JP2006150796A - 被記録材用樹脂組成物、これを用いた記録材及び印刷物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 インク受容層の耐摩耗性、塗膜強度、支持体との接着性を向上させ、耐水性、印刷適性に優れたインクジェト用被記録材用樹脂組成物を提供する
【解決手段】 、第3級アミノ基及び/または第4級アンモニウム基を有する単量体(a)、脂肪族共役ジエン系単量体(b)、及び、その他のエチレン性不飽和単量体(c)を含有する単量体混合物を、水性媒体中で乳化重合して得られることを特徴とする水分散性樹脂(A)を含有する被記録材用重合体組成物、基材上に前記被記録材用樹脂組成物を含有するインク受容層を設けてなる被記録材、該被記録材に文字及び/又は画像を印刷して得られる印刷物。
【選択図】 なし。
【解決手段】 、第3級アミノ基及び/または第4級アンモニウム基を有する単量体(a)、脂肪族共役ジエン系単量体(b)、及び、その他のエチレン性不飽和単量体(c)を含有する単量体混合物を、水性媒体中で乳化重合して得られることを特徴とする水分散性樹脂(A)を含有する被記録材用重合体組成物、基材上に前記被記録材用樹脂組成物を含有するインク受容層を設けてなる被記録材、該被記録材に文字及び/又は画像を印刷して得られる印刷物。
【選択図】 なし。
Description
本発明は、被記録材用樹脂組成物に関し、特に各種基材にインクジェット記録方式による印刷適性を付与するため被記録材に塗工するのに好適な樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、各種プリンターインクのインク印字性に優れ、且つ、塗膜強度、耐水性に優れ、発色性が良好な被記録材用樹脂組成物、及び記録材、及び印刷物に関する。
近年、特にフルカラー対応のインクジェットプリンターの需要が増加しているが、紙や繊維シートのような多孔質支持体へ印字する場合は、高精細印字性やインクのにじみ等を付与する目的で、支持体にインク受容層を塗布して使用されている。
これらの処理を施したインクジェット用被記録材としては、例えば、シリカ、カオリン、クレー等の無機顔料を、ポリビニルアルコール、澱粉等の水溶性樹脂でコーティングして印刷適性を向上させる方法が提案されている(特開昭59−185690号公報、特開平4−219267号公報、特開平5−294057号公報)が、何れも水溶性高分子を使用しているため、耐水性に劣るなどの欠点を有する。
一方、耐水性に優れたインクジェット記録紙用塗被組成物として、特開昭57−36692号公報には、塩基性ラテックスポリマーを含有するインクジェット記録用シートが開示されており、さらに、これらを改善するため、第3級アミノ基または第4級アンモニウム塩基を有するカチオン性重合体と、カルボキシ変性ブタジエン系重合体のラテックスとを併用するインクジェット用記録紙塗被組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、これらの方法によって、耐水性は改善されるものの、必ずしも満足いく十分なものではなかった。また、インクジェット用被記録材には、インク受容層の耐久性、即ち、耐摩耗性や塗膜強度、支持体との接着性が求められるが、前記の方法では何れもこれらの耐久性の点で問題があった。
従って、本発明の目的は、上記従来技術の欠点を克服し、特にインク受容層の耐摩耗性、塗膜強度、支持体との接着性を向上させ、耐水性、印刷適性に優れたインクジェト用被記録材用樹脂組成物を提供することである。
本発明者等は上記の課題を解決すべく、鋭意検討の結果、以下の知見を得た。
第3級アミノ基及び/または第4級アンモニウム基を有する単量体と脂肪族共役ジエン系単量体とエチレン性不飽和単量体とを必須の成分とする単量体混合物を、水性媒体中で乳化重合して得られた、3級アミノ基及び/または第4級アンモニウム基を分子内に有する水分散性樹脂を含有する被記録材用重合体組成物が、インク受容層の耐摩耗性、塗膜強度、支持体との接着性を向上させ、耐水性、印刷適性に優れたインクジェト用被記録材用樹脂組成物が得られることを見いだし、発明を完成するに至った。
第3級アミノ基及び/または第4級アンモニウム基を有する単量体と脂肪族共役ジエン系単量体とエチレン性不飽和単量体とを必須の成分とする単量体混合物を、水性媒体中で乳化重合して得られた、3級アミノ基及び/または第4級アンモニウム基を分子内に有する水分散性樹脂を含有する被記録材用重合体組成物が、インク受容層の耐摩耗性、塗膜強度、支持体との接着性を向上させ、耐水性、印刷適性に優れたインクジェト用被記録材用樹脂組成物が得られることを見いだし、発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、第3級アミノ基及び/または第4級アンモニウム基を有する単量体(a)、脂肪族共役ジエン系単量体(b)、及び、その他のエチレン性不飽和単量体(c)を含有する単量体混合物を、水性媒体中で乳化重合して得られることを特徴とする水分散性樹脂(A)を含有する被記録材用重合体組成物を提供する。
また、本発明は、基材上に前記被記録材用樹脂組成物を含有するインク受容層を設けてなる被記録材を提供するものである。更に、本発明は、該被記録材に文字及び/又は画像を印刷して得られる印刷物を提供するものである。
