JP2006153783A - 埋設物探査方法およびその装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
短時間で簡便にそして高精度に埋設物の位置を非破壊で探査することができ、探査結果を高精度に被探査面上に表示することができるようにしたい。
【解決手段】
被探査面上から音波または電磁波を照射し反射波から埋設物の有無を検出する埋設物探査装置であり、音波または電磁波を照射し反射波から埋設物の有無を検出する探査手段20と、探査手段20に対し被探査面上に音波または電磁波を照射する位置を表示する投写手段40と、探査手段20が投写手段40による表示に従って音波または電磁波を照射して得た反射波データと投写手段40が表示した音波または電磁波を照射する位置データから埋設物の配置状態を算出する演算手段30と、演算手段30で得た埋設物の配置状態を被探査面上に表示する映像表示手段40を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は埋設物探査方法およびその装置に係り、特に覆工コンクリート構造物などにおける鉄筋などの埋設物の位置を非破壊で探査する方法およびその装置に関するものである。
トンネルの上面壁に換気用ジェットファンを据付ける場合、直接トンネル覆工コンクリートに下穴を開けてからアンカーボルトを打ち込み、ジェットファンを吊り下げている。この覆工コンクリートは、地山の地盤の状態によって補強のために鉄筋を埋設している場合があり、下穴開け作業において鉄筋を切断した場合は、覆工コンクリートの強度に悪影響を及す懸念がある。
鉄筋埋設位置が分らない場合には音波または電磁波レーダ等の鉄筋探査装置を使用し、複数の位置でそれぞれ受信した鉄筋の断面画像から強度分布が強い位置を作業者が鉄筋位置と判断し、その位置にチョーク等でマーキングをしていた。しかし、1台のジェットファンは、数十箇所のアンカーボルトで固定しているため、覆工コンクリート内の鉄筋分布を広く把握するために多大な時間を要する。
そこで、下記特許文献1においては、鉄筋埋設位置を精度良く見極める方法として、電磁波センサにより、コンクリート構造物内の鉄筋位置を解析し、解析処理により得られた2次元的鉄筋位置画像を等倍でプリントアウトし、対象面に貼り付けること(従来技術1)を提案している。また、下記特許文献2では、対象物へ格子状に走査線が画かれた計測位置確認シートを対象面に直接配置し、所定の位置確認用表示に沿って計測すること(従来技術2)を提案している。
しかし、上記従来技術1の鉄筋位置を示す画像用紙を対象物に貼り付ける方法には現場での作業性について配慮がなく、粗悪な状態の対象面への画像用紙の貼り付けあるいは上面壁などの上向き作業のような作業性の悪い対象面への画像用紙の貼り付けにおいては計測位置と同一位置へ画像用紙を貼り付け難い問題がある。そして、計測範囲が広い面積である場合、現場で出力するために大きなプリンタが必要となりプリンタを準備する手間と時間がかかるという問題がある。
また、上記従来技術2の計測位置確認用シートによる計測方法では、計測中にシートが剥がれ落ちた場合やずれた場合は、同一位置への貼り付けが困難となるため実際の鉄筋位置に対してずれて表示される。また計測終了後、何らかの問題で再計測を行う場合、前回の計測と同じ位置に計測位置確認シートを貼り付けることが困難で、正確な鉄筋位置確認の再現が行えず、信頼性を高められない問題がある。
それゆえ本発明の目的は、短時間で簡便にそして高精度に埋設物の位置を非破壊で探査することができ、探査結果を高精度に被探査面上に表示することができる埋設物探査方法およびその装置を提供することにある。
上記目的を達成する本発明埋設物探査方法の特徴とするところは、被探査面上から音波または電磁波を照射し反射波から埋設物の有無を検出する埋設物探査方法において、被探査面上に投写手段により音波または電磁波を照射する位置を表示し、その表示に従って音波または電磁波を照射して反射波を得て、その反射波データと投写手段により表示した音波または電磁波を照射する位置データから埋設物の配置状態を算出し、埋設物の配置状態の映像を被探査面上に表示するようにしたことにある。
