JP2006151529A - エレベータ保守作業チェックシステム及びエレベータ保守作業者端末装置 - Google Patents

エレベータ保守作業チェックシステム及びエレベータ保守作業者端末装置 Download PDF

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Abstract

【課題】作業者端末装置を用いて実施されるエレベータ保守作業において、その保守作業の適切性を判断できるようにすることである。
【解決手段】作業者端末装置38は、エレベータの保守作業項目及びその内容を表示することができ、また、実施された保守作業の実施状況を保守作業者の入力により記憶することができる。運行制御装置34は、エレベータの運行を制御する。運行履歴蓄積装置36は、運行制御部40の運行制御処理に割り込み、エレベータ12の運行履歴を取得し記憶する。保守作業における運行履歴は、運行履歴蓄積装置36から作業者端末装置38に移転されて記憶される。保守作業の運行履歴から、保守作業の実際作業時間を求め、これを標準作業時間と比較し、実施された保守作業の適切性が判断される。
【選択図】図2

Description

本発明は、エレベータ保守作業チェックシステム及びエレベータ保守作業者端末装置に係り、特に、エレベータの保守作業者が保守作業の際に複数の保守作業項目とその内容を表示させてそれに従って保守作業を行い、その実施状況結果をそれに自ら入力して記憶させる自己報告型作業者端末装置を用いる場合におけるエレベータ保守作業チェックシステム及びエレベータ保守作業者端末装置に関する。
一般に作業現場において、作業者は予め配布されている標準作業マニュアル等に従って作業を遂行する。したがって、標準作業マニュアルに従って作業が行われないと、様々な問題を生ずることがある。
特許文献1には、標準作業マニュアルが予め配布されており、作業の現場における状況に応じた詳細な指示を与えるのが困難であることに注目し、ノートブック型パーソナルコンピュータ又はPDA(Personal Digital Assistant)等の端末機器に、作業に関する様々な情報を表示させ、作業員はこの端末機器の表示に従って作業することが開示されている。ここでは、表示される情報として、作業内容、作業順序、作業指示、作業経過情報、作業禁止事項、作業注意事項等が上げられている。そして、この端末機器は管制センターとオンラインで接続され、さらに作業現場には、作業員の他に検査員が配置される。そして、作業員が端末機器に従って作業することを、検査員及び管制センターが確認し、作業に対し多重チェックすることが述べられている。
特開2001−142953号公報
ノートブック型パーソナルコンピュータ又はPDAのような端末機器を用いて作業内容を指示すれば、紙等の標準作業マニュアルに比べ格段に詳細な指示を行うことができ、実施した内容もその端末機器に入力して記憶させることが出来、利便性が向上する。
そして、特許文献1のように、オンラインで管制センターと接続すれば、端末機器に表示される指示どおり作業者が作業を遂行したかどうかが確認できる。しかし、そのような装備もなく、また他に検査員がいない現場で、作業員のみが作業を行うときは、その指示どおり作業員が作業を遂行したかどうかは、作業員の報告を信頼するしかない。端末機器を用いるとしても、実施した内容を作業員が自ら記録するいわゆる自己報告型の端末機器の場合には、その指示どおり作業員が作業を遂行したかどうかは、やはり作業員の記録を信頼するしかない。
例えば、エレベータの保守作業を行う場合、作業内容を表示でき、また保守作業の実施状況を保守作業者が自ら記録する保守作業者端末を利用することで、保守作業の利便性が向上する。しかし、ユーザ先に保守作業員が1人で赴くこともあり、このようなときには、保守作業者端末への記録が自己報告型となり、その指示どおり作業員が作業を遂行したかどうかは、やはり作業員の記録を信頼するしかない。
このように、従来技術では、自己報告型の作業指示端末を用いて作業を行った場合に、その指示どおり作業員が作業を遂行したかどうか確認することが容易ではない。
本発明の目的は、エレベータ保守作業において、その保守作業の適切性を判断できるエレベータ保守作業チェックシステム及びエレベータ保守作業者端末装置を提供することである。他の目的は、エレベータ保守作業において、特に自己報告型の作業者指示端末を用いて、その保守作業の適切性を判断できるエレベータ保守作業チェックシステム及びエレベータ保守作業者端末装置を提供することである。
本発明に係るエレベータ保守作業チェックシステムは、エレベータの運行を制御する運行制御装置と、運行制御装置と接続され、エレベータの運行ステップ項目ごとの時間履歴を取得し蓄積記録する運行履歴蓄積装置と、運行履歴蓄積装置から、保守作業におけるエレベータの運行ステップ項目の時間履歴を抽出して保守作業の実際作業時間を求め、予め定められている保守作業の標準時間と比較して実施された保守作業の適切度を判断する判断装置と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係るエレベータ保守作業チェックシステムにおいて、判断装置は、保守作業者が用いる作業者端末装置に組み込まれており、その作業者端末装置は、複数の保守作業項目及びその内容を表示し、実施された保守作業については保守作業者の入力によりその内容が記憶される作業者端末装置であることを特徴とする。
また、本発明に係るエレベータ保守作業チェックシステムにおいて、作業者端末装置は、各保守作業項目の標準作業時間と、各保守作業項目に対応するエレベータの運行ステップ項目とを記憶する対応関係記憶手段と、運行履歴蓄積装置から各保守作業項目に対応する運行ステップ項目の時間履歴を抽出して各保守作業項目の実際作業時間を求め、各保守作業項目ごとの標準時間と比較して各保守作業項目の実施の適切度を判断する判断部と、を含むことが好ましい。
また、本発明に係るエレベータの保守作業チェックシステムにおいて、作業者端末装置は、運行履歴蓄積装置からエレベータの保守時における各運行ステップごとの時間履歴を取得し、そのデータを保守運行履歴記憶手段に移転する移転手段を含むことが好ましい。
