JP2006047287A - センサチップ及びその製造方法 - Google Patents

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正男 後藤
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秀明 中村
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史代 来栖
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Abstract

【課題】 基板、カバー層、及び基板とカバー層間に挟装されるスペーサ層を有し、さらに基板とカバー層間に中空反応部を有するセンサチップであって、環境の温度や湿度の変化に伴う反りを生じないセンサチップ、及びこのセンサチップの製造方法を提供する。
【解決手段】 基板、カバー層、及び基板とカバー層間に挟装されるスペーサ層を有し、さらに基板とカバー層間に中空反応部及びこの中空反応部内に検知手段を有するセンサチップであって、前記基板及びカバー層が、互いに同じ材質及び厚みを有し、並びに、前記基板と平行でかつ基板及びカバー層から等距離にある平面に対し、前記スペーサ層の材質及び形状が対称であることを特徴とするセンサチップ、及びその製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、試料に含まれる化学物質を、簡易に定量、検出することができるセンサチップ、特にバイオセンサチップに関する。本発明は、さらにこのセンサチップの製造方法に関するものである。
バイオセンサチップは、微量試料をチップ内の反応部に導入し、該チップ内で、該微量試料について酵素反応や抗原−抗体反応等の生化学反応を起こし、該生化学反応により得られる情報をチップ外へ出力するセンサチップである。このバイオセンサチップは、生体の持つ優れた分子識別機能を利用するものであり、微量の化学物質の迅速かつ簡便な測定を可能にするものとして注目されており、例えば、血液中のグルコース量(血糖値)や尿糖値を測定する血糖値センサ、尿糖値センサとして、糖尿病を自己管理し予防する家庭内健康診断(セルフケア)等に使用されている。
特開平10−2874号公報には、このようなバイオセンサチップの一例が記載されている。このバイオセンサチップは、チップ上の孔から、試料を吸引させて反応部に導入する構造を有するものであり、基板の上に溝(中空反応部)を有するスペーサ層を配置し、その上にさらに空気孔を設けたカバー層を配置した積層型バイオセンサチップである(段落0003)。特開平11−94790号公報にも、積層型バイオセンサチップの例が記載されており、この例は、基板、カバー層を、接着剤層を介して積層させたものであり、接着剤層をスペーサ層として用いることにより、その製作工程の容易化を図ったものである。
このような積層型バイオセンサチップは、基板の上に、中空反応部を形成するスペーサ層が積層され、さらにその上にカバー層が積層されてなるものであり、スペーサ層は、1枚又は複数枚のスペーサ材からなる。ここで、スペーサ材とは、スペーサ層を構成する1層のフィルムを言う。スペーサ材、基板及びカバー層間の貼り合せには粘着材や接着剤が用いられており、粘着材や接着剤も、スペーサ層を構成する1層のフィルムとなり、すなわちスペーサ材である。
しかし、前記のような積層型バイオセンサチップでは、各層間に、その物理特性や残留歪の相違があり、そのために、環境の温度や湿度の変化に伴い、経時的にチップが反りやすいと言う問題があった。チップが反ると、外観上も見苦しくなり商品価値が低下する。さらに、反りによって反応部の体積が変化して測定値に悪影響を与える、粘着材層等の界面に剥離が生じる、等の問題もあった。そこで、基板、スペーサ層及びカバー層が積層されたバイオセンサチップであって、このような反りを生じないバイオセンサチップの開発が望まれていた。
特開平10−2874号公報(段落0003) 特開平11−94790号公報(請求項1)
本発明は、基板、カバー層、及び基板とカバー層間に挟装されるスペーサ層を有し、さらに基板とカバー層間に中空反応部を有するセンサチップであって、環境の温度や湿度の変化に伴う反りや、経時による反りを生じないセンサチップを提供することを課題とする。本発明は、さらにこのセンサチップの製造方法を提供することも課題とする。
