JP2006156848A - 有機エレクトロルミネッセンス装置、有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 発光層として各色画素毎に蛍光材料又は燐光材料のいずれかを選択的に用い、各画素において好適な素子特性を発現可能な有機エレクトロルミネッセンス装置を提供する。
【解決手段】 本発明の有機エレクトロルミネッセンス装置100は、蛍光材料からなる第1発光部18a,18bと、燐光材料からなる第2発光部18cとを有する発光層と、発光層のうち第2発光部18c上のみに選択的に形成されたホールブロック層30とを有してなることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ディスプレイ、表示光源等に用いられる有機エレクトロルミネッセンス装置、及びその製造方法に関する。
近年液晶ディスプレイに替わる自発発光型ディスプレイとして、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)を用いた有機エレクトロルミネッセンス装置(有機EL装置)の開発が加速している。このような有機EL装置及びその製造方法としては、例えば特許文献1のような技術が知られている。
特開2000−323276号公報
上記特許文献1では、フルカラーの発光を実現するために、有機EL素子を構成する発光層には蛍光材料を用いており、これを溶媒に溶解ないし分散させた液状物をインクジェット法により各色画素毎に選択吐出している。ところで、発光層を構成する材料としては蛍光材料以外にも、例えば燐光材料を用いることができる。現状、燐光材料は蛍光材料よりも高効率な発光が得られることが知られているが、材料特性又は価格等の面に関し、全ての色について蛍光材料に優るものではない。
本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、有機EL装置において、有機EL素子を構成する発光層として各色画素毎に蛍光材料又は燐光材料のいずれかを選択的に用い、各画素において好適な素子特性を発現可能な構成を提供することを目的としている。また、本発明はこのような有機EL装置の好適な製造方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の有機エレクトロルミネッセンス装置(有機EL装置)は、蛍光材料からなる第1発光部と、燐光材料からなる第2発光部とを有する発光層と、前記発光層のうち前記第2発光部上のみに選択的に形成されたホールブロック層とを有してなることを特徴とする。
このような構成によると、蛍光材料及び燐光材料のそれぞれの長所を併せ持った有機EL装置を提供することができるようになる。また、特に燐光材料からなる第2発光部上のみに選択的にホールブロック層を形成するものとしているため、当該第2発光部で高効率の発光を実現できるようになる。さらに、本発明では、蛍光材料からなる第1発光部上には該ホールブロック層を形成しないものとして、第1発光部の輝度特性や寿命特性の低下を防止しており、第1及び第2発光部で好適な輝度や寿命等の素子特性を得ることができるものとされている。なお、本発明の有機EL装置は、例えばテレビやパソコンのモニタ等を始めとするディスプレイ用途の他、発光光源としても用いることが可能である。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス装置において、前記第2発光部が、異なる燐光材料からなる第3発光部と第4発光部とを有し、前記第3発光部上に形成されるホールブロック層と、前記第4発光部上に形成されるホールブロック層とでは、その構成材料が異なるものとすることができる。つまり、異なる燐光材料からなる各発光部上には、それぞれ最適な材料からなるホールブロック層を形成することが好ましく、これにより発光効率を一層高めることが可能となる。
次に、上記課題を解決するために、本発明の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法は、蛍光材料からなる第1発光部を形成する工程と、燐光材料からなる第2発光部を形成する工程と、前記第2発光部上のみに、ホールブロック層を形成する材料を溶解ないし分散させた液状物を液滴吐出法により選択的に吐出する吐出工程と、吐出した液状物を乾燥させる乾燥工程と、を含むことを特徴とする。このような方法により上述した有機EL装置を簡便且つ確実に製造することが可能となる。
なお、本発明の製造方法において、第1発光部形成工程では、第1発光部形成領域に、前記蛍光材料を溶解ないし分散させた第1液状物を液滴吐出法により選択的に吐出する第1吐出工程と、吐出した第1液状物を乾燥させる第1乾燥工程とを含むものとすることができる。また、第2発光部形成工程では、第1発光部形成工程の乾燥工程終了後、第2発光部形成領域に、前記燐光材料を溶解ないし分散させた第2液状物を液滴吐出法により選択的に吐出する第2吐出工程と、吐出した第2液状物を乾燥させる第2乾燥工程とを含むものとすることができる。
