JP2006151865A - オキサジアゾリノン誘導体および農園芸用殺菌剤 - Google Patents

オキサジアゾリノン誘導体および農園芸用殺菌剤 Download PDF

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Abstract

【課題】広範囲の植物病害に対して優れた防除活性を有する新規なオキサジアゾリノン誘導体および該誘導体を有効成分として含有する農園芸用殺菌剤を提供すること。
【解決手段】一般式(I)
Figure 2006151865

(式中、Rは、水素原子またはハロゲン原子を示し、Xは、独立して、C1−C6アルキル基、ハロゲン原子またはC1−C6ハロアルキル基を示し、nは、0〜5の整数を示す。)
で表されるオキサジアゾリノン誘導体。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規なオキサジアゾリノン誘導体および該誘導体を有効成分として含有する農園芸用殺菌剤に関する。
これまでに、本発明化合物と化学構造上類似したオキサジアゾリノン誘導体は、下記に示すようにいくつか知られている。
(1)下記の構造式で表わされる化合物が、除草活性を有することが知られている(特許文献1参照。)。
Figure 2006151865
(2)下記の構造式で表わされる化合物が、殺虫および殺ダニ活性を有することが知られている(特許文献2参照。)。
Figure 2006151865
(式中、RおよびRは、水素原子またはメチル基を示し、Rは炭素原子数1ないし3のアルキル基を示し、Xは、酸素原子またはメチレン基を示す。)
しかしながら、これらの化合物の殺菌活性について記載はない。
特開昭58−90570号公報 特開昭58−148869号公報
本発明は、広範囲の植物病害に対して優れた防除活性を有する新規なオキサジアゾリノン誘導体および該誘導体を有効成分として含有する農園芸用殺菌剤を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記の目的を達成するために、様々なオキサジアゾリノン誘導体を合成して種々検討を行った。その結果、本発明の新規なオキサジアゾリノン誘導体が広範囲の農園芸作物の病害に対して優れた防除活性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)一般式(I)
Figure 2006151865
(式中、Rは、水素原子またはハロゲン原子を示し、Xは、独立して、C1−C6アルキル基、ハロゲン原子またはC1−C6ハロアルキル基を示し、nは、0〜5の整数を示す。)
で表されるオキサジアゾリノン誘導体。
(2)前記の一般式(I)で表されるオキサジアゾリノン誘導体を有効成分として含有することを特徴とする、農園芸用殺菌剤。
本発明に係る化合物(I)のうち、好ましい化合物は、殺菌活性を有しており、それを含む農園芸用殺菌剤は、農作物の重要病害である、イネいもち病、キュウリやオオムギのうどんこ病、コムギの赤さび病、キュウリべと病、キュウリ灰色かび病などの各種病害に対して、幅広い防除効果を示し、農園芸用殺菌剤として有用である。したがって、本発明により優れた植物病害防除方法が提供される。
前記一般式(I)において、Rで示されるハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
前記一般式(I)において、Xで示されるC1−C6アルキル基とは、直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を示し、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、2−メチルブチル基、2,2−ジメチルプロピル基、3−メチルブチル基、n−ヘキシル基、2−メチルペンチル基、3−エチルブチル基が挙げられ、ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、C1−C6ハロアルキル基としては、例えばフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペンタフルオロプロピル基、ペンタフルオロブチル基、ペンタフルオロペンチル基、ペンタフルオロヘキシル基が挙げられる。
本発明に係る一般式(I)で表されるオキサジアゾリノン誘導体は、そのオキシム部二重結合に関するすべての考えうるE/Z異性体を含み、純粋なまたは実質的に純粋なE体またはZ体、ならびにE/Z異性体混合物をも含む。
次に、一般式(I)で表される本発明化合物の具体例を表1に記載する。しかしながら、本発明化合物はこれらの化合物に限定されるものではない。なお、化合物番号は以後の記載において参照される。
