JP2006171605A - ホログラムラベルの製造方法およびホログラムラベル - Google Patents

ホログラムラベルの製造方法およびホログラムラベル Download PDF

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Abstract

【課題】製造時に使用される樹脂シートに予め形成されているホログラムの微細な凹凸形状をホログラムラベル上に忠実に再現できると共に、樹脂シートを剥離してホログラムラベルを得る際の剥離安定性と、剥離後の樹脂シートの再利用適性に優れるレリーフ型ホログラムラベルの製造方法とそれによって得られるホログラムシートの提供を目的とする。
【解決手段】表面にレリーフ型ホログラムが形成された樹脂シートのホログラム形成面に真空成膜法によってフッ素化合物を主体とする薄膜形成材料からなる薄膜を成膜し、しかる後に重合せしめてフッ素化合物系剥離層を設けてから、その上に金属反射層を真空成膜法により成膜し、さらにその上にアルカリ可溶性の接着樹脂層を介して紙質基材を順次積層して積層シートとし、しかる後、この積層シートをそのフッ素化合物系剥離層と金属反射層の界面で分離させる。
【選択図】図1

Description

本発明はレリーフ型ホログラムが形成されたホログラムラベルの製造方法およびそれによって得られるホログラムラベルに関する。
レリーフ型ホログラムは光の干渉縞に基づく凹凸形状を記録したものである。このようなレリーフ型ホログラムを有するホログラムシートは、一般的には、感光性樹脂製基材の表面にホログラムの凹凸形状を記録させた後、この凹凸形状をメッキ等により型取りして得られるレリーフ型ホログラムスタンパーを熱可塑性樹脂シートなどの表面に押し付けることで大量に複製することができる。
このようにして得られたレリーフ型ホログラムシートに対してそのホログラム形成面に金属反射層を設け、さらに接着剤を介して紙質基材と貼り合わせることでホログラムラベルを製造することができる。
このような構成のホログラムラベルは、種々の製品に貼られるが、例えば再利用される飲料用容器に貼られた場合には、容器回収後にアルカリ性洗浄液によって迅速に洗浄・剥離ができるようになっていなければならない。しかしながら、前記構成のホログラムラベルではレリーフ型ホログラムシートを形成する熱可塑性樹脂シートに一般的にアルカリ可溶性がないため、容器をアルカリ性洗浄液に浸してもラベル外層のレリーフ型ホログラムシートが妨げとなって、ラベルの洗浄剥離に長時間を要するという問題点があった。
この問題を解決するため、溶融押出成形機を利用して製造された、乾燥時の表面張力が33dyn/cm以下のホログラム形成用樹脂シートのレリーフ型ホログラム形成面に金属反射層、アルカリ可溶性の接着樹脂層を順次積層し、次いで紙質基材と貼り合わせ、その後、前記樹脂シートを金属反射層との界面で剥離させて得るようにしたホログラムラベルの製造方法が提案されている。(例えば、特許文献1参照。)
この製造方法によれば、紙質基材と貼り合わせた後、アルカリ洗浄の妨げとなる樹脂シートを剥離してしまうため、樹脂シート剥離後に得られるホログラムシートは、アルカリ可溶性の金属反射層と接着樹脂層およびアルカリ性洗浄液を浸透する紙質基材からなるので、容器からのラベルの洗浄剥離が容易に行なえるようになっている。
この方法では、樹脂シートを剥離しても、残された金属反射層がホログラムの凹凸形状を記録しているため、ホログラムの装飾効果が消失することはない。また、樹脂シート表面へのレリーフ型ホログラムの成形に溶融押出成形機を利用しているので高速かつ連続的にレリーフ型ホログラムシートを製造することができ、生産効率に優れるとともに、溶融押出成形法によって成形されたホログラムは装飾効果が極めて優れているという特徴を有している。さらに、この製造方法によれば、分離した樹脂シートが再利用可能であり、樹脂シートのホログラム形成面に改めて金属反射層、アルカリ可溶性の接着樹脂層を順次積層し、紙質基材と貼り合わせることにより、再びホログラムラベルを得ることができる、といった経済的にも優れた特徴を有している。
しかしながら、前記ホログラムラベルの製造方法の場合、樹脂シートと金属反射層間の剥離性を樹脂シートの表面張力の作用に依存しているため、常に安定した剥離性を得ることが難しく、やや生産性の面で劣るという問題がある。また、安定した剥離性を得るため、樹脂シートのホログラム形成面上にシリコーン系樹脂等からなる剥離性を有する層(剥離層)を設けた後、その上に金属反射層等を積層したとしても、一般的に従来の剥離層は
、剥離させたい層に応じて各種材料を塗料化したものを塗布して形成するために、樹脂シート表面に形成されたホログラムの微細な凹凸形状がその剥離層によって埋められてしまい、剥離層と金属反射層との界面で剥離させても金属反射層には樹脂シートのホログラムの凹凸形状を正確に再現できないといった問題点があった。
また、表面にレリーフ型ホログラムが形成された樹脂シートのホログラム形成面と金属反射層との間に、物理蒸着法によって金属反射層との親和性の低い透明無機化合物などの材料から成る剥離性蒸着層を設けることで、剥離性のさらなる安定化を図るようにしたホログラムラベルも提案されている。(例えば、特許文献2参照。)