本発明者は、鋭意検討の結果、センサチップの、電極(検知手段)、薬剤塗布部を除く構造を、積層の断面方向における中心面を軸として対称構造とすることにより、環境の温度や湿度の変化に伴う反りや、経時による反りを生じないセンサチップが得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、基板、カバー層、及び基板とカバー層間に挟装されるスペーサ層を有し、さらに基板とカバー層間に中空反応部及びこの中空反応部内に検知手段を有するセンサチップであって、前記基板及びカバー層が、互いに同じ材質及び厚みを有し、並びに、前記基板と平行でかつ基板及びカバー層から等距離にある平面に対し、前記スペーサ層の材質及び形状が対称であることを特徴とするセンサチップを提供するものである(請求項1)。
互いに同じ材質である基板及びカバー層の材質としては、絶縁性材料のフィルムが選ばれ、絶縁性材料としては、セラミックス、ガラス、紙、生分解性材料(例えば、ポリ乳酸微生物生産ポリエステル等)、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化樹脂、UV硬化樹脂等のプラスチック材料を例示することができる。機械的強度、柔軟性、及びチップの作製や加工の容易さ、特に下記の二つ折り加工の容易さ等から、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチック材料が好ましい。
互いに同じ厚みである基板及びカバー層の厚みの好ましい範囲は、センサチップの用途等により変動し、特に限定されないが、血糖値センサ等バイオセンサチップの場合は、100〜300μm程度が好ましい。
本発明のセンサチップは、又、基板とカバー層間に挟装されるスペーサ層を有する。挟装されるとは、スペーサ層の一方の側が基板と貼り合わされており、他方の側がカバー層と貼り合わされていることを意味する。スペーサ層と基板又はカバー層間に、電極層があってもよい。
本発明のセンサチップは、さらに基板とカバー層間に中空反応部を有する。中空反応部は、センサチップの使用時に試料を導入し、導入された試料が化学反応する部分である。この中空反応部は、スペーサ層が有する溝により形成することができ、下記のようにその中に電極が含まれ、又バイオセンサチップ等の場合は、触媒、酵素等の生化学反応をさせるための薬剤がその中に固定されており、これらにより、試料の化学反応が促進される。
例えば、血液中のグルコース量を測定するグルコースバイオセンサチップの場合は、この部分に、グルコースオキシダーゼ層や、グルコースオキシダーゼ−電子受容体(メディエータ)混合物層、グルコースオキシダーゼ−アルブミン混合物層、又はグルコースオキシダーゼ−電子受容体−アルブミン混合物層等が形成される。グルコースオキシダーゼ以外の酵素、例えばグルコースデヒドロゲナーゼ等を用い、これらの層が形成される場合もある。又、添加剤として緩衝剤や親水性高分子等を薬剤中に含めてもよい。
薬剤の固定、すなわちこれらの層の形成は、後述するレジスト材の貼り合せ等により溝が形成される前に行ってもよく、又溝の形成後、基板、スペーサ層及びカバー層の積層により中空反応部が形成される前でもよく、さらに中空反応部の形成された後に行ってもよいが、薬剤塗布作業の容易さ、薬剤塗布の位置決めの容易さから、溝の形成後、中空反応部の形成前に行うことが通常好ましい。
測定対象である試料、例えば血液、尿や、生産ライン上で抜き取られた水溶液試料等は、試料導入口より前記中空反応部に導入される。試料導入口は、基板やカバー層に設けられ、試料導入路を通して前記中空反応部と連結されていてもよいし、前記中空反応部が、スペーサ層の少なくとも1方の辺で開口し、試料導入口を形成してもよい。試料導入口は複数設けられていてもよい。
本発明のセンサチップは、さらに中空反応部内に、検知手段を有する。ここで、検知手段とは、少なくとも2以上の電極からなる。これらの電極は通常、作用極、対極といわれているが、検知手段は、さらに参照極等の他の電極やその他の手段を有してもよい。電極は、中空反応部に所定の電圧を印加する、中空反応部からの電流値を測定する等の作用を奏するものであり、この電極からの信号に基づき試料中の化学物質の検出や定量を行われる。
前記電極は、中空反応部内で露出しているが、さらに基板、スペーサ層若しくはカバー層内、又はこれらの間に前記電極のリード線部分が形成され、センサチップ外部と電気的に導通可能になっており、このリード線部分を通して所定の電圧の印加や、電流値の測定等が行われる。