Figure 2006151865
次に、本発明に係る一般式(I)で表されるオキサジアゾリノン誘導体の代表的な製造法を以下に示す。
Figure 2006151865
(式中、R、Xおよびnは、それぞれ前記と同じ意味を示す。)
一般式(I)で表わされる本発明化合物は、一般式(II)で表わされる化合物と一般式(III)で表わされる化合物とを不活性溶媒中で反応させることにより製造することができる。なお、本製造法で使用する一般式(III)で表わされる化合物は、塩酸、硫酸などの無機酸と塩を形成していてもよく、市販品として入手可能であるか、または公知の方法により製造することができる。
本製造法で使用できる不活性溶媒としては、当業者が考えうる不活性溶媒をすべて含むが、好ましくは、メタノール、エタノール、n−プロパノールなどのアルコール類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類、および水などが挙げられる。また、これらの不活性溶媒は単独で、あるいは混合して使用することができる。
本反応に使用される試剤の量は、一般式(II)で表わされる化合物1モルに対して、一般式(III)で表わされる化合物が1〜10モルの割合、好ましくは1〜2モルの割合である。
本製造法においては、塩酸、硫酸、酢酸などの酸類、または酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウムなどの塩基類を共存させて用いることも可能であり、その使用量は一般式(II)で表わされる化合物1モルに対して0.001〜10モルの割合、好ましくは0.01〜2モルの割合である。
本反応は任意の温度条件下で行うことができるが、−20℃〜使用する不活性溶媒の沸点までであり、好ましくは0℃〜使用する不活性溶媒の沸点までで行う。
本反応の反応時間は、反応が終了する任意の時間としてもよい。反応が終了するとは、例えば溶媒中の原料の一方または両方が消費されることをいい、例えば薄層クロマトグラフィーなどによって確認できる。一般的には、1時間〜24時間の範囲内である。
反応終了後、通常のワークアップ手法により処理し、通常の精製、単離方法を用いて目的物である一般式(I)で表わされる化合物を得ることができる。具体的には、反応終了後、反応混合物中から反応に用いた不活性溶媒を蒸留によって留去、あるいは留去せずにそのままに、水とベンゼン、トルエン、クロロホルムまたは酢酸エチルなどの有機溶媒を加えて目的物を抽出、分液し、得られた有機溶媒層から溶媒を蒸留によって留去し、必要に応じてクロマトグラフィー、再結晶などの精製手段により目的物(I)を単離することができる。
次に本発明化合物の製造中間体である一般式(II)で示される化合物の代表的な製造法を以下に示す。
Figure 2006151865
(式中、Rは、前記と同じ意味を表す。)
<工程1>
一般式(V)で表わされる化合物は、一般式(IV)で示される化合物とクロロギ酸メチルとを塩基存在下に反応させることにより製造することができる。
本反応は、通常溶媒の存在下で行われる。反応に用いられる溶媒としては、例えば塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタンなどの脂肪族ハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類およびジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類が挙げられる。また、これらの溶媒は単独で、あるいは混合して使用することができる。
反応に用いられる塩基としては、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどの第三級アミン類およびピリジン、4−ジメチルアミノピリジンなどのピリジン類が挙げられる。
反応に用いられる試薬の量は、一般式(IV)で示される化合物1モルに対してクロロギ酸メチルが通常0.8〜1.2モルの割合であり、塩基が通常1モル〜過剰量の割合である。
本反応の反応温度は、通常−20℃〜30℃の範囲であり、反応時間は通常30分〜24時間の範囲である。
反応終了後は、例えば反応混合物を希塩酸水溶液、希硫酸水溶液などの酸性の水溶液に加え、有機溶媒で抽出して得られる目的物を含む有機溶媒層を、炭酸水素ナトリウム水溶液などの塩基性の水溶液、続いて飽和食塩水で洗浄し、得られた有機溶媒層から溶媒を蒸留によって留去し、必要に応じてクロマトグラフィー、再結晶などの精製手段により一般式(V)で表わされる目的化合物を単離することができる。
<工程2>