このような製造方法によると、蛍光材料又は燐光材料が画素毎に選択的に形成された有機EL装置を好適に製造することが可能となる。つまり、蛍光材料と燐光材料とをそれぞれ画素毎に選択形成する場合に、単に液滴吐出法により吐出形成するのみでは発光部に不具合が生じる場合があるが、上記方法では該不具合発生を防止することができる。具体的には、本発明者の検討により、燐光材料は溶媒に対する安定性が低く、特に蛍光材料を溶解ないし分散させる溶媒に対して不安定であることが見出され、該溶媒に起因する燐光の失活により十分な発光を得ることができなくなる場合があることが見出された。そこで、上記方法のように、蛍光材料を含む液状物を吐出・乾燥させた後、燐光材料を吐出して乾燥形成するものとすれば、燐光材料を失活させることもなく、上記発光不具合を解消することが可能となり、発光効率が高く、信頼性の高い有機EL装置を提供することが可能となるのである。
上記のように蛍光材料の液状物を乾燥させた後に燐光材料を吐出する方法を採用した場合には、前記燐光材料として、ゲスト分子及びホスト分子を含むものを用いることができる。ゲスト分子及びホスト分子からなる燐光材料を用いた場合、ゲスト分子及びホスト分子が発光部内で互いに混ざり合うことが高効率の発光を可能とする条件となる。そこで、例えば上記のように蛍光材料の液状物を乾燥させた後に、これらゲスト分子及びホスト分子を含む燐光材料の液状物を吐出するものとすることで、各分子を好適に相溶させることが可能となる。つまり、蛍光材料の液状物が乾燥した後に燐光材料の液状物を吐出しているため、ゲスト分子及び/又はホスト分子が蛍光材料の溶媒に溶解する等の不具合がなくなり、両者が分離してしまうことを防止することができるのである。
なお、本発明の有機EL装置の製造方法は、上記各工程の前に、(イ)基板上に複数の画素に対応する第1電極を形成する工程と、(ロ)複数の画素を隔てる隔壁を形成する工程と、(ハ)複数の第1電極上に正孔注入/輸送層を形成する工程とを有するものとし、形成した正孔注入/輸送層上に上記第1発光部及び第2発光部を上記各工程により形成することができる。また、形成した第2発光部上にホールブロック層を選択形成した後、第1発光部及び第2発光部に共通の第2電極を形成する工程を有するものとすることもできる。
<有機エレクトロルミネッセンス装置>
以下、本発明の有機エレクトロルミネッセンス装置(有機EL装置)について、その一実施形態を図面を参照しつつ説明する。図1に示した有機EL装置100は、透光性基板10上に透光性の陽極(第1電極)11と、陰極(第2電極)19とを有し、これら陽極11と陰極19との間に、発光素子よりなる機能層を備えたものである。機能層は、正孔注入/輸送層16と、発光層18a,18b,18cと、一部の画素に選択的に形成されたホールブロック層30とが積層されて構成されている。この有機EL装置100は、発光層18a,18b,18cで発光した光を透光性基板10側から出射するボトムエミッション方式となっている。
以下、本発明の有機エレクトロルミネッセンス装置(有機EL装置)について、その一実施形態を図面を参照しつつ説明する。図1に示した有機EL装置100は、透光性基板10上に透光性の陽極(第1電極)11と、陰極(第2電極)19とを有し、これら陽極11と陰極19との間に、発光素子よりなる機能層を備えたものである。機能層は、正孔注入/輸送層16と、発光層18a,18b,18cと、一部の画素に選択的に形成されたホールブロック層30とが積層されて構成されている。この有機EL装置100は、発光層18a,18b,18cで発光した光を透光性基板10側から出射するボトムエミッション方式となっている。
基板10は、ガラス基板等の透明基板上にTFT素子からなる駆動素子や各種配線等を形成して構成されたもので、これら駆動素子や各種配線の上に絶縁層や平坦化膜を介して陽極11が形成されている。陽極11は、基板10上に形成される画素領域毎にパターニングされて形成され、且つTFT素子からなる駆動素子や前記各種配線等と接続されたもので、本実施形態ではITO(インジウム錫酸化物)によって構成されている。
陽極11の周囲には、画素領域を区画する無機バンク層12a及び有機バンク層12b(これら2つのバンク層によりバンク部(隔壁)12が構成される)が形成されており、これら無機バンク層12a及び有機バンク層12bに囲まれた開口部(凹部)13には、上述した機能層が形成されている。
正孔注入/輸送層16は、陽極11から注入した正孔を発光層18a,18b,18cに輸送する。正孔注入/輸送層16は、上述の通り、3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT/PSS)により構成されている。
また、発光層18a,18b,18cは、発光波長帯域が赤色に対応した赤色発光層(第1発光部)18a、発光波長帯域が青色に対応した青色発光層(第1発光部)18b、発光波長帯域が緑色に対応した緑色発光層(第2発光部)18cからなる。これら赤色発光層18a、青色発光層18b、及び緑色発光層18cで1つのフルカラー表示用画素が構成され、これらが階調して発光することにより、有機EL装置が全体としてフルカラー表示をなすようになっている。
赤色発光層18aを構成する材料には、例えば[化1]に示す蛍光材料のPAT(ポリチオフェン)が用いられ、青色発光層18bを構成する材料には、例えば[化2]に示す蛍光材料のPDAF(ポリジアルキルフルオレン)が用いられている。一方、緑色発光層18cを構成する材料には、例えば[化3]に示すCBP(4,4-ジカルバゾール-4,4-ビフェニル)と[化4]に示すIr(ppy)3(トリス(4-フェニルピリジノラト)イリジウム(III))の複合よりなる燐光材料が用いられている。