前記のように本発明のセンサチップは、電極、薬剤塗布部を除く構造が、積層の断面方向における中心面を軸として対称であることを特徴とするが、この特徴は、基板及びカバー層が、互いに同じ材質及び厚みを有すること、及びスペーサ層の材質及び形状が、断面方向における中心面を軸として対称であるとの構成により達成される。ここで、断面方向における中心面とは、基板(及びカバー層)と平行でかつ基板及びカバー層から等距離にある平面(以後単に中心面と言う。)を言う。
ここで、材質及び形状が対称であるとは、前記中心面の両側の厚みが等しくて、前記中心面より等しい距離にある材質が同じであることを意味する。又、溝等の中空部をスペーサ層内に有する場合は、中空部の前記中心面の両側の形状が、互いに鏡像の関係にあることを言う。このように、本発明のセンサチップは、前記中心面を軸に、基板、カバー層及びスペーサ層については対称の関係にあるので、環境の温度や湿度の変化に伴う各層の伸びも前記中心面の両側で同一であり、従って、経時等による反りを生じない。なお、電極(検知手段)や薬剤を、基板上のみに設ける場合は、この電極層や薬剤層は非対称の構成成分となるが、この場合でも、反りを引き起こすことはないことが判明した。
前記スペーサ層は、通常、1層又は複数層のスペーサ材を積層したものである。スペーサ材の材質としては、前記の基板(やカバー層)の形成に用いられる材料等を挙げることができる。スペーサ層(及び下記のシート層)は、このようなスペーサ材を、貼り合せる、又はスクリーン印刷等の手法で塗布し必要により硬化することにより形成することができる。硬化の方法としては、熱による硬化やUVによる硬化が挙げられ、使用される樹脂の種類等により好ましい方法が選択される。スペーサ材同士の貼り合せは、粘着材、接着剤を用いて行われる。又、スペーサ層と前記基板及びカバー層との貼り合せも、粘着材や接着剤を用いて行われる。貼り合せに用いられた粘着材や接着剤の層もスペーサ材となり、スペーサ層を構成する。
粘着材や接着剤の塗布も、スクリーン印刷等の手法で行うことができる。粘着材としては、ゴム系粘着材、アクリル系粘着材、シリコーン系粘着材が例示される。又接着剤としては、エポキシ系、酢酸ビニル系、シリコーン系等の接着剤が例示され、熱硬化型、UV硬化型接着剤を用いることができる。
さらに、基板(又はカバー層)に、電極(及びそのリード線)をスクリーン印刷により形成する際、電極間の絶縁性を高め、かつ電極を物理的に保護する目的で、中空反応部に露出した部分以外の電極(及びそのリード線)を覆うように、基板(又はカバー層)上に、レジスト材により、レジスト層と言われる樹脂層が形成される場合がある。このレジスト材としては、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、変性ポリイミド樹脂、アクリル樹脂等が用いられる。このレジスト層もスペーサ材となり、スペーサ層を構成する。
複数層のスペーサ材(粘着材や接着剤等の層も含む。)からなる場合は、下記の条件のもと、各スペーサ材は材質、厚み等がそれぞれ異なっていても良い。しかし、本発明のセンサチップでは、スペーサ層は、前記中心面に対し対称でなければならないので、この中心面の両側に、この中心面から等距離にある2つのスペーサ材は、厚み及び材質が同じものである。このようなスペーサ層は、溝を有するシート層であって、材質に関しても、厚みに関しても、又溝の位置に関しても同一であるものを、溝同士が重なるように、かつ貼り合せ面に関して対称となるように貼り合せて得られる。
ここでシート層とは、スペーサ層を構成する層であって、前記中心面の両側にあるそれぞれの層を言い、単層のスペーサ材からなる場合もあるし、又は複数層のスペーサ材の積層体からなる場合もある。シート層の形成は、レジスト材、粘着材や接着剤等の、基板上への塗布、硬化や、スペーサ材と基板上との積層、又は複数層のスペーサ材の積層により行うことができる。スペーサ材の積層には、レジスト材、粘着材や接着剤が用いられ、このレジスト材、粘着材や接着剤の層もスペーサ材となりシート層を構成する。溝同士を重ねて得られる空間は、中空反応部を形成する。なお、溝同士を重ね合わせることができるためには、それぞれの溝は、互いに形状が鏡像の関係にある必要がある。製作の容易さや、薬剤の塗布の容易さから、それぞれの溝は、直線状であることが好ましい。
