JP2006158773A - 歯間ブラシ用毛材および歯間ブラシ - Google Patents

歯間ブラシ用毛材および歯間ブラシ Download PDF

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【課題】歯間ブラシに使用した場合に、歯間部に挿入しやすく、耐久性、歯間清掃性および歯茎への触感性に優れた歯間ブラシ用毛材および歯間ブラシの提供。
【解決手段】フッ素系樹脂繊維からなり、直径が30〜150μmの範囲にあることを特徴とする歯間ブラシ用毛材およびこの歯間ブラシ用毛材を毛材の少なくとも1部に使用したことを特徴とする歯間ブラシ。
【選択図】図1

Description

本発明は、歯間ブラシに使用した場合に、歯間部に挿入しやすく、耐久性、歯間清掃性および歯茎への触感性に優れた歯間ブラシ用毛材およびこの歯間ブラシ用毛材を使用した歯間ブラシに関するものである。
歯間ブラシは、歯ブラシでは掻き出すことができない歯間部の狭い隙間に溜まった汚れや歯垢を掻き出すことができることから、歯肉炎や歯槽膿漏などの歯周病対策として幅広く使用されている。
一般に歯間ブラシは、通常その歯間ブラシ用毛材として、直径が0.05〜0.13mm程度のナイロン6、ナイロン66、ナイロン612、ナイロン610などのポリアミド系樹脂もしくはポリブチレンテレフタレート製繊維を使用し、これらの繊維の約250〜400本程度を金属ワイヤー間に固定した捻りブラシを、さらに歯間に挿入しやすくするために円筒状や円錐状に毛切り加工したものであるが、そのサイズは歯間ブラシ用毛材の直径やその本数、歯間ブラシの毛切り形状や大きさによって使い分けられている。
しかし、人の歯間部は大変狭く、歯間ブラシはこの狭い隙間を清掃するものであるため、従来のポリアミド系樹脂やポリブチレンテレフタレートからなる毛材では、その耐久性が低く、毛折れを生じやすいことなどの問題を抱えていた。
この問題を解消した歯間ブラシ用毛材としては、ポリトリメチレンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレートからなり、直径が0.05〜0.13mmの歯間ブラシ用毛材(例えば、特許文献1参照)が知られている。しかしながら、この歯間ブラシ用毛材は、従来のポリアミド系樹脂やポリブチレンテレフタレートからなる歯間ブラシ用毛材に比べて耐久性が改善されたものではあるものの、ポリトリメチレンテレフタレートからなる歯間ブラシ用毛材の場合は、その材質が柔らか過ぎるために歯間清掃性に欠け、またポリエチレンテレフタレートからなる歯間ブラシ用毛材の場合は、その材質が硬く、歯表面のエナメル質との滑りが悪いため、歯茎を傷付きけやすいばかりか、歯間部に挿入しにくいなどの問題を抱えていた。
このように、従来の歯間ブラシ用毛材は、歯間部に挿入しやすく、耐久性、歯間清掃性および歯茎への触感性に優れた歯間ブラシが得られにくかったため、これらの効果を併せ持つ歯間ブラシ用毛材の実現が強く望まれていた。
特開2003−102548号公報
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成されたものであり、歯間ブラシに使用した場合に、歯間部に挿入しやすく、耐久性、歯間清掃性および歯茎への触感性に優れた歯間ブラシ用毛材および歯間ブラシの提供を目的とするものである。
上記目的を達成するために本発明によれば、フッ素系樹脂繊維からなり、直径が30〜150μmの範囲にあることを特徴とする歯間ブラシ用毛材が提供される。
なお、本発明の歯間ブラシ用毛材においては、
フッ素系樹脂繊維を構成するフッ素系樹脂がテトラフルオロエチレン系共重合体、特にポリテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体からなること、
フッ素系樹脂繊維を構成するフッ素系樹脂のASTM D3307に準じて測定した溶融粘度が15〜40g/10分の範囲にあること、および、