しかしながら、剥離性蒸着層を形成する物理蒸着法が可能で、かつ生産性に優れた透明無機化合物の選択肢は少なく、また透明無機化合物を積層した場合に、樹脂シートを透明無機化合物よりなる剥離性蒸着層と金属反射層との間で剥離する際の取り扱いによっては、透明無機化合物にクラックが生じやすく、剥離した後の樹脂シートを再利用することが困難となる場合があった。
特開平7−121109号公報 特開平9−305115号公報
本発明は以上のような状況を鑑みてなされたもので、製造工程で使用される樹脂シートに予め形成されているレリーフ型ホログラムの微細な凹凸形状をホログラムラベル上に忠実に再現できるとともに、ホログラムラベル上にレリーフ型ホログラムが賦型された後に樹脂シートを剥離する際の剥離安定性と、分離後の樹脂シートの再利用適性に優れるレリーフ型ホログラムラベルの製造方法と、それによって得られる、所期のホログラムが忠実に再現され、かつ貼り付けた部分から洗浄液によって容易に洗浄剥離することができるホログラムシートの提供を目的とする。
本発明は上記の目的を達成するためになされたものであり、請求項1記載の発明は、表面にレリーフ型ホログラムが形成された樹脂シートのホログラム形成面に真空成膜法によってフッ素化合物を主体とする薄膜形成材料からなる薄膜を成膜し、しかる後に重合せしめてフッ素化合物系剥離層を設けてから、その上に金属反射層を真空成膜法により成膜し、さらにその上にアルカリ可溶性の接着樹脂層を介して紙質基材を順次積層して積層シートとし、しかる後、この積層シートをそのフッ素化合物系剥離層と金属反射層の界面で分離させることを特徴とする、紙質基材上に少なくともアルカリ可溶性の接着樹脂層と金属反射層とがこの相対的順序で積層されてなるホログラムラベルの製造方法である。
また、請求項2記載の発明は、請求項1に記載のホログラムラベルの製造方法において、前記フッ素化合物を主体とする薄膜形成材料が付加重合性官能基を有するフッ素化合物を成分に持つものであることを特徴とする。
さらにまた、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のホログラムラベルの製造方法において、前記付加重合性官能基がビニル基、アクリル基、メタクリル基のいずれかであることを特徴とする。
さらにまた、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載のホログラムラベルの製造方法において、前記フッ素化合物を主体とする薄膜形成材料からなる薄膜は加熱による付加重合反応で重合されることを特徴とする。
さらにまた、請求項5に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載のホログラムラベルの製造方法において、前記フッ素化合物を主体とする薄膜形成材料からなる薄膜は放射線の照射による付加重合反応で重合されることを特徴とする。
さらにまた、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のホログラムラベルの製造方法において、前記放射線が紫外線または電子線であることを特徴とする。
さらにまた、請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載のホログラムラベルの製造方法において、前記積層シートをそのフッ素化合物系剥離層と金属反射層の界面で分離させ得られたホログラムラベルの金属反射層上に、プライマー層と印刷層とワニスからなるオーバーコート層を順次積層して設けることを特徴とする。
さらにまた、請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれかに記載のホログラムラベルの製造方法によって形成されたことを特徴とするホログラムラベルである。
本発明のホログラムラベルの製造方法によれば、樹脂シート上に剥離性に優れたフッ素化合物系剥離層を形成することにより樹脂シートの剥離性が大幅に改善され、積層シートのフッ素化合物系剥離層と金属反射層との界面で安定的かつ容易に剥離させることが可能となる。さらに、フッ素化合物系剥離層を真空成膜法によって形成するので、樹脂シートの表面に形成されたレリーフ型ホログラムの微細な凹凸を消失させることがない。そして、フッ素化合物系剥離層の上に形成された金属反射層の表面にもそのレリーフ型ホログラムが忠実に再現されるので樹脂シートを剥離して得られるホログラムラベルにおいても、その金属反射層の部分においてレリーフ型ホログラムを忠実に再現することが可能となる。フッ素化合物系剥離層と金属反射層とを真空成膜装置中でインラインにて積層可能となるので、製造工程の合理化が図れる。
また、本発明のホログラムラベルの製造方法における製造過程において、剥離された樹脂シートを回収し、再度その上にフッ素系剥離層、金属反射層を順次積層することで、繰り返し何度でもホログラムラベルを得ることが可能で、製造コストの低減化が可能となる。しかも、再利用後に得られたホログラムラベルは、最初に製造されたホログラムラベルと同等の性能を有するものである。
以下、本発明をその一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明のホログラムラベルの製造方法の製造工程の概略を示す説明図である。
