JP2006168105A - インクジェットプリントヘッド制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 サーマルインクジェットヘッドのワイド化に伴って、ヘッド内の各部分でヒート電圧のばらつきが生じる。このばらつきにより、ノズルから吐出されるインク滴の体積や吐出速度が、変化する。その要因の一つとしてヒート電源供給点からの距離がある。ノズルとヒート電源供給点間の距離が長くなると、電圧供給ラインの抵抗値が大きくなり、ヒート電圧が低下する。インク滴の体積や吐出速度が一定でないと、結果として印字の品質低下につながる。
【解決手段】 本発明では、上記課題を解決するため、ヘッド内の各領域において個々にヒートパルスを与えることにより、印字品質の低下を防ぐ。つまり、ヘッド内をいくつかの領域に分割し、各分割に対して最適なパルス幅を持つヒートパルスを与える。ヒートパルスは、各領域のノズルから吐出されるインク滴の体積や吐出速度に基づいて、全領域から吐出されるインク滴の体積が一定になるように与えられる。
【選択図】 図1

Description

本発明はノズル列を有するサーマルインクジェットプリントヘッドにおいて、ノズルからのインクの吐出体積や吐出速度を安定させるための制御に関するものである。
インクジェット記録装置に関して、インクを吐出させるためのノズルと発熱素子を持ち、発熱素子を過熱することによって気泡を発生させ、気泡の成長によって記録媒体上にインクを吐出させ、記録を行うサーマルインクジェットプリントがある。
サーマルインクジェットプリント記録装置においては、上記のように発熱素子を過熱させてインクを吐出させるため、発熱素子に与えられる電圧が変化することによって発熱量も変化し、結果としてノズルから吐出されるインク滴の吐出体積や吐出速度も変化する。
一方、ヒート電圧はヘッド内のいくつかの限られた点から供給されるため、ヘッド内の各ノズルに対して与えられる電圧値はノズルが配置される場所によって異なる。つまり、同じヘッド内のノズルでも、ノズルが配置された場所によって吐出されるインク滴の吐出体積や吐出速度が異なる。これは、ヒート電源供給ラインの抵抗値によるものである。各ノズルに対してヒート電圧を与えるための電源供給ラインは、ノズル列と並行に配置されるため、ノズル数が増加し、ヘッドが長尺化するにつれて、供給ラインも長くなり、その抵抗値も大きくなる。この結果、各ノズルに与えられるヒート電圧が異なり、この電圧の差は電源供給ラインの長さと抵抗値が大きくなるにほど増加する。
上記のようなヒート電圧の差を解消するために、ヒート電源の供給点を増やして、電源供給ラインを短くする方法や電源供給ラインの断面積を大きくし、抵抗値そのものを減らす方法があった。
特開平2−000508号公報
しかしながら、ヒート電源の供給点を増やす方法は、ノズル数が多い場合やノズル列が長い場合にはヒート電源の供給点数が多くなってしまい、ヘッドの構造が複雑になってしまう問題がある。また、供給点が増えるとノズルが配置されている面の凹凸が増え、インクジェットプリントヘッドに必要なノズルクリーニングやノズル面のふき取りが困難になるという問題も発生する。
電源供給ラインの断面積を大きくする方法は、各ノズルに対して与える電源供給ラインの断面積を距離によって変化させ、電源供給点から近い距離にあるノズルに対してヒート電圧を与える供給ラインの断面積よりも、電源供給点からの距離が遠いノズルに対しての電圧供給ラインの断面積を大きくすることにより、電源供給点から各ノズルまでの電圧供給ラインの抵抗値を等しくし、ノズルに対して与えるヒート電圧を安定化することができる。しかしながら、ノズル数が多い場合やノズル列が長い場合には、ヘッド全体に対して配線、つまり電圧供給ライン部分の占める割合が大きくなってしまうという問題があり、この問題はノズル数が増え、ノズル列の長さが長くなるにつれて顕著になり、結果としてヘッドチップ内で配線が占める割合が大きくなり、結果としてヘッドチップサイズが大きくなってしまう。
