JP2006327166A - インクジェット記録シート用水性エマルション及びインクジェット記録シート - Google Patents

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Yoshihiko Tomita
嘉彦 富田
Seiya Kusumoto
征也 楠本
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康雄 岡田
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Abstract

【課題】高光沢でインク吸収性に優れ、且つ耐水性、印字濃度に優れるインクジェット記録シート用水性エマルション、およびそれを含むインクジェット記録シートを提供すること。
【解決手段】(A)ジメチルアミノエチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド及びそれらの塩化メチル塩から選ばれる少なくとも一種の単量体と(B)少なくとも芳香族ビニル類を含むその他共重合可能な単量体との共重合体を含むインクジェット記録シート用水性エマルション、並びに、インク受容層に前記の水性エマルションを含むインクジェット記録シート。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録方式を利用したプリンターやプロッターに用いられるインクジェット記録シート用水性エマルション、およびインクジェット記録シートに関するものである。
インクジェット記録方式は、インクの微小液滴を種々の作動原理により飛翔させて紙等の記録用シートに付着させ、画像・文字等の記録を行うものである。
さらに、インクジェット方式を利用したプリンターやプロッターは、市場からの更なる画像の品質向上に対する要求のために、高解像度化、色再現範囲の拡大が図られており、これにはインクの吐出量を多くすることで対応している。従って、吐出量に見合ったインク受理容量の増大が該記録用シートの重要な技術課題となっており、高インク受理容量の確保や発色性の良好な塗層の塗設が不可欠となっている。
ところで、印字濃度、耐水性を向上させる目的で、カチオン性ポリマーを使用することが一般に行われている。カチオン性ポリマーのカチオン性基により、アニオン性を有する染料をインク受理層に固着させ、印字濃度、耐水性の向上を期待するものである。しかしながらカチオン性ポリマーは一般に水溶性であるため、カチオン性ポリマー自身が水へ溶解し、耐水性を低減する原因となる。また保存時、高湿度下に置かれた場合、カチオン性ポリマーがインク受容層中で移動し、画像にじみの原因となる。更には印刷時、カチオン性ポリマーがインクで膨潤することから、インク吸収性が低下する。これらを解決する為、カチオン性を有するラテックスを使用することでインク吸収性、発色性、耐水性、耐光性等に優れるインクジェット記録用バインダー組成物が提案されている(特許文献1、2)。
特開平11−123867号公報 特開2000−313164号公報
本発明の目的は、高光沢でインク吸収性に優れ、且つ耐水性、印字濃度に優れるインクジェット記録シート用水性エマルションおよびインクジェット記録シートを提供することにある。
本発明者らは、上記の問題を解決すべく鋭意検討した結果、インク受容層に用いるカチオン性ポリマーのエマルションとして、(A)ジメチルアミノエチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド及びそれらの塩化メチル塩から選ばれる少なくとも1種の単量体と(B)少なくとも芳香族ビニル類を含むその他共重合可能な単量体との共重合体を含む水性エマルションを用いた場合、インクジェット記録シートの光沢、インク吸収性、さらに耐水性、印字濃度をも向上させることを見い出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
(A)ジメチルアミノエチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド及びそれらの塩化メチル塩から選ばれる少なくとも1種の単量体と(B)少なくとも芳香族ビニル類を含むその他共重合可能な単量体との共重合体を含むインクジェット記録シート用水性エマルション、
並びに、
シート状支持体上にインク受容層を少なくとも一層以上有するインクジェット記録シートであって、該インク受容層が前記に記載の水性エマルションを含むインクジェット記録シートであり、JIS Z8741に基づき測定される、記録シートの記録面表面の75°での光沢度が、50%以上であるインクジェット記録シート
である。
本発明によれば、高光沢でインク吸収性に優れ、且つ耐水性、印字濃度に優れるインクジェット記録シート用水性エマルション、及び
インクジェット記録シートを提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明におけるインクジェット記録シート用水性エマルションは、(A)ジメチルアミノエチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド及びそれらの塩化メチル塩から選ばれる少なくとも1種の単量体(以下、単量体(A)と称す)と(B)少なくとも芳香族ビニル類を含むその他共重合可能な単量体(以下、単量体(B)と称す)との共重合体を含む水性エマルションである。
