JP2004322562A - インクジェット記録媒体用重合体ラテックス、インクジェット記録媒体用塗工組成物およびインクジェット記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水性媒体中、ポリビニルアルコールの存在下に、単量体を重合して得られる、ガラス転移温度が0℃以下の重合体(A)からなるコア部分と、ガラス転移温度が10〜50℃の重合体(B)からなるシェル部分と、を有するコアシェル型のインクジェット記録媒体用重合体ラテックス、該重合体ラテックスを含有するインクジェット記録媒体用塗工組成物および該塗工組成物を支持体に塗工してなるインクジェット記録媒体。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録媒体用重合体ラテックス、インクジェット記録媒体用塗工組成物およびインクジェット記録媒体に関し、さらに詳しくは、耐水表面強度および耐ブロッキング性に優れ、記録部位に水が付着した際のインクの滲み性が改良されたインクジェット記録媒体、該記録媒体に好適に使用できるインクジェット記録媒体用重合体ラテックスおよび該重合体ラテックスを含有するインクジェット記録媒体用塗工組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、種々の作動原理によりノズルから水性インクの微小液滴を飛翔させ、これを記録媒体に付着させて文字や画像等の記録を行なうものである。この記録方式は高速化や多色化が容易であり、現像や定着等の処理が不要であるという特長を有し、プリンターやプロッターなどの記録装置において急速に普及している。
このような記録方式に用いられる記録媒体としては、水性インクの吸収性に優れることが求められるので、通常、紙等の支持体上に無機顔料および水溶性バインダーからなる塗工層を形成したものが汎用されている。
しかしながら、上記のような塗工層は、水溶性バインダーにより無機顔料同士を結着させているため、湿潤時に塗工層が剥離しやすく(耐水表面強度に劣る。)、その改良が求められている。
また、インクジェット記録後の記録部位に水が付着すると、インクの滲みが生じて(インク滲み性に劣る。)、記録品質が著しく低下するという問題も発生していた。
【0003】
従来、例えば、特許文献1には、ノニオン性界面活性剤および/またはカチオン性界面活性剤の存在下に、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体およびアミノ基含有アクリル系単量体を共重合して得られる、カチオン性アクリル系重合体ラテックスを用いることが提案されている。しかしながら、上記のような重合体ラテックスおよび無機顔料からなる塗工層は、耐水表面強度およびインク滲み性が改良されるものの、記録媒体を重ねて保管した際に、記録媒体同士がブロッキングして(耐ブロッキング性に劣る。)、不具合が発生する場合があった。
【0004】
また、特許文献2には、ガラス転移温度が60℃を超える重合体からなるコア部分と、ガラス転移温度が20℃未満の重合体からなるシェル部分と、を有するコアシェル型の重合体ラテックスを用いることが提案されている。
しかしながら、上記のような重合体ラテックスおよび無機顔料からなる塗工層は、耐水表面強度は改良されるものの、インク滲み性および耐ブロッキング性に劣るものであった。
【0005】
さらに、特許文献3には、ポリビニルアルコールの存在下に、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体を主成分とする単量体を1段で重合して得られる重合体ラテックスを用いることが提案されている。しかしながら、このような重合体ラテックスを比較的少量用いた場合には、耐ブロッキング性は良好であるものの、耐水表面強度に劣り、使用量を増やした場合には、耐水表面強度は改善されるものの、耐ブロッキング性が低下するため、耐水表面強度および耐ブロッキング性を共に満足させることが困難であった。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−123867号公報
【特許文献2】
特開2001−287453号公報
【特許文献3】
特開2003−1930号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記事情に鑑み、耐水表面強度および耐ブロッキング性に優れ、インク滲み性が改良されたインクジェット記録媒体、該記録媒体に好適に使用できるインクジェット記録媒体用重合体ラテックスおよび該重合体ラテックスを含有するインクジェット記録媒体用塗工組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意努力した結果、水性媒体中、ポリビニルアルコールの存在下に、単量体を重合して得られる、低ガラス転移温度の重合体からなるコア部分と、比較的高いガラス転移温度の重合体からなるシェル部分と、を有するコアシェル型の重合体ラテックスを用いると、耐水表面強度および耐ブロッキング性に優れ、しかもインク滲み性も改良されたインクジェット記録媒体が得られることを見出し、この知見に基づき本発明を完成するに至った。