また、上記目的を達成する本発明埋設物探査装置の特徴とするところは、被探査面上から音波または電磁波を照射し反射波から埋設物の有無を検出する埋設物探査装置において、音波または電磁波を照射し反射波から埋設物の有無を検出する探査手段と、該探査手段に対し被探査面上に音波または電磁波を照射する位置を表示する投写手段と、該探査手段が該投写手段による表示に従って音波または電磁波を照射して得た反射波データと該投写手段が表示した音波または電磁波を照射する位置データから埋設物の配置状態を算出する演算手段と、該演算手段で得た埋設物の配置状態を該被探査面上に表示する映像表示手段を有することにある。
本発明によれば、計測対象の被探査面上に投写手段から音波または電磁波を照射する位置を原寸大の走査線の形で位置映像として投写することにより、被探査面上に位置確認用シートなどを貼る手間が不要となり、いかなる計測対象でも投写可能であるために探査中に走査線がずれることはない。また、映像表示であるため何度でも全く同じ被探査面に映し出すことができて、短時間で簡便に高精度に非破壊で埋設物の位置を探査計測することができる。
また、探査手段が投写手段による表示に従って音波または電磁波を照射して得た反射波データと投写手段が表示した音波または電磁波を照射する位置データから埋設物の配置状態を算出し、埋設物の配置状態の映像も映像表示手段により原寸大で計測対象の被探査面に投写表示することにより、計測対象に対し埋設物の位置を正確・高精度に表示することができるため、アンカーボルトなどの下穴開け作業では確実に鉄筋位置を避けて打ち込むことができる
以下、図に示した実施形態について説明する。
図1は、本発明になる第一の実施形態を示す斜視図である。
図1において、10は計測対象として鉄筋11,12を埋設した模擬的なコンクリート構造物で、長さ1200mm,厚さ350mmである。鉄筋11は主筋として上面から被り100mmの所に直径10mmの鉄筋を幅方向に沿って長さ方向に100mm間隔で埋設した形となるようにし、鉄筋12は直径12mmの鉄筋を200mm間隔で主筋に対し直角に埋設した形となるようにし、鉄筋11と鉄筋12は針金を巻き付けて緊縛した形としている。なお、コンクリート構造物の裏面には凹部14を設けてある。
20は探査装置(探査手段)で、図2に示すようにハウジング21外の前後左右に4個の車輪22を有し、作業者はグリップ23を掴んでコンクリート構造物10上を走行させるようになっている。
ハウジング21の内部には、例えば800MHz〜1.5GHzの電磁波によるパルス信号を発信する送信部24と、このパルス信号を被探査面であるコンクリート表面に向けて放射する送信アンテナ25と、埋設物である鉄筋11,12からの反射波を受信する受信アンテナ26と、受信アンテナ26で受信する反射波を一定距離ごとにサンプリングしてAD変換する受信部27と、送信部24に発信の指令や受信部27に受信の指令を出したり,受信部27で得たデータをハウジング21に画面が露出した表示部29に表示させたり,受信部27で得たデータを後述する処理装置に送信する制御部28を備えている。
制御部28から後述する処理装置へのデータ送信はケーブルC1を介して行うようにしたが、無線でも良い。
30は処理装置(演算手段)で、探査装置20が得た反射波データと後述する投写手段が表示した電磁波を照射する位置データから埋設物の配置状態を算出する各種の演算や指令を出す演算部31と、演算部31での動作状況を表示する画面部32と、画面部32での表示を参照しつつ各種データを入力したり、演算部31に動作に関する指示の入力したりするキーボード33を備えている。