本発明のホログラムラベルの製造方法においては、図1に示すように、まず表面にレリーフ型ホログラムが形成された樹脂シート10のホログラム形成面に真空成膜法によってフッ素化合物を主体とする薄膜形成部材からなる薄膜3を成膜し、しかる後に重合せしめてフッ素化合物系剥離層4とする(図1のa、b参照)。そして、フッ素化合物系剥離層4上には金属反射層5を真空成膜法により成膜し(図1のc参照)、さらにその上にアルカリ可溶性の接着樹脂層6を介して紙質基材7を順次積層して積層シート20を得る(図1のd参照)。
しかる後、この積層シート20をそのフッ素化合物系剥離層4と金属反射層5の界面で分離させることにより(図1のe参照)、紙質基材7上に少なくともアルカリ可溶性の接着樹脂層6と金属反射層5とがこの相対的順序で積層されてなるホログラムラベル15が作成される(図1のf参照)。
本発明で用いる樹脂シート10は、ホログラムラベル15へホログラムを形成させるための媒体であり、表面にレリーフ型ホログラムを有している。この樹脂シートの作成方法としては、例えば、押出成形法により溶融押出成形機から押し出されたシート状の樹脂にレリーフ型ホログラムスタンパーを押圧して得る方法が挙げられる。
より具体的には、図2に一例を示すように、溶融押出成形機37のT−ダイ21から押し出されたシート状の樹脂22を、走行する支持体23上に積層させるとともに、T−ダイ21の直後に配置された、表面にレリーフ型ホログラムが形成されているレリーフ型ホログラムスタンパー24が装着された冷却ロール25とニップロール26との間に通し、そこで押圧しながら冷却することにより、シート状の樹脂の表面にレリーフ型ホログラムスタンパー24の微細な凹凸形状が正確に転写された樹脂シート10を得ることができる。図2においては、微細な凹凸形状が正確に転写された樹脂シート10が巻取りロール27にて巻取られるようになっている。この結果、支持体23と表面にレリーフ型ホログラムが形成された樹脂層28とが積層されてなる積層タイプの樹脂シート10を連続的に得ることができる。図中、29は支持体23の巻出しロールである。
ここで、樹脂シート10を構成する支持体23としてはポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、セロファンフィルム、ナイロンフィルム、ポリビニールアルコールフィルム、ポリ乳酸フィルム等のフィルムが使用できるが、寸法安定性、耐熱性、加工性、経済性、強靭性等の点から、二軸延伸されたポリエステルフィルム、あるいは二軸延伸されたポリプロピレンフィルムが好ましい。また、支持体23の厚さとしては6〜50μm程度が好ましい。
また、支持体23上にT−ダイ21より押し出されたシート状の樹脂22を積層する際に、両者間の接着性を向上させるために、必要に応じて支持体23の樹脂層28を積層する面に予め、アンカーコート層を設けておいてもよい。このアンカーコート層の構成材料としてはポリブタジエン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アルキルチタネート樹脂、ポリエチレンイミン系樹脂等の樹脂を一般的に用いることができる。
その他の積層タイプの樹脂シートの作成方法としては、支持体上にレリーフ型ホログラム形成用の樹脂を所望の溶剤にてワニス化したものをグラビアコート、ロールコート、ブレードコート等の方法で塗布、乾燥させて樹脂層を設けた後、その樹脂層にレリーフ型ホログラムスタンパーを重ね合わせ、熱プレス装置等によって加熱加圧を行なうことによってレリーフ型ホログラムを樹脂層表面に形成する方法を採用することもできる。
この場合に利用されるレリーフ型ホログラム形成用樹脂としてはセルロース樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂等が例示されるが、支持体との接着力、レリーフ型ホログラムを形成する際の成形性等の観点から、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオールからなるポリオール成分を主剤とし、イソシアネート基を持つプレポリマー成分を硬化剤とした二液反応型ウレタン樹脂が最も好ましい。なお、この際のレリーフ型ホログラム形成用樹脂からなる樹脂層の厚さは0.5〜5.0μm程度であればよい。
一方、本発明のホログラムラベルの製造方法において用いられる樹脂シートとしては、上述したような積層構成のものであっても、以下に示すような単層構成のものであってもよい。すなわち、図3に示すように溶融押出成形機37のT−ダイ21から押し出されたシート状の樹脂22をT−ダイ21の直後に配置された冷却ロール25とニップロール26との間で押圧しながら冷却することにより得られる。冷却ロール25には前記したよう
にレリーフ型ホログラムスタンパー24が装着されており、押圧によってシート状の樹脂22の表面にレリーフ型ホログラムスタンパーの微細な凹凸形状が正確に転写されてレリーフ型ホログラムが形成される。レリーフ型ホログラムが形成された樹脂シート10aは巻取りロールにて連続的に巻取られるようになっている。