【0009】
かくして、本発明によれば、水性媒体中、ポリビニルアルコールの存在下に、単量体を重合して得られる、ガラス転移温度が0℃以下の重合体(A)からなるコア部分と、ガラス転移温度が10〜50℃の重合体(B)からなるシェル部分と、を有するコアシェル型のインクジェット記録媒体用重合体ラテックスが提供される。
また、本発明によれば、インクジェット記録媒体用重合体ラテックスの固形分100重量部に対して、顔料300〜2000重量部を含有してなるインクジェット記録媒体用塗工組成物が提供される。
さらに、本発明によれば、前記のインクジェット記録媒体用塗工組成物を支持体に塗工してなるインクジェット記録媒体が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明のインクジェット記録媒体用重合体ラテックスは、水性媒体中、ポリビニルアルコールの存在下に、単量体を重合して得られる、ガラス転移温度が0℃以下の重合体(A)からなるコア部分と、ガラス転移温度が10〜50℃の重合体(B)からなるシェル部分と、を有するコアシェル型の重合体ラテックスである。
【0011】
コア部分を構成する重合体(A)のガラス転移温度は、0℃以下、好ましくは−40〜−5℃である。このガラス転移温度が高いと耐水表面強度に劣り、逆に低すぎると耐ブロッキング性が低下する傾向がある。
【0012】
シェル部分を構成する重合体(B)のガラス転移温度は、10〜50℃、好ましくは15〜45℃である。このガラス転移温度が低いと耐ブロッキング性に劣り、逆に高いと耐水表面強度に劣る。
【0013】
重合体(A)と重合体(B)の重量比は、好ましくは20/80〜80/20、より好ましくは30/70〜70/30である。この比率が上記範囲にあると、耐水表面強度と耐ブロッキング性のバランスがより優れたものとなる。
【0014】
本発明において使用できる単量体としては、ラジカル重合可能なものであればいずれも使用でき、例えば、共役ジエン単量体、エチレン性不飽和カルボン酸単量体、芳香族ビニル単量体、エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体、エチレン性不飽和カルボン酸アミド単量体、エチレン性不飽和ニトリル単量体等を挙げることができる。
【0015】
共役ジエン単量体としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、クロロプレン等が挙げられる。
【0016】
エチレン性不飽和カルボン酸単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのエチレン性不飽和モノカルボン酸;フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、ブテントリカルボン酸などのエチレン性不飽和多価カルボン酸;マレイン酸モノエチル、イタコン酸モノメチルなどのエチレン性不飽和多価カルボン酸の部分エステル化物などが挙げられる。
【0017】
芳香族ビニル単量体は、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、ヒドロキシメチルスチレンなどを挙げることができる。
【0018】
エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸テトラフルオロプロピル、(メタ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸シアノメチル、(メタ)アクリル酸2−シアノエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸グリシジルなどのエチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体;マレイン酸ジブチル、フマル酸ジブチル、マレイン酸ジエチルなどのエチレン性不飽和多価カルボン酸エステルが挙げられる。なかでも、エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体が好ましい。
【0019】
エチレン性不飽和カルボン酸アミド単量体としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
【0020】
エチレン性不飽和ニトリル単量体としては、例えば、(メタ)アクリロニトリル、フマロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−シアノエチルアクリロニトリル等が挙げられる。
