JP2006169717A - 床構造体の施工方法 - Google Patents
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Abstract
そのため、1回で高さの大きく異なった下地面にセルフレベリング材を打設する方法や、厚くセルフレベリング材を打設する方法を提供することを目的とする
【解決手段】 本発明は、下地層の上部に骨材を置いて、次いで、下地層の上面に骨材が埋没するようにセルフレベリング材のスラリーを1回打設し、
セルフレベリング材の硬化物層を下地層の上面に形成させることを特徴とする床構造体の施工方法を提供することである。
【選択図】 図1
Description
特許文献1では、家屋の床構造において、土の上面に敷き固められて形成された所定の深さの砕石または砂利層と、該砕石または砂利層の上面に配置された合成樹脂と、該合成樹脂の上面に配置されたコンクリート層と、該コンクリート層の上面に形成されたプラスター層とからなることことを特徴とする家屋の床構造が開示されている。
また、下地面に厚くセルフレベリング材を打設する場合や傾斜や窪みなどのある下地面に厚くセルフレベリング材を打設する場合に、セルフレベング材の厚くなる部分では、硬化、乾燥収縮によるクラックが発生する可能性があり、セルフレベリング材の打設は厚く行われないのが一般的である。特にポルトランドセメント系や混合セメント系の収縮の大きいセルフレベリング材では顕著であり、また下地精度の悪い場合には下地面の高さの差が50mmを超えることもあり、低収縮のセルフレベリング材をもってしてもクラックの発生を防止できないこともある。
そのため、(1)傾斜や窪みなどを有する部分や高さの異なる下地面にセルフレベリング材を厚く打設する場合には、傾斜や窪みなどの下地部分に予めモルタルやセルフレベリング材を打設し硬化させ、その後再度セルフレベリング材を打設するなどの複数回の打設方法を行う必要があり、また(2)厚くセルフレベリング材を打設する場合にも、複数回に分けて打設する方法が行われていた。
そのため、1回で高さの大きく異なった下地面にセルフレベリング材を打設する方法や、厚くセルフレベリング材を打設する方法を提供することを目的とする。
ポルトランドセメント系や混合セメント系の収縮の大きいセルフレベリング材を用いて、1回で高さの大きく異なった下地にセルフレベリング材を打設する方法や、厚くセルフレベリング材を打設する方法を提供することを目的とする。
セルフレベリング材の硬化物層を下地層の上面に形成させることを特徴とする床構造体の施工方法を提供することである。
下地層の窪みや傾斜している部分、又は高さの異なる下地層の高さの低い部分に骨材を置いて、次いで、骨材及び下地層の上面が埋没するようにセルフレベリング材のスラリーを1回打設し、
セルフレベリング材の硬化物層を下地層の上面に形成させることを特徴とする床構造体の施工方法を提供することである。
1)下地層が、病院、学校、駅空港構内等の公共施設、コンビニ、マンションの建築物の下地層であること。
2)下地層は、コンクリート下地層であること。
3)セルフレベリング材の硬化物層の上面に、さらに表面材を設けること。
4)セルフレベリング材は、アルミナセメントを含有しているセルフレベリング材であること、さらに速硬性のセルフレベリング材であること。
5)セルフレベリング材の硬化物層の最大厚みが、40mm以上であること。
6)下地層が、高さ10mm以上の窪みや傾斜を有する下地層、又は高さが10mm以上の異なる下地層である。
7)セルフレベリング材の硬化物層が、平滑な表面を有するセルフレベリング材の硬化物層であること。
さらに本発明の床構造体の施工方法は、傾斜や窪み又は高さの大きく異なる下地層にも適用することができる。
得られた床構造体は、病院、学校、駅空港構内等の公共施設、コンビニ、マンション等の床として最適である。
図1では、下地層として、傾斜している部分2aと平坦部2bを有するコンクリート下地2を用いている。
コンクリート下地2の傾斜している部分2aに、骨材3を置いて又は入れて或いは充填し、セルフレベリング材のスラリー4を、骨材3及び平坦部2bとが完全に埋没するように1回打設することにより、セルフレベリング材の硬化物層5を、コンクリート下地2の上面に設けて、床構造体1を形成できる。コンクリート下地2は、部分的に傾斜している部分2aと平坦部2bを有しているために、傾斜している部分2aは平坦部2bと高さが異なる。コンクリート下地2の傾斜している部分2aに、骨材3を充填する場合、骨材の充填は、下地層の平坦部の高さに対し、等しいか、又は少し低いか高いように行うことが好ましい。また、下地層の平坦部2bに骨材3を置いて、セルフレベリング材のスラリー4を、打設してもよい。セルフレベリング材の硬化物層5は、平滑な表面である。
