JP2006154233A - 画像形成装置 - Google Patents

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徹 仲江川
Toyonari Sasaki
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Abstract

【課題】 中間転写ベルト表面に静電的に担持されたトナー像の飛び散りを防止する。
【解決手段】 中間転写ベルト7の回転方向(矢印R7方向)に沿っての、一次転写部T1の下流側でかつ二次転写部T2の上流側に配設された複数のローラ22〜24のうちの、一次転写部T1に最も近い位置に配設したローラ22を一次転写下流ローラとする。このローラ22の誘電層121の比誘電率をε1、ローラ22の厚みをd1、中間転写ベルト7の比誘電率,厚みをε2、d2としたときに、ε1が、1.0<ε1<d1×(ε2/d2)×(1/11)を満たすことで、中間転写ベルト7はその表面にトナーを担持するための電荷を十分に保持することができ、トナーの飛び散りを防止することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子写真方式のプリンタ,複写機,ファクシミリ等の画像形成装置、さらに詳しくは、像担持体上に形成したトナー像を、中間転写体を介して記録材に転写する方式の画像形成装置に関する。
図6に、中間転写方式の4色フルカラーの画像形成装置の概略構成を示す。感光ドラム1の周囲には、その回転方向(矢印R1方向)に沿ってほぼ順に、帯電器2、露光装置3、現像装置4、一次転写ローラ5、クリーニング装置6が配設されている。上述の現像装置4は、矢印R4方向に回転するロータリ4aと、これに搭載された4色の現像器、すなわちイエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の各色の現像器4Y,4M,4C,4Kを有している。
感光ドラム1の下方に配設された中間転写体としての無端状の中間転写ベルト7は、一次転写ローラ5、及び複数のローラ(張架部材)10,11,12,13,14,15に掛け渡されていて、矢印R7方向に回転駆動される。中間転写ベルト7の表面には、二次転写ローラ8及びベルトクリーナ16が配設されている。また、記録材Pの搬送方向に沿っての二次転写ローラ8の下流側には、定着装置9が配設されている。
4色フルカラーの画像形成に際し、感光ドラム1は、矢印R1方向に駆動され、その表面が帯電器2によって一様に帯電される。帯電後の感光ドラム1表面は、露光装置3によって画像情報に応じた静電潜像が形成される。この静電潜像は、イエローの現像器4Yによってイエローのトナー像tとして現像される。このトナー像tは、一次転写ローラ5によって中間転写ベルト7上に転写される。トナー像転写後に感光ドラム1表面に残ったトナー(一次転写残トナー)は、クリーニング装置6によって除去される。
残りの3色についても同様に、帯電、露光、現像、一次転写、クリーニングが行われて、中間転写ベルト7で4色のトナー像が重ね合わされる。
中間転写ベルト7上のこれら4色のトナー像は、上流側から搬送されてくる記録材Pに、二次転写ローラ8によって一括で二次転写される。二次転写後の中間転写ベルト7は、表面に残ったトナー(二次転写残トナー)がベルトクリーナ16によって除去される。
トナー像転写後の記録材Pは、定着装置9によって表面にトナー像が定着される。これにより、1枚の記録材Pに対する4色フルカラーの画像形成が終了する。
上述の中間転写ベルト7について詳述する。中間転写ベルト7は、一般に、厚みが数十〜200[μm]、体積抵抗率が10〜1012[Ω・cm]程度となるように形成されている。また、中間転写ベルト7が一次転写部(一次転写位置)T1を通過した後に最初に接触するローラ(一次転写部下流ローラ)12は、一次転写部T1における感光ドラム1と中間転写ベルト7との間の接触状態を一定に保つために非常に重要である。ここで、一次転写部下流ローラ12は導体でかつ接地されている。