ここで、塩化メチル塩としては、ジメチルアミノエチルアクリルアミド塩化メチル塩、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド塩化メチル塩である。
単量体(A)のなかでは、ジメチルアミノプロピルアクリルアミドが、印字濃度に優れるため好ましい。
単量体(B)としては、例えば、アクリル酸エステル類;メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、イソアミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、ドデシルアクリレート、オクタデシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート、イソボルニルアクリレート、その他の炭素原子数1乃至14のアルキルアクリレート等、
メタクリル酸エステル類;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、イソアミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、その他の炭素原子数1乃至14のメタクリレート等、
芳香族ビニル類;スチレン、2−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン等、
不飽和カルボン酸類;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、無水アクリル酸、無水メタクリル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フマル酸等、
水酸基含有ビニル類;2−ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート等、
アミド類;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、マレイン酸アミド等、
ビニルエステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等、
ハロゲン化ビニリデン類;塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン等、
アミノアルキルアクリレート又はアミノアルキルメタクリレート類;N、N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N、N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N、N−ジメチルアミノプロピルアクリレート、N、N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート等、
N−アミノアルキルアクリルアミド又はN−アミノアルキルメタクリルアミド類;N、N−ジメチルアクリルアミド、N、N−ジメチルメタクリルアミド、N、N−ジエチルアクリルアミド、N、N−ジエチルメタクリルアミド、N、N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N、N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、N、N−ジメチルアミノエチルアクリルアミド、N、N−ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド等、
ハロゲンとして塩素、臭素、ヨウ素等であるハロゲン化メチル基、ハロゲン化エチル基、ハロゲン化ベンジル基等で4級塩化された、上記アミノアルキルアクリレート又はアミノアルキルメタクリレート類とN−アミノアルキルアクリルアミド又はN−アミノアルキルアクリルアミド類の4級塩類等
アクリロイルモルホリン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルオキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−(2−メタクリロイルオキシ)エトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルオキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート等、
塩化ビニル、ビニルエーテル、ビニルケトン、ビニルアミド、クロロプレン、エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、クロロプレン、ビニルピロリドン、2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタアクリレート、アリルグリシジルエーテル、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、アリルメタアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート、アリルメルカプタン等、
が挙げられ、これらのうち、芳香族ビニル類、又は芳香族ビニル類を含む2種以上が選択される。
特に芳香族ビニル類としてスチレンを選択した場合、単量体(A)との共重合性がよく、光沢や耐水性を向上させるので好ましい。
