JP2006151154A - サービスホールカバー - Google Patents

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Toshio Iwahara
利夫 岩原
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Abstract

【課題】サービスホールを塞ぐ作業、ならびにコネクタの保守点検作業を簡素化するとともに、コネクタを低コストの非防水タイプとする。
【解決手段】車両のボデー30に開けられているサービスホール32を塞ぐためのサービスホールカバーであって、カバー本体10、およびホールに嵌め込み可能な筒状の嵌合部14が樹脂によって一体に成形されている。カバー本体10は、油量検出センサーに接続された配線40,41の挿通が可能で、かつ、コネクタ42を保守点検するための作業用開口12と、ホール32の周囲においてボデー30とカバー本体10との間のシール機能を果たすシール部材20とを備えている。嵌合部14は、カバー本体10でホール32を塞いだ状態において、このカバー本体10の反対側でボデー30に係合する係合爪16と、コネクタ42の周囲において燃料タンク34とカバー本体10との間のシールを果たすシール部材22とを備えている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、車両のボデーに開けられている燃料タンク用のサービスホールを塞ぎ、かつ、燃料タンク内の油量検出センサーに接続された配線を挿通させたサービスホールカバーに関する。
燃料タンク用のサービスホールは、主として油量検出センサーに接続された配線のコネクタを保守点検するためのものであり、したがって、サービスホールを塞いでいるカバーはボデーに対して脱着可能になっている。そして、カバーは一般的に金属製(鉄板)であり、ボデーに対してスタッドボルトとナットによって取り付けられ、かつ、カバーとボデーとの間に防水用のブチル剤が設けられている。また、配線のコネクタには防水タイプが使用され、カバーに開けられている配線の挿通孔には、防水のためのグロメットが設けられている。なお、公知のサービスホールカバーの構造については、例えば特許文献1に開示された技術を挙げることができる。
特開平6−87470号公報
従来、カバーによってサービスホールを塞ぐ場合、カバー側に防水用のブチル剤を塗り、ボデー側に立てられた複数本のスタッドボルトをカバーの各貫通孔に通し、各スタッドボルトにナットを締め付けるといった煩雑な作業を必要とする。そして、コネクタの保守点検に際しては、その都度、カバーを脱着しなければならない。また、コネクタは燃料タンク側に設けられているため、コストの高い防水タイプを使用している。
本発明は、このような課題を解決しようとするもので、その目的は、サービスホールを塞ぐ作業、ならびにコネクタの保守点検作業を簡素化するとともに、コネクタを低コストの非防水タイプとすることである。
本発明は、上記の目的を達成するためのもので、以下のように構成されている。
請求項1に記載の発明は、車両のボデーに開けられている燃料タンク用のサービスホールを塞ぐとともに、燃料タンク内の油量検出センサーにコネクタを通じて接続された配線が挿通しているサービスホールカバーであって、サービスホールを閉ざす大きさのカバー本体、およびサービスホールに嵌め込み可能な筒状の嵌合部が樹脂によって一体に成形されている。カバー本体は、油量検出センサーに接続された配線の挿通が可能で、かつ、コネクタに対する保守点検が可能な作業用開口と、サービスホールの周囲においてボデーとカバー本体との間のシール機能を果たすシール部材とを備えている。嵌合部は、カバー本体でサービスホールを塞いだ状態において、このカバー本体の反対側でボデーに係合する係合爪と、コネクタの周囲において燃料タンクとカバー本体との間のシール機能を果たすシール部材とを備えている。
この構成によれば、カバー本体によってサービスホールを塞ぐ作業は、このサービスホールに嵌合部を嵌め込むだけのワンタッチ作業で済み、またカバー本体の作業用開口を利用することで、カバー本体を取り外すことなく、コネクタの保守点検作業を行うことができる。しかも、サービスホールの周囲におけるボデーとカバー本体との間、およびコネクタの周囲における燃料タンクとカバー本体との間が共にシールされていることから、コネクタは、低コストの非防水タイプを使用することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載されたサービスホールカバーであって、カバー本体の作業用開口は、コネクタが取り付けられている燃料タンクのタンクカバーを脱着するための作業が可能な大きさに設定されている。そして、嵌合部のシール部材は、タンクカバーの周囲において燃料タンクとカバー本体との間のシール機能を果たすように設定されている。
これにより、燃料タンクを車体側に取り付けたまま、カバー本体の作業用開口を利用して燃料タンクからタンクカバーを外し、コネクタを交換するなどの作業を行うことも可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1を図1〜3によって説明する。
図1は、サービスホールカバーを表した外観斜視図である。図2は、サービスホールカバーを図1の下方向から見た平面図である。図3は、サービスホールカバーの使用状態を表した断面図である。サービスホールカバーは、円盤形状のカバー本体10と、このカバー本体10の下面から突出した円筒形状の嵌合部14とを備えている。これらのカバー本体10と嵌合部14とは、ポリプロピレンなどの樹脂材に一体に成形されている。
カバー本体10は、その中央部において上下方向に貫通して開けられた作業用開口12を備えている(図2,3)。この作業用開口12は、後で説明する配線40のコネクタ42を燃料タンク34側に取り付けたままで、保守点検が可能な大きさに設定されている。一方、嵌合部14は、その側壁に形成された複数個の係合爪16を備えている。これらの係合爪16は嵌合部14の周方向に関してほぼ等間隔に配置されている。また、各係合爪16は、それぞれの下部のみが嵌合部14の側壁と一体に結合されており、これらの結合箇所の可撓性により、嵌合部14の内外方向(径方向)へ変位可能である。
