JP2006156894A - 圧電アクチュエータ、圧電ポンプ及びインクジェットヘッド - Google Patents

圧電アクチュエータ、圧電ポンプ及びインクジェットヘッド Download PDF

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Abstract

【課題】変形特性が低下したり、制御不能となるのを防止した圧電アクチュエータ、並びにこれを用いた圧電ポンプ及びインクジェットヘッドを提供することにある。
【解決手段】圧電セラミック層5と内部電極層4と振動板2とがこの順で積層された積層体における前記圧電セラミック層5の主面に表面電極6を形成し、前記振動板2の主面及び側面に電界遮断用導電層9,9bとして導電性DLC膜を形成し、該電界遮断用導電層9,9bを前記内部電極層4と電気的に接続した圧電アクチュエータである。インクジェットヘッドは、この圧電アクチュエータ1と、インク供給路及びインク吐出口8に連通してなるインク加圧室3aが設けられたインク流路部材3とを備え、前記圧電アクチュエータ1の電界遮断用導電層9が前記インク加圧室3aの壁面の一部を構成すると共に、前記圧電アクチュエータ1の振動によってインク流路部材3からインクを吐出するようにしている。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧電アクチュエータ、圧電ポンプ及びインクジェットヘッドに関し、特に液体加圧機構として圧電アクチュエータを利用する圧電ポンプ、医療用ポンプ、インクジェットヘッド、携帯用燃料電池などの小型の微量液体供給装置に好適な圧電アクチュエータ、並びにこれを用いた圧電ポンプ及びインクジェットヘッドに関する。
近年、各種装置の小型化及び高精度化に伴い、微細な制御や応答を可能とする各種圧電アクチュエータの利用が拡大している。
このような微細な圧電アクチュエータの例として、インクジェット方式の記録ヘッド、例えば、図2(a),(b)に示すような記録ヘッドを例示できる。即ち、この記録ヘッドでは、圧電アクチュエータ31が、インク流路部材33に接合されている。圧電アクチュエータ31は、振動板32の上に、内部電極層34(共通電極層)、圧電体層35及び表面電極層36(個別電極層)を順次積層してなる複数の変位素子37を設けてなり、流路部材33は、流路壁33aに隔てられて形成されるインク加圧室33bと、該インク加圧室33bにそれぞれ連通するインク吐出孔38等を形成し、各インク室33bに対応する変位素子37がその位置を揃えて配置している(特許文献1を参照)。
そして、圧電アクチュエータ31の表面電極層36と、内部電極層34との間に電圧を印加すると、変位領域37aの部位がインク加圧室33b側に変形する。このように変位素子37を変形させることによって、インク加圧室33bの体積を変化させ、インク吐出孔38よりインク滴を吐出させる。
このような変位は、表面電極層36と対向する共通電極層34との間に電圧を作用させることにより、表面電極36直下の圧電体層35が共通電極層34と平行な面内方向に収縮し、変位素子37を構成する圧電体層35とその周囲の圧電体層35bの収縮差によって、表面電極層36、圧電体層35及び共通電極層34と共に振動板32が屈曲変形するものである。
特開平11−34321号公報
しかしながら、図2に示す従来の圧電アクチュエータでは、表面電極層36に駆動電圧信号を印加及び解除した際に、共通電極層34にも電流が流れ、圧電体層35と、インク流路部材33及びインク加圧室33b内に充填されたインクとの間に瞬間的に電位差が生じ、電位差が著しく大きい場合には振動板32(圧電体の場合)が分極されて、変位素子37の充放電に伴って変形する。
このように、振動板32が分極されると、圧電体層35と共に振動板32が収縮するために、圧電体層35と振動板32の収縮差が減少し、変位素子37の屈曲変形が減少するという問題があった。
このような問題を解決するために、振動板32を厚くして、振動板32に作用する電界を弱めることにより、振動板32が分極される危険性を低くすることは可能であるが、振動板32が厚くなることにより変位素子37の屈曲変形を阻害するという問題があった。
そこで、本発明の目的は、変形特性が低下したり、制御不能となるのを防止した圧電アクチュエータ、並びにこれを用いた圧電ポンプ及びインクジェットヘッドを提供することにある。