ホールブロック層30は、発光層のうち燐光材料にて形成された緑色発光層18cのみに選択的に形成されている。この場合のホールブロック層30は、電子とホールを発光層18a,18b,18c内に閉じ込める役割を担い、発光効率を高める機能を有している。該ホールブロック層30を構成する材料としては、例えば[化5]に示すBCP(バソクプロイン)が用いられている。
陰極19は、全ての画素領域を覆うようにして形成されたもので、発光層18a,18b,18c側から順にLiF層とAl層とが積層されて形成されたものである。また、陰極19上には、封止用基板を接合するための封止層20が形成されている。封止層20は、熱硬化樹脂または紫外線硬化樹脂で形成されている。
<有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法>
以下、上記有機EL装置100の製造方法について、その一実施形態を図面を参照しつつ説明する。本実施形態の製造方法は、陽極形成工程と、隔壁形成工程と、プラズマ処理工程と、正孔注入/輸送層形成工程と、表面改質工程と、発光層形成工程(発光部形成工程)と、ホールブロック層形成工程と、陰極形成工程と、封止工程とを具備して構成されている。
以下、上記有機EL装置100の製造方法について、その一実施形態を図面を参照しつつ説明する。本実施形態の製造方法は、陽極形成工程と、隔壁形成工程と、プラズマ処理工程と、正孔注入/輸送層形成工程と、表面改質工程と、発光層形成工程(発光部形成工程)と、ホールブロック層形成工程と、陰極形成工程と、封止工程とを具備して構成されている。
(陽極形成工程)
図2に示すようなガラス等からなる透明基板10を用意し、該透明基板10上に図示しない薄膜トランジスタ(TFT)素子や各種配線等を公知の方法により形成する。さらに、層間絶縁層や平坦化膜を形成した後、蒸着法によりインジウム錫酸化物(ITO)を全面成膜し、これをフォトリソグラフィ法により画素毎にパターニングすることで画素電極(陽極)11を得るものとしている。なお、画素電極11としては、透光性の導電材料であれば良く、ITO以外にもインジウム亜鉛酸化物等を用いて形成することも可能である。
図2に示すようなガラス等からなる透明基板10を用意し、該透明基板10上に図示しない薄膜トランジスタ(TFT)素子や各種配線等を公知の方法により形成する。さらに、層間絶縁層や平坦化膜を形成した後、蒸着法によりインジウム錫酸化物(ITO)を全面成膜し、これをフォトリソグラフィ法により画素毎にパターニングすることで画素電極(陽極)11を得るものとしている。なお、画素電極11としては、透光性の導電材料であれば良く、ITO以外にもインジウム亜鉛酸化物等を用いて形成することも可能である。
(隔壁形成工程)
形成した画素電極11上に、無機物バンク層12aと有機物バンク層12bを順次積層することにより、各画素領域を隔てるバンク層(隔壁)12を形成する。
形成した画素電極11上に、無機物バンク層12aと有機物バンク層12bを順次積層することにより、各画素領域を隔てるバンク層(隔壁)12を形成する。
無機物バンク層12aは、例えばCVD法、スパッタ法、蒸着法等によって基板10及び画素電極11の全面にSiO2、TiO2、SiN等の無機物膜を形成し、次にこの無機物膜をフォトリソグラフィ法によりパターニングして、画素電極11上の画素領域に開口部13aを設けることにより形成する。ただし、このとき、無機物バンク層12aを画素電極11の周縁部まで残しておくものとする。また、無機物バンク層12aの膜厚は50nm〜200nmの範囲が好ましく、特に150nmがよい。
このような無機物バンク層12aを形成した後、基板10、画素電極11、無機物バンク層12aの全面に、有機物バンク層12bを形成する。有機物バンク層12bは、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の有機樹脂を溶媒に溶かしたものを、スピンコート、ディップコート等により塗布して形成する。そして、有機物バンク層12bをフォトリソグラフィ法によりパターニングして開口部13bを設ける。この有機物バンク層12bの開口部13bは、図2に示すように、無機物バンク層12aの開口部13aよりやや広く形成することが好ましい。これにより、画素電極11上に、無機物バンク層12a及び有機物バンク層12bを貫通する開口部13が形成される。なお、開口部13の平面形状は、円形、楕円、四角、ストライプいずれの形状でも構わないが、インク組成物には表面張力があるため、四角形等の場合には、角部に丸みを持たせる方が好ましい。
(プラズマ処理工程)
次にプラズマ処理により、バンク部12の表面に、親インク性を示す領域と撥インク性を示す領域とを形成する。このプラズマ処理工程は、予備加熱工程と、全面を親インク性にする親インク化工程と、有機物バンク層12bを撥インク性にする撥インク化工程と、冷却工程とに大別される。
次にプラズマ処理により、バンク部12の表面に、親インク性を示す領域と撥インク性を示す領域とを形成する。このプラズマ処理工程は、予備加熱工程と、全面を親インク性にする親インク化工程と、有機物バンク層12bを撥インク性にする撥インク化工程と、冷却工程とに大別される。