請求項2は、このようにして得られた態様に該当し、前記のセンサチップであって、前記スペーサ層が、溝を有しかつ単層又は複数層のスペーサ材からなるシート層の対を貼り合せてなるものであり、この対を構成する各シート層の材質及び厚みが、互いに同じであり、並びに前記平面に対し対称となるように貼り合わされていることを特徴とするセンサチップを提供するものである。
本発明のセンサチップは、例えば、基板及びカバー層を形成する基板シート上に、シート層を貼り合せ、これをこの基板シートを略2等分する折り曲げ線を中心とし、シート層同士が相対するように、2つ折りすることによっても得られる。ここで、基板及びカバー層を形成する基板シートとは、センサチップ作成後は、基板及びカバー層となる部材を言う。
折り曲げ線を中心として2つ折りする方法には、この折り曲げ線の位置で2つ折りする方法とともに、折り曲げ線に平行でかつ折り曲げ線から等距離にある2本の直線の位置で、断面がコの字型になるように、折り曲げる方法も挙げられる。シート層同士の貼り合せや、基板シート上へのシート層の貼り合せには、粘着材や接着剤が用いられ、この粘着材や接着剤の層もスペーサ材となりスペーサ層を構成する。
なお、中心面上に位置する層は、反りに対して中立であるので、対になっていなくても差し支え無く、従って、前記のシート層間の貼り合せに用いられる粘着材や接着剤の層は、対になっていなくてもよい。例えば、粘着材や接着剤の層(両者を合わせて、単に接着剤層と言う。)を1層(複数枚の粘着材シートや接着剤シートを貼り合せて形成したものも含む。)、シート層の間に挟持してシート層同士を貼り合せてもよい。請求項5は、この態様に該当し、前記のセンサチップであって、シート層同士の貼り合せが、1層の接着剤層を介して行われることを特徴とするセンサチップを提供するものである。もちろん、シート層の最上面のスペーサ材に接着機能を持たせ、粘着材や接着剤を用いずに貼り合せることも可能である。
シート層は、前記折り曲げ線を軸として対称の関係にある1対の溝を有し、かつ少なくとも一方の溝内に検知手段、すなわち電極を含むように基材シートと貼り合わされる。従って、折り曲げ線を中心として2つ折りすることにより、溝は重なり、その中に検知手段(電極)を含む中空反応部が形成される。
請求項3は、この態様に該当し、このようにして得られた態様に該当し、前記のセンサチップであって、前記基板及びカバー層を形成する基板シート上に、この基板シートを略2等分する折り曲げ線を軸として対称の関係にある1対の溝を有するシート層を、少なくとも一方の溝がその中に検知手段を含むように積層して積層体を形成した後、前記折り曲げ線を中心として前記積層体を、前記1対の溝が互いに重なり合い中空反応部を形成するように2つ折りし、前記シート層同士を貼り合せて得られることを特徴とするセンサチップを提供するものである。
1対の溝が、折り曲げ線を軸として対称の関係にある例として、互いに鏡像関係にある曲線や折れ線である場合も挙げられる。しかし、製作の容易さや、薬剤の塗布の容易さから、それぞれの溝は、折り曲げ線と平行で等距離にある直線状が好ましい。請求項4は、この好ましい態様に該当し、請求項3のセンサチップであって、前記1対の溝が、互いに平行な直線状であることを特徴とするセンサチップを提供するものである。
本発明のセンサチップは、特にバイオセンサチップとして、血液中のグルコース量(血糖値)や尿糖値を測定する血糖値センサ、尿糖値センサ等として好適に用いられる。請求項6は、この好ましい態様に該当し、前記のセンサチップであって、バイオセンサチップであることを特徴とするセンサチップを提供するものである。
本発明は、さらに前記のセンサチップの製造方法も提供する。請求項7は、基板、カバー層、及び基板とカバー層間に挟装されるスペーサ層を有し、さらに基板とカバー層間に中空反応部及びこの中空反応部内にある検知手段を有するセンサチップの製造方法であって、前記基板又はカバー層を形成する基板シート上に検知手段を形成し、さらに、溝を有しかつ単層又は複数層のスペーサ材からなるシート層を、前記検知手段が溝内に含まれるように形成して得られる第1の積層体と、第1の積層体と、基板シート及びシート層の、材質、厚み及び構成が同一の第2の積層体とを、両者のシート層同士を相対させ、両者の溝が互いに重なり合い中空反応部を形成するように貼り合せることを特徴とするセンサチップの製造方法を提供するものである。
