JP2006151253A - トレーリングアーム式サスペンション - Google Patents

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Toshiyuki Oki
敏之 大木
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Abstract

【課題】バウンド・リバウンド時に所望のロールステアを実現可能なトレーリングアーム式サスペンションを提供する。
【解決手段】左右の車輪を回転自在に支持するハブキャリア2にそれぞれ連結して車両前後方向前方に延びる左右一対のトレーリングアーム1を備え、各トレーリングアーム1における上記ハブキャリア2よりも車両前後方向前側の位置に車体側取付け部が設定される。上記各トレーリングアーム1の車体側取付け部は、車幅方向に軸を向けたトーションバー6を介して車体フレームに支持される。上記トーションバー6の中心線Lを挟んで車両前後方向前側及び後側にそれぞれスタビライザを配置し、各スタビライザによって左右のトレーリングアーム1間を連結する。上記中心線Lに対する距離を、後側スタビライザ9よりも前側スタビライザ8の方を大きく設定した。
【選択図】 図2

Description

本発明は、車両用のトレーリングアーム式サスペンションに関する。
サスペンションスプリングとしてトーションバーを使用したトレーリングアーム式サスペンションとしては、例えば特許文献1に記載されるサスペンションがある。
このサスペンションは、車両前後方向に延びるトレーリングアームの後端部にハブキャリアを連結し、また、当該トレーリングアームの前端部が、車幅方向を向いた回転軸(クロスパイプ4)を中心に回動可能な状態で車体に支持されると共に、車幅方向に軸を向けたトーションバーを介して車体側部材に連結されている。
そして、横向きのトーションバーをサスペンションリンクとすることで、車体フロアの低床化を図ることができる。
特開2001−47824号公報
上記トーションバーを使用したトレーリングアーム式サスペンションでは、車輪のバウンド・リバウンド時に、トレーリングアームは、車幅方向を向いた回転軸(クロスパイプ4)を中心として上下に揺動するように規制されているので、バウンド・リバウンド時のおけるロールステアの設定が困難である。
本発明は、このような点に着目したもので、バウンド・リバウンド時に所望のロールステアを実現可能なトレーリングアーム式サスペンションを提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、本発明は、左右の車輪を回転自在に支持する各回転支持部材にそれぞれ連結して車両前後方向前方に延びる左右一対のトレーリングアームを備え、各トレーリングアームにおける上記回転支持部材よりも車両前後方向前側の位置に車体側取付け部が設定されたトレーリングアーム式サスペンションにおいて、
上記各トレーリングアームの車体側取付け部は、車幅方向に軸を向けたトーションバーを介してそれぞれ車体側部材に支持されると共に、
左右の車輪間の上下方向へのオフセットが大きくなるにつれて、平面視において、上記左右の車体側取付け部を結んだ直線よりも車両前後方向前側位置における左右のトレーリングアーム間の距離よりも、上記直線よりも車両前後方向後側位置における左右のトレーリングアーム間の距離を大きくするオフセット手段を備えることを特徴とするものである。
本発明によれば、車両がロールするなど、相対的に左右の車輪が逆相でバウンド・リバウンドするにつれて、左右のトレーリングアーム間について、平面視で車両前後方向前側が車両前後方向後側よりも狭くなる結果、左右の車輪をトーイン方向に変位させることが可能となる。
次に、本発明の第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係るサスペンションを示す斜視図であり、図2はその平面図、図3はその側面図である。
まず構成について説明すると、左右のトレーリングアーム1が車両前後方向に延在し、その各トレーリングアーム1の後端部に対し、車輪支持部材を構成するハブキャリア2が取り付けられ、該ハブキャリア2に不図示のホイールを介してタイヤ3が連結している。符号4はショックアブソーバを示す。
また、各トレーリングアーム1の前端部に車輪側取付け部が設定されている。各車輪側取付け部には、車幅方向に軸を向けたパイプ体からなるトーションバーケース5が固定されている。具体的には、各車輪側取付け部に一端部側を固定されたトーションバーケース5は車幅方向内方に延びている。左右のトーションバーケース5は、互いに独立していると共に、同軸且つ左右対称に配置されている。
各トーションバーケース5はそれぞれ、車輪側取付け部に取り付けられる大径部5aと、その大径部5aよりも車幅方向内側に位置する小径部5bとから構成される。