フッ素系樹脂繊維の直径を繊維軸方向に沿って1.5mm間隔で測定し、連続する2つの測定点nとn+1(nは自然数)における直径DとDn+1の差の絶対値をΔDとした場合の下記式(I)で表されるΔDの常用対数の平均値をM、下記式(II)で表されるΔDの平均値をΔDAVとし、下記式(III)で表される表面凹凸率Sが0.010〜0.040%の範囲にあること、
Figure 2006158773
Figure 2006158773
Figure 2006158773
(但し、kは測定点の総数を表す。)
がいずれも好ましい条件として挙げられ、これらの条件を満たすことによりさらに優れた効果を取得することができる。
また、本発明の歯間ブラシは、上記の条件を満たす歯間ブラシ用毛材を毛材の少なくとも一部に使用したことを特徴とし、特に歯間ブラシ用毛材を金属ワイヤー間に固定した捻りブラシを、円筒状または円錐状に毛切り加工してなる歯間ブラシであることが望ましい。
本発明によれば、以下に説明するとおり、歯間部に挿入しやすく、耐久性、歯間清掃性および歯茎への触感性に優れた歯間ブラシ用毛材が得られ、実際に歯間ブラシに使用した場合には、これらの効果が十分に発揮されて、その実用性は極めて高いものとなる。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明の歯間ブラシ用毛材が、歯間ブラシに使用した場合に、歯間部に挿入しやすく、耐久性、歯間清掃性および歯茎への触感性に優れたものであるためには、フッ素系樹脂繊維からなり、直径が30〜150μmの範囲にあることが必要である。
歯間ブラシ用毛材がフッ素系樹脂以外の繊維からなる場合は、歯表面のエナメル質と歯間ブラシ用毛材を構成する樹脂とが滑りにくく、歯間ブラシ用毛材として適度な硬さ兼ね備えていないため、その毛材を歯間ブラシに使用した場合には、歯間部に挿入しにくく、毛折れや毛の曲がりの発生や歯間清掃性に欠けやすい歯間ブラシとなるために好ましくない。
本発明の歯間ブラシ用毛材となるフッ素系樹脂繊維を構成するフッ素系樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン・フッ化ビニリデン共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン・フッ化ビニリデン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、エチレンクロライド・テトラフルオロエチレン共重合体、フルオロビニルエーテルなどが挙げられ、特にこれらに限定されるものではない。
しかし、歯間ブラシは狭い歯間部の隙間を清掃するものであるため、歯間ブラシに使用する毛材には、毛折れや毛の曲がりが発生しにくく、摩耗しにくいことなどの耐久性が要求される。そこで、中でもそのような要求性能を十分に満たすヘキサフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン・フッ化ビニリデン共重合体などを代表とするテトラフルオロエチレン系共重合体の使用が好ましく、中でも特にポリテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体が好ましく使用される。
ここで、フッ素系樹脂繊維を構成するフッ素系樹脂のASTM D3307に準じて測定した溶融粘度は、15〜40g/10分、特に20〜35g/10の範囲にあることが好ましい。
フッ素系樹脂の溶融粘度が上記範囲を下回る場合には、フッ素系樹脂溶融物を口金孔から溶融押出するに際しメルトフラクチャーが発生しやすくなるばかりか、口金汚れや糸切れも発生しやすくなり、製糸性に不具合を生じることがある。逆に、溶融粘度が上記範囲を上回る場合は、フッ素系樹脂の重合度が低いために、歯間ブラシ用毛材に毛折れや毛の曲がりが発生しやすい傾向が招かれるばかりか、摩耗しやすくなることがある。