すなわち、同じ基板シート及びシート層からなる積層体を、シート層同士を向かい合わせて貼り合せる方法である。ここで、構成が同一とは、シート層を構成するスペーサ材(粘着材層等を含む)の枚数、その材質、その積層の順序、及び溝の位置、大きさ、形状が同一又は鏡像の関係にあることを言う。シート層同士の貼り合せには、粘着材、接着剤を用いてもよいし、シート層の最上層に粘着性を持たせて、直接貼り合せてもよい。又、第2の積層体には、検知手段を形成しなくても、形成してもよい。
本発明は、さらに請求項8として、基板、カバー層、及び基板とカバー層間に挟装されるスペーサ層を有し、さらに基板とカバー層間に中空反応部及びこの中空反応部内にある検知手段を有するセンサチップの製造方法であって、前記基板及びカバー層を形成する基板シート上に検知手段を形成し、さらに、スペーサ材又は複数のスペーサ材の積層体であるシート層であって、前記基板シートを略2等分する折り曲げ線を軸として対称の関係にある1対の溝を有するものを、少なくとも一方の溝がその中に検知手段を含むように積層して、積層体を形成した後、前記折り曲げ線を中心として、前記シート層同士が相対するように前記積層体を2つ折りし、前記シート層同士を貼り合せることを特徴とするセンサチップの製造方法を提供する。この方法においては、シート層の有する1対の溝は、折り曲げ線を軸として対称の関係にあり、又シート層は、折り曲げ線を中心として2つ折りされるので、2つ折りされ貼り合されることにより、溝同士も重なりあい、中空反応部が形成される。
2つ折りは、常温で行うことも可能であるが、好ましくは2つ折り後、残留応力を解消するために、折り曲げ部分(基板等が折り曲げられた部分及びその近傍)、はアニーリング処理(熱処理)される。折り曲げ部分は、残留応力が集中する部分であるので、ここにアニーリング処理を施すことにより、製品の寸法安定性、機械的性質の向上を図ることができる。請求項9は、この好ましい態様に該当し、前記のセンサチップの製造方法であって、シート層同士の貼り合せ後に、折り曲げ部分にアニーリング処理が施されていることを特徴とするセンサチップの製造方法を提供するものである。
アニーリング処理の温度、及び時間については、材料の技術(物性)資料などを参考して、適宜決定され、特に限定されないが、例えば、基板が熱可塑性樹脂から形成されている場合は、熱可塑性樹脂の軟化温度(ガラス転移温度)と融点の中間以上で、融点以下の温度が望ましい。樹脂軟化温度と融点の中間の温度未満では、折り曲げ部分の残留応力の解消が充分でなく、折り曲げ状態が経時変化する可能性がある。一方、融点を越えると樹脂の変形が大きくなり、きれいな折り曲げ面が維持できなくなる場合がある。
残留応力の解消は、2つ折り後に、折り曲げ部分を切断除去する方法によっても行うことができる。請求項10は、この好ましい態様に該当し、前記のセンサチップの製造方法であって、シート層同士の貼り合せ後に、折り曲げ部分の切断除去が行われることを特徴とするセンサチップの製造方法を提供するものである。折り曲げ部分を切断除去することによっても製品の寸法安定性、機械的性質の向上を図ることができる。
本発明のセンサチップは、積層の中心面を軸として対称構造に構成されており、その結果、断面方向への反りが発生することがなくなり、外観上も良好で、粘着材層等の界面の剥離や測定値の変動もなく、信頼性の高いセンサチップである。そして特に、血糖値センサ等のバイオセンサチップとして好適に用いることができる。本発明のセンサチップの製造方法によれば、このような優れたセンサチップを容易に製造することができる。
次に本発明を実施するための最良の形態を、図を用いて説明する。なお、本発明はこの形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない限り、他の形態へ変更することができる。
図1は、本発明のセンサチップ及びその製造方法の一態様を示すものである。図1aは、基板シート1上に電極2(検知手段)が形成された様子を示す平面図である。本例では、電極2は、2本の電極からなりそれぞれ作用極、対極に相当する。図1bは、基板シート1上に電極2が形成された様子を示す側面図である。本例では、電極2はカーボンインクからなり、PETからなる基板シート1上に、スクリーン印刷により形成される。なお、図1a中の破線は、後に貼り合されるスペーサ材に対応する位置を示し、従って、右側の2本の破線は溝、すなわち後に形成される中空反応部に対応する位置を示す。
次に、基板シート1及び電極2上に、スクリーン印刷によりゴム系粘着材である粘着材3が塗布され、さらにその上からPETからなるスペーサ材4が貼り合され、図1cで示される第1の積層体が形成される。スペーサ材4は、溝5を有し、電極2は溝5内に含まれている。本例ではさらに、溝5内の電極2上に薬剤6が塗布されている。この第1の積層体のシート層は、粘着材3とスペーサ材4により構成されている。