この場合、樹脂シートを形成する樹脂としては溶融押出成形ができるとともに、冷却ロールに装着されたレリーフ型ホログラムスタンパーの微細な凹凸形状を精度良く再現できることが好ましい。このような樹脂としてはポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エチレン−アクリル酸共重合樹脂、エチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合樹脂、エチレンーメタクリル酸エステル共重合樹脂等が例示できる。また、厚さは、加工性の点で10〜500μm程度が好ましい。
以上のような方法により樹脂シートが作成されたら、次に、そのレリーフ型ホログラム形成面にフッ素化合物系剥離層4を積層させる。このフッ素化合物系剥離層4は、真空成膜法によってフッ素化合物を主体とする薄膜形成材料からなる薄膜3を成膜し、しかる後に重合、硬化せしめて得られるものである。
この薄膜形成材料を構成するフッ素化合物としては、付加重合可能性官能基を有するフッ素化合物が好ましい。これは、付加重合によるものは他の重合によるものに比べて重合前後での体積変化、特に収縮が小さく、成膜時や使用時に下記するような悪影響が極めて小さくなるからである。
すなわち、このような効果は縮重合などでもある程度は期待されるが、一般的にラジカルなどで開始される付加重合に比べて縮重合では反応速度が小さい傾向にあり、縮重合では硬化に時間がかかり、成膜中に成膜機の搬送ロールなどを汚染したり、支持体の裏面に移行する恐れがあるが、付加重合ではそのような懸念が極めて小さくなるからである。
付加重合性官能基としては、ビニル基、アクリル基、メタクリル基などをはじめとする、ラジカル、カチオン、アニオンなどの反応開始種に対し反応性を示すものを用いる。特にアクリル基やメタクリル基を持つものは取り扱いも簡便で、また重合性に優れている上、膜の硬度なども満足したものが得られるようになる。特に成膜中の皮膚刺激性を抑制したり、硬い重合被膜を得たい時にはメタクリル基を有するフッ素化合物を用いるとよく、逆に柔らかい重合被膜を得たい場合、あるいは低エネルギー量で効率よく重合させたい場合には、アクリル基を有するフッ素化合物を用いるなど、使用目的などを良く考慮して選択すればよい。
フッ素化合物系剥離層は、前記した構成と特性を有する薄膜形成材料の粘度や組成などを調整する必要があるものの、例えば、薄膜形成材料を真空中で熱媒に接触させることにより気化または霧化させた後、あるいは、熱樽内壁にスプレー式ノズルで薄膜形成材料を噴霧して霧化した後、樹脂シート上に凝集させて真空成膜し、さらに付加重合させることにより硬化させて得られる。
付加重合させるに際しては、熱板、熱ロール、熱線照射ランプ、或いは紫外線照射ランプや放射線照射ランプなどを用いることができる。一般的に真空中では熱伝導率が悪いため、成膜された薄膜を加熱により硬化させるためには、樹脂シートのホログラム形成面ではない面側から熱板や熱ロールを当接させて直接熱するか、赤外線ランプなどからの輻射熱により加熱する方法を採ることが好ましい。
しかし、減圧下で加熱硬化を行う際、薄膜形成材料からの再蒸発があり得ることも考慮
すると、紫外線や電子線を照射することで付加重合反応を行わせることがより好ましい。
この場合、紫外線や電子線の照射に際して発生する重合熱はあるものの、一般的な加熱方式よりも遥かに低温で重合反応が進行する。電子線を用いた場合、多くの付加重合反応が容易に進行するが、樹脂シートが大きく帯電したり、樹脂シートに対する負荷が大きくなる、などの問題がある。
一方、紫外線を用いる場合には、薄膜形成材料中に重合開始剤が必要であり、成膜後に残留している開始剤によるブリードが懸念されるものの、前記した帯電の問題は大きく解消される。しかしながら、これら放射線照射による硬化法はそれぞれの欠点を補うに値する魅力があるので、フッ素化合物の反応性を考慮して適宜な方法を選択して用いるとよい。
また、放射線を用いることによる低温域での付加重合反応は、さらに副次的に利点がある。すなわち、重合反応を低温で進行させることは、ラジカル重合などにおける素反応の一つである連鎖移動反応の起こる割合を低減させ、剥離層中における分子量分布を全体的に高い方へシフトさせることができるため、低分子量成分を減少させることができ、延いては剥離層においてはブリーディングが防止できるようになり、また高い機械的強度を発現することができるようになる。
また、上述したような真空成膜方法を用いれば、使用するフッ素化合物の粘度や分子量にはよるものの、一般に無溶媒で薄膜を形成することが可能であるため環境負荷が低くなり、高速化も図れ、しかもその製造コストを安価なものとすることが可能となる。
このフッ素化合物系剥離層4は、その表面に樹脂シートに形成されているレリーフ型ホログラムの微細な凹凸形状を忠実に反映させる必要があるため、その厚さは10〜10000nm程度、好ましくは50〜2000nmの範囲である。