図1中、A1はコンクリート下地2の平坦部2bから見る傾斜部分2aの高さの差であり、A2は通常平坦部2bにセルフレベリング材4を打設する厚みを示す。
本発明では、A1は、好ましくは10mm以上、さらに好ましくは20mm以上、より好ましくは30mm以上、特に好ましくは40mm以上であり、特に10mm〜100mmの範囲、さらに20mm〜80mmの範囲、特に30mm〜50mmの範囲にも適用することができる。
本発明では、A2は、好ましくは30mm以下、さらに好ましくは25mm以下、特に好ましくは20mm以下であり、特には5mm〜30mmの範囲、さらに10mm〜25mmの範囲、特に10mm〜20mmの範囲にも適用することができる。
図2では、下地層として、平坦部分12bと窪み部分12aを有するコンクリート下地2を用いている。
図2には、コンクリート下地12の窪み部分12aに、骨材13を入れて又は充填し或いは置いて、セルフレベリング材のスラリー14を、骨材13と下地の平坦部12bとを完全に埋没するように1回打設することにより、セルフレベリング材の硬化物層15を、コンクリート下地12の上面に設けて、床構造体11を形成できる。コンクリート下地12は、部分的に窪みを有しているために、下地の高さが異なる。コンクリート下地12の窪み12aに、骨材13を充填する場合、骨材の充填は、下地層の平坦部の高さに対し、等しいか、又は少し低いか高いように行うことが好ましい。また、下地層の平坦部12bに骨材13を置いて、セルフレベリング材のスラリー14を、打設してもよい。セルフレベリング材の硬化物層15は、平滑な表面である。
図2中、B1はコンクリート下地12の平坦部12bから見る窪み12aの高さであり、B2は通常平坦部12bにセルフレベリング材14を打設する厚みを示す。
本発明では、B1は、好ましくは10mm以上、さらに好ましくは20mm以上、より好ましくは30mm以上、特に好ましくは40mm以上であり、特に10mm〜100mmの範囲、さらに20mm〜80mmの範囲、特に30mm〜50mmの範囲にも適用することができる。
本発明では、B2は、好ましくは30mm以下、さらに好ましくは25mm以下、特に好ましくは20mm以下であり、特には5mm〜30mmに範囲、さらに10mm〜25mmの範囲、特に10mm〜20mmの範囲にも適用することができる。
図3では、高さの異なる下地層であり、下地層は、平坦部22bとそれより高さの低い部分22aとを有するコンクリート下地22である。
図3には、コンクリート下地22の高さの低い部分22aに、骨材23を入れて又は充填し或いは置いて、セルフレベリング材のスラリー24を、骨材23と下地の平坦部22bとを完全に埋没するように1回打設することにより、セルフレベリング材の硬化物層25を、コンクリート下地22の上面に設けて、床構造体21を形成できる。コンクリート下地22は、部分的に高さの異なる部分を有しているために、下地の高さが異なる。コンクリート下地22の高さの低い部分22aに、骨材23を充填する場合、骨材の充填は、下地層の平坦部の高さに対し、等しいか、又は少し低いか高いように行うことが好ましい。また、下地層の平坦部22bに骨材23を置いて、セルフレベリング材のスラリー24を、打設してもよい。セルフレベリング材の硬化物層25は、平滑な表面である。
図3中、C1はコンクリート下地22の平坦部22bから見る高さの低い部分22aの高さであり、C2は通常平坦部22bにセルフレベリング材24を打設する厚みを示す。
本発明では、C1は、好ましくは10mm以上、さらに好ましくは20mm以上、より好ましくは30mm以上、特に好ましくは40mm以上であり、特に10mm〜100mmの範囲、さらに20mm〜80mmの範囲、特に30mm〜50mmの範囲にも適用することができる。
本発明では、C2は、好ましくは30mm以下、さらに好ましくは25mm以下、特に好ましくは20mm以下であり、特には5mm〜30mmに範囲、さらに10mm〜25mmの範囲、特に10mm〜20mmの範囲にも適用することができる。
下地層は、セルフレベリング材が施工できる床であればよく、例えばコンクリート、タイル、大理石、人工石などの無機製材料、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステルなどの樹脂製材料(例えば、カーペット、シート、タイル、布などの形状)、コンパネ、フローリングなどの木製材料、鋼板などの金属製材料など及びこれらを複数組み合わせている床である。
セルフレベリング材としては、アルミナセメント、ポルトランドセメント、石膏、高炉スラグ、フライアッシュなどの水硬性成分を少なくとも1種以上、好ましくは2種以上含むものを用いることが出来る。
セルフレベリング材のフロー値(JASS 15M−103基準)は、190mm以上のセルフレベリング材を用いることが出来る。