【0021】
これらの単量体は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0022】
本発明のインクジェット記録媒体用重合体ラテックスは、水性媒体中、ポリビニルアルコールの存在下に、ガラス転移温度が0℃以下の重合体(A)を形成し得る単量体(MA)を重合(以下、「第1段階重合」という。)し、次いで、ガラス転移温度が10〜50℃の重合体(B)を形成し得る単量体(MB)を重合(以下、「第2段階重合」という。)することにより製造できる。
【0023】
単量体(MA)および単量体(MB)は、前記の単量体から適宜選択して用いることができる。
【0024】
水性媒体としては、通常、水が用いられるが、水溶性の有機溶媒と水との混合物を用いることもできる。
水性媒体の使用量は、重合に使用する全単量体100重量部に対して、通常、80〜900重量部、好ましくは100〜500重量部である。
【0025】
ポリビニルアルコールは、ビニルアルコール単位を有し、実質的に水溶性であって、重合時に使用した際に安定な重合体ラテックスが得られるものであればよい。
【0026】
ポリビニルアルコールは、通常、ビニルエステル単量体を主体とするビニル単量体を従来公知の方法で重合して得たビニルエステル重合体(すなわち、ビニルエステル単量体の単独重合体、2種以上のビニルエステル単量体の共重合体、およびビニルエステル単量体と他のエチレン性不飽和単量体との共重合体)を常法によりけん化することにより容易に得られる。また、この重合体の側鎖または末端にメルカプト基などの変性基を導入したものも使用できる。
【0027】
ビニルエステル単量体は、ラジカル重合可能なものであればいずれも使用でき、その具体例としては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酢酸イソプロペニル、バレリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、バーサティック酸ビニル、ピバリン酸ビニルなどを挙げることができる。なかでも、入手が容易で、かつ安価な酢酸ビニルが好ましい。
【0028】
ビニルエステル単量体と共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテンなどのオレフィン類;アクリル酸、メタクリル酸などのエチレン性不飽和モノカルボン酸;フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水トリメット酸、無水イタコン酸などのエチレン性不飽和多価カルボン酸およびその酸無水物;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシルなどのエチレン性不飽和モノカルボン酸エステル;フマル酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、イタコン酸ジイソプロピルなどのエチレン性不飽和多価カルボン酸エステル;メチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのエチレン性不飽和ニトリル;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどのハロゲン化ビニル;エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などのスルホン酸基含有単量体;ビニルトリメトキシシランなどのビニルシラン単量体;3−アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、3−メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライドなどの第4級アンモニウム基含有単量体などを挙げることができる。
【0029】
ポリビニルアルコールのけん化度は、水溶性などの観点から、好ましくは40〜100モル%、より好ましくは60〜99モル%、特に好ましくは80〜95モル%である。けん化度が低すぎると、重合体ラテックス粒子の分散安定性が低下する。
【0030】
ポリビニルアルコールの平均重合度は、好ましくは50〜8,000、より好ましくは100〜6,000、特に好ましくは300〜3,000である。この重合度が低すぎると、重合体ラテックス製造時の重合安定性が低下する。逆に、重合度が高すぎると、重合系の粘度が上昇して反応熱の除去が困難になったり、ラテックス粘度が高くなりすぎて取り扱い難くなったりする問題が生じる。
【0031】