カバー本体10の下面外周部、および嵌合部14の先端部には、エラストマなどの柔軟な弾性素材からなるシール部材20,22が設けられている。カバー本体10および嵌合部14と、シール部材20,22とは、例えばポリプロピレンとエラストマとを多色成形することによって一体的に結合されている。両シール部材20,22は、それぞれの内周側と外周側とに位置する二重のリップ部分20a,22aを備えている。なお、嵌合部14側のシール部材22は、嵌合部14の内周面全体を被った部分を有する。
図3で示すように、車両のボデー30には燃料タンク34のためのサービスホール32が、図面の上下方向に貫通して開けられている。燃料タンク34は、ボデー30の下側において金属バンド(図示省略)などにより、車体側に取り付けられている。燃料タンク34には、その内部に油量検出センサーや燃料ポンプなど(いずれも図示省略)を組み込むための開口35があり、この開口35は金属製のタンクカバー36で塞がれている。このタンクカバー36は、燃料タンク34に対し、ガスケット37を介在させてボルト38で固定されている。また、タンクカバー36には、油量検出センサーから導かれた配線40と、油量表示器(図示省略)に通じる配線41とを、電気的に接続するコネクタ42が設けられている。
上記のように構成されたサービスホールカバーにより、ボデー30のサービスホール32を塞ぐには、このサービスホール32に嵌合部14をボデー30の上面側から嵌め込む。これにより、各係合爪16が嵌合部14の内方向へ変位しながらサービスホール32を通過し、ボデー30の下面においてサービスホール32の周辺に係合する(図3)。同時に、カバー本体10側のシール部材20における二重のリップ部分20aがボデー30の上面に押し付けられ、嵌合部14側のシール部材22における二重のリップ部分22aがタンクカバー36の表面に押し付けられる。つまり、シール部材20は、サービスホール32の周囲においてカバー本体10とボデー30との間のシール機能を果たす。また、シール部材22は、コネクタ42の周囲においてカバー本体10とタンクカバー36(燃料タンク34)との間のシール機能を果たす。なお、配線41はカバー本体10の作業用開口12を通って油量表示器に導かれている。
カバー本体10によってサービスホール32を塞ぐ作業は、このサービスホール32に嵌合部14を嵌め込むだけのワンタッチ作業で済み、従来の金属製カバーをボルトとナットで取り付ける作業と比較して作業効率が格段に向上する。また、ボデー30にスタッドボルトを立てる必要もなく、コストも大幅に軽減される。そして、コネクタ42の保守点検作業は、カバー本体10を取り付けたまま、その作業用開口12を利用して行うことができる。一方、コネクタ42はシール部材20,22によって防水状態に保たれているので、低コストの非防水タイプを使用することができ、配線41についても従来の金属製カバーに対する挿通箇所に使用していた防水用のグロメットを必要としない。
(実施の形態2)
つづいて、本発明の実施の形態2を図4によって説明する。
図4は、実施の形態2におけるサービスホールカバーの使用状態を表した断面図である。実施の形態2では、ボデー30のサービスホール32における開口面積が大きく設定され、それに伴ってカバー本体10および嵌合部14の径も大きく設定されている。そして、カバー本体10の作業用開口12は、タンクカバー36のボルト38を操作できる大きさに設定されている。また、嵌合部14側のシール部材22における二重のリップ部分22aは、タンクカバー36ではなく、燃料タンク34の表面に押し付けられている。
実施の形態2においては、カバー本体10の作業用開口12を利用して、燃料タンク34に対するタンクカバー36の脱着作業が可能である。従来、タンクカバーの脱着作業は、燃料タンクを車体側から外して行っていたが、この実施の形態2では、燃料タンク34を取り付けたまま、タンクカバー36を外し、コネクタ42を交換するなどの作業を行うことも可能となる。
サービスホールカバーを表した外観斜視図 サービスホールカバーを図1の下方向から見た平面図 サービスホールカバーの使用状態を表した断面図 実施の形態2におけるサービスホールカバーの使用状態を表した断面図
符号の説明
10 カバー本体
12 作業用開口
14 嵌合部
16 係合爪
20,22 シール部材
30 ボデー
32 サービスホール
34 燃料タンク
40,41 配線
42 コネクタ

Claims (2)

  1. 車両のボデーに開けられている燃料タンク用のサービスホールを塞ぐとともに、燃料タンク内の油量検出センサーにコネクタを通じて接続された配線が挿通しているサービスホールカバーであって、
    サービスホールを閉ざす大きさのカバー本体、およびサービスホールに嵌め込み可能な筒状の嵌合部が樹脂によって一体に成形され、カバー本体は、油量検出センサーに接続された配線の挿通が可能で、かつ、コネクタに対する保守点検が可能な作業用開口と、サービスホールの周囲においてボデーとカバー本体との間のシール機能を果たすシール部材とを備え、嵌合部は、カバー本体でサービスホールを塞いだ状態において、このカバー本体の反対側でボデーに係合する係合爪と、コネクタの周囲において燃料タンクとカバー本体との間のシール機能を果たすシール部材とを備えているサービスホールカバー。
  2. 請求項1に記載されたサービスホールカバーであって、
    カバー本体の作業用開口は、コネクタが取り付けられている燃料タンクのタンクカバーを脱着するための作業が可能な大きさに設定されているとともに、嵌合部のシール部材は、タンクカバーの周囲において燃料タンクとカバー本体との間のシール機能を果たすように設定されているサービスホールカバー。
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