズマ中を経てガラス基板
に飛翔する請求項13記載のプラズマディスプレイパネ
ルの製造方法。 - 【請求項15】 MgあるいはMgOを主体とする材料
は、電磁誘導によって生成されるプラズマ中を経てガラ
ス基板に飛翔する請求項9記載のプラズマディスプレイ
パネルの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001014127A JP2002212715A (ja) | 2001-01-23 | 2001-01-23 | 薄膜形成方法およびプラズマディスプレイパネルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001014127A JP2002212715A (ja) | 2001-01-23 | 2001-01-23 | 薄膜形成方法およびプラズマディスプレイパネルの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002212715A true JP2002212715A (ja) | 2002-07-31 |
Family
ID=18880862
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001014127A Pending JP2002212715A (ja) | 2001-01-23 | 2001-01-23 | 薄膜形成方法およびプラズマディスプレイパネルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002212715A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100454475C (zh) * | 2005-03-31 | 2009-01-21 | 西安交通大学 | 具有角度控制的等离子体显示屏介质保护膜形成装置 |
US7755288B2 (en) | 2007-01-25 | 2010-07-13 | Samsung Sdi Co., Ltd. | Plasma display panel and manufacturing method thereof |
-
2001
- 2001-01-23 JP JP2001014127A patent/JP2002212715A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100454475C (zh) * | 2005-03-31 | 2009-01-21 | 西安交通大学 | 具有角度控制的等离子体显示屏介质保护膜形成装置 |
US7755288B2 (en) | 2007-01-25 | 2010-07-13 | Samsung Sdi Co., Ltd. | Plasma display panel and manufacturing method thereof |
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