本発明の被記録材用樹脂組成物によれば、各種インキに適応する、耐水性、印刷適性に優れた被記録材を提供できる。
本発明における被記録材用樹脂組成物は、後述する単量体成分を水性媒体中で重合して得られた水分散性樹脂(A)を含有するものである。前記水分散性樹脂(A)は、単量体成分として第3級アミノ基及び/または第4級アンモニウム基を有する単量体(a)を必須の成分として使用するが、これらに起因する塩基性官能基が導入された重合体は、インクの受容性が向上し、インクの流れだしが起こらず、濃度、画像解像力、色再現性に優れた極めて鮮明なインクジェット記録画像が得られる。また、インクジェットのインクが染料インクの場合、重合体中の塩基性官能基が染料とイオン結合し、染料が不溶化して染料の溶出が防止される。
このような第3級アミノ基及び/または第4級アンモニウム基を有する単量体(a)としては、具体的には、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等の第3級アミノ基含有単量体、塩化トリメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、臭化トリメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、塩化トリメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、臭化トリメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、塩化トリメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、臭化トリメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、塩化トリメチルアミノ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリメチルアミノブチル(メタ)アクリルアミドメチルスルフェート、臭化メチル−2−ビニルピリジニウム、塩化1−エチル−2−ビニルピリジニウム、メチル硫酸1−エチル−2−ビニルピリジニウム、塩化1−ベンジル−4−ビニルピリジニウム、沃化1−メチル−2−ビニルキノリニウム、臭化N−ビニルN’−メチルイミダゾリウム、臭化1−ビニル−3−メチルベンゾイミダゾリウム、塩化(2−(メタ)アクリロキシ)ジメチルスルホニウム、メチル硫酸メチルジアリルスルホニウム、臭化トリメチルビニルスルホニウム等の第4級アンモニウム基含有単量体が挙げられる。
これらの中でも特に、塩化トリメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、臭化トリメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、塩化トリメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、臭化トリメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、塩化トリメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、臭化トリメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、塩化トリメチルアミノ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の第4級アンモニウム基含有(メタ)アクリレート、第4級アンモニウム基含有(メタ)アクリルアミドが、インク受容性に優れ、且つ他の単量体との共重合性に優れるため好ましい。
また、第3級アミノ基含有単量体を使用する場合は、前記単量体混合物を重合して、第3級アミノ基含有重合体を得た後、水性媒体を酸性条件にしたり、ハロゲン化アルキル化合物等のハロゲン原子含有炭化水素を反応させたりして、第3級アミノ基含有重合体中の第3級アミノ基を4級アンモニウム化すると、インク受容性が向上するため好ましい。
次に、本発明の被記録材用樹脂組成物中の水分散性樹脂(A)は、単量体成分として脂肪族共役ジエン系単量体(b)、その他のエチレン性不飽和単量体(c)を必須の成分として使用するが、これらの単量体成分は、インク受容層に凝集力を付与し、インク受容層の耐摩耗性や塗膜強度、支持体との接着性を向上するために使用される。
脂肪族共役ジエン系単量体(b)としては具体的には、1,3−ブタジエン、イソプレン、2−クロル−1,3−ブタジエン等が挙げられるが、1,3−ブタジエンが好ましい。
脂肪族共役ジエン系単量体(b)の使用量は、単量体(a)、(b)、(c)の合計重量の10重量%以上であることが、インク受容層の基材への接着力が良好であることから好ましい。また、単量体(a)、(b)、(c)の合計重量の80重量%以下であることが、インク受容層の塗膜強度が高く、耐摩耗性に優れたインク受容層が得られ易いことから好ましい。
