JP2006170956A - 赤外線検出装置、半導体基板、およびそれらの製造方法 - Google Patents

赤外線検出装置、半導体基板、およびそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 赤外線(温度)を検知する半導体装置として、赤外線を高感度に検知することができ、しかも低製造コストで製造可能な赤外線検出装置等を提供する。
【解決手段】 半導体装置50は、測定対象物から放射された赤外線を吸収する赤外線吸収部5と、シリコン基板2上に形成され、赤外線吸収部5の温度変化を検知する温度検知部6とを有している。半導体基板2の表面近傍には、少なくとも部分的に多孔質シリコン層25が形成されており、さらに、該多孔質シリコン層25上には単結晶層4aが形成されている。上記温度検知部6は、上記単結晶層4aのうち、下部に上記多孔質シリコン層25が存在している領域に形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、赤外線を検知することによって測定対象物の温度を検知する赤外線検出装置およびその製造方法に関し、特に、10μm程度の波長の赤外線を複数の検知部で検知する赤外線イメージセンサとして構成された赤外線検出装置およびその製造方法に関する。また、本発明は上記赤外線検出装置に利用可能な半導体基板およびその製造方法に関する。
従来、測定対象物の熱を検知する赤外線イメージセンサ(単に「赤外線センサ」ともいう)としては量子型のものと熱型のものとが知られている。量子型の赤外線イメージセンサは、比較的感度が高く、応答速度も速いという利点を有しているが、その反面、熱雑音が大きく、そのためシステムを冷却しないと使用できないという課題がある。これは、システムに冷却手段を設ける必要があることを意味し、その結果、システムの製造コストの上昇を招くこととなる。
一方、熱型のイメージセンサは、さらに分類すると、代表的な物としてサーミスタタイプ、ボロメータタイプ、焦電タイプ、および熱起電力タイプがある。これらのうち、サーミスタタイプおよびボロメータタイプは、通常の半導体製造プロセス、特にシリコンプロセスを利用して製造しやすく、また、他のタイプと比較して、安価に製造することができると共に、検知回路、読出し回路などの電気的回路を含めて1チップ化するのに有利であることから、近年、その開発が進んでいる。
次に、赤外線センサによる温度検知原理等について簡単に説明する。通常、あらゆる物体は、絶対零度以上の条件において所定の波長の赤外線を放射しており、黒体(入射する放射熱を全部吸収して何も反射しない理想的物体)と熱放射との関係はプランクの放射則で決められる。黒体ではない物体においても、放射エネルギーに対して所定の放射率(例えば人間の皮膚の放射率は0.98程度)を乗じればよい。人間の場合、体温を36℃とすると放射される赤外線は3〜60μm程度の波長分布となり、そのうち8〜14μmの波長が約半分を占めている。
赤外線を検知するための赤外線センサは、一般に、赤外線を吸収することによって温度が上昇する赤外線吸収部と、その赤外線吸収部の温度変化を電気的信号に変換して出力する温度検知部とを有している。そして、赤外線の強度は微弱であるため、その赤外線を良好に検知するためには、上記赤外線吸収部および温度検知部(これらをまとめて「センサ部」ということもある)を、他の構造部(例えばシリコン基板)から熱的に分離すると共に、僅かな赤外線の入射によっても容易に温度が上昇するようにセンサ部の熱容量が小さいことが望ましい。さらには、赤外線吸収部および温度検知部の物理定数によって定まる、センサ部における熱流の均一性も重要である。
図5は、特許文献1に開示された赤外線センサの一例であり、1つの画素(素子とも言う)分の構成を示している。赤外線センサとして構成された半導体装置150は、シリコン基板102上に形成された温度検出部106と、接続柱140を介して温度検出部106に接続された赤外線吸収部105とを有している。赤外線吸収部105は入射した赤外線を吸収することによって温度が上昇するようになっており、その温度変化は、接続柱140を介して温度検出部106に伝わり、温度検出部106はその温度変化を電気的信号に変換して出力する。図5の半導体装置150では、また、温度検出部106の下にエッチングによって形成された空洞部125が形成されており、これにより、温度検出部106とシリコン基板102との間の熱的分離が実現されている。
なお、図5に示したような素子が複数1列に並んでいる半導体装置は「ラインセンサー」と呼ばれ、2次元的に並んでいるものは「エリアセンサー」と呼ばれることもある。
図6は、特許文献2に開示された赤外線センサの一例を示しており、半導体装置250の空洞部225は、反応性ガスを用いてシリコン基板202を等方的にエッチングして形成したものである。空洞部225の両端には、空洞部225の形状を制御するためのストッパー290が設けられている。
