JP2004188942A - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複雑な演算や制御を行うことなくエネルギー発生素子に対し安定した電気エネルギーの供給を行うことができ、かつテーブルの記憶容量を削減することができる低コストなインクジェット記録装置の提供を目的とする。
【解決手段】記録ヘッドにおいて同時に駆動すべきエネルギー発生素子の数を検出する同時駆動数検出手段と、基準となる記録条件においてパルス発生手段から出力させるべき複数種の基準駆動パルス幅の中から所定の基準駆動パルス幅を指定すると共にエネルギー発生素子の同時駆動数を指定して基準駆動パルス幅の補正値を決定する補正テーブルと、基準駆動パルス幅を記録条件の変更に伴なって、その記録条件に対応した異なるパルス幅へとシフトさせるシフトテーブルと、シフトされたパルス幅と補正テーブルによって決定された補正値とを加えることにより、パルス発生手段から発生させる駆動パルス幅を求める演算手段とを備える。
【選択図】 図12
【解決手段】記録ヘッドにおいて同時に駆動すべきエネルギー発生素子の数を検出する同時駆動数検出手段と、基準となる記録条件においてパルス発生手段から出力させるべき複数種の基準駆動パルス幅の中から所定の基準駆動パルス幅を指定すると共にエネルギー発生素子の同時駆動数を指定して基準駆動パルス幅の補正値を決定する補正テーブルと、基準駆動パルス幅を記録条件の変更に伴なって、その記録条件に対応した異なるパルス幅へとシフトさせるシフトテーブルと、シフトされたパルス幅と補正テーブルによって決定された補正値とを加えることにより、パルス発生手段から発生させる駆動パルス幅を求める演算手段とを備える。
【選択図】 図12
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録ヘッドから記録媒体に対しインクを吐出させて記録を行うインクジェット記録装置に関し、特にインク吐出のエネルギーの供給の安定化に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ、複写機、ファクシミリ等の記録装置は、画像情報に基づいて、用紙やプラスチック薄板等の記録媒体上にドットパターンからなる画像を記録するように構成されている。こうした記録装置は、その記録方式により、インクジェット式、ワイヤドット式、サーマル式、レーザービーム式等に分類することができる。このうち、インクジェット式を採るインクジェット記録装置は、記録ヘッドの吐出口からインク(記録液)滴を吐出飛翔させ、これを記録媒体に付着させて記録するように構成されている。
【0003】
近年、数多くの記録装置が使用されるようになり、これらの記録装置に対して、高速記録、高解像度、高画像品質、及び低騒音などが要求されている。このような要求に応え得る最適な記録装置としては、前記のインクジェット記録装置が挙げられる。このインクジェット記録装置では、記録ヘッドからインクを吐出させて記録を行なうために記録媒体に対して非接触で記録が可能であり、このため、様々な種類の記録媒体に対して幅広く対応でき、安定した記録画像を得ることができるものとして注目されている。
また、インクジェット記録装置の中でも、熱エネルギーを利用して液滴を形成して記録を行う方法は、構造が簡単なため、ノズルの高密度化が容易であるという利点を持つ。
【0004】
しかしながら、インクジェット記録装置では、記録ヘッドに環境、ヘッド温度、及びインクの同時吐出数(エネルギー発生素子の同時駆動数)などの変動に対して常に安定した性能が求められている。ここで安定した吐出とは、吐出量、吐出スピード、及び吐出状態(インク滴の着弾位置)の安定を指す。
そこで、この安定化のために、プリンター本体や吐出ヘッドの温度により駆動パルスを変化させる制御が考えられている。
【0005】
また、従来例では、記録する画像により同時に駆動される吐出エネルギー発生素子の数量が変わるため、本体の電源から流出する電流が変動してしまう。その結果、本体と記録ヘッドとを結ぶ配線の抵抗による電圧降下量が変化し、記録ヘッドに対して一定の電圧を印加している場合には、記録ヘッド内の吐出エネルギー発生素子に加わる電圧が記録する画像毎に変動してしまうことになる。
【0006】
例えば、一般的なインクジェットプリンターの場合、本体とヘッドキャリッジ間の配線・抵抗が0.2Ω程度、ヘッドコンタクト抵抗0.1Ω程度で全体で0.3Ω程度となるが、吐出エネルギー発生素子1ケあたり100〜200mAの駆動電流が流れ、同時に24素子が駆動されるとすると、総電流は2.4A〜4.8Aとなり、配線による電圧降下は、0.3Ω×(2.4A〜4.8A)=0.72V〜1.44Vとなる。この電圧効果の幅が吐出エネルギー発生素子に加わる電圧変動の幅になる。この吐出エネルギー発生素子に加わる電圧変動は、吐出エネルギーの変動、つまり記録液の吐出量や吐出スピードの変動を招くこととなる。このため吐出エネルギーの変動は、記録濃度のムラや液滴の着弾位置のずれ、あるいは不吐出の発生原因となっており、これらによって、記録品質を著しく劣化させるという問題点が発生する。
【0007】
また、インクの同時吐出数により各ノズルに設けられたヒータに印加される電圧が異なることとなるが、駆動電圧や駆動パルスは同時吐出数が最大のとき、すなわち、駆動電圧が最低のときにも安定して吐出するように決定される。このため同時吐出数が少ないときには過剰な電圧やパルス幅がヒータに加えられるので耐久性が劣化するという弊害も生じる。
【0008】
そこで、これらの課題を解決するために、従来からさまざまな方法が考えられている。
例えば、特許文献1には、同時に駆動するエネルギー発生素子の数に応じてその駆動時間を変えるサーマルドットプリンターが提案されている。
【0009】
また、特許文献2にも共通配線部における電圧降下に起因する駆動電圧の低下を補正するために、同時に通電する抵抗体(エネルギー発生素子)の数を検出して駆動時間を変える熱転写記録装置が提案されている。
【0010】
また、特許文献3には、同時に形成するドット数、すなわち、同時に駆動するエネルギー発生素子数をMPUやRAMを使用した検出部により検出し、その検出結果を用いて駆動電圧を制御するインクジェット記録装置が提案されている。
【0011】
また、特許文献4には、ホスト装置等からの画像信号をバッファに一時保持し、画像処理回路で各発熱抵抗体(エネルギー発生素子)に対応したビット信号に変換して吐出の数とノズルの位置、さらにインクジェット記録ヘッドに付設されたサーミスタから得られる温度情報を下にルックアップテーブルを用いて駆動パルス条件を決定する、インクジェット記録装置が提案されている。
【0012】
また、特許文献5には、1走査領域の記録を行う前に、エネルギー発生素子が同時駆動される数をカウントし、このカウントされた値を下に駆動パラメータを求めてRAMに格納し、この駆動パラメータを使用して各エネルギー発生素子を駆動するようにしたインクジェット記録装置も提案されている。
【0013】
一方、本出願人は、駆動パルスに応じた熱エネルギーをインクに供給して気泡を形成し、その気泡の形成に基づいてインクを記録ヘッドから記録媒体上に吐出して記録を行うインクジェット記録装置において、記録ヘッドのランクなどの駆動条件と温度とによってエネルギー発生素子に対する基本駆動パルス幅を決定し、その後にインク滴の同時吐出数とその駆動パルス幅とによって、駆動パルス幅を決定するようにしたインクジェット記録装置を、先に提案している。また、この提案においては、記録モード(例えば、マルチパス記録におけるパス数)により予め用意された異なった駆動テーブルを切り替えて使用する駆動方法についても言及されている。
【0014】
このように従来の技術にあっては、エネルギー発生素子の同時駆動数や温度などの駆動条件に従って、駆動パルス幅を決定するようになっており、これによってエネルギー発生素子に供給される電気的エネルギーを均一化することができるようになっている。
【0015】
【特許文献1】
特開昭58−5280号公報
【0016】
【特許文献2】
特開平5−96771号公報
【0017】
【特許文献3】
特開平5−116342号公報
【0018】
【特許文献4】
特開平9−11463号公報
【0019】
【特許文献5】
特開平9−11504号公報
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1〜3に示される技術にあっては、エネルギー発生素子の同時駆動数を検出した後、その検出結果に基づいてエネルギー発生素子の駆動時間(駆動パルス幅)を設定するものとなっていたため、制御処理が複雑化すると共に、多くの処理時間がかかり、記録速度の低下を招くという問題があった。
【0021】
これに対し、上記特許文献4、5、及び本出願人が先に提案した技術にあっては、エネルギー発生素子の各種駆動条件に対応する駆動パルス幅をテーブルに格納しておき、記録動作時には、このテーブルから読み出した駆動パルス幅に従ってエネルギー発生素子を駆動するようになっているため、制御が簡略化されると共に、記録動作速度も向上するという利点がある。
【0022】
しかしながら、上記特許文献4,5にあっては、エネルギー発生素子の同時駆動数、ノズルの位置、あるいは温度などの各種駆動条件毎にテーブルを設けており、テーブルの格納に要する記憶容量が大きなものとなり、コスト増大を招くという問題がある。
【0023】
例えば、本出願人が先に提案したインクジェット記録装置にあっては、基本パルス幅についてパス数別に、インクの同時吐出数に対応したパルス幅のテーブルを用意することが必要となるため、そのテーブルの格納には多くの記憶容量が必要となり、コスト増大を招くこととなる。
【0024】
