JP2007101377A - センサチップ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】サイズが小さく、生産が容易なセンサチップであって、複数の試料中に対し、迅速、簡便にかつ正確に定量することができるセンサチップ、及びこのセンサチップを、容易に高い生産性で製造することができる製造方法を提供する。
【解決手段】互いに対向する2枚の基板、及び該基板間に挟装されるスペーサ層を有し、さらに、該基板間に形成された1又は2の中空反応部、該中空反応部内に露出する検知手段、及び該中空反応部の試料を導入する試料導入口を有する測定単位の複数を有するセンサチップであって、該複数の測定単位の試料導入口がセンサチップの外縁部に設置されていることを特徴とするセンサチップ、及びその製造方法を提供する。
【選択図】 図4
【解決手段】互いに対向する2枚の基板、及び該基板間に挟装されるスペーサ層を有し、さらに、該基板間に形成された1又は2の中空反応部、該中空反応部内に露出する検知手段、及び該中空反応部の試料を導入する試料導入口を有する測定単位の複数を有するセンサチップであって、該複数の測定単位の試料導入口がセンサチップの外縁部に設置されていることを特徴とするセンサチップ、及びその製造方法を提供する。
【選択図】 図4
Description
本発明は、試料中の特定成分を定量するセンサチップ、特にバイオセンサチップに関する。より具体的には、複数の試料についての測定を、迅速かつ簡便に行うことができるセンサチップに関する。本発明は、さらにこのセンサチップの製造方法に関するものである。
バイオセンサチップは、微量試料をチップ内の反応部に導入することによって、該チップ内で、該微量試料についての酵素反応や抗原−抗体反応等を起こさせ、反応により得られる情報を、チップ外へ出力するセンサチップである。このバイオセンサチップは、生体の持つ優れた分子識別機能を利用するものであり、微量の化学物質の迅速かつ簡便な測定を可能にするものとして注目されており、例えば、血糖値センサや、DNA解析等に使用されている。
DNA解析等では、多数の微量試料についての測定が行われる。そこで、このような用途に使用されるセンサチップとしては、使用しやすい形状や大きさを有し、正確な測定が可能であるとともに、より多数の試料についての測定を、簡単な操作で、迅速に、できれば一時に行えるものが望まれている。そのため、複数の反応部を有し、複数種類の反応による複数種類の測定や定量等を行うことができるセンサチップが望まれている。
特開平4−264246号公報には、このようなバイオセンサチップの一例が記載されている。このバイオセンサチップは、絶縁性の基板上に複数組の電極系を設け、各電極系上に反応部、又各電極系に対応して水素イオン制御部を設けたものであり、多成分の試料を同時に測定することができる。しかし、このバイオセンサチップは、特殊な形状の部材を精度良く作製し組み立てねばならないため、生産性が悪く製造コストが高くなるとの問題もある。
又、特開平6−109698号公報には、絶縁性の基板と、前記絶縁性の基板上に形成された電極系と、前記絶縁性の基板上に形成した反応層(反応部)とから構成され、前記反応層が少なくとも酵素と電子受容体と親水性高分子からなるバイオセンサにおいて、該バイオセンサに試料液を供給した後、前記電極系に一定電圧を印加して電流値を測定する操作を複数回行なうことを特徴とする基質濃度測定方法が開示されている。この方法により、1つのバイオセンサにより、複数の成分の定量が可能となる。しかし、この方法は、基質の反応時間差を利用するため、測定に時間がかかる問題があるとともに、被測定物質間に反応時間差のある特殊な組み合わせにしか用いることができない。
特開平4−264246号公報
特開平6−109698号公報
本発明は、生産が容易なセンサチップであって、多数の試料についての成分の測定や定量を、迅速、簡便かつ正確にすることができるセンサチップを提供することを課題とする。本発明はさらに、このセンサチップを、容易に、高い生産性で製造することができる製造方法を提供することも課題とする。