ポリビニルアルコールの使用量は、重合に使用する全単量体100重量部に対して、好ましくは0.5〜60重量部、より好ましくは1〜40重量部、特に好ましくは2〜30重量部である。この量が少ないと、重合安定性が低下して、重合時に凝集物が多量に発生したり、得られるラテックスの機械的安定性が低下するなどの問題があり、逆に多いと、重合系の粘度が上昇して反応熱の除去が困難になったり、ラテックス粘度が高くなりすぎて取り扱い難くなったりする問題が生じる。
【0032】
前記の第1段階重合および第2段階重合において、ポリビニルアルコールを、各重合段階で使用する単量体全量100重量部に対して、上記の割合で使用することが好ましい。
【0033】
なお、重合時に、ポリビニルアルコール以外に、乳化重合において通常使用される低分子量の界面活性剤を併用してもよい。ここで、低分子量とは、1,000以下の分子量を指す。
しかしながら、併用する場合の低分子量の界面活性剤の使用量は、重合に使用する全単量体100重量部に対して、0.5重量部以下とすることが好ましく、0.2重量部以下とすることが好ましく、使用しないことが特に好ましい。この使用量が多いと、耐水表面強度やインクの滲み性が低下する傾向がある。
【0034】
ポリビニルアルコールの使用方法は、特に限定されないが、ポリビニルアルコールを予め重合反応器に添加したり、ポリビニルアルコールの一部を重合反応器に添加して、重合反応を開始した後、残部を重合反応器に添加したり、重合反応の開始と同時にポリビニルアルコールを連続的または断続的に重合反応器に添加することができる。
【0035】
単量体の添加方法は、上記した2段階で重合する点を除き、特に限定されないが、単量体を予め重合反応器に添加する方法、単量体の一部を重合反応器に添加して重合反応を開始した後、残部を重合反応器に添加する方法、単量体を連続的または断続的に重合反応器に添加する方法を採用することができる。なかでも、単量体を連続的に重合反応器に添加する方法が好ましい。
【0036】
単量体とポリビニルアルコールの添加方法は、特に限定されないが、それぞれ別々に添加してもよく、単量体、ポリビニルアルコールおよび水性媒体を混合して得られる単量体乳化物の形態で添加してもよい。単量体とポリビニルアルコールとを別々に添加する場合は、両者の添加をほぼ同時に開始するのが好ましく、また、両者の添加をほぼ同時に終了させることが好ましい。なかでも、単量体、ポリビニルアルコールおよび水性媒体を混合して得られる単量体乳化物の形態で、連続的に重合反応器に添加する方法が好ましい。
【0037】
単量体を連続的に添加する場合の添加速度は、特に制限はないが、反応系中の重合転化率が30重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%を保つように制御するのが好ましい。単量体の添加速度が速すぎると反応系中の重合転化率が低くなり、粗大粒子が発生しやすくなる。
【0038】
前記の単量体を重合させる際に使用する重合開始剤は、乳化重合において通常使用されるものが使用できる。重合開始剤の具体例としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素などの水溶性過酸化物;t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイドなどの油溶性過酸化物;過酸化物と重亜硫酸水素ナトリウムなどの各種還元剤との組み合わせによるレドックス系開始剤などを挙げることができる。なかでも水溶性過酸化物が好ましく、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩がより好ましい。
重合開始剤の使用量は、単量体100重量部に対して、通常、0.05〜4重量部、好ましくは0.1〜3重量部である。
【0039】
重合開始剤の添加方法は、特に限定されないが、重合開始前の重合反応器に全量を添加したり、重合開始前の重合反応器に一部を投入して重合を開始した後、残部を所定の時期に一括で添加したり、重合開始前に重合反応器に一部を投入して重合を開始した後、残部を連続的または断続的に重合反応系に添加することができる。
【0040】
上記の重合体ラテックスの製造方法において、重合を水溶性のアルコール存在下に行うことが好ましい。
この場合に使用し得るアルコールは、特に限定されないが、1価または多価の水溶性のアルコールが好ましい。このようなアルコールの具体例としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロールなどが挙げられる。なかでも、メタノール、エタノール、プロパノールが好ましく使用できる。
アルコールの使用量は、重合に使用する全単量体100重量部に対して、好ましくは1〜50重量部、より好ましくは3〜20重量部である。
【0041】