また、判断部は、対応関係記憶手段から、保守作業項目をキーとして検索し、それに対応する運行ステップ項目と、標準時間とを特定する手段と、特定された運行ステップ項目に対応する時間履歴を保守運行履歴記憶手段から抽出し、それに基づいて実際作業時間を取得する手段と、を含み、特定された標準時間と、取得された実際作業時間とを比較して各保守作業項目の実施の適切度を判断することが好ましい。
また、運行制御装置は、エレベータの運行を通常運行モードから保守運行モードに切替える保守スイッチを備え、作業者端末装置は、運行制御装置と接続して保守スイッチをオン・オフする手段を含むことが好ましい。
また、移転手段は、運行制御装置を介し、運行履歴蓄積装置のデータを保守運行履歴記憶手段に移転することが好ましい。
また、運行ステップ項目には、エレベータの主電源がオンしている電源オン時間と、エレベータの運行を通常運行モードから保守運行モードに切替える保守スイッチがオンしている保守スイッチオン時間と、エレベータの各停止階における開閉扉が開いている各階ごとの扉開時間と、エレベータが各停止階に停止している各階ごとの運行停止時間と、の中の少なくとも1つを含むことが好ましい。
また、各階ごとの運行停止時間は、エレベータの籠の位置のデータと、籠が停止しているか移動しているかを表わすフラグの状態データと、に基づき、フラグが籠停止を表わし、籠位置データがその階の位置を示す値から変化し始めたときをその階の運行開始時刻として求め、フラグが籠移動を表わし、籠位置データがその階の位置を示す値となって変化がなくなったときをその階の運行停止時刻として求め、その階の運行停止時刻から運行開始時刻までの時間をその階の運行停止時間として求めることが好ましい。
また、本発明に係るエレベータの保守作業者端末装置は、エレベータの運行を制御する運行制御装置と、運行制御装置と接続されエレベータの運行ステップ項目ごとの時間履歴を取得し蓄積記録する運行履歴蓄積装置と、に接続されてエレベータの保守作業者が使用する端末装置であって、複数の保守作業項目とその内容を表示し、保守作業者の入力により各保守作業項目の実施状況を取得して記憶する手段と、各保守作業項目の標準作業時間と、各保守作業項目に対応するエレベータの運行ステップ項目とを記憶する対応関係記憶手段と、運行履歴蓄積装置から各保守作業項目に対応する運行ステップ項目の時間履歴を抽出して各保守作業項目の実際作業時間を求め、各保守作業項目ごとの標準時間と比較して各保守作業項目の実施の適切度を判断する判断部と、を含むことを特徴とする。
また、本発明に係るエレベータの保守作業者端末装置において、運行履歴蓄積装置からエレベータの保守時における各運行ステップごとの時間履歴を取得し、そのデータを保守運行履歴記憶手段に移転する移転手段を含むことが好ましい。
また、本発明に係るエレベータの保守作業者端末装置において、判断部は、対応関係記憶手段から、保守作業項目をキーとして検索し、それに対応する運行ステップ項目と、標準時間とを特定する手段と、特定された運行ステップ項目に対応する時間履歴を保守運行履歴記憶手段から抽出し、それに基づいて実際作業時間を取得する手段と、を含み、特定された標準時間と、取得された実際作業時間とを比較して各保守作業項目の実施の適切度を判断することが好ましい。
上記構成により、保守作業におけるエレベータの運行ステップ項目の時間履歴を抽出して保守作業の実際作業時間を求め、予め定められている保守作業の標準時間と比較するので、保守作業の実際の時間履歴に基づいて実施された保守作業の適切度が判断できる。
また、判断装置は、作業者端末装置に組み込まれるものとしたので、いわゆる自己報告型作業端末装置を用いて保守作業を行うときでも、保守作業の実際の時間履歴に基づいて実施された保守作業の適切度が判断できる。
また、各保守作業項目の標準作業時間と、各保守作業項目に対応するエレベータの運行ステップ項目との対応関係を記憶するので、各保守作業項目に対応するエレベータの運行ステップ項目との対応関係を用いて、運行履歴蓄積装置から各保守作業項目に対応する運行ステップ項目の時間履歴を抽出して各保守作業項目の実際作業時間を求め、これと各保守作業項目の標準作業時間と比較する。したがって、保守作業の自己報告の内容を、運行履歴蓄積装置に記憶された保守作業に対応する客観的データで比較でき、実施された保守作業の適切度が客観的に判断できる。
また、運行履歴蓄積装置に記憶されるデータのうち、エレベータの保守時における各運行ステップごとの時間履歴を作業者端末装置の保守運行履歴記憶手段に移転するので、一旦データを移転した後は、作業者端末装置単独で保守作業の適切度の判断に必要なデータ処理を完結できる。
また、一旦必要なデータを作業者端末装置に移転した後は、保守運行履歴記憶手段から特定された運行ステップ項目に対応する時間履歴を抽出するので、作業者端末装置単独で保守作業の適切度の判断に必要なデータ処理を完結できる。
また、作業者端末装置は、運行制御装置と接続して保守スイッチをオン・オフする手段を含むので、作業者端末装置の手元で保守の開始、終了が制御でき、便利である。
また、移転手段は、運行制御装置を介し、運行履歴蓄積装置のデータを保守運行履歴記憶手段に移転するので、作業者端末装置を運行制御装置に接続しない限り、保守作業の適切度の判断に必要なデータの移転が行えない。すなわち、作業者が必ず現場に赴いて保守作業を行ったことが容易に判断できる。
また、運行ステップ項目には、電源オン時間、保守スイッチオン時間、扉開閉時間、各階ごとの運行停止時間の中の少なくとも1つを含むこととした。これらは、スイッチ又はセンサ等によって容易に検出でき、また、これらは、保守作業の時間に密接に関連する。したがって、客観的なスイッチ、センサ等のデータに基づき、実施された保守作業の適切度が判断できる。
また、各階ごとの運行停止時間の算出は、エレベータの籠位置と、籠の停止・移動を表わすフラグの状態から運行開始時刻と停止時刻を求めることで行われるので、エレベータの運行に用いられるパラメータを利用し、各階ごとの運行停止時間を容易に求めることができる。