図7は、特許文献3に開示された赤外線センサの一例を示しており、半導体装置350は、赤外線吸収部として金属黒336を有し、温度検知部として熱電素子304を有している。熱電素子304は、シリコン基板302表面に被覆された絶縁膜303上に形成されており、さらに、他の絶縁膜305によって覆われている。また、熱電素子304とシリコン基板302とを熱的に分離するための構造部として、熱電素子304の下方には、シリコン基板302の表面近傍を部分的に多孔質化した多孔質部325が形成されている。
特開平10−209418号公報 国際公開99/31471号パンフレット 特開平9−14579号公報
上述したような熱型の赤外線センサには、高感度化および感度の均一性の向上が求められ、また、製造コストを抑えることも求められている。
図5に示した構成では、シリコンの面方位に対する異方性エッチング手法により、空洞部125を中心部より対称的に形成するため、エッチング形状の制御性が比較的悪く、大きさあるいは形状(特に深さ)が均一な空洞部を形成するのが困難である。また、構造的に、画素を小さく形成するのが難しいことからセンサの小型化に不利である。さらに、図5のような構成では熱流が不均一となりやすく、その結果、それぞれ画素における出力にばらつきが生じやすい。この理由は、図5の構成では、赤外線吸収部105から接続柱140を経由して温度検知部106に伝わる熱が、接続柱140から温度検知部106に伝播する際に温度検出部106で一気に拡散するためであり、またその領域を均一な形状に形成することが困難なためである。
次に、図6の構成では、ストッパー290によって空洞部225の形状が規定されるものであり、制御性の高いフォトリソグラフィー技術によって空洞部形状が規定されるため、空洞部形状を良好に制御できるものの、そのためには複雑な工程を必要とする。さらに、図6の構成では、シリコン基板202としてSOI(Silicon on Insulator)基板を使用しなければならず、これは製造コストの上昇につながる。
図7の構成は、SOI基板を使用する必要がないことから製造コストを抑えることができる点で有利であるが、熱電素子304が絶縁材料上に形成されていることからTCR(Temperature Coefficient of Resistance)が大きく、センサの性能上、ノイズ成分が大きくなる。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、その目的は、赤外線(温度)を検知する赤外線検出装置として、赤外線を高感度に検知することができ、しかも低製造コストで製造可能な赤外線検出装置およびその製造方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、上記本発明の赤外線検出装置に利用可能な、半導体基板およびその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため本発明の赤外線検出装置は、測定対象物から放射された赤外線を吸収する赤外線吸収部と、前記赤外線吸収部の温度変化を検知する半導体基板に形成された温度検知部とを有する赤外線検出装置であって、前記半導体基板の表面近傍には少なくとも部分的に多孔質部が形成され、さらに、該多孔質部上には単結晶層が形成されており、前記温度検知部は、前記単結晶層のうち、下部に前記多孔質部が存在している領域に形成されているものである。
このような構成によれば、温度検知部が形成された部位周辺の単結晶層が、多孔質部によって半導体基板内部と熱的に分離されていることから、上記温度検知部または上記単結晶層に伝わってきた熱が基板内部に伝播しにくいものとなる。また、温度検知部が単結晶層に形成されていることから、センサとしての性能も向上する。またこのような構成であれば、SOI基板を用いる必要がない。
本発明による赤外線検出装置の製造方法は、測定対象物から放射された赤外線を吸収する赤外線吸収部と、半導体基板に形成された前記赤外線吸収部の温度変化を検知する温度検知部とを有する赤外線検出装置を製造する方法であって、前記半導体基板の表面近傍を少なくとも部分的に多孔質化して多孔質部を形成する工程と、前記多孔質部の少なくとも一部を覆うように前記半導体基板表面に単結晶層を形成する工程と、前記単結晶層のうち、下部に前記多孔質部が存在している領域に前記温度検知部を形成する工程と、前記温度検知部に近接して前記赤外線吸収部を形成する工程と有する。
このように、本発明の製造方法は、SOI基板を用いずに上記本発明の赤外線検出装置を形成するものであるため、別な言い方をすれば、半導体基板をSOI基板化する工程を含むものではなくSOI基板を用意したり煩雑な工程を要したりするものではないため、製造コストを抑えるのに有利である。また、図5、図6に示した従来構成のように空洞部を形成するものではないため、空洞部を形成するための特別な工程も必要ない。
本発明によれば、温度検知部と半導体基板とを熱的に分離する多孔質部が設けられていることによりセンサとしての感度が向上し、低製造コストで製造可能な赤外線検出装置およびその製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の半導体装置(赤外線検出装置)の構成を示す図であり、半導体装置のうち1つの画素(素子)に対応する領域を示している。
