JP2006159558A - マグネットロール成形金型 - Google Patents

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Kenji Takahashi
憲司 高橋
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Abstract

【課題】 ホットランナー方式を用いてマグネットロールの射出成形を行うにあたり、ロール長手方向における磁力のバラツキを低減して、高品質のマグネットロールを得ることができるマグネットロール成形金型を提供する。
【解決手段】 少なくとも1個のキャビティ1と、原料注入孔2からキャビティ1まで連通するランナー部3と、ホットチップ4とを備えるホットランナー方式のマグネットロール成形金型10である。ランナー部3内の原料流路体積Cが、キャビティ1の総容量Xと略同一である。
【選択図】 図1

Description

本発明はマグネットロール成形金型(以下、単に「金型」とも称する)に関し、詳しくは、複写機、プリンタ、ファックス等の各種画像形成装置において使用されるマグネットロール(以下、単に「ロール」とも称する)を成形する際に用いられるマグネットロール成形金型に関する。
一般に、磁性トナーを用いた画像形成装置においては、感光ドラム等の潜像保持体上の静電潜像を可視化するための現像ロールとして、マグネットロールが用いられている。マグネットロールは、回転するスリーブ内に一定の磁化パターンが着磁された状態で配置され、回転に伴って、磁化パターンに従い磁性トナーをスリーブ上に吸着し、搬送して潜像保持体上に飛翔させる、いわゆるジャンピング現象により、静電潜像の現像を行うものである。このようなマグネットロールは、通常、樹脂バインダと磁性粉とを主成分とする樹脂磁石組成物を混練し、磁場配向を有するキャビティ内に射出することにより製造される。
一方、近年、一般的な射出成型においては、いわゆるホットランナー方式が多く導入されている。ホットランナー方式を用いた金型では成形品において不要なランナー部がなくなるため、その回収作業や材料費の削減などによりコストダウンを図ることができ、マグネットロールの成形についても、かかるホットランナー方式が適用されるようになってきている。図2に、従来のホットランナー方式の金型を用いたマグネットロールの射出成形の説明図を示す。図示する金型20は、2個のキャビティ21と、原料注入孔22からキャビティ21まで連通するランナー部23と、ホットチップ24とを備えており、原料30が、シリンダー11の動きに伴いノズル12から注入され、ランナー部23を介してキャビティ21に充填されることで、ロールの成形が行われるものである。
かかるマグネットロール成形金型に関する改良技術として、例えば、特許文献1には、キャビティの複数個を内部に形成して、各キャビティの樹脂注入端とは反対側の端部に樹脂溜り部分を接続し、各キャビティの樹脂溜り部分相互を連通路で連通させたことで、樹脂充填むらが生じるのを防止して、成形物を長手方向で均一に成形するとともに成形物の成形精度を向上させ、特にマグネットの磁極ピースの場合には磁気特性の均一なものが得られる射出成形金型が記載されている。
特開2003−311783号公報(特許請求の範囲等)
ところで、マグネットロールの射出成形時には、前述したように、樹脂バインダと磁性粉とを含むロール原料を磁場配向されたキャビティ内に射出することで射出時に着磁が行われ、その後、固化させることにより製品ロールが得られるものであるが、着磁の強度は原料組成物の流動性に依存する部分があるため、1ショット分の射出原料の流動性は均一であることが好ましい。
一方、ホットランナー方式にて射出成形を行う場合、キャビティ21内に充填される原料Bは、ホットランナー内にいったん滞留していた原料b2と、滞留せずに通過した原料b1とで構成されることとなる。即ち、ノズル12から一回に射出される原料30の量A(1ショット分)は、成形機により計量されて一回に成形されるロールの総容量Xと等しくなるよう調整されているが、実際には、キャビティ21内にはランナー部23に滞留していた原料b2が先に注入されることとなるので、ノズル12内から直接キャビティ21内に充填される原料部分はb1だけとなるのである。しかしながら、このように熱履歴の異なる材料は流動性が異なるため、この場合、金型内での着磁強度も異なることとなり、このためロール長手方向において磁力が不均一となって、製品ロールの品質が悪化してしまうという問題があった。
そこで本発明の目的は、ホットランナー方式を用いてマグネットロールの射出成形を行うにあたり、ロール長手方向における磁力のバラツキを低減して、高品質のマグネットロールを得ることができるマグネットロール成形金型を提供することにある。
本発明者は鋭意検討した結果、下記構成とすることにより、上記問題を解消できることを見出して、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明のマグネットロール成形金型は、少なくとも1個のキャビティと、原料注入孔から該キャビティまで連通するランナー部と、ホットチップとを備えるホットランナー方式のマグネットロール成形金型において、
前記ランナー部内の原料流路体積が、前記キャビティの総容量と略同一であることを特徴とするものである。
本発明によれば、上記構成としたことで、ロール一本あたりに用いられる原料の熱履歴を均一にすることができるため、長手方向における磁力のバラツキを低減することができ、これにより、高品質のマグネットロールを得ることが可能となった。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1に、本発明のマグネットロール成形金型10を用いた射出成形の説明図を示す。図示する金型10は、少なくとも1個、図示する例では2個のキャビティ1と、原料注入孔2からキャビティ1まで連通するランナー部3と、ホットチップ4とを備えるホットランナー方式の金型である。
本発明においては、ランナー部3内の原料流路体積Cが、キャビティ1の総容量X(即ち、1ショット分の原料体積A)と略同一である点が重要となる。これにより、一回の成形に用いられる原料30の全量が常に一旦ランナー部3に滞留することとなるため、1ショット分ごとに原料30の熱履歴を均一化することができ、結果として、得られるマグネットロールにおける長手方向の磁力のバラツキを低減することが可能となった。
ランナー部3内の原料流路体積Cをキャビティ1の総容量Xと略同一にするための手法としては、具体的には例えば、図示するようにランナー部3の原料流路径を大きくしたり、流路長を長くするなどの手法が考えられるが、特に制限されるものではない。
本発明においては、ランナー部3内の原料流路体積Cについて上記条件を満足するものであれば、それ以外の金型構造、例えば、キャビティの個数や流路形状、材質等については特に制限されるものではなく、従来公知のものから適宜選択して構成することができる。なお、本発明の金型は、射出成形により製造可能ないかなるマグネットローラについても適用可能であり、この点についても特に制限されるものではない。
本発明のマグネットロール成形金型を用いた射出成形の説明図である。 従来のマグネットロール成形金型を用いた射出成形の説明図である。
符号の説明
1 キャビティ
2 原料注入孔
3 ランナー部
4 ホットチップ
10 マグネットロール成形金型
30 原料

Claims (1)

  1. 少なくとも1個のキャビティと、原料注入孔から該キャビティまで連通するランナー部と、ホットチップとを備えるホットランナー方式のマグネットロール成形金型において、
    前記ランナー部内の原料流路体積が、前記キャビティの総容量と略同一であることを特徴とするマグネットロール成形金型。
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