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、ヒート電源供給点とノズルとの距離の差による吐出量の差を抑え、ヘッドが長尺化しても電圧供給ラインの配線面積が膨大になるのを防止し、記録される画像の品質を向上させることのできる記録ヘッド制御装置の提供を目的とする。
上記目的を解決するために、請求項1記載の発明では、ノズル列をヒート電源供給点からの距離に応じていくつかの分割に分け、各分割に対してそれぞれ最適なパルス幅を持つヒートパルスを与えることを特徴としている。各分割に対して与えられるヒートパルスは、各分割内のノズルから吐出されるインク滴の体積や吐出速度が全分割にわたってある程度一定となるようにパルス幅を調整することを特徴としている。これにより、各ノズルに対して与えられるヒート電圧値が異なる場合でも、安定した吐出が可能である。このように、実施例1による方法では、ヒートパルス幅によって吐出を安定させるため、ヒート電源供給点からノズルまでの距離が長くても、またヒート電源供給ラインの断面積が一定でも各分割から吐出されるインク滴の体積は一定である。つまり、ヘッドが更にワイド化し、ノズル数が増えた場合に、配線によりチップサイズが大きくなる事態を回避できる。
請求項2に記載のパルス幅制御手段では、分割ごとに電圧検出回路が内蔵されており、各分割内のヒート電圧値が検出可能である。検出回路によって検出された電圧値は、記録装置内のヒートパルス制御回路に送信される。ヒートパルス制御回路内では、全分割から吐出される吐出量が一定となるようにヒートパルス幅を制御する。
請求項3に記載のパルス幅制御手段は、あらかじめ、ヘッドの分割ごとにノズルから吐出するインク滴の大きさを計測し、全分割から吐出されるインク滴の大きさが一定となるようなヒートパルス幅を分割ごとの情報として、ヘッド内のEEPROM17内に保存する方法である。一例として、ヘッドの工場出荷時に行うチェック時に、各分割内のノズルから吐出されるインク滴の体積を計測する。個々のノズルによる吐出量のばらつきを考慮して、各分割内のノズル全てから吐出されるインク滴の体積を平均し、各分割に対する平均吐出量とする。その作業を全分割に対して行い、各分割の平均吐出量を求める。更に、各分割に与えるヒートパルス幅を変化させながら作業を繰り返し行い、各分割の平均吐出量を等しくする。全分割の平均吐出量が等しくなったら、そのときのヒートパルス幅をヘッド内のEEPROM17内に保存し、各分割の基本ヒートパルス幅とする。記録装置はEEPROM17内の基本ヒートパルス幅を読み込み、記録装置内のヒートパルス制御回路でヒートパルス制御を行う。一例を示したが、この一連の作業は工場出荷時に限らず、記録装置内で行ってもよい。このように、実施例2による方法では、ヒートパルス幅によって吐出を安定させるため、実施例1と同じく、配線によりチップサイズが大きくなる事態を回避できる利点に加え、実際に吐出されたインク滴の体積や吐出速度からパルス幅を決定するため、更なる吐出の安定化が期待できる。
以上のように、本願の請求項1に記載した発明によれば、プリントヘッドの各領域を分割し、それぞれに対して別々のパルス幅を持つヒートパルスを与えることにより、プリントヘッド内の各ノズルに与えられるヒート電圧値のばらつきによる吐出のばらつきが解消でき、これによりヘッドチップ内の各ノズルに対して与えられるべきヒート電圧値を一定にするための様々な問題も解決できる。
また、本願の請求項2に記載した発明によれば、プリントヘッド内に持つ電圧検出回路により、ノズルに与えられるヒート電圧値を正確に検出し、それを基にヒートパルス幅を決定することにより、吐出をより安定化することができる。同様に本願の請求項3に記載した発明では、ノズルから吐出されたインク滴の吐出体積や吐出速度からヒートパルス幅を決定することにより、吐出の安定化を図ることが可能である。