上記課題を解決するための本発明の圧電アクチュエータは以下の構成からなる。
(1)少なくとも圧電セラミック層と内部電極層と振動板とがこの順で積層された積層体における前記圧電セラミック層の主面に表面電極を形成し、前記振動板の主面に導電性ダイヤモンドライクカーボン(以下、DLCという)膜からなる電界遮断用導電層を形成してなり、該電界遮断用導電層が、前記内部電極層と電気的に接続されていることを特徴とする圧電アクチュエータ。
(2)前記電界遮断用導電層と前記内部電極層とが、前記積層体の側面に設けた電気配線によって接続されていることを特徴とする上記(1)記載の圧電アクチュエータ。
(3)前記電界遮断用導電層と前記内部電極層とが、前記積層体の内部に設けた電気配線によって接続されていることを特徴とする上記(1)記載の圧電アクチュエータ。
(4)前記電界遮断用導電層の厚さが0.1〜10μmである上記(1)〜(3)のいずれかに記載の圧電アクチュエータ。
(5)前記内部電極層が前記圧電セラミック層と交互に積層された複数の層からなり、電界遮断用導電層が複数の内部電極層のうち少なくとも1層と電気的に接続されている上記(1)〜(4)のいずれかに記載の圧電アクチュエータ。
(6)少なくとも圧電セラミック層と内部電極層と振動板とがこの順で積層された積層体における前記圧電セラミック層の主面に表面電極を形成し、前記振動板の主面及び側面に電界遮断用導電層として導電性DLC膜を形成し、該電界遮断用導電層を前記内部電極層と電気的に接続したことを特徴とする圧電アクチュエータ。
(7)前記導電性DLC膜の体積固有抵抗が107Ωcm以下であることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の記載の圧電アクチュエータ。
(8)前記電界遮断用導電層の表面に保護膜を設けてなることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の圧電アクチュエータ。
(9)前記保護膜層の厚みが0.1〜5μmであることを特徴とする上記(8)に記載の圧電アクチュエータ。
また、本発明の圧電ポンプは、液体供給路及び液体排出路に連通してなる液体加圧室が設けられた液体流路部材に、前記圧電アクチュエータの電界遮断用導電層が前記液体加圧室の壁面の一部を構成するように上記(1)〜(9)のいずれかに記載の圧電アクチュエータを配置してなることを特徴とする。
本発明のインクジェットヘッドは、上記(1)〜(9)のいずれかに記載の圧電アクチュエータと、インク供給路及びインク吐出口に連通してなるインク加圧室が設けられたインク流路部材とを備え、前記圧電アクチュエータの電界遮断用導電層が前記インク加圧室の壁面の一部を構成すると共に、前記圧電アクチュエータの振動によってインク流路部材からインクを吐出するようにしたことを特徴とする。
なお、本発明における内部電極層とは、圧電アクチュエータの内部に形成されているもので、圧電体層の内部であっても、また圧電体層と振動板の境界部であっても、さらには、振動板の内部であってもよい。内部電極層が複数ある場合には、いずれの内部電極層であっても良いが、振動板の分極を抑制するには、特に、電界遮断用導電層に最も近い内部電極層であるのが良い。
本発明の圧電アクチュエータは、圧電セラミック層と内部電極層との積層体における一方の主面に表面電極を形成し、他方の主面に導電性DLC膜からなる電界遮断用導電層を形成すると共に、該導電性DLC膜を前記圧電アクチュエータの側面等にも形成するなどして、該側面に設けられた内部電極層の端部と電気的に連結することにより、電界遮断用導電層と前記内部電極層とを電気的に等電位とすることによって、(a)圧電アクチュエータの表面、即ち電界遮断用導電層の表面にイオンを含有する水分が付着した場合においても、内部電極層までイオンが移動することを防ぎ、内部電極の剥離に伴う破損を防ぐことができ、また(b)振動板32が分極されるのを防止することができるので、圧電体層35と共に振動板32が収縮するのを抑制でき、変位素子37の屈曲変形が低下したり、制御不能となるのを防止することができる。
本発明の圧電ポンプ及びインクジェットヘッドは、上記圧電アクチュエータを備えているので、インクなどの液体の吐出性能に優れているという効果がある。