図1に示すように、半導体装置50は、シリコン基板2と、シリコン基板2上に形成された赤外線吸収層5と、該赤外線吸収層5の温度変化を検知するための温度検知部6とを有しており、測定対象物から放射された赤外線を赤外線吸収層5で吸収することで、赤外線吸収層5の温度が上昇し、その温度変化を温度検知部6で検知して電気的信号として出力する赤外線センサである。
シリコン基板2は、例えばP型(高密度のP+型)の単結晶シリコンからなる基板であって、本実施形態においてはその表面近傍が多孔質シリコン25層となっている。多孔質シリコン層25は均一な厚さで基板全面にわたって形成されている。図1に示すように、本実施形態においては、シリコン基板2および多孔質シリコン層25によって半導体基板20を構成している。
多孔質シリコン層25の上層には単結晶シリコンからなる単結晶層4aが形成されており、単結晶層4aのうち、温度検知部6付近の領域は熱的分離領域1として示されている。熱的分離領域1は、温度検知部6が形成された領域と、接続部8が形成された領域とを少なくとも含む領域である。
多孔質シリコン層25は、シリコン基板2の表面近傍を一定の深さで多孔質化した構造であり、シリコン基板2と比較して熱伝導率が小さいという特性を備えている。したがってこの多孔質シリコン層25は、単結晶層4aとシリコン基板2とを熱的に分離する部材として利用することができる。言い換えれば、このような多孔質シリコン層25が形成されていることで、熱的分離領域1の熱が保たれるようになっている。これは、詳細は後述するが、赤外線吸収層5から熱的分離領域1(単結晶層4a)に伝わってきた熱分布がシリコン基板2側に広がりにくくなることを意味し、したがって、少ない熱量であっても温度検知部6による温度検知が良好に行われるものとなる。
温度検知部6は、単結晶層4aの表面付近に形成されており、例えば、PNダイオードおよび抵抗体などで構成され、温度変化を電気的信号として出力する機能を有している。このような温度検知部6としては、特に限定されるものではないが、サーミスタタイプ、ボロメータタイプ、焦電タイプ、または熱電対タイプ等を利用することができる。温度検知部6から出力された電気的信号は、同じく単結晶層4aの表面付近に形成された信号処理回路9を介して外部に出力されるようになっている。この場合、信号処理回路9は、温度検知部6からの電気的信号を適宜増幅するようになっていてもよい。
なお、温度検知部6および信号処理回路9はいずれも、フィールド酸化膜10同士の間の素子形成領域に形成されており、温度検知部6と信号処理回路9のそれぞれの上には、絶縁層7が形成されている。また、検知用の回路としては、より具体的には、順方向電流が一定となるような定電流原を用いた電圧読み出し方式のものであってもよい。
赤外線吸層5は、温度検知部6および信号処理回路9を覆うようにして絶縁層7上に形成されると共に、温度変化が温度検知部6に良好に伝わるように温度検知部6に近接した位置に設けられている。絶縁層7が部分的に形成されていない領域である接続部8では、赤外線吸収層5は単結晶層4aの表面に直接接している。赤外線吸収層5の熱は、主にこの接続部8を介して熱的分離領域1に伝わり、熱的分離領域1内を伝播して温度検知部6に伝わるようになっている。したがって、本実施形態のように熱的分離領域1とシリコン基板2とが、多孔質シリコン層25によって熱的に分離されていることは、熱的分離領域1に伝わった熱を有効に利用できる点で好ましい。
なお、接続部8は大面積で形成されていることが好ましく、赤外線吸収層5の熱がシリコン基板2に効率よく伝わるようになる。また、赤外線吸収層5は、半導体装置50を上面側から見たときに、画素ごとに分離されていることが好ましい。これにより、温度検知部6は、画素ごとの温度を、隣接する他の画素からの影響を受けることなく良好に検知できるものとなる。本実施形態の構成においては、分離部11aおよび11bによってこの熱的分離が実現されている。
赤外線吸収層5の材質は、赤外線を吸収した際に部材の温度が上昇するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、金黒膜、Ti、VO、TiN、酸化バナジウム、アモルファスシリコン(無定形)、ポリシリコン(多結晶)、単結晶シリコン等であってもよい。
また、熱的分離領域1内に伝わった熱をより有効に利用するためには、熱的分離領域1(単結晶層4a)内において、熱が、図示右側つまり温度検知部6とは反対側に伝わらないようになっていることが好ましい。これを実現するためには、図示中央に描かれているフィールド酸化膜10aを、フィールド酸化膜10の下部が多孔質シリコン層25に達する程度に、より厚く形成してもよい。このような構成によれば、単結晶層4aがフィールド酸化膜10aを挟んで左右に分離され、熱的分離領域1が信号処理回路が形成された領域と熱的に分離された状態となり、したがって熱的分離領域1に伝わった熱を有効に利用できるものとなる。これは、半導体装置50のセンサとしての感度が向上することを意味する。