次に、その他のエチレン性不飽和単量体(c)としては、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、β−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート等のフッ素含有ビニル単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルブチラート、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、アミルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル等のビニルエーテル類;(メタ)アクリロニトリル等の不飽和カルボン酸のニトリル類;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルアニソール、α−ハロスチレン、ビニルナフタリン、ジビニルスチレン等の芳香族環を有するビニル化合物;イソプレン、クロロプレン、ブタジエン、エチレン、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、N−ビニルピロリドン等が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物を使用することができる。
また、前記の単量体の他、架橋性反応基を含有するエチレン性不飽和単量体を使用することもでき、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリレート、N−モノアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリイソプロポキシシラン、2−アジリジニルエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルイソシアナートエチル、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、必要に応じてエチレン性不飽和基を2つ以上持つ多官能性単量体を使用することもでき、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、ジビニルベンゼン、アリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの中でも、その他のエチレン性不飽和単量体(c)として、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレンを使用すると、単量体(a)、単量体(b)との共重合性に優れ、且つ、インク受理層の塗膜強度が向上するため好ましい。特に、スチレンを使用すると、インク受容層の耐水性も同時に向上するため好ましい。
その他のエチレン性不飽和単量体(c)の使用量は、単量体(a)、(b)、(c)の合計重量の10重量%以上であることが、インク受容層の塗膜強度が高くなり、耐摩耗性に優れたインク受容層が得られ易いことから好ましい。また、単量体(a)、(b)、(c)の合計重量の79重量%以下であることが、インク受容層の基材への接着力が低下しにくいことから好ましい。
本発明で用いる水分散性樹脂(A)は、前記単量体(a)、(b)、(c)を水性媒体中で重合して得られるものである。水性媒体中で単量体成分を乳化重合する方法は、水性媒体、乳化剤、単量体成分を一括して仕込み、重合開始剤を添加して重合する方法や、水性媒体中に単量体混合物、乳化剤、重合開始剤を逐次供給して重合する方法等が挙げられ、何れの方法においても製造することができる。
重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤が用いられる。ラジカル重合開始剤としては、例えば、過硫酸塩類、有機過酸化物類、過酸化水素、アゾ系開始剤等が挙げられる。
単量体成分の乳化重合では、これら過酸化物のみを用いてラジカル重合するか、或いは上記過酸化物に還元剤を併用したレドックス系重合開始剤によっても、得ることができる。
過硫酸塩類として、具体的には、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等が挙げられ、有機過酸化物類として、具体的には、例えば、過酸化ベンゾイル、ラウロイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド類、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等のパーオキシエステル類、クメンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類等が挙げられる。
また、上記のレドックス重合開始剤系に使用する還元剤としては、例えば、アスコルビン酸及びその塩、エリソルビン酸及びその塩、酒石酸及びその塩、クエン酸及びその塩、ホルムアルデヒドスルホキシラートの金属塩、チオ硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、塩化第二鉄等が挙げられる。
また、さらに重合開始剤として、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等のアゾ系開始剤を使用することもできる。
前記重合開始剤の中でも、特に、カチオン性アゾ系重合開始剤を用いると、単量体成分の重合が円滑に進行し、且つ、インク受容性が向上するため好ましい。カチオン性アゾ系重合開始剤として具体的には、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン)二硫酸塩、2’−アゾビス(2−(1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン)二塩酸塩等が挙げられる。