予備加熱工程では、バンク部12を含む基板10を所定の温度まで加熱する。加熱は、例えばプラズマ処理室内にて基板10を載せるステージにヒータを取り付け、このヒータで当該ステージごと基板10を、例えば70℃〜80℃に加熱することにより行う。予備加熱を行うことにより、多数の基板にプラズマ処理を連続的に行った場合でも、処理開始直後と処理終了直前でのプラズマ処理条件をほぼ一定にすることができる。
親インク化工程では、大気雰囲気中で酸素を反応ガスとするプラズマ処理(O2プラズマ処理)を行う。具体的には、バンク部12を含む基板10は加熱ヒータ内蔵の試料ステージ上に載置され、これにプラズマ状態の酸素が照射される。O2プラズマ処理の条件は、例えばプラズマパワー100kW〜800kW、酸素ガス流量50cc/min〜100cc/min、基板搬送速度0.5mm/sec〜10mm/sec、基板温度70℃〜90℃の条件で行われる。このO2プラズマ処理により、画素電極11及び無機物バンク層12aの露出面、並びに有機物バンク層12bの全面に水酸基が導入されて親インク性が付与される。
次に、撥インク化工程では、大気雰囲気中でテトラフルオロメタン(四フッ化炭素)を反応ガスとするプラズマ処理(CF4プラズマ処理)を行う。具体的には、バンク部12を含む基板10は加熱ヒータ内蔵の試料ステージ上に載置され、これにプラズマ状態のテトラフルオロメタン(四フッ化炭素)が照射される。CF4プラズマ処理の条件は、例えば、プラズマパワー100kW〜800kW、テトラフルオロメタン(四フッ化炭素)ガス流量50SCCM〜100SCCM、基板搬送速度0.5mm/sec〜10mm/sec、基板温度70℃〜90℃の条件で行われる。
次に、冷却工程として、プラズマ処理のために加熱された基板10を室温まで冷却する。具体的には、例えば、プラズマ処理後の基板10を、水冷プレート上に載置して冷却する。プラズマ処理後の基板10を室温、または所定の温度(例えば後のインクジェット工程を行う管理温度)まで冷却することにより、次の正孔注入/輸送層形成工程を一定の温度で行うことができる。これにより、インクジェット法で正孔注入/輸送層材料を含むインク組成物を吐出させる際に、インク滴を一定の容積で連続して吐出させることができ、正孔注入/輸送層を均一に形成することができる。
(正孔注入/輸送層形成工程)
次に、図3及び図4に示すように、画素電極11上の開口部13に正孔注入/輸送層16を形成する。ここでは、インクジェット法により、正孔注入/輸送層形成材料を含むインク組成物15を画素電極11上の開口部13に吐出した後、乾燥処理及び熱処理を行い、正孔注入/輸送層16を形成するものとしている。なお、この正孔注入/輸送層形成工程以降は、水分、酸素の無い、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等の不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。
次に、図3及び図4に示すように、画素電極11上の開口部13に正孔注入/輸送層16を形成する。ここでは、インクジェット法により、正孔注入/輸送層形成材料を含むインク組成物15を画素電極11上の開口部13に吐出した後、乾燥処理及び熱処理を行い、正孔注入/輸送層16を形成するものとしている。なお、この正孔注入/輸送層形成工程以降は、水分、酸素の無い、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等の不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。
まず、図3に示すように、インクジェットヘッド14に正孔注入/輸送層材料を含むインク組成物15を充填し、インクジェットヘッド14の吐出ノズルを開口部13に対向させ、インクジェットヘッド14と基板10とを相対移動させながら、インクジェットヘッド14から1滴当たりの液量が制御されたインク組成物15を画素電極11上に吐出する。
ここで用いるインク組成物15としては、例えば、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等のポリチオフェン誘導体とポリスチレンスルホン酸(PSS)等の混合物を、極性溶媒に溶解させたインク組成物を用いることができる。極性溶媒としては、例えば、イソプロピルアルコール(IPA)、ノルマルブタノール、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン(NMP)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)及びその誘導体、カルビト−ルアセテート、ブチルカルビトールアセテート等のグリコールエーテル類等を挙げることができる。
具体的なインク組成物15の組成としては、PEDOT/PSS混合物(PEDOT:PSS=1:20):12.52重量%、PSS:1.44重量%、IPA:10重量%、NMP:27.48重量%、DMI:50重量%のものを例示できる。なお、インク組成物の粘度は2Ps〜20Ps程度が好ましく、特に7cPs〜10cPs程度が良い。上記のインク組成物を用いることにより、インクジェットヘッド14の吐出ノズルに詰まりが生じることがなく安定吐出できる。なお、正孔注入/輸送層16の材料は、R(赤色)、B(青色)、G(緑色)の各発光層(発光部)18a,18b,18c(図1参照)に対して同じ材料を用いても良く、各発光層18a,18b,18c毎に変えても良い。