また、このフッ素化合物系剥離層4は、本発明に係る製造方法の最終工程において、樹脂シート10を安定的に剥離させるために、後述する金属反射層5との界面における良好な剥離性を有する材料から形成される必要があるが、上記したフッ素化合物を主体とする薄膜形成材料により真空成膜法で成膜し、しかる後に重合せしめて形成した層とすることにより、十分な剥離機能を発現することが可能となる。また、従来の透明無機化合物からなる剥離層とは異なり、この剥離層4は有機膜であるため、樹脂シート10の剥離時においてクラックの発生を懸念する必要がない。
さらにまた、フッ素化合物系剥離層4を積層する樹脂シート10のホログラム形成面には予め、密着性を向上させるため、コロナ放電処理、イオンボンバード処理、プラズマ処理等の乾式の表面処理を施しておいてもよい。樹脂シート10とフッ素化合物系剥離層4との密着度が、フッ素化合物系剥離層4とその上に積層する金属反射層5との密着度よりも十分に高くないと、樹脂シート10を剥離するに当たって、フッ素化合物系剥離層4と金属反射層5との界面のみにおいてだけでなく、樹脂シート10とフッ素化合物系剥離層4との界面においても剥離が生じ、所望のホログラムラベルが得られなくなる恐れがある。そのため、樹脂シート10のホログラム形成面の表面張力は40dyn/cm以上に調整しておくことがより望ましい。
このようにしてフッ素化合物系剥離層4が積層されたら、その上に金属反射層5を積層させる。この金属反射層5は、樹脂シート10を剥離した後に得られるホログラムラベル15において、その表面に位置するホログラム形成面を構成するものである。そのため、金属反射層5を形成する材料としてはホログラムを明瞭化させ、その装飾効果を引き出す
ために、表面反射率の高い金属が好ましい。例えば、アルミニウム、金、銀、銅、錫およびこれらの金属を含む合金を使用することができる。
この金属反射層5は、前記材料を用いて、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理蒸着法によって設けることが可能である。この際の厚さとしては100〜10000Å程度、好ましくは200〜4000Åの範囲である。
金属反射層5の形成が終了したら、次に、その上にアルカリ可溶性の接着樹脂層6を介して紙質基材7を積層させる。接着樹脂層6は、例えば、容器等に貼り付けたホログラムラベルをアルカリ洗浄液により剥離し易いようにするためアルカリ可溶なものとする必要がある。また、樹脂シート10をフッ素化合物系剥離層4とその上に位置する金属反射層5との界面で良好な剥離を生じさせるため、金属反射層5および紙質基材7と十分な接着性を示す必要がある。そしてさらに、樹脂シート10に形成されているレリーフ型ホログラムの凹凸形状を消失させない温度、すなわち樹脂シート10に用いた樹脂の軟化点温度以下で金属反射層5と紙質基材7とを貼り合わせることができるものである必要がある。
このようなアルカリ可溶性の接着樹脂層の構成樹脂としては、ポリエステルウレタンやポリエーテルウレタンまたはアクリルウレタン等のポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル酸樹脂、アクリル酸エステル共重合樹脂、エチレン−アクリル酸共重合樹脂、アクリル酸エステル−アクリル酸共重合樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、アイオノマー樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、セルロース誘導体、ロジンエステル樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂等の一種または二種以上を用いることができる。また、これら以外にも前記性能を有するものであれば任意の樹脂が使用可能であり、金属反射層および紙質基材の種類によって適切な材料を選択して用いればよい。
この接着樹脂層6は、例えば、前記樹脂を所定の溶媒にて塗料化して、グラビアコーティング、ロールコーティグ、スクリーンコーティング、ブレードコーティング、あるいは押出しコーティング等の公知の方法にて塗布、形成すればよい。層の厚さは1〜30μm程度でよい。
次に、このような接着樹脂層6を介して紙質基材7を貼り合わせ、積層シート20を得るわけであるが、紙質基材7との貼合わせ方式としてはドライラミネート、ウェットラミネート、ノンソルベントラミネート、ヒートラミネート、押出しラミネート等の公知の積層手法を用いればよく、接着樹脂層6の形成と紙質基材7の貼り合わせを一工程で行なうこともできる。
一方、紙質基材7としては上質紙、中質紙、ロール紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙等の種々のものからの選択が可能であるが、ホログラムラベルの使用環境によっては、水に浸漬した際の水中伸度が2.5%以下、好ましくは1.5%以下のものであることが望ましい。これは、例えば、水中伸度が2.5%以上の伸びを有する紙質基材を用いるとビール瓶等の冷蔵環境に保存される容器に貼り付けられた場合に、容器表面に付着した水滴によって紙質基材上の金属反射層に亀裂が生じ、外観が低下する可能性があるためである。また、紙質基材の平滑性が悪い場合、ホログラムの微細な凹凸面を形成している金属蒸着層の形状に影響を与える可能性があるため、コート紙、アート紙、キャストコート等の平滑性の良い紙を使用することがより好ましい。紙質基材7の坪量としては一般的に20〜200g/m2程度が適当である。特に坪量が20g/m2未満であると、紙質基材の機械的強度が不足し、一連の製造工程で充分に耐えられる強度を確保できない可能性があるので好ましくない。