図1は本発明の実施形態にかかる圧電アクチュエータ及びこれを用いたインクジェットヘッドの一例を示す断面図である。本発明の上記実施形態を示す平面図は図2(b)と同様であるため省略する。
本発明の圧電アクチュエータ1を用いたインクジェットヘッドは、内部にインク供給路(不図示)及びインク吐出孔8に連通してなるインク加圧室3a(液体加圧室)が設けられたインク流路部材3(液体流路部材)上に、圧電アクチュエータ1を搭載して成るものである。
上記圧電アクチュエータ1は、振動板2の一面に電界遮断用導電層9を形成し、振動板2の他面には、内部電極層4、圧電セラミック層5をこの順に積層しており、さらに圧電セラミック層5の表面には、駆動部(図1の6に相当)と接続部(不図示)とから成る表面電極6を複数形成し、表面電極6と、該表面電極6と対向する部位の内部電極層4と、その間に挟まれた圧電セラミック層5とで変位素子7を形成する。
また、電界遮断用導電層9は、圧電アクチュエータ1の表面、即ち振動板2の表面を被覆しており、さらに振動板2の側面も電界遮断用導電層9bで被覆し、さらに、電界遮断用導電層9bは内部電極層4に接続されている。これによって電界遮断用導電層9は、内部電極層4と電気的に接続されている。
また、インク流路部材3に設けられた複数の各加圧室3aは、圧電アクチュエータ1の各変位素子7と位置を揃えて、一体として設けており、表面電極6の接続部(不図示)と内部電極層4は配線回路の配線を介して、それぞれ駆動電圧信号を供給するドライブ回路(不図示)とグランド電位に接続されている。
上記圧電アクチュエータ1において、上記圧電セラミック層5及び振動板2としてはチタン酸ジルコン酸鉛等を主成分とする圧電材料が使用可能である。内部電極層4としては例えば銀、白金、銅、パラジウム又はこれらを主成分とする合金等からなり、表面電極6の駆動部としては例えば金、銀、アルミニウム、パラジウム、ニッケル、クロム等からなり、接続部としては例えば金、銀、アルミニウム等からなる。
特に、本発明によれば、電界遮断用導電層9は導電性DLC膜で構成される。この導電性DLC膜は体積固有抵抗が107Ωcm以下であるのが好ましく、これにより内部電極層4と電界遮断用導電層9との間に電流が流れやすくなり、電位差によるマイグレーションが発生しにくくなる。
さらに絶縁性を高めるために、電界遮断用導電層9の表面(即ち振動板2と反対側の外表面)に保護膜(不図示)を設けてもよい。このような保護膜としては、例えばエポキシ樹脂、ポリイミドなどの有機膜、シリカなどの無機膜が使用可能であり、有機膜は塗布などによって、無機膜はCVD法などによって電界遮断用導電層9の表面に形成することができる。かかる保護膜は厚みが0.1〜5μmであるのが適当である。
さらに上記流路部材3としては、例えばステンレス、シリコンなどの金属やポリイミドなどの樹脂からなる薄層部材にエッチング、型による打ち抜き又はレーザー等による加工を施して流路を形成したものを積層して形成する。
本発明の圧電アクチュエータ1では、接続部(不図示)にはんだ接合やワイヤーボンディングにより結線した配線を通じて変位素子7を変形させる電圧信号を印加するが、圧電セラミック層5への電荷の充放電によって内部電極層4において電流が流れても、振動板2の一面に電界遮断用導電層9を形成し、圧電アクチュエータ1の端面を介して内部電極2に接合することにより、振動板2の両面が導通して等電位となっていることから電界が作用しなくなり、流路部材12を構成する金属部材や加圧室3aの内部に充填された液体と内部電極層4に電位差が生じた場合でも、振動板2の欠陥や粒界を介して、内部電極層4に水分が到達し、マイグレーションが発生することを防ぐことができる。
なお、圧電アクチュエータ1の振動板2が厚い場合など、端面を介して内部電極層4と電界遮断用導電層9の導通をとることが困難な場合、振動板2を貫通して表面に達する電極材を内部に充填したビアホール等を介して、電界遮断用導電層9と導通をとることにより同様の効果が得られる。
次に、図1(a)(b)に示す圧電アクチュエータとこれを用いたインクジェット記録ヘッドの製造方法について説明する。