本発明者は、鋭意検討の結果、中空反応部及び該中空反応部内に露出する検知手段を有する測定単位の複数を、センサチップの外縁部に並べて配置することにより、多数の微量試料についてそれらの成分を、簡便かつ正確に、かつ迅速(一時)に定量することができるセンサチップが得られることを見出した。
本発明者は、さらに、樹脂フィルム等のシートの基板を形成する部分の外縁に多数の検知手段を並べて形成し、その検知手段上に溝を有するスペーサ層を形成し、他のシートでその上を覆う方法により、前記の優れた特徴を有するセンサチップを、容易に、生産性高く製造できることを見出した。本発明は、上記の知見に基づき完成されたものである。
本発明は、互いに対向する2枚の基板、及び該基板間に挟装されるスペーサ層を有し、さらに、
1又は2の中空反応部、該中空反応部内に露出する検知手段、及び中空反応部の端部にある試料導入口からなる測定単位を、
該試料導入口が、センサチップの外縁部に配設されるように、複数有することを特徴とするセンサチップを提供するものである(請求項1)。
1又は2の中空反応部、該中空反応部内に露出する検知手段、及び中空反応部の端部にある試料導入口からなる測定単位を、
該試料導入口が、センサチップの外縁部に配設されるように、複数有することを特徴とするセンサチップを提供するものである(請求項1)。
前記測定単位とは、試料についての反応が行われる1又は2の中空反応部、その中に露出し、その反応を検知する1又は2の検知手段、及び該中空反応部に試料を導入する試料導入口から構成されるものである。本発明のセンサチップは、この測定単位を複数有し、かつ各測定単位の試料導入口が、センサチップの外縁部に配設されるように、この複数の測定単位が設けられていることを特徴とする。
検知手段は、通常検知用電極系であり、1つの検知用電極系は、少なくとも作用極と対極を有し、さらに必要により参照極等の他の電極やその他の手段を有してもよい。作用極と対極は、基板の表面上に配置される。
検知手段は、反応を検知して得られた情報を電気信号として外部に伝達するリード線と接続されている。リード線の他端はリード端子であって、リード端子は、センサチップが測定機(センサチップよりの情報を処理し、その結果を表示する手段)と連結する位置に設けられ、このリード端子を通して測定機に電気信号が伝達される。
本発明のセンサチップは、互いに対向する、すなわち対面して配置されている2枚の基板を有し、その間に前記測定単位が複数形成されている。従って、複数の検知手段を有し、これらは少なくとも1つの基板の表面上に設けられている。また複数の中空反応部は、2枚の基板の間、すなわちスペーサ層中に形成される。
前記基板は、電気絶縁性のフィルムであり、その材質としては、セラミックス、ガラス、紙、生分解性材料(例えば、ポリ乳酸微生物生産ポリエステル等)、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチック材料が例示されるが、好ましくは、ポリエチレンテレフタレート等の絶縁性樹脂が用いられる。
前記2枚の基板の間に挟装されるスペーサ層は、一層又は複数の層からなり、例えば、電極間の絶縁性を高め、かつ電極を物理的に保護する機能を有するレジスト材層と、各層を接着する機能を有する粘着材層や接着剤層等からなる。一層が、レジスト材層と接着剤層を兼ねる場合もあるし、レジスト材層、粘着材層、接着剤層がそれぞれ多層からなる場合もある。
レジスト材は、センサチップ形成後、スペーサとしての役割を果たすと共に、基板との密着性が強いので、液体の薬剤を反応部に塗布した際に、基板とスペーサ層との界面に薬品が浸透し、界面が剥離することを防止する等の機能を有する。
レジスト材の材質としては、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、変性ポリイミド樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。粘着材層を形成する粘着材としては、ゴム系粘着材、アクリル系粘着材、シリコーン系粘着材が例示される。接着剤層を形成する接着剤としては、エポキシ系、酢酸ビニル系、シリコーン系等の接着剤が例示され、エポキシ樹脂等の熱硬化樹脂、UV硬化樹脂等を使用することができる。