吐出されたインク組成物15は、開口部13の親インク処理された画素電極11及び無機物バンク層12aに広がる。そして、インク組成物15が所定の吐出位置からはずれて有機物バンク層12b上に吐出されたとしても、有機物バンク層12bがインク組成物15で濡れることがなく、弾かれたインク組成物15が開口部13内に転がり込む。
インク組成物15の吐出量は、開口部13の大きさ、形成しようとする正孔注入/輸送層16の厚さ、インク組成物中15の正孔注入/輸送層材料の濃度等により決定される。また、インク組成物15は1回のみならず、数回に分けて同一の開口部13に吐出しても良い。この場合、各回におけるインク組成物15の量は同一でも良く、各回毎にインク量を変えても良い。さらに、同一の開口部13内の同一箇所のみならず、各回毎に開口部13内の異なる箇所にインク組成物15を吐出しても良い。
次に、図4に示すように、吐出後のインク組成物15を乾燥処理してインク組成物15に含まれる極性溶媒を蒸発させることにより、正孔注入/輸送層16を形成する。この乾燥処理は、例えば窒素雰囲気中、室温で圧力を133.3Pa(1Torr)程度にして行う。圧力が低すぎるとインク組成物15が突沸してしまうので好ましくない。また、インク組成物15はバンク12の周壁面にも若干残留して付着するが、温度が室温を越えると、極性溶媒の蒸発速度が高まり、この残留付着量が過剰になってしまう。したがって、乾燥処理の温度は室温以下とすることが好ましい。乾燥処理後は、窒素中、好ましくは真空中で200℃で10分程度加熱する熱処理を行うことで、正孔注入/輸送層16内に残存する極性溶媒や水を除去することが好ましい。
上記の正孔注入/輸送層形成工程では、吐出されたインク組成物15が、親インク性の画素電極11及び無機物バンク層12aの露出面部になじむ一方で、撥インク処理された有機物バンク層12bにはほとんど付着しないので、インク組成物15が有機物バンク層12bの上に誤って吐出された場合でも、インク組成物15が弾かれて画素電極11及び無機物バンク層12aの露出面部に転がり込む。これにより、透明画素電極電極11上に正孔注入/輸送層16を確実に形成することができる。
(表面改質工程)
次に、発光層形成工程に先立ち表面改質工程を行う。すなわち、発光層形成工程では、正孔注入/輸送層16の再溶解を防止するために、発光層形成の際に用いるインク組成物の溶媒として、正孔注入/輸送層16に対して不溶な非極性溶媒を用いる。しかしその一方で正孔注入/輸送層16は、非極性溶媒に対する親和性が低いため、非極性溶媒を含む発光層のインク組成物を正孔注入/輸送層16上に吐出しても、正孔注入/輸送層16によりインク組成物が弾かれ、正孔注入/輸送層16と発光層とを密着させることができなくなるか、あるいは発光層を均一に塗布できない惧れがある。そこで、非極性溶媒に対する正孔注入/輸送層16の表面の親和性を高めるために、発光層形成の前に表面改質工程を行うことが好ましい。
次に、発光層形成工程に先立ち表面改質工程を行う。すなわち、発光層形成工程では、正孔注入/輸送層16の再溶解を防止するために、発光層形成の際に用いるインク組成物の溶媒として、正孔注入/輸送層16に対して不溶な非極性溶媒を用いる。しかしその一方で正孔注入/輸送層16は、非極性溶媒に対する親和性が低いため、非極性溶媒を含む発光層のインク組成物を正孔注入/輸送層16上に吐出しても、正孔注入/輸送層16によりインク組成物が弾かれ、正孔注入/輸送層16と発光層とを密着させることができなくなるか、あるいは発光層を均一に塗布できない惧れがある。そこで、非極性溶媒に対する正孔注入/輸送層16の表面の親和性を高めるために、発光層形成の前に表面改質工程を行うことが好ましい。
表面改質工程は、発光層形成の際に用いるインク組成物の非極性溶媒と同一溶媒またはこれに類する溶媒である表面改質用溶媒を、インクジェット法、スピンコート法またはディップ法により正孔注入/輸送層16上に塗布した後に乾燥することにより行う。例えばインクジェット法による塗布は、インクジェットヘッドに表面改質用溶媒を充填し、インクジェットヘッドの吐出ノズルを正孔注入/輸送層16に対向させ、インクジェットヘッドと基板10とを相対移動させながら、表面改質用溶媒を正孔注入/輸送層16上に吐出することにより行う。
ここで用いる表面改質用溶媒としては、インク組成物の非極性溶媒と同一なものとして例えば、シクロへキシルベンゼン、ジハイドロベンゾフラン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン等を例示でき、インク組成物の非極性溶媒に類するものとして、例えばトルエン、キシレン等を例示できる。特に、インクジェット法により塗布する場合には、ジハイドロベンゾフラン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、またはこれらの混合物、特にインク組成物と同じ溶媒混合物等を用いることが好ましい。
乾燥は、インクジェット法で塗布した場合はホットプレート上に基板10を載せて200℃以下の温度で加熱して表面改質用溶媒を乾燥させることが好ましい。このような表面改質工程を行うことで、正孔注入/輸送層16の表面が非極性溶媒になじみやすくなり、この後の工程で、発光層材料を含むインク組成物を正孔注入/輸送層16に均一に塗布することができる。
