JP2003205540A - 樹脂長尺体成形金型及びその成形方法 - Google Patents

樹脂長尺体成形金型及びその成形方法

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    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/46Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it into the mould
    • B29C45/56Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it into the mould using mould parts movable during or after injection, e.g. injection-compression moulding
    • B29C2045/5695Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it into the mould using mould parts movable during or after injection, e.g. injection-compression moulding using a movable mould part for continuously increasing the volume of the mould cavity to its final dimension during the whole injection step

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂による細い長尺体の製作を可能とし、
かつ、その長尺体を高精度に成形できる樹脂長尺体成形
金型を提供することを目的とする。 【解決手段】一端部3側に樹脂注入口1を有する樹脂長
尺体成形金型に於て、長手方向に少なくとも二つの領域
区分がされ、上流側の領域の温度をそれより下流側の領
域の温度より高く設定したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂長尺体を射出
成形により成形する樹脂長尺体成形金型及びその成形方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、樹脂長尺体の成形は、図4に示す
ように、金型41の長手方向(長尺体の長手方向)に複数
の樹脂注入口42を設け、これら複数の注入口42から金型
41のキャビティ内へ溶融樹脂43を注入して行っている。
又は、図5に示すように、金型41の一端部側の注入口42
(フィルムゲート)から溶融樹脂43を注入して成形する
場合は、金型41の温度を全体に渡って一定として溶融樹
脂43の注入が行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図4に示す従来の方法
では、注入された溶融樹脂43に速度分布や合流面が生
じ、寸法精度の良い成形品を得ることができないという
問題点がある。また、成形品に芯部材44が有る場合は、
溶融樹脂43の注入圧により芯部材44が曲がり、図6に示
すように、樹脂硬化後(金型41から脱型後)の成形品45
に大きな反りを発生させ、芯振れが大きく不良品となる
という問題点がある。また、図5に示す従来の方法で
は、特に横断面が小さく細長い製品を成形する場合、樹
脂がキャビティ内に充填する前に硬化してしまい、樹脂
の流動が停止し、細い長尺体を成形することができなか
った。この従来の方法では、成形品の厚さをt(パイプ
の場合は管厚)、長さをLとした時、L/t≧100 の製
品を高精度に成形することは非常に困難であった。ま
た、金型41を樹脂の融点より大きい温度で一定に保った
状態で成形を行うと、溶融樹脂は金型の長手方向下流側
まで充填するが、金型温度が高いため、樹脂が冷えて収
縮する際、図7に示すように成形品45の表面にヒケ(く
ぼみ)46が生じてしまい不良品となるという問題点があ
る。
【0004】そこで本発明は、樹脂による細い長尺体の
製作を可能とし、かつ、その長尺体を高精度に成形でき
る樹脂長尺体成形金型及び樹脂長尺体成形方法を提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明に係る樹脂長尺体成形金型は、一端部側に
樹脂注入口を有する樹脂長尺体成形金型に於て、長手方