まず、引き上げ法やドクターブレード法によって、圧電セラミック層5及び振動板2となる厚み10〜60μm程度の圧電セラミックのグリーンシートを、それぞれ離型剤を塗布したポリエチレンテレフタレート(以下PETと称する)フィルムや紙等の支持体上に成形し、上記グリーンシートと共に所定の寸法に裁断する。次に、裁断されたグリーンシートの半数には内部電極層4となる金属ペーストをスクリーン印刷法によって形成し、不要部を金型による打ち抜き加工によって開口する。なお、金属ペーストとしては、銀、パラジウム、白金、銅の微粉末又はこれらの微粉末を混ぜたものを樹脂及び溶媒と共に混合したものを用いる。
裁断された上記グリーンシートの残りの半数と、上記内部電極層4を形成したグリーンシートとを積層して、振動板2、内部電極層4と圧電セラミック層5となる積層体を形成する。
上記グリーンシートを積層するにあたっては、60〜100℃の温度で3〜10MPaの圧力で熱圧着するようにすれば良い。
次いで、上記積層体を300℃の温度で脱脂した後、900〜1100℃の温度で焼成することにより焼結一体化する。しかる後、上記積層体の表面に所定のパターンで金属ペースト膜をスクリーン印刷法にて形成し、これを600〜800℃の温度で焼き付けて厚み0.1〜2μmの表面電極6の駆動部を形成する。
次に、圧電セラミック層5の除去部から露出した内部電極層2の一部と、上記表面電極6の駆動部3と接触する部位とに、所定のパターンで金属ペースト膜をスクリーン印刷法にて形成し、これを500〜700℃で焼きつけることにより接続部(不図示)を形成する。
本発明では、上記積層体において、振動板2の表面に導電性DLC膜を具備することが重要である。DLCは導電性を有するとともに、耐食性に優れるため、インクの種類を選ばず使用することができ、寿命も長い。導電性DLC膜は、酸やアルカリの溶液と接触しても耐食性に優れるため、特に、腐食性の強い液体やインクに対して使用することができ、振動板2などを液体やインクから化学的に保護することができる。
ここで、導電性DLC膜とは、その体積固有抵抗が109Ωcm以下であることを意味するものであり、特に、107Ωcm以下、更には105Ωcm以下であることが、除電効果を効果的に発揮する点で好ましい。
また、導電性DLC膜の厚みは、共通電極と流路部材との間、または共通電極とインクとの間に発生する電位差を低減するため、0.1〜10μm、特に、コスト、耐食性及び寿命を考慮すれば0.3〜5.0μmであるのが好ましい。
このような導電性DLC膜を形成する方法は特に限定されるものではなく、例えば、周知の薄膜作製技術、例えば、イオンプレーティング、スパッタリングなどのPVD法、プラズマCVDなどのCVD法を用いれば良い。
この後、エッチングや金型による打ち抜きによって、加圧室3a及び液体吐出口11等をそれぞれ形成した厚み30〜100μm程度の金属箔の積層体からなるインク流路部材12上に、インク加圧室3aと上記圧電アクチュエータ1の表面電極6の駆動部とを位置を揃えて接着等によって接合し、変位素子7の接続部(不図示)に、グランド及び駆動信号配線をそれぞれ形成したフレキシブル回路を接合することにより、本発明のインクジェット記録ヘッド20ができる。
なお、本発明の圧電アクチュエータ1は、インクジェット記録ヘッドへの適用に限定されるものではなく、圧電ポンプ、医療用ポンプ、インクジェットヘッド、携帯用燃料電池などの小型の微量液体供給装置に使用するのに好適であり、例えば、圧電ポンプは液体供給路及び液体排出路に連通してなる液体加圧室が設けられた液体流路部材に、前記圧電アクチュエータの電界遮断用導電層が前記液体加圧室の壁面の一部を形成するように本発明の圧電アクチュエータを配置して構成される。
以上、本発明の実施形態について示したが、本発明は上述した実施形態だけに限らず、例えば圧電セラミック層5を複数層からなる積層体としたりする等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更や改良したものにも適用できることは言うまでもない。
以下、実施例を挙げて本発明の圧電アクチュエータを詳細に説明する。
図1に示す圧電アクチュエータを用いたインクジェット記録ヘッドを製作した。まず、粒径が0.5〜3.0μmのチタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする圧電セラミック粉体に対し、アクリル系樹脂エマルジョン、純水、平均粒径が10mmのナイロンボールを添加してボールミルで30時間混合し、得られたスラリーを用いて引き上げ法により厚み30μmのPETフィルム上に、圧電セラミック層5及び振動板2となる厚み35〜37μmのグリーンシートを成形した。