接着剤層や粘着剤層も、センサチップ形成後、スペーサとしての役割を果たすが、一般に接着剤や粘着剤はヤング率が低く変形しやすいため、反応部の体積を規定する上ではあまり厚くしない方が良い。両面を接着する機能を有する程度で、最小限の厚さであることが通常好ましい。
本発明のセンサチップは複数の中空反応部を有し、その一方の端が試料導入口となるが、その反対側の端にも開口部(試料出口)を有することが好ましい。中空反応部を、このようなストロー状の構造とすることで、毛管現象を利用して試料の中空反応部への充填を容易にすることができる。
複数の中空反応部にそれぞれが連通する試料導入口より試料が導入されるが、本発明のセンサチップは、複数の試料導入口が、センサチップの外縁部に、並べて設置されていることを特徴とする。従って、中空反応部、検知手段等、試料出口を有する場合はそれらも、好ましくは外縁部の近傍に配置される。各中空反応部及び各検知手段は、チップの外縁近傍に互いに干渉しないように並べられて配置される。
試料導入口が、センサチップの外縁部に、並べて設置されているので、多数の試料についての測定を行う場合であっても、多数のチップを測定器本体に装着し直す必要はなく、センサチップを装着したままで多数の試料を迅速に導入することができる。
導入された試料は化学反応を引きおこし、この反応が検知され定量等が行われる。バイオセンサチップの場合には、生化学反応を引きおこす。従って、中空反応部に、化学反応に必要な触媒、酵素等が固定されており、これらにより、試料の化学反応が促進される。固定される触媒、酵素としては、グルコースオキシダーゼ(GOD)、グルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)、グルコースオキシダーゼ−電子受容体(メディエータ)混合物、グルコースオキシダーゼ−アルブミン混合物等が例示され、又反応を円滑に行うための界面活性剤等が塗布される場合もある。
本発明のセンサチップでは、複数の測定単位のそれぞれについて異なった試料を導入することにより、複数の種類の試料について迅速に測定をすることができる。又、複数の測定単位のそれぞれの中空反応部に異なった薬剤を塗布することにより、同一の試料について異なった種類(成分)の測定を迅速にすることができる。これらを組み合わせて、複数の種類の試料のそれぞれについて異なった種類(成分)の測定を迅速にすることもできる。
例えば、複数(多人数)についての検査を行う場合、すなわち、多数の検体について1種の測定を行う場合、従来のセンサチップを用いる場合は、1検体の測定毎に測定器に装着したセンサチップを交換する必要があったが、本発明のセンサチップであって複数の測定単位の薬剤が互いに同じものを用いれば、1検体の測定毎にセンサチップを交換する必要はなく、一回の装着で、測定単位の数に対応した多数の検体について測定をすることができる。従って、効率よく、迅速に測定できる。
又、本発明のセンサチップでは、複数の試料を複数の試料導入口より同時に反応部中に導入することができるので、多数の測定、特に多成分の測定(測定単位毎に薬剤が異なっている場合。)を迅速に、すなわち一試料用のセンサチップを用いて1つの測定する場合とほぼ同じ測定時間で行うことができる。
また、複数の試料を順次反応部中に導入する用い方も可能である。多数の検体についての測定を行う場合等では、このような用い方がされる場合がある。この場合には、誤った導入口に試料が導入されないような工夫が望まれる。例えば、後述するような、半円や円の平面形状を有しその外縁部に複数の試料導入口を有するセンサチップを用いるとともに、センサチップを、回転可能にかつ1試料導入口のみが露出するように装着する測定器を用い、1試料を試料導入口より導入した後、センサチップを回転して次の試料導入口が現れるようにすれば、誤った導入口への試料の導入を防ぐことができ、また、迅速、簡便に多数の測定を行うことができる。
各反応部間は完全に隔離されている。従って、測定中に各反応部間の物質移動が生じず、高精度の測定を行なうことができる。さらに、後述するように、簡単な形状の部材の組み合わせで反応部を形成することができるので、生産性は高く製造コストも下がる。