(発光層形成工程)
次に発光層形成工程では、インクジェット法により、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)材料等の溶質成分と溶媒とからなる各色のインク組成物17a、17b、17cを、表面改質後の正孔注入/輸送層16上に吐出した後に乾燥処理及び熱処理して、各色の発光層(発光部)18a、18b、18cを順次形成する。
次に発光層形成工程では、インクジェット法により、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)材料等の溶質成分と溶媒とからなる各色のインク組成物17a、17b、17cを、表面改質後の正孔注入/輸送層16上に吐出した後に乾燥処理及び熱処理して、各色の発光層(発光部)18a、18b、18cを順次形成する。
有機EL材料としては、上述したように赤色(R)に対応する光を発光可能なポリチオフェン誘導体[化1]、青色(B)に対応する光を発光可能なポリフルオレン誘導体[化2]に代表される蛍光材料と、緑色(G)に対応する光を発光可能なホスト分子[化3]及びゲスト分子[化4]を含む燐光材料とを用いており、各画素毎に各材料を選択形成するものとしている。
これら各有機EL材料を溶解ないし分散させる溶媒としては、正孔注入/輸送層16に対して不溶で、各有機EL材料を安定して溶解させることが可能なものを用いることが好ましい。具体的には、[化1]及び[化2]で示される蛍光材料に対しては1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンを用い、赤色用インク組成物17a及び青色用インク組成物17bを構成している。また、[化3]で示される燐光材料に対してはシクロヘキシルベンゼンを用い、緑色用インク組成物17cを構成している。このような各非極性溶媒を発光層のインク組成物に用いることにより、正孔注入/輸送層16を再溶解させることなくインク組成物を塗布できる。
ここで、発光層形成工程においては、まず蛍光材料を含むインク組成物17a,17bを吐出する工程と、これを乾燥する工程と、該乾燥工程後、燐光材料を含むインク組成物17cを吐出する工程と、これを乾燥する工程とを順次行うものとしている。
具体的には、図5に示すように、インクジェットヘッド14に赤色用インク組成物17aを充填し、インクジェットヘッド14の吐出ノズルを正孔注入/輸送層16に対向させ、インクジェットヘッド14と基板10とを相対移動させながら、吐出ノズルから1滴当たりの液量が制御されたインク滴として吐出し、赤色用インク組成物17aを正孔注入/輸送層16上であって、赤色画素に対応する領域に吐出する。この場合、吐出された赤色用インク組成物17aは、正孔注入/輸送層16上に広がってなじむ一方で、撥インク処理された有機物バンク層12bにはほとんど付着しないので、赤色用インク組成物17aが有機物バンク層12bの上に誤って吐出された場合でも、赤色用インク組成物17aが弾かれて正孔注入/輸送層16上に転がり込む。これにより、正孔注入/輸送層16に密着して赤色用インク組成物17aの層を形成することができる。
赤色用インク組成物17aの量は、形成しようとする発光層18aの厚さ、インク組成物中の発光層材料の濃度等により決定される。また、赤色用インク組成物17aの滴下は1回のみならず、数回に分けて同一の正孔注入/輸送層16上に吐出しても良い。この場合、各回におけるインク滴の量は同一でも良く、各回毎にインク量を変えても良い。更に正孔注入/輸送層16の同一箇所のみならず、各回毎に正孔注入/輸送層16内の異なる箇所にインク滴を吐出しても良い。
次に、吐出後の赤色用インク組成物17aを乾燥処理することにより赤色用インク組成物17aに含まれる非極性溶媒を蒸発させて、図6に示すような赤色発光層18aが形成される。乾燥条件は、例えば、窒素雰囲気中、室温で圧力を133.3Pa(1Torr)程度として5分〜10分行う条件としたり、40℃で窒素の吹き付けを5分〜10分行う条件としたりすることができる。その他の乾燥の手段としては、遠赤外線照射法、高温窒素ガス吹付法等を例示できる。
次に、図7に示すように、赤色用インク組成物17aの場合と同様にして、青色用インク組成物17bを青色画素領域に吐出、乾燥して、図8に示すような青色発光層18bを形成する。
さらに、これら蛍光材料からなる赤色発光層18a及び青色発光層18bの形成後、つまり赤色用インク組成物17a及び青色用インク組成物17bを乾燥させた後、図9に示すように、インクジェットヘッド14を用いて緑色用インク組成物17cを吐出する。その後、吐出した緑色用インク組成物17cを乾燥して、緑色発光層18cを形成し、図10に示すように、赤色発光層18a、青色発光層18b、緑色発光層18cが形成された基板とする。
(ホールブロック層形成工程)
次に、図10のように赤色発光層18a、青色発光層18b、緑色発光層18cが形成された基板に対して、発光層形成工程と同様、インクジェット法によりホールブロック層30を緑色発光層18c上に選択的に形成する。すなわち、[化5]に示したBCPを1,2,3,4−テトラメチルベンゼンに溶解ないし分散させたインク組成物(図示略)を、