40は液晶プロジェクタなどの投写装置で、ケーブルC2を介しての処理装置30からの送信に基づいて、探査装置20がコンクリート構造物10上を探査のために走行する位置(電磁波を照射する位置)を表示する走査線を投写して表示し、探査装置20で得た反射波を処理装置30において解析・演算して得た鉄筋11,12の配置状態を映像として表示することを行う。
従って、投写装置40は探査手段に対し被探査面上に電磁波を照射する位置を表示する投写手段と演算手段で得た埋設物の配置状態を被探査面上に表示する映像表示手段を兼ねている。
投写装置40がコンクリート構造物10上に投写し表示する走査映像50は、図3にしめすように、13本ずつの走査線51を50mmの等間隔をもってXY各方向に並べて格子状に描いたもので、全体として600mm×600mmの正方形状となり、各走査線51上を探査装置20がX,Yの両方向に移動するようにしている。なお、走査線51の間隔や本数は、探査装置(探査手段)20の性能を勘案してキーボード33から前以て入力しておく。
図3に示したKは、探査装置20が探査の開始位置とする原点の表示で、処理装置30もこの原点Kを基準として各種の演算を行う。
次に、鉄筋11,12をコンクリート構造物10上から探査計測手順について、探査装置(探査手段)20として日本無線株式会社製のハンデイサーチ(商品名、型式:NJJ−95A)を用いた実例をもって説明する。
先ず、図4に示すステップ(以下、Sと略記)1において、探査する位置を特定し、原点を決める。そして、S2において投写装置40によりコンクリート構造物10表面に走査映像50を投写し、原点に対し計測対象面に原寸大で映し出す。
使用した走査映像50は、図3に示すように寸法が600mm×600mmの正方形状で、探査装置20の分解能を考慮して、表面には間隔が50mmの等間隔で走査線51を設けている。走査映像50は投写装置40から投写しているため、投写した状態でもコンクリート構造物10の表面の観察が容易である。
そして、S3で、映し出された走査線51の間隔が50mmの実寸通りに投写されているか走査線51の間隔を物差しや巻尺で確認し、実寸通りになっていなければS2に戻って、走査線51の間隔が50mmになるまで投写装置40を移動し調整する。
次に、走査線51の間隔が50mmになったら、S4に進み、走査線51に沿ってX方向に探査装置20を移動させながら、探査装置20から例えば800MHz〜1.5GHzの電磁波をコンクリート構造物10に向けて放射し、コンクリート構造物10内に存在する鉄筋11,12からコンクリートの誘電率と相違する反射信号を受信し、一定距離毎にサンプリングして受信強度データを形成する。なお、走査映像50は投写装置40により上方から投写するため、探査装置20が進行する前方における走査線51は探査装置20が障害にならず、走査線51を確認しながら探査を進めることができる。
ここで、図5により、探査装置20の表示部29に表示する画面60について説明する。
送信部24は常時電磁波を送信アンテナ25から照射しているが、受信部27では探査装置20のX方向への移動に合せて、一定距離毎に受信アンテナ26で受信している反射波をサンプリングしてAD変換をしている。受信データは反射波の強さを図5では濃淡で表示しており、濃い映像は埋設物の存在や空隙などの存在を表している。
図5では、画面60の左右横方向においてX方向での探査装置20の移動距離を示し、縦方向(t方向)は、反射波が往復する時間と電磁波の伝播速度から得た鉄筋11,12などの反射位置(深さ)を示している。
図5において、参考のために記入した数字1〜3は鉄筋11の存在を表し、数字4〜6は鉄筋11が存在していることによって現れる装置特有のノイズ波形である。数字7〜10はコンクリート構造物10の裏面に設けた凹部14からの反射波を示している。数字1〜3で示す反射波の下部に数字7〜10で示す反射波が無いのは、電磁波が鉄筋11で反射して凹部14に達していないことによる。