積層シート20が得られたら、最後に、図1に示したように、積層シート20のフッ素化合物系剥離層4と金属反射層5との間で分離させることで、本発明のホログラムラベル15が得られる(図1のf参照)。
図4は、このようにして得られたホログラムラベル15にプライマー層30、印刷インキ層31、オーバーコート層32を設け、表面耐性および装飾効果をさらに高めた、本発明に係るホログラムのさらに他の例を示す概略の断面構成説明図である。このようなプライマー層の構成材料としては、アルカリ可溶性の樹脂が使用される。具体的には、シュラック、ニトロセルロース系樹脂、ニトロセルロース系樹脂に樹脂酸エステルを添加した混合樹脂、前記混合樹脂にアルキッド樹脂を添加した樹脂等が例示できる。
また、印刷インキ層31は、ニトロセルロース系樹脂、ポリアミド樹脂、またはこれらの混合樹脂をビヒクルとするインキで、あるいはさらにマレイン酸を添加したインキにより形成すればよい。さらにまた、オーバーコート層32は前記印刷インキ層31の形成に用いたインキのビヒクルからなるコーティング剤により形成すればよい。何れの層もアルカリ可溶な層として形成する。
以上説明したように、本発明のホログラムラベルの製造方法によれば、従来のホログラムラベルの製造において問題となっていた樹脂シートの剥離性が、樹脂シート10上に剥離性に優れたフッ素化合物系剥離層4を形成することにより大幅に改善され、積層シート20をそのフッ素化合物系剥離層4と金属反射層5との界面で安定的かつ容易に分離させることが可能となる。さらに、フッ素化合物系剥離層4を真空成膜法によって形成するので、樹脂シート10の表面に形成されたレリーフ型ホログラムの微細な凹凸を消失させることがない。そして、フッ素化合物系剥離層4の上に形成された金属反射層5の表面にもそのレリーフ型ホログラムが忠実に再現されるので樹脂シート10を剥離して得られるホログラムラベル15においても、その金属反射層5の部分においてレリーフ型ホログラムを忠実に再現することが可能となる。
さらには、本発明の製造方法によれば、例えば、図5に示したような真空成膜装置40の第一成膜室41において、フッ素化合物を主体とする薄膜形成材料を減圧下で加熱させてで気化させることよってその薄膜を樹脂シート上に成膜し、しかる後に電子線照射照射装置等の重合手段44によりエネルギーを与えることにより重合・硬化させてフッ素化合物系剥離層とした後、第二成膜室42において、金属反射層を前記フッ素化合物系剥離層上に真空蒸着法によって形成して積層シート20を作成し、続いて、巻取室43において巻き取るようにすることができる。このようにすることで、一度のウェブ加工において、フッ素化合物系剥離層と金属反射層を積層することができるため、工程の合理化が図れ、安価な製造コストにてホログラムラベルを作製することができる。以下、本発明を実施例により、さらに詳しく説明する。
図2に示したような構成の溶融押出成型機を用い、支持体となる厚さ20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(二村化学(株)製:FOR)上に、ポリプロピレン樹脂(三菱化学(株)製:FL25R)をT−ダイより押出温度290℃、押出厚み30μmで押出して積層するとともに、T−ダイ直後に配置された、表面にレリーフ型ホログラムスタンパーが装着された冷却ロール(ロール温度20℃)およびニップロール(シリコンゴム製:ゴム硬度80度)との間で押圧・冷却することにより、ポリプロピレン樹脂表面にレリーフ型ホログラムの微細な凹凸が正確に転写された樹脂シートを連続的に得た。
次いで、得られた樹脂シートのレリーフ型ホログラム形成面(ポリプロピレン樹脂層)にコロナ放電処理を行ない、その表面張力を40dyn/cmとした。続いて、図5に示
したような構成の真空成膜装置内の第一成膜室において、前記コロナ処理を施した樹脂シートのレリーフ型ホログラム形成面へ、アクリル基末端フッ素化合物(図7の化合物1参照)を含む混合物を240℃に加熱し、気化させることにより、厚さ200nmのフッ素化合物系の薄膜を成膜した後、重合手段から電子線を照射して重合させることにより、剥離層を得た。その後、さらに第二成膜室において、フッ素化合物系剥離層上に真空蒸着法により、厚さ80nmのアルミニウム蒸着層(金属反射層)を積層した。
さらに、ドライラミネート法により前記アルミニウム蒸着層上へ、エステル系ポリウレタン樹脂接着剤(大日本インキ化学工業(株)製:LX−747A/KX−75)をグラビアコーターにて2g/m2の塗布量で塗布し、オーブンにて80℃で乾燥した後、坪量65g/m2のコート紙(富士加工(株)製:コーモラントVMTS)と60℃に加熱されたロールを通して貼り合わせ、積層シートを得た。その後、積層シートより樹脂シートを取り除くべく、フッ素化合物系剥離層とアルミニウム蒸着層との間で剥離させ、図1のfに示すような構成のホログラムラベルを得た。
