JP2006170829A - 感圧センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】 感圧センサの内部に液体等が侵入するのを防止しつつ圧力を精度よく検知する。
【解決手段】 一対の薄膜電極5、15が積層関係に配置された感圧インク層6、16を挟み込んで検知部4a〜4eとなっている。一対のフィルム基材3、13には貫通孔7、17が形成されている。一対のフィルム基材3、13は、各検知部4a〜4eを内包する5つの内包空間9a〜9eと、内包空間9a〜9e同士を互いに連通させる連結通気路と、内包空間9dと貫通孔7、17とを互いに連通させる延在通気路11とが画定されるように貼り合わされている。貫通孔7、17は、内側から通気性防水膜8で塞がれている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、口腔内の舌や頬の圧力を計測するとき等に使用されるシート状の感圧センサに関する。
摂食障害、発音障害及び歯列の発達過程の解析においては、舌圧の運動解析が重要である。舌圧の運動解析は、例えば、厚みが小さいシート状の感圧センサを被験者の口腔内に配置し、感圧センサを用いて舌圧を検知することにより行われる。
シート状の感圧センサとしては、圧力を検知する感圧センサの検知部がポリエステルなどの可撓性を有する2枚の樹脂製シートに挟まれたものが知られている。このようなシート状の感圧センサは、2枚の樹脂製シートそれぞれに銀インクを用いたスクリーン印刷を施すことによって薄膜電極を形成し、形成された薄膜電極上に圧力により導電抵抗が変化する感圧インクを塗布し、さらに、2枚の樹脂製シートを感圧インクが積層されるように貼り合わせることによって形成される。このとき、積層された感圧インクが一対の薄膜電極に挟み込まれており、これらにより検知部が構成されている。また、張り合わせられた樹脂製シートの間には検知部を内包する空間が画定されている。
樹脂製シートを介して検知部が加圧されると感圧インクの作用により一対の薄膜電極間の電気抵抗が変化する。この電気抵抗変化を計測することにより検知部に加えられた圧力を検知することができる。したがって、このような感圧センサにおいては、検知部が配置されている空間内の圧力(以下、「内圧」と称する)が、感圧センサ外部の圧力(以下「大気圧」と称する)とほぼ同じ圧力であることが好ましい。例えば、感圧センサの内圧が大気圧よりも小さければ、検知部が加圧されていない状態であったとしても圧力を検知してしまう。逆に、感圧センサの内圧が大気圧よりも大きければ、検知部に対するエア緩衝が大きくなって検知部の電気抵抗変化が起こりにくくなってしまう。
ところで、舌圧の運動解析を行う場合には、感圧センサが被験者の口腔内に配置されるため、感圧センサの内部に食物や唾液等が侵入することを防止しなければならない。そこで、感圧センサ内部を密封し、感圧センサ内部に検知部を内包する空間と連通する空気溜まり部を設ける技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この技術によると、感圧センサ内部への唾液等の侵入を確実に防止することができる。また、樹脂製シートを介して検知部が加圧されたとき、検知部を内包する空間から押し出された空気が空気溜まり部に流れ込むため、感圧センサの内圧の変化が小さくなり、内圧と大気圧との差を小さくすることができる。
特開平11−118633号公報
しかしながら、上述した技術においては、空気溜まり部の容積を十分に確保しないと感圧センサの内圧の変化を小さくすることができないため、空気溜まり部を大きくしなければならない。空気溜まり部を大きくすると、空気溜まり部が感圧部と共に加圧されやすくなり空気溜まり部が機能しにくくなる。さらに、空気溜まり部を有していても感圧センサ内部は密封されているため、感圧センサの内圧と大気圧との差を無くすことはできない。口腔内に配置して使用される感圧センサの場合、感知部に対して作用する圧力が数g/cm2〜数100g/cm2程度であり、一般工業用プレスと異なり極低圧である。従って、感圧センサの内圧と大気圧との差が僅かであっても圧力感知に対して大きな妨げとなる。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、感圧センサの内部に液体等が侵入するのを防止しつつ圧力を精度よく検知することができる感圧センサを提供することを目的とする。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の感圧センサは、一の感圧層又は互いに積層関係に配置された複数の感圧層からなる第1の感圧体と、前記第1の感圧体を挟み込むように対向配置された第1の薄膜電極対とを備えている。さらに、前記第1の薄膜電極対を挟み込むように対向配置され且つ互いに接着されることによって前記第1の薄膜電極対を内包する第1の空間を画定していると共に、前記第1の空間を外部と連通させる貫通孔が少なくともいずれか一方に形成された可撓性シート対と、前記貫通孔を内側から塞ぐ通気性防水膜とを備えている。
