JP2006162060A - 配管接続構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】配管継手10に備えた筒体18に外嵌状態に軸方向から外挿した樹脂配管20と筒体18との間を筒体18の外周面に装着したOリング24-1,24-2にてシールする配管接続構造において、Oリング24-1,24-2の外周側にコイルばね54を嵌装しておき、樹脂配管20の筒体18への外挿時にコイルばね54を樹脂配管20の先端面20Aの形状に追従変形させて端面54Aを全周に亘り先端面20Aに当接させ、Oリング24-1,24-2のはみ出しを防止する。
【選択図】 図5
Description
この場合、施工現場の状況に応じて長い樹脂配管を切断して配管接続することができ、施工現場の状況に応じた適正な長さで配管を構成でき且つ良好な状態に配管接続を行うことができる。
図10において200は筒体で、202は外周面に形成された環状且つ外周面が開放された形状の保持溝であり、そこに弾性を有する環状のシール部材(ここではOリング)204が装着されている。
206は樹脂配管で、208は斜めに切断された先端面である。
詳述すると、樹脂配管206を筒体200に軸方向に外挿して図中下端部が環状のシール部材204の下部に嵌ると、シール部材204の下部が縮径方向に強制的に弾性変形させられる。
一方シール部材204の上部は未だ樹脂配管206にて拘束されていないため、下部において強制的に縮径方向に弾性変形させられたシール部材204が、あたかも下側から上側に向って絞り上げられるようにして、その上部が保持溝202から浮き上がって(突出して)しまう(図11(I)参照)。
このような状態になると、シール部材204が配管接続状態において筒体200と樹脂配管206との間を良好にシールせず、シール性が損なわれるとともに、強制的に保持溝202からはみ出させられたシール部材204が損傷してしまうといった問題を生ずる。
以上樹脂配管を例として説明したが、他の材質の配管を用い、これを切断して配管接続を行う場合にもこのような問題が生じ得る。
尚、本発明に関連する先行技術として下記特許文献1に開示されたものがある。
この特許文献1に開示のものは、配管接続の際のシール部材のはみ出しを防止することを目的としたものであるが、その解決手段は本発明とは異なっている。
従って本発明によれば、シール部材のはみ出しによるシール性低下、或いはシール部材の損傷及びそれによるシール性低下といった問題を生じず、筒体と配管との接続部をシール部材によって良好にシールすることができる。
本発明においてはまた、上記弾性体としてコイルばねを好適に用いることができる(請求項3)。
この場合、密巻部によってシール部材の径方向の浮上がり(突出)を良好に阻止しつつ、疎巻部の大きな弾性変形能に基づいてコイルばねを配管の先端面の形状に良好に追従変形させ得、コイルばねにおける配管の先端面と対向する側の端面を全周に亘り配管の先端面に対して密着状態に保持することができる。
そしてこれにより、コイルばねの端面と配管の先端面との間に隙間が生成するのを防止して、その隙間にシール部材が噛み込んだり、隙間から径方向に突き出すのをより良好に防止することができる。
更にまた、配管の先端面の面取加工を不要となし得る利点も得られる。
このようにすることによって、コイルばねの端面と配管の先端面とをより良好に密着状態となすことができる。
このようにすれば、コイルばねの端面と配管の先端面とを更に良好に密着状態となし得て、そこに隙間が生成するのをより良好に防止することができる。
この場合において上記拡径形状部は、上記端面に到るまでコイル1巻きごとにコイル径が漸次拡径した形状となしておくことができる。
このようにすれば、同一のシール部材の外周面に対してコイルばねの密巻部、詳しくは拡径形状部の複数のコイルを同時に接触させつつ配管の外挿案内をなすことができ、よりスムーズにシール部材を縮径方向に圧縮変形させつつ配管をシール部材に対して弾性嵌合させることが可能となり、筒体に対する配管の外挿作業をより円滑化することができる。
図1及び図2において、10は金属製の配管継手、12は継手本体で、フランジ状の大径の工具掛部14を有しており、その工具掛部14の図中右側において外周面に雄ねじ16を有している。
また雄ねじ16とは反対側の図中左側に、円筒形状の筒体18を一体に備えている。
そしてこの筒体18に対して、樹脂配管20が外嵌状態に軸方向から外挿され、筒体18に接続されるようになっている。
ここで筒体18の外周面には、軸方向に間隔を隔てて一対のOリング溝(保持溝)22-1,22-2が形成されており、そこに弾性を有する環状のシール部材としてのOリング24-1,24-2が保持されている。
外スリーブ28は、図中右端部に雌ねじ34を有していて、その雌ねじ34において継手本体12の雄ねじ36にねじ結合され、固定されている。