アルコールの添加方法は、特に限定されないが、重合開始前の重合反応器に全量を添加したり、重合開始前の重合反応器に一部を投入して重合を開始した後、残部をある特定の時期に添加したり、重合開始前に重合反応器に一部を投入して重合を開始した後、残部を連続的または断続的に重合反応系に添加することができる。なかでも、重合開始前の重合反応器に全量を添加する方法が好ましい。
【0042】
重合に際しては、必要に応じて、連鎖移動剤を使用してもよい。連鎖移動剤としては、例えば、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、t−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ステアリルメルカプタンなどのメルカプタン類;チオグリコール酸、チオリンゴ酸、2−エチルヘキシルチオグリコレートなどのメルカプト基を有する化合物;ジメチルキサントゲンジサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンジサルファイドなどのキサントゲン化合物;α−メチルスチレンダイマー、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、2,4−ジフェニル−4−メチル−2−ペンテン、1,1,3−トリメチル−3−フェニルインダンなどのα−メチルスチレンダイマー類;ジクロルメタン、ジブロモメタン、四塩化炭素、四臭化炭素などのハロゲン化炭化水素;α−ベンジルオキシスチレン、α−ベンジルオキシアクリロニトリル、α−ベンジルオキシアクリルアミドなどのビニルエーテル;トリフェニルエタン、ペンタフェニルエタンなどが挙げられる。
連鎖移動剤の使用量は、単量体100重量部に対して、通常、5重量部以下である。
連鎖移動剤の添加方法は、特に限定されず、一括添加しても、断続的または連続的に重合反応系に添加してもよい。
【0043】
重合温度は、特に制限はないが、通常、0〜100℃、好ましくは50〜95℃である。
【0044】
第1段階重合において、重合転化率が、80重量%以上、好ましくは90重量%以上、より好ましくは95重量%以上になった後に、第2段階重合を開始することが好ましい。このように2段階重合を行って、コア部分とシェル部分を形成すると、本発明の重合体ラテックスの物性のバランスがより優れたものとなる。
【0045】
第2段階重合を行った後、所定の重合転化率に到達した時点で、重合を停止する。重合の停止は、重合停止剤を添加したり、重合反応系を冷却したりすることによって行うことができる。重合を停止する際の重合転化率は、重合に使用する全単量体に対して、好ましくは90重量%以上、より好ましくは93重量%以上、特に好ましくは95重量%以上である。
重合を停止した後、所望により、未反応の単量体を除去してもよい。
【0046】
本発明のコアシェル型の重合体ラテックスには、必要に応じて、キレート剤、分散剤、pH調整剤、防腐剤、可塑剤、消泡剤などの助剤を重合時または重合後に併用してもよい。
【0047】
上記のように得られたコアシェル型の重合体ラテックスは、重合に使用したポリビニルアルコールが結合した重合体ラテックス粒子を含むものであることが好ましい。
重合体ラテックス粒子に結合しているポリビニルアルコールの割合は、重合で生成した重合体100重量部を基準として、好ましくは0.3〜40重量%、より好ましくは0.5〜30重量%、特に好ましくは1〜20重量%の範囲である。この範囲にあれば、物性のバランスにより優れたものとなる。
【0048】
重合体ラテックス粒子に結合しているポリビニルアルコールの割合は、例えば、重合に使用するポリビニルアルコールの種類およびその使用量、重合開始剤の種類およびその使用量、並びに重合温度などを適宜選択することにより調整できる。
【0049】
コアシェル型の重合体ラテックスの体積平均粒子径は、好ましくは50〜5000nm、より好ましくは80〜2000nm、特に好ましくは100〜1000nmである。体積平均粒子径が小さいと、重合中に増粘しやすくなり、取り扱いし難い傾向にあり、逆に大きいと耐水表面強度に劣る傾向がある。
【0050】
本発明のインクジェット記録媒体用塗工組成物は、前記のコアシェル型のインクジェット記録媒体用重合体ラテックスの固形分100重量部に対して、顔料300〜2,000重量部を含有してなる。
【0051】
顔料としては、白色顔料が好ましく、例えば、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、タルク、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、ゼオライト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機白色顔料;中空粒子、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント等の有機白色顔料;などが挙げられる。これらの中でも、無機白色顔料が好ましく、特にシリカが好ましい。