本発明によると、第1の空間が通気性防水膜を介して外部と連通しているため、感圧センサの内部に液体等が侵入するのを防止しつつ感圧センサの内圧と外部の圧力とがほぼ同じとなる。これにより、感圧センサを加圧する圧力を精度よく検知することができる。また、通気性防水膜が貫通孔を内側から塞いでいるため、通気性防水膜の縁部が外部に露出することがない。このため、通気性防水膜が剥がれにくくなる。
本発明においては、前記可撓性シート対が、前記第1の空間と連通し且つ前記第1の空間から外側に向かって延在した延在通気路を画定しており、前記延在通気路と外部とが前記貫通孔を介して連通していることが好ましい。これによると、貫通孔が第1の空間から離れた任意の位置に配置可能となるため、貫通孔を効率よく配置することができる。
また、本発明においては、一の感圧層又は互いに積層関係に配置された複数の感圧層からなる第2〜第n(n:2以上の自然数)の感圧体と、前記第2〜第nの感圧体をそれぞれ挟み込むように対向配置された第2〜第nの薄膜電極対とをさらに備えており、前記可撓性シート対が、前記第2〜第nの薄膜電極対を挟み込み且つ互いに接着されることによって、前記第2〜第nの薄膜電極対をそれぞれ内包する第2〜第nの空間と、前記第1〜第nの空間を互いに連通させる一又は複数の連結通気路とを画定していることがより好ましい。これによると、複数の感圧体を有する場合でも、感圧センサの内部に液体等が侵入するのを防止しつつ感圧センサの内圧と外部の圧力とがほぼ同じになる。これにより、複数箇所の圧力を精度よく検知することができる。また、連結通気路により第1〜第nの空間に対して貫通孔が共用されるため、感圧センサの製造コストの低減を図ることができる。
さらに、本発明においては、前記延在通気路が、前記第1の空間と前記第2〜第nの空間のうちの少なくともいずれか1つとを接続していることが好ましい。これによると、第1の空間と第2〜第nの空間のうちの少なくともいずれか1つとが、延在通気路及び貫通孔を介して外部と連通しているため、加圧されたとき延在通気路の一部が封鎖された場合でも第1の空間と第2〜第nの空間と外部とが連通される。
加えて、本発明においては、前記第1の薄膜電極対を構成する薄膜電極のうちの少なくとも一つが、前記第1の空間の少なくとも一部を構成する内部通気路を画定する環状体となっており、前記内部通気路と外部とが前記貫通孔を介して連通していることが好ましい。これによると、薄膜電極の内側に貫通孔が配置されるため、感圧センサの小型化を図ることができる。
さらに、本発明においては、前記通気性防水膜が、10-42あたり1億個〜10億個の微細な孔を有する四フッ化エチレン樹脂多孔膜であることが好ましい。これによると、10-42あたり1億〜10億個の微細な孔によって空気などの気体を通過させると共に水などの液体をはじくので、唾液などの液体が感圧センサの内部に侵入することを防止しつつ感圧センサ内部の空気を外部に排出することができる。
以下、本発明に係る感圧センサの好適な実施形態の例について、各図を参照しつつ説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態にかかる感圧センサの平面図である。感圧センサ1は、口腔内の舌や頬の圧力を計測する際に使用するシート状の圧力センサである。図1に図示されるように、感圧センサ1は、端子部Tと、配線部Hと、センサ本体部Sとを備えている。なお、配線部Hは、端子部Tとセンサ本体部Sとを接続している。
端子部Tは、1つの印加側端子2と5つのレシーブ側端子12とを有している。配線部Hは、センサ本体部Sの近傍に湾曲部Rを有し、感圧センサ1が口腔内に配置された状態において、最奥臼歯よりも奥側後方を回り込むようにして口腔外に導き出される形状となっている。
