JP2006159019A - 燃料フィルタおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】フィルタエレメントの燃料による膨潤、自動車からの振動または燃料の脈動、燃料の熱サイクルによる変形およびフィルタエレメントと端板との結合部分の損傷を防止できる燃料フィルタおよびその製造方法を提案する。
【解決手段】この発明による燃料フィルタでは、補強部材が内筒の内筒溝に嵌め込まれ、フィルタエレメントの軸線の周方向における両周方向端部がともに補強部材に固着され、またフィルタエレメントと補強部材は、それぞれの軸線の方向における両軸線端部が一対の端板に結合される。またこの発明による燃料フィルタの製造方法では、第1工程において、軸線の周りの方向におけるフィルタエレメントの両周方向端部を補強部材に固着した後、第3工程で、フィルタエレメントと補強部材と内筒のそれぞれの軸線の方向における両軸線端部に一対の端板を結合する。
【選択図】図2
【解決手段】この発明による燃料フィルタでは、補強部材が内筒の内筒溝に嵌め込まれ、フィルタエレメントの軸線の周方向における両周方向端部がともに補強部材に固着され、またフィルタエレメントと補強部材は、それぞれの軸線の方向における両軸線端部が一対の端板に結合される。またこの発明による燃料フィルタの製造方法では、第1工程において、軸線の周りの方向におけるフィルタエレメントの両周方向端部を補強部材に固着した後、第3工程で、フィルタエレメントと補強部材と内筒のそれぞれの軸線の方向における両軸線端部に一対の端板を結合する。
【選択図】図2
Description
この発明は、例えば自動車に搭載されるエンジンに付属され、このエンジンに供給されるガソリンなどの燃料に含まれる異物を除去するのに使用される燃料フィルタおよびその製造方法に関するものである。
一般に、この種の燃料フィルタは、筒状のフィルタエレメントと、相対向する一対の端板とを有し、一対の端板の間に筒状のフィルタエレメントを挟むように配置して構成される。エンジンへの燃料は、フィルタエレメントの例えば外周部分に供給され、フィルタエレメントを通過することにより異物を除去し、フィルタエレメントの例えば内周部分からエンジンへ供給される。
例えば特開平11−82211号公報には、フィルタエレメントの両端部と、一対の端板とを接着材により固定するものが開示されている。この接着材は、フィルタエレメントと一対の端板を結合するとともに、これらの間から燃料が漏れないように、それらの間を封止する。
また実公平6−21542号公報には、フィルタエレメントと、一対の端板を熱溶着により結合するものが開示されている。
しかし、フィルタエレメントは、一般にパルプをベースとした材料に作られ、また一対の端板は、ポリアセタール樹脂で作られるが、ポリアセタール樹脂で作られた一対の端板は接着性が悪く、燃料による膨潤、自動車の振動および熱サイクル、または燃料の脈動などによる衝撃などにより、フィルタエレメントから接着材が剥離し、フィルタエレメントと端板との間からフィルタされない燃料が漏れ出ることにより、フィルタ性能が低下する問題がある。
また、フィルタエレメントと、一対の端板とを熱溶着により結合するものでも、フィルタエレメントの剛性が低く、このフィルタエレメントの変形により、そのフィルタ性能が低下する問題がある。
また、フィルタエレメントと、一対の端板とを熱溶着により結合するものでも、フィルタエレメントの剛性が低く、このフィルタエレメントの変形により、そのフィルタ性能が低下する問題がある。
この発明は、このような問題を改善し、フィルタ性能を向上することのできる燃料フィルタとその製造方法を提案するものである。
この発明による燃料フィルタは、軸線の周りに配置された筒状のフィルタ部材、このフィルタ部材の内周に配置された内筒、および前記フィルタ部材と前記内筒の前記軸線の方向における両軸線端部に配置された一対の端板を備え、前記フィルタ部材により燃料をフィルタする燃料フィルタであって、前記フィルタ部材は、前記軸線の周りに配置された少なくとも1つのフィルタエレメントと、前記軸線の方向に延びて前記フィルタエレメントを保持する少なくとも1つの補強部材とを有し、前記内筒は、外周面に前記軸線の方向に延びる内筒溝を有し、前記フィルタ部材の補強部材は、前記内筒の内筒溝に嵌め込まれ、前記フィルタエレメントは、その前記軸線の周りの方向における両周方向端部が、ともに前記補強部材に固着され、また前記フィルタエレメントと補強部材は、それぞれの前記軸線の方向における両軸線端部が前記一対の端板に結合されたことを特徴とする。