次に、得られたグリーンシートをPETフィルムと共に50×50mmに裁断して2枚1組に分類した後、2枚1組のうち1枚のグリーンシートの略全面には共通電極層2となる金属ペーストを、スクリーン印刷法によって印刷し、残りの1枚のグリーンシートには金属ペーストを印刷しないで、各グリーンシート及び金属ペーストを防爆型の乾燥機を用いて50℃で20分間乾燥させた。
なお、金属ペーストには、平均粒径が2〜4μmの銀粉末とパラジウム粉末を7対3の比率で混合したものを用いた。
そして、上記金属ペーストを印刷した面に、他の1枚のグリーンシートの位置を揃えて重ねあわせた後、60℃の温度で5MPaの圧力を加えながら60秒間保持することにより熱圧着してグリーンシートの積層体を形成した。しかる後、予め形成したスルーホール内に金属ペーストを充填し、乾燥機中で100〜300℃まで毎時8℃の昇温レートで25時間で加熱して脱脂した後、室温まで冷却し、さらに焼成炉でピーク温度1100℃で2時間保持して焼成し、振動板2、内部電極層4および圧電セラミック層5からなる積層圧電セラミック板を得た。
次に、上記積層圧電セラミック板における圧電セラミック層5の表面に、表面電極6の駆動部3を金属ペーストで印刷し、ピーク温度800℃の連続炉を30分で通過させて焼き付けし、次に接続部(不図示)を所定位置に印刷してピーク温度600℃の連続炉を30分で通過させて形成した後、ダイシングソーで外辺を切断して外形を33mm×12mmに揃えた。
しかる後、表面電極6を形成した面を基台に対向させて設置し、上記積層圧電セラミック板の振動板2側の表面と側面を開放した状態でCVD装置に投入し、振動板表面から端面にかけて厚み1〜3μmのDLC膜からなる電界遮断用導電層9を形成し、圧電アクチュエータ1を作製した。
なお、上記圧電アクチュエータ1には254μmピッチで1列あたり90個の表面電極6を長手方向に平行に4列にわたって形成している。
一方、長さ2mm、幅0.18mmのインク加圧室3aを、金型プレスを用いた打ち抜き加工によって形成した厚み100μmのステンレス箔の表面にスパッタリングによって厚み1.0μmの窒化珪素膜を低誘電率層として形成し、さらに該加圧室3aに連通する流路及び液体吐出口8をそれぞれエッチングや金型プレスを用いた打ち抜き加工によって形成した厚み100μm及び40μmのステンレス箔を接着剤を介して貼り合わせることによりインク流路部材3を形成した。
次に、上記圧電アクチュエータ1と、流路部材3とを接着剤によって接合し、しかる後、フレキシブル回路の接点上のハンダを表面電極接続部(不図示)で加圧しながら溶着させて接合することによりインクジェット記録ヘッドを得た。
得られたインクジェットヘッドにそれぞれインクを導入し、配線基板を介して駆動信号電圧を印加することにより全変位素子7を駆動してインク滴を5億回連続吐出させた。その後、各ヘッドを分解し、圧電アクチュエータ1の端面において電界遮断用導電層9と内部電極層4との接続をレーザーによって切断し、内部電極層4と電界遮断用導電層9との間の電気抵抗を測定した。測定結果を表1に示す。なお、比較のため、振動板の側面(端面)にDLC膜を形成しなかった場合についても、同様にして電気抵抗を測定した。また、圧電セラミック層の電気抵抗の値も表1に示す。
Figure 2006156894
以上のように、電界遮断用導電層9として固有体積抵抗が107Ωcm以下のDLC膜を形成することにより、振動板2の電気抵抗は、インクと接触の無い圧電セラミック層5と同等の水準を維持するが、電界遮断用導電層9の電気抵抗が高く、特に電界遮断用導電層7と内部電極層4との導通が遮断される場合には、電界遮断用導電層9と内部電極層4との間に電位差が生じやすくなり、内部電極層4に含まれる銀の成分が磁器の欠陥や粒界に浸透した水蒸気を介して移動しやすくなり、振動板2の絶縁抵抗は低下することが確認された。
また、電界遮断用導電層9の耐蝕性が低い場合、電界遮断用導電層9自体が腐食することにより電界遮断用導電層9が剥離して、流路が詰まってインク滴が吐出しなくなったり、該剥離部においてやはりマイグレーションが進行して絶縁抵抗が若干低下する場合が見られたが、これを耐食性の高い保護膜で封止することにより所定の特性を維持することができた。