以下に図面を用いて、本発明に係る実施の形態につき、詳細に説明する。以下の説明では、作業者端末装置は、片手で持てるいわゆるハンドヘルドタイプのコンピュータで、ペン入力により表示画面上でデータを入力できるものとしたが、それ以外のデータ処理端末装置、例えば、一般的なノートブックパーソナルコンピュータや、さらに小型のPDAであってもよく、また、データ入力もキーボード等を用いるものとしてもよい。
図1は、エレベータの保守作業チェックシステム10が適用されるエレベータ12の全体構成が示される。エレベータ12は、かご(籠)14とバランス錘16が主ロープ18により連結され、滑車20によって懸架され、例えば昇降路の下部のピット22に配置され図示されていない駆動モータにより昇降駆動される。エレベータ12が設けられる建物の各階の乗場には開閉扉24,26等が設けられ、各階に停止する籠14に出入りができるようにされる。
かかるエレベータ12には、その運行のために必要な場所にセンサ等が設けられる。滑車20の付近には、その回転を検出するエンコーダ28が設けられ、それにより籠の現在位置がわかる。また、各階の開閉扉には、開閉センサ30が設けられ、扉の開閉を知ることができる。また、1階の乗場の周辺に設けられる操作盤には、保守作業のための作業者端末装置38の接続端子32が設けられる。そして、これらセンサ等の信号は、エレベータ12全体の運行を制御する運行制御装置34に接続される。運行制御装置34は、例えばピット22に配置される。運行制御装置34には、運行履歴蓄積装置36が接続され、運行制御装置34の運行指令信号や、各種センサの信号等からなる運行の時間的な経過である運行ステップの時間履歴が蓄積記録される。
エレベータ保守作業チェックシステム10は、かかるエレベータ12の保守作業を保守作業者8が行うときに、作業項目を漏れなく実施し、その実施状況の適切度を判断するシステムである。エレベータ保守作業チェックシステム10の中核は、保守作業者8が保守作業の際に使用する作業者端末装置38であるが、保守作業に伴うエレベータ12の運行履歴データを取り込むために、運行制御装置34と運行履歴蓄積装置36とが接続端子32を介して作業者端末装置38と交信を行う。したがって、エレベータ保守作業チェックシステム10は、運行制御装置34と運行履歴蓄積装置36と作業者端末装置38とが相互に接続されて構成される。
図2は、エレベータ保守作業チェックシステム10のブロック図である。エレベータ保守作業チェックシステム10を構成する運行制御装置34と運行履歴蓄積装置36と作業者端末装置38は、それぞれ通信制御部を備え、相互に接続される。
運行制御装置34は、エレベータ12の全体の運行を制御する機能を有する装置で、運行制御部40を中核として、電源スイッチ42、保守スイッチ44、通信制御部46等が内部配線で接続されて構成される。
運行制御部40は、各種センサ、駆動モータや扉開閉機構等に接続され、これらの動作を制御してエレベータ12を昇降制御する機能を有するもので、例えば専用の制御コンピュータで構成することができる。その機能はソフトウエアによって実現することができ、具体的には、対応するエレベータ運行制御プログラムを実行することで実現できる。保守作業時の運行制御は、通常の昇降運行制御と内容が異なり、保守作業者が各種スイッチや操作ボタン等を用いて、保守点検用の個別動作をそれぞれ実行させて行われる。
電源スイッチ42は、エレベータ12の運行に関わる主電源スイッチで、通常はオンの状態である。しかし、例えば、ブレーキ分解等の保守作業においては、安全確保のため、電源スイッチ42はオフにされる。保守スイッチ44は、運行制御を通常の昇降制御から保守作業用の制御に切替えるためのスイッチで、通常の昇降制御ではオフ、保守作業のときはオンにされる。
運行制御装置34は、エレベータ12の1階乗場の制御盤に設けられる接続端子32を介して作業者端末装置38と接続される。したがって、作業者端末装置38から運行制御部40にアクセスして、保守スイッチ44をオン・オフすることができる。
運行履歴蓄積装置36は、運行制御装置34とそれぞれの通信制御部46,54を介して接続され、運行制御装置34の動作シーケンスの時間履歴を吸い上げて、運行履歴として時系列に蓄積する装置である。具体的には、運行履歴蓄積記録制御部50と、記憶装置52を含んで構成される。運行履歴蓄積記録制御部50は、通信制御部54を介し運行制御装置34にアクセスし、運行制御部40の運行制御処理に割り込みながら、エレベータ12の運行に関する時間履歴を取得し、これらを系統的に記憶装置52に記憶させ、また読み出す制御を行う機能を有する。時間履歴の取得の詳細については後述する。かかる機能は、専用の電子制御回路、またはコンピュータにより実現される。記憶装置52は、例えばハードディスク装置等で構成することができる。
また、運行履歴蓄積装置36は運行制御装置34を介して作業者端末装置38に接続されるので、運行履歴蓄積装置36に蓄積されたデータは、作業者端末装置38からの要求によって、作業者端末装置38に伝送することができる。
運行履歴蓄積装置36には遠隔監視制御装置60が接続されてもよい。これにより、運行履歴データの蓄積に関する指令を遠隔地から行うことができ、また、蓄積された運行履歴データを遠隔地に伝送することもできる。また、遠隔監視制御装置60を設けるに当たっては、図3に示すように、運行履歴蓄積記録制御部50と記憶装置52とを、運行制御装置35の中に構成するようにしてもよい。このように構成することで、例えばピット22の中に、運行制御に関する機能と、運行履歴蓄積に関する機能をまとめることができる。もっとも、事故等で運行履歴蓄積が失われる危険を少なくする観点からは、少なくとも運行制御用電源と運行履歴蓄積用の電源とは別系統とすることが望ましい。