また、該水性エマルションにおいて、単量体(A)及び単量体(B)の総重量を100重量%とした場合、単量体(A)が3〜20重量%、単量体(B)が80〜97重量%である場合、印字濃度とインク吸収性のバランスに優れるため、好ましい。
また、該水性エマルションにおいて、単量体(A)と単量体(B)との共重合体としては、単量体(A)及び単量体(B)を通常の乳化重合等で重合して得られた共重合体であることが好ましく、単量体(A)及び単量体(B)の共重合体の末端に、開始剤切片や連鎖移動剤切片を含んでいても良い。
[水性エマルションの粒子径]
本発明において、水性エマルションの平均粒子径は、30〜200nmが好ましい。平均粒子径がこの範囲であると、インク吸収性、印字濃度性が向上する。
尚、本発明における平均粒子径は、レーザー粒径解析システム LPA−3000/3100(大塚電子株式会社製)で測定して得られる平均粒子径である。
[水性エマルションのガラス転移温度(Tg)]
本発明において、水性エマルションのガラス転移温度は、―40℃〜10℃が好ましい。ガラス転移温度がこの範囲であると、本発明の水性エマルションを含有するインクジェット記録シートは柔軟性に優れる。また、無機粒子等、インクジェット記録シートを構成するその他の要素を結着するバインド力とインク吸収性のバランスに優れる為、好ましい。
なお、本発明におけるガラス転移温度は、JIS K 7121に基づきDSC曲線から実測することで求められる。
[インクジェット記録シート]
本発明の水性エマルションを含有するインクジェット記録シートは、本発明におけるもう1つの発明である。
本発明の水性エマルションを含有する層には、インクを吸収する空隙を形成するための無機粒子や有機粒子が使用される。無機粒子としては例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトボン、ゼオライト、水酸化マグネシウム等が挙げられる。また、有機粒子としては例えば、アクリル系ポリマー(アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体)、スチレン−アクリル系ポリマー(スチレンと、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルの共重合体)、MBR系ポリマー(メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体)、SBR系ポリマー(スチレン−ブタジエン共重合体)、ウレタン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、EVA系ポリマー(エチレン−酢酸ビニル共重合体)の水分散体等が挙げられる。有機粒子の場合には、ポリマーのガラス転移温度は50℃以上が好ましい。高い空隙率を得てインク吸収性を向上させるためには、好ましくは1次粒子径が100nm以下の微粒子である。
該水性エマルションを含有する層には、通常インクジェット記録用シートに使用されている各種添加剤や各種添加材を併用しても良い。例えばバインダー機能を有するポリマーとして、水溶性ポリマーや、水不溶性ポリマーの水分散系などが挙げられる。
さらに、その他に、本発明の有機粒子を含有する層には、帯電防止剤、酸化防止剤、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、耐水化剤、防腐剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、蛍光増白剤、着色顔料、着色染料、浸透剤、発泡剤、離型剤、抑泡剤、消泡剤、流動性改良剤、増粘剤、顔料分散剤、カチオン性定着剤等を含んでいてもよい。
[光沢の測定方法]
本発明における光沢とは、JIS Z8741に基づき、記録用シート記録面表面の75°での光沢度を測定したものであり、例えば変角光沢計 GM−3D型(村上色彩技術研究所社製)等で測定することができる。
本発明の記録用シートは75°における光沢が、50%以上であるのが好ましい。50%未満では光沢が不十分となり易く、光沢を有する記録シートとは言い難くなる場合がある。
[水性エマルションの製造方法]
本発明の水性エマルションは、(A)ジメチルアミノエチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド及びそれらの塩化メチル塩からなる群より選択される少なくとも一種の単量体と(B)少なくとも芳香族ビニル類を含むその他共重合可能な単量体を公知の乳化重合法、保護コロイド重合法、あるいは機械乳化法に基づき製造して得られる。例えば乳化重合法としては、分散剤と開始剤の存在下で、各種モノマーを一括で仕込み重合する方法、モノマーを連続的に供給しながら重合する方法が挙げられる。その際の重合温度としては通常30〜90℃で行われる。乳化重合法によって得られる水性エマルションは、少量の分散剤で非常に安定で、且つ粒子径の非常に小さいものが容易に得られるという点で優れている。
本発明に使用される分散剤としては、通常の乳化重合に使用される分散剤が使用できる。ここで好ましく使用される分散剤としては、カチオン性界面活性剤や両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性水溶性ポリマー、ノニオン性水溶性ポリマー、アニオン性水溶性ポリマーなどが挙げられ、これらの1種、又は2種以上を選択することができる。