次に、本発明では、単量体成分を水性媒体中で乳化重合する際には、乳化剤やその他の分散安定剤を使用して重合することができる。ここで、本発明で使用できる乳化剤としては、非イオン性乳化剤、陽イオン性乳化剤の公知のものが使用できる。本発明で使用する非イオン性乳化剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体、ポリオキシエチレンのソルビタン脂肪酸またはアシル等のエステル類等が挙げられ、陽イオン性乳化剤としては、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド等が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物を使用することができる。
更に、一般的に「反応性乳化剤」と称される重合性不飽和基を分子内に有する乳化剤を使用することもできる。本発明で使用できる反応性乳化剤としては、例えば、非イオン性乳化剤として「アクアロンRN−10、RN−20、RN−30、RN−50、ER−10、ER−20、ER−30、ER−40」(第一工業製薬(株)製)等が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物が使用できる。
特に、非イオン性乳化剤を用いることが、樹脂水性分散液製造時の安定性に優れるため好ましい。
本発明で用いる水分散性樹脂(A)の製造方法において、単量体成分を乳化重合する際の水性媒体としては、特に限定されるものではないが、水のみを使用してもよいし、或いは、水と水溶性溶剤の混合溶液を使用してもよい。ここで用いる水溶性溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルカルビトール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のアルコール類、N−メチルピロリドン等の極性溶剤が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物が使用できる。
水と上記水溶性溶剤の混合物を使用する場合の上記水溶性溶剤の使用量は、重合時の安定性の点から任意に選択することができるが、得られる紙塗工用樹脂組成物の引火の危険性、及び安全衛生の面から水溶性溶剤の使用量は極力少なくすることが好ましい。これらの理由から、水単独で使用することが特に好ましい。
また、乳化重合時の温度は、使用する単量体の種類、重合開始剤の種類等によって異なるが、通常は30〜90℃の温度範囲が適当であり、より好ましくは50〜90℃の範囲が挙げられる。
また、本発明で用いる水分散性樹脂(A)の分子量を調整することが必要な場合は、連鎖移動剤を使用することができる。連鎖移動剤としては、具体的には、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、n−ヘキシルメルカプタン類、ターピレン、t−テルピネン、α−スチレンダイマー、エチルキサントゲンジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンスルフィド、アミノフェニルスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。
本発明で用いる水分散性樹脂(A)を製造する際に重合停止剤等の分子量調整剤または重合率調整剤を適宜使用することができる。更に冷却による反応中断により分子量のコントロールを行ってもよい。また、粒子径をコントロールすべく、適当な重合体粒を用いてシード重合を行っても構わない。
前記重合停止剤としては、具体的には、ハイドロキノン(フェノール)系、アミン系、硫黄系、硫酸ヒドロキシルアミン、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
本発明で用いる水分散性樹脂(A)の分散液中の重合体粒子の粒子径は、特に制限されるものではないが、10〜1000nmであることが、後述する無機充填剤の分散性に優れるため好ましい。
本発明の水分散性樹脂(A)を含有する被記録材用重合体組成物の固形分濃度は、特に制限されるものではないが、製造時の作業性や輸送コストという点、及び被記録材用樹脂組成物を乾燥して使用する際の乾燥性に優れるという点から、固形分濃度が30〜70重量%であることが好ましい。
本発明の被記録材用樹脂組成物は、樹脂水性分散液(A)の他、無機充填剤(B)を使用することができる。無機充填剤(B)としては、シリカ、クレー、アルミナ、炭酸カルシウム、三酸化アンチモン等の各種多孔質顔料が挙げられ、これらを添加することにより、本発明の被記録材用樹脂組成物を塗布してなるインク受容層に適度な白度や更なるインク吸収能を持たせることができる。本発明の被記録材用樹脂組成物には、シリカが好ましく、さらに無定形合成シリカ、より好ましくは粉末状の無定形シリカを用いることが前記効果に優れるため好ましい。
本発明における、水分散性樹脂(A)と無機充填剤(B)の割合は、特に制限されるものではないが、固形分重量比で(A)/(B)=70/30〜10/90の範囲で使用することができ、更に(A)/(B)=70/30〜30/70の範囲であると、インク受容層のインク受容性、耐摩耗性、塗膜強度に優れることから好ましい。