白色顔料の使用量は、インクジェット記録媒体用重合体ラテックスの固形分100重量部に対して、300〜2,000重量部、好ましくは500〜1,000重量部の範囲である。
【0052】
本発明のインクジェット記録媒体用塗工組成物には、さらに必要に応じて、顔料分散剤、染料、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、抗菌剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤、染料定着剤等などの副資材を配合することができる。これらの成分の使用量、塗工組成物への配合方法などは本発明の目的を損なわない範囲で適宜選択される。
【0053】
インクジェット記録媒体用塗工組成物の調製方法は特に限定されず、一般的には分散機を用い、前記重合体ラテックス、顔料およびその他の配合成分を、必要に応じて水を添加して分散させることにより調製される。なお、該塗工組成物の全固形分濃度は、通常、5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%である。
【0054】
本発明のインクジェット記録媒体は、前記のインクジェット記録媒体用塗工組成物を支持体に塗工してなるものであり、支持体の少なくとも一方の面に該塗工組成物を塗布し、乾燥させ、塗工層を形成することによって得ることができる。
【0055】
インクジェット記録媒体を構成する支持体は特に限定されず、記録媒体の使用目的や記録装置に応じて適宜選択すればよい。例えば、新聞原紙、上質原紙、中質原紙などの原紙;原紙上にポリビニルアルコール、澱粉などが塗工された塗工紙;顔料を主成分とする塗工層が設けられたコート紙、アート紙、キャスト紙などの塗工紙;合成紙(ポリプロピレン樹脂ベースの多層フィルム、紙の両面をポリエチレンで被覆した紙など);ポリエステルフィルム、塩ビフィルムなどの樹脂フィルム;金属製、ガラス製およびセラミック製などの支持体;などが挙げられる。なかでも、原紙、塗工紙および合成紙が好ましく使用できる。
【0056】
インクジェット記録媒体用塗工組成物を支持体に塗工する方法は特に限定されない。例えば、ロールコーター、エアナイフコーター、ブレードコーター、ロッドブレードコーター、カーテンコーター、バーコーター、ダイコーター、グラビアコーター等の一般的なコーターを用いて塗工することができる。
支持体への塗工量も特に限定されないが、通常、1〜50g/m2、好ましくは3〜30g/m2である。
塗工組成物を支持体へ塗布した後、必要に応じて50〜150℃の範囲の適当な温度で加熱して、乾燥することにより、インク受理層として機能する塗工層を形成することができる。
【0057】
本発明のインクジェット記録媒体は、必要に応じて、得られた塗工層をカレンダー処理して、インク受理層に平滑性や光沢を与えることができる。また、支持体上に直接塗布して、一層のインク受理層を形成してもよいし、必要に応じてインク受理層を含む多層構成としてもよい。例えば、インク受理層の下にアンカー層を設けてもよく、またインク受理層の上にさらに光沢層を設けてもよい。
【0058】
【実施例】
以下に実施例および比較例を挙げて、本発明についてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、これらの例における「部」および「%」は、特に断りのない限り重量基準である。
【0059】
評価方法を以下に説明する。
(1)体積平均粒子径(nm)
重合体ラテックスの体積平均粒子径は、コールターLS230(コールター社製)で測定した。
(2)ガラス転移温度(℃)
重合体ラテックスを枠付きガラス板に流延し、温度20℃、相対湿度65%の恒温恒湿室に48時間放置してフィルムまたは乾燥物を得、これを試料とした。
上記試料のガラス転移温度を、示差走査熱量計(セイコー電子工業(株)社製:SSC5200)を用いて、開始温度−100℃、昇温速度20℃/分の条件で、JIS K 7121に準じて測定した。
【0060】
(3)ポリビニルアルコール結合量
重合体ラテックスの固形分濃度を10%に調整し、その60gを試料とした。該試料を5℃、13,000rpm、60分の条件で遠心分離し、上澄み液を40g回収した。次いで、沈降層(20g)に蒸留水40gを加えて均一にした後、同一条件で再度遠心分離して上澄み液40gを回収した。さらに、沈降層について再度同一操作を繰り返した。その後、得られた沈降層中の重合体ラテックス粒子を1H−NMR分析し、重合において生成した重合体100部を基準として、該重合体に結合しているポリビニルアルコールの割合(%)を求めた。
【0061】
(4)耐水表面強度