本発明は、上記従来技術の課題に着目してなされたもので、複雑な演算や制御を行うことなくエネルギー発生素子に対し安定した電気エネルギーの供給を行うことができ、かつテーブルの記憶容量を削減することができる低コストなインクジェット記録装置の提供を目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は次のような構成を有するものとなっている。
すなわち、少なくとも1つの記録ヘッドに設けられた複数のインク吐出エネルギー発生素子に対し、所定電圧の駆動パルスを印加することよって、記録ヘッドからインクを吐出させて記録を行うようにしたインクジェット記録装置であって、前記エネルギー発生素子に印加すべき駆動パルスを発生させる駆動パルス発生手段と、前記駆動パルス発生手段によって発生させる駆動パルスのパルス幅を、前記エネルギー発生素子の同時駆動数に応じて制御するパルス幅制御手段と、を備え、前記パルス幅制御手段は、基準となる記録条件において前記パルス発生手段から出力させるべき複数種の基準駆動パルス幅の中から所定の基準駆動パルス幅を指定すると共に、前記エネルギー発生素子の同時駆動数を指定することにより、前記基準駆動パルス幅の補正値を決定する補正テーブルと、前記基準駆動パルス幅を、記録条件の変更に伴なって、その記録条件に対応した異なるパルス幅へとシフトさせるシフトテーブルと、前記シフトテーブルによってシフトされたパルス幅と前記補正テーブルによって決定された補正値とを加えることにより、前記パルス発生手段から発生させる駆動パルス幅を求める演算手段と、を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
【0026】
上記構成を有する本発明においては、エネルギー発生素子の同時駆動数の増加による電圧降下を補正するパルス幅制御を行うために、基準駆動パルス幅と同時駆動数とを指定することによってエネルギー発生素子に印加すべき駆動パルスを決定するパルステーブルを使用する。この際、記録走査回数や使用する記録ヘッド数などの記録条件が変更された場合には、シフトテーブルが、前記パルステーブルにおいて指定すべき基準駆動パルス幅を異なる他の基準パルス幅へとシフトさせて駆動パルスの決定を行うため、各記録条件毎にパルステーブルを設ける必要がなくなり、テーブル容量を必要最小限に抑えることができ、これによってコスト上昇を抑えつつ、適切な駆動パルス幅で記録ヘッドを駆動することが可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態に適用するインクジェット記録装置の概略的構成を示す斜視図である。図1において、1は記録媒体に対して記録動作を行う記録部(記録手段)であり、この記録部1は、複数(ここでは4個)のヘッドカートリッジ1A,1B,1C,1Dと、これを交換可能に搭載したキャリッジ2とで構成されている。このヘッドカートリッジ1Aないし1Dのそれぞれは、いずれもインクジェット記録ヘッド及びインクタンクを有している。なお、以下の説明では、ヘッドカートリッジ1Aないし1Dの全体または任意の一つを指す場合、単にヘッドカートリッジ1で示すことにする。
【0028】
前記複数のヘッドカートリッジ1は、それぞれ異なる色のインクで記録を行うものであり、それらに搭載された各インクタンクには、例えば、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)などの異なるインクがそれぞれ収納されている。各ヘッドカートリッジ1はキャリッジ2の所定位置にそれぞれ交換可能に搭載されており、キャリッジ2には、上記コネクターを介して各ヘッドカートリッジ1に駆動信号等を伝達するためのコネクタホルダ(電気接続部)が設けられている。
【0029】
キャリッジ2は、主走査方向に延出するよう装置本体に設置されたガイド・シャフト3に移動可能に支持され、主走査方向へと往復移動可能となっている。また、キャリッジ2は主走査モータ4によりモータプーリ5、従動プーリ6及びタイミングベルト7等の駆動機構を介して往復移動されると共に、その位置及び移動は、後述の制御系によって制御されるようになっている。
【0030】
記録用紙やプラスチック薄板等の記録媒体8は、2組の搬送ローラ9,10、及び11,12の回転により、ヘッドカートリッジ1の吐出口形成面と対向する位置(記録領域)を通って搬送される。なお、記録媒体8は、記録領域において平坦な記録面を形成するように、その裏面がプラテン(不図示)によって支持される。この場合、キャリッジ2に搭載された各ヘッドカートリッジ1の各吐出口形成面は、キャリッジ2から下方へと突出して前記2組の搬送ローラの間で保持された記録媒体8と平行するように保持されている。
【0031】
また、ヘッドカートリッジ1に設けられている記録ヘッドは、多数のインク吐出ノズルを配列したものとなっており、各ノズル内には、熱エネルギー(インク吐出エネルギー)を発生するためのインク吐出エネルギー発生素子としての電気熱変換素子(ヒータ)が設けられている。このヒータは、電気エネルギーを熱エネルギーに変換し、その熱エネルギーによってインクに膜沸騰を発生させて気泡を発生させるようになっており、その気泡の発生エネルギーによって吐出口よりインクを吐出し、記録媒体に着弾させるようになっている。
【0032】
一方、図2は本発明の実施形態における制御系回路の構成を示すブロック図である。図2において、コントローラ100は、記録装置全体の制御を行なう主制御部であり、例えば所定の演算、制御、判別動作などを行うマイクロ・コンピュータ形態のCPU101(演算手段)、プログラムや所定のテーブルその他の固定データを格納したROM103、記録データを展開する領域や作業用の領域等を設けたRAM105等を有する。また、ホスト装置110は、記録データの供給源としての機能を有するものとなっており、記録に係わる画像等のデータの作成、処理等を行うコンピュータ等の形態を採るものの他、画像読み取り用のリーダ部等の形態を採るものも適用可能であり、ここから送出される記録データ、その他のコマンド、ステータス信号等は、インタフェース(I/F)112を介してコントローラ100との間で送受信される。
【0033】
また、このコントローラ100には、種々のデータや指令を入力する入力操作部120と各種センサ130とが接続されている。
【0034】
また、コントローラ100には、キャリッジ2の駆動源である主走査モータ4を駆動するモータドライバ150、前記2組の搬送ローラ9、10、及び11、12を回転させる副走査モータ162を駆動するモータドライバ160、及び前記各ヘッドカートリッジ1の各記録ヘッド内に設けられているヒータを駆動するヘッドドライバ140等が接続されている。
【0035】
ここで、ヘッドドライバ140は、記録データを吐出ヒータの位置の対応させて配列させるシフトレジスタ、このシフトレジスタから出力される記録データをラッチするラッチ回路、及びこのラッチ回路から出力された駆動タイミング信号に同期して吐出ヒータを作動させる論理回路素子等の他、ドット形成位置合わせのために駆動タイミング(吐出タイミング)を適切に設定するタイミング設定部等を有する。
【0036】
上記の記録装置において、記録動作時には前記コントローラ100がキャリッジ2を往復移動させて記録ヘッドを走査させると共に、画像データに基づいて前記ヘッドドライバを制御し、記録ヘッドからインク滴を吐出させて走査した領域(記録走査領域)に対して画像を形成する。また、各記録走査領域に対する記録動作毎に記録媒体の搬送動作を行い、この記録動作と搬送動作とを繰り返すことにより、記録媒体全体に対して画像を形成して行く。
【0037】
ところで、上記のようなインクジェット記録装置においては、記録ヘッドの各ノズルに設けられた吐出エネルギー発生手段の駆動を、記録データと駆動パルスとの論理積によって制御する。すなわち、記録データは記録する/しないを決定し、ヒートパルスは吐出エネルギー発生手段に供給する電気エネルギーの制御に関与する。また、吐出可能ノズルを全数同時に駆動することは、電力、発生熱量、またインク供給面などが過大となるため、通常、記録ヘッドにおけるノズルの駆動は、記録ヘッドの全ノズル数を複数のノズルからなるブロックに分割し、同一ブロック内のノズルを同時に駆動すると共に、異なるブロックを異なるタイミングで駆動して、同時に駆動数ノズル数を減らしている。
【0038】
図3は上記インクジェット記録装置の電源供給経路を模式的に示す回路図である。図3において、記録ヘッド1a〜1dのヒータにパルス状に供給された電流はキャリッジに設けられた電気素子の実装基板(CR基盤)上に設けられた電解コンデンサーによって平滑化される。そして、記録ヘッドを駆動する電流は、途中の配線抵抗により電圧降下を発生させる。つまり、CR基盤から記録ヘッドまではパルス状の電流、CR基盤より本体電源までは平滑化された電流が流れるため、それらの電流がCR基盤から記録ヘッドに至る配線部分に電圧降下をもたらす。
【0039】
このように、配線部分において電圧降下が発生することから、各記録ヘッドの各ノズルに設けられたヒータに対して同一の電気的エネルギーを供給しようとするには、各ヒータに供給するパルス幅を制御する必要が生じる。ここに電源供給系が共通で、4色の記録ヘッドがそれぞれ64ノズルで構成され、かつ各記録ヘッドが8ブロックに分割して駆動される場合を考える。この場合、各記録ヘッドあたりの同時吐出数は、64ノズル/8ブロック=8吐出となり、全体の同時吐出数は0から32吐出(同時8吐/チップ×4チップ)までとなる。同時吐出数を、各チップのノズル位置に対し均等であり、かつ時間的にも均等であるとすると、同時吐出数がNの時(N≧32)、電源供給回路は模式的に図4に示すように、各ヒータ抵抗による並列回路と考えられる。