図2は、図1に示すII−II線におけるセンサ本体部Sの断面図である。図3は、センサ本体部Sの分解図である。図2及び図3に図示されるように、センサ本体部Sは、互いに貼り合わされた印加側要素Xとレシーブ側要素Yとを有している。各要素X、Yは、それぞれフィルム基材3、13と、5つの薄膜電極5、15と、各薄膜電極5、15上に形成された5つの感圧インク層6、16と、通気性防水膜8とを有している。
フィルム基材3、13は、ポリエステル、PEN、またはポリイミドなどから成る可撓性のフィルムであり、略T字形状を有している。フィルム基材3、13の端部3a、13aには、貫通孔7、17が形成されている。薄膜電極5、15は、フィルム基材3、13の内側の面にT字状に配置された円形の電極である。薄膜電極5、15はフィルム基材3、13の内側の面に銀インクを用いたスクリーン印刷を施すことにより配線パターンと共に形成される。各薄膜電極5は、配線パターンを介して、それぞれに対応するレシーブ側端子12と電気的に接続されている。また、全ての薄膜電極15は、配線パターンを介して、端子部Tの印加側端子2と電気的に接続されている。感圧インク層6、16は、薄膜電極5、15の表面に形成された圧力によって電機抵抗が変化する感圧インクの層である。通気性防水膜8は、10-42あたり1億個〜10億個の微細な孔を有する円形の四フッ化エチレン樹脂多孔質膜であり、空気を通過させる一方で水分を通過させない性質を有している。通気性防水膜8は、フィルム基材3、13の内側から貫通孔7、17を塞ぐように貼り付けられている。
センサ本体部Sは、各要素X、Yの内側同士を対向させて、各フィルム基材3、13を貼り合わせることにより形成される。このとき、感圧インク層6、16が互いに積層関係に配置されて5つの感圧体が形成される。そして、各感圧体を挟み込むように一対の薄膜電極5、15が配置される。各感圧体を挟み込んでいる一対の薄膜電極5、15が検知部4a〜4eとなっている。
フィルム基材3とフィルム基材13との間には、各検知部4a〜4eを内包する5つの内包空間(第1〜第5の空間)9a〜9eと、内包空間9a〜9e同士を互いに連通させる連結通気路10a〜10dと、内包空間(第1の空間)9dと貫通孔7、17とを互いに連通させる延在通気路11とが画定されている。なお、図2においては、各要素X、Yの平面図を表しているが、印加側要素Xの平面図において検知部4a〜4e、内包空間9a〜9d及び延在通気路11の位置関係を示している。
内包空間9a〜9eは、円形状を有していると共に、検知部4a〜4eに対応するようにT字状に配置されている。
連結通気路10aは内包空間9aと内包空間9bとを互いに連通させている。連結通気路10bは内包空間9bと内包空間9cとを互いに連通させている。連結通気路10cは内包空間9bと内包空間9dとを互いに連通させている。連結通気路10dは内包空間9dと内包空間9eとを互いに連通させている。
延在通気路11は、内包空間9dから外側に向かって延在しており、その端部3a、13aにおいて貫通孔7、17と連通している。したがって、全ての内包空間9a〜9dは通気性防水膜8を介して外部と連通している。このため内包空間9a〜9e内は常に大気圧となっている。なお、内包空間9a〜9eと外部とが連通していれば連結通気路や延在通気路の連通関係や配置関係は任意のものであってよい。また、フィルム基材3、13に貫通孔7、17が、形成されているが、フィルム基材3、13のうち、少なくともいずれか一方のフィルム基材に貫通孔が形成されていれば良い。
フィルム基材3、13における内包空間9a〜9e、連結通気路10a〜10d及び延在通気路11を除く領域は、互いに貼り合わされて密着している密着部Pとなっている。これにより、センサ本体部Sの外部(即ち、密着部Pよりも外側)から密着部Pを介して内包空間9a〜9e、連結通気路10a〜10d及び延在通気路11内に水分や空気が入り込まないようになっている。
次に、センサ本体部Sの検知部4dに対して圧力が加えられたときの動作について説明する。なお、検知部4a、4b、4c、4eの動作は検知部4dの動作と実質的に同じである。図2に図示されるように、検知部4dに対して圧力Fが加えられると、フィルム基材3、13が弾性変形することにより内包空間9dの容積が小さくなり、内包空間9d内の空気が延在通気路11、通気性防水膜8及び貫通孔7、17を介して外部に排出される。このため、内包空間9dは常に大気圧となっている。なお、内包空間9a、9b、9c、9dにおいては、連結通気路10a〜10d、延在通気路11、通気性防水膜8及び貫通孔7、17を介して空気が外部に排出される。したがって、内包空間9a、9b、9c、9dも常に大気圧となっている。