ここで、運行履歴蓄積装置36が運行制御装置34から取得するエレベータ12の運行に関する時間履歴の取得について説明する。これらの時間履歴は、エレベータ12の運行ステップごとの時間履歴で、運行履歴と呼ぶことができる。例えば、籠14がある階から次の階に運行開始したステップ、籠がある階に停止したステップ、その階の扉が開くステップ等の時系列の履歴である。実際には、これらの運行ステップの時間履歴は、各種信号の時系列の時間履歴を分析して得ることができる。各種信号の時間履歴には、運行制御部40からエレベータ12を構成する各要素への制御信号のタイミング、運行制御プログラムにおける各種フラグのタイミング、電源スイッチ42のオン・オフのタイミング、保守スイッチ44のオン・オフタイミング、エンコーダ28の出力値の時間的履歴、扉開閉スイッチ26の出力値の時間的履歴等を含む。
具体的に、エレベータ12の運行ステップに関するデータの取得の詳細を図4から図7のフローチャートを用いて説明する。運行履歴蓄積装置36が、運行制御装置34から運行制御開始の信号を受取るか、あるいは遠隔監視制御装置60がある場合にはそこから運行履歴の蓄積の指令を受取ると、運行履歴蓄積プログラムが起動し、定められたサンプリング間隔で、運行制御装置34の制御処理に割り込み、以下の手順を実行する。
図4において、最初に運行制御装置34との間の通信可否状態を取得する(S10)。これは、エレベータ12における電源スイッチ42のオン・オフの時刻を検出するためである。すなわち、運行履歴蓄積装置36と運行制御装置34との間は常時接続されているので、その間の通信可否は、電源スイッチ42のオン・オフを表わすものと考えることができるからである。そして、前回のサンプリング時における通信可否状態の値との変化の有無を判断する(S12)。前回値と変化があれば、サンプリングの時刻と共に、電源オン又はオフがその時刻で生じたとして記録する(S14)。そしてそのデータを、新しく通信可否状態の前回値として更新する。前回値と変化がないときはそのまま前回値データとして記録し直して維持する(S16)。そして、通信不能かどうか判定(S18)し、通信不能のときはS10へ戻り、通信可能のときは、図5の先頭の工程に進む。このようにして、通信可否状態の前回値データをサンプリングごとに更新して、電源オン・オフの時刻を運行ステップデータとして取得できる。
次に図5の最初において、保守スイッチの状態を取得する(S20)。これは、保守スイッチ44のオン・オフの時刻を検出するためである。保守スイッチ44のオン時刻は、保守作業者が保守作業を開始した時刻であり、オフ時刻は保守作業を終了した時刻を示す。そして、前回のサンプリング時における保守スイッチ状態の値との変化の有無を判断する(S22)。前回値と変化があれば、サンプリングの時刻と共に、保守スイッチオン又はオフがその時刻で生じたとして記録する(S24)。そしてそのデータを、新しく保守スイッチ状態の前回値として更新する。前回値と変化がないときはそのまま前回値データとして記録し直して維持する(S26)。そして、図6の先頭の工程に進む。このようにして、保守スイッチ状態の前回値データをサンプリングごとに更新して、保守作業の開始、終了の時刻を運行ステップデータとして取得できる。
次に図6の最初において、扉開閉状態を取得する(S28)。これは各階の開閉扉が開いた時刻、閉じた時刻を検出するためである。扉開閉状態は、各階の扉についてそれぞれ行われるが、ここでは代表して1つの扉について述べる。扉開閉状態は、各扉に設けられた開閉センサ30のデータを取得して得られる。そして、前回のサンプリング時における扉開閉状態の値との変化の有無を判断する(S30)。前回値と変化があれば、サンプリングの時刻と共に、扉の開又は閉がその時刻で生じたとして記録する(S32)。そしてそのデータを、新しく扉開閉状態の前回値として更新する。前回値と変化がないときはそのまま前回値データとして記録し直して維持する(S34)。そして、図7の先頭の工程に進む。このようにして、開閉スイッチのデータを取得し、扉開閉状態の前回値データをサンプリングごとに更新して、各階の扉が開いた時刻、閉じた時刻、あるいはその扉の開いている時間、閉じている時間等を運行ステップデータとして取得できる。
次に図7の最初において、籠位置を取得する(S36)。以下の工程は、各階において籠が停止した時刻、及び他の階に向けて運行を開始した時刻を検出するために行われる手順である。現在の籠位置は、エンコーダ28のデータから得ることができ、籠が各階にあるかどうかも判断することができる。そして、前回のサンプリング時における籠位置の値との変化の有無を判断する(S38)。前回値と変化がなければ、次に停止中フラグが立っているかどうか判断する(S40)。「停止中フラグ」とは、籠が停止したときに立ち、籠が運行し始めると解除されるフラグで、運行制御装置34の運行プログラム中で用いられ、そのフラグ信号を取得することでその状態の変化がわかる。そして、停止中フラグが立っていないときは、籠位置の変化もないことと合わせて、前回サンプリングのときに、ある階に到達し停止をしたが、まだ停止中フラグを更新するまでに至っていなかったと考え、今回のサンプリングのときに籠がその階の位置に停止したものとし、その時刻にその籠位置の階に停止開始したとして記録する(S42)。そして停止中フラグが立てられ(S44)、そのデータを、新しく籠位置の前回値として更新する。停止中フラグが立っているときもそのまま前回値データとして記録し直して維持する(S46)。
一方、S38で、前回値と変化があれば、次にやはり停止中フラグが立っているかどうか判断する(S48)。そして、停止中フラグが立っているときは、籠位置の変化があることと合わせて、前回サンプリングのときに、ある階から他の階に向けて運行を開始したが、まだ停止中フラグを更新するまでに至っていなかったと考え、今回のサンプリングのときに籠がその階の位置から運行を始めたものとし、その時刻にその籠位置の階に運行開始したとして記録する(S50)。そして停止中フラグが解除され(S52)、そのデータを、新しく籠位置の前回値として更新する。停止中フラグが立っていないときもそのまま前回値データとして記録し直して維持する(S46)。このようにして、エンコーダ28のデータと、停止中フラグの状態変化を取得し、籠位置の前回値データをサンプリングごとに更新して、各階において籠が停止開始した時刻、運行開始した時刻、あるいはその階に停止している時間等を運行ステップデータとして取得できる。その後、再び次のサンプリングタイミングで、図4の先頭のS10に戻る。