本発明の被記録材樹脂組成物は、更に、水溶性樹脂(C)を使用することができる。例えば、ポリビニルアルコール、繊維素エーテル、澱粉、マレイン化ポリブタジエン、マレイン化アルキッド樹脂、ポリアクリル酸(塩)、ポリアクリルアミド、エピクロルヒドリンポリアミド樹脂、水溶性アクリル樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、水溶性ポリウレタン樹脂等の合成或いは天然の水溶性高分子物質が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物を使用することができる。特に水溶性樹脂(C)として、ポリビニルアルコールを使用すると、インク受容層のインク受容性が向上するため好ましい。更に、アセトアセチル化ポリビニルアルコールを使用した場合、インク受容層のインク受容性が向上する他、耐摩耗性や耐水性が向上するため好ましい。
本発明における、水分散性樹脂(A)と水溶性樹脂(C)の割合は、特に制限されるものではないが、固形分重量比で(A)/(C)=90/10〜20/80の範囲で使用することができ、更に(A)/(C)=90/10〜40/60の範囲であると、インク受容層の耐摩耗性、塗膜強度に優れるため好ましい。また、無機充填剤(B)を使用する場合は、水分散性樹脂(A)と水溶性樹脂(C)の合計量に対して無機充填剤の使用量を、固形分重量比で((A)+(C))/(B)=70/30〜10/90で使用することができ、更に((A)+(C))/(B)=70/30〜10/90の範囲であると、インク受容層のインク受容性、耐摩耗性、塗膜強度に優れることから好ましい。
本発明の被記録材用樹脂組成物には、必要に応じて水溶性、或いは水分散性の架橋剤を添加して使用することができる。この場合、架橋剤としては、例えば、多官能性メラミン化合物、多官能性ポリアミン化合物、多官能性オキサゾリン化合物、多官能性エポキシ化合物、多官能性ポリエチレンイミン化合物、多官能性(ブロック)イソシアネート化合物、金属塩化合物等が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物として使用することができる他に、水溶性または水分散性の熱硬化性樹脂、例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等を混和して使用することもできる。
また、必要に応じて、顔料、pH調整剤、皮膜形成助剤、レベリング剤、増粘剤、撥水剤、消泡剤等の種々のものを適宜添加して使用することができる。
本発明の被記録材用樹脂組成物は、各原料を適当な攪拌機、例えばプロペラ型やディスパー、ホモジナイザー等で十分に攪拌、混合することで調整することができる。
本発明の被記録材用樹脂組成物は、各種基材に塗布することができる。基材としては、例えば、紙、板紙、各種フィルム、繊維、不織布、スパンボンド等が挙げられる。本発明の被記録材用樹脂組成物を塗工された基材は、各種印刷の被記録材として有用である。
本発明の被記録材用樹脂組成物を上記各種基材に塗工する方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、エアナイフ塗工、ブレード塗工、ロール塗工、グラビア塗工、含浸、サイズプレス塗工、ゲートロール塗工等が挙げられる。これらの方法で、本発明の被記録材用樹脂組成物を基材上に塗工したものを乾燥させることで、インク受容層を形成した被記録材を得ることができる。
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被記録材用途としては、インクジェットプリンター、熱転写プリンター、レーザープリンター、オフセット印刷等種々の印刷用途への適用が可能である。
本発明の被記録材は、基材上に本発明の被記録材用樹脂組成物からなるインク受容層を設けてなる被記録材である。特に、フィルムや紙等の基材上に本発明のインク受容層を形成した被記録材は、インクジェット用として極めて優れたものである。
本発明の被記録材は、染料インク、顔料インクの両方に対して印刷性に優れる。また、耐久性、耐水性等にも優れ、広告用途としての高度な要求性能も満足するものである。
本発明の被記録材に各種印刷方法で文字及び/又は画像を印刷して得られる印刷物は、高精細な文字及び/又は画像、優れた耐久性、耐水性を有しており、広告用途にも適用できる。
以下、本発明を実施例と比較例により、一層、具体的に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例に限定されるものではない。以下において、特に断らない限り、「%」は重量%、「部」は重量部をそれぞれ示すものとする。
合成例1