この際、積層シートはをそのフッ素化合物系剥離層とアルミニウム蒸着層との間で容易かつ安定的に分離させることができ、レリーフ型ホログラム形成層を構成するアルミニウム蒸着層の薄膜が破壊されることがなく、装飾効果の高いホログラムラベルを得ることができた。
実施例1同様、図2に示したような構成の装置を用い、厚さ16μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(東レ(株)製:P60)上に、予め、ポリブタジエン系樹脂(東洋モートン(株)製:EL451)からなるアンカーコート層を設け、さらにその上に、ポリエチレン樹脂(三井化学(株)製:M14P)をT−ダイより押出温度320℃、押出厚さ20μmで押出して積層するとともに、T−ダイ直後に配置された、表面にレリーフ型ホログラムスタンパーが装着された冷却ロール(ロール温度20℃)およびニップロール(シリコンゴム製 ゴム硬度80度)との間で押圧・冷却することにより、ポリエチレン樹脂表面にレリーフ型ホログラムの微細な凹凸が正確に転写された樹脂シートを連続的に得た。
次いで、得られた樹脂シートのレリーフ型ホログラム形成面(ポリエチレン樹脂層)に、アルゴンガスによるイオンボンバード処理を行ない、その表面張力を40dyn/cm以上とした。その後、実施例1で使用した真空成膜装置を用い、前記樹脂シートのレリーフ型ホログラム形成面へメタクリル基末端フッ素化合物(図7の化合物2参照)を厚さ150nmで成膜し、さらに重合手段で重合せしめて剥離層とし、さらにその上に真空蒸着法により厚さ80nmのアルミニウム蒸着層(金属反射層)を積層した。
そして最後に、ウェットラミネート法によって、前記アルミニウム蒸着層上へ、アクリル/酢酸ビニル共重合樹脂系接着剤(サイデン化学(株)製:MC−10)をロールコーターにて約2g/m2の塗布量で塗布し、坪量60g/m2のコート紙(富士加工(株)製:コーモラントVMTS)と貼り合わせた後、120℃のオーブンにて乾燥を行ない、積層シートを得た。その後、この積層シートより樹脂シートを取り除くべく、フッ素系剥離層とアルミニウム蒸着層との間で剥離させ、図1に示すような構成のホログラムラベルを得た。
上記得られたホログラムラベルは、実施例1同様、その製造過程でフッ素化合物系剥離層とアルミニウム蒸着層との間で容易かつ安定的に剥離させることができたため、レリーフ型ホログラム形成層を構成するアルミニウム蒸着層の薄膜が破壊されることがなく、装飾効果の高いものであった。
実施例1において剥離除去された樹脂シートを回収し、その後、回収された樹脂シートのフッ素化合物系剥離層の上に再度、真空蒸着法によって厚さ80nmのアルミニウム蒸着層を積層して金属反射層を形成した。次いで、押出ラミネート機を用いて、T−ダイより押出温度230℃、押出厚さ30μmとなるようにして押出されたアルカリ可溶性のエチレン−アクリル酸共重合樹脂(酸価=200mgKOH/g、MFR=18dg/min、密度=0.943g/min)を介して、前記工程で得られた積層体のアルミニウム蒸着面と坪量40g/m2の純白ロール紙とをサンドイッチラミネートし、積層シートを得た。
その後、前記積層シートより樹脂シートを取り除くべく、フッ素化合物系剥離層とアルミニウム蒸着層との間で剥離させ、図1に示すような構成のホログラムラベルを得た。上記のようにして得られたホログラムラベルは実施例1のものと同様、フッ素化合物系剥離層とアルミニウム蒸着層との間で容易かつ安定的に剥離させて得られた。よって、このホログラムラベルはそのレリーフ型ホログラム形成層を構成するアルミニウム蒸着層の薄膜が破壊されることがなく、装飾効果の高いものであった。このように、一度剥離した樹脂シートは、回収して再利用した場合でもその上のフッ素化合物系剥離層による剥離作用は保持されており、最初に使用した際と同等の優れた剥離性とホログラムの装飾効果を示した。
実施例1で得られたホログラムラベルのアルミニウム蒸着層の上に、プライマー層の構成材料としてニトロセルロース系樹脂、印刷インキ層の構成材料としてポリアミド系樹脂とニトロセルロース系樹脂の混合樹脂をビヒクルとするインキ、さらにオーバーコート層の構成材料としてニトロセルロース系樹脂にアルキッド系樹脂を混合して成るワニスを用い、それぞれグラビアコート法によって順次積層し、図4に示したような構成の、表面耐性および装飾効果をさらに高めたホログラムラベルを得た。
実施例1で用いたフッ素化合物系の混合物中にベンゾフェノン系UV開始剤(チバスペシャルケミカルズ社製:IRGACURE184)を1%添加し、電子線の代わりに120kWのメタルハライドランプ紫外線にて硬化処理を行ったこと以外は実施例1と同様にして、図1に示すような構成のホログラムラベルを得た。得られたホログラムラベルは実施例1のものと同様、フッ素化合物系剥離層とアルミニウム蒸着層との間で容易かつ安定的に剥離させることができたためレリーフ型ホログラム形成層を構成するアルミニウム蒸着層の薄膜が破壊されることがなく、装飾効果の高いものであった。
実施例1で用いたフッ素化合物系混合物中に2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を添加し、電子線の代わりに熱ロールを用いて硬化させたこと以外は実施例1と同様にして、図1に示すような構成のホログラムラベルを得た。得られたホログラムラベルは実施例1のものと同様、フッ素系剥離層とアルミニウム蒸着層との間で容易かつ安定的に剥離させることができたためレリーフ型ホログラム形成層を構成するアルミニウム蒸着層の薄膜が破壊されることがなく、装飾効果の高いものであった。