その各トーションバーケース5内には同軸にトーションバー6が個別に挿入され、上記小径部5bの位置(車幅方向内側位置)で、トーションバー6とトーションバーケース5とがセレーションによって結合している。すなわち、トーションバーケース5に対し、車幅方向外方からトーションバー6を挿入することで、トーションバー6の一端部側とトーションバーケース5とが一体的となる。なお、トーションバー6の一端部側とトーションバー6との結合は、かしめなど、セレーション以外の手段で行っても良い。
上記トーションバー6の他端部(車幅方向外側部分)は、トーションバーケース5から突出していてその突出している他端部が、車両前後方向に延びるマウントブラケット7に固定され、該マウントブラケット7は、それぞれ車体フレーム(車体側部材)に対し前後二箇所で弾性支持されている。
上記構成によって、左右のトーションバー6の軸は同軸となり、その両トーションバー6の中心線L(直線)を中心として左右のトレーリングアーム1は上下に揺動する。
また、上記中心線Lよりも車両前後方前方に前側スタビライザ8が配置されると共に、当該中心線Lよりも車両前後方向後方に後側スタビライザ9が配置されている。両スタビライザ8,9は、それぞれ軸を上記中心線Lと平行に配置されると共に、左右のトレーリングアーム1間を連結、つまり両トレーリングアーム1間に架設されている。上記両スタビライザ8,9は、長さが等しい。ただし、図4に示すように、中心線Lからの距離が、前側スタビライザ8よりも後側スタビライザ9の方が大きくなるように設定されている。
また、各トレーリングアーム1において、2本のスタビライザ8,9の取付け点P1,P2は、図3に示すように、前側スタビライザ取付け点P1よりもよ後側スタビライザ取付け点P2の方が低く設定されて、両取付け点P1、P2を結ぶ直線が、車両前後方向後方に向かうにつれて下方に変位するように下向きに傾斜した線となるように両取り付け点が設定されている。本実施形態では、同図3に示すように、上記両取付け点P1、P2を結ぶ直線が、タイヤ接地点P3若しくはその近傍を通過するように、両取付け点P1、P2の位置を設定している。
ここで、上記2本のスタビライザ8,9がオフセット手段を構成する。
次に、上記構成のトレーリングアーム式サスペンションの動作や作用・効果等について説明する。
車輪を支持するハブキャリア2はトレーリングアーム1に支持され、該トレーリングアーム1は、ハブキャリア2よりも車両前後方向前側にある車体側取付け部において、トーションバー6及びマウントブラケット7を介して車体側部材に支持されて、上記中心線Lを中心にして上下に揺動可能となっている。。
したがって、左右の車輪が同相でバウンド・リバウンドすると、左右のトーションバー6が同方向に捻れることでサスペンションスプリングのばね力が発生するが、前後のスタビライザ8,9に捻れが発生しないため、左右のトレーリングアーム1間の距離に変化は生じない。
これに対し、旋回時など車両がロールして、左右の車輪が逆相でバウンド・リバウンドした場合には、左右のトーションバー6が逆方向に捻れることでサスペンションスプリングのばね力が発生すると共に、左右の車輪が上下にオフセットすることで、各スタビライザ8,9の両端取付け部は上下逆方向の変位することで捩りが発生して左右のトレーリングアーム1を元の位置に戻す方向の力を作用する。
このとき、左右のトレーリングアーム1は、上記トーションバー6の中心線Lを中心にして上下に揺動することとなるが、当該中心線Lに対する各スタビライザ8,9までの距離は、前側スタビライザ8の方が後側スタビライザ9よりも大きいことから、前側スタビライザ8の方が両端部の上下変位が大きくなるように傾斜、つまり傾斜の勾配が大きくなることで、平面視では、前側スタビライザ8の長さが後側スタビライザ9の長さよりも短くなる。この結果、図5に示すように、左右のトレーリングアーム1は、共にハブキャリア2取付け点が車幅方向外方に変位するように変位して当該ハブキャリア2に支持される車輪がトーイン方向に変位する。
また、車両旋回時にタイヤ接地点P3に横力が入力されても、上記2本のスタビライザ8,9のトレーリングアーム1への取付け点P1,P2を結ぶ線が、上記タイヤ接地点P3若しくはその近傍を通過することで、当該横力に対する剛性(接地点横剛性)が向上する。
なお、上記説明では、左右の車輪が共に反対方向に上下揺動する場合を例示しているが、突起乗り越しなど、一方の車輪のみがバウンドした場合であっても、左右の車輪が上下にオフセットして、当該バウンドした車輪側がトーイン方向に変位するロールステアとなる。
また、上記説明では、左右のトーションバー6を別体としているが一体となっていても良い。
次に、第2実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上記第1実施形態と同様な部品などについては同一の符号を付して説明する。
本実施形態の基本構成は、図6及び図7に示すように、上記第1実施形態と同様である。但し、前後2本のスタビライザ8,9の長さ及び、トーションバー6の中心線Lに対する距離の関係だけが異なる。