セルフレベリング材の軽歩行可能時間は、5分から24時間、好ましくは5分から5時間、更に好ましくは5分から2.5時間が工期短縮のために好ましい。
アルミナセメント100質量部、ポルトランドセメント120質量部以下、石膏40〜100質量部及び高炉スラグ50〜350質量部の組成のセルフレベリング材、さらに細骨材が、水硬性成分100質量部に対して60〜200質量部含むセルフレベリング材を用いることが出来る。さらに必要に応じて増量材、減水剤、増粘剤、消泡剤、凝結調整剤などを含むことができる。
セルフレベリング材の具備すべき重要な要件の一つは、適度な急硬性を有することであるが、急硬性は第一義的に、含まれる水硬性成分の種類に依存する。ポルトランドセメント系や混合セメント系では硬化速度が遅く、乾燥及び硬化収縮が大きいと言う欠点を有しており、一方、速硬性セメント系では硬化速度面では改善されるものの、可使時間が短いと言う欠点を有している。
特にセルフレベリング材の水硬性成分として、アルミナセメント、石膏および高炉スラグよりなる水硬性成分、さらにアルミナセメント、ポルトランドセメント、石膏および高炉スラグよりなる水硬性成分を使用することにより、上記の互いの欠点を補うことができるために好ましい。
水硬性成分は、好ましくはアルミナセメント100質量部、石膏40〜100質量部及び高炉スラグ50〜350質量部の組成、さらに好ましくはアルミナセメント100質量部、ポルトランドセメント120質量部以下、石膏40〜100質量部及び高炉スラグ50〜350質量部の組成が、適度な急硬性を有し、高い流動性及び強度、且つ寸法安定性の良さの理由で好ましい。
高炉スラグは、JIS・A−6206に規定されるブレーン比表面積3000cm2/g以上ものを用いることができる。
減水剤の添加量は、本発明の特性を損なわない範囲で添加することができ、水硬性成分100質量部に対して0.01〜0.20質量部、さらに0.02〜0.18質量部、特に0.05〜0.15質量部が好ましい。
増粘剤の添加量は、本発明の特性を損なわない範囲で添加することができ、水硬性成分100質量部に対して0.05〜0.5質量部、さらに0.05〜0.3質量部、特に0.05〜0.2質量部含むことが好ましい。増粘剤の添加量が多くなると、流動性の低下を招く恐れがあり好ましくない。
増粘剤及び消泡剤を併用して用いることは、骨材分離の抑制、気泡発生の抑制、硬化体表面の改善に好ましい効果を与え、セルフレベリング材としての特性を向上させるために好ましい。
消泡剤の添加量は、本発明の特性を損なわない範囲で添加することができ、水硬性成分100質量部に対して、2質量部以下、さらに1質量部以下、特に0.2質量部以下が好ましい。消泡剤の添加量は、上記より多く添加する場合、消泡効果の向上がみとめられない場合がある。
凝結促進剤としては、特性を妨げない粒径を用いることが好ましく、粒径は50μm以下にするのが好ましい。
特にリチウム塩を用いる場合、リチウム塩の粒径は50μm以下、さらに30μm以下、特に10μm以下が好ましく、粒径が上記範囲より大きくなるとリチウム塩の溶解度が小さくなるために好ましくなく、特に顔料添加系では微細な多数の斑点として目立ち、美観を損なう場合がある。
凝結調整剤は、リチウム塩とナトリウム塩の合量が、水硬性成分100質量部に対して0.05〜5質量部、さらに0.1〜2質量部、特に0.30〜0.50質量部の範囲で添加することが好ましい。
セルフレベリング材は、水は水硬性成分100質量部に対し、28〜60質量部、さらに38〜58質量部、特に48〜56質量部加えて用いることが好ましい。
Claims (4)
- 下地層の上部に骨材を置いて、次いで、下地層の上面に骨材が埋没するようにセルフレベリング材のスラリーを1回打設し、
セルフレベリング材の硬化物層を下地層の上面に形成させることを特徴とする床構造体の施工方法。 - 下地層が、窪みや傾斜を有する下地層、又は高さの異なる下地層であり、
下地層の窪みや傾斜部分又は高さの異なる下地層の高さの低い部分に骨材を置いて、次いで、骨材及び下地層の上面が埋没するようにセルフレベリング材のスラリーを1回打設し、
セルフレベリング材の硬化物層を下地層の上面に形成させることを特徴とする床構造体の施工方法。 - セルフレベリング材の硬化物層の最大厚みが、40mm以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の床構造体の施工方法。
- セルフレベリング材は、アルミナセメントを含有しているセルフレベリング材であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の床構造体の施工方法。
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