このように、探査装置20によれば、探査装置20が移動した直下のコンクリート構造物10内における凹部14の形状や空隙の位置、あるいは埋設物のコンクリート構造物10の表面から見た埋設物の太さを1本の走査線に沿った状態で把握できるが、1本の走査線に沿った計測だけでは、面状には把握できない。
そこで、面状に把握するために、探査装置20を図3のY方向に隣接する全ての走査線51に沿ってX方向に移動させて、X方向に伸びた各走査線51毎に図5に示す計測データを得る。続いて、探査装置20を図3のX方向に隣接する全ての走査線51に沿ってY方向に移動させて、Y方向に伸びた各走査線51毎に図5に示す計測データを得る。
XY両方向の全走査線51について計測・探査を完了すると、S5において1本の走査線毎の受信強度データ(計測データ)を処理装置30へケーブルC1を介して転送する。
走査線毎の計測データが全て処理装置30へ転送されているか図4のS6において処理装置30でデータの確認を行い、送信や計測の漏れた走査線があれば、S4に戻って該当する走査線に沿って再計測をして、S5に進み計測データを処理装置30へ送信(転送)して、全て走査線についての計測データを処理装置30で揃える。
処理装置30で揃えた各走査線51に沿った図5に示すような画面60に表示した計測データからは鉄筋11,12の埋設状況を2次元的に把握することはできず、各計測データを2次元画像に拡張する必要がある。そこで、図4のS7,S8で計測データの2次元画像化処理を実行する。
先ずS7では、1走査線毎の受信強度データを処理装置30の画面部32に図5の計測データを表示させ、図5において右側に示した波形において正符号側に示されたピーク位置を参照しながら、数字1〜3で示した双曲線の頂点位置をポイントする。この場合、x方向で0.63mのあたり、t方向で10cmのあたりに示される十字のカーソル線を移動させていくとカーソル線の交点位置における反射波の強さをピークで表しているので、最も濃淡の濃い位置にカーソルの交点を持っていけば、数字1〜3で示した双曲線の頂点位置をポイントすることができる。ポイント位置を閾値で設定しておけば、カーソルの移動でピーク位置に対応するポイント位置を定めることができる。
このようにして、埋設物(各鉄筋11,12)の深度、ピッチを1走査線毎に解析する。
S8では、夫々解析した計測データの2次元画像処理を実行する。その2次元画像処理においては、X、Y方向に伸びた各走査線51の間隔と走査線数と計測データを合せて2次元画像化処理を行う。
例えば、X方向に伸びた1本の走査線に沿った計測データから得られる数字1〜3はその走査線下の鉄筋11と凹部14のX方向での位置を表しているから、隣接する走査線51に沿った計測データから得られる同様な数字1〜3もその走査線下の鉄筋11と凹部14のX方向での位置を示しているので、同じ数字同士を線でつないでいくと、Y方向に伸びX方向に並べてある各鉄筋11の輪郭の映像F1(図示なし)を得ることができる。
同様にして、Y方向に伸びた各走査線51について同様なことを行うと、X方向に伸びY方向に並んだ各鉄筋12の輪郭の映像F2(図示なし)を得ることができる。
X方向に並べてある鉄筋11の本数とY方向に並べてある鉄筋12の本数は予め分っているから、S9において解析処理に抜けがないか確認し、あればS7に戻って、抜けた個所の解析を行う。全ての走査線51に沿った計測データについて解析をして、原点Kを基準にX方向に並べてある鉄筋11の輪郭の映像F1とY方向に並べてある鉄筋12の輪郭の映像F2を重ねると、両鉄筋11,12の2次元化画像F3(図示なし)を埋設物の配置状態として得ることができる。
両鉄筋11,12の2次元化画像が得られたら、S10に進み、処理装置30から投写
装置40へケーブルC2を介して2次元化画像F3の画像データを転送(送信)する。投写装置40は処理装置30から2次元化画像F3の画像データが送信されてくると、S11でコンクリート構造物10上に両鉄筋11,12の2次元化画像70として投写する。