また、この発明による燃料フィルタの製造方法は、軸線の周りに配置される少なくとも1つのフィルタエレメントと、このフィルタエレメントを保持する少なくとも1つの補強部材とを有する筒状のフィルタ部材、前記フィルタ部材の内周に配置されその外周面に前記軸線の方向に延びる少なくとも1つの内筒溝を有する内筒、および前記フィルタ部材と前記内筒の前記軸線の方向における両軸線端部に結合される一対の端板を備えた燃料フィルタの製造方法であって、前記フィルタ部材を組立てる第1工程と、この第1工程の後で前記フィルタ部材に前記内筒を組み付ける第2工程と、この第2工程の後で前記筒状のフィルタ部材と前記内筒を前記一対の端板に結合する第3工程を含み、前記第1工程では、前記軸線の周りの方向における前記フィルタエレメントの両周方向端部をともに前記補強部材に固着して前記フィルタ部材を組立て、前記第2工程では、前記補強部材が前記内筒溝に嵌り込むようにして前記フィルタエレメントの内周に前記内筒を組み付け、前記第3工程では、前記フィルタエレメントと前記補強部材と前記内筒のそれぞれの前記軸線の方向における両軸線端部に前記一対の端板を結合することを特徴とする。
この発明による燃料フィルタでは、フィルタ部材が、軸線の周りに配置された少なくとも1つのフィルタエレメントと、少なく1つの補強部材を有し、また内筒が、その外周面に前記軸線の方向に延びる内筒溝を有する。補強部材が内筒の内筒溝に嵌め込まれ、フィルタエレメントの軸線の周方向における両周方向端部がともに補強部材に固着され、またフィルタエレメントと補強部材は、それぞれの軸線の方向における両軸線端部が一対の端板に結合される。フィルタエレメントは剛性が低いが、その両周方向端部がともに補強部材に固着され、フィルタエレメントが補強される。このため、フィルタエレメントと一対の端板との結合部分も補強され、この結合部分がフィルタ動作中に外れ、フィルタエレメントと端板との結合部分から、燃料がフィルタエレメントを通らずに、漏れ出る事故を防止することができる。
この発明による燃料フィルタの製造方法では、第1工程において、軸線の周りの方向におけるフィルタエレメントの両周方向端部を補強部材に固着する。この第1工程の後の第2工程では、補強部材が内筒の内筒溝に嵌り込むようにして内筒をフィルタエレメントの内周に組み付け、その後の第3工程で、フィルタエレメントと補強部材と内筒のそれぞれの軸線の方向における両軸線端部に一対の端板を結合するので、一対の端板の結合時には、フィルタエレメントは補強部材により補強されており、フィルタエレメントの変形を防止することができ、このフィルタエレメントの変形によるフィルタ性能の低下を防止できる。また、フィルタエレメントと一対の端板との結合部分も補強され、この結合部分がフィルタ動作中に外れ、フィルタエレメントと端板との結合部分から、燃料がフィルタエレメントを通らずに、漏れ出る事故をも防止することができる。
以下この発明のいくつかの実施の形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明による燃料フィルタの実施の形態1を示す縦断面図、図2は図1のA−A線による断面図、図3は実施の形態1における燃料フィルタの内筒と一対の端板を分解して示す斜視図である。
図1は、この発明による燃料フィルタの実施の形態1を示す縦断面図、図2は図1のA−A線による断面図、図3は実施の形態1における燃料フィルタの内筒と一対の端板を分解して示す斜視図である。
実施の形態1の燃料フィルタは、図1に示すように、フィルタ部材10と、内筒40と、一対の端板51、52とを有する。フィルタ部材10は、軸線O−Oを中心として筒状に構成される。内筒40はフィルタ部材10の内周に配置され、その中心軸は軸線O−Oと一致している。一対の端板51、52は、フィルタ部材10と内筒40の上下両端部に結合される。端板51は上端板、端板52は下端板である。
実施の形態1の燃料フィルタは、例えば自動車に搭載され、自動車のエンジンへ供給されるガソリンなどの燃料をフィルタする。燃料はフィルタ部材10の外周側に供給され、フィルタ部材10を通過して、その内周側に流れ、フィルタ部材10の内周側からエンジンに供給される。燃料がフィルタ部材10を通過することにより、燃料に含まれる異物が除去される。
フィルタ部材10は、図2に示すように、燃料をフィルタする1つのフィルタエレメント20と、1つの補強部材30を有する。フィルタエレメント20は、例えばパルプにポリエステルなどの樹脂繊維を添加した材料からなる1枚のシートを、軸線O−Oの周りに菊花状に成形して作られる。このフィルタエレメント20は、軸線O−Oを中心とする外接円C1と、軸線O−Oを中心とする内接円C2との間に、円筒状に構成される。
フィルタエレメント20は、軸線O−Oの方向に2つの軸線端部20A、20Bを持っており、フィルタエレメント20は、これらの軸線端部20A、20Bと、外接円C1、内接円C2とで囲まれる領域において、円筒状に構成される。燃料は、これらの軸線端部20A、20Bの間で、外接円C1から内接円C2に向かう方向に、フィルタエレメント20を通過する。なお、外接円C1は、図2において、端板51、52の外周円とほぼ一致している。