攪拌機、加圧が可能な窒素導入管、減圧管(減圧ポンプ)、原料仕込口、温度計を備えた密閉型圧力反応容器に、脱イオン水125部、ノイゲンET−170(第一工業製薬製:ポリオキシエチレンラウリルエーテル)3部、ジメチルアミノエチルメタクリレート・メチルクロライド塩5部、スチレン60部、を仕込み、攪拌下、窒素導入管から窒素ガスを反応容器に導入し、反応容器内を窒素で置換した。その後、1,3−ブタジエン35部を仕込み密閉し、反応容器内温を70℃に昇温した。攪拌下、反応容器内温が70℃で、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩の5%水溶液6部を別の圧力容器から反応容器に圧入し、乳化重合を開始した。5時間後に反応容器内温度を80℃に昇温し、さらに5時間保持した後冷却して、本発明の樹脂水性分散液を得た。得られた樹脂水性分散液は、重合率が98%であった。その後、水蒸気蒸留を行い、固形分濃度を45%に調整した。樹脂水性分散液は、pH4.8、粒子径200nmであり、これを樹脂水性分散液(A)−1とする。
攪拌機、加圧が可能な窒素導入管、減圧管(減圧ポンプ)、原料仕込口、温度計を備えた密閉型圧力反応容器に、脱イオン水125部、ノイゲンET−170(第一工業製薬製:ポリオキシエチレンラウリルエーテル)3部、ジメチルアミノエチルメタクリレート・メチルクロライド塩5部、スチレン60部、を仕込み、攪拌下、窒素導入管から窒素ガスを反応容器に導入し、反応容器内を窒素で置換した。その後、1,3−ブタジエン35部を仕込み密閉し、反応容器内温を70℃に昇温した。攪拌下、反応容器内温が70℃で、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩の5%水溶液6部を別の圧力容器から反応容器に圧入し、乳化重合を開始した。5時間後に反応容器内温度を80℃に昇温し、さらに5時間保持した後冷却して、本発明の樹脂水性分散液を得た。得られた樹脂水性分散液は、重合率が98%であった。その後、水蒸気蒸留を行い、固形分濃度を45%に調整した。樹脂水性分散液は、pH4.8、粒子径200nmであり、これを樹脂水性分散液(A)−1とする。
合成例2
攪拌機、加圧が可能な窒素導入管、減圧管(減圧ポンプ)、原料仕込口、温度計を備えた密閉型圧力反応容器に、脱イオン水125部、ノイゲンET−170(第一工業製薬製:ポリオキシエチレンラウリルエーテル)3部、ジメチルアミノエチルメタクリレート・メチルクロライド塩5部、メチルメタクリレート30部、t−ブチルメタクリレート30部、を仕込み、攪拌下、窒素導入管から窒素ガスを反応容器に導入し、反応容器内を窒素で置換した。その後、1,3−ブタジエン35部を仕込み密閉し、反応容器内温を70℃に昇温した。攪拌下、反応容器内温が70℃で、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩の5%水溶液6部を別の圧力容器から反応容器に圧入し、乳化重合を開始した。5時間後に反応容器内温度を80℃に昇温し、さらに5時間保持した後冷却して、本発明の樹脂水性分散液を得た。得られた樹脂水性分散液は、重合率が98%であった。その後、水蒸気蒸留を行い、固形分濃度を45%に調整した。樹脂水性分散液は、pH4.8、粒子径200nmであり、これを樹脂水性分散液(A)−2とする。
攪拌機、加圧が可能な窒素導入管、減圧管(減圧ポンプ)、原料仕込口、温度計を備えた密閉型圧力反応容器に、脱イオン水125部、ノイゲンET−170(第一工業製薬製:ポリオキシエチレンラウリルエーテル)3部、ジメチルアミノエチルメタクリレート・メチルクロライド塩5部、メチルメタクリレート30部、t−ブチルメタクリレート30部、を仕込み、攪拌下、窒素導入管から窒素ガスを反応容器に導入し、反応容器内を窒素で置換した。その後、1,3−ブタジエン35部を仕込み密閉し、反応容器内温を70℃に昇温した。攪拌下、反応容器内温が70℃で、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩の5%水溶液6部を別の圧力容器から反応容器に圧入し、乳化重合を開始した。5時間後に反応容器内温度を80℃に昇温し、さらに5時間保持した後冷却して、本発明の樹脂水性分散液を得た。得られた樹脂水性分散液は、重合率が98%であった。その後、水蒸気蒸留を行い、固形分濃度を45%に調整した。樹脂水性分散液は、pH4.8、粒子径200nmであり、これを樹脂水性分散液(A)−2とする。
合成例3
攪拌機、加圧が可能な窒素導入管、減圧管(減圧ポンプ)、原料仕込口、温度計を備えた密閉型圧力反応容器に、脱イオン水125部、ノイゲンET−170(第一工業製薬製:ポリオキシエチレンラウリルエーテル)3部、ジメチルアミノエチルメタクリレート5部、スチレン60部を仕込み、攪拌下、窒素導入管から窒素ガスを反応容器に導入し、反応容器内を窒素で置換した。その後、1,3−ブタジエン35部を仕込み密閉し、反応容器内温を70℃に昇温した。攪拌下、反応容器内温が70℃で、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩の5%水溶液6部を別の圧力容器から反応容器に圧入し、乳化重合を開始した。5時間後に反応容器内温度を80℃に昇温し、さらに5時間保持した後冷却して、本発明の樹脂水性分散液を得た。得られた樹脂水性分散液は、重合率が98%であった。その後、水蒸気蒸留を行い、固型分濃度を45%に調整した。樹脂水性分散液は、pH5.2、粒子径180nmであり、これを樹脂水性分散液(A)−3とする。