霧吹きを用いて湿らせたインクジェット記録シートの表面を指で擦り、指への顔料の転移の程度を目視で評価する。指への顔料の転移が無い場合を◎、ごくわずかに転移がある程度の場合を○、指への顔料の転移が多量認められる場合を×とする。◎〜○のものは実用上の問題がないと判断した。
(5)インクの滲み性
温度23℃、相対湿度65%の恒温恒湿室にてインクジェットプリンター(BJC−445J;キヤノン社製)を用いて記録シートにシアン、マゼンダ、イエロー、ブラックの4色で「A」(フォントサイズは12)を印字した。印字後3分間経過した時点で、記録シートを水に1分間浸漬した。その後、記録シートを乾燥し、印字部の滲みを目視で観察し、印字の滲みが無い場合を◎、ごくわずかに滲みがある程度の場合を○、滲みがあるが大きくない場合を△、滲みが大きい場合を×とした。◎〜○のものは実用上の問題がないと判断した。
【0062】
(6)耐ブロッキング性
A4サイズのインクジェット記録シートを2枚重ね、それをA4サイズのガラス板2枚の間にセットした。このものの上に10Kgの錘を載せた状態で、温度40℃、相対湿度65%の環境下に24時間放置した。その後、2枚のインクジェット記録シートを手で剥がす際の状態を以下のように判定した。
◎:剥がす際に、力を要しない。
○:剥がす際に、やや力を要する。
×:ブロッキングしており、一部破れる。
【0063】
(実施例1)
(重合体ラテックスの製造)
攪拌機付きの耐圧容器に、脱イオン水65部、スチレン22部、メタクリル酸0.5部、1,3−ブタジエン27.5部及びポリビニルアルコール(PVA−205、クラレ社製、平均重合度500、けん化度88モル%)7.5部を添加し、撹拌して、単量体乳化物Iを得た。
別の攪拌機付きの耐圧容器に、脱イオン水65部、スチレン34.5部、メタクリル酸0.5部、1,3−ブタジエン15部及びポリビニルアルコール(PVA−205、クラレ社製、平均重合度500、けん化度88モル%)5部を添加し、撹拌して、単量体乳化物IIを得た。
【0064】
別途、攪拌機付きの耐圧反応容器に、脱イオン水70部及びエタノール8部を入れ、温度を80℃に昇温し、80℃を維持した状態で、反応容器に前記単量体乳化物Iの連続添加を開始し、次いで、過硫酸カリウム2部を脱イオン水に溶解した開始剤水溶液を添加した。単量体乳化物Iの連続添加は140分間かけて終了した。添加終了後、さらに40分間後反応を行なった。この第1段階重合終了時の重合転化率は99%であった。
引き続き、単量体乳化物IIを140分間かけて反応容器に連続添加し、添加終了後、さらに2時間後反応を行なった。その後、冷却して反応を終了させた。この第2段階重合終了時の重合転化率は99%であった。
未反応単量体を除去した後、固形分濃度を調整して、固形分濃度30%のコアシェル型の重合体ラテックスAを得た。得られた共重合体ラテックスAの体積平均粒子径は230nm、ガラス転移温度は、−25℃(コア部分)と20℃(シェル部分)の2点が観測され、重合体粒子に結合したポリビニルアルコール結合量の割合は、重合で生成した重合体100部を基準として、8.3%であった。
【0065】
(インクジェット記録媒体の作製)
分散機中で、シリカ(水澤化学工業社製のMizukasil P−78)100部、ポリアクリル酸ナトリウム0.8部を水に分散させ、前記の重合体ラテックスA固形分30部相当を添加して30分間分散させ、固形分濃度20%の塗工組成物を得た。この塗工組成物を坪量が70g/m2の上質原紙に、乾燥重量が片面15g/m2となるようにワイヤーバーにて両面塗工し、100℃の熱風乾燥機で20秒間乾燥した。得られた塗工紙を温度23℃、湿度65%に調整された恒温恒湿槽で5時間静置した。更に、温度40℃、線圧50kg/cmに調整した実験用ミニカレンダーで2回表面処理してインクジェット記録シートを得た。
得られたインクジェット記録シートについて、耐水表面強度、インクの滲み性および耐ブロッキング性を評価し、その結果を表1に示す。
【0066】
(実施例2)
単量体乳化物IおよびIIの組成と連続添加時間とを表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様に重合して、コアシェル型の重合体ラテックスBを得た。なお、ポリビニルアルコールとしては、PVA−224E(クラレ社製、平均重合度2400、けん化度88モル%)を用いた。重合体ラテックスBの物性を測定し、その結果を表1に示す。
重合体ラテックスAの代わりに重合体ラテックスBを用いる以外は、実施例1と同様にして、インクジェット記録シートを得た。得られたインクジェット記録シートの評価を行い、その結果を表1に示す。
【0067】
(比較例1)
表1に示す単量体乳化物Iを調製し、これを280分間に亘り、反応容器に連続的に添加して1段重合する以外は、実施例1と同様に重合して重合体ラテックスCを得た。重合体ラテックスCの物性を測定し、その結果を表1に示す。重合体ラテックスCは、ただひとつのガラス転移温度を示す。