装置40へケーブルC2を介して2次元化画像F3の画像データを転送(送信)する。投写装置40は処理装置30から2次元化画像F3の画像データが送信されてくると、S11でコンクリート構造物10上に両鉄筋11,12の2次元化画像70として投写する。
そして、S12で2次元画像の原点位置と走査線51の原点位置Kを一致させると、図6に示すように、コンクリート構造物10上に投写した両鉄筋11,12の2次元化画像(映像)70は、内部に埋設された各鉄筋11,12を原寸大で示していることになるので,S13において、作業者はコンクリート構造物10上に投写した両鉄筋11,12の映像から埋設物の位置を把握し、各鉄筋11,12の配筋(埋設)位置を避けるようにしてアンカーボルト設置のための穴あけ作業などを行うことができる。
作業者がコンクリート構造物10上に投写した両鉄筋11,12の映像70を見ずらいときは、処理装置30で映像70の配色や明度などを指定して、見易くすればよい。
図7は、本発明になる第二の実施形態を示す斜視図である。
本実施形態は、投写装置40から探査装置20に計測位置を走査線で順次指示するとともに、探査装置20が探査・計測した位置を処理装置30側で把握して、その位置データを処理装置30において製作する埋設物などの2次元化画像(映像)に反映させ、高精度な2次元化画像(映像)を投写するものである。
なお、この実施形態では、コンクリート構造物10の裏側に図1の実施形態で設けた凹部14がなく、鉄筋11は配管とした(以下、配管11として、説明する)。また、説明の簡略化のため、図1〜図6に示したものと同一物もしくは相当物については同一符号を付けている。
図7において、内部構成は図2(b)に示す構成となっている探査装置20には、図8に示すように、前方上部にLEDなどの点光源PLを設けてある。この点光源PLの位置は位置計測装置80で監視・把握して、処理装置30に計測データをケーブルC3で転送(送信)する。
投写装置40は、図1の実施形態で一挙に投写していた格子状の多数の走査線51からなる走査映像50の代わりに、探査装置20が探査・計測する位置を刻々伸びていく矢印の形を持つ走査線53で表示する。この走査線53は、図1の実施形態における多数の走査線51を1本ずつ表示するだけであり、部分的な走査線53はX方向に伸びるものだけでなく、Y方向に伸びるものもあるので、全体として図1の実施形態における走査映像50と等価で、外郭の走査線53で作る形状は600mm×600mmの仮想正方形になるようにしている。その仮想正方形の1角を原点(K)位置として、処理装置30のキーボード33から原点Kの位置を元に走査線53の本数と間隔を前以て入力しておく。
なお、位置計測装置80は、刻々伸びていく走査線53も監視・把握して、処理装置30に計測データをケーブルC3で転送(送信)する。
処理装置30は、位置計測装置80から送られてくる計測データから、走査線53で指定する計測位置と探査装置20が走行して探査・計測した位置のずれを求め、埋設物の2次元化画像を作成する場合、解析した埋設物の位置をこの位置ずれで補正し、実際の埋設物の位置を投写装置40で投写するようにする。
以下、図9,図10に従って、埋設物の探査・計測について説明する。
探査・計測のための走査線としては、XYの各方向においてそれぞれ隣接する走査線との間隔を50mmとして走査線の本数は13本で、これらの数値は前以て処理装置30に設定しておく。
探査・計測のための走査線としては、XYの各方向においてそれぞれ隣接する走査線との間隔を50mmとして走査線の本数は13本で、これらの数値は前以て処理装置30に設定しておく。
先ずS1において、原点Kの位置を基に、X方向に伸びる最初の走査線53の始点を決める探査位置の特定を行う。
続くS2において、処理装置30は、投写装置40に特定したX方向に伸びる最初の走査線53の始点から刻々X方向に伸びる最初の走査線53を投写させる。所望の長さの走査線53が投写されると、位置計測装置80はコンクリート構造物10上に投写した走査線53を画像データとして読み取り、処理装置30にケーブルC3を介して送る。位置計測装置80では、コンクリート構造物10の明るさとその上に投写した走査線53の明るさの比較で、その位置と長さを判断することができる。