以下、図を参照しながら実施形態について説明する。
図1は、インクジェット記録装置に搭載されるサーマルインクジェットプリントヘッド1の分割構成を示す図である。プリントヘッド内にはインクを吐出させるためのノズルと、熱によって気泡を発生させ、ノズルからインク滴を吐出するためのノズルヒータと呼ばれる発熱抵抗体が存在する。プリントヘッド内には、高速かつ高画質な印刷を実現するために、ノズルが高密度に配置される。これらのノズル列はいくつかに分割され、各分割2はヒート電源供給点4から各分割2まで接続されるヒート電源供給ライン5の抵抗値、つまりライン長によって分けられる。各分割2に対して独立したヒートパルス3が接続され、同じ分割内の全ノズルには共通のヒートパルスが与えられる。各分割2内には、ヒート電圧検出回路6が内蔵されており、各分割内のノズルに与えられるヒート電圧が検出可能である。各分割において検出されたヒート電圧は記録装置に内蔵されたプリントヘッド制御装置にフィードバックライン7により転送される。
図2は、図1で示したプリントヘッド1とプリントヘッド制御装置の概略構成を示す図である。プリントヘッド1は、記録シート面とノズル面が平行に配置されるように、記録装置10に搭載される。記録装置とプリントヘッドは、電気的に接続されており、ヒート電源や印字データ、ラッチトリガ、クロックなどが記録装置本体からプリントヘッドに送信される。また、プリントヘッドからはヘッド内温度など、ヘッドの状態を示す情報やEEPROM17内に記録されているヘッド情報などが記録装置本体に送信される。
不図示のホストコンピュータから印字データが記録装置に送信され、印字が開始されると、印字データは不図示の画像処理部を通って各ノズルとブロックに対応したデータとしてプリントヘッドに送信される。同時にヒートパルス制御回路では、計測されたヘッド温度や印字ドットから吐出量が一定となるような最適なヒートパルスを生成する。ヒートパルスは図3に示すようにプレパルスとメインパルスからなる。プレパルスはノズルからインクが吐出されない程度の幅を持つパルスであり、ノズルヒータにプレパルスが与えられることによりヘッド温度を制御し、吐出を安定させる目的がある。メインパルスはインクを吐出させるためのパルスであり、ノズルから吐出されるインク滴の吐出量や吐出速度を一定にするようにパルス幅を制御している。これらのパルス幅を決定するパラメータはヘッド個体が持つ特性と、ヘッド温度値、印字するドット数などがある。このうち、ヘッド個体の特性は例えばノズルヒータの抵抗特性であり、抵抗値が個々のヘッドによって異なる場合、同じ条件でヒートパルスを与えてもノズルに与えられる電力が異なるため、結果として吐出されるインク滴の体積や吐出速度が異なってしまう。そのために印字結果にばらつきが生じる。これを防ぐために、ヘッドの特性を加味して、パルス幅やインターバルなどのパラメータを設定する必要がある。その他のヘッド特性は、ヘッド内にあるEEPROM17内に保存される。例えば、不吐ノズルなどのヘッドの状態や吐出した累積ドット数などの情報である。この他のヒートパルスパラメータの設定としては、主にヘッド温度とヒート電圧ドロップに関係するものがある。
ヘッド温度制御に関する吐出の特徴としては、同じパルス幅を持つヒートパルスを温度が違う同ノズルに与えた場合、ヘッド温度が高い場合は、低い場合と比較してノズルから吐出されるインク滴の体積が大きくなる傾向を示す。つまり、常に一定量のインク滴を吐出させようとした場合、ヘッド温度が高い場合は温度が低い場合よりもパルス幅が短いヒートパルスを与えるように、制御を行う必要がある。温度に関する制御法の一例としては、ヘッド内に温度計測素子を持たせ、一定時間間隔で温度計測を行い、それをもとにパルス幅を決定する方法がある。