【0040】
この時、記録ヘッドに設けられた各ノズルのヒータ1〜Nに対する配線抵抗は、ヘッド入力電極から各ヒータまでの距離によって変動するが、この変動を防ぐためには、ヒータに対する配線抵抗が同一となるように配線の幅を調整するなどしてヘッド内の配線を設計することが望ましい。なお、この記録ヘッドにおける同時吐出数の検出は、各ブロックに供給される記録データの中でヒータを駆動させる信号の数をカウントすることによって決定される。このカウントは、例えば、RAM上に記録データを展開する際に行うこと等が可能であるが、その他の公知技術を適用することが可能である。
【0041】
また、同時吐出によって発生する電圧降下を、ヒータに印加する駆動パルスのパルス幅を制御することによって補償する場合、ヒータの同時駆動数とパルス幅の関係を図5に示すようになる。図示のように、ヒータの同時駆動数の増減に伴なって駆動素子のパルス幅を増減させる必要があり、その関係は略線形となっている。こうした関係に基づき、駆動素子のパルス幅を制御すべく、この実施形態においては、コントローラにおけるROM103内に図12または図13に示すようなテーブルが格納されている。
【0042】
前述のように、記録ヘッドを有するヘッドカートリッジ1はキャリッジ2に対して着脱可能となっており、各記録ヘッドには、使用する記録ヘッドの種類に応じて指定されたヘッド番号が記録ヘッドに設けられた所定のメモリ(ROM)内に記憶されており、記録ヘッド装着時にこの各記録ヘッドの番号が記録装置本体内に設けられたコントローラ100によって読み出されるようになっている。
【0043】
そして、この記録ヘッドの番号を受けて、CPU101は、ROM103内に格納されているテーブルT1(図8参照)から、記録ヘッドの番号に対応する駆動パルス幅を読み出すようになっている。ここで読み出される駆動パルス幅は、標準的なヘッド温度もしくは環境温度(ここでは、20〜30℃とした)において、記録ヘッドが、基準となる記録条件において駆動される場合の駆動パルス幅(基準駆動パルス幅)となっている。
【0044】
この後、さらに、記録装置では、この基準駆動パルス幅と現在のヘッド温度もしくは環境温度のランクに適した駆動パルス幅に対応する駆動パルス番号を図9及び図10に示すテーブルによって決定する。図9に示すテーブルT2で決定されるパルス幅は、テーブルT1にて先に決定された基準駆動パルス幅に対し、現在の記録温度を勘案して補正されたパルス幅となっているが、後述の記録条件を勘案したパルス幅にはなっていない可能性がある。この記録条件としては、例えば、同一の記録領域に対して画像を形成するに要する記録走査回数(パス数)、あるいは使用する記録ヘッドの数が挙げられ、この記録条件によって記録ヘッドに対する駆動パルス幅を決定する必要がある。このため、さらに上記記録条件に適した駆動パルスを設定する必要がある。
【0045】
ここで、記録条件、例えば記録分割パスによって駆動パルス幅を設定する必要がある理由を具体的に説明する。
記録ヘッドに対する電源供給経路が、図4に示すような理想的な回路を構成している場合には、ノズルはすべて並列で接続されているために色毎(記録ヘッド毎)に同時吐出数が異なったとしても影響はない。しかし、実際には図6に示すように、色毎に電源供給経路が分割しているため、全体としての同時吐出数が等しいとしても、図6、7に示すように色毎に同時吐出数が異なった場合には、各色毎に分割された後の共通配線部分A(図6及び図7参照)による電圧降下に差が生じる。
【0046】
さらに、高画質化及び記録速度の高速化が著しい近年の記録装置にあってはノズル数の増加が進み、各色の記録ヘッドに対する電源供給経路がさらに分割された状態で各ノズル内のヒータに接続されている。このため、色毎に同時吐出されるノズルに偏りが生じる可能性があり、偏りが生じた場合には各ヒータの駆動に必要とされる駆動パルス幅が異なることとなる。
【0047】
通常の分割パス記録では、できるだけ同時吐出数が均等になるように分割して記録を行うため、電源供給経路に対する同時吐出の偏りは、分割パス数が増えるほど少なくなる傾向にある。例えば、各色の記録ヘッド内における同時吐出数が16本であり、各記録ヘッドに対する電源供給経路が4分割され、各々の経路にヒータが4本ずつ結線されているとすると、パス数が1パスである時には各々の経路で最大4本のノズルから同時吐出されることがあるが、2パスでは50%に間引かれるため最大2本分、4パスでは25%に間引かれるため最大1本分のノズルから同時吐出が行われることとなる。
【0048】
このため、各パス毎の電圧降下量は、各記録ヘッド内で分割された共通配線部分A(図6及び図7参照)を1Ω、ノズル1本分当りの電流値を120mAとすると、前記共通配線部分Aのみでも、その電圧降下量は、1パスで最大0.12A×4ノズル(ヒータ)×1Ω=0.48V、2パスで最大0.12A×2ノズル(ヒータ)×1Ω=0.24V、1パスで最大0.12A×1ノズル(ヒータ)×1Ω=0.12Vとなり、パス数によって電圧降下量には0.48〜0.12Vの差が発生する。
【0049】
このように、パス数によって電圧降下量が異なるため、それぞれの記録条件にに応じて、ヒータに対するパルス幅を設定することが必要になる。このとき、1パスでの駆動パルスのパルス幅は電圧降下の変動量が大きいため、大きいパルス幅を設定する必要があり、また、4パスの駆動パルス幅は電圧降下量が少ないため1パスと比較すると小さいパルス幅を設定する。なお、インクを吐出し得るようにするため、ヒータに対して十分な電気的エネルギーを供給するということのみを考えれば、常にヒータに対して最大限のパルス幅を設定することも考えられるが、記録ヘッドにおけるヒータの耐久性を考えた場合、インクを適正に吐出し得る範囲で最小限のパルス幅を設定することが望ましく、そのため、上記のようなパルス幅の調整が必要となる。
【0050】
このパルス幅の設定において、従来は、記録ヘッドにおけるノズルの同時吐出数と駆動パルス幅の関係を、記録条件である記録分割パス数毎に作成していた。例えば、1パス、2パス、4パス、8パスモードを有する記録装置にあっては、パルステーブルを図13ないし図16に示すように4つのモード分設け、記録モードにより各テーブルを切り換えて使用していた。
【0051】
しかしながら、このように分割パス数毎にパルステーブルを用意することは、記録装置のROMにおいて多くの記憶容量が必要とされるため、コスト高になり望ましくない。
そこで、この実施形態では、図9に示すテーブルT2により基準駆動パルスに対応する駆動パルス番号が設定された後、図10ないし図12に示すような少ない記憶容量のテーブルT4,T5を用いて実際にヒータに印加すべきパルス幅の設定を行うようになっている。ここで、テーブルT4は、基準駆動パルス幅に対応する駆動パルス番号を、パス数(記録条件)の変更に伴なってシフトさせる単一のテーブルT4(シフトテーブル)であり、テーブルT5は、準駆動パルス幅と同時吐出数とを指定することによってパルス幅を決定する単一の2次元テーブル(補正テーブル)である。
【0052】
駆動パルス幅の設定に際しては、まず、先のテーブルT2によって決定された駆動パルス番号を、さらにテーブルT4によってパス数に応じてシフトさせるべく、そのシフト数を決定する。すなわち、テーブルT2で設定された駆動パルス番号に対し、1パスでは+5ランク、2パスでは+3ランク、4パスでは0ランク、8パスでは0ランクのシフト量を設定し、そのシフト量と基準駆動パルス幅に対応する駆動パルス番号とを加算して駆動パルス番号をシフトさせる。
【0053】
従って、例えば、テーブルT2によって決定された基準駆動パルス番号が4である場合(常温(20〜30℃)で駆動パルスが0.75μSの場合)、1パス時には、駆動パルス番号が4+5=9となり、これをテーブルT3(パルステーブル)に対応させるとシフト後の駆動パルス幅は、1μsとなる。また、2パス時には駆動パルス番号が4+3=7となり、シフト後の駆動パルス幅は0.9μSとなる。さらに、4パス時には駆動パルス番号が4+0=4となり、シフト後の駆動パルス幅は、0.75μSとなる。
【0054】
この後、前記基準駆動パルス幅に対応した基準駆動パルス番号と、同時吐出数とをテーブルT5にて指定し、前記基準駆動パルスに対する補正値を決定する。そして、この補正値とシフト後の駆動パルス幅とを加算し、実際にヒータに印加すべき駆動パルスのパルス幅を得る。
【0055】
前述の例に従って、テーブルT2によって決定された基準駆動パルス番号が4であり、同時吐出数が15から23である場合には、テーブルT5によって得られる補正値は0.1となる。従って、1パス記録を行った場合には、前述のようにシフト後のパルス幅は1μs+であるから、実際にヒータに印加すべき駆動パルス幅は、1μs+0.1μs=1.1μsとなる。同様に、2パス記録時には、0.9μs+0.1μs=1.0となり、4パス時には、0.75μS+0.1μs=0.85となる。
【0056】
この値からも明らかなように、この実施形態によれば、2つのテーブルT4,T5を用いることによって、多数のテーブルを用いた従来のパルス幅設定用のテーブルT11と同様の効果を得ることができる。
【0057】
以上のように、この実施形態によれば、多くの記録容量を要する2次元テーブルをパス数毎に設けず、単一の2次元テーブルと、その2次元テーブルにおいて指定すべき駆動パルス番号をシフトさせるテーブルT4とを用いてパルス幅の設定を行うことができるため、このテーブルTに要する記録容量を削減することができ、安価に構成することができる。
【0058】
なお、上記実施例では、駆動パルス番号が予め記録ヘッドに記載されているものとしたが、ヘッドのヒータランクなどから駆動パルス番号を推定するようにしても良い。また、本体側に使用する予め指定された記録ヘッドの駆動番号を書き込むようにしても良い。