このようにして、各サンプリング時における各種の運行ステップデータを取得して、これらはそれぞれ運行履歴データとして記憶装置52に記憶される。サンプリング周期としては、例えば、50msec等を用いることができる。
図8は、作業者端末装置38の外観図である。作業者端末装置38は、概略ノートブック程度の大きさの筐体70に収納されたコンピュータで、外部と交信する接続ケーブル72と、ペン入力端子74が設けられ、筐体70の外形に近い大型のカラーディスプレイの表示画面76を有する。図示されていない電源を入れると、表示画面76には、表示条件を選択できるボックス78が現われ、ペン入力端子74により適当に表示条件を選ぶことで、所望の表示内容80、例えば、保守作業内容の一覧表等を表わすことができる。また、表示画面76には、保守作業の実施状況を追記できるボタン表82が重畳して表わすことができる。
すなわち、作業者端末装置38は、保守作業を行うべき複数の保守作業項目及びその内容を表示することができ、また、実施された保守作業については保守作業者の入力によりその内容を記憶することができる端末装置である。かかる作業者端末装置38の使用の一例を説明する。エレベータの保守部門においてXXビルのエレベータの定期点検が10月に行うことになっているとすると、担当の保守作業員は、保守部門の管理コンピュータから、XXビルのエレベータの保守に関するデータを、作業者端末装置38にダウンロードする。ダウンロードされるデータには、保守対象のエレベータについての保守作業項目とその内容等が詳細に含まれている。
そして、その作業者端末装置38を携えてXXビルに赴き、対象エレベータの保守作業を行うに当たっては、作業者端末装置38を起動させ、ペン入力端子74により、保守作業手順内容を表示画面76に表示させる。保守作業は、表示画面76に表示される手順と内容に従って行われ、各保守作業項目について保守作業を実施すると、その実施状況に応じ、ボタン表82の該当する部分をペン入力端子74でクリックする等で入力する。例えば、図8の例で、主ロープを調整したときは、主ロープの欄をクリックして反転させてその位置を特定し、その後、ボタン表82の調整の部分をクリックすることでその内容が作業者端末装置38に記憶され、表示画面76にもその旨が表示される。このようにして、保守作業者は、作業者端末装置38における表示の支援の下で保守作業を進めることができ、また、自分の行った実施内容をその場で記憶させることができる。さらに、接続ケーブル72を介して、保守作業に関する運行履歴データを運行履歴蓄積装置から吸い上げることができるが、その詳細については後述する。
図9は、作業者端末装置38のブロック図である。作業者端末装置38は、CPU(100)と、表示画面76におけるペン入力端子74を用いた画面上入力部102と、表示内容を表示する画面そのものの出力部104と、接続ケーブル72を介して外部と交信する通信制御部106と、プログラム及び保守作業チェックに関するデータを記憶する記憶装置108を含んで構成される。これらの要素は、相互に内部バスで接続される。
記憶装置108は、保守作業項目及びその内容を記憶する保守作業項目記憶部110、保守作業の実施状況を記憶する作業実施状況記憶部112、各保守作業項目と、それに対応する運行ステップ及び各保守作業項目の標準作業時間とを関連付ける対応関係記憶部114と、運行履歴蓄積装置36から移転された保守作業に関する運行履歴を記憶する保守運行履歴記憶部116を含んで構成される。かかる記憶装置108は、例えば適当なハードディスクあるいは半導体メモリで構成することができる。
CPU(100)は、保守作業者の保守作業に関する表示及び記録を行う機能を有する作業記録部120と、運行履歴蓄積装置36から保守作業に関する運行履歴を移転する機能を有する保守運行履歴取得部126と、記憶された保守作業の実施状況の適切性を判断する機能を有する作業結果判断部128とを含む。
また、作業記録部120はその内部に、保守作業の項目及び内容を保守作業項目記憶部110から読み出して出力部104に表示する機能を有する保守作業項目表示モジュール122と、保守作業者が入力する実施状況データを取得し作業実施状況記憶部112に記憶させる機能を有する実施状況取得モジュール124を含む。
また、作業結果判断部128はその内部に、判断する対象の保守作業項目を選択する機能を有する保守作業項目選択モジュール130と、選択された保守作業項目に対応する運行ステップ・標準時間を対応関係記憶部114から検索する機能を有する運行ステップ・標準時間抽出モジュール132と、抽出された対応運行ステップから保守作業にかかった実際時間を抽出する実際作業時間抽出モジュール134と、標準時間と実際作業時間とを比較判断する機能を有する比較判断モジュール136と、判断結果を表示画面76等に表示する機能を有する判断結果表示モジュール138とを含む。
上記構成の作用、特に作業者端末装置38のCPU(100)の機能に付き説明する。なお、以下の説明における要素には、図1、図2及び図9における符号を用いる。エレベータ保守作業及びそのチェックの手順は、大きく分けて、保守作業者が作業現場において保守作業を行いその実施状況を記録する段階と、その実施状況をチェックして適切性を判断する段階と区別することができる。
前半の保守作業を行い、実施状況を記録する段階は、図8の説明の際に概略を述べた。すなわち、保守作業者が現場に赴き、作業者端末装置38を起動し、適当な表示条件を選択すると、CPU(100)の保守作業項目表示モジュール122の機能により、保守作業項目及びその内容の詳細が記憶装置108の保守作業項目記憶部110から読み出されて、表示画面76に表示される。