フッ素化合物系剥離層を積層しなかった以外は、実施例1と同様の装置、材料、操作によって比較例としての積層シートを製造した。次いで、この積層シートをその樹脂シートと金属反射層であるアルミニウム蒸着層との間で剥離させようとしたところ、アルミニウ
ム蒸着層が若干樹脂シート側に残り、安定的に剥離させることができなかった。すなわち、ホログラムラベル上にてレリーフ型ホログラム形成層を構成するアルミニウム蒸着層の一部が破壊され、本来得られるホログラムの装飾効果を充分に得ることができなかった。その様子を図6に示した。
<試験>
次に、これら実施例1〜実施例6にて得られたホログラムラベルについて、使用後に回収し、再利用される容器等の表面に貼り付けた後、アルカリ洗浄液によって容易に洗浄剥離する適性があるか否かの試験を行なった。すなわち、実施例1〜実施例6にて得られたホログラムラベルを10cm角程度に切り取り、カゼイン系の糊を用いてガラス瓶に貼り付けた後、アルカリ洗浄液(70℃ 4%カセイソーダ水)にガラス瓶を浸漬した際に、ホログラムラベルがガラス瓶から短時間に剥離するか否かで適性を判断した。その結果、実施例1〜実施例6にて製造したホログラムラベルは何れも3分以内の短時間に剥離し、優れた剥離性を有するものであることが分かった。
本発明のホログラムラベルの製造方法の一例を工程順に示す説明図である。 本発明のホログラムラベルの製造方法において使用される樹脂シートの製造方法の一例を示す説明図である。 本発明のホログラムラベルの製造方法において使用される樹脂シートの製造方法の他の一例を示す説明図である。 本発明のホログラムラベルの他の例の概略の断面構成を説明図である。 本発明のホログラムラベルを製造するための真空成膜装置の一例を示す説明図である。 比較例としてのホログラムラベルの製造方法の一例を工程順に示す説明図である。 フッ素系化合物の分子構造を示す説明図である。
符号の説明
4…フッ素化合物系剥離層
5…金属反射層
6…接着樹脂層
7…紙質基材
10、10a…樹脂シート
15、33…ホログラムラベル
20…積層シート
21…T−ダイ
22…シート状の樹脂
23…支持体
24…レリーフ型ホログラムスタンパー
25…冷却ロール
26…ニップロール
27…巻取りロール
28…レリーフ型ホログラム形成樹脂層
29…巻出しロール
30…プライマー層
31…印刷インキ層
32…オーバーコート層
37…溶融押出成形機
40…真空成膜装置
41…真空成膜装置の第一成膜室
42…真空成膜装置の第二成膜室
43…真空成膜装置の巻取室
44…重合手段

Claims (8)

  1. 表面にレリーフ型ホログラムが形成された樹脂シートのホログラム形成面に真空成膜法によってフッ素化合物を主体とする薄膜形成材料からなる薄膜を成膜し、しかる後に重合せしめてフッ素化合物系剥離層を設けてから、その上に金属反射層を真空成膜法により成膜し、さらにその上にアルカリ可溶性の接着樹脂層を介して紙質基材を順次積層して積層シートとし、その後、この積層シートをそのフッ素化合物系剥離層と金属反射層の界面で分離させることを特徴とする、紙質基材上に少なくともアルカリ可溶性の接着樹脂層と金属反射層とがこの相対的順序で積層されてなるホログラムラベルの製造方法。
  2. 前記フッ素化合物を主体とする薄膜形成材料が付加重合性官能基を有するフッ素化合物を成分に持つものであることを特徴とする請求項1に記載のホログラムラベルの製造方法。
  3. 前記付加重合性官能基がビニル基、アクリル基、メタクリル基のいずれかであることを特徴とする請求項2に記載のホログラムラベルの製造方法。
  4. 前記フッ素化合物を主体とする薄膜形成材料からなる薄膜は加熱による付加重合反応で重合されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のホログラムラベルの製造方法。
  5. 前記フッ素化合物を主体とする薄膜形成材料からなる薄膜は放射線の照射による付加重合反応で重合されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のホログラムラベルの製造方法。
  6. 前記放射線が紫外線または電子線であることを特徴とする請求項5に記載のホログラムラベルの製造方法。
  7. 前記積層シートをそのフッ素化合物系剥離層と金属反射層の界面で分離させ得られたホログラムラベルの金属反射層上に、プライマー層と印刷層とワニスからなるオーバーコート層を順次積層して設けることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のホログラムラベルの製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のホログラムラベルの製造方法によって形成されたことを特徴とするホログラムラベル。
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