フィルタエレメント20は、複数の細長い短冊状の板状部21と、複数の折曲部22を有する。これらの複数の各板状部21と複数の各折曲部22は、軸線端部20Aと軸線端部20Bとの間を軸線O−Oの方向に延びている。複数の各板状部21は、それぞれ外接円C1と内接円C2との間に位置しており、この各板状部21は、それぞれ隣接する折曲部22を介して軸線O−Oの周りで互いに連続している。複数の各折曲部22は、ほぼ外接円C1、内接円C2の円周上に位置する。
複数の各板状部21は、長さLと幅Wを有する。長さLは、軸線O−Oの方向における長さであり、軸線端部20Aから軸線端部20Bまでの長さである。幅Wは、外接円C1と内接円C2との間の幅である。複数の各板状部21について、長さLは互いに等しく、また幅Wも互いに等しい。
フィルタエレメント20は、軸線O−Oを中心としてそのほぼ全周に亘って配置され、その周方向の両端部には、2つの周方向端部20a、20bが形成される。周方向端部20aは、端部板状部21aにより構成され、また周方向端部20bは端部板状部21bにより構成される。これらの端部板状部21a、21bは、補強部材30を挟んで互いに対向し、それぞれ補強部材30に固着される。
補強部材30は、剛性の低いフィルタエレメント20を補強する板状部材である。この補強部材30は、厚さTと幅W0と、長さLを持っている。幅W0は、軸線O−Oを中心とする径方向の幅であり、この幅W0はフィルタエレメント20の各板状部21の幅Wより大きく、W0>Wである。補強部材40の長さLは、軸線O−Oの方向の長さであり、この補強部材30の長さLは、フィルタエレメント20の長さLと等しい。この補強部材30は、軸線O−Oの方向に2つの軸線端部30A、30Bを有し、また第1、第2の取付面31、32を有する。これらの第1、第2の取付面31、32は、軸線O−Oの方向に延び、互いに対向している。この補強部材30は、樹脂材料、例えばポリアセタール樹脂を板状に成形して作られる。
補強部材30の第1の取付面31には端部板状部21aが固着され、またその第2の取付面32には端部板状部21bが固着される。これらの端部板状部21a、21bは、それぞれ第1、第2の取付面31、32の外周寄りの部分に固着される。具体的には、端部板状部21aは、その全面が第1の取付面31の外周寄りの部分に、軸線O−Oに沿って接合され、例えば熱溶着により、その全面が第1の取付面31の外周寄りの部分に溶着される。同様に、端部板状部21bは、その全面が第2の取付面32の外周寄りの部分に接合され、例えば熱溶着により、その全面が第2の取付面32の外周寄りの部分に溶着される。これらの端部板状部21a、21bは、これらの端部板状部21a、21bと補強部材30の取付面31、32との間から燃料が漏れないようにして、その全面が取付面31、32に溶着される。
補強部材30の第1、第2の取付面31、32の内周寄りの部分には、端部板状部21a、21bが固着されない内周側領域35が残され、この領域35は、軸線O−Oから径方向に幅W1を持っている。この幅W1は、W1=W0−Wである。
内筒40は、フィルタエレメント20の内周に配置され、フィルタエレメント20との間に、燃料空間41を形成する。この燃料空間41には、フィルタエレメント20を通過した燃料が溜まる。内筒40は、樹脂材料、例えばポリアセタール樹脂により、円筒状に作られる。この内筒40は、2つの軸線端部40A、40Bを有し、また外周面42と、内周面43を有する。外周面42と内周面43は、軸線端部40A、40Bの間に形成され、燃料空間41は、軸線端部40A、40Bの間において、フィルタエレメント20と内筒40の外周面42との間に形成される。
内筒40の外周面42には、内筒溝45と燃料吐出部材46が形成される。内筒溝45は、軸線O−Oの方向に軸線端部40Aと軸線端部40Bとの間を延びている。この内筒溝45は、深さW2と幅Tを有する。内筒溝45の深さW2は、軸線O−Oから径方向の深さであり、内筒溝45の幅Tは軸線O−Oを中心とするその周りの方向の幅であって、この内筒溝45の幅Tは補強部材30の厚さTと等しい。この内筒溝45には、補強部材30の内周側領域35が嵌め込まれ、補強部材30はこの内筒溝45により保持される。
補強部材30の内周側領域35が内筒溝45に嵌め込まれる結果、補強部材30の取付面31、32に固着された端部板状部21a、21bと、内筒40の外周面42との間には、間隙Gが設定される。この間隙Gは、G=W1−W2である。端部板状部21a、21bと外周面42との間に、この間隙Gが設定される結果、フィルタエレメント20の内接円C2と内筒40の外周面42との間に、ほぼ間隙Gの大きさに等しい間隙が形成され、内接円C2上に位置する複数の各折曲部22と内筒40の外周面42との間にも、ほぼ間隙Gに等しい大きさの間隙が形成される。この内接円C2上の折曲部22と内筒40の外周面42との間の間隙は、燃料空間41内における燃料の流通を確保するのに有効である。
燃料吐出部材46は、内筒40の上側の軸線端部50aに隣接して、外周面42の一部に形成される。この燃料吐出部46は、それを軸線O−Oの方向に貫通する燃料吐出口47を有する。この燃料吐出部材46は、図2に示すように、フィルタエレメント20の内周側において、隣接する2つの板状部21の間に位置し、燃料空間41内の燃料を燃料吐出口47から吐出する。