本発明のセンサチップとしては、平面形状が半円状であり、その弦部にリード端子が設けられ、弧部(円周部)に複数の測定単位の試料導入口が並べられて設置されているものや、平面形状が四角形等の多角形状であり、その一辺(または一部の辺)にリード端子が設けられ、他の辺上に複数の測定単位の試料導入口が並べられて設置されているものが例示される。このようなセンサチップは、パターン設計が複雑とならず、生産性は高く製造コストも下がるので好ましい。前記のように、平面形状が半円状のセンサチップを用いれば、センサチップを回転可能に装着する測定器を用い、1試料毎にセンサチップを回転させながら試料を導入して測定する方法により、多数の測定を、正確かつ迅速、簡便に行うことができる。
また、弧部や辺上などの外縁部に複数の試料導入口を並べることにより、センサチップの基板表面上に導入口を設けてある場合と比較して、試料導入の操作が容易になり、試料をピペッタ等の器具を介することなく直接導入することが容易にできる。又、各試料導入口の判別が容易であり、異なった試料を、他の器具を介することなく、直接的に正確に導入しやすくなる。
本発明のセンサチップとしては、外縁部に複数の凸部有し、該凸部のそれぞれに、前記測定単位が配設され、該凸部の外縁部に前記試料導入口が配設されているものが好ましい。各試料導入口を、凸部の外縁部に設ける結果、試料導入口への試料の接触もより容易になり、従って試料導入の操作がより容易になる。又、試料導入口の箇所がより分りやすくなり、各試料導入口の判別がより容易になる。請求項2は、この好ましい態様に該当する。
本発明のセンサチップの測定単位としては、1つの試料導入口と、該試料導入口を共有する2つの中空反応部を有するものが好ましい。このような測定単位によれば、試料の量を1つの試料導入口に対応する微量とすることができるとともに、各試料について、同時に2種類の測定、定量が可能となる。請求項3は、この好ましい態様の測定単位を有するセンサチップを提供するものである。
本発明のセンサチップは、特にバイオセンサチップとして、血液中のグルコース量(血糖値)や尿糖値を測定する血糖値センサ、尿糖値センサ等として好適に用いられる。請求項4は、この好ましい態様に該当し、前記のセンサチップであって、バイオセンサチップであることを特徴とするセンサチップを提供するものである。
本発明のセンサチップは、通常、センサチップからの電流を処理して測定値を出力するデータ処理手段、表示手段などを有する測定器に装着されて、使用され、前記の用途に供せられる。本発明のセンサチップでは、リード端子が、その外縁部などに設けられており、測定器への装着の際には、リード端子が、測定器の入力端子と接続する。
本発明は、さらに前記の優れた特徴を有するセンサチップの製造方法を提供するものであり、この製造方法により、前記のセンサチップを、容易に、高い生産性で製造することができる。
すなわち、互いに対向する2枚の基板、及び該基板間に挟装されるスペーサ層を有し、さらに、該基板間に形成された1又は2の中空反応部、該中空反応部内に露出する検知手段、及び試料導入口からなる測定単位の複数を、該試料導入口が、センサチップの外縁部に配設されるように、有することを特徴とするセンサチップの製造方法であって、
少なくとも一方の基板の外縁部の近傍に、複数の検知手段を形成する工程、その後、スペーサ層を形成するとともに、該スペーサ層内に、前記検知手段のそれぞれが露出し、該スペーサ層の外縁部にその一端がある、溝を複数形成する工程、及び、その後、他方の基板を含む部材により該スペーサ層を覆う貼り合せ工程、を有することを特徴とするセンサチップの製造方法を提供する(請求項5)。
少なくとも一方の基板の外縁部の近傍に、複数の検知手段を形成する工程、その後、スペーサ層を形成するとともに、該スペーサ層内に、前記検知手段のそれぞれが露出し、該スペーサ層の外縁部にその一端がある、溝を複数形成する工程、及び、その後、他方の基板を含む部材により該スペーサ層を覆う貼り合せ工程、を有することを特徴とするセンサチップの製造方法を提供する(請求項5)。
本発明の製造方法では、先ず、2枚の基板の少なくとも1枚上に、検知手段、すなわち対極、作用極等の検知用電極等が形成される。検知手段の形成は、例えば、金属テープを基板シート上に貼り付ける等の方法で行なっても良いし、カーボンインク等の導電性物質を、スクリーン印刷等の手法で塗布することにより行うこともできる。多数の検知手段は、基板シートの外縁部近傍に形成される。
