JP2006160144A - 車両用シート - Google Patents
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Abstract
【構成】 背凭フレーム3にヘッドレスト6を上側リンク12により前後移動可能に取付け、前記背凭フレーム3には伝動部材31により連結して前記上側リンク12を作動させる下側リンク35を、通常はバネ30の弾力により固定状態となるように設け、該下側リンク35に後突感知体40を取付け、該後突感知体40に、上下に伸縮してクッション材4を前方に押圧するランバーサポート機構45のサポート部48の下部を取付け、前記サポート部48の上部は前記背凭フレーム3の上部の左右方向の上部フレーム24に該上部フレーム24に対してサポート部48全体が伸縮するように取付けた車両用シート。
【選択図】 図2
Description
また、従来、着座者の後方移動により可動フレームが後方回動することで、ヘッドレストを前方回動させて着座者の頭部を支持するようにし、この可動フレームの下方にランバーサポート機構を設けた構成は公知である(特許文献2)。
即ち、後方移動する可動フレームのエネルギーを回動中心軸を支点にヘッドレストの前方回動に変換させる着想のため、ヘッドレストと可動フレームとを直接縦フレーム杆により連結していたのである。
この構成では、必然的に可動フレームおよび縦フレーム杆は着座者の背が当たる部分の背凭シート内に設けるので、着座フィーリングが低下する。
また、可動フレームは背凭シート内を後方に移動するが、その移動量には限界があり、そのため、ヘッドレストの移動量を大きくできず、着座者の頭部の支持が十分でなく、むち打ち症防止効果を十分に発揮できないという課題がある。
即ち、単にシーソーのように、回動中心を支点として可動フレームの後方移動量をヘッドレストの前方移動に変換するのであるから、回動中心に対するヘッドレストおよび可動フレームの距離はシートの大きさに比して当然設計上の制約があり、ヘッドレストの移動量には限界が生じる。
また、ヘッドレストと可動フレームとを直接連結しているため、後突のときヘッドレストが頭部を支持しても、可動フレームが後方移動するので、着座者の上体と頭部との前後位置の差が広がり、着座姿勢が悪化するという課題もある。
前記公知例のうち後者のものも、ヘッドレストと可動フレームとを縦フレーム杆により直接連結しているため、前者の公知例と同様な課題を有している。
また、後者の公知例は、可動フレームより下方にランバーサポート機構のサポート部の上部を取付けているため、サポート部を上下に圧縮するための十分な上下高さ(撓むための上下長さ)がなく、サポート部の前方押出量が少ないという課題がある。
即ち、サポート部の前方押出量を多くするには可動フレームの位置を高くしなければならないが、そうすると、必然的にヘッドレストの前方移動量は減少するから、サポート部の前方押出量とヘッドレストの前方移動量のどちらも多くすることはできない。
本願は、着座者の後方に位置する前後移動体によって着座者の後方移動荷重を検出する構成でありながら、ヘッドレストの移動量を十分に確保し、しかも、前方押出量を多くしたランバーサポート機構を設けて、着座感を向上するように特段の工夫したものである。
本発明は、前記ランバーサポート機構45のサポート部48は左右一対の縦枠46にあばら骨状に側方に突き出る横枠47を上下に所定間隔を置いて複数並設して合成樹脂により弾性変形するように形成し、サポート部48の上側屈曲部49はガイド兼フレーム50の縦軸部51に上下摺動自在に取付け、該縦軸部51の上部は背凭フレーム3の上部フレーム24に固定状態に取付け、左右の縦軸部51の下部を連結する下側連結杆52にはサポート部48の下側屈曲部56を固定状態に取付け、下側連結杆52は後突感知体40に取付けた車両用シートとしたものである。
本発明は、前記後突感知体40は取付アーム37を介して下側リンク35に取付けた車両用シートとしたものである。
本発明は、前記下側リンク35は、前記伝動部材31の下部を軸着した回動アーム36により構成し、該回動アーム36は、その後部は側部フレーム23に軸着し、その前側部分に前記後突感知体40に取付けた取付アーム37を軸着した車両用シートとしたものである。