上端板51と下端板52は、フィルタ部材10と内筒40を挟むように、それらの上下両端部に結合される。これらの上端板51と下端板52は、互いに等しい外径を有する円板であり、樹脂材料、例えばポリアセタール樹脂で構成される。これらの端板51、52は取付面53を有し、この取付面53には、フィルタエレメント20の軸線端部20A、20Bと、補強部材30の軸線端部30A、30Bと、内筒40の軸線端部40A、40Bとが熱溶着により結合される。
上端板51には、図1、図3に示すように、燃料吐出孔57が形成される。この燃料吐出孔57は、燃料吐出口47と対応する位置に形成され、燃料フィルタから燃料を吐き出すのに、使用される。
フィルタエレメント20の軸線端部20A、20Bと端板51、52との結合部分は、フィルタエレメント20の軸線端部20A、20Bと端板51、52との間を、そこから燃料が漏れないように封止する。補強部材30の軸線端部30A、30Bと端板51、52との結合部分も、補強部材30の軸線端部30A、30Bと端板51、52との間を、そこから燃料が漏れないように封止する。これらの結合部分は、フィルタエレメント20の外周側に供給された燃料が、フィルタエレメント20を通らずに、燃料空間41へ漏れ出るのを阻止する。
実施の形態1では、フィルタエレメント20の周方向端部20a、20bを構成する端部板状部21a、21bが、補強部材30の第1、第2の取付面31、32の固着され、フィルタエレメント20が補強部材30により補強される。フィルタエレメント20は、燃料による膨潤、自動車の振動および熱サイクル、または燃料の脈動による衝撃などを受けて変形する恐れがあり、またフィルタエレメント20の軸線端部20A、20Bと端板51、52との結合部分が損傷する恐れもあるが、補強部材30による補強に基づき、このような変形および結合部分の損傷を防止することができ、このような変形および結合部分の損傷に伴なうフィルタ性能の低下を防止できる。なお、内筒40の軸線端部40A、40Bと端板51、52との固着部分は、燃料空間41からの燃料の漏洩を阻止する。
続いて、実施の形態1の燃料フィルタの製造方法を説明する。この製造方法は、第1から第3工程の3つの製造工程を含む。第1工程は、フィルタ部材10を組立てる工程であり、第2工程は第1工程の後でフィルタ部材10の内周に内筒40を組み付ける工程であり、また第3工程は第2工程の後でフィルタ部材10と内筒40に一対の端板51、52を結合する工程である。
第1工程では、フィルタエレメント10を軸線O−Oの周りにそのほぼ全周に亘り配置し、その端部板状部21a、21bの間に、補強部材30を配置する。この状態で補強部材30の第1の取付面31と端部板状部21aの全面を加熱し、端部板状部21aの全面を取付面31の外周寄りの部分に押し付けることにより、端部板状部21aの全面を補強部材30の取付面31に熱溶着する。また、補強部材30の第2の取付面32と端部板状部21bの全面を加熱し、端部板状部21bの全面を取付面32の外周寄りの部分に押し付けることにより、端部板状部21bの全面を補強部材30の取付面32に熱溶着する。この第1工程により、フィルタ部材10に組立てが完了する。
第2工程では、補強部材30の内周側領域35が、内筒40の内筒溝45に嵌り込むように、内筒40をフィルタ部材10の内周に組み付ける。補強部材30は、内筒40の内筒溝45により保持される。
第3工程では、フィルタ部材10と内筒40の軸線O−Oの方向の両端に、端板51、52が配置される。この状態でフィルタエレメント20の軸線端部20Aと、補強部材30の軸線端部30Aと、内筒40の軸線端部40Aと、これらに対向する端板51の取付面53とが加熱され、これらを互いに押し付けて、熱溶着する。また、フィルタエレメント20の軸線端部20Bと、補強部材30の軸線端部30Bと、内筒40の軸線端部40Bと、これらに対向する端板52の取付面53とが加熱され、これらを互いに押し付けて、熱溶着する。これにより、フィルタエレメント20と補強部材30と内筒40の端部に、端板51、52を結合する。
この製造方法において、とくに、第1工程でフィルタエレメント20が補強部材30により補強された後に、第3工程で端板51、52がフィルタエレメント20の軸線端部20A、20Bに熱溶着されるので、端板51、52の結合によるフィルタエレメント20の変形を防止することができる。例えば、フィルタエレメント20の軸線端部20A、20Bと端板51、52との結合部分において、フィルタエレメント20が変形すれば、その結合部分における熱溶着が不完全となり、その結合部分から燃料が漏れ出ることもあるが、実施の形態1の製造方法では、このような結合部分における燃料の漏れを確実に防止できる。またフィルタエレメント20の変形により、例えば隣接する2つの板状部21が互いに接触してフィルタ性能が低下することも、防止することができる。
実施の形態2.