一般式(II)で示される化合物は、一般式(V)で表わされる化合物とホスゲンとを塩基存在下に反応させることにより製造することができる。
本反応は、通常溶媒の存在下で行われる。反応に用いられる溶媒としては、例えば塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタンなどの脂肪族ハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類、およびジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類が挙げられる。また、これらの溶媒は単独で、あるいは混合して使用することができる。
反応に用いられるホスゲンは、ホスゲン自体あるいは取り扱いが容易なダイホスゲンまたはトリホスゲンによっても供給されうる。
反応に用いられる塩基としては、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどの第三級アミン類およびピリジン、4−ジメチルアミノピリジンなどのピリジン類が挙げられる。
反応に用いられる試薬の量は、一般式(V)で示される化合物1モルに対し、ホスゲンとして通常1〜1.5モルの割合であり、塩基が通常2〜3モルの割合である。
本反応の反応温度は、通常0℃〜使用する溶媒の沸点までの範囲であり、反応時間は通常1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、例えば反応混合物を希塩酸水溶液、希硫酸水溶液などの酸性の水溶液に加え、有機溶媒で抽出して得られる目的物を含む有機溶媒層を、炭酸水素ナトリウム水溶液などの塩基性の水溶液、続いて飽和食塩水で洗浄し、得られた有機溶媒層から溶媒を蒸留によって留去し、必要に応じてクロマトグラフィー、再結晶などの精製手段により一般式(II)で示される目的化合物を単離することができる。
本発明に係る一般式(I)で表されるオキサジアゾリノン誘導体は、広範囲の種類の植物病原菌に対して優れた殺菌活性を有する。したがって、一般式(I)で表される本発明化合物を有効成分として含有する組成物を農園芸用殺菌剤として使用することができる。
一般式(I)で表される本発明化合物を有効成分として含有する農園芸用殺菌剤の組成は、有効成分として一般式(I)で表される化合物を含む以外は、通常の農園芸用殺菌剤の組成としてもよい。通常の組成とは、例えば、農薬製剤ガイド(編集:日本農薬学会施用法研究会、発行:社団法人日本植物防疫協会)に記載される。すなわち、一般式(I)で表される化合物、適当な担体、補助剤、界面活性剤、結合剤および安定剤などを配合してもよい。
一般式(I)で表される本発明化合物を含有する農園芸用殺菌剤の組成物は、農薬の剤型として一般に使用されている任意の剤型に製剤化することができる。例えば、粉剤、粗粉剤、DL(ドリフトレス型)粉剤、フローダスト剤、微粒剤、細粒剤、粒剤、水和剤、液剤、ゾル剤(フロアブル剤)、乳剤および油剤などに製剤化することができるが、これらに限定されない。
一般式(I)で表される本発明化合物の含有量は、製剤の剤型、および使用方法により、適宜選択することができる。一般に好ましい含有量は、製剤全体量に対して0.1〜90重量%の範囲である。
一般式(I)で表される本発明化合物を有効成分として含有する農園芸用殺菌剤は、一般の農園芸用殺菌剤が使用される方法と同様の方法で使用することができる。具体的には、水和剤、液剤、乳剤、ゾル剤(フロアブル剤)、顆粒水和剤または油剤の場合は、水で50〜2000倍に希釈して、一般に活性成分が1〜10000ppmの濃度の液になるように調製し、この希釈液を、農耕地10アール当たり50〜300リットル、通常は100〜200リットルの範囲で植物の病害発生部位の茎葉に散布しうる。
また、液剤、乳剤またはゾル剤(フロアブル剤)の場合は、水で希釈することなく、または50倍以内に希釈して、微量散布剤として10アール当たり、50〜5000mlの量を、主に空中散布(LV散布、ULV散布、S散布などを含む)することもできる。空中散布は、ヘリコプターなどを用いて実施される。
また、粉剤、粗粉剤、DL粉剤、フローダスト剤、微粒剤、細粒剤または粒剤の場合は、10アール当たり2〜5kgの剤(活性成分含有量は約5〜500g)を、植物の病害発生部位の茎葉、土壌表面、土壌中または水面に施用してもよい。
以下、本発明を製造例、製剤例及び試験例等によりさらに詳しく具体的に説明するが、これらにより本発明の範囲が限定されるものではない。まず、本発明化合物の製造例を示す。
3−[2−クロロ−5−[1−(ベンジルオキシイミノ)エチル]フェニル]−5−メトキシ−1,3,4−オキサジアゾリン−2−オンの製造(化合物番号2)