なお、このような、熱を有効利用するための熱的分離は他にも種々の形態で可能であるが、他の例については再度後述するものとする。
次に、図1の半導体装置50の製造方法について図2を参照して説明する。図2は、本実施形態の半導体装置を製造する工程を示す工程図である。
まず、図2(a)に示すように、P型のシリコン基板2を用意して、陽極化成法を用いて、その表面近傍に例えば厚さ10μm程度の多孔質シリコン層25を形成する。このような多孔質シリコン層25は、その上に単結晶シリコンの層を形成できるという利点がある。また、詳細には図示しないが、こうして形成された多孔質シリコン層25自体の表面には、酸化膜が形成されると共に微小な表面孔が複数開口している。
上記多孔質シリコン層25の形成条件の一例としては次のようなものであってもよい。
8インチP型(0.013−0.017Ωcm)
化成溶液:50%HF:IPA=2:1(体積比)
電流密度:8mA/cm
電流印加時間:11min
全面パターニング:なし
ここで、「全面パターニング:なし」とは、多孔質シリコン層25が、部分的にではなく基板全面に形成されていることを意味する。
なお、シリコン基板2としては、上記P型のシリコン基板の他にも、例えば基板表面側のみがP型(0.013−0.017Ωcm)であって、その下層がP型(1−2Ωcm)またはN型(1−2Ωcm)のものを使用することもできる。
次に、多孔質シリコン層25の酸化を目的として、基板全体に低温酸化処理(400℃−1h、酸素雰囲気中)を施す。このように多孔質シリコン層25を酸化することによって、多孔質シリコン層25の熱伝導率が小さくなることが知られている。熱伝導率が小さくなることは、多孔質シリコン層25による熱的分離作用が向上することを意味する。なお、この、低温酸化による多孔質シリコン層25の改質の詳細については再度後述する。
次いで、図2(b)に示すように、多孔質シリコン層25を形成したシリコン基板2に対してエピタキシャル処理を行い、多孔質シリコン層25を覆うようにして基板表面にシリコンからなる単結晶層4aを形成する。単結晶層4aの厚さは、作製するデバイスに応じて適宜設定されるものであるが、参考までに、本実施形態において上記エピタキシャル処理により形成される単結晶層4aの厚さは、例えば10nm〜数十μm程度である。エピタキシャル処理は、具体的には、CVD法をはじめとして、MBE法、スパッタ法、気相成長法など種々の方法で実施可能である。
なお、エピタキシャル処理は、より詳細には、次のような事前処理を行い、多孔質シリコン層25の表面孔(不図示)を埋めてから実施される。まず、例えばDHF(希フッ酸)等を用いて多孔質シリコン層25表面の酸化膜(不図示)を除去する。その後、例えば水素雰囲気中で950℃−10sの表面処理を施すことで、多孔質部23の表面孔の穴埋めを行う。さらに、少量のシリコン系ガスを導入することで、残りの表面孔の穴埋めが行われる。
次いで、図2(c)に示すように、フィールド酸化処理により単結晶層4aの表面にフィールド酸化膜10を形成する。フィールド酸化膜10同士の間が素子形成領域となる。このフィールド酸化膜10は、上述の通り、多孔質シリコン層25にまで達するような厚さで形成されていてもよい。
続いて、この素子形成領域に温度検知部6と信号処理回路9とを形成する。これらの構造部は従来公知の方法を用いて形成することができ、例えば、温度検知部6のPNダイオードはN型の不純物をイオン注入することによって形成可能である。
次に、温度検知部6と信号処理回路9とを覆うようにして絶縁層7を形成すると共に、絶縁層7のうち接続部8となる部分を除去する。以上の工程により図2(c)に示す状態の基板が作製される。
次いで、図2(d)に示すように、基板最表面に赤外線吸収層5を形成する。これは従来公知の方法を用いることができる。これにより基板表面全体が赤外線吸収層5によって覆われて、絶縁層7が部分的に除去された部位では、赤外線吸収層5と単結晶層4aとが直接に密着して接続部8が形成される。
次いで、図2(e)に示すように、赤外線吸収層5、絶縁層7、またはフィールド酸化膜10等を部分的に除去することによって、分離部11a、11bを形成する。詳細には、分離部11aは、赤外線吸収層5、絶縁層7、フィールド酸化膜10、および単結晶層4aを部分的に除去することで形成され、分離部11aの底部は多孔質シリコン層25まで達している。分離部11bは、赤外線吸収層5を分離するようにして形成されている。この分離部11a、11bの形成は所定のエッチングにより実施可能である。
以上の一連の工程により、図1に示した構成の半導体装置50が製造される。
なお、実際には、必要に応じて例えば赤外線吸収層5上に配線層(不図示)を形成することもあり、配線層の材質にはTiなどを使用することができ、Tiは、導電体の中でも比較的熱伝導率が小さく(0.157W/cmk)、熱を逃がしにくい点で好ましい。この配線層の形成工程は従来公知の方法(例えばスパッタ法)により実施可能である。