すなわち、中心線Lに対する前後スタビライザ8,9間の距離を等しくし、且つ、前側スタビライザ8の長さを後側スタビライザ9の長さよりも短く構成した。なお、前側スタビライザ8の長さを短くすることから、トレーリングアーム1の前端部を車幅方向内側に曲げてある。
この場合、左右の車輪が逆相でバウンド・リバウンドすると、中心線Lに対する前後のスタビライザ間の距離が等しいことから、両スタビライザの両端部の上下変位量は同じであるが、前側スタビライザ8の方が短いことから、後側スタビライザ9の傾斜の勾配よりも前側スタビライザ8の傾斜の勾配が大きくなる。この結果、左右の車輪が逆相でバウンド・リバウンドすると、平面視では、後側スタビライザ9よりも前側スタビライザ8の方が短くなって、左右の車輪にトーイン方向のロールステアが発生する。
その他の構成や作用・効果については上記第1実施形態と同様である。
なお、本実施形態では中心線Lに対する前後のスタビライザ8,9までの距離を等しく設定しているが、第1実施形態と同様に、相対的に前側スタビライザ8の距離が短くなるように設定しても良い。このようにするとさらに、上記トーイン方向の変位量を大きく設定することができる。
また、中心線Lに対する前後スタビライザまでの距離の比や前後のスタビライザの相対的な長さの違いは、上記第1及び第2実施形態に限定されず、左右の車輪が逆相にバウンド・リバウンドするにつれて、平面視で前側のスタビライザ8の長さが後側のスタビライザ9の長さよりも短くなる設定になっていればよい。
また、図8及び図9に示すように、前後のスタビライザ8,9の長さを等しくし、中心線Lからの距離も等しくした場合には、上記トーイン方向へのロールステアは得られないものの、図9のように、スタビライザのトレーリングアーム1への両取付け点P1、P2を結ぶ直線が、タイヤ接地点P3若しくはその近傍を通過するように両取付け点P1、P2の位置を設定することで、接地点横剛性を高く設定することはできる。
次に、第3実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上記実施形態と同様な部品などについては同一の符号を付して説明する。
本実施形態の基本構成は、上記実施形態と同様であるが、図6に示される前側スタビライザ8及び後側スタビライザ9の代わりに、図10に示すように、伸縮装置を構成する伸縮アクチュエータ11及び連結部材12を設けた点が異なる。
上記伸縮アクチュエータ11は、軸を車両幅方向に向けて配置されて、車両幅方向に伸縮可能となっている。
また、各トレーリングアーム1の車体側取付け点よりも車両前後方向前側位置と上記伸縮アクチュエータ11とが、それぞれ連結部材12を介して連結されて、上記伸縮アクチュエータ11の伸縮が連結部材12を介して各トレーリングアーム1に伝達される。
この場合、左右の車輪3が逆相でバウンド・リバウンドすると、伸縮アクチュエータ11が縮んで、連結部材12を介してトレーリングアーム1を引っ張る。この結果、図5に示すように、左右のトレーリングアーム1は、共にハブキャリア2の取付け点が車幅方向外方に変位するように変位して当該ハブキャリア2に支持される車輪がトーイン方向に変位する。左右の車輪が逆相でバウンド・リバウンドしたことの判断は、例えば、左右輪のショックアブソーバ4のストローク変位を検知して、検知結果の左右輪位相差を演算して判断する、などのオフセット検知手段で実施する。
ここで、トレーリングアーム1と連結部材12との連結点は、車体側取付け点よりも車両前後方向後側の位置でも良く、その場合には、左右の車輪が逆相でバウンド・リバウンドしたときに伸縮アクチュエータ11が伸びるように制御する。
又、上記連結部材12が棒状の部材の場合に、当該連結部材12の軸は、車両幅方向に平行である必要はなく、車両前後方向に傾斜していても良い。
本発明に基づく第1実施形態に係るサスペンションを示す斜視図である。 本発明に基づく第1実施形態に係るサスペンションを示す正面図である。 本発明に基づく第1実施形態に係るサスペンションを示す側面図である。 本発明に基づく第1実施形態に係るサスペンションを示す模式図である。 本発明に基づく第1実施形態に係るサスペンションの挙動を示す模式図である。 本発明に基づく第2実施形態に係るサスペンションを示す平面図である。 本発明に基づく第2実施形態に係るサスペンションの挙動を示す模式図である。 本発明に基づく実施形態に係るサスペンションの挙動を示す模式図である。 本発明に基づく実施形態に係るサスペンションの挙動を示す模式図である。 本発明に基づく第3実施形態を説明する平面図である。
符号の説明
1 トレーリングアーム
2 ハブキャリア(車輪支持部材)
3 タイヤ
5 トーションバーケース
6 トーションバー
8 前側スタビライザ
9 後側スタビライザ
11 伸縮アクチュエータ
12 連結部材
L 中心線(直線)