インクジェットヘッド14により緑色発光層18c上に選択吐出し、これを乾燥させることで図11に示すように緑色発光層18c上にホールブロック層30を選択形成するものとしている。
次に、図10のように赤色発光層18a、青色発光層18b、緑色発光層18cが形成された基板に対して、発光層形成工程と同様、インクジェット法によりホールブロック層30を緑色発光層18c上に選択的に形成する。すなわち、[化5]に示したBCPを1,2,3,4−テトラメチルベンゼンに溶解ないし分散させたインク組成物(図示略)を、
インクジェットヘッド14により緑色発光層18c上に選択吐出し、これを乾燥させることで図11に示すように緑色発光層18c上にホールブロック層30を選択形成するものとしている。
(陰極形成工程)
次に陰極形成工程では、発光層18a、18b、ホールブロック層30及び有機物バンク層12bの全面に、陰極19を形成する。陰極19は、複数の材料を積層して形成しても良い。例えば、発光層に近い側には仕事関数が小さい材料で形成することが好ましく、例えばCa、Ba等を用いることが可能であり、また材料によっては下層にLiFを薄く形成した方がよい場合もある。また、上部側(封止側)には下部側(発光層側)の陰極層よりも仕事関数が高いものが好ましく、例えばAl膜、Ag膜、Mg/Ag積層膜等からなることが好ましい。また、その厚さは、例えば100nm〜1000nmの範囲が好ましく、特に200nm〜500nm程度がよい。
次に陰極形成工程では、発光層18a、18b、ホールブロック層30及び有機物バンク層12bの全面に、陰極19を形成する。陰極19は、複数の材料を積層して形成しても良い。例えば、発光層に近い側には仕事関数が小さい材料で形成することが好ましく、例えばCa、Ba等を用いることが可能であり、また材料によっては下層にLiFを薄く形成した方がよい場合もある。また、上部側(封止側)には下部側(発光層側)の陰極層よりも仕事関数が高いものが好ましく、例えばAl膜、Ag膜、Mg/Ag積層膜等からなることが好ましい。また、その厚さは、例えば100nm〜1000nmの範囲が好ましく、特に200nm〜500nm程度がよい。
これらの陰極(陰極層)は、例えば蒸着法、スパッタ法、CVD法等で形成することが好ましく、特に蒸着法で形成することが、発光層18a、18b、18cの熱による損傷を防止できる点で好ましい。また、フッ化リチウムは、発光層18a、18b、18c上のみに形成しても良く、特定の何れかの発光層上のみに形成しても良い。この場合、他の発光層には、カルシウムからなる陰極が接することとなる。
(封止工程)
最後に封止工程では、陰極19上の全面に熱硬化樹脂または紫外線硬化樹脂からなる封止材を塗布し、封止層20を形成する。さらに、封止層20上に封止用基板(図示せず)を積層する。封止工程は、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。
このようにして、図1に示すような有機EL装置100が得られる。
最後に封止工程では、陰極19上の全面に熱硬化樹脂または紫外線硬化樹脂からなる封止材を塗布し、封止層20を形成する。さらに、封止層20上に封止用基板(図示せず)を積層する。封止工程は、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。
このようにして、図1に示すような有機EL装置100が得られる。
本実施形態の製造方法では、ホールブロック層形成工程において、燐光材料を用いた緑色発光層18c上のみにホールブロック層30を選択的に形成するものとしている。この場合のホールブロック層30は、蛍光材料を用いた赤色発光層18a及び青色発光層18bに形成すると、当該発光層18a,18bの輝度や寿命等の素子特性を低下させてしまう惧れがあるため、インクジェット法による選択吐出が特に有効である。
また、本実施形態の製造方法では、特に発光層形成工程において、蛍光材料のインク組成物17a,17bを吐出、乾燥させた後、燐光材料のインク組成物17cを吐出、乾燥させて各発光層18a,18b,18cを形成するものとしている。燐光材料は溶媒に対する安定性が低く、特に蛍光材料を溶解ないし分散させる溶媒に対して不安定であるため、本実施形態のような工程を順次行うことで、蛍光材料の溶媒により燐光が失活する不具合発生を防止することが可能となる。
さらに、本実施形態のように燐光材料としてゲスト分子及びホスト分子を含むものを用いているが、蛍光材料のインク組成物17a,17bを吐出、乾燥した後、燐光材料のインク組成物17cを吐出、乾燥するものとしているため、該ゲスト分子及びホスト分子が発光層内で相溶し、高効率の発光を実現可能としている。つまり、蛍光材料のインク組成物17a,17bが乾燥した後に燐光材料のインク組成物17cを吐出しているため、ゲスト分子及び/又はホスト分子が蛍光材料のインク組成物17a,17bの溶媒に溶解する等の不具合がなくなり、両分子が分離してしまうことを防止することができるのである。
なお、本実施形態では、赤色用インク組成物17aを乾燥させた後に青色用インク組成物17bを吐出するものとしているが、図12に示すように、蛍光材料のインク組成物17a,17bに関しては、各インク組成物17a,17bを全て吐出した後に、同時に乾燥工程(一括乾燥工程)を行うものとしても良い。特に、各インク組成物17a,17bの溶媒が同じ場合は、簡便化のために一括乾燥工程を行うことが好適である。