【0059】
また、上記実施形態では、基準駆動パルス幅に対応する駆動パルス番号とノズルの同時吐出数とを指定することによって、基準駆動パルスに対する補正値を得る補正テーブルT5を設けた場合を例に採り説明したが、補正テーブルT5に対し、駆動パルス番号ではなく、基準駆動パルス幅を直接指定するようにすることも可能であり、また、シフトテーブルT4において、シフト数に替えてシフトさせるべきパルス幅の値を格納しておくことも可能である。
【0060】
また、駆動パルス幅のシフト数を判定する記録条件として記録分割数を例に採り説明したが、使用する記録ヘッドの数(色数、たとえばモノクロ、4色、6色など)によってもエネルギー発生素子の同時駆動数に偏りは発生するため、この記録ヘッド数を記録条件としてテーブルを構成することも可能である。すなわち、基準パルス幅と同時吐出数とを指定することによってパルス幅を決定する2次元テーブルと、基準駆動パルス幅を使用する記録ヘッドの数の変更に伴なってシフトさせるテーブルとを用いるようにすれば良い。
なお、本発明は、上記実施形態に示したパス数以外で記録動作を行うものにも適用可能である。
【0061】
以下に、本発明の実施態様の例を列挙する。
(実施態様1) 少なくとも1つの記録ヘッドに設けられた複数の吐出エネルギー発生素子に対し、所定電圧の駆動パルスを印加することよって、記録ヘッドからインクを吐出させて記録を行うようにしたインクジェット記録装置であって、
前記吐出エネルギー発生素子に印加すべき駆動パルスを発生させる駆動パルス発生手段と、
前記駆動パルス発生手段によって発生させる駆動パルスのパルス幅を、前記エネルギー発生素子の同時駆動数に応じて制御するパルス幅制御手段と、を備え、
前記パルス幅制御手段は、
基準となる記録条件において前記パルス発生手段から出力させるべき複数種の基準駆動パルス幅の中から所定の基準駆動パルス幅を指定すると共に、前記エネルギー発生素子の同時駆動数を指定することにより、前記基準駆動パルス幅の補正値を決定する補正テーブルと、
前記基準駆動パルス幅を、記録条件の変更に伴なって、その記録条件に対応した異なるパルス幅へとシフトさせるシフトテーブルと、
前記シフトテーブルによってシフトされたパルス幅と前記補正テーブルによって決定された補正値とを加えることにより、前記パルス発生手段から発生させる駆動パルス幅を求める演算手段と、
を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
【0062】
(実施態様2) 少なくとも1つの記録ヘッドを記録媒体に対して相対的に走査させると共に、記録ヘッドに設けられた複数のエネルギー発生素子に対し、所定電圧の駆動パルスを印加することよって、記録ヘッドからインクを吐出させて前記記録媒体への記録を行うようにした記録装置であって、
前記エネルギー発生素子に印加すべき駆動パルスを発生させる駆動パルス発生手段と、
前記駆動パルス発生手段によって発生させる駆動パルスのパルス幅を、前記エネルギー発生素子の同時駆動数に応じて制御するパルス幅制御手段と、を備え、
前記パルス幅制御手段は、
基準となる記録条件において前記パルス発生手段から出力させるべき複数種の基準パルス幅に対応して付与された基準駆動パルス番号の中から所定の基準駆動パルス番号を指定すると共に、前記エネルギー発生素子の同時駆動数を指定することにより、前記基準駆動パルス番号に対応した基準駆動パルスの補正値を決定する補正テーブルと、
前記補正テーブルにおいて指定される基準駆動パルス番号を、記録条件の変更に伴なって、その記録条件に対応した基準駆動パルス番号へとシフトさせるシフトテーブルと、
前記シフトテーブルによってシフトされたパルス幅と前記補正テーブルによって決定された補正値とを加えることにより、前記パルス発生手段から発生させる駆動パルス幅を求める演算手段と、
を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
【0063】
(実施態様3) 前記記録媒体の同一領域に対して記録ヘッドを1回以上走査させることにより、前記同一領域における画像を完成させることを特徴とする実施態様1または2のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【0064】
(実施態様4) 前記記録条件は、前記記録媒体の同一領域に対する記録ヘッドの走査回数であることを特徴とする実施態様3に記載のインクジェット記録装置。
【0065】
(実施態様5) 前記記録条件は、記録動作に使用する記録ヘッドの個数であることを特徴とする実施態様1ないし4のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【0066】
(実施態様6) 前記シフトテーブルは、前記記録条件に応じて前記パルステーブルにおいて指定すべき基準駆動パルス幅を決定するテーブルによって構成されることを特徴とする実施態様1または2に記載のインクジェット記録装置。
【0067】
(実施態様7) シフトテーブルは、記録条件に応じて前記補正テーブルにおいて指定すべき基準駆動パルス番号を決定するテーブルによって構成されることを特徴とする実施態様2に記載のインクジェット記録装置。
【0068】
(実施態様8) 記録ヘッドは、エネルギー発生素子から発生させた熱エネルギーによってインクに気泡を発生させ、その気泡の発生エネルギーによってインクを吐出させるものであることを特徴とする実施態様1ないし7のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【0069】
【発明の効果】
以上、本発明により、上記構成によれば、同時吐出数の増加による電圧降下を補正するためのパルス幅制御を行うにあたり、基準パルス幅と吐出エネルギー発生手段の同時駆動数とを指定することによって実際にヒータを駆動する駆動パルスを決定するパルステーブルを使用し、前記パルステーブルにおいて指定すべき基準駆動パルス幅を、記録条件の変更に伴なって、その記録条件に対応した異なる基準駆動パルス幅へとシフトさせるようにしたため、パルステーブルの数を増やさず、テーブル容量を必要最小限に抑えることが可能となり、コスト上昇を抑えつつ、適切なパルス幅を有する駆動パルスで記録ヘッドを駆動することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に適用するインクジェット記録装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態における制御系回路の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態におけるインクジェット記録装置の電源供給経路を模式的に示す回路図である。
【図4】本発明の実施形態におけるインクジェット記録装置の電源供給経路を模式的に示す回路図である。
【図5】同時吐出によって発生する電圧降下をヒータに印加する駆動パルスのパルス幅を制御することによって補償する場合の、ヒータの同時駆動数とパルス幅の関係を示す線図である。
【図6】各記録ヘッドに対して同時吐出数が均等に分散されている状態を模式的に示す回路図である。
【図7】複数の記録ヘッドのうち1つの記録ヘッドに対して同時吐出数が集中している状態を模式的に示す回路図である。
【図8】記録ヘッドの種類に応じて設定されたヘッド番号と基準パルス幅との対応を表すテーブルを示す図である。
【図9】ヘッド番号と駆動パルス番号との対応を温度ランク毎に表すテーブルを示す図である。
【図10】基準駆動パルス番号とパルス幅との対応を示すテーブルを表す図である。
【図11】パス数別駆動パルス番号とシフト数との対応を表すシフトテーブルを示す図である。
【図12】駆動パルス番号と同時吐出数との対応を補正パルス幅毎に表す補正テーブルを示す図である。
【図13】従来のインクジェット記録装置において1パス記録時に使用される、駆動パルス番号と同時吐出補正パルス幅との対応テーブルを示す図である。
【図14】従来のインクジェット記録装置において2パス記録時に使用される、駆動パルス番号と同時吐出補正パルス幅との対応テーブルを示す図である。
【図15】従来のインクジェット記録装置において3パス記録時に使用される、駆動パルス番号と同時吐出補正パルス幅との対応テーブルを示す図である。
【図16】従来のインクジェット記録装置において4パス記録時に使用される、駆動パルス番号と同時吐出補正パルス幅との対応テーブルを示す図である。
【符号の説明】
1 記録ヘッド
100 コントローラ
101 CPU
103 ROM
105 RAM
T1 補正テーブル
T4 シフトテーブル
T5 補正テーブル
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録ヘッドから記録媒体に対しインクを吐出させて記録を行うインクジェット記録装置に関し、特にインク吐出のエネルギーの供給の安定化に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ、複写機、ファクシミリ等の記録装置は、画像情報に基づいて、用紙やプラスチック薄板等の記録媒体上にドットパターンからなる画像を記録するように構成されている。こうした記録装置は、その記録方式により、インクジェット式、ワイヤドット式、サーマル式、レーザービーム式等に分類することができる。このうち、インクジェット式を採るインクジェット記録装置は、記録ヘッドの吐出口からインク(記録液)滴を吐出飛翔させ、これを記録媒体に付着させて記録するように構成されている。
【0003】