Claims (6)

  1. 左右の車輪を回転自在に支持する各回転支持部材にそれぞれ連結して車両前後方向前方に延びる左右一対のトレーリングアームを備え、各トレーリングアームにおける上記回転支持部材よりも車両前後方向前側の位置に車体側取付け部が設定されたトレーリングアーム式サスペンションにおいて、
    上記各トレーリングアームの車体側取付け部は、車幅方向に軸を向けたトーションバーを介してそれぞれ車体側部材に支持されると共に、
    左右の車輪間の上下方向へのオフセットが大きくなるにつれて、平面視において、上記左右の車体側取付け部を結んだ直線よりも車両前後方向前側位置における左右のトレーリングアーム間の距離よりも、上記直線よりも車両前後方向後側位置における左右のトレーリングアーム間の距離を大きくするオフセット手段を備えることを特徴とするトレーリングアーム式サスペンション。
  2. 上記オフセット手段は、
    上記直線を挟んだ車両前後方向前側位置及び後側位置にそれぞれ車幅方向に延びるスタビライザを配置し、各スタビライザによって左右のトレーリングアーム間を連結する共に、上記直線よりも車両前後方向前側のスタビライザと当該直線との距離が、上記直線よりも車両前後方向後側のスタビライザと当該直線との距離よりも大きいことで構成されることを特徴とする請求項1に記載したトレーリングアーム式サスペンション。
  3. 上記オフセット手段は、
    上記直線を挟んだ車両前後方向前側位置及び後側位置にそれぞれ車幅方向に延びるスタビライザを配置し、各スタビライザによって左右のトレーリングアーム間を連結する共に、上記直線よりも車両前後方向前側のスタビライザの長さは、上記直線よりも車両前後方向後側のスタビライザの長さよりも短いことで構成されることを特徴とする請求項1に記載したトレーリングアーム式サスペンション。
  4. 上記直線よりも車両前後方向前側のスタビライザと当該直線との距離が、上記直線よりも車両前後方向後側のスタビライザと当該直線との距離よりも大きいことを特徴とする請求項3に記載したトレーリングアーム式サスペンション。
  5. トレーリングアームに対するスタビライザ取付け点は、上記直線に対し車両前後方向前側の取付け点よりも車両前後方向後側の取付け点の方が低いことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載したトレーリングアーム式サスペンション。
  6. 上記オフセット手段は、
    左右の車輪間の上下方向へのオフセットを検知するオフセット検知手段と、車幅方向に伸縮する伸縮装置と、一端がトレーリングアームの上記直線を挟んだ車両前後方向前側位置若しくは後側位置に連結され且つ他端が前記伸縮装置に連結される連結部材と、を備え、上記オフセット検知手段が検知したオフセット量に応じて、上記伸縮装置を駆動することを特徴とする請求項1に記載したトレーリングアーム式サスペンション。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE102008008361A1 (de) 2007-02-27 2008-08-28 Fujitsu Limited, Kawasaki Magnetwiderstandseffektelement und magnetische Speichervorrichtung

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