図4は、この発明による燃料フィルタの実施の形態2を示す断面図である。この図4は実施の形態2について、図2と同様な断面を示す。
図4は、この発明による燃料フィルタの実施の形態2を示す断面図である。この図4は実施の形態2について、図2と同様な断面を示す。
実施の形態1では、フィルタ部材10が1つのフィルタエレメント20と、1つの補強部材30により構成されたが、この実施の形態2では、フィルタ部材10が、2つのフィルタエレメント201、202と、2つの補強部材301、302とによって構成される。フィルタエレメント201、202は、それぞれ実施の形態1におけるフィルタエレメント20と同様に構成されるが、軸線O−Oの周りにそのほぼ半周に亘って配置されるように変形される点だけが相違する。
フィルタエレメント201、202は、実施の形態1におけるフィルタエレメント20と同様に、それぞれ複数の短冊状の板状部21と複数の折曲部22を有するが、複数の板状部21が、軸線O−Oのほぼ半周において、隣接する折曲部22を介して互いに連続する。またフィルタエレメント201、202は、実施の形態1におけるフィルタエレメント20と同様に、それぞれが周方向端部20aを構成する端部板状部21aと、周方向端部20bを構成する端部板状部21bを有する。
2つの補強部材301、302は、軸線O−Oに関して、互いに180度だけ隔たった位置に配置される。補強部材301、302は、実施の形態1における補強部材30と同様に構成された板状部材である。各補強部材301、302は、実施の形態1における補強部材30と同様に、それぞれ第1、第2の取付面31、32を有する。実施の形態2では、内筒40は、2つの内筒溝451、452を有し、これらの内筒溝451、452は、内筒40の外周面42に、互いに180度だけ隔たった位置に配置される。これらの内筒溝451、452は、実施の形態1における内筒溝45と同様な形状を有する。
フィルタエレメント201は、図4において、軸線O−Oの右半周部分に配置され、補強部材301、302の間に配置される。フィルタエレメント201の端部板状部21aは、補強部材301の第1の取付面31に、またフィルタエレメント201の端部板状部21bは、補強部材302の第1の取付面31に、それぞれの全面が熱溶着により固着される。フィルタエレメント202は、図4において、軸線O−Oの左半周部分に配置され、補強部材301、302の間に配置される。フィルタエレメント202の端部板状部21aは、補強部材301の第2の取付面32に、またフィルタエレメント202の端部板状部21bは、補強部材302の第2の取付面32に、それぞれの全面が熱溶着により固着される。
補強部材301、302は、その幅W0と、端部板状部21a、21bが取付られない内周側領域35の幅W1と、内筒40の内筒溝451、452の深さW2を実施の形態1と同様に設定することにより、フィルタエレメント20の内接円C2と内筒40の外周面42との間に間隙Gを形成することができる。
実施の形態2におけるフィルタ部材10は、2つの補強部材301、302により、2つのフィルタエレメント201、202を補強するので、実施の形態1に比べて、フィルタエレメント201、202の補強効果が倍増する。
続いて、実施の形態2の燃料フィルタの製造方法を説明する。この実施の形態2の製造方法も、第1から第3工程の3つの製造工程を含む。第1工程は、フィルタ部材10を組立てる工程であり、第2工程は第1工程の後でフィルタ部材10の内周に内筒40を組み付ける工程であり、また第3工程は第2工程の後でフィルタ部材10と内筒40に一対の端板51、52を結合する工程である。
第1工程では、フィルタエレメント201を軸線O−Oの周りにそのほぼ半周に亘り配置し、補強部材301、302をこのフィルタエレメント201の端部板状部21a、21bにそれぞれ対向するように配置する。この状態で、補強部材301の第1の取付面31とフィルタエレメント201の端部板状部21aの全面を加熱し、また補強部材302の第1の取付面31とフィルタエレメント201の端部板状部21bの全面を加熱し、フィルタエレメント201の端部板状部21aの全面を補強部材301の第1の取付面31の外周寄りの部分に押し付け、またフィルタエレメント201の端部板状部21bの全面を補強部材302の第1の取付面31の外周寄りの部分に押し付けることにより、フィルタエレメント201の端部板状部21a、21bの全面を各補強部材301、302の取付面31に熱溶着する。フィルタエレメント201は、軸線O−Oの右半周に位置するようにして、補強部材301、302の間に固着される。
次に、フィルタエレメント202を、軸線O−Oの左半周に位置するように、補強部材301、302の間に配置する。この状態で、補強部材301の第2の取付面32とフィルタエレメント202の端部板状部21aの全面を加熱し、また補強部材302の第2の取付面32とフィルタエレメント202の端部板状部21bの全面を加熱し、フィルタエレメント202の端部板状部21aの全面を補強部材301の第2の取付面32の外周寄りの部分に押し付け、またフィルタエレメント202の端部板状部21bの全面を補強部材302の第2の取付面32の外周寄りの部分に押し付けることにより、フィルタエレメント202の端部板状部21a、21bの全面を補強部材301、302のそれぞれの第2の取付面32に熱溶着する。この第1工程により、フィルタ部材10に組立てが完了する。
第2工程では、補強部材301の内周側領域35が内筒40の内筒溝451に、また補強部材302の内周側領域35が内筒40の内筒溝452にそれぞれ嵌り込むようにして、内筒40をフィルタ部材10の内周に組み付ける。補強部材301、302は、内筒40の内筒溝451、452により保持される。
第3工程では、フィルタ部材10と内筒40の両端に、端板51、52が配置される。フィルタエレメント201、202のそれぞれの軸線端部20Aと、補強部材301、302のそれぞれの軸線端部30Aと、内筒40の軸線端部40Aと、これらに対向する端板51の取付面53とが加熱され、これらを互いに押し付けて、熱溶着する。また、フィルタエレメント201、202のそれぞれの軸線端部20Bと、補強部材301、302のそれぞれの軸線端部30Bと、内筒40の軸線端部40Bと、これらに対向する端板52の取付面53とが加熱され、これらを互いに押し付けて、熱溶着する。これにより、フィルタエレメント201、202と補強部材301、302と内筒40の端部に、端板51、52を結合する。
この製造方法において、とくに、第1工程でフィルタエレメント201、202が補強部材301、302により補強された後に、第3工程で端板51、52がフィルタエレメント201、202の軸線端部20A、20Bに熱溶着されるので、端板51、52の結合によるフィルタエレメント201、202の変形を防止することができる。例えば、フィルタエレメント201、202の軸線端部20A、20Bと端板51、52との結合部分において、フィルタエレメント201、202が変形すれば、その結合部分における熱溶着が不完全となり、その結合部分から燃料が漏れ出ることもあるが、実施の形態2の製造方法では、このような結合部分における燃料の漏れを確実に防止できる。またフィルタエレメント201、202の変形により、例えば隣接する2つの板状部21が互いに接触してフィルタ性能が低下することも、防止することができる。
なお、実施の形態2において、フィルタエレメントと補強部材の数をさらに3以上に増加することも可能であり、この場合には、フィルタエレメントに対する補強効果をさらに増強することができる。
実施の形態2は、フィルタエレメント202を省略し、フィルタエレメント201の中間に1つの補強部材302を熱溶着することもできる。
実施の形態3.