一次転写部T1において、中間転写ベルト7は、その表面側に配置された感光ドラム1と裏面側に配置された一次転写ローラ5とによって挟持された状態で矢印R7方向に回転する。そして、一次転写ローラ5にトナーの帯電極性と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が印加されることにより、一次転写部T1において感光ドラム1上のイエローのトナー像が中間転写ベルト7上に一次転写される。同様の工程を、マゼンタ,シアン,ブラックについても行って、中間転写ベルト7上で4色のトナー像を重ね合わせる。なお、最後の色のトナー像の一次転写が終了するまでは、二次転写ローラ8及びベルトクリーナは、中間転写ベルト7表面から離間されている。
中間転写ベルト7上で重ね合わされた4色のトナー像は、中間転写ベルト7の回転によって中間転写ベルト7と二次転写ローラ8との間の二次転写部(二次転写位置)T2に搬送される。これらトナー像は、二次転写ローラ8にトナーと逆極性の電圧(二次転写バイアス)が印加されることにより、矢印方向に搬送されて二次転写部T2に供給される記録材Pに一括で二次転写される。
上述のように中間転写体としてベルト状の中間転写ベルトを使用した場合、ベルトを張架する各ローラ10〜15の配設自由度が向上し、画像形成装置の小型化、厚紙やOHT(オーバーヘッドプロジェクタ用のトランスペアレンシー)など、幅広い性情(種類や厚さ)の記録材Pに対応でき、さらに記録材Pへの転写が一度で済むため、安定した画像を形成できるなどの利点がある。
ところが、中間転写ベルト7を使用した場合、中間転写ベルト7上に一次転写されたトナー像tが、一次転写部下流ローラ12を通過するときに飛び散ることで、記録材P上に形成される画像の画質が低下することがあった。
このような不具合を解決する手段として、特許文献1には、少なくとも一次転写部下流ローラの表面電位を中間転写ベルト裏面電位以上に保持する電位保持手段を用いた装置が記載されている。特許文献1に記載された発明では、電圧印加手段を設け、一次転写部下流ローラ表面に中間転写ベルト裏面と同極性の直流電圧を印加するようにしている。
特開2000−298408号公報
しかしながら、上述の特許文献1によると、中間転写ベルトの表面電位を裏面電位以上に保持するために、電位保持手段として専用の高圧基板などの電圧印加手段が必要になることから、本体構成が複雑になるという問題があった。
本発明は、上述の技術的課題を解決するためになされたもので、中間転写体裏面が張架部材に接触する際に、中間転写体表面に担持されているトナー像が飛び散る現象を本体構成を複雑にすることなく防止できる画像形成装置を提供することを目的とするものである。
本発明によると、像担持体上にトナー像を形成し、前記トナー像を一次転写部で中間転写体に一次転写し、前記中間転写体上のトナー像を二次転写部で記録材に二次転写する画像形成装置であって、前記中間転写体の回転方向に沿っての前記一次転写部の下流側でかつ前記二次転写部の上流側に、前記中間転写体が架け渡される1つ又は複数の張架部材を有する画像形成装置において、少なくとも1つの前記張架部材は、少なくとも誘電層を有し、前記誘電層の比誘電率をε1、前記誘電層の厚みをd1、前記中間転写体の比誘電率をε2、前記中間転写体の厚みをd2としたときに、
1.0<ε1<d1×(ε2/d2)×(1/11)
を満たす、ことを特徴とする。
本発明によると、中間転写体の回転方向に沿っての一次転写部の下流側でかつ二次転写部の上流側に配置されて、中間転写体が架け渡される少なくとも1つの張架部材は、少なくとも誘電層を有し、この誘電層の比誘電率・厚み、中間転写体の比誘電率・厚みが上述の式を満たすので、中間転写体がその表面にトナーを担持するための電荷を十分に保持することができ、トナーの飛び散りを防止することができる。