感圧インク層6、16は、加えられた圧力によりその電気抵抗値が変化する。上述したように内包空間9dの圧力は大気圧に保たれているため、加えられた圧力分だけ電気抵抗値が変化する。そして、端子部Tにおける印加側端子2と各レシーブ側端子12間の抵抗値を検出することにより、各検知部4dにおける感圧インク層6、16の電気抵抗値の変化を検知する。検知した感圧インク層6、16の電気抵抗値の変化から逆に圧力Fの圧力が検知される。
検知部4dに対する圧力Fが除去されると、内包空間9dの容積が元に戻り、外部から貫通孔7、17、通気性防水膜8及び延在通気路11を介して内包空間9d内に空気が充填される。
通気性防水膜8が貫通孔7、17を塞いでいるため、感圧センサ1が口腔内に配置されているときに、唾液などの液体が貫通孔7、17を介してセンサ本体部Sの内部に浸入することはない。
以上説明した第1実施形態によると、内包空間9a〜9eが通気性防水膜8を介して外部と連通しているため、センサ本体部Sの内部に液体等が侵入するのを防止しつつセンサ本体部Sの内圧と外部の圧力とをほぼ同じにすることができる。これにより、センサ本体部Sを加圧する圧力を精度よく検知することができる。
また、貫通孔7、17が延在通気路11を介して内包空間9dと互いに連通するため、貫通孔7、17を内包空間9dから離れた任意の位置に配置することができる。
さらに、複数の検知部4a〜4eを有しているため、複数箇所の圧力を精度よく検知することができる。
加えて、連結通気路10a〜10dにより、複数の内包空間9a〜9eに対して貫通孔7、17が共用されるため、センサ本体部の製造コストの低減を図ることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態のセンサ本体部S1について図4を参照しつつ説明する。図4は、センサ本体部S1の平面図である。なお、図4は、レシーブ側要素Y1のフィルム基材113が透過された状態を示しており、レシーブ側要素Y1の部材の符号を括弧書で示している。第1実施形態と実質的に同等の部材には同一の符号を付して説明を省略する。
フィルム基材103とフィルム基材113には貫通孔107a、107b、117a、117bが形成されている。フィルム基材103、113の内側から貫通孔107a、107b、117a、117bを塞ぐように通気性防水膜8が貼り付けられている。
フィルム基材103とフィルム基材113との間には、各検知部4a〜4eを内包する5つの内包空間(第1〜第5の空間)9a〜9eと、内包空間9a〜9e同士を互いに連通させる連結通気路10a〜10dと、内包空間9c、9d、9eと貫通孔107a、117aとを互いに連通させる延在通気路111aと、内包空間9a、9d、9eと貫通孔107b、117bとを互いに連通させる延在通気路111bとが画定されている。
延在通気路111aは、分岐路113a〜113eを有している。分岐路113aは内包空間9cと貫通孔107a、117aとを互いに連通させている。分岐路113bは内包空間9dと貫通孔107a、117aとを互いに連通させている。分岐路113cは内包空間9eと貫通孔107a、117aとを互いに連通させている。また、延在通気路111bは、分岐路113d及び113eを有している。分岐路113dは内包空間9aと貫通孔107b、117bとを互いに連通させている。分岐路113eは内包空間9dと貫通孔107b、117bとを互いに連通させている。したがって、全ての内包空間9a〜9dが通気性防水膜8を介して外部と連通している。これにより、内包空間9a〜9eは常に大気圧となっている。
以上説明した第2実施形態によると、内包空間9a〜9eが通気性防水膜8を介して外部と連通しているため、センサ本体部S1の内部に液体等が侵入するのを防止しつつセンサ本体部S1の内圧と外部の圧力とをほぼ同じにすることができる。これにより、センサ本体部S1を加圧する圧力を精度よく検知することができる。
また、連結通気路10a〜10dを介して内包空間9a〜9e同士が連通しており、さらに、4つの内包空間9a、9c、9d、9eが延在通気路111a、111bを介して貫通孔107a、107b、117a、117bと連通しているため、センサ本体部S1が加圧されて貫通孔107a、117a又は貫通孔107b、117bのいずれかが封鎖された場合でも、連結通気路10a〜10d、内包空間9a〜9e、分岐路113a〜113e及び他方の貫通孔を介して内包空間9a〜9eと外部と連通させることができる。