この外スリーブ28の反対側の端部、即ち図中左端部には段付形状の第1係合部38が形成されていて、その第1係合部38において内スリーブ30を、後述する皿ばね状のロックリング40とともに軸方向に抜止状態に固定している。
この外スリーブ28にはまた、更に第2係合部42,第3係合部44が備えられており、そしてその第2係合部42においてロックリング40をバックアップするバックアップリング46を抜止めし、更にまた第3係合部44において、ロックリング40によるロック解除のための解除部材48を抜止めしている。
ここで解除部材48は、図中左右方向に所定ストローク移動可能である。
このコイルばね54は、図3及び図4に示しているように隣接するコイル56と56との間に隙間を生ぜしめないで密着巻きして成る密巻部58と、コイル56と56との間に隙間を形成する状態で疎に巻いて成る疎巻部60とを有しており、その密巻部58を樹脂配管20の先端面20A(図2参照)の側に、また疎巻部60を反対側に位置させる状態でOリング24-1,24-2の外周側に嵌装されている。
尚、反対側の端面54Bはここではフラットな面とされていないが、この端面54Bもまた研削によってフラットな面と成しておくこともできる。
コイルばね54は、このように構成された結果、配管継手10に嵌装された状態で大径部68が内スリーブ30の段付部66に当ることによって、かかる配管継手10から脱落防止される。
本実施形態では、樹脂配管20を配管継手10の筒体18に対し図2中右方向に軸方向に外挿することで、自動的に樹脂配管20が配管継手10に対して抜止状態に接続される。
詳しくは、樹脂配管20を配管継手10の筒体18に対して軸方向に外挿すると、一対のOリング24-1,24-2が樹脂配管20の内周面に径方向に圧縮弾性変形した状態で密接し、筒体18と樹脂配管20との間を水密にシールする。
また外挿した樹脂配管20は、ロックリング40における爪52の喰込作用によって配管継手10から抜止めされる。即ち接続状態にロックされる。
図5はその際の作用を表したものである。
このとき、樹脂配管20の先端面20Aが斜めに傾斜した面であっても、コイルばね54自身が軸方向に且つ先端面20Aの傾斜形状に対応して追従変形することによって、端面54Aを樹脂配管20の先端面20Aに対し全周に亘り当接させる。
コイルばね54は、図中右端側が疎巻部60とされているため、その疎巻部60の大きな弾性変形能によって密巻部58を密巻状態に維持しながら、全体として容易に樹脂配管20の傾斜形状の先端面20Aに追従して軸方向に弾性変形することができる。
いわばコイルばね54の端面54Aが、全周に亘り樹脂配管20の先端面20Aに対して広い接触面積で着座した状態となる。
図5(I)は、このような状態の下で樹脂配管20が更に図中右方向に外挿された状態を表している。
しかるにこの実施形態では、Oリング24-1の外周側において筒体18にコイルばね54が嵌装されているため、その浮上がりが良好に防止される。
従ってそのまま樹脂配管20を図中右方向に外挿して行ったとき、従来のようにOリング24-1の上部が浮き上がった状態で樹脂配管20の先端面20Aにより右方向に押され、Oリング溝22-1からはみ出すといったことがなく、良好にOリング溝22-1内に保持された状態で、樹脂配管20の上部がOリング24-1を通過して行くことができる。
従ってシール部材24-1,24-2のはみ出しによるシール性低下、或いはシール部材24-1,24-2の損傷及びそれによるシール性低下といった問題を生じず、筒体18と樹脂配管20との接続部をシール部材24-1,24-2によって良好にシールすることができる。
また樹脂配管20の先端面20Aの面取加工を不要となし得る利点も得られる。
この実施形態では、図6(A)に示しているように密巻部58におけるコイル径がコイル56-1,56-2,56-3でそれぞれ異なったコイル径とされている。
詳しくは、コイル56-1のコイル径Daに対してコイル56-2のコイル径Dbが大径とされ、更にコイル56-2のコイル径Dbに対してコイル56-3のコイル径Dcが大径とされている。
即ちこの実施形態では、密巻部58が樹脂配管20の先端面20Aと対向する側の端面54Aに向かって且つ実質的に端面54Aに到るまで(有効巻数分だけ)コイル1巻きごとにコイル径が漸次拡径した拡径形状部58Aを有している。
一方コイル56-2のコイル径Dbは角度θ2(例えば20°)傾いたときに図中下端が筒体18の外周面に接触し、また上端がOリング24-1,24-2の外周面に接触した状態となるように定められている。
更にコイル56-3のコイル径Dcは角度θ3(例えば25°)傾いたときに図中下端が筒体18の外周面に接触し、また上端がOリング24-1,24-2の外周面に接触した状態となるように定められている。
例えばこの実施形態ではコイル56-1,56-2,56-3の線径がOリング24-1,24-2の線径の3分の1とされている。