図5は、実施の形態3において使用される補強部材と、フィルタエレメントとの固着状態を示す断面図である。この図5は、図2と同様な断面において、1つの補強部材310と、フィルタエレメントの端部板状部21a、21bとの固着状態を示す。
図5は、実施の形態3において使用される補強部材と、フィルタエレメントとの固着状態を示す断面図である。この図5は、図2と同様な断面において、1つの補強部材310と、フィルタエレメントの端部板状部21a、21bとの固着状態を示す。
実施の形態3で使用された補強部材310は、ほぼU字型の断面を有し、一対の相対向する保持部片311、312の間に、保持溝313が形成されている。保持部片311、312は、軸線O−Oに沿って、フィルタエレメント20、201、202の長さLと等しい長さLを持ち、したがって、保持溝313も同じ長さLを持っている。保持溝313は、その外周側が開口しており、フィルタエレメントの端部板状部21a、21bの全体がともに、保持溝313の外周側に嵌め込まれ、その全面が固着される。
補強部材310は、樹脂材料、例えばポリアセタール樹脂または金属板で構成される。金属板としては、冷間圧延鋼板が用いられる。補強部材310が樹脂で構成される場合、端部板状部21a、21bを互いに熱溶着した後、これらの端部板状部21a、21bを、保持溝313に嵌め込み、保持部片311、312を加熱し、互いに押し付ける方向に加圧することにより、端部板状部21a、21bの全体が補強部材310に固着される。補強部材310が金属板で構成される場合、端部板状部21a、21bを、保持溝313に嵌め込み、保持部片311、312を互いに押し付ける方向に加圧することにより、端部板状部21a、21bの全体が補強部材310に固着される。
補強部材310の軸線端部30A、30Bは、一対の端板51、52に結合される。補強部材310が樹脂で構成される場合には、その軸線端部30A、30Bは加熱され、端板51、52の加熱された取付面53に熱溶着される。また、補強部材310が金属板で構成される場合には、その軸線端部30A、30Bが加熱され、端板51、52の加熱された取付面53に少し埋め込まれて結合される。
実施の形態3で使用される補強部材310は、実施の形態1における1つの補強部材30として使用することができ、また実施の形態2における2つの補強部材301、302として使用することができる。
実施の形態4.
図6はこの発明による燃料フィルタの実施の形態4を一部切断して示す側面図、図7は実施の形態4における補強部材を示す斜視図である。
図6はこの発明による燃料フィルタの実施の形態4を一部切断して示す側面図、図7は実施の形態4における補強部材を示す斜視図である。
実施の形態4では、実施の形態1における補強部材30を改良した補強部材320が使用される。この補強部材320は、実施の形態1における補強部材30に比べて、内周側領域35に、複数の燃料通過開口321を形成した点が相違している。その他は、実施の形態1における補強部材30と同様に構成される。補強部材320の内周側領域35は、内筒40の内筒溝45に嵌め込まれるが、この内筒40の内筒溝45の深さW2よりも深い複数の燃料通過開口321を形成する。この燃料通過開口321は、燃料空間41において、補強部材320を貫通して、燃料の周方向に流通を可能にする効果がある。なお、図7において、ハッチングで示す領域322は、取付面32の端部板状部21aまたは21bが固着される領域である。
実施の形態4における改良された補強部材320は、実施の形態1における補強部材30として使用することができ、また実施の形態2における補強部材301、302として使用することもできる。
実施の形態5.
