JP2006170249A - 複列スラスト針状ころ軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】 低粘度、希薄潤滑下で極端に油膜厚さが薄い条件下でも長寿命が得られるようにする。
【解決手段】 複列スラスト針状ころ軸受の少なくとも転動体6の表面に、微小凹形状のくぼみをランダムに無数に設け、前記くぼみを設けた面の面粗さパラメータRyniを0.4〜1.0μmの範囲内とし、かつ、Sk値を−1.6以下とする。あるいは、前記くぼみの面積率を5〜20%の範囲内とし、かつ、前記くぼみを設けた面の基準長毎最大高さの最大値Rymaxを0.4〜1.0の範囲内とする。あるいは、前記くぼみの平均面積を30〜100μm2の範囲内とし、かつ、Rymaxを0.4〜1.0の範囲内とする。
【選択図】 図1

Description

この発明は複列スラスト針状ころ軸受に関するもので、たとえばカーエアコンのコンプレッサ用、オートマチック・トランスミッション用、マニュアル・トランスミッション用、無段変速機用、電動ブレーキ用等に使用することができる。
なお、日本工業規格(JIS)では、「針状ころ」を「直径が5mm以下で、長さと直径との比が3以上10以下である円筒状のころ」であると分類している。しかしながら、本明細書中で使用する「針状ころ」という用語は、JISで規定されているような寸法関係を有する針状ことだけでなく、より広義な意味で使用する。言い換えれば、本明細書で使用する「針状ころ」とは、JISで規定されている棒状ころまたは円筒ころを含むものとして理解すべきである。
複列スラスト針状ころ軸受は、本発明の実施の形態を示す図1を参照して説明するならば、一対の軌道盤2,4と複数の針状ころ6と保持器8を主要な構成要素としている。なお、軌道盤2,4を使わず、焼入れ、研削したハウジング等を軌道面として用いることもある。針状ころ2は保持器8によって円周方向に等間隔に、放射状に配列される。複列スラスト針状ころ軸受では各ポケット10に2個の針状ころ6が同軸状に収容される。
一般的な形式の軸受(たとえば玉軸受など)において、転動体と軌道盤との間には差動すべりが発生するが、これらの軸受の差動すべりは基本的に転動体と軌道盤の接触面内における周速度差に依存する。すなわち、玉軸受などの点接触の場合、接触面積が小さいため接触面内でのこれらの周速度差は小さく、差動すべりは小さいといえる。
しかしながら、スラストころ軸受は、平面の軌道面を有する軌道盤の上に、転動体として円筒形状のころを配置し、ころと軌道盤が線接触する構造になっており、軸受の回転中心が、ころの公転中心と一致することを基本的な構造としている。この場合、ころの転動面上における周速度は同じであるが、ころと転がり接触する軌道盤は、軸受の回転中心から外径方向に向かうほど、軌道盤の回転半径に比例して周速度は速くなる。したがって、ころと軌道盤の周速度差は、ころの両端部で最大となる。理論上は、軸受のピッチ円上のみで純転がり運動を行ない、ころのピッチ円上の点からころの両端部にいくほどころと軌道盤の周速度差が大きくなり、差動すべりが増大する。差動すべりはころの長さに比例して大きくなる。
前述のとおり、スラストころ軸受における軸受内部での差動すべりは他形式の軸受と比較しても多く、ころと軌道盤の差動すべりが要因とななって、ころのエッジ部分では軌道盤との間でエッジ応力が発生しやすくなり、軌道面に表面起点型の剥離が発生しやすくなる。そこで、ころ長さを短くしたり、保持器の各ポケットに2個のころを入れた複列形式の軸受を採用することなどが提案されている。特開2003−97562号公報には、スラスト針状ころ軸受における、転動体面に発生する差動すべりを減少させ、さらに負荷容量低下、転がり接触面圧の増加を抑制したスラストころ軸受が記載されている。特開2003−156050号公報には、差動すべりを低減させ、転がり接触面圧の増加をできるだけ抑えるとともに、軌道盤の摩耗が小さく、耐表面損傷特性に優れたスラストニードル軸受が記載されている。
また、特開平2−168021号公報、特開平6−42536号公報には、転動体の表面に微小な凹凸を形成して油膜形成能力を向上させた転がり軸受が記載されている。
特開2003−97562号公報 特開2003−156050号公報 特開平2−168021号公報 特開平6−042536号公報