一方、基板シート1と同じ材質、厚みである基板シート1’上に、粘着材3と同じ組成の粘着材3’を、粘着材3と同じ厚みになるように塗布し、さらに、溝5’を有し、スペーサ材4と同じ材質、厚みであるスペーサ材4’を貼り合わして、図1dで示される第2の積層体を形成する。この第2の積層体のシート層は、粘着材3’とスペーサ材4’により構成される。1枚の基板シート上に、粘着材の塗布、スペーサ材の貼り合せを行い、積層体を得て、得られた積層体を略2等分になるように裁断して、それぞれを前記の第1の積層体と第2の積層体としてもよい。
前記のようにして得られた第1の積層体と第2の積層体を、スペーサ材4とスペーサ材4’を粘着材3”により貼り合すことにより積層して、図1eで示される本発明のセンサチップが得られる。粘着材3”は、スクリーン印刷により、スペーサ材4又はスペーサ材4’のいずれか一方の上に形成される。このセンサチップは、基板シート1からなる基板、基板シート1’からなるカバー層、並びにスペーサ材4、4’及び粘着材3、3’、3”からなるスペーサ層から構成され、中心面9を軸に対称な構造を有する。従って経時等により反りが生じることはない。
このセンサチップにおいては、溝5及び溝5’が重ね合されて中空反応部7が形成される。そして、この部分に試料が導入され、反応が起こり、その反応は電極2により検知され、その信号は電極2により外部へ出力される。
図2は、本発明のセンサチップ及びその製造方法の他の態様を示すものである。図2aは、PETからなる基板シート21上に電極22(検知手段)が形成された様子を示す平面図である。本例では電極22は、基板シート21を略2等分する折り曲げ線28の一方の側にのみ形成されている。前記の例と同様、電極22はカーボンインクからなり、PETからなる基板シート21上に、スクリーン印刷により形成される。又、電極22は、2本の電極からなりそれぞれ作用極、対極に相当する。図2a中の、破線は、後に塗布、硬化により形成されるレジスト材(スペーサ材)に対応する位置を示す。図2bは、基板シート21上に電極22が形成された様子を示す側面図である。
次に、基板シート21及び電極22上に、スクリーン印刷により熱硬化性エポキシ樹脂からなるレジスト材24が塗布され、その後硬化され、図2cに示される積層体が形成される。図2cに示されるように、レジスト材24の塗布、硬化は、折り曲げ線28の両側で行われる。レジスト材24は、折り曲げ線28を軸として、対称の位置に1対の溝25を有し、折り曲げ線28の左側にある溝25内に、電極22が含まれている。本例ではさらに、溝25内の電極22上に薬剤26が塗布されている。本例での1対の溝25は、互いに平行な直線状である。
次に、レジスト材24上の、折り曲げ線28の少なくとも一方の側に、溶液型アクリル系粘着材である粘着材23を、スクリーン印刷により塗布する。その後、基板シート21を、折り曲げ線28より等距離にあり、それと平行な2本の直線28’に沿って2つ折りし、粘着材23により、レジスト材24同士を貼り合せると、図2dに示されるような、断面がコの字型に折り曲げられた基板シート21の間に、レジスト材24と、レジスト材24同士を貼り合せる粘着材23からなるスペーサ層を有する、本発明のセンサチップが得られる。1対の溝25は合わさって中空反応部27を形成する。
中空反応部27の形成後、残留応力の解消のため、折り曲げ部分のアニーリング処理または折り曲げ部分の切断除去を行ってもよい。基板等はPET樹脂からなるので、アニーリング処理は、PET樹脂の樹脂軟化温度(70℃程度)と融点(250℃程度)の中間である160℃以上で、250℃以下で行うことが好ましい。折り曲げ部分の切断除去は、図2dに示すA−A’の面で切断して行うことができる。
このセンサチップは、中心面29を軸に対称な構造を有し、従って経時により反りが生じることはない。又、この製造方法は、1枚の基板シート21上に、レジスト材24を1層塗布し、その1方のみに、粘着材23を塗布し、基板シート21を折り曲げて貼り合せる方法なので、1回の工程でスペーサ層を一気に形成することができ、かつ同一材質、同一厚みの条件も容易に達成することができるので、極めて経済的に、精度良く、所望のチップを作成することができる方法である。