例えば、貫通孔107a、117aが封鎖されたとき、内包空間9cは、連結通気路10b、内包空間9b、連結通気路10a、内包空間9a、分岐路113d及び貫通孔107b、117bを順に介して、又は、連結通気路10b、内包空間9b、連結通気路10c、内包空間9d、分岐路113e及び貫通孔107b、117bを順に介して外部と連通する。内包空間9dは、分岐路113e及び貫通孔107b、117bを順に介して外部と連通する。内包空間9eは、連結通気路10d、内包空間9d、分岐路113e及び貫通孔107b、117bを順に介して外部と連通する。
(第3実施形態)
次に、本発明に係る第3実施形態のセンサ本体部S2について図5及び図6を参照しつつ説明する。図5は、センサ本体部S2の平面図である。図5は、レシーブ側要素Y2のフィルム基材213が透過された状態を示しており、レシーブ側要素Y2の部材の符号を括弧書で示している。図6は、図5に示すVI−VI線におけるセンサ本体部S2の断面図である。なお、第1実施形態と実質的に同等の部材には同一の符号を付して説明を省略する。
図5及び図6に図示されるように、センサ本体部S2は、互いに貼り合わされた印加側要素X2とレシーブ側要素Y2とを有している。各要素X2、Y2は、フィルム基材203、213と、5つの薄膜電極205、215と、各薄膜電極205、215上に形成された5つの感圧インク層206、216と、通気性防水膜8とを有している。
フィルム基材203、213は、ポリエステル、PEN、またはポリイミドなどから成る可撓性のフィルムであり、略T字形状を有している。フィルム基材203、213には、T字状に配置された5つの貫通孔207、217が形成されている。薄膜電極205、215は環状体の電極である。また、薄膜電極205、215は環状体の内側に貫通孔207、217が位置するように、フィルム基材203、213の内側の面に配置されている。薄膜電極205、215はフィルム基材203、213の内側の面に銀インクを用いたスクリーン印刷を施すことにより配線パターンと共に形成される。各薄膜電極205は、配線パターンを介して、それぞれに対応するレシーブ側端子12と電気的に接続されている。また、全ての薄膜電極215は、配線パターンを介して、端子部Tの印加側端子2と電気的に接続されている。感圧インク層206、216は、薄膜電極205、215の表面に形成された圧力によって電機抵抗が変化する感圧インクの層である。通気性防水膜8は、フィルム基材203、213の内側から貫通孔207、217を塞ぐように、且つ、薄膜電極205、215の内側に配置されるように貼り付けられている。
センサ本体部S2は、各要素X2、Y2の内側同士を対向させて、各フィルム基材203、213を貼り合わせることにより形成される。このとき、感圧インク層206、216が互いに積層関係に配置されて5つの感圧体が形成される。そして、各感圧体を挟み込むように一対の薄膜電極205、215が配置される。このとき、環状体となっている薄膜電極205、215の内側には、内部通気路212が画定されている。そして、各感圧体を挟み込んでいる一対の薄膜電極205、215が検知部204a〜204eとなっている。したがって、検知部204a〜204eはT字状に配列されている。なお、一対の薄膜電極は、そのいずれかが環状体となっていればよい。このとき、貫通孔は環状体となっている薄膜電極の内側にのみ配置されていればよい。
フィルム基材203とフィルム基材213との間には、各検知部204a〜204eを内包する5つの内包空間209a〜209eと、内包空間209a〜209d同士を互いに連通させる連結通気路210a〜210dとが画定されている。
内包空間209a〜209eは、検知部204a〜204eの外縁を封止するように形成されている。そして、内部通気路212が内包空間209a〜209dの一部を構成している。つまり、各内包空間209a〜209eは、内部通気路212において、通気性防水膜8及び貫通孔207、217を介して外部と連通している。このため、内包空間209a〜209d内は常に大気圧となっている。
以上説明した第3実施形態によると、内包空間209a〜209eが通気性防水膜8を介して外部と連通しているため、センサ本体部S2の内部に液体等が侵入するのを防止しつつセンサ本体部S2の内圧と外部の圧力とをほぼ同じにすることができる。これにより、センサ本体部S2を加圧する圧力を精度よく検知することができる。