前記圧電アクチュエータ1の製造工程において、固有体積抵抗が107Ωcm以下のDLCを用いて厚みの異なる電界遮断用導電層7を形成した他は、実施例1と同様にして、複数個の圧電アクチュエータ1を作製し、これらを用いてインクジェットヘッドを作成した。そして、インク滴の吐出性能を評価した。また、実施例1と同様に、5億滴吐出後に電界遮断用導電層7と内部電極層4との間の接続をレーザーによって切断し、振動板2を隔てて電気抵抗の測定を行った。なお、吐出性能の評価としては、高速度カメラと顕微鏡を組み合わせて吐出速度の測定を行った。測定結果を表2に示す。
Figure 2006156894
これより、本発明においては電界遮断用導電層9の厚みを特に0.3〜5.0μmとすることにより効率よく耐久性の高い圧電アクチュエータ1とこれを用いたインクジェットヘッドが得られることがわかる。
本発明の一実施形態にかかるインクジェットヘッド示す断面図である。 (a)は従来のインクジェットヘッド示す断面図、(b)はその平面図である。
符号の説明
1:圧電アクチュエータ、2:振動板、3:インク流路部材、3a:インク加圧室、4:内部電極層、5:圧電セラミック層、6:表面電極、7:変位素子、8:インク吐出口、9:電界遮断用導電層

Claims (11)

  1. 少なくとも圧電セラミック層と内部電極層と振動板とがこの順で積層された積層体における前記圧電セラミック層の主面に表面電極を形成し、前記振動板の主面に導電性ダイヤモンドライクカーボン膜からなる電界遮断用導電層を形成してなり、該電界遮断用導電層が、前記内部電極層と電気的に接続されていることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  2. 前記電界遮断用導電層と前記内部電極層とが、前記積層体の側面に設けた電気配線によって接続されていることを特徴とする請求項1記載の圧電アクチュエータ。
  3. 前記電界遮断用導電層と前記内部電極層とが、前記積層体の内部に設けた電気配線によって接続されていることを特徴とする請求項1記載の圧電アクチュエータ。
  4. 前記電界遮断用導電層の厚さが0.1〜10μmである請求項1〜3のいずれかに記載の圧電アクチュエータ。
  5. 前記内部電極層が前記圧電セラミック層と交互に積層された複数の層からなり、電界遮断用導電層が複数の内部電極層のうち少なくとも1層と電気的に接続されている請求項1〜4のいずれかに記載の圧電アクチュエータ。
  6. 少なくとも圧電セラミック層と内部電極層と振動板とがこの順で積層された積層体における前記圧電セラミック層の主面に表面電極を形成し、前記振動板の主面及び側面に電界遮断用導電層として導電性ダイヤモンドライクカーボン膜を形成し、該電界遮断用導電層を前記内部電極層と電気的に接続したことを特徴とする圧電アクチュエータ。
  7. 前記導電性ダイヤモンドライクカーボン膜の体積固有抵抗が107Ωcm以下であることを特徴とする請求項1〜6記載の圧電アクチュエータ。
  8. 前記電界遮断用導電層の表面に保護膜を設けてなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の圧電アクチュエータ。
  9. 前記保護膜層の厚みが0.1〜5μmであることを特徴とする請求項8に記載の圧電アクチュエータ。
  10. 液体供給路及び液体排出路に連通してなる液体加圧室が設けられた液体流路部材に、前記圧電アクチュエータの電界遮断用導電層が前記液体加圧室の壁面の一部を構成するように請求項1〜9のいずれかに記載の圧電アクチュエータを配置してなることを特徴とする圧電ポンプ。
  11. 請求項1〜9のいずれかに記載の圧電アクチュエータと、インク供給路及びインク吐出口に連通してなるインク加圧室が設けられたインク流路部材とを備え、前記圧電アクチュエータの電界遮断用導電層が前記インク加圧室の壁面の一部を構成すると共に、前記圧電アクチュエータの振動によってインク流路部材からインクを吐出するようにしたことを特徴とするインクジェットヘッド。
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