近年、数多くの記録装置が使用されるようになり、これらの記録装置に対して、高速記録、高解像度、高画像品質、及び低騒音などが要求されている。このような要求に応え得る最適な記録装置としては、前記のインクジェット記録装置が挙げられる。このインクジェット記録装置では、記録ヘッドからインクを吐出させて記録を行なうために記録媒体に対して非接触で記録が可能であり、このため、様々な種類の記録媒体に対して幅広く対応でき、安定した記録画像を得ることができるものとして注目されている。
また、インクジェット記録装置の中でも、熱エネルギーを利用して液滴を形成して記録を行う方法は、構造が簡単なため、ノズルの高密度化が容易であるという利点を持つ。
【0004】
しかしながら、インクジェット記録装置では、記録ヘッドに環境、ヘッド温度、及びインクの同時吐出数(エネルギー発生素子の同時駆動数)などの変動に対して常に安定した性能が求められている。ここで安定した吐出とは、吐出量、吐出スピード、及び吐出状態(インク滴の着弾位置)の安定を指す。
そこで、この安定化のために、プリンター本体や吐出ヘッドの温度により駆動パルスを変化させる制御が考えられている。
【0005】
また、従来例では、記録する画像により同時に駆動される吐出エネルギー発生素子の数量が変わるため、本体の電源から流出する電流が変動してしまう。その結果、本体と記録ヘッドとを結ぶ配線の抵抗による電圧降下量が変化し、記録ヘッドに対して一定の電圧を印加している場合には、記録ヘッド内の吐出エネルギー発生素子に加わる電圧が記録する画像毎に変動してしまうことになる。
【0006】
例えば、一般的なインクジェットプリンターの場合、本体とヘッドキャリッジ間の配線・抵抗が0.2Ω程度、ヘッドコンタクト抵抗0.1Ω程度で全体で0.3Ω程度となるが、吐出エネルギー発生素子1ケあたり100〜200mAの駆動電流が流れ、同時に24素子が駆動されるとすると、総電流は2.4A〜4.8Aとなり、配線による電圧降下は、0.3Ω×(2.4A〜4.8A)=0.72V〜1.44Vとなる。この電圧効果の幅が吐出エネルギー発生素子に加わる電圧変動の幅になる。この吐出エネルギー発生素子に加わる電圧変動は、吐出エネルギーの変動、つまり記録液の吐出量や吐出スピードの変動を招くこととなる。このため吐出エネルギーの変動は、記録濃度のムラや液滴の着弾位置のずれ、あるいは不吐出の発生原因となっており、これらによって、記録品質を著しく劣化させるという問題点が発生する。
【0007】
また、インクの同時吐出数により各ノズルに設けられたヒータに印加される電圧が異なることとなるが、駆動電圧や駆動パルスは同時吐出数が最大のとき、すなわち、駆動電圧が最低のときにも安定して吐出するように決定される。このため同時吐出数が少ないときには過剰な電圧やパルス幅がヒータに加えられるので耐久性が劣化するという弊害も生じる。
【0008】
そこで、これらの課題を解決するために、従来からさまざまな方法が考えられている。
例えば、特許文献1には、同時に駆動するエネルギー発生素子の数に応じてその駆動時間を変えるサーマルドットプリンターが提案されている。
【0009】
また、特許文献2にも共通配線部における電圧降下に起因する駆動電圧の低下を補正するために、同時に通電する抵抗体(エネルギー発生素子)の数を検出して駆動時間を変える熱転写記録装置が提案されている。
【0010】
また、特許文献3には、同時に形成するドット数、すなわち、同時に駆動するエネルギー発生素子数をMPUやRAMを使用した検出部により検出し、その検出結果を用いて駆動電圧を制御するインクジェット記録装置が提案されている。
【0011】
また、特許文献4には、ホスト装置等からの画像信号をバッファに一時保持し、画像処理回路で各発熱抵抗体(エネルギー発生素子)に対応したビット信号に変換して吐出の数とノズルの位置、さらにインクジェット記録ヘッドに付設されたサーミスタから得られる温度情報を下にルックアップテーブルを用いて駆動パルス条件を決定する、インクジェット記録装置が提案されている。
【0012】
また、特許文献5には、1走査領域の記録を行う前に、エネルギー発生素子が同時駆動される数をカウントし、このカウントされた値を下に駆動パラメータを求めてRAMに格納し、この駆動パラメータを使用して各エネルギー発生素子を駆動するようにしたインクジェット記録装置も提案されている。
【0013】
一方、本出願人は、駆動パルスに応じた熱エネルギーをインクに供給して気泡を形成し、その気泡の形成に基づいてインクを記録ヘッドから記録媒体上に吐出して記録を行うインクジェット記録装置において、記録ヘッドのランクなどの駆動条件と温度とによってエネルギー発生素子に対する基本駆動パルス幅を決定し、その後にインク滴の同時吐出数とその駆動パルス幅とによって、駆動パルス幅を決定するようにしたインクジェット記録装置を、先に提案している。また、この提案においては、記録モード(例えば、マルチパス記録におけるパス数)により予め用意された異なった駆動テーブルを切り替えて使用する駆動方法についても言及されている。
【0014】
このように従来の技術にあっては、エネルギー発生素子の同時駆動数や温度などの駆動条件に従って、駆動パルス幅を決定するようになっており、これによってエネルギー発生素子に供給される電気的エネルギーを均一化することができるようになっている。
【0015】
【特許文献1】
特開昭58−5280号公報
【0016】
【特許文献2】
特開平5−96771号公報
【0017】
【特許文献3】
特開平5−116342号公報
【0018】
【特許文献4】
特開平9−11463号公報
【0019】
【特許文献5】
特開平9−11504号公報
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1〜3に示される技術にあっては、エネルギー発生素子の同時駆動数を検出した後、その検出結果に基づいてエネルギー発生素子の駆動時間(駆動パルス幅)を設定するものとなっていたため、制御処理が複雑化すると共に、多くの処理時間がかかり、記録速度の低下を招くという問題があった。
【0021】
これに対し、上記特許文献4、5、及び本出願人が先に提案した技術にあっては、エネルギー発生素子の各種駆動条件に対応する駆動パルス幅をテーブルに格納しておき、記録動作時には、このテーブルから読み出した駆動パルス幅に従ってエネルギー発生素子を駆動するようになっているため、制御が簡略化されると共に、記録動作速度も向上するという利点がある。
【0022】
しかしながら、上記特許文献4,5にあっては、エネルギー発生素子の同時駆動数、ノズルの位置、あるいは温度などの各種駆動条件毎にテーブルを設けており、テーブルの格納に要する記憶容量が大きなものとなり、コスト増大を招くという問題がある。
【0023】
例えば、本出願人が先に提案したインクジェット記録装置にあっては、基本パルス幅についてパス数別に、インクの同時吐出数に対応したパルス幅のテーブルを用意することが必要となるため、そのテーブルの格納には多くの記憶容量が必要となり、コスト増大を招くこととなる。
【0024】
本発明は、上記従来技術の課題に着目してなされたもので、複雑な演算や制御を行うことなくエネルギー発生素子に対し安定した電気エネルギーの供給を行うことができ、かつテーブルの記憶容量を削減することができる低コストなインクジェット記録装置の提供を目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は次のような構成を有するものとなっている。
すなわち、少なくとも1つの記録ヘッドに設けられた複数のインク吐出エネルギー発生素子に対し、所定電圧の駆動パルスを印加することよって、記録ヘッドからインクを吐出させて記録を行うようにしたインクジェット記録装置であって、前記エネルギー発生素子に印加すべき駆動パルスを発生させる駆動パルス発生手段と、前記駆動パルス発生手段によって発生させる駆動パルスのパルス幅を、前記エネルギー発生素子の同時駆動数に応じて制御するパルス幅制御手段と、を備え、前記パルス幅制御手段は、基準となる記録条件において前記パルス発生手段から出力させるべき複数種の基準駆動パルス幅の中から所定の基準駆動パルス幅を指定すると共に、前記エネルギー発生素子の同時駆動数を指定することにより、前記基準駆動パルス幅の補正値を決定する補正テーブルと、前記基準駆動パルス幅を、記録条件の変更に伴なって、その記録条件に対応した異なるパルス幅へとシフトさせるシフトテーブルと、前記シフトテーブルによってシフトされたパルス幅と前記補正テーブルによって決定された補正値とを加えることにより、前記パルス発生手段から発生させる駆動パルス幅を求める演算手段と、を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
【0026】
上記構成を有する本発明においては、エネルギー発生素子の同時駆動数の増加による電圧降下を補正するパルス幅制御を行うために、基準駆動パルス幅と同時駆動数とを指定することによってエネルギー発生素子に印加すべき駆動パルスを決定するパルステーブルを使用する。この際、記録走査回数や使用する記録ヘッド数などの記録条件が変更された場合には、シフトテーブルが、前記パルステーブルにおいて指定すべき基準駆動パルス幅を異なる他の基準パルス幅へとシフトさせて駆動パルスの決定を行うため、各記録条件毎にパルステーブルを設ける必要がなくなり、テーブル容量を必要最小限に抑えることができ、これによってコスト上昇を抑えつつ、適切な駆動パルス幅で記録ヘッドを駆動することが可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態に適用するインクジェット記録装置の概略的構成を示す斜視図である。図1において、1は記録媒体に対して記録動作を行う記録部(記録手段)であり、この記録部1は、複数(ここでは4個)のヘッドカートリッジ1A,1B,1C,1Dと、これを交換可能に搭載したキャリッジ2とで構成されている。このヘッドカートリッジ1Aないし1Dのそれぞれは、いずれもインクジェット記録ヘッド及びインクタンクを有している。なお、以下の説明では、ヘッドカートリッジ1Aないし1Dの全体または任意の一つを指す場合、単にヘッドカートリッジ1で示すことにする。