以上説明したような本実施形態の半導体装置50(図1参照)によれば、多孔質シリコン層25によって温度検知部6を含む領域(熱的分離領域1)がシリコン基板2の内側部と熱的に分離されているため、赤外線吸収層5から接続部8を経由して伝わる熱が僅かであっても、その熱はシリコン基板2の内側に逃げにくいため、温度検知部6に効率的に伝わり、結果的に、温度検知部6での温度検知を効率よく行うことができるものとなる。これは、半導体装置50全体として、赤外線を高感度に検知できることを意味する。
また、本実施形態の構成では、単工程で形成した均一厚さの多孔質シリコン層25を複数の画素(図1では1画素のみを示す)で共通に利用可能である。特に、多孔質シリコン層25が均一厚さであることから、センサの特性に関し、画素ごとのばらつきが抑えられるという効果が得られる。また、1つの画素について見ても、多孔質シリコン層25の厚さが均一となっていることは、熱流が均一化する点で好ましい。
さらに、半導体装置50はSOI基板を利用せずに製造可能であるため製造コストを抑えるのに有利である。また、本製造方法は従来のものと比較して比較的簡便であるため、つまり、図5、図6のような空洞部125、225を形成する必要がないことから工程が簡素化するため、この点からも製造コストを抑えるのに有利である。
また、温度検知部6等の回路が単結晶シリコン(単結晶層4a)上に形成されているため、図7に示した従来構成と比較してTCRを向上させることができる。ところで、図7に示した構成において、絶縁膜上に単結晶シリコンを形成し、そこに温度検知部6を設けることで本実施形態の構成に類似した構成を得るとすると、図7の構成において、絶縁膜上に単結晶シリコンを形成しSOI基板構造とする必要があり、これは製造コストの上昇につながる。すなわち、SOI基板構造が不要であるということは、SOI基板を形成するための貼り合わせ工程、または、酸素イオン注入工程およびそれに伴う熱処理工程が不要であることを意味し、したがって製造コストを抑えるのに有利である。上記熱処理工程は、一般に、1300℃程度あるいはそれ以上の温度で行われるものであり、こうした高温酸化により、多孔質部が変質して所望の昨日を果たさなくなることもあるから、本実施形態のように上記熱処理工程を必要としない製法は、多孔質部の不要な変質を伴わない点でも好ましい。
上述したように本実施形態の構成においては温度検知部6は効率的に温度を検知することができるものであり、温度検知部6の温度分解能は0.2K程度とすることが可能である。
以上、第1の実施形態として半導体装置50およびその製造方法の一例を説明したが、本発明は上述した具体的な構成または工程に限られるものではなく種々変更可能である。
例えば、単結晶層4aは、SiGeをエピタキシャル成長させることで形成した、厚さが十nm〜数十μmのエピタキシャルSiGe層であってもよい。または、このようなエピタキシャルSiGe層を、前述した単結晶層4a上の全体または一部分上に成膜することもできる。さらに、SiGe層の他にも、GaAs等のエピタキシャル層を形成することもできる。
また、図1の接続部8は、赤外線吸収層5とシリコン基板2の表面が直接接触したものであったが、隣接する他の部材と比べて熱伝導性がよく、熱が接続部8を介して優先的に伝わるような構成であれば、赤外線吸収層5と単結晶層4aの表面との間に他の層を介在させることも可能である。
なお、以上の説明の中で、フィールド酸化膜10の厚さを増大させ、熱的分離領域1(図1参照)と他の他結晶層4aから分離させることで、センサの感度を向上させることができることについて述べたが、同様の効果は、フィールド酸化膜10以外の他の構造部を種々変更することによっても得ることができる。要するに、温度検知部6が形成された熱的分離領域1と他の領域とを熱的に分離することによってセンサ感度が向上するという効果は、熱的分離領域1の周囲(上面側から見た状態での「周囲」)を熱伝導率の悪いもの(例えば空気)で包囲することで同様に得られるものである。以下、変形例について図3を参照して説明する。
図3(a)の半導体装置は、基本的には図1と同一の構成であるが、図示左側分離部11aに加えさらに中央の分離部11cを有している。分離部11cは、熱的分離領域1を間において分離部11aの反対側に形成されており、絶縁層7およびフィールド酸化膜10aを貫通して、その底部は多孔質シリコン層25まで達している。分離部11cの内部は空洞部となっているため、このような構成では、熱的分離領域1が空気によって熱的分離された状態となっている。このように分離部11aおよび分離部11cを形成し、温度検知部6が形成されている熱的分離領域1と、他の領域とを熱的に分離することにより、前述の通り、センサの感度を向上させることができる。
また、分離部11a、11cをさらに深く形成することも可能である。図3(b)に示す分離部12a、12cは、上記分離部11a、11cと比較してより深く形成されており、多孔質シリコン層25を貫通している。このように、熱的分離領域1だけでなく多孔質シリコン25も分離されている構成とすれば、センサとしての感度をより向上させることができる。この理由は、熱的分離領域1から多孔質シリコン層25に伝わった熱が、多孔質シリコン25内において図示横方向に伝播するのが抑制されるためである。