近年、カーエアコン・コンプレッサ、オートマチック・トランスミッション、マニュアル・トランスミッション、無段変速機、電動ブレーキ等をはじめスラスト軸受が使用される部位は小型化、高出力化がますます進んでおり、潤滑油の低粘度化等使用環境が高荷重・高温化する傾向にある。このため軸受にとっては今まで以上に厳しい潤滑環境へと変化しており、潤滑不良による摩耗や表面起点型剥離がますます発生しやすくなってきている。
特許文献3,4に記載された従来の技術では、微小凹部形状のくぼみは面粗さをパラメータRqniで表示したとき、軸方向面粗さRqni(L)と円周方向面粗さRqni(C)との比の値Rqni(L)/Rqni(C)の値が1.0以下となり(Rqni≧0.10)、あわせて面粗さのパラメータSk値が−1.6以下となるようにしており、これにより相手面が粗面でも仕上げ面のよい面でも長寿命になるようにしている。しかし、低粘度、希薄潤滑下で油膜厚さが極端に薄い場合にはその効果が十分に発揮できない場合がある。
本発明の主要な目的は、ころの差動すべりを抑制した複列スラスト針状ころ軸受を、さらに、極端に油膜厚さが薄い条件下でも長寿命を得ることができるようにすることである。
請求項1の複列スラスト針状ころ軸受は、少なくとも転動体の表面に、微小凹形状のくぼみをランダムに無数に設け、前記くぼみを設けた面の面粗さパラメータRyniが0.4μm≦Ryni≦1.0μmの範囲内であり、かつ、Sk値が−1.6以下であることを特徴とするものである。複列とすることによってころの差動すべりを抑制するとともに、希薄潤滑下でも油膜切れを防ぐことが可能な微小凹形状のくぼみをランダムに形成することにより、極端に油膜厚さが薄い条件下でも長寿命を得ることができる。
ここに、パラメータRyniは基準長毎最大高さの平均値すなわち、粗さ曲線から、その平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の山頂線と谷底線との間隔を粗さ曲線の縦倍率の方向に測定した値である(ISO 4287:1997)。
パラメータSkは粗さ曲線の歪み度(スキューネス)を指し(ISO 4287:1997)、凹凸分布の非対称性を知る目安の統計量であり、ガウス分布のような対称な分布ではSk値は0に近くなり、凹凸の凸部を削除した場合は負、逆の場合は正の値をとることになる。Sk値のコントロールは、バレル研磨機の回転速度、加工時間、ワーク投入量、チップの種類と大きさ等を選ぶことにより行える。Sk値を幅方向、円周方向とも−1.6以下とすることにより、微小凹形状のくぼみが油溜りとなり、圧縮されてもすべり方向、直角方向への油のリークは少なく、油膜形成に優れ、油膜形成状況は良好で、表面損傷を極力抑える効果がある。
スラスト針状ころ軸受において、通常、転動体は一対の軌道盤間に転動自在に介在するが、ハウジング等を直接軌道面とした軌道盤を有しないタイプも存在する。また、少なくとも転動体の表面にとしたのは、軌道面にも同様に微小凹形状のくぼみを形成したものを排除しない趣旨であり、また、転動体の転動面のみならず端面にも微小凹形状のくぼみを形成したものを排除しない趣旨である。
請求項2の発明は、請求項1の複列スラスト針状ころ軸受において、前記くぼみを設けた面の面粗さパラメータRymaxが0.4〜1.0であることを特徴とする。パラメータRymaxは基準長毎最大高さの最大値である(ISO 4287:1997)。
請求項3の複列スラスト針状ころ軸受は、少なくとも転動体の表面に、微小凹形状のくぼみをランダムに無数に設け、前記くぼみを設けた面におけるくぼみの面積率が5〜20%の範囲内であり、かつ、前記くぼみを設けた面の面粗さのパラメータRymaxが0.4〜1.0の範囲内であることを特徴とするものである。くぼみの面積率は、ころの転動面に微小凹形状のくぼみをランダムに無数に設けた場合、転動面全体の面積に占めるくぼみの面積の割合を意味する。パラメータRymaxは基準長毎最大高さの最大値である(ISO 4287:1997)。
請求項4の複列スラスト針状ころ軸受は、少なくとも転動体の表面に、微小凹形状のくぼみをランダムに無数に設け、前記くぼみの平均面積が30〜100μm2の範囲内で、かつ、Rymaxが0.4〜1.0の範囲内であることを特徴とするものである。パラメータRymaxは、基準長毎最大高さの最大値である(ISO 4287:1997)。