本発明の製造方法では、スクリーン印刷等の手法を用いることにより、多数の電極系を一工程で同時に製造することができる。従って、生産性が向上するので好ましい。検知手段の形成とともに、リード線の形成も行われる。スクリーン印刷等の手法により、リード線も一工程で同時に製造することができる。
次に、この検知手段上に、検知手段と同数の溝を有するスペーサ層が形成される。スペーサ層の溝は、各検知手段が、それぞれの溝内に露出するように設けられる、従って、この溝も、基板の外縁部近傍に形成される。その溝の一端はスペーサ層の外縁部にあり、この部分がセンサチップ形成後試料導入口となる。
スペーサ層の形成は、レジスト材や粘着剤層等を積層することにより行うことができる。レジスト材や粘着剤層等の形成は、例えば、スクリーン印刷で行うことができる。より具体的には、例えば、溝を有するようにレジスト材をスクリーン印刷で塗布し、硬化させ、その後、更に、レジスト材の溝と同じ位置に溝を有するように、粘着材層又は接着剤層をスクリーン印刷で塗布させる方法で行うことができる。スクリーン印刷による方法は生産性が高く、最も経済的である。
スペーサ層形成後は、他方の基板を含む部材により該スペーサ層を覆う貼り合せが行われる。他方の基板を含む部材とは、他方の基板のみの場合もあるが、後述するような、他方の基板上にスペーサ層が形成された部材などの場合もある。好ましくは、貼り合せには、粘着材や接着剤が用いられる。すなわち、前記スペーサ層の最上部には、粘着材層や接着剤層が設けられることが好ましい。
本発明は、前記の製造方法のより好ましい態様として、次に示す製造方法も提供する。
前記の製造方法であって、他方の基板の外縁部近傍にも、複数の検知手段を形成し、その後、スペーサ層を形成するとともに、該検知手段のそれぞれを露出し、該スペーサ層の外縁部にその一端がある複数の溝を形成する工程を有し、前記貼り合せ工程を、両基板上のスペーサ層同士を、それぞれの溝が互いに重ならないように貼り合せて行うことを特徴とするセンサチップの製造方法(請求項6)。
本発明のセンサチップの製造方法では、2枚の基板の両方に、多数の検知手段を形成し、その上に溝を有するスペーサ層を形成し、そのスペーサ層同士を貼り合せてもよい。貼り合せを、両方の基板上の溝が互いに重ならないように行えば、より多数の測定単位を形成することができ、好ましい。両方の基板上に形成される検知手段や溝の位置を調整することにより、溝が互いに重ならないようにすることができる。又、貼り合せの際に、両方の間に、薬剤溶液や試料液を透過しないフィルムを挟装することによっても、溝が互いに重ならないようにすることができる。ただし、この場合は、センサチップの厚みが増す。
特に、一方の基板上に形成される溝のスペーサ層の外縁部にある一端(センサチップ製造後は試料導入口となる。)と他方の基板上に形成される溝のスペーサ層の外縁部にある一端(センサチップ製造後は試料導入口となる。)が互いに重なるように、かつ他の部分では溝が互いに重ならないように貼り合せを行えば、前記請求項3の態様のセンサチップが得られ好ましい。
前記の製造方法であって、一方の基板及び他方の基板が、一枚の基板シートから形成され、その基板シートを、それを略2等分する折り曲げ線を中心に折り曲げて、前記貼り合せ工程を行うことを特徴とするセンサチップの製造方法(請求項7)。
ここで基板シートとは、センサチップ形成後は前記2枚の基板となるシート状の部材である。従って、前記の基板の材質と同様なものが、その材質として用いられる。
折り曲げ線とは、該基板シートを略2等分する位置に設けられる。このシートの折り曲げ線の一方の側が2枚の基板の中の一方の基板を形成し、他方の側が他方の基板を形成する。
この態様の製造方法により、前記の本発明のセンサチップを容易に、生産性高く製造することができる。すなわち、一枚のシートの同一表面上に、両基板のスペーサ層が形成されるので、スクリーン印刷等の方法により、両基板のスペーサ層を同時に形成することができ、生産性を向上させることができる。
又、全ての溝が一枚のシートの同一表面上に形成されるので、レジスト材や粘着剤等の樹脂を、スクリーン印刷等の方法で、溝が形成するように樹脂を塗布する等の方法により、両基板上の全ての溝を少ない工程で形成することができ、別個に各溝を形成する場合よりも高い生産性が得られる。検知手段の形成についても同様である。