また、以上、分離部11aによる熱的分離に着目して説明してきたが、分離部を設ける利点としては他にも、分離部により隣接する素子同士を電気的に絶縁できることも挙げられる。このように、隣接する素子同士が電気的に分離されていることは、各素子から得られる検知結果の信頼性が向上する点で好ましい。また、特に限定されるものではないが、分離部11a、11c等の内部に絶縁材料を充填する構成とすることも可能である。
もっとも、分離部をまったく形成せずに、単に単結晶層4aを部分的に酸化する構成としてもよい。これにより、単結晶層4aには部分的に酸化シリコン(SiO2)が形成され、これを絶縁材料として利用することができるためである。
次に、以上の説明では述べなかった多孔質シリコン層25の他の特性について説明する。本実施形態において多孔質シリコン層25は、詳細にはフラクタクル構造に近い微細構造となっている。したがって、多孔質シリコン層25内に赤外線が進入した場合、赤外線は多重反射しながら多孔質シリコン層25に吸収される。特に多孔質シリコン層25が酸化されていれば、Si−O関連の結合が増加することから、波数1000cm-2(波長10μm)程度の波長の赤外線の吸収量が増加することが知られている(例えば、D.B.Mawhinney, et.al.,J.Phys.Chem.B., vol.101, 1202(1997)参照)。したがって、多孔質シリコン層25を酸化することは、多孔質シリコン層25を赤外線吸収層として利用する場合に有利である。本実施形態のように、赤外線吸収層5と多孔質シリコン層25との双方が形成されている場合、基本的には、赤外線は赤外線吸収層5によって吸収されることになるが、場合によっては、赤外線のいくらかが赤外線吸収層5を透過して内部に進入することもある。この透過した赤外線を、多孔質シリコン層25で吸収する構成とすれば、入射した赤外線の利用効率が高まり、ひいてはセンサとしての感度向上に寄与する。なお、上記のような多孔質シリコン層25の特性を利用すれば、赤外線吸収層5を設けることなく半導体装置50を構成することも可能である。
続いて、酸化による多孔質シリコン層25の改質についてより詳細に説明すると、本実施形態のようなP+型のシリコンの場合、多孔質化した際の熱伝導率は、ほぼ多孔度に相当する分だけ減じられることとなる。そして、多孔質シリコン層25に低温酸化処理を施した場合には、熱伝導率は1桁以上、大幅に低減することが知られている(W.Lang, "Thermal Conductivity of porous Silicon" in Properties of Porous Silicon, Ed. L.Canham, EMIS Datareview Series, No.18, INSPEC, London p138-141(1997)参照)。参考までに、この文献によれば、300℃で酸化を行った多孔質シリコン層の熱伝導率は、2.7W/mKであり、これはバルクシリコンの熱伝導率(150W/mK)の約2%程度である。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、多孔質シリコン層25が基板全体にわたって形成されていたが、本発明の半導体装置はそれに限定されるものではなく、部分的に形成された多孔質シリコン層を有するものであってもよい。以下、このような半導体装置について図4を参照して説明する。図4は第2の実施形態の半導体装置の構成示す図である。
図4(a)に示すように半導体装置51は、シリコン基板2の表面近傍に部分的に形成された多孔質シリコン層25a(多孔質部)を有している。その他の構造部については図1に示したものと基本的には同一であり、これら同一の構造部には図1と同一の符号を付し、その説明は省略する。
多孔質シリコン層25aは、熱的分離領域1の下方に形成されており、両端側を除く中央領域では多孔質シリコン層25aの厚さは均一となっている。このように多孔質シリコン層25aを部分的に形成するには、基板表面に対して部分的に陽極化成処理を行えばよく、そのためには次のような方法を利用してもよい。
すなわち、シリコン基板2表面のうち、陽極化成を行わない領域にHF溶液に対して耐性を有するマスク部材を配置してもよい。または、シリコン基板2表面のPNタイプもしくは抵抗値を適宜変えることで、電流が選択的に流れるようにしてもよい。
以上のように構成された半導体装置51であっても、第1の実施形態同様、熱敵分離領域1が多孔質シリコン層25a上に形成されていることによる効果、および温度検知部6が単結晶層4a上に形成されていることによる効果を得ることができる。なお、こうした効果を得るためには、多孔質シリコン層25aの少なくとも一部を覆うように単結晶層4aが形成され、その単結晶層4a上に温度検知部6が形成されていればよい。
図4(b)は、さらに他の変形例を示すものであり、多孔度(Porosity)の異なる2層の多孔質シリコン層25a、26aからなる多孔質部30が示されている。