これに先立ち、あるいはその後に、保守作業者は、接続ケーブル72を、エレベータ12の1階乗場の操作盤にある接続端子32に接続する。このことで、CPU(100)の通信制御部106を介し、エレベータ12の運行制御装置34と接続され、作業者端末装置38から保守スイッチ44のオン・オフを制御できる。すなわち、保守スイッチ44は、ピット22に設けられる運行制御装置34の近傍に配置されるが、一々ピット22に降りることなく、保守作業者は手元の作業者端末装置38において保守スイッチ44をオンし、エレベータ12の運行モードを通常モードから保守モードに切替えることができる。
そして、保守モードに切替えた後、表示画面76に示される手順に従い、所定の保守作業項目について保守作業を遂行し、その実施内容に従い、画面上のボタン表82の該当する部分をクリックする。これにより、CPU(100)の実施状況取得モジュール124の機能により、各保守作業項目についての実施状況が取り込まれ、記憶装置108の作業実施状況記憶部112に記憶される。これを全部の保守作業項目について繰り返す。
全部の保守作業項目について保守作業が遂行され、それぞれの実施状況が記憶されると、次に、CPU(100)の保守運行履歴取得部126の機能により、運行履歴蓄積装置36から、この保守作業に関する運行履歴データの吸い上げが行われ、取得されたデータは、記憶装置108の保守運行履歴記憶部116に格納される。データの移転は、作業者端末装置38の通信制御部106−接続ケーブル72−運行制御装置34の通信制御部46−運行履歴蓄積装置36の通信制御部54のルートを通して行われる。データの移転が終了すると、作業者端末装置38上で保守スイッチ44がオフされ、接続ケーブル72は接続端子32から外され、現場での保守作業は終了する。
こうして、作業者端末装置38には、作業現場における保守作業の実施状況の記録が作業実施状況記憶部112に記憶され、その保守作業に関するエレベータ12の運行履歴データが保守運行履歴記憶部116に記憶される。保守作業者は、これらのデータが記憶された作業者端末装置38をエレベータの保守部門に戻す。これで前半の段階、すなわち保守作業を行い、実施状況を記録する段階は終了する。
次に後半の段階、すなわち、保守作業者の自己報告によって記録された実施状況の適切性の判断について、フローチャート等を用いて説明する。図10は、エレベータの保守作業の実施状況に関する適切性を判断する手順を示すフローチャートである。この手順は、例えばエレベータの保守部門における上司等のチェック責任者によって行われる。最初に作業実施状況を参照する(S100)。具体的には、作業者端末装置38の電源をいれ、プログラムを立ち上げて、作業実施状況を表示できる状態にする。
まず、保守作業項目記憶部110を呼び出し、作業実施状況のチェックをしたい作業項目を選択する(S102)。具体的には、CPU(100)の保守作業項目選択モジュール130の機能により、保守作業項目記憶部110を呼び出し、保守作業項目一覧表を表示画面76に表示させる。図11は、保守作業項目一覧表150の例を示す図である。保守作業項目一覧表150は、保守作業の分類152と、各保守作業項目のコード154と、各保守作業項目156と、各保守作業項目の保守作業を行う作業月158等の関係が一覧表の形式で表わされたものである。各保守作業項目は、「点」で分類される点検作業、「M」で分類されるピット22の機械室まわりの保守作業、「H」出分類される昇降路周りの保守作業、「C」出分類される籠まわりの保守作業、「S」で分類される清掃作業、「L」で分類される長期点検、「OP」で分類されるオプション作業、「他」で分類されるその他保守作業に区分される。
図11においては、以下の説明に代表として用いる3つの保守作業項目を示した。「M4」コードで示されるブレーキ分解手入れは、ピット22の機械室にあるブレーキを分解して手入れを行うもので、安全のため、エレベータ12の主電源をオフにして実施される。「C1」コードで示される5F乗場扉装置点検は、代表階として予め定められる場所で行われる複数の保守作業の1つで、5階において籠を止め、5階乗場の開閉扉装置の点検を行う作業である。「SP」コードで示されるピット内環境状況確認は、1F扉を開け、籠に乗ってピット22に降り、ピット22内の清掃等の整備状況を確認する作業である。これらの保守作業は、毎月1回行われるべきことが作業月158の○印で示されている。
S102において、保守作業項目の選択は、順次に全部の保守作業項目を選択してもよいし、抜取りで適当な数の保守作業項目を選択し、仮にそれらの保守作業項目の実施状況に問題があれば、全部の保守作業項目について順次選択を行うものとしてもよい。以下では、「M4」、「C1」、「SP」の3つの保守作業項目を順次選択したものとして説明を続ける。
再び図10に戻り、次に、選択された保守作業項目について、対応関係記憶部114から、その保守作業項目に対応する運行ステップと、標準作業時間を特定する(S104)。具体的には、CPU(100)の運行ステップ・標準時間抽出モジュール132の機能により、対応関係記憶部114において、選択された保守作業項目を検索キーとして、それに対応する運行ステップと、その保守作業項目の標準作業時間を検索して抽出し、特定する。
図12は、対応関係記憶部114に格納される対応関係表160の例を示す図で、対応関係表160は、保守作業項目の分類162、各保守作業項目のコード164、そのコードの保守作業項目に対応する対応運行ステップ項目166、そのコードの保守作業項目の標準作業時間168等についての対応関係が一覧表の形式で表わされたものである。例えば「M4」すなわちブレーキ分解手入れについては、電源をオフして行うものであるので、対応運行ステップは、電源オフ時間に定められ、その保守作業における標準時間は20分とされているのが示される。同様に、「C1」の5F乗場扉装置点検については、5階に籠を停止させて点検するので、5F停止時間が対応運行ステップに定められ、その標準時間は90秒である。また、「SP」のピット内環境状況確認は、1階扉を開けて確認するので、1F扉開時間が対応運行ステップに定められ、その標準時間は60秒である。