請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかの複列スラスト針状ころ軸受において、前記くぼみを設けた面の面粗さをパラメータRqniで表示したとき、軸方向面粗さRqni(L)と円周方面粗さRqni(C)との比の値Rqni(L)/Rqni(C)が1.0以下であることを特徴とする。パラメータRqniとは、粗さ中心線から粗さ曲線までの高さの偏差の自乗を測定長さの区間で積分し、その区間で平均した値の平方根であり、別名自乗平均平方根粗さともいう(ISO 4287:1997)。Rqniは拡大記録した断面曲線、粗さ曲線から数値計算で求められ、粗さ計の触針を軸方向および円周方向に移動させて測定する。
請求項1の発明によれば、少なくとも転動体の表面に、微小凹形状のくぼみをランダムに無数に設けることによって、油膜形成能力が向上し、低粘度・希薄潤滑下で極端に油膜厚さが薄い条件下でも長寿命となる。とくに、前記くぼみを設けた面の面粗さパラメータRyniを0.4≦Ryni≦1.0μmの範囲内に設定し、従来よりも小さく抑えたことにより、希薄潤滑下でも油膜切れを防ぐことが可能で、従来品に比べ、極端に油膜厚が薄い条件下でも長寿命を得ることができる。また、Sk値については、−1.6以下が表面凹部の形状、分布が加工条件により油膜形成に有利な範囲である。
請求項3の発明によれば、少なくとも転動体の表面に、微小凹形状のくぼみをランダムに無数に設けることによって、油膜形成能力が向上し、低粘度・希薄潤滑下で極端に油膜厚さが薄い条件下でも長寿命となる。とくに、前記くぼみの面積率を5〜20%の範囲内とし、かつ、前記くぼみを設けた面の基準長毎最大高さの最大値Rymaxを0.4〜1.0の範囲内としたことにより、希薄潤滑下でも油膜切れを防ぐことが可能で、従来品に比べ、極端に油膜厚さが薄い条件下でも長寿命を得ることができる。
請求項4の発明によれば、少なくとも転動体の表面に、微小凹形状のくぼみをランダムに無数に設けることによって、油膜形成能力が向上し、低粘度・希薄潤滑下で極端に油膜厚さが薄い条件下でも長寿命となる。とくに、前記くぼみの平均面積を30〜100μm2の範囲内とし、かつ、Rymaxを0.4〜1.0の範囲内としたことにより、希薄潤滑下でも油膜切れを防ぐことが可能で、従来品に比べ、極端に油膜厚さが薄い条件下でも長寿命を得ることができる。
以下、図面に従って本発明の実施の形態を説明する。図1に示す複列スラスト針状ころ軸受は、一対の軌道盤2,4と針状ころ6と保持器8を主要な構成要素としている。図示するように、保持器8は円周方向に配列した複数のポケット10を有し、各ポケットに2個のころ6が同軸状に収容されている。したがって、針状ころ2は円周方向に等間隔に、放射状に配列される。ここでは打ち抜き鋼板製の軌道盤2,4が例示してあるが、軌道盤を使わず、焼入れ、研削したハウジング等を軌道面として用いることもある。
図1に示す複列スラスト針状ころ軸受では保持器8は厚板を切削または打ち抜いてポケット10を形成したものであるが、保持器は図2および図3に示すような形態とすることもできる。図2に示す保持器8はプレス成形した2枚の金属板材で構成されている。隣り合ったポケット10間の柱部分では、両金属板材が保持器の軸方向に離間して、ころ6の軸心よりも幾分小径となった部分と接触するようになっている。保持器8の内周縁および外周縁では、全周にわたって両金属板材を密着させるとともに、一方の縁を折り曲げて他方の縁にかしめることにより保持器強度の向上を図ってある。図3に示す保持器8もプレス成形した2枚の金属板材で構成されているが、各板材は図2の実施の形態における金属板材に比べて厚肉で、全周にわたって嵌合構造とすることにより高い剛性を保持させてある。
そして、第一の実施の形態によれば、ころ6の転動面および端面ならびに内・外輪2,4の軌道面の少なくとも一つに、微小凹形状のくぼみをランダムに無数に形成して微小粗面化してある。この微小粗面は、第一の実施の形態によれば、くぼみを設けた面の面粗さパラメータRyniが0.4μm≦Ryni≦1.0μmの範囲内であり、かつ、Sk値が−1.6以下、好ましくは−4.9〜−1.6の範囲である。また、くぼみを設けた面の面粗さパラメータRymaxが0.4〜1.0である。さらに、面粗さを各表面の軸方向と円周方向のそれぞれで求めてパラメータRqniで表示したとき、軸方向面粗さRqni(L)と円周方向面粗さRqni(C)の比の値Rqni(L)/Rqni(C)が1.0以下になっている。このような微小粗面を得るための表面加工処理としては、特殊なバレル研摩によって、所望の仕上面を得ることができるが、ショット等を用いてもよい。