以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図面において同一の符号を付したものは、同一の構成又は作用をなすものであり、これらについての重複説明は適宜省略した。
<実施の形態1>
図1に、本発明を適用することができる画像形成装置を示す。同図に示す画像形成装置は、電子写真方式、中間転写方式の4色フルカラーの画像形成装置であり、同図はその概略構成を模式的に示す縦断面である。
同図を参照して、画像形成装置の概略構成を説明する。
同図に示す画像形成装置は、像担持体としてドラム形の感光体(以下「感光ドラム」という。)を備えており、感光ドラム1は、矢印R1方向に回転駆動される。感光ドラム1の周囲には、その回転方向の沿ってほぼ順に、帯電器2、露光装置3、現像装置4、一次転写ローラ5、クリーニング装置6が配設されている。感光ドラム1と中間転写ベルト5との間には、一次転写部(一次転写ニップ部)T1が形成されている。
感光ドラム1の下方には、中間転写体として中間転写ベルト7が配設されている。中間転写ベルト7は、無端状に形成されていて、一次転写ローラ5、及び複数のローラ(張架部材)20,21,22,23,24,25に掛け渡されている。中間転写ベルト7は、矢印R7方向に回転駆動される。中間転写ベルト7の表面には、ローラ25に対応する位置に二次転写ローラ8が、またローラ20に対応する位置にベルトクリーナ16が配設されている。これら二次転写ローラ8、ベルトクリーナ16は、中間転写ベルト7表面に対して接離可能に構成されている。二次転写ローラ8が中間転写ベルト7表面に当接されたときには、二次転写ローラ8と中間転写ベルト7との間に二次転写部(二次転写ニップ部)T2が形成される。また、記録材Pの搬送方向に沿っての二次転写ローラ8の下流側には、定着装置9が配設されている。その表面にトナー像が形成される記録材Pの搬送方向(矢印Kp方向)に沿っての、二次転写部の下流側には定着装置9が配設されている。なお、記録材Pとしては、普通紙、OHT(オーバーヘッド用の転写フィルム)などが使用される。
つづいて、上述の各部材、各装置について、構成をさらに詳述しつつ、画像形成装置の動作について説明する。
感光ドラム1は、アルミニウム製の円筒状のドラム基体と、その外周面に塗布されたOPC(有機感光体)とを有している。感光ドラム1は、駆動手段(不図示)によって矢印R1方向に回転駆動される。
帯電器2としては、シールド2aと放電ワイヤ2bとを有するコロナ帯電器を使用している。帯電器2には、帯電バイアス印加電源(不図示)から、DCバイアスにACバイアスが重畳された帯電バイアスが印加される。本実施の形態では、例えば、DCバイアスとして−500Vを、またACバイアスとして周波数500〜2000Hz、ピーク間電圧1200Vppの正弦波が印加される。このような現像バイアスを印加により、感光ドラム1表面は、ほぼ−500Vに一様に帯電される。
露光装置3は、画像情報に応じてオン/オフ制御されてレーザ光を発光するレーザ発振器(不図示)と、高速回転してレーザ光を反射するポリゴンミラー(不図示)等を有している。帯電後の感光ドラム1表面は、露光装置3によって画像情報に基づくレーザ光が照射され、照射部分の電荷が除去されることにより、静電潜像が形成される。
現像装置4は、矢印R4方向に回転するロータリ4aと、このロータリ4aに搭載された4個の現像器、すなわちイエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の各色の現像器4Y,4M,4C,4Kを有している。現像装置4は、感光ドラム1上の静電潜像の現像に供される色の現像器が、ロータリ4aの回転によって感光ドラム1表面に対向する現像位置に配置されるようになっている。なお、本実施の形態で使用する現像剤は、磁性キャリヤと非磁性トナーとを主要成分とする二成分現像剤である。このうち、トナーは、懸濁重合法によって得られる、オイルを含浸したトナーであり、負極性に帯電するネガトナーである。感光ドラム1上の静電潜像は、現像位置に配置された現像器、例えば、イエローの現像器4Yによってイエローのトナーが付着され、トナー像として現像される。