再び図10に戻り、特定された運行ステップを、保守運行履歴記憶部116のデータの中から抽出する(S106)。この工程と、次のS108は、実際作業時間抽出モジュール134の機能に従って実行される。保守運行履歴記憶部116には、上記のように、この保守作業における運行履歴が運行ステップのデータとして運行履歴蓄積装置36から移転されて記憶されている。図13は、かかる保守運行履歴データ表170の例を示す図である。ここでは、保守作業における運行履歴データが時系列で記録されている。このデータから、例えば、電源オフ時間に関する運行ステップの記録として、15時3分25秒に電源オフが開始し、同55秒に電源が再びオンしたことが抽出できる。同様に、5F停止時間に関する運行ステップの記録として、15時25分10秒に5階に停止を開始し、同26分25秒に運行を開始したことが抽出でき、1F扉開時間に関する運行ステップの記録として、15時50分42秒に1階開閉扉が開き、同52分12秒に開閉扉が閉じたことが抽出できる。これらの記録の抽出から、電源オフ時間、5F停止時間、1F扉開時間を求めることができる。
再び図10に戻り、このように抽出された運行ステップデータから、その保守作業項目の実際作業時間を取得(S108)し、これをその保守作業項目の標準作業時間と比較(S110)し、実際作業時間が適切範囲内か否かを判断する(S112)。適切範囲内か否かは、予め標準作業時間に対し、適切範囲を設定することで判断できる。例えば、標準作業時間に対し、プラスマイナス50%までを適切範囲とすること等ができる。そして、適切範囲内であると判断されるときは、その保守作業項目の実施状況を「良」と判断し、表示画面76の実施状況記録欄にさらに「良」と表示(S114)し、作業記録部120の機能により、作業実施状況記憶部112にその旨記録する(S116)。一方、適切範囲内にあると判断されないときは、その保守作業項目の実施状況を「否」と判断し、表示画面76の実施状況記録欄にさらに「否」と表示(S118)する。この場合には、その保守作業項目についての保守作業がなされていないものとし、やり直しの機会を設けることも含め、作業実施状況記憶部112には何も記録しない(S120)。
その様子を図13の例で説明するため、図13において、保守運行履歴データ表170に並べて、適切性判断のデータ180を示した。すなわち、「M4」のブレーキ分解手入れについては、電源オフ時間が対応する運行ステップであるところ、電源オフから再びオンするまでの時間は30秒で、これが実際作業時間のデータ182となる。これに対し「M4」の標準作業時間のデータ184は図12で述べたように20分である。そして、実際作業時間の30秒は、標準作業時間の20分に対し大幅に短く、適切性判断の範囲を標準作業時間のプラスマイナス50%としても、適切範囲内でなく、判断データ186は「否」となる。同様に、「C1」の5Fの乗場扉装置点検の実際作業時間は75秒で、標準作業時間は90秒であり、これは標準作業時間のプラスマイナス50%内であるので「良」となり、「SP」のピット内環境状況確認の実際作業時間は90秒で、標準作業時間は60秒であり、これは標準作業時間のプラスマイナス50%内であるので「良」となる。
このように、自己報告型の作業者端末装置38を用いてエレベータ12の保守作業を行うに当たり、エレベータ12の保守作業における運行履歴データからその保守作業の実際作業時間を求め、その保守作業の標準作業時間と比較することで、保守作業の実施の適切性を判断することができる。
本発明に係る実施の形態におけるエレベータの保守作業システムが適用されるエレベータの全体構成を示す図である。 本発明に係る実施の形態におけるエレベータ保守作業チェックシステムのブロック図である。 本発明に係る実施の形態における運行制御装置の他の構成例を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、エレベータの運行ステップに関するデータの取得のフローチャートである。 図4のフローチャートの続きを示す図である。 図5のフローチャートの続きを示す図である。 図6のフローチャートの続きを示す図である。 本発明に係る実施の形態における作業者端末装置の外観図である。 本発明に係る実施の形態における作業者端末装置のブロック図である。 本発明に係る実施の形態におけるエレベータの保守作業の実施状況に関する適切性を判断する手順を示すフローチャートである。 本発明に係る実施の形態における保守作業項目一覧表の例を示す図である。 本発明に係る実施の形態における対応関係表の例を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、保守運行履歴データ表及び適切性判断のデータの例を示す図である。
符号の説明
8 保守作業者、10 エレベータ保守作業チェックシステム、12 エレベータ、14 籠、22 ピット、24,26 開閉扉、26 扉開閉スイッチ、28 エンコーダ、30 開閉センサ、32 接続端子、34,35 運行制御装置、36 運行履歴蓄積装置、38 作業者端末装置、40 運行制御部、42 電源スイッチ、44 保守スイッチ、46,54,106 通信制御部、50 運行履歴蓄積記録制御部、52,108 記憶装置、60 遠隔監視制御装置、72 接続ケーブル、74 ペン入力端子、76 表示画面、80 表示内容、82 ボタン表、100 CPU、102 画面上入力部、104 出力部、110 保守作業項目記憶部、112 作業実施状況記憶部、114 対応関係記憶部、116 保守運行履歴記憶部、120 作業記録部、122 保守作業項目表示モジュール、124 実施状況取得モジュール、126 保守運行履歴取得部、128 作業結果判断部、130 保守作業項目選択モジュール、132 運行ステップ・標準時間抽出モジュール、134 実際作業時間抽出モジュール、136 比較判断モジュール、138 判断結果表示モジュール、150 保守作業項目一覧表、160 対応関係表、166 対応運行ステップ項目、168 標準作業時間、170 保守運行履歴データ表。

Claims (12)

  1. エレベータの運行を制御する運行制御装置と、
    運行制御装置と接続され、エレベータの運行ステップ項目ごとの時間履歴を取得し蓄積記録する運行履歴蓄積装置と、