Figure 2006151865
還流冷却器、撹拌器および温度計をつけた100ml容量の4つ口フラスコ中に、3−(2−クロロ−5−アセチルフェニル)−5−メトキシ−1,3,4−オキサジアゾリン−2−オン2.7g(10mmol)およびエタノール40mlを装入し、ベンジルオキシアミン塩酸塩1.6g(10mmol)、酢酸ナトリウム0.9g(11mmol)および水8mlを加え、室温にて12時間攪拌した。反応終了後、減圧下にて溶媒を留去し、氷水を加え、酢酸エチルで抽出し、得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄後、有機層を分離し、これを無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下にて溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;メルク社製商品名「Silica gel 60H」、展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=5:1)にて精製し、標記化合物2.8g(収率76%)を淡黄色油状物として得た。
3−[2−クロロ−5−[1−(4−フルオロベンジルオキシイミノ)エチル]フェニル]−5−メトキシ−1,3,4−オキサジアゾリン−2−オンの製造(化合物番号16)
Figure 2006151865
還流冷却器、撹拌器および温度計をつけた100ml容量の4つ口フラスコ中に、3−(2−クロロ−5−アセチルフェニル)−5−メトキシ−1,3,4−オキサジアゾリン−2−オン2.7g(10mmol)およびメタノール40mlを装入し、4−フルオロベンジルオキシアミン1.7g(12mmol)および酢酸0.6g(10mmol)を加え、室温にて12時間攪拌した。反応終了後、減圧下にて溶媒を留去し、氷水を加え、酢酸エチルで抽出し、得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄後、有機層を分離し、これを無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下にて溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;メルク社製商品名「Silica gel 60H」、展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=5:1)にて精製し、標記化合物3.2g(収率82%)を淡黄色油状物として得た。
次に、本発明化合物の例のうちいくつかのH−NMR(CDCl/TMS,δ(ppm))データを表2に示す。
なお、1H−NMRデータは、JNM−LA300スペクトロメーター(日本電子データム株式会社製)によって測定されたデータである。
次に、本発明化合物の製造中間体の製造例を参考例として示す。
<参考製造例1>(2−クロロ−5−アセチルフェニル)カルバジン酸メチルの製造
Figure 2006151865
還流冷却器、撹拌器および温度計をつけた200ml容量の4つ口フラスコ中に、2−クロロ−5−アセチルフェニルヒドラジン5.5g(30mmol)、トリエチルアミン3.1g(31mmol)及びクロロホルム70mlを装入し、ここに0〜5℃でクロロギ酸メチル2.9g(31mmol)およびクロロホルム30mlの混合物を30分かけて滴下し、同温で2時間攪拌した。その後、反応混合物を5℃に冷却された1N−塩酸にあけよく洗浄した。分液後、有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下にて溶媒を留去して標記化合物6.0g(収率82%)を淡黄色油状物として得た。
<参考製造例2>3−(2−クロロ−5−アセチルフェニル)−5−メトキシ−1,3,4−オキサジアゾリン−2−オンの製造
Figure 2006151865
還流冷却器、撹拌器および温度計をつけた100ml容量の4つ口フラスコ中に、(2−クロロ−5−アセチルフェニル)カルバジン酸メチル2.4g(10mmol)、トリエチルアミン2.5g(25mmol)及びクロロホルム40mlを装入し、ここに20℃でトリホスゲン1.2g(4mmol)およびクロロホルム15mlの混合液を15分かけて滴下した。その間35℃まで徐々に温度が上昇した。室温で更に3時間攪拌した後、反応混合物を5℃に冷却された1N−塩酸にあけよく洗浄した。分液後、有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下にて溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;メルク社製商品名「Silica gel 60H」、展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=2:1)にて精製し、標記化合物2.0g(収率75%)を淡黄色油状物として得た。