しかるに本実施形態によれば、先端面20Aの角度が様々に異なった樹脂配管20を筒体18に対して外挿する際においても良好に対応することができる。
図7はこれを具体的に表している。
このとき、コイル56-1は図中下端が筒体18の外周面に接触し、また上端がOリング24-1(または24-2、以下24-1について説明する)の外周面に接触した状態となって、Oリング24-1の上部の図中上方への浮上がりを防止する。
一方コイル56-1に密着した状態のコイル径Dbのコイル56-2は、図7(B)(II)に示すように密着状態を保ちつつ、コイル56-1に続いて図中右方向に移動し、そしてコイル56-2の上端がOリング24-1の丁度上端に達したところで、かかるコイル56-2の図中上端がOリング24-1の上端外周面に接触した状態(Oリング24-1を潰すことなく接触した状態)となり、コイル56-1に続いてかかるコイル56-2がOリング24-1の図中上方への浮上がりを防止する。
そしてこれに続くコイル56-2もまた、図8(II)に示しているように同じ角度θ3に傾斜した状態でOリング24-1の上端を図中下向きにやや圧縮弾性変形させながらこれを通過して行く。
そしてこれに続くコイル56-3は、図8(III)に示しているように図中上端がOリング24-1の丁度上端に到ったときに、図中下端が筒体18の外周面に、また上端がOリング24-1の上端外周面に丁度接触した状態となって、Oリング24-1の図中上方への浮上がりを防止する。
この例は、密巻部58の末端(図中右端)に、端面54A側に隣接するコイル56-1よりも若干大きなコイル径Ddを有するコイル56-4を、樹脂配管20の外挿時にOリング24-1(及び24-2。以下同じ)を樹脂配管20に嵌め込む際の嵌込ガイド用として設けたもので、この実施形態の場合、密巻部58がOリング24-1を通過する際に、先ず図中右端のコイル56-4によりOリング24-1全体が若干縮径方向に弾性変形させられ、その状態でこれに続くコイル56-1,56-2,56-3がOリング24-1を図中右方向に通過して行くことができる。
これにより、例えば密巻部58自体によってOリング24-1が浮上がりを生じてしまうといったことを確実に防止できる利点が得られる。
18 筒体
20 樹脂配管(配管)
20A 先端面
24-1,24-2 Oリング(シール部材)
26 外筒部
32 挿入空間
54 コイルばね(弾性体)
54A 端面
56,56-1,56-2,56-3,56-4 コイル
58 密巻部
58A 拡径形状部
60 疎巻部
62,68 大径部
64 小径部
Claims (10)
- 配管継手に備えた筒体に対して外嵌状態に軸方向から外挿した配管と該筒体との間を、該筒体の外周面に装着した弾性を有する環状のシール部材にてシールするようになした配管接続構造において、
前記シール部材の外周側に、前記配管の前記筒体への外挿時に該配管の先端面と対向する側の端面を、該先端面の形状に追従変形することによって全周に亘り該先端面に当接させ、前記シール部材の径方向への突出を防止しつつ該配管の外挿につれて軸方向に圧縮弾性変形する弾性体を嵌装したことを特徴とする配管接続構造。 - 請求項1において、前記配管が樹脂配管であることを特徴とする配管接続構造。
- 請求項1,2の何れかにおいて、前記弾性体がコイルばねであることを特徴とする配管接続構造。
- 請求項3において、前記コイルばねが隣接するコイルとコイルとを密に巻いた密巻部と疎に巻いた疎巻部とを有しており、該密巻部を前記配管の先端面の側に、該疎巻部を反対側に位置させる状態で前記シール部材の外周側に嵌装してあることを特徴とする配管接続構造。
- 請求項3,4の何れかにおいて、前記コイルばねを構成するばね線材が断面円形をなしていることを特徴とする配管接続構造。
- 請求項3〜5の何れかにおいて、前記コイルばねは前記配管の先端面側の端がクローズドエンドとなしてあることを特徴とする配管接続構造。
- 請求項3〜6の何れかにおいて、前記コイルばねは前記配管の先端面側がフラットな面となしてあることを特徴とする配管接続構造。
- 請求項3〜7の何れかにおいて、前記配管継手は前記筒体との間に前記配管の挿入空間を形成する外筒部を備えているとともに、該外筒部の内周面が、該挿入空間における前記配管の挿入側とは反対側の奥部において大径部、該挿入側において小径部とされており、且つ前記コイルばねは該大径部に対応する部分が該小径部よりも大径となしてあることを特徴とする配管接続構造。
- 請求項4〜8の何れかにおいて、前記密巻部が、前記配管の先端面と対向する側の前記端面に向かってコイル径が拡大した拡径形状部を有していることを特徴とする配管接続構造。
- 請求項9において、前記拡径形状部のコイルの線径が前記シール部材における周方向と直角方向の横断面の径よりも小径となしてあることを特徴とする配管接続構造。
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