    運行履歴蓄積装置から、保守作業におけるエレベータの運行ステップ項目の時間履歴を抽出して保守作業の実際作業時間を求め、予め定められている保守作業の標準時間と比較して実施された保守作業の適切度を判断する判断装置と、
    を備えることを特徴とするエレベータ保守作業チェックシステム。
  2. 請求項1に記載のエレベータ保守作業チェックシステムにおいて、
    判断装置は、保守作業者が用いる作業者端末装置に組み込まれており、その作業者端末装置は、複数の保守作業項目及びその内容を表示し、実施された保守作業については保守作業者の入力によりその内容が記憶される作業者端末装置であることを特徴とするエレベータ保守作業チェックシステム。
  3. 請求項2に記載のエレベータ保守作業チェックシステムにおいて、
    作業者端末装置は、
    各保守作業項目の標準作業時間と、各保守作業項目に対応するエレベータの運行ステップ項目とを記憶する対応関係記憶手段と、
    運行履歴蓄積装置から各保守作業項目に対応する運行ステップ項目の時間履歴を抽出して各保守作業項目の実際作業時間を求め、各保守作業項目ごとの標準時間と比較して各保守作業項目の実施の適切度を判断する判断部と、
    を含むことを特徴とするエレベータの保守作業チェックシステム。
  4. 請求項3に記載のエレベータの保守作業チェックシステムにおいて、
    作業者端末装置は、
    運行履歴蓄積装置からエレベータの保守時における各運行ステップごとの時間履歴を取得し、そのデータを保守運行履歴記憶手段に移転する移転手段を含むことを特徴とするエレベータの保守作業チェックシステム。
  5. 請求項4に記載のエレベータの保守作業チェックシステムにおいて、
    判断部は、
    対応関係記憶手段から、保守作業項目をキーとして検索し、それに対応する運行ステップ項目と、標準時間とを特定する手段と、
    特定された運行ステップ項目に対応する時間履歴を保守運行履歴記憶手段から抽出し、それに基づいて実際作業時間を取得する手段と、
    を含み、特定された標準時間と、取得された実際作業時間とを比較して各保守作業項目の実施の適切度を判断することを特徴とするエレベータ保守作業チェックシステム。
  6. 請求項2に記載のエレベータ保守作業チェックシステムにおいて、
    運行制御装置は、エレベータの運行を通常運行モードから保守運行モードに切替える保守スイッチを備え、
    作業者端末装置は、運行制御装置と接続して保守スイッチをオン・オフする手段を含むことを特徴とするエレベータ保守作業チェックシステム。
  7. 請求項4に記載のエレベータ保守作業チェックシステムにおいて、
    移転手段は、運行制御装置を介し、運行履歴蓄積装置のデータを保守運行履歴記憶手段に移転することを特徴とするエレベータ保守作業チェックシステム。
  8. 請求項1に記載のエレベータ保守作業チェックシステムにおいて、
    運行ステップ項目には、
    エレベータの主電源がオンしている電源オン時間と、
    エレベータの運行を通常運行モードから保守運行モードに切替える保守スイッチがオンしている保守スイッチオン時間と、
    エレベータの各停止階における開閉扉が開いている各階ごとの扉開時間と、
    エレベータが各停止階に停止している各階ごとの運行停止時間と、
    の中の少なくとも1つを含むことを特徴とするエレベータ保守作業チェックシステム。
  9. 請求項8に記載のエレベータ保守作業チェックシステムにおいて、
    各階ごとの運行停止時間は、
    エレベータの籠の位置のデータと、
    籠が停止しているか移動しているかを表わすフラグの状態データと、
    に基づき、
    フラグが籠停止を表わし、籠位置データがその階の位置を示す値から変化し始めたときをその階の運行開始時刻として求め、
    フラグが籠移動を表わし、籠位置データがその階の位置を示す値となって変化がなくなったときをその階の運行停止時刻として求め、
    その階の運行停止時刻から運行開始時刻までの時間をその階の運行停止時間として求めることを特徴とするエレベータ保守作業チェックシステム。
  10. エレベータの運行を制御する運行制御装置と、運行制御装置と接続されエレベータの運行ステップ項目ごとの時間履歴を取得し蓄積記録する運行履歴蓄積装置と、に接続されてエレベータの保守作業者が使用する端末装置であって、
    複数の保守作業項目とその内容を表示し、保守作業者の入力により各保守作業項目の実施状況を取得して記憶する手段と、
    各保守作業項目の標準作業時間と、各保守作業項目に対応するエレベータの運行ステップ項目とを記憶する対応関係記憶手段と、
    運行履歴蓄積装置から各保守作業項目に対応する運行ステップ項目の時間履歴を抽出して各保守作業項目の実際作業時間を求め、各保守作業項目ごとの標準時間と比較して各保守作業項目の実施の適切度を判断する判断部と、
    を含むことを特徴とするエレベータの保守作業者端末装置。
  11. 請求項10に記載のエレベータの保守作業者端末装置において、
    運行履歴蓄積装置からエレベータの保守時における各運行ステップごとの時間履歴を取得し、そのデータを保守運行履歴記憶手段に移転する移転手段を含むことを特徴とするエレベータの保守作業者端末装置。
  12. 請求項11に記載のエレベータの保守作業者端末装置において、
    判断部は、
    対応関係記憶手段から、保守作業項目をキーとして検索し、それに対応する運行ステップ項目と、標準時間とを特定する手段と、
    特定された運行ステップ項目に対応する時間履歴を保守運行履歴記憶手段から抽出し、それに基づいて実際作業時間を取得する手段と、
    を含み、特定された標準時間と、取得された実際作業時間とを比較して各保守作業項目の実施の適切度を判断することを特徴とするエレベータ保守作業者端末装置。

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