向に少なくとも二つの領域区分がされ、上流側の領域の
温度をそれより下流側の領域の温度より高く設定したも
のである。また、上記樹脂注入口を有する最上流側の領
域の温度が、成形する樹脂の融点近くに設定され、それ
より下流側の温度が、該融点より十分に低く設定された
ものである。
【0006】上述の目的を達成するために、本発明に係
る樹脂長尺体成形方法は、金型一端部側の樹脂注入口か
ら溶融樹脂を注入する樹脂長尺体成形方法に於て、上記
金型を長手方向に少なくとも二つの領域に区分し、上流
側の領域の金型温度をそれより下流側の領域の金型温度
より高く設定し、射出成形を行うものである。また、上
記樹脂注入口を有する最上流側の金型温度を樹脂の融点
近くに設定し、それより下流側の金型温度を該融点より
十分に低く設定して、射出成形を行うものである。ま
た、溶融樹脂充填後、上記注入口側から樹脂に保圧をか
けて成形を行うものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図示の実施の形態に基づ
き、本発明を詳説する。
【0008】図1は本発明に係る樹脂長尺体成形金型の
実施の一形態を示し、この金型Mにより成形される樹脂
長尺体は、例えばABS樹脂等の熱可塑性樹脂による細
長比が大きい製品等があり、具体的には、直径が小さく
長手寸法が大きい樹脂ローラー(パイプ)や、他に板厚
が薄い板状部材等である。そして、図1に示す金型Mに
より成形される樹脂ローラーはコピー機やプリンター等
のOA機器に使用され、近年、これら機器は高速処理、
大型紙対応の傾向があり、使用されるローラーは長尺か
つ高精度のものが特に要求されている。
【0009】図1の金型Mについて説明すると、金型M
の中心部に形成するキャビティ4は、断面円形状であっ
て金型Mの長手方向に直線状であり、キャビティ4の中
心には芯部材5を配設している。従って、溶融樹脂R
は、金型Mの内壁面6と芯部材5の外周面との間に充填
されることとなり、溶融樹脂Rが硬化して、ローラー部
材を得ることができる。この芯部材5は、金型Mの一端
部(基端部)3に連設する第二金型8の差し込み孔に差
し込まれて、金型M(キャビティ4)の軸心が中心軸と
なるよう固定されている。また、他の実施の形態とし
て、キャビティ4内の芯部材5をなくし、成形品を中実
の樹脂ローラーとしてもよい。
【0010】金型Mの一端部3側には、キャビティ4へ
溶融樹脂Rを注入する樹脂注入口1を形成している。こ
の樹脂注入口1は、キャビティ4の端面において開口す
る開口部であり、金型M(キャビティ4)の軸心を中心
軸とする円筒状のフィルムゲートの出口部である。そし
て注入口1は、第二金型8の(図外の)ランナ、スプル
を通って流れてくる溶融樹脂Rを、リング状断面のキャ
ビティ4内へ周方向均一に注入するものである。また、
ゲート部の形状は、フィルムゲート以外にピンゲート等
の他の形式のものであってもよい。
【0011】そして、金型Mは、長手方向(軸心方向)
に少なくとも二つの領域区分───図1の金型Mの略中
央部の二点鎖線を挟んで一端部3側と他端部9側に区分
───がされ、上流側の領域の温度を、それより下流側
の領域の温度より高く設定したものとしている。なお、
金型Mのうち樹脂注入口1側を上流側とし、他端部9側
を下流側としており、この上・下流は溶融樹脂Rの流れ
方向(充填方向)に対応したものとしている。
【0012】さらに、樹脂注入口1を有する最上流側の
領域の温度は、成形する樹脂の融点(熱変形温度)近く
に設定され、それより下流側の領域の温度は、樹脂の融
点(熱変形温度)より十分に低く設定したものである。
即ち、図1において、金型Mの上流側(注入口1側)略
半分を初期充填部2とし、残りの下流側略半分を後期充
填部7と領域区分する。そして、初期充填部2の温度T
1 を、後期充填部7の温度T2 より高く設定して(T1
>T2 )、注入口1から溶融樹脂Rの注入(射出成形)
を行う。また、金型Mの初期充填部2の温度T1 を、射
出成形する樹脂の熱変形温度近くに設定し、金型Mの後
期充填部7の温度T2 を、樹脂の熱変形温度より十分に
低い所定温度に設定する。
【0013】具体的に説明すると、キャビティ4に注入
する溶融樹脂RをABS樹脂とした場合、例えば、この
ABS樹脂の熱変形温度(融点)を80℃とすると、金型
Mの初期充填部2の温度T1 を、80℃近くに温度保持
し、金型Mの後期充填部7の温度T2 を30℃前後に温度
保持する。また、キャビティ4に注入する溶融樹脂Rに