【0028】
前記複数のヘッドカートリッジ1は、それぞれ異なる色のインクで記録を行うものであり、それらに搭載された各インクタンクには、例えば、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)などの異なるインクがそれぞれ収納されている。各ヘッドカートリッジ1はキャリッジ2の所定位置にそれぞれ交換可能に搭載されており、キャリッジ2には、上記コネクターを介して各ヘッドカートリッジ1に駆動信号等を伝達するためのコネクタホルダ(電気接続部)が設けられている。
【0029】
キャリッジ2は、主走査方向に延出するよう装置本体に設置されたガイド・シャフト3に移動可能に支持され、主走査方向へと往復移動可能となっている。また、キャリッジ2は主走査モータ4によりモータプーリ5、従動プーリ6及びタイミングベルト7等の駆動機構を介して往復移動されると共に、その位置及び移動は、後述の制御系によって制御されるようになっている。
【0030】
記録用紙やプラスチック薄板等の記録媒体8は、2組の搬送ローラ9,10、及び11,12の回転により、ヘッドカートリッジ1の吐出口形成面と対向する位置(記録領域)を通って搬送される。なお、記録媒体8は、記録領域において平坦な記録面を形成するように、その裏面がプラテン(不図示)によって支持される。この場合、キャリッジ2に搭載された各ヘッドカートリッジ1の各吐出口形成面は、キャリッジ2から下方へと突出して前記2組の搬送ローラの間で保持された記録媒体8と平行するように保持されている。
【0031】
また、ヘッドカートリッジ1に設けられている記録ヘッドは、多数のインク吐出ノズルを配列したものとなっており、各ノズル内には、熱エネルギー(インク吐出エネルギー)を発生するためのインク吐出エネルギー発生素子としての電気熱変換素子(ヒータ)が設けられている。このヒータは、電気エネルギーを熱エネルギーに変換し、その熱エネルギーによってインクに膜沸騰を発生させて気泡を発生させるようになっており、その気泡の発生エネルギーによって吐出口よりインクを吐出し、記録媒体に着弾させるようになっている。
【0032】
一方、図2は本発明の実施形態における制御系回路の構成を示すブロック図である。図2において、コントローラ100は、記録装置全体の制御を行なう主制御部であり、例えば所定の演算、制御、判別動作などを行うマイクロ・コンピュータ形態のCPU101(演算手段)、プログラムや所定のテーブルその他の固定データを格納したROM103、記録データを展開する領域や作業用の領域等を設けたRAM105等を有する。また、ホスト装置110は、記録データの供給源としての機能を有するものとなっており、記録に係わる画像等のデータの作成、処理等を行うコンピュータ等の形態を採るものの他、画像読み取り用のリーダ部等の形態を採るものも適用可能であり、ここから送出される記録データ、その他のコマンド、ステータス信号等は、インタフェース(I/F)112を介してコントローラ100との間で送受信される。
【0033】
また、このコントローラ100には、種々のデータや指令を入力する入力操作部120と各種センサ130とが接続されている。
【0034】
また、コントローラ100には、キャリッジ2の駆動源である主走査モータ4を駆動するモータドライバ150、前記2組の搬送ローラ9、10、及び11、12を回転させる副走査モータ162を駆動するモータドライバ160、及び前記各ヘッドカートリッジ1の各記録ヘッド内に設けられているヒータを駆動するヘッドドライバ140等が接続されている。
【0035】
ここで、ヘッドドライバ140は、記録データを吐出ヒータの位置の対応させて配列させるシフトレジスタ、このシフトレジスタから出力される記録データをラッチするラッチ回路、及びこのラッチ回路から出力された駆動タイミング信号に同期して吐出ヒータを作動させる論理回路素子等の他、ドット形成位置合わせのために駆動タイミング(吐出タイミング)を適切に設定するタイミング設定部等を有する。
【0036】
上記の記録装置において、記録動作時には前記コントローラ100がキャリッジ2を往復移動させて記録ヘッドを走査させると共に、画像データに基づいて前記ヘッドドライバを制御し、記録ヘッドからインク滴を吐出させて走査した領域(記録走査領域)に対して画像を形成する。また、各記録走査領域に対する記録動作毎に記録媒体の搬送動作を行い、この記録動作と搬送動作とを繰り返すことにより、記録媒体全体に対して画像を形成して行く。
【0037】
ところで、上記のようなインクジェット記録装置においては、記録ヘッドの各ノズルに設けられた吐出エネルギー発生手段の駆動を、記録データと駆動パルスとの論理積によって制御する。すなわち、記録データは記録する/しないを決定し、ヒートパルスは吐出エネルギー発生手段に供給する電気エネルギーの制御に関与する。また、吐出可能ノズルを全数同時に駆動することは、電力、発生熱量、またインク供給面などが過大となるため、通常、記録ヘッドにおけるノズルの駆動は、記録ヘッドの全ノズル数を複数のノズルからなるブロックに分割し、同一ブロック内のノズルを同時に駆動すると共に、異なるブロックを異なるタイミングで駆動して、同時に駆動数ノズル数を減らしている。
【0038】
図3は上記インクジェット記録装置の電源供給経路を模式的に示す回路図である。図3において、記録ヘッド1a〜1dのヒータにパルス状に供給された電流はキャリッジに設けられた電気素子の実装基板(CR基盤)上に設けられた電解コンデンサーによって平滑化される。そして、記録ヘッドを駆動する電流は、途中の配線抵抗により電圧降下を発生させる。つまり、CR基盤から記録ヘッドまではパルス状の電流、CR基盤より本体電源までは平滑化された電流が流れるため、それらの電流がCR基盤から記録ヘッドに至る配線部分に電圧降下をもたらす。
【0039】
このように、配線部分において電圧降下が発生することから、各記録ヘッドの各ノズルに設けられたヒータに対して同一の電気的エネルギーを供給しようとするには、各ヒータに供給するパルス幅を制御する必要が生じる。ここに電源供給系が共通で、4色の記録ヘッドがそれぞれ64ノズルで構成され、かつ各記録ヘッドが8ブロックに分割して駆動される場合を考える。この場合、各記録ヘッドあたりの同時吐出数は、64ノズル/8ブロック=8吐出となり、全体の同時吐出数は0から32吐出(同時8吐/チップ×4チップ)までとなる。同時吐出数を、各チップのノズル位置に対し均等であり、かつ時間的にも均等であるとすると、同時吐出数がNの時(N≧32)、電源供給回路は模式的に図4に示すように、各ヒータ抵抗による並列回路と考えられる。
【0040】
この時、記録ヘッドに設けられた各ノズルのヒータ1〜Nに対する配線抵抗は、ヘッド入力電極から各ヒータまでの距離によって変動するが、この変動を防ぐためには、ヒータに対する配線抵抗が同一となるように配線の幅を調整するなどしてヘッド内の配線を設計することが望ましい。なお、この記録ヘッドにおける同時吐出数の検出は、各ブロックに供給される記録データの中でヒータを駆動させる信号の数をカウントすることによって決定される。このカウントは、例えば、RAM上に記録データを展開する際に行うこと等が可能であるが、その他の公知技術を適用することが可能である。
【0041】
また、同時吐出によって発生する電圧降下を、ヒータに印加する駆動パルスのパルス幅を制御することによって補償する場合、ヒータの同時駆動数とパルス幅の関係を図5に示すようになる。図示のように、ヒータの同時駆動数の増減に伴なって駆動素子のパルス幅を増減させる必要があり、その関係は略線形となっている。こうした関係に基づき、駆動素子のパルス幅を制御すべく、この実施形態においては、コントローラにおけるROM103内に図12または図13に示すようなテーブルが格納されている。
【0042】
前述のように、記録ヘッドを有するヘッドカートリッジ1はキャリッジ2に対して着脱可能となっており、各記録ヘッドには、使用する記録ヘッドの種類に応じて指定されたヘッド番号が記録ヘッドに設けられた所定のメモリ(ROM)内に記憶されており、記録ヘッド装着時にこの各記録ヘッドの番号が記録装置本体内に設けられたコントローラ100によって読み出されるようになっている。
【0043】
そして、この記録ヘッドの番号を受けて、CPU101は、ROM103内に格納されているテーブルT1(図8参照)から、記録ヘッドの番号に対応する駆動パルス幅を読み出すようになっている。ここで読み出される駆動パルス幅は、標準的なヘッド温度もしくは環境温度(ここでは、20〜30℃とした)において、記録ヘッドが、基準となる記録条件において駆動される場合の駆動パルス幅(基準駆動パルス幅)となっている。
【0044】
この後、さらに、記録装置では、この基準駆動パルス幅と現在のヘッド温度もしくは環境温度のランクに適した駆動パルス幅に対応する駆動パルス番号を図9及び図10に示すテーブルによって決定する。図9に示すテーブルT2で決定されるパルス幅は、テーブルT1にて先に決定された基準駆動パルス幅に対し、現在の記録温度を勘案して補正されたパルス幅となっているが、後述の記録条件を勘案したパルス幅にはなっていない可能性がある。この記録条件としては、例えば、同一の記録領域に対して画像を形成するに要する記録走査回数(パス数)、あるいは使用する記録ヘッドの数が挙げられ、この記録条件によって記録ヘッドに対する駆動パルス幅を決定する必要がある。このため、さらに上記記録条件に適した駆動パルスを設定する必要がある。