第二の実施の形態によれば、上記微小粗面はくぼみの面積率が5〜20%の範囲内であり、かつ、くぼみを設けた面の面粗さパラメータRymaxが0.4〜1.0の範囲内である。このように、くぼみの面積率を5〜20%の範囲内とし、かつ、くぼみを設けた面の面粗さパラメータRymaxを0.4〜1.0の範囲内とすることにより、極端に油膜厚さが薄い条件下でも、高い油膜形成効果を発揮することを可能にし、油膜パラメータΛ=0.13という非常に過酷な潤滑条件下でも充分な長寿命化効果を得ることができる。また、面粗さを各表面の軸方向と円周方向のそれぞれで求めてパラメータRqniで表示したとき、軸方向面粗さRqni(L)と円周方向面粗さRqni(C)の比の値Rqni(L)/Rqni(C)が1.0以下になっている。
第三の実施の形態によれば、上記微小粗面はくぼみの平均面積が30〜100μm2の範囲内で、かつ、くぼみを設けた面のRymaxが0.4〜1.0の範囲内である。また、面粗さを各表面の軸方向と円周方向のそれぞれで求めてパラメータRqniで表示したとき、軸方向面粗さRqni(L)と円周方向面粗さRqni(C)の比の値Rqni(L)/Rqni(C)が1.0以下になっている。
パラメータRyni、Rymax、Sk、Rqniの測定方法、条件を例示するならば次のとおりである。なお、これらのパラメータで表される表面性状を、転がり軸受の転動体や軌道盤といった構成要素について測定する場合、一ヶ所の測定値でも代表値として信頼できるが、たとえば直径方向に対向する二ヶ所を測定するとよい。
パラメータ算出規格:JIS B 0601:1994(サーフコム JIS 1994)
カットオフ種別:ガウシアン
測定長さ:5λ
カットオフ波長:0.25mm
測定倍率:×10000
測定速度:0.30mm/s
測定箇所:ころ中央部
測定数:2
測定装置:面粗さ測定器サーフコム1400A(東京精密株式会社)
ころの転動面に設ける微小凹形状のくぼみの場合、転動面全体に占めるくぼみの面積率を5〜20%の範囲内とし、くぼみの平均面積は等価円直径3μmφ以下を除いて整理したとき30〜100μm2になっている。Rymaxが0.4〜1.0の範囲内で、くぼみの面積率が20%を越え、平均面積が100μm2を越えると、接触有効長さが減少し、長寿命の効果は減少する傾向にある。
くぼみの定量的測定を行うには、ころ表面を拡大し、その画像から市販されている画像解析システムにより定量化できる。さらには特開2001−183124号公報の表面性状検査方法および表面性状検査装置を用いれば安定して精度よく測定することができる。画像の白い部分は表面平坦部、微小なくぼみは黒い部分として解析する。測定条件は次のとおりである。また、くぼみの面積率、平均面積を転がり軸受の転動体や軌道面といった構成要素について測定する場合、上記のパラメータRymax、Rqniと同様に、一ヶ所の測定値でも代表値として信頼できるが、たとえば二ヶ所を測定するとよい。
面積率:観察視野範囲で2値化しきい値[(明部の輝度+暗部の輝度)/2]よりも小さ い画素(黒)の占める割合
平均面積:黒の面積の合計/総数
観察視野:826μm×620μm(ころの直径がφ4未満は413μm×310μmが 望ましい)
測定箇所:ころ中央部
測定数:2
次に、針状ころ表面に、仕上面の異なる表面処理を施した複数種類の複列スラスト針状ころ軸受を製作し、寿命試験を行なった結果について説明する。試験に用いた軸受は、図4に示すように、外径φDc=52mm、内径φDc1=27mm、針状ころの直径φ2mm、長さ4mmを2列として、48本(24本×2列)の針状ころを用いた複列スラスト針状ころ軸受である。試験軸受として針状ころの表面粗さ仕上の異なる3種類を製作した。すなわち、研削後スーパーフィニッシュを施した軸受A(比較例)と、微小凹形状のくぼみをランダムに無数に形成した軸受B(比較例)および軸受C(実施例)とである。各試験軸受の針状ころにおける仕上面状況を図5ないし図7に示す。具体的には、図5は軸受Aの表面粗さ、図6は軸受Bの表面粗さ、図7は軸受Cの表面粗さをそれぞれ示す。また、各試験軸受の表面仕上面の特性値パラメータ一覧を表1に示す。なお、Rqni(L/C)については、軸受B、Cは1.0以下であり、軸受Aは1.0前後の値である。