なお、本発明の歯間ブラシ用毛材を構成するフッ素系樹脂には、発明の効果を阻害しない範囲であれば、その目的に応じて、各種無機粒子、各種金属粒子および架橋高分子粒子などの粒子類のほか、公知の抗酸化剤、耐光剤、耐侯剤、イオン交換剤、着色防止剤、耐電防止剤、各種着色剤、ワックス類、シリコーンオイル、各種界面活性剤および各種強化繊維類などを適宜任意に添加せしめることもできる。
そして、歯間ブラシ用毛材には、歯間清掃性のほか、使用時の歯茎への触感性も重要視されるため、特に適切な直径が要求される。したがって、本発明の歯間ブラシ用毛材を構成するフッ素系樹脂繊維の直径は、30〜150μm、特に50〜100μmの範囲にあることが必要である。
フッ素系樹脂繊維の直径が上記の範囲を下回る場合は、歯間清掃性の低い歯間ブラシとなりやすく、逆に上記の範囲を上回る場合は、歯茎を傷付けやすい歯間ブラシ用毛材となりやすいために好ましくない。なお、歯間ブラシ用毛材の直径が上記の範囲内であれば、使用する歯間ブラシのサイズに応じて適宜その直径を変更することができるが、さらに歯間部に挿入しやすく、歯間清掃性と歯茎への触感性に優れた歯間ブラシ用毛材を得るには、50〜100μmの範囲であることが好ましい。
ここで、さらに優れた歯間清掃性を得る上では、歯間ブラシ用毛材にある程度の表面凹凸状態を付与することが好ましく、本発明においては、以下に説明する表面凹凸状態を満たすことが好ましい条件として挙げられる。
すなわち、表面凹凸状態は、歯間ブラシ用毛材となるフッ素系樹脂繊維の繊維軸方向の2点間の直径差で表すことが一般的な方法であるが、その直径差の値は、測定箇所によって数百倍から数千倍以上の広い範囲で分布しており、直径差を単に算術平均した場合には、その平均値がブラシ用毛材の本当の表面凹凸状態を表す値であるとは言い難い。
しかるに、本発明においては、下記式(I)を用いて測定点間の直径差の常用対数を平均し、その平均値Mから下記式(II)を用いて測定点間の直径差の平均値ΔDAVを求めた場合に、フッ素系樹脂繊維の表面凹凸状態を適切に表すことができ、その歯間ブラシ用毛材を歯間ブラシに使用した場合の歯間清掃性と歯間ブラシ用毛材の品質を的確に評価することができる。
そして、下記式(III)で表される表面凹凸率Sが0.010〜0.040%、特に0.010〜0.025%の範囲にあることが、さらに高い歯間清掃性を得る上で好ましい。
Figure 2006158773
Figure 2006158773
Figure 2006158773
但し、kは測定点の総数を表す。
表面凹凸率Sが上記の範囲を下回ると、歯間ブラシに使用した場合に歯間清掃性が低くなりやすい傾向となり、逆に、上記の範囲を上回ると、歯間ブラシ用毛材に毛折れや毛の曲がりが発生しやすく、また摩耗しやすくなるなどの品質面での不具合が招かれることがある。
次に、本発明の歯間ブラシ用毛材の製造方法について説明する。
本発明の歯間ブラシ用毛材となるフッ素系樹脂繊維の製造方法については、何ら特殊な製造装置を用いる必要はなく、例えば、エクストルーダー型あるいはメルトプレッシャー型溶融紡糸機を用いることにより製造することができる。
例えば、フッ素系樹脂繊維からなる歯間ブラシ用毛材を製造するに際しては、フッ素系樹脂チップをエクストルーダー型溶融紡糸機に供給し、フッ素系樹脂の融点より20〜100℃高い温度、特に30〜80℃高い温度で溶融混練し、口金孔からフッ素系樹脂の溶融物を押し出す。
ここで、紡糸機の溶融温度が上記の範囲を下回ると、溶融紡糸機内で圧力上昇が発生しやすくなり、製糸性に問題が生じる場合がある。逆に、紡糸機の溶融温度が上記の範囲を上回ると、押し出されるフッ素系樹脂溶融物の溶融粘度が低下するため、メルトフラクチャーが発生しやすくなるばかりか、口金汚れや糸切れも発生しやすくなり、製糸性に問題が生じることがある。
特に、上述した表面凹凸率の範囲を有するフッ素系樹脂繊維を得るためには、フッ素系樹脂溶融物の吐出速度を1つの口金孔当たり0.5〜1.5m/分、さらには0.8〜1.2m/分の条件で吐出せしめることが好ましい。