攪拌機、加圧が可能な窒素導入管、減圧管(減圧ポンプ)、原料仕込口、温度計を備えた密閉型圧力反応容器に、脱イオン水125部、ノイゲンET−170(第一工業製薬製:ポリオキシエチレンラウリルエーテル)3部、ジメチルアミノエチルメタクリレート5部、スチレン60部を仕込み、攪拌下、窒素導入管から窒素ガスを反応容器に導入し、反応容器内を窒素で置換した。その後、1,3−ブタジエン35部を仕込み密閉し、反応容器内温を70℃に昇温した。攪拌下、反応容器内温が70℃で、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩の5%水溶液6部を別の圧力容器から反応容器に圧入し、乳化重合を開始した。5時間後に反応容器内温度を80℃に昇温し、さらに5時間保持した後冷却して、本発明の樹脂水性分散液を得た。得られた樹脂水性分散液は、重合率が98%であった。その後、水蒸気蒸留を行い、固型分濃度を45%に調整した。樹脂水性分散液は、pH5.2、粒子径180nmであり、これを樹脂水性分散液(A)−3とする。
比較合成例1
攪拌機、加圧が可能な窒素導入管、減圧管(減圧ポンプ)、原料仕込口、温度計を備えた密閉型圧力反応容器に、脱イオン水300部、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部、炭酸水素ナトリウム0.6部、過硫酸カリウム0.5部を仕込み、攪拌して溶解した。1,3−ブタジエン40部、スチレン47部、メチルメタクリレート10部、アクリル酸3部、四塩化炭素2部を仕込み、攪拌下、反応容器内温を70℃に昇温した。この状態で20時間保持して乳化重合を行った。得られた樹脂水性分散液は、重合率が99%であった。その後、水酸化ナトリウム水溶液を使用して樹脂水性分散液のpHを9に調整した後、水蒸気蒸留を行い、固形分濃度を25%に調整した。この樹脂水性分散液100部(固形分基準)にカチオン性界面活性剤コータミン24W((株)花王製)とノニオン製界面活性剤エマルゲン910((株)花王製)を固形分重量比5/5で混合した溶液を30部(固形分基準)攪拌しながら添加した。これを比較用樹脂水性分散液−1とする。
攪拌機、加圧が可能な窒素導入管、減圧管(減圧ポンプ)、原料仕込口、温度計を備えた密閉型圧力反応容器に、脱イオン水300部、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部、炭酸水素ナトリウム0.6部、過硫酸カリウム0.5部を仕込み、攪拌して溶解した。1,3−ブタジエン40部、スチレン47部、メチルメタクリレート10部、アクリル酸3部、四塩化炭素2部を仕込み、攪拌下、反応容器内温を70℃に昇温した。この状態で20時間保持して乳化重合を行った。得られた樹脂水性分散液は、重合率が99%であった。その後、水酸化ナトリウム水溶液を使用して樹脂水性分散液のpHを9に調整した後、水蒸気蒸留を行い、固形分濃度を25%に調整した。この樹脂水性分散液100部(固形分基準)にカチオン性界面活性剤コータミン24W((株)花王製)とノニオン製界面活性剤エマルゲン910((株)花王製)を固形分重量比5/5で混合した溶液を30部(固形分基準)攪拌しながら添加した。これを比較用樹脂水性分散液−1とする。
比較合成例2
攪拌機、加圧が可能な窒素導入管、減圧管(減圧ポンプ)、原料仕込口、温度計を備えた密閉型圧力反応容器に、脱イオン水400部、コータミン24W((株)花王製)、アゾビスイソブチロニトリル0.5部、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド10部、メチルメタクリレート40部、スチレン50部を仕込み、攪拌下、反応容器内温を60℃まで昇温した。この状態で3時間保持して重合を行った。得られた樹脂水性分散液は、重合率が100%であった。これを比較用樹脂水性分散液−2とする。
攪拌機、加圧が可能な窒素導入管、減圧管(減圧ポンプ)、原料仕込口、温度計を備えた密閉型圧力反応容器に、脱イオン水400部、コータミン24W((株)花王製)、アゾビスイソブチロニトリル0.5部、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド10部、メチルメタクリレート40部、スチレン50部を仕込み、攪拌下、反応容器内温を60℃まで昇温した。この状態で3時間保持して重合を行った。得られた樹脂水性分散液は、重合率が100%であった。これを比較用樹脂水性分散液−2とする。
実施例1〜4、比較例1
上記樹脂水性分散液を用い、第1表に示す組成で配合して、固形分濃度が25%になるように調整して被記録材用樹脂組成物を得た。
上記樹脂水性分散液を用い、第1表に示す組成で配合して、固形分濃度が25%になるように調整して被記録材用樹脂組成物を得た。
得られた被記録材用樹脂組成物をPPC用紙にバーコータNo.20で塗工し、120℃で3分間乾燥させて被記録材を得た。この被記録材について以下の項目の評価を実施した。
本発明で用いた評価方法について以下に述べる。
[印刷性の評価方法]
インクとして顔料インクであるGOインクを使用して、エンキャド社製ワイドフォーマットインクジェットプリンターにて、シアン(以下C)100%、マゼンダ(以下M)100%、イエロー(以下Y)100%、ブラック(以下K)100%、CM各100%の混色、MY各100%の混色、CMY各100%の混色、CMYK各100%の混色のベタを印刷し、印刷外観、にじみの度合いを確認し、下記の基準に従い評価した。
○:印刷外観が良好で、にじみがないもの
△:印刷外観が良好で、にじみが若干あるもの
×:印刷外観が不良で、にじみが多くあるもの