【0045】
ここで、記録条件、例えば記録分割パスによって駆動パルス幅を設定する必要がある理由を具体的に説明する。
記録ヘッドに対する電源供給経路が、図4に示すような理想的な回路を構成している場合には、ノズルはすべて並列で接続されているために色毎(記録ヘッド毎)に同時吐出数が異なったとしても影響はない。しかし、実際には図6に示すように、色毎に電源供給経路が分割しているため、全体としての同時吐出数が等しいとしても、図6、7に示すように色毎に同時吐出数が異なった場合には、各色毎に分割された後の共通配線部分A(図6及び図7参照)による電圧降下に差が生じる。
【0046】
さらに、高画質化及び記録速度の高速化が著しい近年の記録装置にあってはノズル数の増加が進み、各色の記録ヘッドに対する電源供給経路がさらに分割された状態で各ノズル内のヒータに接続されている。このため、色毎に同時吐出されるノズルに偏りが生じる可能性があり、偏りが生じた場合には各ヒータの駆動に必要とされる駆動パルス幅が異なることとなる。
【0047】
通常の分割パス記録では、できるだけ同時吐出数が均等になるように分割して記録を行うため、電源供給経路に対する同時吐出の偏りは、分割パス数が増えるほど少なくなる傾向にある。例えば、各色の記録ヘッド内における同時吐出数が16本であり、各記録ヘッドに対する電源供給経路が4分割され、各々の経路にヒータが4本ずつ結線されているとすると、パス数が1パスである時には各々の経路で最大4本のノズルから同時吐出されることがあるが、2パスでは50%に間引かれるため最大2本分、4パスでは25%に間引かれるため最大1本分のノズルから同時吐出が行われることとなる。
【0048】
このため、各パス毎の電圧降下量は、各記録ヘッド内で分割された共通配線部分A(図6及び図7参照)を1Ω、ノズル1本分当りの電流値を120mAとすると、前記共通配線部分Aのみでも、その電圧降下量は、1パスで最大0.12A×4ノズル(ヒータ)×1Ω=0.48V、2パスで最大0.12A×2ノズル(ヒータ)×1Ω=0.24V、1パスで最大0.12A×1ノズル(ヒータ)×1Ω=0.12Vとなり、パス数によって電圧降下量には0.48〜0.12Vの差が発生する。
【0049】
このように、パス数によって電圧降下量が異なるため、それぞれの記録条件にに応じて、ヒータに対するパルス幅を設定することが必要になる。このとき、1パスでの駆動パルスのパルス幅は電圧降下の変動量が大きいため、大きいパルス幅を設定する必要があり、また、4パスの駆動パルス幅は電圧降下量が少ないため1パスと比較すると小さいパルス幅を設定する。なお、インクを吐出し得るようにするため、ヒータに対して十分な電気的エネルギーを供給するということのみを考えれば、常にヒータに対して最大限のパルス幅を設定することも考えられるが、記録ヘッドにおけるヒータの耐久性を考えた場合、インクを適正に吐出し得る範囲で最小限のパルス幅を設定することが望ましく、そのため、上記のようなパルス幅の調整が必要となる。
【0050】
このパルス幅の設定において、従来は、記録ヘッドにおけるノズルの同時吐出数と駆動パルス幅の関係を、記録条件である記録分割パス数毎に作成していた。例えば、1パス、2パス、4パス、8パスモードを有する記録装置にあっては、パルステーブルを図13ないし図16に示すように4つのモード分設け、記録モードにより各テーブルを切り換えて使用していた。
【0051】
しかしながら、このように分割パス数毎にパルステーブルを用意することは、記録装置のROMにおいて多くの記憶容量が必要とされるため、コスト高になり望ましくない。
そこで、この実施形態では、図9に示すテーブルT2により基準駆動パルスに対応する駆動パルス番号が設定された後、図10ないし図12に示すような少ない記憶容量のテーブルT4,T5を用いて実際にヒータに印加すべきパルス幅の設定を行うようになっている。ここで、テーブルT4は、基準駆動パルス幅に対応する駆動パルス番号を、パス数(記録条件)の変更に伴なってシフトさせる単一のテーブルT4(シフトテーブル)であり、テーブルT5は、準駆動パルス幅と同時吐出数とを指定することによってパルス幅を決定する単一の2次元テーブル(補正テーブル)である。
【0052】
駆動パルス幅の設定に際しては、まず、先のテーブルT2によって決定された駆動パルス番号を、さらにテーブルT4によってパス数に応じてシフトさせるべく、そのシフト数を決定する。すなわち、テーブルT2で設定された駆動パルス番号に対し、1パスでは+5ランク、2パスでは+3ランク、4パスでは0ランク、8パスでは0ランクのシフト量を設定し、そのシフト量と基準駆動パルス幅に対応する駆動パルス番号とを加算して駆動パルス番号をシフトさせる。
【0053】
従って、例えば、テーブルT2によって決定された基準駆動パルス番号が4である場合(常温(20〜30℃)で駆動パルスが0.75μSの場合)、1パス時には、駆動パルス番号が4+5=9となり、これをテーブルT3(パルステーブル)に対応させるとシフト後の駆動パルス幅は、1μsとなる。また、2パス時には駆動パルス番号が4+3=7となり、シフト後の駆動パルス幅は0.9μSとなる。さらに、4パス時には駆動パルス番号が4+0=4となり、シフト後の駆動パルス幅は、0.75μSとなる。
【0054】
この後、前記基準駆動パルス幅に対応した基準駆動パルス番号と、同時吐出数とをテーブルT5にて指定し、前記基準駆動パルスに対する補正値を決定する。そして、この補正値とシフト後の駆動パルス幅とを加算し、実際にヒータに印加すべき駆動パルスのパルス幅を得る。
【0055】
前述の例に従って、テーブルT2によって決定された基準駆動パルス番号が4であり、同時吐出数が15から23である場合には、テーブルT5によって得られる補正値は0.1となる。従って、1パス記録を行った場合には、前述のようにシフト後のパルス幅は1μs+であるから、実際にヒータに印加すべき駆動パルス幅は、1μs+0.1μs=1.1μsとなる。同様に、2パス記録時には、0.9μs+0.1μs=1.0となり、4パス時には、0.75μS+0.1μs=0.85となる。
【0056】
この値からも明らかなように、この実施形態によれば、2つのテーブルT4,T5を用いることによって、多数のテーブルを用いた従来のパルス幅設定用のテーブルT11と同様の効果を得ることができる。
【0057】
以上のように、この実施形態によれば、多くの記録容量を要する2次元テーブルをパス数毎に設けず、単一の2次元テーブルと、その2次元テーブルにおいて指定すべき駆動パルス番号をシフトさせるテーブルT4とを用いてパルス幅の設定を行うことができるため、このテーブルTに要する記録容量を削減することができ、安価に構成することができる。
【0058】
なお、上記実施例では、駆動パルス番号が予め記録ヘッドに記載されているものとしたが、ヘッドのヒータランクなどから駆動パルス番号を推定するようにしても良い。また、本体側に使用する予め指定された記録ヘッドの駆動番号を書き込むようにしても良い。
【0059】
また、上記実施形態では、基準駆動パルス幅に対応する駆動パルス番号とノズルの同時吐出数とを指定することによって、基準駆動パルスに対する補正値を得る補正テーブルT5を設けた場合を例に採り説明したが、補正テーブルT5に対し、駆動パルス番号ではなく、基準駆動パルス幅を直接指定するようにすることも可能であり、また、シフトテーブルT4において、シフト数に替えてシフトさせるべきパルス幅の値を格納しておくことも可能である。
【0060】
また、駆動パルス幅のシフト数を判定する記録条件として記録分割数を例に採り説明したが、使用する記録ヘッドの数(色数、たとえばモノクロ、4色、6色など)によってもエネルギー発生素子の同時駆動数に偏りは発生するため、この記録ヘッド数を記録条件としてテーブルを構成することも可能である。すなわち、基準パルス幅と同時吐出数とを指定することによってパルス幅を決定する2次元テーブルと、基準駆動パルス幅を使用する記録ヘッドの数の変更に伴なってシフトさせるテーブルとを用いるようにすれば良い。
なお、本発明は、上記実施形態に示したパス数以外で記録動作を行うものにも適用可能である。
【0061】
以下に、本発明の実施態様の例を列挙する。
(実施態様1) 少なくとも1つの記録ヘッドに設けられた複数の吐出エネルギー発生素子に対し、所定電圧の駆動パルスを印加することよって、記録ヘッドからインクを吐出させて記録を行うようにしたインクジェット記録装置であって、
前記吐出エネルギー発生素子に印加すべき駆動パルスを発生させる駆動パルス発生手段と、
前記駆動パルス発生手段によって発生させる駆動パルスのパルス幅を、前記エネルギー発生素子の同時駆動数に応じて制御するパルス幅制御手段と、を備え、
前記パルス幅制御手段は、
基準となる記録条件において前記パルス発生手段から出力させるべき複数種の基準駆動パルス幅の中から所定の基準駆動パルス幅を指定すると共に、前記エネルギー発生素子の同時駆動数を指定することにより、前記基準駆動パルス幅の補正値を決定する補正テーブルと、
前記基準駆動パルス幅を、記録条件の変更に伴なって、その記録条件に対応した異なるパルス幅へとシフトさせるシフトテーブルと、
前記シフトテーブルによってシフトされたパルス幅と前記補正テーブルによって決定された補正値とを加えることにより、前記パルス発生手段から発生させる駆動パルス幅を求める演算手段と、
を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
【0062】