実施の形態1、2では、フィルタエレメント20、201、202は、パルプにポリエステル樹脂などの樹脂粉末を添加した材料のシートを、菊花状に折曲げて構成したが、実施の形態5では、パルプにポリエステルなどの樹脂繊維を添加したものに、さらに5〜20%のガラス繊維を添加した材料からなる0.4mm以下の厚さのシートで、フィルタエレメント20、201、202を構成する。このガラス繊維をさらに添加したものでは、フィルタエレメントの剛性が向上し、変形し難くなるので、端板51、52の結合時においても、また動作中における燃料による膨潤、自動車の振動および熱サイクル、または燃料の脈動による衝撃による変形または端板との結合部分の損傷をより確実に防止でき、また端板51、52の結合時に、隣接する2つの板状部21が接触するような変形をも、確実に防止できる。
実施の形態1、2では、フィルタエレメント20、201、202は、パルプにポリエステル樹脂などの樹脂粉末を添加した材料のシートを、菊花状に折曲げて構成したが、実施の形態5では、パルプにポリエステルなどの樹脂繊維を添加したものに、さらに5〜20%のガラス繊維を添加した材料からなる0.4mm以下の厚さのシートで、フィルタエレメント20、201、202を構成する。このガラス繊維をさらに添加したものでは、フィルタエレメントの剛性が向上し、変形し難くなるので、端板51、52の結合時においても、また動作中における燃料による膨潤、自動車の振動および熱サイクル、または燃料の脈動による衝撃による変形または端板との結合部分の損傷をより確実に防止でき、また端板51、52の結合時に、隣接する2つの板状部21が接触するような変形をも、確実に防止できる。
この発明による燃料フィルタは、例えば自動車に搭載され、エンジンへガソリンなどの燃料を供給するものとして利用される。
10:フィルタ部材、20、201、202:フィルタエレメント、21:板状部、
21a、21b:端部板状部、22:折曲部、
30、301、302、310、320:補強部材、
31、32:取付面、40:内筒、42:外周面、45、451、452:内筒溝、
51、52:端板。
21a、21b:端部板状部、22:折曲部、
30、301、302、310、320:補強部材、
31、32:取付面、40:内筒、42:外周面、45、451、452:内筒溝、
51、52:端板。
Claims (14)
- 軸線の周りに配置された筒状のフィルタ部材、このフィルタ部材の内周に配置された内筒、および前記フィルタ部材と前記内筒の前記軸線の方向における端部に配置された一対の端板を備え、前記フィルタ部材により燃料をフィルタする燃料フィルタであって、
前記フィルタ部材は、前記軸線の周りに配置された少なくとも1つのフィルタエレメントと、前記軸線の方向に延びて前記フィルタエレメントを保持する少なくとも1つの補強部材とを有し、
前記内筒は、その外周面に前記軸線の方向に延びる内筒溝を有し、
前記補強部材は、前記内筒の内筒溝に嵌め込まれ、
前記フィルタエレメントは、その前記軸線の周りの方向における両周方向端部が、ともに前記補強部材に固着され、
また、前記フィルタエレメントと補強部材は、それぞれの前記軸線の方向における両軸線端部が前記一対の端板に結合されたことを特徴とする燃料フィルタ。 - 請求項1記載の燃料フィルタであって、前記一対の端板は樹脂で作られており、前記フィルタエレメントと前記補強部材のそれぞれの前記軸線の方向における両軸線端部が、それぞれ前記一対の端板に熱溶着されたことを特徴とする燃料フィルタ。
- 請求項1記載の燃料フィルタであって、前記フィルタ部材は、1つの前記フィルタエレメントと、1つの前記補強部材によって構成され、1つの前記フィルタエレメントは、前記軸線の周りにそのほぼ全周に亘って配置され、その両周方向端部が、ともに1つの前記補強部材に固着されたことを特徴とする燃料フィルタ。
- 請求項3記載の燃料フィルタであって、前記フィルタエレメントは、前記軸線の方向に延びる複数の細長い板状部と複数の折曲部を有し、前記各板状部はそれぞれ前記折曲部を介して前記軸線の周りに互いに連続しており、また前記補強部材は、前記軸線の方向に延びる板材で構成されて相対向する第1、第2の取付面を有し、前記第1の取付面には前記フィルタエレメントの一方の周方向端部に位置する前記板状部が、また前記第2の取付面には前記フィルタエレメントの他方の周方向端部に位置する前記板状部が、それぞれ固着されたことを特徴とする燃料フィルタ。
- 請求項3記載の燃料フィルタであって、前記フィルタエレメントは、前記軸線の方向に延びる複数の細長い板状部と複数の折曲部を有し、前記各板状部はそれぞれ前記折曲部を介して前記軸線の周りに互いに連続しており、また1つの前記補強部材は、前記軸線の方向に延びる保持溝を有し、前記フィルタエレメントの両周方向端部に位置する各板状部が、ともに前記保持溝に挿入されて固着されたことを特徴とする燃料フィルタ。