一方、ノズルからインク滴を吐出させるためにノズルヒータの電源をオンすることにより、ヒート電圧が低下する。電圧低下は、同時吐出ノズル数が多いほど低下が大きく、同時吐出ノズル数が少ないほど少ない。電圧低下が起こると、これに伴ってノズルヒータに与えられる電力が低下するため、ノズルから吐出されるインク滴の体積や吐出速度が変化する。つまり、常に一定量のインク滴をノズルから吐出させようとした場合、電圧ドロップが大きい場合には電圧ドロップが少ない場合よりもパルス幅を長くするように、電圧ドロップに関してヒートパルス制御を行う必要がある。電圧ドロップ制御の一例としては、印字中に同時吐出ノズル数をカウントして、それをもとに電圧ドロップ値を予測してパルス幅を決定する方法がある。
これまでに示したヘッド特性、温度、電圧ドロップに関しての制御はヒートパルス制御回路12で行われ、生成されたヒートパルスは分割ヒートパルス生成回路11に送信される。
分割ヒートパルス生成回路11では、ヒートパルス制御回路で生成されたヒートパルスをもとに、個々の分割に対して別々のヒートパルスを生成する。これは、各分割内のノズルに与えられるヒート電圧値は別の分割内のノズルに与えられるヒート電圧値と異なるためで、各分割におけるヒート電圧値の差による吐出電力の差を、ヒートパルス幅を変化させることによって補償する回路である。以下にこの回路の動作とヒートパルス幅の設定法を示す。
図2の構成において、ヒート電源16がオンされると、個々の分割内に設けられた電圧検出回路7から各分割内に供給されるヒート電圧値7が出力される。出力電圧値7は記録装置内のセレクタ13に接続されており、分割ヒートパルス生成回路11によってどの分割の電圧値を検出するかが選択される。セレクタで選択された電圧値はA/D変換回路14により変換され、分割ヒートパルス生成回路11に入力される。分割ヒートパルス生成回路14はこの作業を分割1から分割Nまで繰り返し、全分割におけるヒート電圧値を計測する。同時に分割ヒートパルス生成回路14は、全分割にわたって計測された電圧値を比較し、電圧値の差を個々の分割ごとにパルス幅補正値に変換する。
決定された各分割のパルス補正値は、パルス補正値テーブル15に書き込まれ、パルス補正情報として保存される。
印字が開始されると、ヒートパルス制御回路によってヒートパルスのプレパルス幅やメインパルス幅、パルスインターバルが決定され、基本ヒートパルスとして分割ヒートパルス生成回路11に送信される。分割ヒートパルス生成回路では、パルス補正テーブルに書き込まれたパルス補正値を読み出し、基本ヒートパルスに加算され、個々の分割ごとにプリントヘッド内に送信される。
図4は、ヘッド内のブロック図を示したものである。印字データは不図示の印字データ生成回路により生成され、印字データ転送ライン41によってヘッド内のシフトレジスタ42にシリアル転送される。シフトレジスタ42は同時ヒートブロック数yと同じビット数を持ち、ラッチトリガ43によってラッチされる。ラッチされたデータの各ビットは各分割のヒートパルスと掛け合わされて各分割内のドライバ44に転送される。同様に、吐出するブロックのデータは不図示のブロックデータ生成回路により生成され、ブロックデータ転送ライン45によってヘッド内のシフトレジスタ46にシリアル転送される。シフトレジスタ46はブロック数と同じビット数を持ち、ラッチトリガ43によってラッチされる。ラッチされたブロックデータは各分割内のドライバ44に転送され、ヒートパルスと掛け合わされ、ノズルヒータがオンされる。ヒータがオンされたノズルからは記録装置内に置かれた不図示の記録シートに向けてインク滴が吐出される。
図2において、分割1はヒート電源供給点4に最も近く、分割Nは最も遠い。従ってヒート電源供給ライン5の抵抗値を考慮すると、全分割の中で分割1の電圧が最も高く、分割Nの電圧が最も低い。図3に示すようにこの電圧差を補正するために、各分割で電圧低下分のヒートパルス幅ΔTが加算される。結果、分割1のパルス幅が最も短く、分割Nの幅が最も長くなる。このように個々の分割で異なる幅を持つヒートパルスを用いてインクを吐出することにより、安定した吐出が実現できる。