その後S3において、処理装置30では位置計測装置80から送られてきた画像データと投写装置40に指示した最初の走査線53に関するデータを比較し、走査線53の位置,長さが指示通り(適性)であるか判断し、不適正ならS2に戻り、投写装置40のよる投写を調整し、適性になったらS4に進む。
S4では、作業者が、走査線53の始点、つまり、端部上に探査装置20を設置し、計測開始のため、探査装置20の操作パネルにある走査開始スイッチを投入し、制御部28を起動させ電磁波の発信を開始するとともに、点光源PLを点灯させる。そして、作業者は、S5において探査装置20を走査線53に沿って移動させて計測を実行し、探査装置20が走査線53の終点、つまり、他方の端部上に至ったところで、探査装置20の操作パネルにある走査開始スイッチを開放し、電磁波の照射を中止するとともに、点光源PLを消灯させる(S6)。探査装置20による走査線53に沿った1回の計測で、図5のような反射波を捉える。
位置計測装置80では、点光源PLの点灯から消灯までを監視して、S7において画像として捉えた点光源PLの移動軌跡から、探査装置20が計測をした位置と距離を把握する。そしてS8に進み、処理装置30から投写装置40が投写している走査線53の位置と長さのデータを読み出し、S9で探査装置20に指示した走査線53の位置と探査装置20が実際に計測した位置を比較してずれ(変位量)を演算し、変位量を処理装置30に転送する(S10)。なお、この変位量はY方向での探査装置20の全位置ずれを平均化しており、平均化後の変位量を基にX方向に描いた直線を計測線と呼ぶ。作業者が探査装置20を蛇行しながら走査線上を移動させると、走査線直下を計測していることにならないので、計測線の設定は計測結果を次の走査線位置に反映させるものである。
変位量が送られた処理装置30では、S11において、最初の走査線53の位置データ(Y方向)に隣接する走査線との基準間隔(50mm)を加算して次の走査線のY方向での位置を演算し、S10で得た変位量(平均ずれ量)で補正し、次の走査線の位置とする。これは常に探査装置20において探査・計測する位置が基準の間隔となるようにするもので、前の探査装置20が計測した位置データに隣接する走査線の基準間隔のデータを加算して、次の走査線位置としても良い。続くS12で次の走査線位置を決定し、S13で次の走査線位置データを投写装置40に転送する。
そして、S13で全走査線について計測を完了しているか確認し、未完了であればS2に戻って、以上説明した処理を繰り返す。この場合、全走査線とは、X方向の走査線だけでなくY方向に伸びる走査線も含んでいる。
全走査線について計測を完了している場合は、図10のS15に進む。
S15ではS5で計測した図5に示す計測データを走査線毎に処理装置30に転送し、図4のS7と同様に埋設物位置強度の解析処理をし、続くS16でX、Y方向に伸びた実際に計測をした計測線と解析結果を合せて、図4のS8と同様に2次元画像化処理を行う。
S15ではS5で計測した図5に示す計測データを走査線毎に処理装置30に転送し、図4のS7と同様に埋設物位置強度の解析処理をし、続くS16でX、Y方向に伸びた実際に計測をした計測線と解析結果を合せて、図4のS8と同様に2次元画像化処理を行う。
この実施形態で、実施例1の実施形態と異なることは、2次元画像化処理を行うときに図1や図3に示した走査線51でなく、計測線を用いて埋設物の位置データについて精度を高めていることにある。
S17で図4のS9のように解析処理に抜けがないか確認し、あればS15に戻って、抜けた個所の解析を行う。全ての計測線に沿った計測データについて解析をして、原点Kを基準にX方向に並べてある配管11の輪郭の映像とY方向に並べてある鉄筋12の輪郭の映像を重ねると、配管11と鉄筋12の2次元化画像を埋設物の配置状態として得ることができる。2次元化画像には、最初の走査線を参照して原点位置を設定しておく。