共重合体溶融物の吐出速度が上記の範囲を下回ると、フッ素系樹脂繊維に適度な表面凹凸を有する歯間ブラシ用毛材が得られにくい傾向となり、逆に、上記の範囲を上回ると、フッ素系樹脂繊維の表面凹凸が大きくなって、毛折れや毛の曲がりが発生しやすく、摩耗しやすい歯間ブラシ用毛材となるばかりか、フッ素系樹脂溶融物を口金孔から溶融押出するに際して、メルトフラクチャー、口金汚れまたは糸切れが発生しやすくなり、製糸性に問題が生じることがある。
そして、上記吐出速度で押し出されたフッ素系樹脂溶融物は、冷却浴中で冷却固化し、続いて、120〜180℃の温度条件下で3.5〜5.5倍に加熱延伸、さらに必要に応じて加熱弛緩処理を施し、巻き取られる。
なお、得られたフッ素系樹脂繊維には、その繊維軸方向に波形状を付与することもでき、波形状を付与することによって、さらに歯間清掃性や触感性に優れた歯間ブラシの取得が期待できる。ここで波形状を付与する方法としては、公知の方法、例えば、1対からなる所定形状のギヤの間にフッ素系樹脂繊維を通過させて波形状を付与するなどの方法が挙げられる。
そして、巻き取られたフッ素系樹脂繊維は歯間ブラシ用途に応じた長さにカットされ、歯間ブラシ用毛材として使用される。
なお、本発明の歯間ブラシ用毛材を構成するフッ素系樹脂繊維の繊維軸方向と垂直な断面形状としては、円形、中空、扁平、正方形、半月状、三角形、5角以上の多角形、多葉状、ドックボーン状、および繭型などが挙げられ、特に円形以外の異形断面形状を有する歯間ブラシ用毛材を使用した場合には、さらに高い歯間清掃性を有する歯間ブラシの取得が期待でき、芯鞘複合型のフッ素系樹脂繊維からなる歯間ブラシ用毛材を使用した場合には、芯部と鞘部にそれぞれことなるフッ素系樹脂を使用することにより、さらに特異的な触感性を有する歯間ブラシの取得が期待できる。
また、得られた歯間ブラシ用毛材の少なくとも片端部を尖鋭状に加工することにより、一層優れた歯間清掃性や触感性を有する歯間ブラシの取得も期待できる。
さらに、本発明の歯間ブラシ用毛材の表面および/または内部に抗菌作用を有する物質を付着および/または含有せしめることにより、歯間ブラシに抗菌効果を取得することもできる。ここで抗菌作用を有する物質としては、例えば、銀イオンを担持させたリン酸塩系、ゼオライト系、ヒドロキシアパタイト系抗菌剤のほか、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、リン酸亜鉛、硝酸亜鉛、炭酸亜鉛、酢酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、クエン酸亜鉛、フマル酸亜鉛、ギ酸亜鉛などの亜鉛化合物、ベンゼトニウム、ベンザルコニウム、セチルピリジウム、クロルヘキシジンなどのカチオン系抗菌剤、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレート、エピカテキン、エピカテキンガレートなどの茶カテキン、アナターゼ型またはルチル型二酸化チタンなどの光触媒などが挙げられる。
このようにして得られた歯間ブラシ用毛材は、公知の製造方法により歯間ブラシとして加工される。例えば捻りブラシ型の歯間ブラシの場合は、中央で2つ折りにして松葉状にしたステンレス、チタン、チタン合金、コバルトクロム、ニッケルクロム、鉄、銅、アルミニウムなどの金属ワイヤー、またはプラスチック線の屈曲部から順次に数百本、例えば250〜400本の歯間ブラシ用毛材を挟み込み、金属ワイヤーまたはプラスチック線を撚ることによって歯間ブラシ用毛材を螺旋状かつ放射状に広げ、これを柄部材に埋設し、さらに歯間に挿入しやすくするために、ブラシ部を円筒状または円錐状に毛切りすることにより、本発明の歯間ブラシが得られる。
以上、説明したとおり、本発明の歯間ブラシ用毛材は、歯間ブラシに使用した場合に、歯間部に挿入しやすく、耐久性、歯間清掃性および歯茎への触感性に優れたものとなるから、その実用性は極めて高いものとなる。また、本発明の歯間ブラシ用毛材は、捻りブラシ型歯間ブラシのみならず、糸楊枝型の歯間清掃具にも応用できるものである。