なお、折り曲げ、貼り合せの後、折り曲げ部での残留応力の除去等の目的で、折り曲げ部のアニールや、折り曲げ部の切断除去等を行ってもよい。
前記の製造方法であって、折り曲げ線の両方の側に複数の検知手段および溝を形成し、前記溝の形成を、2つの溝のスペーサ層の外縁部にある一端が、折り曲げ線を軸とした線対称の位置となるように行うことを特徴とするセンサチップの製造方法(請求項8)。
スペーサ層の外縁部にある溝の一端は、センサチップの製造後は、試料導入口となる。そこで、折り曲げ線のそれぞれの側に形成された2つの溝のスペーサ層の外縁部にある一端が、互いに、折り曲げ線を軸とした線対称の位置にあれば、折り曲げ後、これらは重なり合い、1つの試料導入口を形成する。従って、前記請求項3の態様のセンサチップが得られる。
前記の製造方法の態様のいずれにおいても、検知、定量の反応をするための薬剤、例えば触媒、酵素等の反応部への固定は、センサチップ形成後に行うことも可能であるが、製造のしやすさの観点からは、センサチップ形成前、すなわち前記貼り合せ工程の前に行うことが好ましく、例えば折り曲げ線を中心として折曲げる前に、複数の溝の中の少なくとも1つに、薬剤が塗布される。請求項9は、この好ましい態様に該当する。
薬剤の塗布は、溝形成後に行う必要はなく、溝形成前に、溝が形成される位置に薬剤を塗布してもよい。例えば、基板上であってセンサチップ形成後は反応部に露出する部分に薬剤を塗布し、その周囲に、スペーサ層を形成する部材(例えば、レジスト材)を貼り付けるあるいは樹脂を塗布する等の方法により前記部材を設ける方法も採用できる。しかし、溝を先に形成しておくと、薬剤の塗布面積と塗布位置を容易に規定できるので、生産性の観点からは、先に溝を形成する方法が好ましい。
本発明のセンサチップは、多数の試料、または/および多数の種類の測定、定量を迅速に、かつ簡易な操作で実施することができる。また各反応部間の物質移動が生じないので、高精度の測定を行なうことができる。すなわち、複数の試料、または/および複数の種類の測定について、正確かつ迅速、簡便に定量することができる。
例えば、本発明のセンサチップを用いれば、1検体の測定の都度センサチップを交換する必要はなく、測定器への1回の装着で多数の検体について測定できるので、迅速、簡便な測定が可能となり、検査機関等のように多数の検体についての測定が必要な場合等に非常に有用である。又、複雑な形状の構成部材が無く、生産が容易であり、バイオセンサチップとして好適に用いられる。
さらに、本発明の製造方法によれば、前記の優れた特徴を有するセンサチップを、簡易に高い生産性で製造することができる。特に、一枚のシートの同一表面上に、両基板の検知手段や、スペーサ層を形成した後、折り曲げる方法によれば、スクリーン印刷等の手法を用いて、生産性をさらに向上させることができる。
次に本発明を実施するための最良の形態を、図を用いて説明する。なお、本発明はこの形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない限り、他の形態へ変更することができる。
図1は、本発明のセンサチップにおける各測定単位の断面を模式的に示したものである。
図1に示されるように、基板1、1’の間に、レジスト材層4、4’が挟装される。又、基板1の、レジスト材層4側の表面には、検知用電極系2が形成されている。基板1、1’およびレジスト材層4、4’は、基板シートの折り曲げ線を中心として2つ折りされ、粘着剤層5を介して、中心線8で貼り合せられている(スペーサ層は、レジスト材層および粘着剤層の積層で構成される)。
レジスト材層4中には、溝7(中空反応部)が形成されている。溝7は、レジスト材層4、4’及び粘着剤層5の中に形成されており、検知用電極系2がその中に露出している。中空反応部は、ストロー状の形状であり、一方の端が、試料が導入される試料導入口となる。溝7の底面側には薬剤6が固定されている。
本発明のセンサチップは、図1に示す測定単位を、複数、試料導入口が基板外縁部に位置するよう配設されたものである。次に、本発明のセンサチップの製造方法について述べる。