中間転写ベルト7は、無端状に形成されていて、一次転写ローラ5、及び複数のローラ20〜25に掛け渡されている。中間転写ベルト7は、駆動手段(不図示)によって矢印R7方向に回転駆動されるようになっている。ここで、中間転写ベルト7は、ここで、中間転写ベルト7を作製する材料としては、ポリイミド、エチレン−四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタラート(PET)などの樹脂材料を使用することができる。本実施の形態では、中間転写ベルト7は、ポリイミド樹脂を基材として作製し、その厚みは85[μm]とした。また、本実施の形態の中間転写ベルト7は体積抵抗率が10〜1012[Ω・cm]、比誘電率が約4.8となるようにカーボンブラックを抵抗調整剤として分散させて作製されている。
本実施の形態においては、上述の中間転写ベルト7を張架している複数のローラ20〜25及び一次転写ローラ5のうち、中間転写ベルト7の回転方向に沿っての、一次転写部T1と二次転写部T2との間には、複数のローラ22,23,24が配設されている。本実施の形態では、これら複数のローラ22,23,24のうち、中間転写ベルト7が一次転写部T1を通過して最初に接触するローラ22、すなわち一次転写部T1の下流側でかつ一次転写部T1に最も近い位置に配設されたローラ22に、誘電層121を設けた。
ローラ22は、中心に金属製の芯金122を有し、芯金122の周囲に誘電体からなる誘電層121が円筒状に設けられている。
本実施の形態では、誘電層121として、ポリプロピレン(PP:比誘電率約2.3)を用いた。ここで比誘電率の測定には、測定器としてアジレントテクノロジー製インピーダンス・ゲインフェーズアナライザHP4194A、プローブとしてアジレントテクノロジー製HP16451Bを使用した。測定周波数は10[Hz]とし、オープンショート補正の条件下で測定を64回行い、加算平均をとった。これ以外にも、比誘電率ができるだけ1.0に近い物質としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)(比誘電率約2.1)、ポリエチレン(PE:比誘電率約2.3)等があげられる。
また、一次転写ローラ5は、中間転写ベルト7裏面のうちの、感光ドラム1に対応する位置に配置されている。この一次転写ローラ5は、正の電圧、例えば、+200Vが印加されることによって、感光ドラム1上のイエローのトナー像tを中間転写ベルト7に一次転写する。このとき、トナー像tの総帯電電荷量の絶対値よりも電荷量が10%程度多い正電荷が一次転写ローラ5から中間転写ベルト7内部へ流れ込むことが実験で確認されている。これらの正電荷はトナー像tの直下に移動して、トナーを静電引力により担持するトナー担持電荷となる。なお、トナー像の一次転写後の感光ドラム1は、表面に残ったトナー(一次転写残トナー)がクリーニング装置6によって除去され、次の画像形成に供される。
一次転写ローラ5により、中間転写ベルト7上に転写されたトナー像tは、中間転写ベルト7の矢印R7方向の回転に伴って二次転写ローラ8まで運ばれる。そして、この中間転写ベルト7上のトナー像は、これにタイミングを合わせるようにして二次転写部T2に供給される記録材Pに対して二次転写ローラ8に正の電圧、例えば+3.5kVを印加することにより、記録材Pに一括で二次転写される。トナー像の二次転写後の記録材Pは、定着装置9に搬送され、ここで加熱・加圧されて表面にトナー像が定着される。これにより、1枚の記録材Pに対する4色フルカラーの画像形成が終了する。なお、トナー像の二次転写後の中間転写ベルト7は、表面に残ったトナー(二次転写残トナー)がベルトクリーナ16によって除去され、次の一次転写に供される。
ここで、上述の画像形成装置において、中間転写ベルト7上におけるトナーの飛び散り具合を観察したところ、トナーの飛び散りが改善されていることを確認することができた。以下、その理由について詳述する。