以下、本発明の歯間ブラシ用毛材について、実施例を挙げて詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に何ら限定されるものではない。
なお、実施例および比較例における歯間ブラシ用毛材の諸物性および歯間ブラシの実用評価については以下の通り行った。
また、各評価で使用した歯間ブラシとしては、中央で2つ折りにして松葉状にした直径0.2mmのNi−Cu系合金ワイヤーに、長さ10mmの歯間ブラシ用毛材を300本挟み込んだ後、Ni−Cu系合金ワイヤーを撚り数22回/cmで撚り、低密度ポリエチレン製の柄部材に埋設し、さらにブラシ部を円錐状に毛切りしたもの使用した。
〔表面凹凸状態の評価および直径〕
歯間ブラシ用毛材となる繊維の直径の測定方法と表面凹凸状態を表す表面凹凸率Sの求め方について図1に従って説明する。
Anritsu社製 KL506A SLB DIA MEASURING SYSTEMを用いて、速さ15mm/秒で走行する糸長1mの繊維1の直径を繊維軸方向に沿ってL=1.5mmの一定間隔で測定し、測定点n(nは自然数)における直径をDとした。
次に、一定間隔L=1.5mmの連続する2つの測定点nとn+1における直径DおよびDn+1の差の絶対値ΔDを求め、下記式(I)を用いてΔDの常用対数の平均値Mを算出した。次に、下記式(II)を用いてΔDの平均値ΔDAVを算出し、さらに下記式(III)を用いて表面凹凸率Sを求めた。なお、下記式(III)の分子側(括弧内)の式は、測定点の直径の算術平均値であり、繊維の直径を表す。この表面凹凸率の値が大きいほど繊維の表面凹凸が大きいことを示す。
Figure 2006158773
Figure 2006158773
Figure 2006158773
但し、kは測定点の総数を表す。
〔溶融粘度、相対粘度、固有粘度〕
フッ素系樹脂の溶融粘度(単位:g/10分)の測定については、ASTM D3307に準じて測定した。また、ポリアミド系樹脂の相対粘度ηrについては、JISK6810に準じて、濃度98%の濃硫酸25cc中にポリアミド系樹脂0.25gを溶かした溶液を、25℃の温度条件下でオストワルド粘度管を使用して測定した。さらに、ポリエステル系樹脂の固有粘度IVについては、濃度98.5%のオルトクロロフェノール25ml中にポリエステル系樹脂2.0gを溶かした溶液の還元粘度を、25℃の温度条件下でオストワルド粘度管を使用して測定し、求めた還元粘度を濃度に対してプロットして得られる直線を濃度0に外挿したときの還元粘度の値とした。
〔歯間清掃性〕
10mm立方のアクリル板の上表面に幅0.5mm、高さ5mmの溝を設けた擬似歯モデルを作成し、溝の内表面一体に歯垢染色液(プラークチェック液)を均一に付着させた。そして、作成した歯間ブラシを溝に挿入し、振幅長30mm、かつ振幅速度60往復/分の条件で3分間ブラッシングを行い、その後、ブラッシングにより除去された歯垢染色液の様子を(株)KEYENCE社製デジタルHDマイクロスコープVH−7000を使用して観察した。そして、観察結果から、次の3段階で評価を行った。
1・・・歯垢染色液が残っておらず、完全に除去されていた、
2・・・歯垢染色液が若干残っていたが、ほぼ除去されていた、
3・・・歯垢染色液が多く残っており、完全に除去されていなかった。
〔耐久性〕
上記の歯間清掃性評価における評価と同じ条件、かつ擬似歯モデルを使用して、10分間ブラッシングを行ない、その後の歯間ブラシ用毛材の毛折れや毛の曲がりなどの有無について、(株)KEYENCE社製デジタルHDマイクロスコープVH−7000を使用して観察し、次の3段階で評価を行った。
1・・・毛折れや毛の曲がりが見当たらなかった、
2・・・曲がった毛が多少見られたが、毛折れは無かった、
3・・・毛折れや毛の曲がりが多く見られた。
〔実用評価〕
20名のモニターに実際に歯間ブラシを使用してもらい、歯間部への挿入のしやすさや歯茎への触感性について、次の5段階で評価を行った。
1・・・歯間部への挿入に優れ、歯茎への感触も至って良好であった、