- 請求項1記載の燃料フィルタであって、前記フィルタ部材は、第1、第2の2つの前記フィルタエレメントと、第1、第2の2つの前記補強部材とによって構成され、前記第1、第2の各補強部材は、前記内筒の外周面の互いにほぼ180度隔たった位置に配置され、前記第1、第2の各フィルタエレメントのそれぞれは、前記第1、第2の補強部材の間に前記内筒の外周面のほぼ半周に亘って配置され、また前記第1、第2の各フィルタエレメントは、それぞれの両周方向端部が、前記第1、第2の各補強部材に固着されたことを特徴とする燃料フィルタ。
- 請求項6記載の燃料フィルタであって、前記第1、第2の各フィルタエレメントは、それぞれ前記軸線の方向に延びる複数の細長い板状部と複数の折曲部を有し、前記各板状部はそれぞれ前記折曲部を介して前記軸線の周りに互いに連続しており、また前記第1、第2の各補強部材は、それぞれ前記軸線の方向に延びる板材で構成されて相対向する第1、第2の取付面を有し、前記第1の補強部材の第1の取付面には、前記第1のフィルタエレメントの一方の周方向端部に位置する前記板状部が、前記第1の補強部材の第2の取付面には、前記第2のフィルタエレメントの一方の周方向端部に位置する前記板状部がそれぞれ固着され、また前記第2の補強部材の第1の取付面には、前記第1のフィルタエレメントの他方の周方向端部に位置する前記板状部が、前記第2の前記補強部材の第2の取付面には、前記第2のフィルタエレメントの他方の周方向端部に位置する前記板状部が、それぞれ固着されたことを特徴とする燃料フィルタ。
- 請求項6記載の燃料フィルタであって、前記第1、第2の各フィルタエレメントは、それぞれ前記軸線の方向に延びる複数の細長い板状部と複数の折曲部を有し、前記各板状部はそれぞれ前記折曲部を介して前記軸線の周りに互いに連続しており、前記第1、第2の各補強部材のそれぞれは、前記軸線の方向に延びる保持溝を有し、前記第1の補強部材の保持溝には、前記第1のフィルタエレメントの一方の周方向端部に位置する前記板状部と、前記第2のフィルタエレメントの一方の周方向端部に位置する前記板状部とがともに挿入されて固着され、また前記第2の補強部材の保持溝には、前記第1のフィルタエレメントの他方の周方向端部に位置する前記板状部と、前記第2のフィルタエレメントの他方の周方向端部に位置する前記板状部とがともに挿入されて固着されたことを特徴とする燃料フィルタ。
- 請求項1記載の燃料フィルタであって、前記補強部材は、前記フィルタエレメントの内周側において燃料を通過させる開口を有することを特徴とする燃料フィルタ。
- 請求項1記載の燃料フィルタであって、前記フィルタエレメントは、前記軸線の方向に延びる複数の細長い板状部と複数の折曲部を有し、前記各板状部はそれぞれ前記折曲部を介して前記軸線の周りに互いに連続しており、前記フィルタエレメントは、その両周方向端部に位置する各板状部が、前記内筒の外周面との間に間隙を形成するようにして、前記補強部材に固着されたことを特徴する燃料フィルタ。
- 請求項1記載の燃料フィルタであって、前記フィルタエレメントが、パルプに樹脂粉末を添加した材料に、5〜20%のガラス繊維を添加した材料で構成されたことを特徴とする燃料フィルタ。
- 軸線の周りに配置される少なくとも1つのフィルタエレメントと、このフィルタエレメントを保持する少なくとも1つの補強部材とを有する筒状のフィルタ部材、前記フィルタ部材の内周に配置されその外周面に前記軸線の方向に延びる少なくとも1つの内筒溝を有する内筒、および前記フィルタ部材と前記内筒の前記軸線の方向における両軸線端部に結合される一対の端板を備えた燃料フィルタの製造方法であって、
前記フィルタ部材を組立てる第1工程と、この第1工程の後で前記フィルタ部材に前記内筒を組み付ける第2工程と、この第2工程の後で前記筒状のフィルタ部材と前記内筒に前記一対の端板を結合する第3工程を含み、
前記第1工程では、前記軸線の周りの方向における前記フィルタエレメントの両周方向端部をともに前記補強部材に固着して前記フィルタ部材を組立て、
前記第2工程では、前記補強部材が前記内筒溝に嵌り込むようにして前記フィルタエレメントの内周に前記内筒を組み付け、
前記第3工程では、前記フィルタエレメントと前記補強部材と前記内筒のそれぞれの前記軸線の方向における両軸線端部に前記一対の端板を結合すること
を特徴とする燃料フィルタの製造方法。 - 請求項12記載の燃料フィルタの製造方法であって、前記フィルタ部材は、1つの前記フィルタエレメントと、1つの前記補強部材によって構成され、前記第1工程では、1つの前記フィルタエレメントが、前記軸線の周りにそのほぼ全周に亘って配置され、その両周方向端部が、1つの前記補強部材に固着され、前記フィルタ部材が組立てられることを特徴とする燃料フィルタの製造方法。
- 請求項12記載の燃料フィルタの製造方法であって、前記フィルタ部材は、前記軸線の周りの互いにほぼ180度隔たった位置に配置される2つの前記補強部材と、2つの前記フィルタエレメントとにより構成され、前記第1工程では、2つの前記フィルタエレメントが、ともに2つの前記補強部材の間に、前記軸線の周りにそのほぼ半周に亘って配置され、また2つの前記フィルタエレメントは、それぞれの両周方向端部が、ともに2つの前記補強部材に固着され、前記フィルタ部材が組立てられることを特徴とする燃料フィルタの製造方法。
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