まず、中間転写ベルト7上に転写されたトナー像tが一次転写部T1の直近下流側に位置するローラ(以下適宜「一次転写部下流ローラ」という。)12を通過する際の、トナーの飛び散りメカニズムについて説明する。ただし、一次転写部下流ローラ12は、本実施の形態とは異なり、導体であるものとする。
図2(a)〜(e)は、図6の一次転写部下流ローラ12近傍を軸方向から見た断面図である。これらの図中、中間転写ベルト7内部に存在する正のトナー担持電荷E1を符号+で表し、また、一次転写部下流ローラ12内の誘起電荷E2を符号−で示している。
図2(a)は、中間転写ベルト7表面に担持されたトナー像tが、中間転写ベルト7の矢印R7方向の回転に伴って、一次転写部T1(図1参照)を通過した直後の状態を示す。ここで、中間転写ベルト7表面には、トナー像tよりも電荷量の多い、正のトナー担持電荷E1が存在しており、一次転写部T1において、トナー像tよりも10%程度多い電荷量が中間転写ベルト7内へ流れ込むことが実験で確認されている。また、トナー担持電荷E1とトナー像tとの間には静電引力が働いており、トナー像tは、中間転写ベルト7表面に担持された状態を保っている。
図2(b)は、(a)の状態から、トナー像tが一次転写部下流ローラ12方向に搬送された状態であり、トナー像tよりも電荷量の多いトナー担持電荷E1によって一次転写部下流ローラ12表面に負の誘起電荷E2が誘起され始める。
図2(c)は、トナー像tが(b)の状態からさらに搬送された状態であり、一次転写部下流ローラ12表面の負電荷との間に働く静電引力によって点線L1で囲まれた箇所のトナー担持電荷E1が中間転写ベルト7裏面に移動するようになる。
図2(d)は、トナー像tが(c)の状態からさらに搬送された状態であり、中間転写ベルト7表面における領域S1と領域S2との電位差が大きくなるので、これを打ち消すように領域S1の点線L2で囲まれた箇所のトナー担持電荷E1が移動する。
図2(e)は、トナー像が(d)からさらに搬送された状態であり、領域S1のトナー担持電荷E1の一部が移動したため、静電引力が弱まってトナーの飛び散りが発生する。また中間転写ベルト7裏面に移動したトナー担持電荷E1は、一次転写部下流ローラ12を通過するときに接地部へ流れ込む。以上が、飛び散りの発生原因である。
本実施の形態では、具体的には、一次転写部T1の直近下流側のローラ22(以下適宜「一次転写部下流ローラ22」という。)の誘電層121をポリプロピレン(PP:比誘電率約2.3)で形成している。この場合、図2(a)の状態は図3(a)のような等価回路に置き換えることができる。また、図2(c)の状態は図3(b)のような等価回路に置き換えることができる。ここで、本発明者の実験によれば、中間転写ベルト7内のトナー担持電荷量Q[C]はトナー電荷量Q[C]よりも10%程度多いので、各部材に蓄積する電荷量は、下記の式(1)のように与えられる。なお、張架部材である一次転写部下流ローラ22が中間転写ベルト7と接触している状態を考えているので、コンデンサーCベルト、Cローラの面積Sを無視している。また、一次転写部下流ローラ22をローラ軸方向から見たときの芯金122表面からローラ表面までの距離をローラの厚みd1[m]とする。
∝ε/d
∝ε/d
=(11/10)×Q……(1)
ただし、Q:一次転写部下流ローラに蓄積できる電荷量[C]
:中間転写ベルト内のトナー担持電荷量[C]
:トナー電荷量[C]
ε:一次転写部下流ローラの比誘電率
ε:中間転写ベルトの比誘電率
:一次転写部下流ローラの厚み[m]
:中間転写ベルトの厚み[m]
このとき、コンデンサーCローラに蓄積できる電荷量Q[C]が(Q−Q)[C]よりも大きいと、トナー像tを中間転写ベルト7上に保持できなくなる。つまり、下記の条件式(2)を満たす場合には、トナーを担持するのに十分なトナー担持電荷E1が存在するので飛び散りを有効に回避できる。
<Q−Q……(2)
式(2)を整理すると、
<(1/11)×Q
∴1.0<ε<d×(ε/d)×(1/11)