2・・・歯間部に挿入しやすく、歯茎への触感も良好であった、
3・・・歯間部への挿入に問題はなく、歯茎への刺激もなかった、
4・・・歯間部への挿入に問題はないが、歯茎への刺激がやや残った、
5・・・歯間部への挿入がしにくく、歯茎にも強い刺激を感じた。
〔実施例1、4〕
テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂ペレット(旭硝子(株)社製、P−62XP、溶融粘度30.2g/10分)をφ30mmのエクストルーダー型溶融紡糸機に供給し、380℃の温度で溶融混練した後、表1に示す吐出速度で口金孔から溶融物を押し出し、50℃の温水中に導き冷却固化した。引き続き、冷却固化した未延伸糸を150℃の乾熱熱風中で4.5倍に延伸し、さらに0.85倍に加熱弛緩処置を施し、直径約80μmのフッ素系樹脂繊維を得た。フッ素系樹脂繊維の各物性結果および歯間ブラシに使用した場合の各評価結果を表1に示す。
〔実施例2〕
フッ素系樹脂繊維の直径を約130μmに変更したこと以外は、実施例1と同じ条件でフッ素系樹脂繊維を得た。フッ素系樹脂繊維の各物性結果および歯間ブラシに使用した場合の各評価結果を表1に示す。
〔実施例3〕
溶融粘度18.0g/10分のテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂ペレット(ダイキン工業(株)社製、AP−210)を使用したこと以外は、実施例1と同じ条件でフッ素系樹脂繊維を得た。フッ素系樹脂繊維の各物性結果および歯間ブラシに使用した場合の各評価結果を表1に示す。
〔実施例5〕
溶融粘度3.0g/10分のテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂ペレット(旭硝子(株)社製、P−66P)を使用し、吐出速度を1.32m/分に変更したこと以外は、実施例1と同じ条件でフッ素系樹脂繊維を得た。フッ素系樹脂繊維の各物性結果および歯間ブラシに使用した場合の各評価結果を表1に示す。
〔実施例6〕
エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体樹脂ペレット(ダイキン工業(株)社製、フルオンETFE−C88AXP、溶融粘度28.5g/10分)をφ30mmのエクストルーダー型溶融紡糸機に供給し、290℃の温度で溶融混練した後、口金孔から吐出速度1.24m/分で溶融物を押し出し、50℃の温水中に導き冷却固化した。引き続き、冷却固化した未延伸糸を150℃の乾熱熱風中で4.8倍に延伸し、さらに0.95倍に加熱弛緩処置を施し、直径約50μmのフッ素系樹脂繊維を得た。フッ素系樹脂繊維の各物性結果および歯間ブラシに使用した場合の各評価結果を表1に示す。
〔実施例7〕
溶融粘度10.5g/10分のエチレン・テトラフルオロエチレン共重合体樹脂ペレット(ダイキン工業(株)社製、フルオンEP−521)を使用したこと以外は、実施例6と同じ条件でフッ素系樹脂繊維を得た。フッ素系樹脂繊維の各物性結果および歯間ブラシに使用した場合の各評価結果を表1に示す。
〔比較例1〕
ナイロン610樹脂ペレット(東レ(株)社製、M2001、ηr=2.1)を、φ30mmのエクストルーダー型溶融紡糸機に供給し、280℃の温度で溶融混練した後、口金孔から吐出速度8.93m/分で溶融物を押し出し、20℃の温水中に導き冷却固化した。引き続き、冷却固化した未延伸糸を温水および乾熱熱風中で4.6倍に延伸し、さらに0.95倍に加熱弛緩処置を施し、直径約80μmのポリアミド系脂繊維を得た。ポリアミド系樹脂繊維の各物性結果および歯間ブラシに使用した場合の各評価結果を表1に示す。
〔比較例2〕
ポリエチレンテレフタレート樹脂ペレット(東レ(株)社製、T701T、IV値1.21)を、φ30mmのエクストルーダー型溶融紡糸機に供給し、300℃の温度で溶融混練した後、口金孔から吐出速度9.80m/分で溶融物を押し出し、70℃の温水中に導き冷却固化した。引き続き、冷却固化した未延伸糸を温水および乾熱熱風中で5.4倍に延伸し、さらに0.98倍に加熱弛緩処置を施し、直径約80μmのポリエステル系樹脂繊維を得た。ポリエステル系樹脂繊維の各物性結果および歯間ブラシに使用した場合の各評価結果を表1に示す。