本発明は、前記後突感知体40は、前記取付アーム37を後方に至るに従い低くなるように傾斜させ、後突感知体40が下側リンク35の回動アーム36の軸39よりも下方且つ後方に位置するように配置構成した車両用シートとしたものである。
本発明は、前記上側リンク12は、第一リンク杆13と移動側ブラケット14と第二リンク杆20により構成し、前記背凭フレーム3の左右の側部フレーム23に設けた車両用シートとしたものである。
本発明は、前記上側リンク12の第一リンク杆13と移動側ブラケット14と第二リンク杆20は、縦の板状部材により、該板状部材の厚み方向が前後となるように配置して構成した車両用シートとしたものである。
請求項2の発明では、ガイド兼フレーム50がサポート部48の伸縮の案内および支持し、しかも、後突感知体40も取付けたので、部品点数を減少させた合理的な構成にできる。
請求項3の発明では、後突感知体40を取付アーム37を介して下側リンク35に取付けているので、ヘッドレストを前方移動させる際のエネルギー(荷重伝動あるいは慣性)の伝達効率を良好にし、作動を確実にする。
請求項4の発明では、後突時の回動アーム36の回動方向が後方となり、クッション材4との干渉(接触)を回避して、作動を確実にする。
請求項5の発明では、後突感知体40の位置を可及的に下方に位置させることができ、そのため、サポート部48の上下長さを長くでき、一層、サポート部48の前方押出量を増加させることができる。
請求項6の発明では、サポート部48と上側リンク12との干渉を防止してサポート部48の上下伸縮の作動を確実にできる。また、サポート部48の左右幅を可及的に広くすることができ、クッション性を向上させることができる。
請求項7の発明では、一層、サポート部48と上側リンク12との干渉を防止して、クッション性を向上させることができる。
前記ヘッドレスト6は、少なくとも着座者の頭部を支持する頭部支持部7と、前記背凭シート2に装着するためピラー8とを有して構成する。ヘッドレスト6は背凭シート2に前後移動可能に取付け、後突されると通常の位置よりも前方移動して着座者の頭部を支持するように構成する。
ヘッドレスト6は、前記ピラー8を左右方向のヘッドレスト取付杆10に設けたピラー支持部材11に高さ調節自在に取付ける。ピラー8とピラー支持部材11の構成は公知であり、図示は省略するが、ピラー8に形成した係合凹部にピラー支持部材11に設けた係合部材を係合させて保持すればよい。
第一リンク杆13の下方の移動側ブラケット14には、第二リンク杆20の一端を軸21により軸着する。第二リンク杆20はその中間部を前記固定側ブラケット16に軸22により回動自在に取付ける。
即ち、前記背凭フレーム3は、左右の側部フレーム23の上部を上部フレーム24により、側部フレーム23の下部を下部フレーム25により夫々連結して中抜きの四角枠形状に形成し、この中抜き部分である左右の側部フレーム23の間にヘッドレスト3を前後に移動させるための部材を設けないですみ、着座者の着座感を向上させ、好適である。
また、上側リンク12の第一リンク杆13と移動側ブラケット14と第二リンク杆20は、縦の板状部材により厚み方向が左右方向となるように配置構成すると、側部フレーム23の間の空間を広くでき、一層、着座者の着座感を向上させ、好適である。
前記第二リンク杆20の他端には伝動部材(ロッド)31の上部を軸32により連結する。伝動部材31の下部は下側リンク35の回動アーム36の先端に取付ける。回動アーム36の基部は軸39により背凭フレーム3に回動自在に取付ける。
回動アーム36の先端側には、取付アーム37の先端を軸38により回動自在に取付け、取付アーム37の基部には後方から衝突された着座者が慣性によって後方移動することで後方移動する後突感知体40を設ける。
この場合、前記下側リンク35は後突感知体40よりも上方に位置させ、下側リンク35の回動アーム36の軸39よりも下方且つ後方に後突感知体40が位置するように取付アーム37を配置構成すると、後突感知体40による回動アーム36の回動および伝動部材31による上側リンク12が確実となって、好適である。
サポート部48は合成樹脂により弾性変形するように形成する。サポート部48の上部の横枠47にはL形状に屈曲させた上側屈曲部49を形成する。上側屈曲部49はガイド兼フレーム50の縦軸部51に上下摺動自在に取付ける。