ただし、Q:一次転写部下流ローラに蓄積できる電荷量[C]
:中間転写ベルト内のトナー担持電荷量[C]
:トナー電荷量[C]
ε:一次転写部下流ローラの比誘電率
ε:中間転写ベルトの比誘電率
:一次転写部下流ローラの厚み[m]
:中間転写ベルトの厚み[m]
上述の式(2)に、本実施の形態の物性値d=4.0[mm]、d=85.0[μm]、ε=4.8を代入すると式(3)のようになり、一次転写部下流ローラ22の比誘電率の範囲が導かれる。
1.0<ε<20.5……(3)
しかし、一次転写部下流ローラ22は比誘電率1.0の場合が最も効果的であることがシミュレーションで確認されている。これは、中間転写ベルト7内のトナー担持電荷E1がトナー像直下から移動しないためである。
そこで、実際に一次転写部下流ローラ22を構成でき、かつ比誘電率が1.0にできるだけ近い材質のポリプロピレン(PP)を使用した。
また、一次転写部下流ローラ22表面に起こるチャージアップを確実に防止するために除電ブラシ(除電部材)26を用いる。ここで除電ブラシ26は、図1に示すように、一次転写部下流ローラ22の表面のうちの、一次転写部下流ローラ22と中間転写ベルト7との接触部位から最も遠く離れた部分に配置した状態で接地している。除電ブラシ26としては、導電性のレーヨンやナイロンなどを利用したものが公知であるが、本実施の形態では導電性レーヨンで形成された除電ブラシ26を一次転写部下流ローラ22に接触させている。中間転写ベルト7裏面に移動したトナー担持電荷E1、一次転写部下流ローラ22が導体で接地されている場合には接地部へ流れ込むが、本実施の形態では、絶縁体なので一次転写部下流ローラ22表面に溜まってしまう。そこで、除電ブラシ26を用いることで、一次転写部下流ローラ22表面の電荷を効率的に除電し、一次転写ローラ5、ローラ23、中間転写ベルト7等の一次転写部下流ローラ22近傍の部材へのリークを未然に防ぐことができるようになる。
<実施の形態2>
図4は、実施の形態2の画像形成装置の概略構成を模式的に示す縦断面図である。なお、同図において、図1に示す画像形成装置と同様の構成あるいは作用の部材等については、同じ符号を付して重複説明は省略するものとする。
中間転写ベルト7は、一次転写ローラ5と、複数のローラ30,31,32,33,34,35とに掛け渡されている。そして、感光ドラム1と中間転写ベルト7との間に一次転写部T1が、また二次転写ローラ8と中間転写ベルト7との間に二次転写部T2が形成されている。中間転写ベルト7は、一次転写部T1においては感光ドラム1と一次転写ローラ5との間に挟持され、また二次転写部T2においては二次転写ローラ8とローラ35との間に挟持されている。なお、二次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に対して接離可能に配設されており、中間転写ベルト7に当接された際に、二次転写部T2を形成している。
本実施の形態では、中間転写ベルト7の一部が一次転写部T1を通過した後、二次転写部T2に到達するまでの間に接触するすべてのローラ(一次転写部下流ローラ,張架部材)32,33,34について、これらのローラ32,33,34の比誘電率が以下の条件を満たす材質で形成されている。上述のローラ32,33,34は、中間転写ベルト7の回転方向(矢印R7方向)に沿っての、一次転写部T1の下流側で二次転写部T2の上流側に配設されているローラである。
1.0<ε<d×(ε/d)×(1/11)
ただし、ε:一次転写部下流ローラの比誘電率
ε:中間転写ベルトの比誘電率
:一次転写部下流ローラの厚み[m]
:中間転写ベルトの厚み[m]
本実施の形態では、ローラ32,33,34のそれぞれの表面に起こるチャージアップを確実に防止するために、これらローラ33,34,35に除電ブラシ26を接触させている。除電ブラシ26は、各ローラ32,33,34の表面のうちの、中間転写ベルト7との接触部位から最も遠く離れた部分に接触されていて、さらに接地されている。