多孔質シリコン層25aとシリコン基板2との間に形成された多孔質シリコン層26aの多孔度は、多孔質シリコン25aの多孔度よりも相対的に低くなっている。
このような多孔度の異なる2層の多孔質シリコン層は、1度の陽極化成処理で形成可能である。すなわち、1度の陽極化成処理中において陽極化成の条件を途中で変えればよい。本実施形態のように多孔度を上げて多孔質シリコン層26aを形成するには、例えば、陽極化成処理の途中で電流を増大させるか、または、HF溶液のHF濃度を下げればよい。あるいは、これら2つの方法を組み合わせてもよい。
以下に、1度の陽極化成処理で多孔質シリコン層25a、26aを形成する具体的な条件およびそれにより形成されたシリコン層の構造について例示する。
(例1:電流値変更)
8インチP型(0.013−0.017Ωcm)
化成溶液:50%HF:IPA=2:1(体積比)
電流密度:8mA/cm
電流印加時間:2min
上記の条件による陽極化成処理の後、下記条件のように電流値を変更して陽極化成処理を引き続き行う。
電流密度:100mA/cm
電流印加時間:0.2min
このような陽極化成処理により、厚さ2μm、多孔度約20%の多孔質シリコン層25aが形成されると共に、多孔質シリコン層25aの下層に、厚さ1μm、多孔度約40〜50%の多孔質シリコン装置26aが形成された。
(例2:HF濃度変更)
8インチP型(0.013−0.017Ωcm)
化成溶液:50%HF:IPA=2:1(体積比)
電流密度:8mA/cm
電流印加時間:2min
上記の条件による陽極化成処理の後、下記条件のようにHF濃度を変更して陽極化成処理を引き続き行う。
化成溶液:1wt%HF、8wt%IPA、残りはH2
電流密度:8mA/cm
電流印加時間:5min
このような陽極化成処理により、厚さ2μm、多孔度約20%の多孔質シリコン層25aが形成されると共に、多孔質シリコン層25aの下層に、厚さ0.5μm、多孔度がほぼ100%(90%以上)の多孔質シリコン層26aが形成された。
ここで、多孔度が100%の多孔質シリコン層26aとは、言い換えれば多孔質シリコン層26aとして空隙部が形成されたことを意味する。なお、図4(b)では、多孔質シリコン層26aの両端部がシリコン基板2の表面まで延在しているように描かれているが、実際には、多孔質シリコン層26aの両端部においては空隙化が進まずシリコン基板2の部材が残った状態となっている。したがって、上記のように多孔質シリコン層26aが空隙状に形成されたとしても、シリコン基板2の上記残った部分により多孔質シリコン層25aが支持されることとなり不具合は生じない。このように多孔質シリコン層26aの両端部において空隙化が進まない理由は以下の通りである。すなわち、この種の陽極化成処理においてはシリコン基板2側が電流供給側とされることが一般的であり、その場合、シリコン基板2の表面側と内部側とを比較すると、内部側の方が優先的に多孔質化されるためである。
図4(b)の半導体装置52およびその製造方法によれば、次のような利点が得られる。すなわち、多孔質部30では、下層の多孔質シリコン層26aの多孔度が上層の層25aよりも高くなっているため、多孔質部30による熱的分離効果がより向上し、結果的にセンサの感度をより向上させることができる。また、このような2層構造の多孔質部30を形成する場合であっても、陽極化成処理における所定の条件(例えば電流値またはHF濃度)を途中で変更するだけで2つの層25a、26aを形成することが可能である。このように単工程で2つの層25a、26aを形成できることは、煩雑な工程を要さない点で好ましい。
なお、以上、多孔度を変えるために電流値または溶液濃度を変更する例について説明したが、多孔度を変えるためには他にも、シリコン基板2表面のPNタイプもしくは抵抗値を適宜設定して電流が選択的に流れるようにしてもよいし、または陽極化成処理の温度条件を適宜変えることによっても実現可能である。
また、図4(b)のような構成はさらに変更可能であり、例えば多孔質部30を2層以上の積層構造としてもよい。この場合、各層の多孔度がシリコン基板2側に向かって順に大きくなっていることが好ましい。また、こうした積層構造は、第1の実施形態に示したような、基板全面に多孔質シリコン層25が形成された構成にも応用可能である。
図4のように多孔質部が部分的に形成された構成において、より好ましくは、単結晶層4aとシリコン基板2とが電気的に接続されていることが好ましい。これにより、P型の単結晶層4aとP型のシリコン基板2とが、PN分離または絶縁層による分離されることなしに互いに接続され、温度検知部6の層とシリコン基板2とが同電位となり、これにより、回路の電源を例えば下地基板から安定してとることができ、回路の安定性が確保される。
第1の実施形態の半導体装置の構成を示す図であり、半導体装置のうち、1つの画素に対応する領域を示している。 図1の半導体装置を製造する工程を示す工程図である。 第1の実施形態の半導体装置の変形例を示す図である。 第2の実施形態の半導体装置の構成を示す図である。 従来の赤外線センサの構成の一例の示す図である。 従来の赤外線センサの構成の他の例の示す図である。 従来の赤外線センサの構成のさらに他の例の示す図である。