ヒート電源16がオンされてからパルス幅補正値が決定されるまでの一連の作業は印字開始前に修了する必要があるため、この作業を行うタイミングとしては、プリントヘッドが交換した直後が好適である。
本実施例によれば、ヒート電源供給点からの距離やヒート電源供給ラインの抵抗値によらず、安定した吐出が可能である。この点では、ヘッドが更に長尺化し、ヒート電源供給点の数が制限される場合や、ヒート電源供給ラインの配置面積が制限される場合においても安定した吐出が可能になることが予測でき、優れた効果が期待できる。
以下、図を参照しながら第2の実施形態について説明する。
図5は、インクジェット記録装置に搭載されるサーマルインクジェットプリントヘッド1の分割構成を示す図である。プリントヘッド内にはインクを吐出させるための穴であるノズルと、熱によって気泡を発生させ、ノズルからインク滴を吐出する目的で配置されたノズルヒータと呼ばれる発熱抵抗体が存在し、ノズル列として配置されている。これらのノズル列はいくつかに分割され、各分割2はヒート電源供給点4から各分割2まで接続されるヒート電源供給ライン5の距離によって分けられる。各分割2に対してヒートパルス3が接続され、同じ分割内のノズルはヒートパルスが共通である。
図6は、図5で示したプリントヘッド1とプリントヘッド制御装置10の概略構成を示す図である。プリントヘッド1は、記録装置と接続される。印字が開始されると、不図示の画像処理部からプリントデータがプリントヘッド1に送信され、同時にヘッド温度や印字ドットなどからヒートパルス制御回路12によって最適なヒートパルスが算出される。ヒートパルスは図7に示すようなパルスであり、プレパルス31とメインパルス32からなる。プレパルス31はノズルからインクが吐出されない幅を持つパルスであり、これはヘッド温度を調整し、吐出を安定させる目的で使用される。メインパルスはインクを吐出させるためのパルスであり、パルス幅を制御することによって吐出量や吐出速度が安定するように制御している。これらのパルス幅を決定するパラメータはヘッド個体が持つ特性と、ヘッド温度値、印字するドット数などがある。
温度に関する吐出の特徴としては、同じパルス幅のヒートパルスを与えた場合、ヘッド温度が高い場合は、低い場合と比較してノズル滴が大きくなる傾向を示す。つまり、常に一定量のインク滴を吐出させようとした場合、ヘッド温度が高い場合は温度が低い場合よりもパルス幅を短くするように、ヘッド温度変化に対しての制御を行う必要がある。温度に関する制御法の一例としては、ヘッド内に温度計測素子を持たせ、一定時間間隔で温度計測を行い、それをもとにパルス幅を決定する方法がある。
一方、ノズルからインク滴を吐出させるためにノズルヒータの電源をオンすることにより、ヒート電圧が低下する。電圧低下は、同時吐出ノズル数が多いほど低下が大きく、同時吐出ノズル数が少ないほど電圧低下は少ない。電圧低下が起こると、これに伴ってノズルヒータに与えられる電力が低下するため、ノズルから吐出されるインク滴の体積や吐出速度が変化する。つまり、常に一定量のインク滴をノズルから吐出させようとした場合、電圧ドロップが大きい場合には電圧ドロップが少ない場合よりもパルス幅を長くするように、電圧ドロップに関してヒートパルス制御を行う必要がある。電圧ドロップ制御の一例としては、印字中に同時吐出ノズル数をカウントして、それをもとに電圧ドロップ値を予測してパルス幅を決定する方法がある。
ヘッド個体の特性に関しては、例えばノズルヒータの抵抗特性であり、抵抗値が個々のヘッドによって異なる場合、同じ条件でヒートパルスを与えてもノズルに与えられる電力が異なり、結果として吐出されるインク滴の体積や吐出速度が異なり、そのために印字結果が異なってしまう。これを防ぐために、ヘッドの特性を加味して、パルス幅などのヒートパルスパラメータを設定する必要がある。その他のヘッド特性は、ヘッド内にあるEEPROM17内に保存される。例えば、不吐ノズルなどのヘッドの状態や吐出した累積ドット数などの情報である。本実施例では、ここに、各分割の設定情報も含む。