インクとして顔料インクであるGOインクを使用して、エンキャド社製ワイドフォーマットインクジェットプリンターにて、シアン(以下C)100%、マゼンダ(以下M)100%、イエロー(以下Y)100%、ブラック(以下K)100%、CM各100%の混色、MY各100%の混色、CMY各100%の混色、CMYK各100%の混色のベタを印刷し、印刷外観、にじみの度合いを確認し、下記の基準に従い評価した。
○:印刷外観が良好で、にじみがないもの
△:印刷外観が良好で、にじみが若干あるもの
×:印刷外観が不良で、にじみが多くあるもの
[発色度合いの評価方法]
グレタグ社製の反射濃度計を用いて、上記で印刷したC、M、Y、Kそれぞれの単色100%のベタ部分における発色濃度を測定し、数値の総合計で評価した。数値が高いほど発色濃度が良好であることを意味する。
グレタグ社製の反射濃度計を用いて、上記で印刷したC、M、Y、Kそれぞれの単色100%のベタ部分における発色濃度を測定し、数値の総合計で評価した。数値が高いほど発色濃度が良好であることを意味する。
[耐摩耗性の評価方法]
上記で印刷したベタ部分を綿棒でこすり、色落ちの有無を確認し、下記の基準に従い評価した。
上記で印刷したベタ部分を綿棒でこすり、色落ちの有無を確認し、下記の基準に従い評価した。
○:全く色落ちのないもの
△:一部色落ちのあるもの
×:色落ちの多くあるもの
[塗膜強度の評価方法]
インク受容層(印刷なし)に、セロハンテープを貼付し、10Kg荷重のロールをかけた後、セロハンテープを剥離し、インク受容層の破壊具合を、下記の基準に従い評価した。
△:一部色落ちのあるもの
×:色落ちの多くあるもの
[塗膜強度の評価方法]
インク受容層(印刷なし)に、セロハンテープを貼付し、10Kg荷重のロールをかけた後、セロハンテープを剥離し、インク受容層の破壊具合を、下記の基準に従い評価した。
○:紙基材が破壊してセロハンテープが剥離
△:紙基材が一部破壊してセロハンテープが剥離
×:インク受容層が破壊してセロハンテープが剥離
△:紙基材が一部破壊してセロハンテープが剥離
×:インク受容層が破壊してセロハンテープが剥離
Claims (7)
- 第3級アミノ基及び/または第4級アンモニウム基を有する単量体(a)、脂肪族共役ジエン系単量体(b)、及び、その他のエチレン性不飽和単量体(c)を含有する単量体混合物を、水性媒体中で乳化重合して得られた水分散性樹脂(A)を含有することを特徴とする被記録材用重合体組成物。
- 前記単量体(a)の含有率が1〜10重量%、前記単量体(b)が10〜80重量%、単量体(c)が10〜79重量%である請求項1に記載の被記録材用重合体組成物。
- 水分散性樹脂(A)が、カチオン性アゾ化合物を重合開始剤として使用して重合されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の被記録材用樹脂組成物。
- 水分散性樹脂(A)が、ノニオン性界面活性剤を乳化剤として使用して重合されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の被記録材用樹脂組成物。
- 無機充填剤(B)及び/又は水溶性樹脂(C)を含有する請求項1〜4のいずれか1つに記載の被記録材用樹脂組成物。
- 基材上に請求項1〜5のいずれか1つに記載の被記録材用樹脂組成物を塗布してなる被記録材。
- 請求項6に記載の被記録材に文字及び/または画像を印刷して得られる印刷物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004346041A JP2006150796A (ja) | 2004-11-30 | 2004-11-30 | 被記録材用樹脂組成物、これを用いた記録材及び印刷物 |
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JP2004346041A JP2006150796A (ja) | 2004-11-30 | 2004-11-30 | 被記録材用樹脂組成物、これを用いた記録材及び印刷物 |
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Cited By (1)
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CN104861780A (zh) * | 2015-04-10 | 2015-08-26 | 佛山市柏杰油墨科技有限公司 | 一种用于玻璃基材的分散树脂液及墨水 |
-
2004
- 2004-11-30 JP JP2004346041A patent/JP2006150796A/ja active Pending
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CN104861780A (zh) * | 2015-04-10 | 2015-08-26 | 佛山市柏杰油墨科技有限公司 | 一种用于玻璃基材的分散树脂液及墨水 |
CN104861780B (zh) * | 2015-04-10 | 2017-09-19 | 佛山市柏杰油墨科技有限公司 | 一种用于玻璃基材的分散树脂液及墨水 |
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