本発明に使用される重合開始剤としては、通常の乳化重合に使用される開始剤が使用でき例えば、カチオン性基を有する開始剤の例としては、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス〔2−(N−フェニルアミジノ)プロパン〕二塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−〔N−(4−クロロフェニル)アミジノ〕プロパン}二塩酸塩、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−メチルプロパン)二塩酸塩等、アニオン性開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩等、ノニオン性開始剤としては、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−〔1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル〕プロピオンアミド}等のアゾ化合物等が挙げられる。また必要に応じて連鎖移動剤を併用する事もできる。また、ポリマー分散物には必要に応じて、pH調整剤、消泡剤、防腐剤等の添加剤を混合することができる。
[記録シートの構成]
本発明における記録シートの好ましい態様としては、水性エマルションの含有される層が、インクの受理に関わる表層に使用されている記録シートである。例えば、支持体上に本発明である水性エマルションを含有する層のみを設けた単層構造や、支持体上にインク受理層を設け、その上層に本発明である水性エマルションを含有する層を設けたり、本発明の水性エマルションを含有する層を設けた後に、その上層に別の層を設けることによって構成される、多層構造等が挙げられる。本発明の水性エマルションを含有する層が最表層である記録シートが、印字濃度に優れるため好ましい。
また、本発明における水性エマルションを含有する層の総固形分を100重量%とした場合、本発明の水性エマルションの含有率は、通常1〜30重量%である。
本発明の水性エマルションを含有する層の量は、通常、シート状支持体上に、坪量として通常1〜300g/mであるが、特に制限されるものではない。
[シート支持体種]
本発明において、支持体としては、従来からインクジェット記録用シートに用いられる支持体、例えば、普通紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、樹脂被服紙、樹脂含浸紙、非塗工紙、塗工紙等の紙支持体、両面又は片面をポリエチレン及び/又はチタン等の白色顔料を練り込んだポリエチレン等のポリオレフィンで被覆した紙支持体、プラスチック支持体、不織布、布、織物、金属フィルム、金属板、及びこれらを貼り合わせた複合支持体を用いることができる。
プラスチック支持体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、トリアセチルセルロース、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリイミド、ポリカーボネート、セロファン、ポリナイロン等のプラスチックシート、フィルム等が好ましく使用される。これらのプラスチック支持体は透明なもの、半透明なもの、及び不透明なものを用途に応じて適宜使い分けることができる。
また支持体には白色のプラスチックフィルムを用いることも好ましい。白色のプラスチック支持体としては、少量の硫酸バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛などの白色顔料をプラスチックに含有させたものや、微細な空隙を多数設けて不透明性を付与した発泡プラスチック支持体、及び白色顔料(酸化チタン、硫酸バリウム)を有する層を設けた支持体を用いることができる。
本発明においては支持体の形状は限定されないが、通常用いられるフィルム状、シート状、板状等の他に、飲料缶のような円柱状、CDやCD−R等の円盤状、その他複雑な形状を有するものも支持体として使用できる。
[記録シートの製造方法]
本発明の記録シートは、シート状支持体の片面または両面に、水性エマルション又は水性エマルションを含んだ塗被組成物を塗布し、これを乾燥させて層を形成することによって製造される。塗工液の塗布方法に限定はなく、例えば、エアナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、ブレードコーター、スライドホッパーコーター、グラビアコーター、フレキソグラビアコーター、カーテンコーター、エクストルージョンコーター、フローティングナイフコーター、コンマコーター、ダイコーター等の従来既知の塗布方法を用いることができる。
また光沢を付与するための方法については特に限定はないが、一般的なカレンダー処理、つまりはスーパーカレンダー、グロスカレンダー等のカレンダー装置を用い、圧力や温度をかけたロール間を通過させて塗層表面を平滑化する方法や、或いは直接法、凝固法、リウエット法(再湿潤法)、プレキャスト法などのキャストコーティング法を好ましく用いることができる。また支持体が、例えば写真用原紙の両面をポリエチレンで被覆した紙支持体のような平滑な支持体であれば、表面の後処理がなくても優れた光沢を得ることが可能である。