〔比較例3、4〕
フッ素系樹脂繊維の直径を表1に示す通りに変更したこと以外は、実施例1と同じ条件でフッ素系樹脂繊維を得た。フッ素系樹脂繊維の各物性結果および歯間ブラシに使用した場合の各評価結果を表1に示す。
Figure 2006158773
表1から明らかなように、フッ素系樹脂繊維からなり、直径が本発明の条件を満たす歯間ブラシ用毛材(実施例1〜7)を使用した歯間ブラシは、歯間部に挿入しやすく、耐久性、歯間清掃性および歯茎への触感性に優れたものであった。
これに対し、本発明の条件を満たさない歯間ブラシ用毛材(比較例1〜4)を使用した歯間ブラシは、これらの効果が得られにくく、例えば、ポリアミド系樹脂からなる歯間ブラシ用毛材(比較例1)を使用した歯間ブラシは、歯間清掃性および耐久性が低いばかりか、歯間部への挿入のしやすさに欠け、ポリエステル系樹脂からなる歯間ブラシ用毛材(比較例2)を使用した歯間ブラシは、歯間清掃性および耐久性が低いばかりか、特に歯茎への触感性に欠け、直径が本発明の条件を満たさない歯間ブラシ用毛材(比較例3、4)を使用した歯間ブラシは、清掃性が低いばかりか、歯間部への挿入のしやすさに欠け、また歯茎への触感性に欠けたものであった。
本発明の歯間ブラシ用毛材は、歯間ブラシに使用した場合に、歯間部に挿入しやすく、耐久性、歯間清掃性および歯茎への触感性に優れたものとなる。そして、実際に歯間ブラシに使用した場合には、これらの効果が十分に発揮されて、その実用性は極めて高いものとなる。
フッ素系樹脂繊維の直径と表面凹凸状態の評価方法の説明図である。
符号の説明
1 フッ素系樹脂繊維
n n番目の測定点(自然数)
n番目の測定点における直径
L 連続する測定点間の距離(1.5mm)

Claims (7)

  1. フッ素系樹脂繊維からなり、直径が30〜150μmの範囲にあることを特徴とする歯間ブラシ用毛材。
  2. 前記フッ素系樹脂繊維を構成するフッ素系樹脂がテトラフルオロエチレン系共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の歯間ブラシ用毛材。
  3. 前記フッ素系樹脂繊維を構成するフッ素系樹脂がポリテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の歯間ブラシ用毛材。
  4. 前記フッ素系樹脂繊維を構成するフッ素系樹脂のASTM D3307に準じて測定した溶融粘度が15〜40g/10分の範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の歯間ブラシ用毛材。
  5. 前記フッ素系樹脂繊維の直径を繊維軸方向に沿って1.5mm間隔で測定し、連続する2つの測定点nとn+1(nは自然数)における直径DとDn+1の差の絶対値をΔDとした場合の下記式(I)で表されるΔDの常用対数の平均値をM、下記式(II)で表されるΔDの平均値をΔDAVとし、下記式(III)で表される表面凹凸率Sが0.010〜0.040%の範囲にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の歯間ブラシ用毛材。
    Figure 2006158773
    Figure 2006158773
    Figure 2006158773
    但し、kは測定点の総数を表す。
  6. 請求項1〜5に記載のいずれか1項に記載の歯間ブラシ用毛材を毛材の少なくとも一部に使用したことを特徴とする歯間ブラシ。
  7. 前記歯間ブラシ用毛材を金属ワイヤー間に固定した捻りブラシを、円筒状または円錐状に毛切り加工してなることを特徴とする請求項7に記載の歯間ブラシ。
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