また、薄膜電極205、215の内側に貫通孔207、217に連通する内部通気路212が形成されているため、センサ本体部S2の小型化を図ることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて、様々な設計変更が可能なものである。例えば、第1〜第4実施形態においては、2枚のフィルム基材3、13、103、13、113を互いに貼り合せる構成であるが、このような構成に限定されるものではなく、1枚のフィルム基材を折り曲げて貼り合せる構成であってもよい。
加えて、第1及び第2の実施の形態においては内包空間9a〜9eが連結通気路10a〜10d及び延在通気路11、111a、111bを介して貫通孔7、17、107a、107b、117a、117bと連通しており、第3の実施の形態においては、内包空間9a〜9eが内部通気路212を含んでおり、内部通気路212において貫通孔207、217と連通している構成であるが、いずれか一方の構成に限定されるものではない。例えば、複数の内包空間の一部が連結通気路や延在通気路を介して貫通孔と連通し、且つ、残りの内包空間が内部通気路を含んでおり、内部通気路において貫通孔と連通する構成でもよい。
さらに、第1〜第3実施形態においては、通気性防水膜8が四フッ化エチレン樹脂多孔膜で形成されているが、通気性及び防水性を兼ね備えていれば他の材料で形成されていてもよい。
また、第1〜第3実施形態においては、センサ本体部S、S1、S2は口腔内において舌圧を検知するために用いられるが、他のあらゆる環境において圧力を検知する用途に用いることが可能である。
本発明の第1実施形態にかかる感圧センサの平面図である。 図1に示すII−II線におけるセンサ本体部の断面図である。 図1に示すセンサ本体部の分解図である。 第2実施形態にかかるセンサ本体部の平面図である。 第3実施形態にかかるセンサ本体部の平面図である。 図5に示すVI−VI線におけるセンサ本体部の断面図である。
符号の説明
1 感圧センサ
2 印加側端子
3 フィルム基材
4a〜4e 各検知部
5、15 薄膜電極
6、16 感圧インク層
7、17 貫通孔
8 通気性防水膜
9a〜9e 内包空間
10a〜10e 連結通気路
11 延在通気路
12 レシーブ側端子
H 配線部
P 密着部
R 湾曲部
S センサ本体部
T 端子部
X 印加側要素
Y レシーブ側要素

Claims (6)

  1. 一の感圧層又は互いに積層関係に配置された複数の感圧層からなる第1の感圧体と、
    前記第1の感圧体を挟み込むように対向配置された第1の薄膜電極対と、
    前記第1の薄膜電極対を挟み込むように対向配置され且つ互いに接着されることによって前記第1の薄膜電極対を内包する第1の空間を画定していると共に、前記第1の空間を外部と連通させる貫通孔が少なくともいずれか一方に形成された可撓性シート対と、
    前記貫通孔を内側から塞ぐ通気性防水膜とを備えていることを特徴とする感圧センサ。
  2. 前記可撓性シート対が、前記第1の空間と連通し且つ前記第1の空間から外側に向かって延在した延在通気路を画定しており、
    前記延在通気路と外部とが前記貫通孔を介して連通していることを特徴とする請求項1に記載の感圧センサ。
  3. 一の感圧層又は互いに積層関係に配置された複数の感圧層からなる第2〜第n(n:2以上の自然数)の感圧体と、
    前記第2〜第nの感圧体をそれぞれ挟み込むように対向配置された第2〜第nの薄膜電極対とをさらに備えており、
    前記可撓性シート対が、前記第2〜第nの薄膜電極対を挟み込み且つ互いに接着されることによって、前記第2〜第nの薄膜電極対をそれぞれ内包する第2〜第nの空間と、前記第1〜第nの空間を互いに連通させる一又は複数の連結通気路とを画定していることを特徴とする請求項2に記載の感圧センサ。
  4. 前記延在通気路が、前記第1の空間と前記第2〜第nの空間のうちの少なくともいずれか1つとを接続していることを特徴とする請求項3に記載の感圧センサ。
  5. 前記第1の薄膜電極対を構成する薄膜電極のうちの少なくとも一つが、前記第1の空間の少なくとも一部を構成する内部通気路を画定する環状体となっており、
    前記内部通気路と外部とが前記貫通孔を介して連通していることを特徴とする請求項1に記載の感圧センサ。
  6. 前記通気性防水膜が、10-42あたり1億個〜10億個の微細な孔を有する四フッ化エチレン樹脂多孔膜であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の感圧センサ。
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