なお、図1a、図2aの平面図における長辺に相当する長さを短辺とする基板シートを用い、この短辺に平行に、多数組みの電極を形成し、この基板シートの全面にわたって前記と同様の工程を行った後、それぞれ1組の電極が含まれるように、前記短辺に沿って裁断することにより、多数のセンサチップを、一連の製造工程で製造することができる。ここで、1組の電極とは、1つのセンサチップを構成することができる電極の組を言い、少なくとも作用極、対極の2極が含まれる。
本発明のセンサチップ及びその製造方法の一例を示す説明図である。 本発明のセンサチップ及びその製造方法の他の一例を示す説明図である。
符号の説明
1、1’、21 基板シート
2、22 電極
3、3’、3”、23 粘着材
4、4’ スペーサ材
24 レジスト材(スペーサ材)
5、5’、25 溝
6、26 薬剤
7、27 中空反応部
9、29 中心面
28 折り曲げ線

Claims (10)

  1. 基板、カバー層、及び基板とカバー層間に挟装されるスペーサ層を有し、さらに基板とカバー層間に中空反応部及びこの中空反応部内に検知手段を有するセンサチップであって、前記基板及びカバー層が、互いに同じ材質及び厚みを有し、並びに、前記基板と平行でかつ基板及びカバー層から等距離にある平面に対し、前記スペーサ層の材質及び形状が対称であることを特徴とするセンサチップ。
  2. 前記スペーサ層が、溝を有しかつ単層又は複数層のスペーサ材からなるシート層の対を貼り合せてなるものであり、この対を構成する各シート層の材質及び厚みが、互いに同じであり、並びに前記平面に対し対称となるように貼り合わされていることを特徴とする請求項1に記載のセンサチップ。
  3. 前記基板及びカバー層を形成する基板シート上に、この基板シートを略2等分する折り曲げ線を軸として対称の関係にある1対の溝を有するシート層を、少なくとも一方の溝がその中に検知手段を含むように積層して積層体を形成した後、前記折り曲げ線を中心として前記積層体を、前記1対の溝が互いに重なり合い中空反応部を形成するように2つ折りし、前記シート層同士を貼り合せて得られることを特徴とする請求項2に記載のセンサチップ。
  4. 前記1対の溝が、互いに平行な直線状であることを特徴とする請求項3に記載のセンサチップ。
  5. 前記シート層同士の貼り合せが、1層の接着剤層を介して行われることを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載のセンサチップ。
  6. バイオセンサチップであることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のセンサチップ。
  7. 基板、カバー層、及び基板とカバー層間に挟装されるスペーサ層を有し、さらに基板とカバー層間に中空反応部及びこの中空反応部内にある検知手段を有するセンサチップの製造方法であって、前記基板又はカバー層を形成する基板シート上に検知手段を形成し、さらに、溝を有しかつ単層又は複数層のスペーサ材からなるシート層を、前記検知手段が溝内に含まれるように形成して得られる第1の積層体と、基板シート及びシート層の、材質、厚み及び構成が第1の積層体と同一の第2の積層体とを、両者のシート層同士を相対させ、両者の溝が互いに重なり合い中空反応部を形成するように貼り合せることを特徴とするセンサチップの製造方法。
  8. 基板、カバー層、及び基板とカバー層間に挟装されるスペーサ層を有し、さらに基板とカバー層間に中空反応部及びこの中空反応部内にある検知手段を有するセンサチップの製造方法であって、前記基板及びカバー層を形成する基板シート上に検知手段を形成し、さらに、スペーサ材又は複数のスペーサ材の積層体であるシート層であって、前記基板シートを略2等分する折り曲げ線を軸として対称の関係にある1対の溝を有するものを、少なくとも一方の溝がその中に検知手段を含むように積層して、積層体を形成した後、前記折り曲げ線を中心として、前記シート層同士が相対するように前記積層体を2つ折りし、前記シート層同士を貼り合せることを特徴とするセンサチップの製造方法。
  9. シート層同士の貼り合せ後に、折り曲げ部分にアニーリング処理を施こすことを特徴とする請求項8に記載のセンサチップの製造方法。
  10. シート層同士の貼り合せ後に、折り曲げ部分を切断除去することを特徴とする請求項8または請求項9に記載のセンサチップの製造方法。
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