各分割の設定情報とは、各分割に対する基準ヒートパルス幅であり、各分割に与えられるヒート電圧値の差を補償するために設定する。図5内の分割1に与えられるヒート電圧値はヒート電源供給点に近い分、電圧供給ラインの抵抗が低く、分割Nに与えられる電圧値と比較して高い。以前の方法では、分割1と分割Nの電圧供給ラインの抵抗値を等しく、つまり分割1までの電圧供給ラインの断面積よりも分割Nまでの断面積を大きくしていた。本実施例では、断面積を大きくする代わりにヒートパルスの幅を長くすることにより、同様の効果を得る。EEPROM17内に記憶される基準ヒートパルス幅は、以下のように設定される。
ヘッドの工場出荷確認作業において、各分割内のノズルからインクを吐出させ、吐出量と吐出速度を計測する。全分割にわたって計測を行い、各分割で計測された値を比較し、ヒートパルスの幅を変化させながら計測する。これを繰り返し、全分割から吐出される吐出量が一定となるようにヒートパルスの幅を設定する。全分割の吐出量が一定になるようなヒートパルス幅が全分割分決定すると、各分割の基本パルス幅をEEPROM17内に保存する。この場合、ヒート電源供給点から近い分割よりも遠い分割の方がヒートパルス幅は長くなる。図5の構成の場合、図7に示すように、ヒートパルス幅は分割1よりも分割Nの方が長くなる。本実施例のように、あらかじめ計測を行ってEEPROM17内に保存する方法では、計測値を基にした正確なパルス幅が決定できる点と、ヘッド1内に特別な計測回路が必要でない点が利点である。EEPROM17内に保存された基準ヒートパルス幅は記録装置にヘッド1が装着された時や記録装置の電源オン時に、分割ヒートパルス制御回路18によって読み出され、分割ヒートパルス制御回路18内に保存される。
その他の温度、電圧ドロップ等に関しての制御はヒートパルス制御回路12で行われ、ヒートパルスのパルス幅やプレパルス幅、パルスインターバル等のヒートパルスパラメータが分割ヒートパルス生成回路11に送信される。
印字が開始されると、ヒートパルス制御回路12で生成されたヒートパルスがヘッド内のヒートパルス生成回路19に送信される。同時に、分割ヒートパルス制御回路18では、ヒートパルス制御回路11から受信したヒートパルスパラメータと、保存してある各分割に対する基準ヒートパルス幅をもとに、個々の分割に対するヒートパルス終了信号33を生成し(図7を参照)、プリントヘッド内に設けられたヒートパルス生成回路19に送信する。ヒートパルス生成回路19は、ヒートパルスとヒートパルス終了信号を受信し、各分割に対してヒートパルス3を与える。
図8は、ヘッド内のブロック図を示したものである。印字データは不図示の印字データ生成回路により生成され、印字データ転送ライン41によってヘッド内のシフトレジスタ42にシリアル転送される。シフトレジスタ42は同時ヒートブロック数yと同じビット数を持ち、ラッチトリガによってラッチされる。ラッチされたデータの各ビットは各分割のヒートパルスと掛け合わされてドライバ44に転送される。同様に、吐出するブロックのデータは不図示のブロックデータ生成回路により生成され、ブロックデータ転送ライン45によってヘッド内のシフトレジスタ46にシリアル転送される。シフトレジスタ46はブロック数と同じビット数を持ち、ラッチトリガによってラッチされる。ラッチされたブロックデータは各分割内のドライバ44に転送され、分割内でヒートパルスと掛け合わされ、どのブロックのどのノズルがヒートされるか決定され、ノズルヒータがオンされる。ヒータがオンされたノズルからは記録装置内に設けられた不図示の記録シートに向けてインク滴が吐出される。