本実施の形態によると、実施の形態1と比較して、比誘電率が上式を満たすローラの本数が増加するので、その分、中間転写ベルト7上でのトナー像tの飛び散りを効率的に抑制することが可能となる。
<実施の形態3>
図5は、実施の形態3の画像形成装置の概略構成を模式的に示す縦断面図である。
本実施の形態は、本発明を、4ドラム中間転写方式の画像形成装置に適用したものである。同図に示す画像形成装置は、像担持体として各色毎に感光ドラムを有している。すなわち、中間転写体である中間転写ベルト7の回転方向に沿っての上流側から下流側にかけて順に、イエローの感光ドラム1Y、マゼンタの感光ドラム1M、シアンの感光ドラム1C、ブラックの感光ドラム1Kを備えている。なお、感光ドラムの周囲には、感光ドラム表面を帯電する帯電器、帯電後の感光ドラム表面を露光して静電潜像を形成する露光装置、静電潜像をトナー像として現像する現像装置、感光ドラム表面の不要なトナーを除去するクリーニング装置(いずれも不図示)などが配設されている。
中間転写ベルト7は、3本のローラ40,41,42に掛け渡されて、矢印R7方向に回転駆動される。また、中間転写ベルト7のうち、ローラ40とローラ41との間に位置する部分は、各感光ドラム1Y,1M,1C,1Kと各一次転写ローラ5Y,5M,5C、5Kとの間に挟持されている。そして、感光ドラム1Y,1M,1C,1Kと中間転写ベルト7との間には、一次転写部T1が形成されている。また、中間転写ベルト7における、ローラ42に対応する位置には、中間転写ベルト7に対して接離可能な二次転写ローラ8が配設されている。二次転写ローラ8が中間転写ベルト7に当接されたときには、両者間に二次転写部T2が形成されるようになっている。
本実施の形態の形態においては、中間転写ベルト7の回転方向(矢印R7方向)に沿っての、最も下流側の一次転写部(感光ドラム1Kと中間転写ベルト7との間に形成される一次転写部)T1よりも下流側に配設されたローラ41(一次転写部下流ローラ)であって、かつこの一次転写部T1に直近のローラであるローラ41について、その誘電率が以下の条件を満たす部材によって形成している。
1.0<ε<d×(ε/d)×(1/11)
ただし、ε:一次転写部下流ローラの比誘電率
ε:中間転写ベルトの比誘電率
:一次転写部下流ローラの厚み[m]
:中間転写ベルトの厚み[m]
また、ローラ41の表面に起こるチャージアップを確実に防止するために、除電ブラシ26を用いている。除電ブラシ26は、ローラ41の表面のうちの、中間転写ベルト7との接触部位から最も遠く離れた部分に接触されていて、さらに接地されている。これにより、実施の形態1と同様、中間転写ベルト7上でのトナーの飛び散りを抑制することができる。
以上説明した実施の形態においては、画像形成に使用するトナーが負極性に帯電するネガトナーである場合を例に説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、正極性の帯電するポジトナーを使用する場合にも適用することができる。この場合には、図2(a)〜(e)におけるトナーtを記号+で、またトナー担持電荷E1を記号―で、そして誘起電荷E2を+で表すことになる。この場合においても、上述の実施の形態1〜3と同様の効果を奏することができる。
以上説明した実施の形態1では、中間転写ベルト7の回転方向に沿っての、一次転写部T1の下流側でかつ二次転写部T2の上流側に配設された複数(3個)のローラ22,23,24のうちの、一次転写部T1に最も近い位置に配置されたローラ22について、その誘電層121の比誘電率ε1を上述のように定めた。
また、実施の形態3では、中間転写ベルト7の回転方向に沿っての、一次転写部T1の下流側でかつ二次転写部T2の上流側に配設された複数(3個)のローラ32,33,34すべてを特殊張架部材として、その比誘電率ε1を上述のように定めた。