他の熱可塑性樹脂(例えばポリプロピレン等)を使用し
た際は、初期充填部2の温度T1 を、当該樹脂の熱変形
温度に対応する温度近くに設定すればよい。
【0014】この金型Mの温度操作は図示省略するが、
金型M内部(又は表面)にヒーターと、熱電対等の温度
検出手段と、温度検出手段の検出値によりヒーターの温
度を制御する温度制御手段と、を備え、金型Mの各領域
の温度を所定温度に保持するよう構成されている。そし
て、このヒーターと温度検出手段と温度制御手段とを一
組として、領域区分された区域ごとに(組として)これ
らを備えさせれば、領域ごとに所定温度領域を持たせる
ことができる。または、各領域の温度制御手段を共通と
し、温度制御手段内部において各領域の制御をしてもよ
い。
【0015】なお、この温度領域は、図1に示す金型M
において、初期充填部2の温度をT 1 で略一定とし、後
期充填部7の温度をT2 で略一定とするよう温度操作を
行っており、初期充填部2と後期充填部7との境界部
(二点鎖線の周辺部)を温度勾配を有する遷移区間とし
ている。また、別の実施の形態としては、金型Mの領域
区分した範囲内においても、夫々の領域内で金型Mの他
端部(先端部)9側へ温度が下がるよう温度勾配を持た
せてもよく、この場合は、さらに、高精度に長尺体の成
形が可能となる。
【0016】次に、本発明の他の実施の形態を図2に示
す。図2の金型Mは、長手方向(軸心方向)に三つの領
域区分───長手方向に略三等分に、金型Mの一端部3
側と中間部10と他端部9側に区分───がされ、上流側
の領域の温度を、それより下流側の領域の温度より高く
設定している。即ち、図2において、金型Mの一端部3
(注入口1側)領域を初期充填部2とし、中間部10の領
域を中期充填部11とし、残りの下流側領域を後期充填部
7と領域区分する。そして、初期充填部2の温度T11
中期充填部11の温度T12より高く設定し、中期充填部11
の温度T12を後期充填部7の温度T13より高く設定して
(T11>T12>T13)、注入口1から溶融樹脂Rの注入
(射出成形)を行う。
【0017】そして、初期充填部2の温度T11を、射出
成形する樹脂の融点(熱変形温度)近くに設定し、中期
充填部11の温度T12と後期充填部7の温度T13を、樹脂
の融点(熱変形温度)より低い所定温度に順次(下流側
へ)温度が下がるよう設定する。具体的に説明すると、
キャビティ4に注入する溶融樹脂RをABS樹脂とした
場合、例えば、このABS樹脂の熱変形温度(融点)を
80℃とすると、金型Mの初期充填部2の温度T11を80℃
近くに温度保持し、中期充填部11の温度T12を55℃前後
に温度保持し、後期充填部7の温度T13を30℃前後に温
度保持する。なお、図2の実施では、金型Mを三温に領
域区分しているが、これ以上に区分(中期充填部11を第
一中期充填部、第二中期充填部…)してもよく、この場
合、より高精度に長尺体の成形が可能となる。また、図
2の実施の形態においても、ゲートの形状、金型Mの温
度操作及び温度領域の設定は、図1の実施の形態と同様
としている。
【0018】次に、金型Mの一端部3側の樹脂注入口1
から溶融樹脂Rを注入する樹脂長尺体成形方法につい
て、さらに詳しく説明する。金型Mを長手方向に少なく
とも二つの領域に区分し、上流側の領域の金型温度をそ
れより下流側の領域の金型温度より高く設定し、さら
に、樹脂注入口1を有する最上流側の金型温度を樹脂の
融点(熱変形温度)近くに設定し、それより下流側の金
型温度を融点(熱変形温度)より十分に低く設定して、
射出成形を行う。また、図3に示すように、この溶融樹
脂Rのキャビティ4への注入の際に、溶融樹脂Rが、キ
ャビティ4の注入口1近傍に予め装着したピストン部材
12を軸心方向(矢印A)に押しながら、充填させてもよ
い。ピストン部材12は、キャビティ4内を摺動可能に装
着されたもので、キャビティ4に供給される溶融樹脂R
に対して、注入口1方向へ(矢印B方向の)所定の流動
抵抗を与えるものである。これにより、キャビティ4に
供給された溶融樹脂Rは、そのキャビティ4での流動速
度分布が横断面内において均一とすることができる。従
って、この流動速度制御機能により、寸法精度が高い長
尺の成形品の形成が可能となる。
【0019】また、キャビティ4に溶融樹脂Rを充填す
ると、その後、注入口1側から(溶融)樹脂に保圧をか
ける。この保圧は、射出圧よりは低い圧力で、キャビテ
ィ4に充填した溶融樹脂Rに、図外の射出成形機等によ
り内圧をかけて保持するものであり、溶融樹脂Rはこの