符号の説明
1 熱的分離領域
2 シリコン基板
4a 単結晶層
5 赤外線吸収層
6 温度検知部
7 絶縁層
8 接続部
9 信号処理回路
10、10a フィールド酸化膜
11a、11b、11c、12a、12b 分離部
20 半導体基板
25、25a、26b 多孔質シリコン層
30 多孔質部

Claims (16)

  1. 測定対象物から放射された赤外線を吸収する赤外線吸収部と、前記赤外線吸収部の温度変化を検知する半導体基板に形成された温度検知部とを有する赤外線検出装置であって、
    前記半導体基板の表面近傍には少なくとも部分的に多孔質部が形成され、さらに、該多孔質部上には単結晶層が形成されており、
    前記温度検知部は、前記単結晶層のうち、下部に前記多孔質部が存在している領域に形成されている赤外線検出装置。
  2. 前記多孔質部は、多孔度が互いに異なる2以上の多孔質層が積層された積層構造となっている、請求項1に記載の赤外線検出装置。
  3. 前記2以上の多孔質層のうち、前記半導体基板の最表面側の前記多孔質層の多孔度がもっとも小さい、請求項2に記載の赤外線検出装置。
  4. 前記多孔質部は、前記半導体基板の最表面側に形成され多孔度が相対的に小さい第1の多孔質層と、該第1の多孔質層の下層に形成され多孔度が相対的に大きい第2の多孔質層との2層構造である、請求項2に記載の赤外線検出装置。
  5. 前記第1の多孔質層は、前記半導体基板の表面近傍に部分的に形成されたものであって、前記第2の多孔質層の多孔度はほぼ100%である、請求項4に記載の赤外線検出装置。
  6. 前記多孔質部および前記単結晶層はいずれもシリコンを主成分として構成されている、請求項1から5のいずれか1項に記載の赤外線検出装置。
  7. 前記半導体基板はP+型のシリコン基板である、請求項1から6のいずれか1項に記載の赤外線検出装置。
  8. 前記温度検知部が形成された前記単結晶層と、前記半導体基板とが電気的に接続されている、請求項1から7のいずれか1項に記載の赤外線検出装置。
  9. 前記赤外線吸収部と前記温度検知部とを含む構造部が、少なくとも2つ以上隣接して配置されている、請求項1から8のいずれか1項に記載の赤外線検出装置。
  10. 測定対象物から放射された赤外線を吸収する赤外線吸収部と、半導体基板に形成された前記赤外線吸収部の温度変化を検知する温度検知部とを有する赤外線検出装置を製造する方法であって、
    前記半導体基板の表面近傍を少なくとも部分的に多孔質化して多孔質部を形成する工程と、
    前記多孔質部の少なくとも一部を覆うように前記半導体基板表面に単結晶層を形成する工程と、
    前記単結晶層のうち、下部に前記多孔質部が存在している領域に前記温度検知部を形成する工程と、
    前記温度検知部に近接して前記赤外線吸収部を形成する工程と有する、赤外線検出装置の製造方法。
  11. 前記多孔質部を形成する工程は、多孔度が互いに異なる2以上の多孔質層を積層させた状態に形成することを含む、請求項10に記載の赤外線検出装置の製造方法。
  12. 前記多孔質部を形成する工程は陽極化成法を用いて行われる、請求項9または10に記載の赤外線検出装置の製造方法。
  13. 前記多孔質部を形成する工程は、
    前記半導体基板の最表面側に、多孔度が相対的に小さい第1の多孔質層を形成する工程と、
    前記第1の多孔質層の下層に、多孔度が相対的に大きい第2の多孔質層を形成する工程とを含む、請求項10に記載の赤外線検出装置の製造方法。
  14. 前記第1の多孔質層を形成する工程および第2の多孔質層を形成する工程はいずれも、陽極化成法を用いて行われるものであって、
    前記第2の多孔質層を形成する工程は、前記第1の多孔質層を形成する工程における陽極化成処理の処理条件のうち、電流値を大きくすることによって、前記第2の多孔質層を形成することを含む、請求項13に記載の赤外線検出装置の製造方法。
  15. 測定対象物から放射された赤外線による温度変化を検知する温度検知部が形成された半導体基板であって、
    前記半導体基板の表面近傍には少なくとも部分的に多孔質部が形成され、さらに、該多孔質部上には単結晶層が形成されており、
    前記温度検知部は、前記単結晶層のうち、下部に前記多孔質部が存在している領域に形成されている半導体基板。
  16. 温度検知部が形成された半導体基板を製造する方法であって、
    前記半導体基板の表面近傍を少なくとも部分的に多孔質化して多孔質部を形成する工程と、
    前記多孔質部を覆うように単結晶層を形成する工程と、
    前記単結晶層のうち、下部に前記多孔質部が存在している領域に前記温度検知部を形成する工程とを有する、半導体基板の製造方法。
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