なお、本発明は、上述の実施の形態1,3に代えて、一次転写部T1の下流側でかつ二次転写部T2の上流側に配設された複数のローラのうちの、少なくとも1個のローラについて、その比誘電率ε1を上述のように定めるようにしてもよい。ただし、一次転写部T1と二次転写部T2との間に複数のローラが配設されていて、これらのローラのうちの1つのローラの比誘電率をε1とする場合には、上述の実施の形態1のように、一次転写部T1の最も近い位置に配設されたローラについて、上述の誘電層を設けるようにするとよい。この場合が最も効果的に、トナーの飛び散りを防止することができる。これは一次転写部T1直近のローラのときに、トナー電荷量とトナー担持電荷量の差が最大で、下流側に移動するにつれて余剰なトナー担持電荷量が減少するためである。
実施の形態1の画像形成装置の概略構成を模式的に示す縦断面図である。 (a)〜(e)は中間転写ベルト表面に担持されたトナーが一次転写部下流ローラ近傍で飛び散るようすを説明する図である。 (a),(b)は、一次転写部下流ローラ近傍における電荷の流れを等価回路に置き換えて説明する図である。 実施の形態2の画像形成装置の概略構成を模式的に示す縦断面図である。 実施の形態3の画像形成装置の概略構成を模式的に示す縦断面図である。 従来の画像形成装置の概略構成を模式的に示す縦断面図である。
符号の説明
1 感光ドラム(像担持体)
5 一次転写ローラ
7 中間転写ベルト(中間転写体)
8 二次転写ローラ
20,21,22,23,24,25
ローラ(張架部材)
26 除電ブラシ(除電部材)
30,31,32,33,34,35
ローラ(張架部材)
121 誘電層
122 芯金
d1 誘電層の厚み
d2 中間転写体の厚み
P 記録材
t トナー像
T1 一次転写部(一次転写ニップ部)
T2 二次転写部(二次転写ニップ部)
ε1 誘電層の比誘電率
ε2 中間転写体の比誘電率

Claims (7)

  1. 像担持体上にトナー像を形成し、前記トナー像を一次転写部で中間転写体に一次転写し、前記中間転写体上のトナー像を二次転写部で記録材に二次転写する画像形成装置であって、前記中間転写体の回転方向に沿っての前記一次転写部の下流側でかつ前記二次転写部の上流側に、前記中間転写体が架け渡される1つ又は複数の張架部材を有する画像形成装置において、
    少なくとも1つの前記張架部材は、少なくとも誘電層を有し、
    前記誘電層の比誘電率をε1、前記誘電層の厚みをd1、前記中間転写体の比誘電率をε2、前記中間転写体の厚みをd2としたときに、
    1.0<ε1<d1×(ε2/d2)×(1/11)
    を満たす、
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記一次転写部の下流側でかつ前記一次転写部に最も近い位置に配設された前記張架部材は、前記誘電層を有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記誘電層の誘電比率ε1が1以上3以下である、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記張架部材の前記誘電層は、帯電列において、前記中間転写体よりも、トナーの帯電極性と逆の極性に帯電しやすい材質で構成されている、
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記誘電層は、ポリプロピレンによって構成されている、
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記誘電層を有する前記張架部材の電荷を除去する除電部材を設けた、
    ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記除電部材は、前記誘電層を有する前記張架部材に接触するように配設された除電ブラシである、
    ことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
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