次に、本発明化合物の製剤例を示す。
<製剤例1>粉剤化実施例
化合物番号2の化合物(2重量部)、PAP(物理性改良剤)(1重量部)およびクレー(97重量部)の混合物を、均一に粉砕混合して、活性成分を2重量%含有する粉剤を得ることができる。さらに、化合物番号2の化合物に替えて、表1に記載の各化合物を用いること以外は、同様の方法により、それぞれの粉剤を得ることができる。
<製剤例2>水和剤化実施例
化合物番号1の化合物(20重量部)、アルキルベンゼンスルホン酸カリウム(3重量部)、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(5重量部)および白土(72重量部)の混合物を均一に混合し、粉砕することにより、活性成分を20重量%含有する水和剤を得ることができる。さらに、化合物番号1の化合物に替えて、表1に記載の各化合物を用いること以外は、同様の方法により、それぞれの水和剤を得ることができる。
<製剤例3>乳剤化実施例
化合物番号16の化合物(30重量部)、メチルエチルケトン(40重量部)およびポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(30重量部)を混合して溶解することにより、活性成分を30重量%含有する乳剤を得ることができる。さらに、合物番号16の化合物に替えて、表1に記載の各化合物を用いること以外は、同様の方法により、それぞれの乳剤を得ることができる。
<製剤例4>ゾル剤化実施例
化合物番号29の化合物(40重量部)、ラウリル硫酸塩(2重量部)、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム(2重量部)、アセトキシプロピルセルロース(1重量部)および水(55重量部)の混合物を均一に混合することにより、活性成分を40重量%含有するゾル剤を得ることができる。さらに、化合物番号29の化合物に替えて、表1に記載の各化合物を用いること以外は、同様の方法により、それぞれのゾル剤を得ることができる。
<製剤例5>粒剤化実施例
化合物番号6の化合物(10重量部)、ラウリル硫酸塩(1重量部)、リグニンスルホン酸カルシウム(5重量部)、ベントナイト(30重量部)、およびクレー(54重量部)の混合物に、さらに水(15重量部)を加えて混練機で混練したのち、造粒機で造粒し、流動乾燥機で乾燥して、活性成分を10重量%含有する粒剤を得ることができる。さらに、化合物番号6の化合物に替えて、表1に記載の各化合物を用いること以外は、同様の方法により、それぞれの粒剤を得ることができる。
以下に、本発明に係る一般式(I)で表されるオキサジアゾリノン誘導体の、およびそれを有効成分として含む農園芸用殺菌剤の有用性について、以下の試験例1〜5を参照して明らかにする。しかしながら、本発明の有用性は、これらの試験例によって明らかにされる有用性に限定されるものではない。また、供試化合物番号とは、表1で表す化合物番号と同一の番号を表す。
<試験例1>イネいもち病防除効果試験
温室内で直径6cmの大きさのプラスチックポットで栽培した水稲(品種:朝日)の3葉期苗に、上記製剤例2に準じて調製した水和剤の希釈液(100ppm)を1ポットあたり10ml散布(茎葉散布)した。薬剤処理をした翌日、あらかじめオートミール寒天培地上で形成させたイネいもち病菌(Pyricularia
oryzae:ピリキュラリア オリゼ)の分生胞子を薬剤散布したポット上に接種し、24℃の人工気象室内において、発病を管理した。接種の5日後に、第3葉上のイネいもち病病斑数を調査し、下記の式1により防除価(%)を算出した。そして、下記の表3に従い、防除価(%)を評価値に換算した。本試験は1薬液濃度当り、1区1ポットの三連制で行った。その平均の防除効果の評価値を求めた。
Figure 2006151865
Figure 2006151865
また、下記の基準により水稲に対する薬害程度を調査した。
薬害程度の調査指数(6段階で評価)
5:激甚 4:甚 3:多 2:若干 1:わずか 0:なし
この薬害程度の調査指数は、試験例2〜4においても適用した。
これらの結果を下記の表4に示した。
Figure 2006151865
<試験例2>オオムギうどんこ病防除効果試験