重合体ラテックスAの代わりに重合体ラテックスCを用いる以外は、実施例1と同様にして、インクジェット記録シートを得た。得られたインクジェット記録シートの評価を行い、その結果を表1に示す。
【0068】
(比較例2)
攪拌機付きの耐圧容器に、脱イオン水78部、スチレン6部、メタクリル酸メチル15部、アクリル酸ブチル36部、メタクリル酸3部及びアニオン性界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩0.15部を添加し、撹拌して、単量体乳化物Iを得た。
別の攪拌機付きの耐圧容器に、脱イオン水52部、スチレン6部、メタクリル酸メチル14部、アクリロニトリル4部、アクリル酸ブチル16部及びアニオン性界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩0.1部を添加し、撹拌して、単量体乳化物IIを得た。
【0069】
別途、攪拌機付きの耐圧反応容器に、脱イオン水70部及びアニオン性界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩0.6部を入れ、温度を80℃に昇温し、80℃を維持した状態で、反応容器に前記単量体乳化物Iの連続添加を開始し、次いで、過硫酸カリウム1部を脱イオン水に溶解した開始剤水溶液を添加した。単量体乳化物Iの連続添加は168分間かけて終了した。添加終了後、さらに40分間後反応を行なった。この第1段階重合終了時の重合転化率は99%であった。
引き続き、単量体乳化物IIを112分間かけて反応容器に連続添加し、添加終了後、さらに2時間後反応を行なった。その後、冷却して反応を終了させた。この第2段階重合終了時の重合転化率は99%であった。
未反応単量体を除去した後、固形分濃度を調整して、固形分濃度30%の重合体ラテックスDを得た。重合体ラテックスDの物性を測定し、その結果を表1に示す。
重合体ラテックスAの代わりに重合体ラテックスDを用いる以外は、実施例1と同様にして、インクジェット記録シートを得た。得られたインクジェット記録シートの評価を行い、その結果を表1に示す。
【0070】
(比較例3)
単量体乳化物IおよびIIの組成と連続添加時間とを表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様に重合して、重合体ラテックスEを得た。重合体ラテックスEの物性を測定し、その結果を表1に示す。
重合体ラテックスAの代わりに重合体ラテックスEを用いる以外は、実施例1と同様にして、インクジェット記録シートを得た。得られたインクジェット記録シートの評価を行い、その結果を表1に示す。
【0071】
【表1】
【0072】
表1から以下のようなことがわかる。
単量体を一段で重合して得られた単一組成の重合体ラテックスCを用いると、インクジェット記録シートの耐ブロッキング性に劣る(比較例1)。
通常使用されるアニオン性界面活性剤を用いて得られた重合体ラテックスDを用いると、インクジェット記録シートの耐水表面強度およびインクの滲み性に劣る(比較例2)。
コアシェル型の重合体ラテックスであるものの、シェル部分のガラス転移温度が本発明で規定する範囲より高い重合体ラテックスEを用いると、インクジェット記録シートの耐水表面強度に劣る(比較例3)。
【0073】
これらの比較例に対して、本発明で規定する範囲内のコアシェル型の重合体ラテックスAおよびBを用いると、耐水表面強度および耐ブロッキング性に優れ、インクの滲み性が改良されたインクジェット記録シートが得られる(実施例1および2)。
【0074】
【発明の効果】
本発明によれば、耐水表面強度および耐ブロッキング性に優れ、インク滲み性が改良されたインクジェット記録媒体、該記録媒体に好適に使用できるインクジェット記録媒体用重合体ラテックスおよび該重合体ラテックスを含有するインクジェット記録媒体用塗工組成物が提供される。
Claims (4)
- 水性媒体中、ポリビニルアルコールの存在下に、単量体を重合して得られる、ガラス転移温度が0℃以下の重合体(A)からなるコア部分と、ガラス転移温度が10〜50℃の重合体(B)からなるシェル部分と、を有するコアシェル型のインクジェット記録媒体用重合体ラテックス。
- 重合体(A)と重合体(B)の重量比が、20/80〜80/20である請求項1記載のインクジェット記録媒体用重合体ラテックス。
- 請求項1または2記載のインクジェット記録媒体用重合体ラテックスの固形分100重量部に対して、顔料300〜2000重量部を含有してなるインクジェット記録媒体用塗工組成物。
- 請求項3記載のインクジェット記録媒体用塗工組成物を支持体に塗工してなるインクジェット記録媒体。
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