ガイド兼フレーム50の縦軸部51の上部は前記上部フレーム24に固定状態に取付け、ガイド兼フレーム50を上部フレーム24に吊設する。左右の縦軸部51の下部は下側連結杆52により一体状に連結する。縦軸部51と下側連結杆52との間にはかぎ型状の屈曲部53を形成し、屈曲部53は後突感知体40に設けた係合部材54に係合させて取付ける。
したがって、サポート部48は、その上側屈曲部49がガイド兼フレーム50の縦軸部51に上下摺動自在に、その下側屈曲部56はガイド兼フレーム50の下側連結杆52を介して後突感知体40に夫々取付けられることで、上側屈曲部49が下側屈曲部56に対して遠近移動し、これにより、サポート部48全体が伸縮するように構成している。
なお、前記取付アーム37の先端は回動アーム36に回動自在に取付けられ、後突感知体40の重量により常時斜め前側に回動するように付勢されることになるが、後突感知体40にはガイド兼フレーム50の下側連結杆52が取付けられているので、後突感知体40はガイド兼フレーム50により吊設されて所定位置に保持されている。
また、アーム63の取付構成は任意であるが、アーム63は左右両端がワイヤー60とバネ64により上方に牽引されているので、軸棒形状の取付部材65の上端をアーム63の中間部に係止し、取付部材65の下部を下側屈曲部56に係止すればよい。
この場合、通常、下側リンク35は上側リンク12に設けたバネ30により常時上方回動するように付勢されているので固定状態となるから、後突感知体40は常時前方所定位置に保持されている。したがって、後突感知体40にサポート部48の下部を取付けても、サポート部48の前方の張出には支障は生じない。
背凭フレーム3には、上側リンク12によりヘッドレスト6を前後移動自在に取付け、上側リンク12の第二リンク杆20には伝動部材31を取付け、伝動部材31の下部は下側リンク35の回動アーム36に取付け、回動アーム36には、取付アーム37を介して後突感知体40を設けているから、後方から衝突された着座者が慣性により後方移動すると、後突感知体40が後方移動し、後突感知部後突感知体40の後方移動により伝動部材31を下方に牽引し、伝動部材伝動部材31は上側リンク12の第二リンク杆20を軸22中心に下方回動させ、第二リンク杆20は軸21を斜め前方に押し上げ、軸21は移動側ブラケット14を押し上げ、移動側ブラケット14はヘッドレスト取付杆10を斜め前方に押し上げ、これによりヘッドレスト6は前方移動する。
したがって、ヘッドレスト6は上側リンク12により前方回動して頭部を支持し、むち打ち症防止効果を奏する。
即ち、後突感知体40の後方移動を下側リンク35の回動アーム36により伝動部材31の下方牽引運動に変換するから、荷重(慣性)の伝達効率が良く、作動が確実となる。
しかして、後突感知体40を取付けた下側リンク35は上側リンク12に設けたバネ30により常時上方回動するように付勢されているので固定状態となるから、後突感知体40は通常では前後位置が不動状態となる(なお、詳細は後述するが、実際にバネ30により固定されるのは下側リンク35である)。
そのため、ランバーサポート機構45のサポート部48の上部は、後突感知体40の位置とは無関係に設けることができるから、サポート部48の上下長さの設計上の制約はなく、サポート部48の撓み量である前方押出量を十分に確保できる。
即ち、従来のように、背凭フレーム3の上部を支点として梃のように移動するように可動フレームを構成すると、可動フレームよりも下方にランバーサポート機構を設けることになり、ランバーサポート機構の上下長さは必然的に短くなりクッション材4の前方押出量を十分に確保できないが、本願では、サポート部48の上部の取付位置を高くでき、サポート部48の縦の全長を長くして、クッション材4の前方押出量を十分に確保する。
即ち、着座者が慣性により後方移動すると、ランバーサポート機構45のサポート部48が後方移動しながら着座者の背部全体を支持し、サポート部48の後方移動により後突感知体40が後方移動してヘッドレスト6が前方移動し、このヘッドレスト6が頭部を支持しているときに、ランバーサポート機構45のサポート部48が着座者の背部全体を支持するから、頭部を含めた着座者の着座姿勢を極めて安定させる。