(実施態様2) 少なくとも1つの記録ヘッドを記録媒体に対して相対的に走査させると共に、記録ヘッドに設けられた複数のエネルギー発生素子に対し、所定電圧の駆動パルスを印加することよって、記録ヘッドからインクを吐出させて前記記録媒体への記録を行うようにした記録装置であって、
前記エネルギー発生素子に印加すべき駆動パルスを発生させる駆動パルス発生手段と、
前記駆動パルス発生手段によって発生させる駆動パルスのパルス幅を、前記エネルギー発生素子の同時駆動数に応じて制御するパルス幅制御手段と、を備え、
前記パルス幅制御手段は、
基準となる記録条件において前記パルス発生手段から出力させるべき複数種の基準パルス幅に対応して付与された基準駆動パルス番号の中から所定の基準駆動パルス番号を指定すると共に、前記エネルギー発生素子の同時駆動数を指定することにより、前記基準駆動パルス番号に対応した基準駆動パルスの補正値を決定する補正テーブルと、
前記補正テーブルにおいて指定される基準駆動パルス番号を、記録条件の変更に伴なって、その記録条件に対応した基準駆動パルス番号へとシフトさせるシフトテーブルと、
前記シフトテーブルによってシフトされたパルス幅と前記補正テーブルによって決定された補正値とを加えることにより、前記パルス発生手段から発生させる駆動パルス幅を求める演算手段と、
を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
【0063】
(実施態様3) 前記記録媒体の同一領域に対して記録ヘッドを1回以上走査させることにより、前記同一領域における画像を完成させることを特徴とする実施態様1または2のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【0064】
(実施態様4) 前記記録条件は、前記記録媒体の同一領域に対する記録ヘッドの走査回数であることを特徴とする実施態様3に記載のインクジェット記録装置。
【0065】
(実施態様5) 前記記録条件は、記録動作に使用する記録ヘッドの個数であることを特徴とする実施態様1ないし4のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【0066】
(実施態様6) 前記シフトテーブルは、前記記録条件に応じて前記パルステーブルにおいて指定すべき基準駆動パルス幅を決定するテーブルによって構成されることを特徴とする実施態様1または2に記載のインクジェット記録装置。
【0067】
(実施態様7) シフトテーブルは、記録条件に応じて前記補正テーブルにおいて指定すべき基準駆動パルス番号を決定するテーブルによって構成されることを特徴とする実施態様2に記載のインクジェット記録装置。
【0068】
(実施態様8) 記録ヘッドは、エネルギー発生素子から発生させた熱エネルギーによってインクに気泡を発生させ、その気泡の発生エネルギーによってインクを吐出させるものであることを特徴とする実施態様1ないし7のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【0069】
【発明の効果】
以上、本発明により、上記構成によれば、同時吐出数の増加による電圧降下を補正するためのパルス幅制御を行うにあたり、基準パルス幅と吐出エネルギー発生手段の同時駆動数とを指定することによって実際にヒータを駆動する駆動パルスを決定するパルステーブルを使用し、前記パルステーブルにおいて指定すべき基準駆動パルス幅を、記録条件の変更に伴なって、その記録条件に対応した異なる基準駆動パルス幅へとシフトさせるようにしたため、パルステーブルの数を増やさず、テーブル容量を必要最小限に抑えることが可能となり、コスト上昇を抑えつつ、適切なパルス幅を有する駆動パルスで記録ヘッドを駆動することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に適用するインクジェット記録装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態における制御系回路の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態におけるインクジェット記録装置の電源供給経路を模式的に示す回路図である。
【図4】本発明の実施形態におけるインクジェット記録装置の電源供給経路を模式的に示す回路図である。
【図5】同時吐出によって発生する電圧降下をヒータに印加する駆動パルスのパルス幅を制御することによって補償する場合の、ヒータの同時駆動数とパルス幅の関係を示す線図である。
【図6】各記録ヘッドに対して同時吐出数が均等に分散されている状態を模式的に示す回路図である。
【図7】複数の記録ヘッドのうち1つの記録ヘッドに対して同時吐出数が集中している状態を模式的に示す回路図である。
【図8】記録ヘッドの種類に応じて設定されたヘッド番号と基準パルス幅との対応を表すテーブルを示す図である。
【図9】ヘッド番号と駆動パルス番号との対応を温度ランク毎に表すテーブルを示す図である。
【図10】基準駆動パルス番号とパルス幅との対応を示すテーブルを表す図である。
【図11】パス数別駆動パルス番号とシフト数との対応を表すシフトテーブルを示す図である。
【図12】駆動パルス番号と同時吐出数との対応を補正パルス幅毎に表す補正テーブルを示す図である。
【図13】従来のインクジェット記録装置において1パス記録時に使用される、駆動パルス番号と同時吐出補正パルス幅との対応テーブルを示す図である。
【図14】従来のインクジェット記録装置において2パス記録時に使用される、駆動パルス番号と同時吐出補正パルス幅との対応テーブルを示す図である。
【図15】従来のインクジェット記録装置において3パス記録時に使用される、駆動パルス番号と同時吐出補正パルス幅との対応テーブルを示す図である。
【図16】従来のインクジェット記録装置において4パス記録時に使用される、駆動パルス番号と同時吐出補正パルス幅との対応テーブルを示す図である。
【符号の説明】
1 記録ヘッド
100 コントローラ
101 CPU
103 ROM
105 RAM
T1 補正テーブル
T4 シフトテーブル
T5 補正テーブル
Claims (1)
- 少なくとも1つの記録ヘッドに設けられた複数の吐出エネルギー発生素子に対し、所定電圧の駆動パルスを印加することよって、記録ヘッドからインクを吐出させて記録を行うようにしたインクジェット記録装置であって、
前記エネルギー発生素子に印加すべき駆動パルスを発生させる駆動パルス発生手段と、
前記駆動パルス発生手段によって発生させる駆動パルスのパルス幅を、前記エネルギー発生素子の同時駆動数に応じて制御するパルス幅制御手段と、を備え、
前記パルス幅制御手段は、
基準となる記録条件において前記パルス発生手段から出力させるべき複数種の基準駆動パルス幅の中から所定の基準駆動パルス幅を指定すると共に、前記エネルギー発生素子の同時駆動数を指定することにより、前記基準駆動パルス幅の補正値を決定する補正テーブルと、
前記基準駆動パルス幅を、記録条件の変更に伴なって、その記録条件に対応した異なるパルス幅へとシフトさせるシフトテーブルと、
前記シフトテーブルによってシフトされたパルス幅と前記補正テーブルによって決定された補正値とを加えることにより、前記パルス発生手段から発生させる駆動パルス幅を求める演算手段と、
を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002363103A JP2004188942A (ja) | 2002-12-13 | 2002-12-13 | インクジェット記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002363103A JP2004188942A (ja) | 2002-12-13 | 2002-12-13 | インクジェット記録装置 |
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---|---|
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002363103A Pending JP2004188942A (ja) | 2002-12-13 | 2002-12-13 | インクジェット記録装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004188942A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010000730A (ja) * | 2008-06-20 | 2010-01-07 | Canon Inc | インクジェットヘッドの検査装置及びインクジェット記録装置 |
JP2015214083A (ja) * | 2014-05-09 | 2015-12-03 | 株式会社リコー | 画像形成装置、画像形成システムおよびプログラム |
WO2022091414A1 (ja) * | 2020-11-02 | 2022-05-05 | 株式会社Screenホールディングス | 印刷装置における調整方法および印刷装置 |
US11999163B2 (en) | 2020-11-02 | 2024-06-04 | SCREEN Holdings Co., Ltd. | Adjusting method for printing apparatus, and a printing apparatus |
-
2002
- 2002-12-13 JP JP2002363103A patent/JP2004188942A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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