保圧を受けた状態で硬化が進む。これは、キャビティ4
に充填した溶融樹脂Rが冷えるに従って収縮することに
より生じるヒケを防止するためであり、金型温度が高い
程成形収縮が大きくなりヒケが発生しやすくなるが、本
発明においては、金型Mの樹脂注入口1側において金型
温度を高くしているが、保圧作用によりこの領域におい
てもヒケの発生を防止することができる。
【0020】本発明によれば、成形品の厚さ(パイプの
管厚)をt、長さをLとした時、L/t≧100 の製品を
高精度に成形することが可能であり、さらに、L/tの
値が300〜500 といった一層細長状の長尺体においても
高精度に成形が可能である。なお、長尺体の実施例とし
て、外径φ12mm、内径φ8 mm(芯部材外径φ8 mm)、長
さ326 mmのパイプ状樹脂体の場合(L/t=163 )にお
いて、外径差が0.05mm以内、全心振れが0.1 mm以内とい
った良好な成形品を得ることができる。
【0021】
【発明の効果】本発明は上述の構成により次のような効
果を奏する。
【0022】(請求項1,3によれば)溶融樹脂Rの流
動性が良くなり、金型M(キャビティ4)の先端側まで
溶融樹脂Rの充填が可能となるとともに、成形品の表面
にヒケなどの不良を生じさせることがない。従って、細
長状の長尺体の成形が可能となり、かつ、その長尺体の
寸法精度を極めて高くすることが可能となる。
【0023】(請求項2,4によれば)金型Mを所定温
度とすることで、注入する樹脂に適した成形が可能とな
り、さらに高精度の長尺体を成形することができる。
【0024】(請求項5によれば)金型Mの初期充填部
2の温度が高くなっても、全域に渡り成形品の表面にヒ
ケ等の不良を生じさせることがなく、より一層精度の高
い長尺体を成形できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金型の実施の一形態を示す側部断面図
である。
【図2】本発明の金型の他の実施の形態を示す側部断面
図である。
【図3】本発明の金型の別の実施の形態を示す要部断面
図である。
【図4】従来の金型を説明する側部断面図である。
【図5】従来の金型を説明する側部断面図である。
【図6】従来の成形方法により作製された長尺体の側部
断面図である。
【図7】従来の成形方法により作製された長尺体の側部
断面図である。
【符号の説明】
1 樹脂注入口 3 一端部 R 溶融樹脂 M 金型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F202 AA13 AG03 AG08 AK01 AK09 AM19 AR06 CA11 CB01 CK43 CN01 CN12 CN18 CN21 CQ03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端部側に樹脂注入口を有する樹脂長尺
    体成形金型に於て、長手方向に少なくとも二つの領域区
    分がされ、上流側の領域の温度をそれより下流側の領域
    の温度より高く設定したことを特徴とする樹脂長尺体成
    形金型。
  2. 【請求項2】 上記樹脂注入口を有する最上流側の領域
    の温度が、成形する樹脂の融点近くに設定され、それよ
    り下流側の温度が、該融点より十分に低く設定された請
    求項1記載の樹脂長尺体成形金型。
  3. 【請求項3】 金型一端部側の樹脂注入口から溶融樹脂
    を注入する樹脂長尺体成形方法に於て、上記金型を長手
    方向に少なくとも二つの領域に区分し、上流側の領域の
    金型温度をそれより下流側の領域の金型温度より高く設
    定し、射出成形を行うことを特徴とする樹脂長尺体成形
    方法。
  4. 【請求項4】 上記樹脂注入口を有する最上流側の金型
    温度を樹脂の融点近くに設定し、それより下流側の金型
    温度を該融点より十分に低く設定して、射出成形を行う
    請求項3記載の樹脂長尺体成形方法。
  5. 【請求項5】 溶融樹脂充填後、上記注入口側から樹脂
    に保圧をかける請求項3又は請求項4記載の樹脂長尺体
    成形方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005030468A1 (ja) * 2003-09-30 2005-04-07 Zeon Corporation 厚物平板成形品及びその製造方法

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