この場合、上部フレーム24に、ガイド兼フレーム50の一対の縦軸部51の上部を固定状態に取付け、ガイド兼フレーム50を上部フレーム24に吊設し、縦軸部51の下部を連結するガイド兼フレーム50の下側連結杆52を後突感知体40に取付けているから、ランバーサポート機構45のサポート部48を取付けるガイド兼フレーム50と後突感知体40とは互いが互いを支持する支持構成メンバーとして作用し、サポート部48の取付構成を簡素にすると共に、下側リンク35に対して回動自在の後突感知体40をガイド兼フレーム50により所定位置に保持して、部品点数を減少させて、合理的な構成となる。
反対に、ワイヤー60のインナーケーブル62を緩めると、バネ64の弾力およびサポート部48の弾性によりサポート部48の上側屈曲部49と下側屈曲部56の間隔が広くなってクッション材4を後方に引っ込める。
また、後突感知体40は取付アーム37を介して下側リンク35に取付けているので、後突感知体40の高さ位置を低くでき、これによりサポート部48の上下長さを一層長くし、サポート部48の彎曲による前後移動量を大きくする。
また、下側リンク35の回動アーム36および取付アーム37は、平板部材により形成する。そのため、左右の側部フレーム23の間の空間を占有する回動アーム36および取付アーム37の取付スペースを小さくし、その分、サポート部48の横枠47の左右幅を大きくでき、クッション性能を向上させ、且つ、後突感知体40による後突感知精度を低下させない。
Claims (7)
- 背凭シート2の背凭フレーム3にヘッドレスト6を上側リンク12により前後移動可能に取付け、前記背凭フレーム3には伝動部材31により連結して前記上側リンク12を作動させる下側リンク35を、通常はバネ30の弾力により固定状態となるように設け、該下側リンク35に着座者の慣性による後方移動を感知する後突感知体40を取付け、該後突感知体40に、上下に伸縮してクッション材4を前方に押圧するランバーサポート機構45のサポート部48の下部を取付け、前記サポート部48の上部は前記背凭フレーム3の上部の左右方向の上部フレーム24に該上部フレーム24に対してサポート部48全体が伸縮するように取付けた車両用シート。
- 請求項1において、前記ランバーサポート機構45のサポート部48は左右一対の縦枠46にあばら骨状に側方に突き出る横枠47を上下に所定間隔を置いて複数並設して合成樹脂により弾性変形するように形成し、サポート部48の上側屈曲部49はガイド兼フレーム50の縦軸部51に上下摺動自在に取付け、該縦軸部51の上部は背凭フレーム3の上部フレーム24に固定状態に取付け、左右の縦軸部51の下部を連結する下側連結杆52にはサポート部48の下側屈曲部56を固定状態に取付け、下側連結杆52は後突感知体40に取付けた車両用シート。
- 請求項1または請求項2において、前記後突感知体40は取付アーム37を介して下側リンク35に取付けた車両用シート。
- 請求項1または請求項2または請求項3において、前記下側リンク35は、前記伝動部材31の下部を軸着した回動アーム36により構成し、該回動アーム36は、その後部は側部フレーム23に軸着し、その前側部分に前記後突感知体40に取付けた取付アーム37を軸着した車両用シート。
- 請求項1または請求項2または請求項3または請求項4において、前記後突感知体40は、前記取付アーム37を後方に至るに従い低くなるように傾斜させ、後突感知体40が下側リンク35の回動アーム36の軸39よりも下方且つ後方に位置するように配置構成した車両用シート。
- 請求項1または請求項2または請求項3または請求項4または請求項5において、前記上側リンク12は、第一リンク杆13と移動側ブラケット14と第二リンク杆20により構成し、前記背凭フレーム3の左右の側部フレーム23に設けた車両用シート。
- 請求項6において、前記上側リンク12の第一リンク杆13と移動側ブラケット14と第二リンク杆20は、縦の板状部材により、該板状部材の厚み方向が前後となるように配置して構成した車両用シート。
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