図2〜図4は、本発明の製造方法の一例における各製造工程を示す説明図である。なお、この例では、1つの試料導入口に2つの中空反応部が連通する各測定単位を有するセンサチップが製造される。先ず、図2に示すように、円周部に凸部を有する円形状の基板1、1’の各凸部表面に、検知用電極系2、2’並びにリード線部(端子部を含む)3、3’が形成されている。
基板シートの、折り曲げ線9の上側が、センサチップ形成後は基板1となり、下側が、センサチップ形成後は基板1’となる。
基板シートとしては、1枚のPETフィルム等、折り曲げ可能で電気絶縁性のあるフィルムが用いられ、その上にカーボンインクをスクリーン印刷して、検知用電極系2、2’並びにリード線部3、3’を形成する。
なお、この例では、検知用電極系2、2’は、それぞれ、対極と作用極からなる一対本の電極により構成されているが、他に参照極や液絡検知極等の電極を配置してもよく、これらも同様にスクリーン印刷により形成することができる。
検知用電極系2、2’、並びにリード線部3、3’は、基板1、1’の少なくとも一方に配設される。図においては、上下面で各5対であり、2つの中空反応部を有する各測定単位が5個配設されることになる。
検知用電極系2、2’の形成後は、その上にレジスト材層4、4’が形成される。図3は、レジスト材層4、4’が形成された後を示す図である。図3より明らかなように、レジスト材層4、4’は、溝7、7’を有するように形成されており、溝7、7’中には、検知用電極系2、2’が露出している。このようなレジスト材層4、4’は、それらを構成する樹脂を、溝7、7’を形成するように、スクリーン印刷して硬化する方法により形成することができる。
溝7、7’は、スペーサ層の外縁部の一端(図中の7a、7a’)が、上下で互いに対称となる位置に形成される。この溝7、7’の位置に対応して、前記の検知用電極系2、2’も配設されている。
レジスト材層4、4’を形成後、その上に粘着剤層(レジスト材層と重なるので、図示せず)が形成される。粘着剤層は、それらを構成する樹脂を、前記の各溝を形成するように、スクリーン印刷する方法により形成することができる。
以上のようにして、各溝が形成された後、それらの底部に薬剤(図示せず)の塗布がされる。薬剤の塗布後、基板1、1’を、折り曲げ線9を中心として折り曲げ、粘着剤層同士を貼り合わせる。その結果、図4(a)(b)に示すセンサチップが得られる。図4において、(a)は、基板1、1’に挟装されたセンサチップ内部の透視図であり、(b)は、センサチップの外面図である。
図4(a)(b)に示すように、このセンサチップは、凸部を有する半円状の形状であり、その弧部(円周部)にある凸部の頂点付近にそれぞれの測定単位の試料導入口10を有している。又、2層のレジスト材層4、4’と粘着剤層により形成されたスペーサ層を有している。さらに、試料導入口10より、試料出口11、11’に向かって伸びる2つの中空反応部(溝7、7’)が放射状に形成されている。このようにして得られたセンサチップは、2つの中空反応部を有する各測定単位が5個配設されているので、5個のサンプルA〜Eについて、迅速にそれぞれ2項目の測定が可能となる。
1、1’ 基板
2、2’ 検知用電極系
3、3’ リード線部
4、4’ レジスト材層
5 粘着剤層
6 薬剤
7、7’ 溝(中空反応部)
9 折り曲げ線
2、2’ 検知用電極系
3、3’ リード線部
4、4’ レジスト材層
5 粘着剤層
6 薬剤
7、7’ 溝(中空反応部)
9 折り曲げ線
Claims (9)
- 互いに対向する2枚の基板、及び該基板間に挟装されるスペーサ層を有し、さらに、
1又は2の中空反応部、該中空反応部内に露出する検知手段、及び中空反応部の端部にある試料導入口からなる測定単位を、
該試料導入口が、センサチップの外縁部に配設されるように、複数有することを特徴とするセンサチップ。 - 外縁部に複数の凸部を有し、該凸部のそれぞれに、前記測定単位が配設され、該凸部の外縁部に前記試料導入口が配設されていることを特徴とする請求項1に記載のセンサチップ。
- 前記測定単位が、1つの試料導入口と、該試料導入口を共有する2つの中空反応部を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のセンサチップ。
- バイオセンサチップであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のセンサチップ。
- 互いに対向する2枚の基板、及び該基板間に挟装されるスペーサ層を有し、さらに、該基板間に形成された1又は2の中空反応部、該中空反応部内に露出する検知手段、及び試料導入口からなる測定単位の複数を、該試料導入口が、センサチップの外縁部に配設されるように、有することを特徴とするセンサチップの製造方法であって、
少なくとも一方の基板の外縁部の近傍に、複数の検知手段を形成する工程、その後、スペーサ層を形成するとともに、該スペーサ層内に、前記検知手段のそれぞれが露出し、該スペーサ層の外縁部にその一端がある、溝を複数形成する工程、及び、その後、他方の基板を含む部材により該スペーサ層を覆う貼り合せ工程、を有することを特徴とするセンサチップの製造方法。 - 他方の基板の外縁部近傍にも、複数の検知手段を形成し、その後、スペーサ層を形成するとともに、該検知手段のそれぞれを露出し、該スペーサ層の外縁部にその一端がある複数の溝を形成する工程を有し、前記貼り合せ工程を、両基板上のスペーサ層同士を、それぞれの溝が互いに重ならないように貼り合せて行うことを特徴とする請求項5に記載のセンサチップの製造方法。
- 前記の一方の基板及び他方の基板が、一枚の基板シートから形成され、その基板シートを、それを略2等分する折り曲げ線を中心に折り曲げて、前記貼り合せ工程を行うことを特徴とする請求項5または請求項6に記載のセンサチップの製造方法。
- 折り曲げ線の両方の側に複数の検知手段および溝を形成し、前記溝の形成を、2つの溝のスペーサ層の外縁部にある一端が、折り曲げ線を軸とした線対称の位置となるように行うことを特徴とする請求項7に記載のセンサチップの製造方法。
- 前記貼り合せ工程の前に、溝に薬剤が塗布されていることを特徴とする請求項5ないし請求項8のいずれかに記載のセンサチップの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005291957A JP2007101377A (ja) | 2005-10-05 | 2005-10-05 | センサチップ及びその製造方法 |
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JP2005291957A JP2007101377A (ja) | 2005-10-05 | 2005-10-05 | センサチップ及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2007101377A true JP2007101377A (ja) | 2007-04-19 |
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Family Applications (1)
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JP (1) | JP2007101377A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009175118A (ja) * | 2007-12-27 | 2009-08-06 | Horiba Ltd | 被検液分析用チップ |
JP2019090831A (ja) * | 2013-12-23 | 2019-06-13 | シラグ・ゲーエムベーハー・インターナショナルCilag GMBH International | 配向可変テストストリップ |
-
2005
- 2005-10-05 JP JP2005291957A patent/JP2007101377A/ja active Pending
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JP2019090831A (ja) * | 2013-12-23 | 2019-06-13 | シラグ・ゲーエムベーハー・インターナショナルCilag GMBH International | 配向可変テストストリップ |
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