本実施例によれば、ヒート電源供給点からの距離やヒート電源供給ラインの抵抗値によらず、安定した吐出が可能である。また、ヘッド内に計測のための回路を含まないためコスト面でも有利であり、吐出されたインク滴のヒートこの点では、ヘッドが更に長尺化し、ヒート電源供給点の数が制限される場合や、ヒート電源供給ラインの配置面積が制限される場合においても安定した吐出が可能になると予測でき、優れた効果が期待できる。また、本実施例では、一例として工場出荷時にパルス幅を決定する方法について述べたが、これによらず記録装置内に持つ検出手段を利用してパルス幅を決定しても、同様の効果が期待できる。また、ヒートパルス制御部からプリントヘッドに送信される各分割のヒートパルス幅に関するパラメータの一例として、パルス終了信号について述べたが、これによらず各分割に与えられるパルス幅を示すパラメータであれば同様の効果が期待できる。
本発明の第一の実施例にかかるヒート電源供給点からの距離に分割された構造のインクジェットプリントヘッドの概略構成を示すブロック図である。 本発明の第一の実施例にかかる、インクジェットプリントヘッドとパルス制御部の概略構成を示すブロック図である。 本発明の第一の実施例にかかる、インクジェットプリントヘッドの各分割に与えられるヒートパルスの関係を示した図である。 本発明の第一の実施例にかかる、インクジェットプリントヘッド内の概略構成を示すブロック図である。 本発明の第二の実施例にかかるヒート電源供給点からの距離に分割された構造のインクジェットプリントヘッドの概略構成を示すブロック図である。 本発明の第二の実施例にかかる、インクジェットプリントヘッドとパルス制御部の概略構成を示すブロック図である。 本発明の第二の実施例にかかる、インクジェットプリントヘッドの各分割に与えられるヒートパルスの関係を示した図である。 本発明の第二の実施例にかかる、インクジェットプリントヘッド内の概略構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 インクジェットプリントヘッド
2 ノズルに与えられるヒート電圧値による分割
3 ヒートパルス転送ライン
4 ヒート電源供給点
5 ヒート電源供給ライン
6 分割内の電圧検出回路
7 分割内で検出された電圧の転送ライン
10 記録装置内のパルス制御部
11 分割ヒートパルス生成回路
12 ヒートパルス制御回路
13 セレクタ
14 A/D変換部
15 参照テーブル
16 ヒート電源
17 EEPROM
18 分割ヒートパルス制御回路
19 ヒートパルス生成回路
31 プレパルス
32 メインパルス
33 パルス終了信号
41 データ転送ライン
42 シフトレジスタ
43 ラッチ信号転送ライン
44 ドライバ
45 ブロック信号転送ライン
46 シフトレジスタ

Claims (3)

  1. 複数のノズルをもつインクジェットプリントヘッドを備えたサーマルインクジェットプリンタに関して、ノズル列をヒート電源供給点からの距離に応じていくつかに分割し、各分割に対して最適なパルス幅を持つヒートパルスを与えることを特徴としたインクジェットプリントヘッドと、前記各分割に対してヒートパルス制御を行う制御手段と、を備えた記録ヘッド制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記の各分割内の検出手段により検出されたヒート電圧値をもとに前記ヒートパルスのパルス幅を制御することを特徴とする請求項1記載の記録ヘッド制御装置。
  3. 請求項1記載の制御手段は、前記各分割内のノズルから吐出されたインク吐出量検出手段からの吐出体積、吐出速度をもとに前記ヒートパルスのパルス幅制御を行うことを特徴とする請求項1記載の記録ヘッド制御装置。
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JP2014069346A (ja) * 2012-09-27 2014-04-21 Brother Ind Ltd 印刷装置
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