Figure 2006170249
使用した試験装置は図8に概略図で示したようなスラスト荷重試験機で、固定側ハウジングと回転側ハウジングの間に試験軸受を取り付け、回転と荷重を与えて試験を行なうものである。試験に用いた固定側および回転側ハウジングの仕上は研摩仕上のRa0.10〜0.16μmである。試験条件は以下のとおりである。
軸受スラスト荷重:900kgf
回転数:4000rpm
潤滑剤:クリセフオイルH8(試験条件で2cst)
図9に油膜パラメータΛ=0.13の下での寿命試験結果を示す。同図の縦軸がL10寿命(h)を表している。同図から明らかなとおり、軸受Aが260h、軸受Bが281hであったのに対して軸受Cは383hであった。このデータが示すように、実施例である軸受Cは、油膜パラメータΛ=0.13という低粘度、希薄の非常に過酷な潤滑条件下でも長寿命効果を得ることができる。
図10に示す2円筒試験機を使用してピーリング試験を行い、金属接触率を評価した。図10において、駆動側円筒22(D円筒:Driver)と従動側円筒24(F円筒:Follower)は各々の回転軸の片端に取り付けられ、2本の回転軸26,28はそれぞれプーリ30,32を介して別々のモータで駆動できるようになっている。D円筒22側の軸26をモータで駆動し、F円筒24はD円筒22に従動させる自由転がりにした。F円筒24は、表面処理に関して比較例と実施例の2種類を用意した。試験条件等詳細は表2のとおりである。
Figure 2006170249
金属接触率の比較データを図11に示す。同図は横軸が経過時間、縦軸が金属接触率を表し、図11(A)は比較例の軸受におけるころの転動面の金属接触率を、図11(B)は実施例の軸受におけるころの転動面の金属接触率を、それぞれ示す。これらの図を対比すれば、比較例に比べて実施例では金属接触率が改善されていることを明瞭に確認できる。言い換えれば、油膜形成率(=100%−金属接触率)が、実施例の軸受の方が比較例の軸受に比べて、運転開始時で10%程度、試験終了時(2時間後)で2%程度、向上している。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
複列スラスト針状ころ軸受の断面図である。 保持器の別の例を示す断面図である。 保持器のさらに別の例を示す断面図である。 寿命試験に用いた複列スラスト針状ころ軸受の概略図である。 試験軸受における転動体の仕上面状況を示す粗さ曲線図である。 試験軸受における転動体の仕上面状況を示す粗さ曲線図である。 試験軸受における転動体の仕上面状況を示す粗さ曲線図である。 試験装置の概略図である。 寿命試験結果を示すグラフである。 2円筒試験機の全体概略図である。 Aは比較例の金属接触率を示すグラフ、Bは実施例の金属接触率を示すグラフである。
符号の説明
2,4 軌道盤
6 転動体(針状ころ)
8 保持器
10 ポケット


Claims (5)

  1. 少なくとも転動体の表面に、微小凹形状のくぼみをランダムに無数に設け、前記くぼみを設けた面の面粗さパラメータRyniが0.4〜1.0の範囲内であり、かつ、Sk値が−1.6以下であることを特徴とする複列スラスト針状ころ軸受。
  2. 前記くぼみを設けた面の面粗さパラメータRymaxが0.4〜1.0の範囲内であることを特徴とする請求項1の複列スラスト針状ころ軸受。
  3. 少なくとも転動体の表面に、微小凹形状のくぼみをランダムに無数に設け、前記くぼみを設けた面におけるくぼみの面積率が5〜20%の範囲内であり、かつ、前記くぼみを設けた面の面粗さのパラメータRymaxが0.4〜1.0の範囲内であることを特徴とする複列スラスト針状ころ軸受。
  4. 少なくとも転動体の表面に、微小凹形状のくぼみをランダムに無数に設け、前記くぼみの平均面積が30〜100μm2の範囲内で、かつ、Rymaxが0.4〜1.0の範囲内であることを特徴とする複列スラスト針状ころ軸受。
  5. 前記くぼみを設けた面の面粗さをパラメータRqniで表示したとき、軸方向面粗さRqni(L)と円周方向面粗さRqni(C)との比の値Rqni(L)/Rqni(C)が1.0以下であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかの複列スラスト針状ころ軸受。


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