次に、上記有機EL装置100を備えた電子機器の実施形態について説明する。図13(a)は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図13(a)において、符号600は携帯電話本体を示し、符号601は表示部としての有機EL装置100を示している。図13(b)は、ワープロ、パソコン等の携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図13(b)において、符号700は情報処理装置、符号701はキーボード等の入力部、符号703は情報処理装置本体、符号702は表示部としての有機EL装置100を示している。図13(c)は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図13(c)において、符号800は時計本体を示し、符号801は表示部としての有機EL装置100を示している。本実施形態によれば、表示性能及び信頼性に優れた表示装置を備えた電子機器とすることができる。なお、本実施形態の有機EL装置100を搭載した電子機器としては、図13に示した例以外にも、車載用ディスプレイや大型テレビ等を例示することができる。
以上、本発明の一実施形態を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上記実施形態では赤色発光層と青色発光層を蛍光材料により構成し、緑色発光層を燐光材料により構成するものとしているが、例えば青色発光層を蛍光材料により構成し、赤色発光層及び緑色発光層を燐光材料により構成するものとしても良い。これら各材料の選択は、製造する有機EL装置の用途等により異なり、蛍光材料及び燐光材料の長所及び短所を考慮して適宜設計されることとなる。さらに、このように燐光材料からなる発光層(発光部)が複数存在する場合には、これら燐光材料からなる各発光層上には、それぞれに適したホールブロック層を個々別々に形成することができる。
10…透光性基板、11…画素電極(陽極)、12…バンク層、13…開口部、14…インクジェットヘッド、16…正孔注入/輸送層、17a…赤色用インク組成物(第1液状物)、17b…青色用インク組成物(第1液状物)、17c…緑色用インク組成物(第2液状組成物)、18a…赤色発光層(第1発光部)、18b…青色発光層(第1発光部)、18c…緑色発光層(第2発光部)、19…陰極、20…封止層、30…ホールブロック層
Claims (3)
- 蛍光材料からなる第1発光部と、燐光材料からなる第2発光部とを有する発光層と、
前記発光層のうち前記第2発光部上のみに選択的に形成されたホールブロック層とを有してなることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置。 - 前記第2発光部が、異なる燐光材料からなる第3発光部と第4発光部とを有し、
前記第3発光部上に形成されるホールブロック層と、前記第4発光部上に形成されるホールブロック層とでは、その構成材料が異なることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。 - 請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法であって、
蛍光材料からなる第1発光部を形成する工程と、
燐光材料からなる第2発光部を形成する工程と、
前記第2発光部上のみに、ホールブロック層を形成する材料を溶解ないし分散させた液状物を液滴吐出法により選択的に吐出する吐出工程と、
吐出した液状物を乾燥させる乾燥工程と、
を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
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JP2004347751A JP2006156848A (ja) | 2004-11-30 | 2004-11-30 | 有機エレクトロルミネッセンス装置、有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法 |
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---|---|---|---|---|
JP2008078181A (ja) * | 2006-09-19 | 2008-04-03 | Seiko Epson Corp | 有機el発光材料、及び有機el装置の製造方法 |
WO2011083588A1 (ja) | 2010-01-08 | 2011-07-14 | 三菱化学株式会社 | 有機el素子及び有機発光デバイス |
WO2014054596A1 (ja) | 2012-10-02 | 2014-04-10 | 三菱化学株式会社 | 有機電界発光素子、有機el照明および有機el表示装置 |
-
2004
- 2004-11-30 JP JP2004347751A patent/JP2006156848A/ja not_active Withdrawn
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