こうして得た配管11と鉄筋12の2次元化画像は、S18において処理装置30から投写装置40に転送し、S19で投写装置40から2次元化画像の映像90を埋設物の配置状態としてコンクリート構造物10の計測面に投写させ、S20で2次元化画像(映像)90の原点位置と走査線の原点(K)位置を一致させると、図11に示す映像90となる。
作業者はコンクリート構造物10の表面に投写した映像90を参考に配管11や鉄筋12の埋設位置を避けてアンカーボルト設置のための穴あけ作業などを行うことができる。
なお、電磁波は、超音波に代えてもよい。また、処理装置30において、探査装置20で把握した埋設物の太さに係数を掛けて太目に補正し、補正した太さを持つ埋設物を表示するようにして、アンカーボルト設置の穴あけ作業において穴あけ機のカッタ歯が確実に埋設物に当たらないようにするとよい。
さらに、図10のS16において2次元画像化処理を行う場合、設定した計測線上に図5に示した数字1〜3の位置を配置する代わりに、予定された各走査線上に図5に示した数字1〜3の位置を配置するようにして、設定した各計測線上に図5に示した数字1〜3の位置を配置する演算の手間を省くことができる。それは、例えば探査装置20がX方向に走行した場合、走行位置がY方向において多少にずれていても、探査装置20が得る配管11に関する計測データはY方向において誤差が殆ど存在しないことによる。
10‥コンクリート構造物
11,12‥鉄筋
14‥凹部
20‥探査装置
30‥処理装置
40‥投写装置
50‥走査映像
11,12‥鉄筋
14‥凹部
20‥探査装置
30‥処理装置
40‥投写装置
50‥走査映像
Claims (3)
- 被探査面上から音波または電磁波を照射し反射波から埋設物の有無を検出する埋設物探査方法において、
被探査面上に投写手段により音波または電磁波を照射する位置を表示し、その表示に従って音波または電磁波を照射して反射波を得て、その反射波データと投写手段により表示した音波または電磁波を照射する位置データから埋設物の配置状態を算出し、埋設物の配置状態の映像を被探査面上に表示するようにしたことを特徴とする埋設物探査方法。 - 被探査面上から音波または電磁波を照射し反射波から埋設物の有無を検出する埋設物探査装置において、
音波または電磁波を照射し反射波から埋設物の有無を検出する探査手段と、該探査手段に対し被探査面上に音波または電磁波を照射する位置を表示する投写手段と、該探査手段が該投写手段による表示に従って音波または電磁波を照射して得た反射波データと該投写手段が表示した音波または電磁波を照射する位置データから埋設物の配置状態を算出する演算手段と、該演算手段で得た埋設物の配置状態を該被探査面上に表示する映像表示手段を有することを特徴とする埋設物探査装置。 - 上記請求項2の埋設物探査装置において、該探査手段は己れの位置を示す位置表示手段を備えたものであり、さらに該位置表示手段の移動軌跡と該投写手段が表示する該探査手段が探査する位置を読み取る位置計測手段を有し、該演算手段は該投写手段が表示した音波または電磁波を照射する位置データに代えて、該位置計測手段で得た該移動軌跡から該探査手段が計測した実際の位置のデータを得て、該実際の位置のデータと該探査手段が該投写手段による表示に従って音波または電磁波を照射して得た反射波データから埋設物の配置状態を算出するものであることを特徴とする埋設物探査装置。
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- 2004-12-01 JP JP2004347965A patent/JP2006153783A/ja active Pending
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