以下に、本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。又、実施例において示す部及び%は、特に明示しない限り重量部及び重量%を示す。
<水性エマルションの作製>
製造例で作成した水性エマルションの物性を、表1に示した。
[製造例1]
攪拌翼、温度計、冷却管付きのフラスコに25℃の脱イオン水40部、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド1.2部を仕込み、65℃まで昇温したのち、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩0.5部を添加した。これとは別に、スチレン(以下Stと略する)23部、n−ブチルアクリレート(以下nBA)65部、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(以下DMAPAA)12部、脱イオン水200部、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド1.2部を混合した混合物を作り、この混合物を前記のフラスコへ、4時間かけて滴下し、その後、更に同温度で4時間保持した。得られた水性エマルションは、不揮発分30%、pH5、光散乱測定による平均粒子径102nm、及びJIS K 7121に基づきDSC曲線から求めたガラス転移温度は−15℃であった。
[製造例2]
使用するモノマーとしてDMAPAAの代わりにジメチルアミノプロピルアクリルアミド塩化メチル塩(以下DMAPAA−Qと略)を使用した以外は製造例1と同様に重合した。得られた水性エマルションは、不揮発分30%、pH5、光散乱測定による平均粒子径139nm、及びJIS K 7121に基づきDSC曲線から求めたガラス転移温度は−14℃であった。
[製造例3]
使用するモノマーとしてSt52部、nBA35部、DMAPAA12部を使用した以外は製造例1と同様に重合した。得られた水性エマルションは、不揮発分30%、pH5、光散乱測定による平均粒子径128nm、及びJIS K 7121に基づきDSC曲線から求めたガラス転移温度は30℃であった。
[製造例4]
攪拌翼、温度計、冷却管付きのフラスコに25℃の脱イオン水40部、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド0.03部をフラスコへ仕込んだ以外は製造例1と同様に重合した。得られた水性エマルションは、不揮発分30%、pH5、光散乱測定による平均粒子径338nm、及びJIS K 7121に基づきDSC曲線から求めたガラス転移温度は−15℃であった。
[製造例5]
使用するモノマーとしてメチルメタクリレート(以下MMAと略)18部、2−エチルヘキシルアクリレート(以下2EHAと略)80部、ジメチルアミノエチルメタクリレート(以下DMAEMAと略)2部を使用した以外は製造例1と同様に重合した。得られた水性エマルションは、不揮発分30%、pH5、光散乱測定による平均粒子径127nm、及びJIS K 7121に基づきDSC曲線から求めたガラス転移温度は−49℃であった。
[製造例6]
使用するモノマーMMAと46部、2EHA52部、DMAEMA2部を使用した以外は製造例1と同様に重合した。得られた水性エマルションは、不揮発分30%、pH5、光散乱測定による平均粒子径125nm、及びJIS K 7121に基づきDSC曲線から求めたガラス転移温度は−12℃であった。
[製造例7]
使用するモノマーとしてMMA44部、nBA51部、ジメチルアミノプロピルアクリレート塩化メチル塩(以下DMAPAA−Qと略)5部とした以外は製造例1と同様に重合した。得られた水性エマルションは、不揮発分30%、pH5、光散乱測定による平均粒子径129nm、及びJIS K 7121に基づきDSC曲線から求めたガラス転移温度は2℃であった。
[製造例8]
使用するモノマーとしてMMA39部、nBA41部、DMAPAA−Q20部とした以外は製造例1と同様に重合した。得られた水性エマルションは、不揮発分30%、pH5、光散乱測定による平均粒子径148nm、及びJIS K 7121に基づきDSC曲線から求めたガラス転移温度は22℃であった。
[製造例9]
使用するモノマーとしてMMA42部、nBA48部、ジメチルアミノエチルアクリレート塩化メチル塩(以下DMAEA−Qと略)10部とした以外は製造例1と同様に重合した。得られた水性エマルションは、不揮発分30%、pH5、光散乱測定による平均粒子径141nm、及びJIS K 7121に基づきDSC曲線から求めたガラス転移温度は8℃であった。
<記録用シートの作製>
実施例、比較例で作成した記録用シート、及び評価結果を、表2に示した。
[実施例1]
合成非晶質シリカ(ファインシールX−37B;(株)トクヤマ製)100部と、完全鹸化ポリビニルアルコール(PVA−117;(株)クラレ製)20部、スミレーズレジン1001(住友化学工業(株)製;固形分30%)33.3部を水に加えて混合攪拌し、固形分15%の塗被組成物を得た。この塗被組成物を坪量105g/mの上質紙に、絶乾状態で20g/mの塗工量になるよう塗工し、120℃、1分間乾燥させた。更にその上に、製造例1で得たエマルション100部とコロイダルシリカ(スノーテックス−AKL;日産化学工業(株)製、固形分20%)500部と部分鹸化ポリビニルアルコール(PVA−235;(株)クラレ製)5部を水に加えて混合攪拌して得られる固形分15%の塗被組成物を、絶乾状態で5g/mの塗工量になるよう塗工し、その後、平滑化処理として表面温度が90℃に保たれた鏡面ドラムに、線圧50kg/cmで圧接させた。その結果、実施例1の記録用シートを得た。