温室内で直径6cmの大きさのプラスチックポットで栽培した大麦(品種:アズマゴールデン)の1葉期苗に、上記製剤例2に準じて調製した水和剤の希釈液(100ppm)を1ポットあたり10ml散布(茎葉散布)した。薬剤処理をした翌日、あらかじめ、別の大麦葉上で形成させたオオムギうどんこ病菌(Erysiphe
graminis :エリシフェ グラミニス)の分生胞子を薬剤散布したポット上に接種し、20℃の人工気象室内において、発病を管理した。接種の7日後に、第1葉上のオオムギうどんこ病の病斑面積歩合(%)を調査し、下記の式2により防除価(%)を算出した。そして、上記の表3に従い、防除価を評価値に換算した。本試験は、1薬液濃度当り、1区1ポットの三連制で行った。その平均の防除効果の評価値を求めた。
Figure 2006151865
大麦に対する薬害程度の調査指数(5段階で評価)を上述に従い、調査した。
これらの結果を以下の表5に示す。
Figure 2006151865
<試験例3>コムギ赤さび病防除効果試験
温室内で直径6cmの大きさのプラスチックポットで栽培した小麦(品種:農林61号)の1葉期苗に、上記製剤例2に準じて調製した水和剤の希釈液(100ppm)を1ポットあたり10ml散布した(茎葉散布)。薬剤処理をした翌日、あらかじめ別の小麦葉上で形成させたコムギ赤さび病菌(Puccinia
recondita :プクシニア レコンジタ)の夏胞子を薬剤散布したポット上に接種し、20℃の人工気象室内において、発病を管理した。接種の10日後に、第1葉上の病斑数を調査し、上記の式1により防除価(%)を算出した。そして、上記の表3に従い、防除価を評価値に換算した。本試験は、1薬液濃度当り、1区1ポットの三連制で行った。その平均の防除効果の評価値を求めた。
小麦に対する薬害程度の調査指数(6段階で評価)を上述に従って、調査した。
これらの結果を以下の表6に示す。
Figure 2006151865
<試験例4>キュウリべと病防除効果試験
温室内で直径6cmの大きさのプラスチック製ポットで土耕栽培したキュウリ(品種:相模半白)の第2葉期苗に、上記製剤例2に準じて調製した水和剤の所定濃度希釈液を自動散布装置を用い1ポット当り10ml散布した。薬剤処理の翌日、あらかじめキュウリ葉上で形成させたキュウリべと病菌(Pseudoperonospora
cubensis:シュードヘロノスポラ クベンシス)の胞子を展着剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)の50ppm水溶液にて胞子濃度を5×105胞子数(個)/mlに調整し、スプレーガンを用いてキュウリの茎葉に噴霧接種した。その後、20℃、湿度100%の接種箱に一夜保った後、24℃の温室内に移して発病を促した。接種6日後に、1葉当りの病斑面積歩合(%)を調査し、平均病斑面積歩合を求め、上記の式2により防除価(%)を算出した。そして、上記の表3に従い、防除価を評価値に換算した。本試験は、1薬液濃度当り、1区1ポットの三連制で行った。その平均の防除効果の評価値を求めた。
キュウリに対する薬害程度の調査指数(5段階で評価)を上述に従って、調査した。
これらの結果を以下の表7に示す。
Figure 2006151865
<試験例5>キュウリ灰色かび病防除効果試験
温室内で直径6cmの大きさのプラスチックポットで栽培したキュウリ(品種:相模半白)の1.5葉期苗に、上記製剤例2に準じて調製した水和剤の希釈液(100ppm)を1ポットあたり10ml散布した(茎葉散布)。薬剤処理をした翌日、あらかじめジャガイモ煎汁培地上で培養したキュウリ灰色かび病菌(Botrytis
cinerea :ボトリチス シネリア)の含菌寒天片を前記キュウリの第1葉上に接種し、20℃の温室内に入れた。接種の4日後に、病斑直径(cm)を測定し、下記の式3により防除価(%)を算出した。そして、上記の表3に従い、防除価を評価値に換算した。本試験は、1薬液濃度当り、1区1ポットの三連制で行った。その平均の防除効果の評価値を求めた。
キュウリに対する薬害程度の調査指数(5段階で評価)を上述に従い、調査した。
これらの結果を表8に示した。
Figure 2006151865

Claims (2)

  1. 一般式(I)
    Figure 2006151865
    (式中、Rは、水素原子またはハロゲン原子を示し、Xは、独立して、C1−C6アルキル基、ハロゲン原子またはC1−C6ハロアルキル基を示し、nは、0〜5の整数を示す。)
    で表されるオキサジアゾリノン誘導体。
  2. 請求項1に記載のオキサジアゾリノン誘導体を有効成分として含有することを特徴とする、農園芸用殺菌剤。
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