[実施例2]
実施例1において使用する水性エマルションを製造例2で得られた水性エマルションとした以外は、実施例1と同様にして、実施例2のインクジェット記録シートを得た。
[実施例3]
実施例1において使用する水性エマルションを製造例3で得られた水性エマルションとした以外は、実施例1と同様にして、実施例3のインクジェット記録シートを得た。
[実施例4]
実施例1において使用する水性エマルションを製造例4で得られた水性エマルションとした以外は、実施例1と同様にして、実施例4のインクジェット記録シートを得た。
[比較例1]
実施例1において使用する水性エマルションを製造例5で得られた水性エマルションとした以外は、実施例1と同様にして、比較例1のインクジェット記録シートを得た。
[比較例2]
実施例1において使用する水性エマルションを製造例6で得られた水性エマルションとした以外は、実施例1と同様にして、比較例2のインクジェット記録シートを得た。
[比較例3]
実施例1において使用する水性エマルションを製造例7で得られた水性エマルションとした以外は、実施例1と同様にして、比較例3のインクジェット記録シートを得た。
[比較例4]
実施例1において使用する水性エマルションを製造例8で得られた水性エマルションとした以外は、実施例1と同様にして、比較例4のインクジェット記録シートを得た。
[比較例5]
実施例1において使用する水性エマルションを製造例9で得られた水性エマルションとした以外は、実施例1と同様にして、比較例5のインクジェット記録シートを得た。
[比較例6]
実施例1において使用する水性エマルションを使用せず、その代わりに10%PVA117を210部とした以外は、実施例1と同様にして、比較例6のインクジェット記録シートを得た。
[評価方法]
評価は、以下の方法に従って実施した。
<光沢値>
光沢の測定は、JIS Z8741に基づき、変角光沢計 GM−3D型(村上色彩技術研究所社製)を使用して、記録用シート表面の75°での光沢度を測定した。
<インク吸収性>
市販のインクジェットプリンター(セイコーエプソン社製、PM2000C)を用いて、イエローインク、マゼンダインク、シアンインク、ブラックインクを縦方向にベタ印刷し、プリンターから排出された直後に、上部にPPC用紙を押しつけて、インクがPPC用紙へ転写される度合いを目視で評価した。評価基準は以下の通りである。
◎:インクの転写がなく、インク吸収性に優れる。
○:インクの転写がわずかにあるが、インク吸収性が実用レベルである。
△:インクの転写が多く、インク吸収性が実用レベル以下である。
×:インクが全く吸収されていない。
<印字濃度>
市販のインクジェットプリンター(セイコーエプソン社製 PM2000C;染料系インク使用、セイコーエプソン社製 MC2000;顔料系インク使用)を用いて、ブラックインクのベタ印刷を行い、ベタ部の光学反射濃度をマクベス濃度計(RD−918)で測定した。
<耐水性>
市販のインクジェットプリンター(セイコーエプソン社製、PM2000C)を用いて、ブラックインクで文字印刷を行い、印字部分に30℃の市水を滴下して一時間放置した。その後、残存する水滴が存在する場合はそれをウェスで吸い取り、表面状態やにじみ等の印字状態を目視で判定した。評価基準は以下の通りである。
○:にじみや発色濃度、表面状態の変化が殆ど見られない。
△:にじみや発色濃度、表面状態の低下があるが、実用レベルである。
×:にじみや発色濃度、表面状態の低下があり、実用レベル以下である。
Figure 2006327166

Figure 2006327166
本発明によれば、高光沢でインク吸収性に優れ、且つ耐水性、印字濃度に優れるインクジェット記録シート用水性エマルション、及びインクジェット記録シートを提供することができ、産業上有用である。

Claims (5)

  1. (A)ジメチルアミノエチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド及びそれらの塩化メチル塩から選ばれる少なくとも1種の単量体と(B)少なくとも芳香族ビニル類を含むその他共重合可能な単量体との共重合体を含むインクジェット記録シート用水性エマルション。
  2. (B)芳香族ビニル類がスチレンである請求項1に記載のインクジェット記録シート用水性エマルション。
  3. 水性エマルションの平均粒子径が、30〜200nmである請求項1に記載のインクジェット記録シート用水性エマルション。
  4. 水性エマルションのガラス転移温度が−40〜10℃である請求項1に記載のインクジェット記録シート用水性エマルション。
  5. シート状支持体上にインク受容層を少なくとも一層以上有するインクジェット記録シートであって、該インク受容層が請求項1に記載の水性エマルションを含むインクジェット記録シートであり、JIS Z8741に基づき測定される、記録シートの記録面表面の75°での光沢度が、50%以上であるインクジェット記録シート。





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